JP2006071076A - スラスト針状ころ軸受の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 剥離の発生を抑制して軸受の長寿命化を実現できるスラスト針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】 スラスト針状ころ軸受13は、第1軌道盤14と、第2軌道盤15と、針状ころ16と、保持器17とを備える。第1軌道盤14は第1ハウジング11に相対回転可能に支持され、第2軌道盤15は第2ハウジング12に固定保持されている。第1ハウジング11と第2ハウジング12とは相対回転可能である。
【選択図】 図6
【解決手段】 スラスト針状ころ軸受13は、第1軌道盤14と、第2軌道盤15と、針状ころ16と、保持器17とを備える。第1軌道盤14は第1ハウジング11に相対回転可能に支持され、第2軌道盤15は第2ハウジング12に固定保持されている。第1ハウジング11と第2ハウジング12とは相対回転可能である。
【選択図】 図6
Description
本発明は、自動車のエアコンディショナー用コンプレッサ、トランスミッション(オートマチック/マニュアル)、無段変速機、自動車や自動二輪車等の各種車両の電動ブレーキ等に用いられるスラスト針状ころ軸受に関するものである。このスラスト針状ころ軸受は、これらの部品または装置の回転部分に設置し、この回転部分に加わるスラスト荷重を支持するために使用される。
なお、日本工業規格(JIS)では、「針状ころ」を「直径が5mm以下で、長さと直径との比が3以上10以下である円筒状のころ」であると分類している。しかしながら、本明細書中で使用する「針状ころ」という用語は、JISで規定されているような寸法関係を有する針状ころだけでなく、より広義な意味で使用する。言い換えれば、本明細書で使用する「針状ころ」とは、JISで規定されている棒状ころまたは円筒ころを含むものとして理解すべきである。
スラスト針状ころ軸受は、対向する1対の軌道部材の間に配置される複数の針状ころと、保持器とからなり、単純な構造で高負荷容量と高剛性とを実現できるものとして知られている。また、スラスト針状ころ軸受は、軸方向の高さ(厚み)が小さい等の利点を有するので、省スペース化が要求される用途に広く使用されている。
スラスト針状ころ軸受が使用される主な用途としては、自動車用エアコンディショナーのコンプレッサがある。特開2003−97562号公報(特許文献1)は、スラスト針状ころ軸受を組み込んだ種々のタイプのコンプレッサを開示している。スラスト針状ころ軸受が使用される別の用途として、電動ブレーキがある。各種車両の電動ブレーキは、例えば、特開2003−247576号公報(特許文献2)および特開2000−238628号公報(特許文献3)に開示されている。
特開2003−97562号公報
特開2003−247576号公報
特開2000−238628号公報
スラスト針状ころ軸受では、その基本構造に由来して、針状ころと軌道輪との間に差動すべりが生ずる。より詳しく説明すると、スラスト針状ころ軸受の場合、平面の軌道面を有する軌道輪の上に、転動体として円柱形状の針状ころを配置し、この針状ころと軌道面とが線接触する構造になっている。軸受の回転中心と、針状ころの公転運動の中心とは一致する。針状ころは軸受の径方向に所定の長さを有しているが、針状ころの転動面上における周速度は、同じ速度である。一方、針状ころに転がり接触する軌道輪の軌道面は、軸受の回転中心から外径方向に向かうほど周速度は大きくなる。そのため、針状ころと軌道輪の軌道面との間の周速度差は、針状ころの両端部で最大となる。
理論上では、軸受のピッチ円上のみで純転がり運動を行い、ピッチ円上の点から針状ころの両端部に向けて、針状ころと軌道面との周速度差が大きくなり、差動すべりが増大する。この差動すべりは、針状ころの長さに比例して大きくなる。
スラスト針状ころ軸受における差動すべりは、他の形式の軸受と比較して大きい。そのため、差動すべりが原因となって、針状ころのエッジ部と軌道輪との間でエッジ応力が発生しやすく、軌道輪のころ転走部のエッジ部に表面起点型の剥離が発生しやすくなる。
また、針状ころに差動すべりが発生すると、油膜切れが起こり、ころと軌道輪とが金属接触して発熱する。この発熱により、表面損傷や表面起点型の剥離が発生しやすくなる。このような傾向は、高速回転になればなる程、顕著となる。結果的に、軸受寿命が短くなることが認められる。
近年、自動車のエアコンディショナー用コンプレッサ等に使用されているオイルは低粘度のものが使用されてきている。より詳しく説明すると、地球温暖化防止等の環境問題の観点から、冷媒として代替フロンが使用されているが、これらの代替フロンは、従来使用されていた冷媒と比較して、自己潤滑性が乏しいとされている。潤滑油は、溶解した代替フロンとの混合状態であるため、動粘度が低下している。また、コンプレッサの冷媒循環路には、潤滑油と冷媒とが混合した混合物が循環するため、コンプレッサ能力(冷却能力)を向上するには、冷媒の占める量を増加して潤滑油の占める量を減らす必要がある。コンプレッサ用のスラスト針状ころ軸受は、このような希薄潤滑下での過酷な条件で使用されているため、表面損傷や表面起点型剥離がより発生し易くなっている。
自動車メーカー、オートマチックトランスミッションメーカー、無段変速機メーカー、自動車や自動二輪車等の各種車両の電動ブレーキメーカーは、省エネルギーの観点から、従来のオイルに添加剤を入れている場合がある。添加剤を入れることにより動力伝達力が向上し、省エネルギーとなる。しかしながら、添加剤入りのオイルは軸受への潤滑性能が劣るため、差動すべりを生ずるスラスト針状ころ軸受では、表面起点型剥離等の表面損傷での早期剥離が発生し易くなっている。
さらに、近年、自動車用エアコンディショナー用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、無段変速機、自動車や自動二輪車等の各種車両の電動ブレーキの使用条件として、高出力化やコンパクト化が要請されるため、スラスト針状ころ軸受には高荷重化への傾向が見られ、通常の荷重依存型の転動疲労による内部起点型剥離も発生し易くなってしまう。
本発明の目的は、過酷な条件で使用されても剥離の発生を抑制し得るスラスト針状ころ軸受を提供することである。
本件発明者は、スラスト針状ころ軸受の取付構造を改良することにより、剥離の発生を抑制して軸受の長寿命化を実現できることを見出した。このことを説明するために、図1〜図5を参照して従来のスラスト針状ころ軸受の取付構造を説明する。
図1は、自動車のエアコンディショナー用コンプレッサ等に組み込まれた従来のスラスト針状ころ軸受3を示している。図1(a)は従来のスラスト針状ころ軸受の取り付け構造を示す断面図であり、(b)は(a)の線B−Bに沿って見た図、(c)は(a)の線C−Cに沿って見た図である。スラスト針状ころ軸受3は、第1軌道盤4と、第2軌道盤5と、針状ころ6と、保持器7とを備える。第1軌道盤4は第1ハウジング部材1に固定され、第2軌道盤5は第2ハウジング部材2に固定される。第1ハウジング部材1と第2ハウジング部材2とは、相対回転可能である。
図2は第1軌道盤4を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図である。図示するように、第1軌道盤4はその外周部に径方向に突出した一対の凸部4aを有している。これに対応して、第1ハウジング部材1は、第1軌道盤4の凸部4aに係合する凹部1aを有している(図1参照)。凸部1aと凹部1aとの係合により、第1軌道盤4は第1ハウジング部材1に対して相対的に回らないように固定保持される。
また、第2軌道盤5はその内周部に径方向に突出した凸部5aを有している。これに対応して、第2ハウジング部材2は、第2軌道盤5の凸部5aに係合する凹部2aを有している。凸部5aと凹部2aとの係合により、第2軌道盤5は第2ハウジング部材2に対して相対的に回らないように固定保持される。
図3〜図5は、軌道盤とハウジングとの間の回り止め構造の他の例を示している。図3に示した軌道盤8は、その内周部に一対の凸部8aを有している。この軌道盤8を保持するハウジングは、凸部8aに係合する凹部を有する。図4に示した軌道盤9は、その内径穴の形状が円形ではなく、一対の平面部9aを持つ形状となっている。これに対応して、軌道盤9を保持するハウジングまたは軸は、軌道盤9の内径穴の形状に適合する係合部を有する。図5に示した軌道盤10は、その外周部の3箇所に凹部10aを有している。これに対応して、軌道盤10を保持するハウジングは、凹部10aに係合する凸部を有する。
図1〜図5に示すように、従来のスラスト針状ころ軸受の保持構造では、軌道盤とハウジングとの間に相対回転を禁止する回り止め構造を設けている。
例えば、自動車のエアコンディショナー用コンプレッサでスラスト針状ころ軸受を使用する場合、軸受には偏荷重が作用する。また、オートマチックトランスミッションでは、ミスアライメントのために、あるいは偏心荷重や間歇荷重がかかるために、軸受に対す荷重負荷が均等にならない。前述したように、従来のスラスト針状ころ軸受は回り止め構造を介してハウジングに固定保持されている。そのため、軸受に対する最大負荷域は一点に固定され、その点が剥離の起点となり易い。ころが転がる転走面は軌道盤全周となるが、内部剥離および表面剥離の起点は、最大負荷域の一点となり、ここから剥離が広がる。
本件発明者は、最大負荷域が一点に集中するような従来の軸受保持構造を改良するために、軌道盤とハウジングとの間に回り止め構造を設けないようにすることが有効であることを見出した。
この発明は、針状ころと軌道盤とを備えるスラスト針状ころ軸受をハウジングによって保持する構造において、軌道盤がハウジングに相対回転可能に支持されていることを特徴とする。
上記構成の軸受保持構造によれば、軌道盤がハウジングに対して相対回転するものであるので、剥離の起点となる軌道盤に作用する最大負荷域は軌道盤上の一点に集中されるのではなく、軌道盤の周方向にずれていくことになる。言い換えれば、軌道盤がハウジングに対して相対回転することにより、軌道盤が局所的に最大応力を受けるのではなく、軌道盤の全周で順次応力を受けられるようにする。このようにすれば、一点に集中する負荷を小さくできるので、剥離の発生を抑制でき、スラスト針状ころ軸受の長寿命化を実現できる。
上述したように、本発明のスラスト針状ころ軸受取付構造では、軌道盤とハウジングとの接触部分に、回り止め構造が存在していない。例えば、回り止めのための凹凸係合部が存在していない。一つの実施形態では、スラスト針状ころ軸受は、針状ころを保持するための保持器を備えており、保持器付針状ころと軌道盤とが分離可能に組み立てられている。他の実施形態では、スラスト針状ころ軸受は、針状ころを保持するための保持器を備えており、保持器付針状ころと軌道盤とが分離不能に組み立てられている。さらに他の実施形態では、スラスト針状ころ軸受は、針状ころを保持するための保持器を備え、軌道盤は、保持器付針状ころを間に挟むように配置された一方側軌道部材と他方側軌道部材とを備え、保持器付針状ころと両軌道部材とが分離可能に組み立てられている。さらに他の実施形態では、スラスト針状ころ軸受は、針状ころを保持するための保持器を備え、軌道盤は、保持器付針状ころを間に挟むように配置された一方側軌道部材と他方側軌道部材とを備え、保持器付針状ころと少なくともいずれか一方の軌道部材とが分離不能に組み立てられている。
スラスト針状ころ軸受は、単列ころのタイプであってもよいし、複列ころのタイプであってもよい。針状ころの差動すべりによる発熱を抑えようとする場合には、複列タイプのスラスト針状ころ軸受を用いる。この実施形態では、針状ころは、軸受の径方向の外側に配置された外側ころと、軸受の径方向の内側に配置された内側ころとを備え、スラスト針状ころ軸受は、外側ころおよび内側ころを保持する保持器を備える。
上記構成の複列スラスト針状ころ軸受によれば、径方向に複列のころを配置することにより差動すべりを抑制し軸受の低トルク化を図ることができるので、客先のニーズである省燃費化を実現できる。上記の構成の複列スラストころ軸受を自動車のエアコンディショナー用コンプレッサ、トランスミッション(オートマチック/マニュアル)、無段変速機、車両の電動ブレーキ等に使用した場合、軸受の径方向に複数のころを配置しているので、ころの差動すべりを抑制でき、ころと軌道部材との金属接触を防いで軸受部の発熱を抑制する。
一つの実施形態では、複列スラスト針状ころ軸受の保持器は、周方向に間隔をあけて設けられた複数のポケットを含み、複数のポケットの各々に、外側ころおよび内側ころが収容されている。他の実施形態では、複列スラスト針状ころ軸受の保持器は、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケットと、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケットとを含む。複数の外側ポケットの各々に、外側ころが収容され、複数の内側ポケットの各々に、内側ころが収容されている。
以上のようにこの発明によれば、剥離の発生を抑制して軸受の長寿命化を実現できる。
図6および図7を参照して、この発明の一実施形態に係るスラスト針状ころ軸受取付構造を説明する。図6(a)はスラスト針状ころ軸受の取付構造を示す断面図であり、(b)は(a)の線B−Bに沿って見た図、(c)は(a)の線C−Cに沿って見た図である。図6に示すスラスト針状ころ軸受13は、単列ころのタイプであり、第1軌道盤14と、第2軌道盤15と、両軌道盤14,15の間に配置される複数の針状ころ16と、針状ころ16を保持する保持器17とを備える。第1軌道盤14は、第1ハウジング11に相対回転可能に支持され、第2軌道盤15は、第2ハウジング12に固定保持されている。第1ハウジング11と第2ハウジング12とは、相対回転可能である。第2軌道盤15は、図6(c)に示すように、凸部15aと凹部12aとの係合により、第2ハウジング12に対して回らないようにされている。
図7は、第1軌道盤14を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。図示するように、第1軌道盤14には、ハウジングに対する回り止め構造を実現するような凸部や、凹部や、平面部が設けられていない。したがって、運転中においては、第1軌道盤14は、針状ころの回転運動(ころの自転、公転運動、摩擦力、遠心力、軸受荷重等)に伴ってハウジング11に対して相対回転可能となり、最大負荷域が第1軌道盤14上の一点に集中するのを避けることができる。
図6に示した軸受取付構造では、第1軌道盤14を第1ハウジング11に対して相対回転可能に保持し、第2軌道盤15を第2ハウジング12に固定保持したが、第2軌道盤15も第2ハウジング12に対して相対回転可能に保持するようにしてもよい。
図8〜図19は、単列ころタイプのスラスト針状ころ軸受の種々の形態を示している。これらのうち、図8〜図14に示したスラスト針状ころ軸受は、一対の軌道盤と保持器付針状ころとを備えた三位一体タイプであり、図15〜図19に示したスラスト針状ころ軸受は、1個の軌道盤と保持器付針状ころとを備えた二位一体タイプである。これらの各図に示されたスラスト針状ころ軸受を簡単に説明する。なお、各図において同一の参照番号を付したものは、同一または相当の要素を示すものである。
図8に示すスラスト針状ころ軸受20は、平板状の第1軌道盤21と、平板状の第2軌道盤22と、針状ころ23と、ころ保持部がW形状に成形された保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と、両軌道盤21,22とは、分離可能である。
図9に示すスラスト針状ころ軸受は、内径フランジ付の第1軌道盤21と、外径フランジ付の第2軌道盤22と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と、両軌道盤21,22とは、分離不能である。
図10に示すスラスト針状ころ軸受は、内径フランジ付の第1軌道盤21と、外径フランジ付の第2軌道盤22と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と、両軌道盤21,22とは、分離可能である。
図11に示すスラスト針状ころ軸受は、平板状の第1軌道盤21と、外径フランジ付の第2軌道盤22と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離可能であり、保持器付針状ころ23と第2軌道盤22とは分離不能である。
図12に示すスラスト針状ころ軸受は、内径フランジ付の第1軌道盤21と、平板状の第2軌道盤22と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離不能であり、保持器付針状ころ23と第2軌道盤22とは分離可能である。
図13に示すスラスト針状ころ軸受は、内径フランジ付の第1軌道盤21と、平板状の第2軌道盤22と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と両軌道盤21,22とは分離可能である。
図14に示すスラスト針状ころ軸受は、平板状の第1軌道盤21と、外径フランジ付の第2軌道盤22と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と両軌道盤21,22とは分離可能である。
図15に示すスラスト針状ころ軸受は、内径フランジ付の第1軌道盤21と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離不能である。
図16に示すスラスト針状ころ軸受は、内径フランジ付の第1軌道盤21と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離可能である。
図17に示すスラスト針状ころ軸受は、外径フランジ付の第1軌道盤21と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離不能である。
図18に示すスラスト針状ころ軸受は、外径フランジ付の第1軌道盤21と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離可能である。
図19に示すスラスト針状ころ軸受は、平板状の第1軌道盤21と、針状ころ23と、保持器24とを備える。保持器付針状ころ23と第1軌道盤21とは分離可能である。
上記の各実施形態において図示した保持器24は単なる一例である。保持器の材料として、合成樹脂製、鉄製、アルミニウム製等の種々のものを採用できる。また、保持器の形状・構造としても、W形保持器、箱形保持器、削りだし保持器、プレス保持器等の種々のものを採用できる。
図20〜図26は、複列タイプのスラスト針状ころ軸受の種々の形態のものを示している。これらの図において、同一の参照番号は、同一または相当の要素を示すものである。
まず、図20を参照して、複列スラスト針状ころ軸受の基本構造を説明する。複列スラスト針状ころ軸受30は、固定側軌道輪31と、回転側軌道輪32と、両軌道輪の間に配置されて保持器35によって保持された複数のころ33,34とを備える。ころ33,34は、軸受の径方向に複数配置されている。ころ34は径方向に見て内側に配置され、ころ33は径方向に見て外側に配置されている。従って、以下の説明では、内側ころ34および外側ころ33と呼ぶ。
図示した実施形態において、好ましくは、保持器35が、軌道輪31,32に接触しないように転動体33,34によって案内されている。言い換えれば、外側ころ33および内側ころ34が、保持器35を1対の軌道輪31,32に接触しないように抱えている。
寸法的な関係に注目すると、保持器35を転動体案内とするために、好ましくは、軸受の回転軸線方向に沿う保持器の高さ寸法を、内側ころ34および外側ころ33の直径よりも小さくする。
このように保持器35を転動体案内とし、保持器35と軌道輪31,32とが接触しないようにすることにより、軸受部の発熱をより効果的に抑制できる。
図24〜図26は、内側ころ34および外側ころ33を配置する種々の形態を示している。図24に示す保持器35は、周方向に間隔をあけて設けられた複数のポケット36を含み、各ポケット36内に内側ころ34と外側ころ33とが配置されている。
図25に示す保持器35は、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケット37と、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケット38とを含み、複数の外側ポケット37の各々に外側ころ33が収容され、複数の内側ポケット38の各々に内側ころ34が収容されている。図25に示す形態では、内側ころ34の数と、外側ころ33の数とが同じである。
図26に示す保持器35は、図25に示した保持器と同様に、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケット37と、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケット38とを含み、複数の外側ポケット37の各々に外側ころ33が収容され、複数の内側ポケット38の各々に内側ころ34が収容されている。図26に示す形態では、内側ころ34の数と、外側ころ33の数とが異なっている。具体的には、図示した形態では、外側ころ33の数が内側ころ34よりも多くなっている。
図24〜図26に示したころの配置形態は例示的なものであり、他の配置形態もとり得る。また、図24〜図26に示した配置形態では、径方向に2個のころを配置しているが、径方向に3個以上のころを配置することもある。
図20〜図23に示す各実施形態において、相違しているのは保持器35の形態である。図20および図21に示す実施形態では、保持器35は、上下に重ね合わせて接合される板状の第1部材35aと第2部材35bとからなる。図20に示す保持器35の場合、第2部材35bの外周部分を折り曲げて第1部材35aの外周部をかしめて狭持するようにし、第1部材35aの内周部分を折り曲げて第2部材35bの内周部をかしめて挟持するようにしている。
図21に示す保持器35の場合、リング状の第1部材35aの外周部および内周部を第2部材35b側に向かって折り曲げ、第2部材35bの外周部および内周部を第1部材35a側に向かって折り曲げている。第2部材35bの折り曲げ外周部および内周部は、第1部材35aの折り曲げ外周部および内周部内に嵌め入れられている。
図22および図23に示す保持器35は、樹脂製の保持器である。図22では、保持器35の一つのポケット内に内側ころ34および外側ころ33が収容されている。図23では、保持器35に内側ポケットおよび外側ポケットが形成されており、内側ポケットに内側ころ34が収容され、外側ポケットに外側ころ33が収容されている。
なお、本発明に従った複列スラスト針状ころ軸受において、外側ころおよび内側ころの端面形状に注目すると、外側ころはF端面(平面)またはA端面(丸面)を有し、内側ころはF端面またはA端面を有している。したがって、外側ころの端面と内側ころの端面との組合せとして、以下の4通りがある。
(1)外側ころがF端面で、内側ころがF端面。
(2)外側ころがF端面で、内側ころがA端面。
(3)外側ころがA端面で、内側ころがF端面。
(4)外側ころがA端面で、内側ころがA端面。
外側ころおよび内側ころの長さに注目すると、通常は、両者を同じ長さにする。ただ、使用条件によって、両者の長さを異ならせる場合もある。具体的には、面圧が高くなる使用条件では、内側ころの長さを外側ころよりも長くすることがある。また、ころの滑りが大きくなる使用条件では、外側ころの長さを内側ころよりも長くすることがある。
保持器のころ保持部の形状に注目すると、ころを側面から抱える角部を滑らかにだらすようにするのが好ましい。このようなだらした保持部でころを抱えるようにすれば、潤滑油膜を切ることなく、ころを安定して案内保持することができる。
また、ころの形状に注目すると、外側ころおよび内側ころの少なくとも一方のころにクラウニングを形成するようにしてもよい。このようにすれば、クラウニング形状の付加によりころの有効長さを短くして差動すべり減少効果を高めることができる。さらに、クラウニング形状でのエッジ部での負荷が軽減される効果もあり、軸受の摩擦トルクを減少させることができる。
外側ころおよび内側ころの端面振れ精度に関しては、好ましくは、30μm以下にする。端面振れ精度が30μm以下であれば、ころところとの接触摩擦抵抗、およびころと保持器との接触摩擦抵抗が小さくなり、ドリリング摩耗が生じにくくなる。
複列スラスト針状ころ軸受の軌道輪が、少なくとも表層0.1mmの深さまで粒径0.6μm以上の炭化物を単位面積当たり10000個/mm2 以上、40000個/mm2 未満有するようにしてもよい。このような軌道輪であれば、炭化物が変形抵抗として働くため、表層の材料強度を向上させる。さらに、ころと軌道輪との間の差動すべりや潤滑不良によって、軌道輪表面が発熱しても塑性流動の発生を抑制することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変更を加えることが可能である。
この発明は、自動車のエアコンディショナー用コンプレッサ、トランスミッション(オートマチック/マニュアル)、無段変速機、自動車や二輪車等の各種車両の電動ブレーキ等に用いられるスラスト針状ころ軸受に有利に適用され得る。
1 第1ハウジング部材、1a 凹部、2 第2ハウジング部材、3 スラスト針状ころ軸受、4 第1軌道盤、4a 凸部、5 第2軌道盤、6 針状ころ、7 保持器、8 軌道盤、8a 凸部、9 軌道盤、9a 平面部、10 軌道盤、10a 凹部、11 第1ハウジング部材、12 第2ハウジング部材、13 スラスト針状ころ軸受、14 第1軌道盤、15 第2軌道盤、16 針状ころ、17 保持器、20 スラスト針状ころ軸受、21 第1軌道盤、22 第2軌道盤、23 針状ころ、24 保持器、30 複列スラスト針状ころ軸受、31 第1軌道盤、32 第2軌道盤、33 外側ころ、34 内側ころ、35 保持器、35a 第1部材、35b 第2部材、36 ポケット、37 外側ポケット、38 内側ポケット。
Claims (9)
- 針状ころと軌道盤とを備えるスラスト針状ころ軸受をハウジングに取付ける構造において、
前記軌道盤は前記ハウジングに相対回転可能に支持されていることを特徴とする、スラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記軌道盤と前記ハウジングとの接触部分には、回り止め構造が存在していない、請求項1に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。
- 前記スラスト針状ころ軸受は、前記針状ころを保持するための保持器を備えており、
前記保持器付針状ころと前記軌道盤とが分離可能に組み立てられている、請求項1または2に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記スラスト針状ころ軸受は、前記針状ころを保持するための保持器を備えており、
前記保持器付針状ころと前記軌道盤とが分離不能に組み立てられている、請求項1または2に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記スラスト針状ころ軸受は、前記針状ころを保持するための保持器を備え、
前記軌道盤は、前記保持器付針状ころを間に挟むように配置された一方側軌道部材と他方側軌道部材とを備え、
前記保持器付針状ころと前記両軌道部材とが分離可能に組み立てられている、請求項1または2に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記スラスト針状ころ軸受は、前記針状ころを保持するための保持器を備え、
前記軌道盤は、前記保持器付針状ころを間に挟むように配置された一方側軌道部材と他方側軌道部材とを備え、
前記保持器付針状ころと前記少なくともいずれか一方の軌道部材とが分離不能に組み立てられている、請求項1または2に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記針状ころは、軸受の径方向の外側に配置された外側ころと、軸受の径方向の内側に配置された内側ころとを備え、
前記スラスト針状ころ軸受は、前記外側ころおよび前記内側ころを保持する保持器を備える、請求項1〜6のいずれかに記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記保持器は、周方向に間隔をあけて設けられた複数のポケットを含み、
前記複数のポケットの各々に、前記外側ころおよび前記内側ころが収容されている、請求項7に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。 - 前記保持器は、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケットと、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケットとを含み、
前記複数の外側ポケットの各々に、前記外側ころが収容され、
前記複数の内側ポケットの各々に、前記内側ころが収容されている、請求項7に記載のスラスト針状ころ軸受の取付構造。
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2004
- 2004-09-06 JP JP2004258743A patent/JP2006071076A/ja not_active Withdrawn
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