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JP2006058752A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実像及び虚像を合成表示する表示装置において、立体感を付与することを可能とする表示装置を提供すること。
【解決手段】 表示装置1は、第一の表示部6と第二の表示部9を備える表示器3と、前記第一の表示部6が射出する第一の表示光L1を全反射する反射部材4と、この反射部材4で全反射した前記第一の表示光L1を反射し前記第二の表示部9が射出する第二の表示光L2を透過することにより前記第一の表示部の表示像8を前記第二の表示部の表示像11の後方にて視認させる透過型反射部材5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関し、特に車両情報を実像及び虚像とを合成表示する表示装置に関するものである。
この種の表示装置として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。この表示装置は、第1表示及び第2表示を表示する一台の表示器と、透過機能と反射機能とを備えた透過型反射部材と、を備える。観察者は、表示器に対して垂直に設けられた前記透過型反射部材を透過した光によって構成される実像と、前記透過型反射部材で反射した光によって構成される虚像とを、ほぼ同じ奥行きにて視認する。このような構成の表示装置は、一台の表示器によって実像及び虚像とをほぼ同じ奥行きに合成表示でき、構成部品が少なく、装置の光学的位置調整が容易であり、表示像の明るさや色合い等を一致させる調整が必要でなくなる。これにより、装置のコストを抑えることができるだけでなく、複雑な表示情報を視認性よく、集約表示できる。
特開平4−194977号公報
しかしながら、以上のような構成の表示装置は、複数の情報が限られた平面上に集約され、情報の表示が平面的であり、レイヤー感のない表示となってしまう。また、例えば、観察者の注意を喚起すべき警報表示が常時表示する車速,エンジンの回転数及び燃料の残量値等の情報と同一平面にて表示されるため、視認性及び誘目性が低いという問題がある。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、実像及び虚像を合成表示する表示装置において、表示に立体感を付与することを可能とする表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、第一の表示部と第二の表示部を備える表示器と、
前記第一の表示部が射出する第一の表示光を全反射する反射部材と、この反射部材で全反射した前記第一の表示光を反射し前記第二の表示部が射出する第二の表示光を透過することにより前記第一の表示部の表示像を前記第二の表示部の表示像の後方にて視認させる透過型反射部材と、を備える。
また、請求項2に記載のように、前記透過型反射部材が前記第二の表示部に対向し、前記反射部材が前記第一の表示部と前記透過型反射部材との双方に対向する。
また、請求項3に記載のように、前記第一の表示部の表示像の色と前記第二の表示部の表示像の色とを相違させる。
また、請求項4に記載のように、前記表示器は、有機ELパネルである。
本発明は、実像及び虚像を合成表示する表示装置に関し、表示に立体感を付与することを可能とする表示装置を提供することができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1から図4は、本発明の第一の実施形態を示す。図1は、表示装置1の断面図であり、図2は、反射部材の前面ハウジングへの取り付け方法を示す図であり、図3及び図4は、表示例を示す図である。
表示装置1は、ハウジング2に、有機EL(Electro Luminescence)パネル(表示器)3と、全反射ミラー(反射部材)4と、ハーフミラー(透過型反射部材)5と、を収納してなる。
ハウジング2は、合成樹脂からなる前面ハウジング200と背面ハウジング201とによって構成され、車両のダッシュボードに設置される。前面ハウジング200は、観察者Oが表示を見るための窓部202を正面に備え、透明の合成樹脂からなるカバーが取り付けられる。前面ハウジング200は、その背面が開口部203となっており、この開口部203と背面ハウジング201の前面の開口部204と連結される。前面ハウジング200は、図2に示すように内部の左右側壁にミラーを支持するスリット部205を有する。スリット部205は、側壁から突設する長方形状の平板部材が二つ対に設けられる。スリット部205は、その間隙に後に詳述する全反射ミラー4及びハーフミラー5をスライドさせ、ミラー4,5が互いに平行になるよう固定するものである。スリット部205は、ミラー4,5が有機ELパネル3に対して45度の角度で傾斜配置されるように、前面ハウジング200に設けられている。背面ハウジング201は、有機ELパネル3と有機ELパネル3と接続する回路基板(図示しない)とを収納する。
有機ELパネル3は、支持基板32と、有機EL素子と、封止板(封止部材)33と、を有している。
支持基板32は、ガラスまたは透光性樹脂からなり、白色発光の有機EL素子を支持する。また、支持基板32は、封止板33よりも若干大きめに形成されており、封止板38を配設可能としている。
有機EL素子は、支持基板32上に、透明電極と有機層と背面電極とをスパッタリング法,スピンコート法,蒸着法等の適宜方法によって、順次積層形成してなるものである。
有機層は、透明電極側から正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層及び電子注入層を蒸着法等の手段によって順次積層形成し、膜厚100〜300nmの層状となるものである。本発明の実施形態にあっては、少なくとも発光層を有するものであればよい。
透明電極にはITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電材料を用いる。背面電極は、アルミニウム(Al)等の導電材料からなるものである。
封止板33は、例えばガラス材料からなる平板部材と支持部材からなり、支持部材を、シール剤を介し支持基板上に配設することで、封止板と支持基板とで構成される収納空間内に有機EL素子を気密的に収納することができる。
以上の各部によって有機ELパネル3は、構成される。有機ELパネル3は、上方に位置する第一の表示部6と、下方に位置する第二の表示部9とを有する。全反射ミラー4は、ポリカーボネートからなる樹脂基板に反射膜を蒸着してなるものであり、第一の表示部6と対向して設けられる。ハーフミラー5は、暗色系の色に着色された透光性基材に反射膜を蒸着した半透過反射型のパネルであり、第二の表示部9と対向して設けられる。なお、透過型反射部材としては反射膜を被着したハーフミラー5に変えて、反射膜を有しない着色パネルや無色透明のパネルを採用できる。
第一の表示部6は、第一の表示部6に対しておよそ45度の角度で傾斜配置された全反射ミラー4に白色の第一の表示光L1を射出する。第一の表示部6は、表示部6上に特定の波長域の光のみを透過する第一のフィルタ(色調整フィルタ)7を有する。第一のフィルタ7は、白色の色補正のために用いるもので、赤、緑、青のそれぞれの波長領域にフィルタをかけ、所望の白色に近づくようバランスをとっている。第一の表示光L1は、全反射ミラー4におよそ45度の角度で入射し、45度の角度で出射する。全反射ミラー4で反射した第一の表示光L1は、ハーフミラー5におよそ45度の角度で入射し、45度の角度で出射し、観察者Oに向かって進む。観察者Oは、第一の表示部6によって表示される虚像8を視認する。虚像8は、距離D1分ハーフミラー5の後方に位置する。距離D1は、第一の表示部6から全反射ミラー4までの距離D2に、全反射ミラー4からハーフミラー5までの距離D3を足した距離に相当する。観察者Oから見て、虚像8の位置をさらに奥に表示する場合には、D2,D3が長くなるように、第一の表示部6及び各ミラー4,5の位置を調整すればよい。
第二の表示部9は、特定の波長領域の光のみを透過する第二のフィルタ(色変更)10を有する。本実施形態において、第二のフィルタ10は、白色光を形成する波長のうち赤色の波長領域の光のみを透過する。第二の表示部9から発光した白色の第二の表示光L2は、第二のフィルタ10を透過すると、赤色の表示光となる。赤色の第二の表示光L2は、第二の表示部9に対しておよそ45度の角度で傾斜配置されたハーフミラー5を透過して、観察者Oに達する。観察者Oは、第二の表示部の発光する第二の表示光によって表される実像11を視認する。実像11は、第二の表示部9で観察者Oに視認され、虚像8に対して手前に表示される。
以上の構造を備える表示装置1は、実像11と虚像8とを観察者Oからみて近距離及び遠距離の位置にて表示できる。例えば、第一の表示例として、図3に示すような観察者Oに注意を喚起すべき情報であるブレーキシステムの異常を示すマーク13を赤色の第二の表示光L2で表される実像11によって観察者Oから見て手前に表示し、マーク13の説明である“ブレーキシステムの異常です”14を白色の第一の表示光L1で表される虚像8によって観察者Oから見て後方(奥)に表示する。また、第二の表示例として、図4に示すように、シートベルトの脱着状態を示すマーク15を赤色で実像11により手前に表示し、マーク15を囲むライン16を白色で虚像8により表示し、ライン16を点滅させる。これらの表示例は、特に、表示像の色が相違することや表示像が点滅することにより注意喚起性や誘目性をさらに向上させている。
本実施形態の本発明は、実像11と虚像8を観察者Oから見て手前と後方(奥)に表示するため、立体感や奥行き(レイヤー感)のある表示を実現することができ、表示情報に応じて効果的な表示レイアウトが可能であり、視認性及び誘目性に優れた表示装置を提供することができる。
また、透過型反射部材5が第一の表示部9に対向し、反射部材4が第二の表示部6と透過型反射部材5との双方に対向する構成としたことで、必要最小限の部品構成による表示装置1の小型化,省スペース化を実現する。
また、本実施形態の本発明は、一つの有機ELパネル3を用いており、第一の表示部6及び第二の表示部9の輝度はいずれも等しい。光は、ミラーで反射する際に、ミラーの反射率によって輝度が低くなる為、1回反射する第二の表示光L2に比べると、2回反射する第一の表示光L1は、その表す虚像8の輝度が低くなる。そこで、第一のフィルタ7の透過率T1を第二のフィルタ10の透過率T2よりも大きく、T1>T2と設定すれば、実像11及び虚像8の輝度バランスを良好なものとすることができる。
次に図5及び図6を用いて、本発明の第二の実施形態を説明する。図5は、第二の実施形態における表示装置1のハウジング2を除いた断面図であり、図6は、表示例を示す図である。第一の実施形態と同一もしくは相当する箇所の詳細な説明は省く。
本実施形態において、有機ELパネル3は、白色発光であり、第一の表示部17と第二の表示部18と第三の表示部19とを有する。図5に示すように、第一の表示部17は、有機ELパネル3において最上部に位置し、第二の表示部18は、最下段に位置し、第三の表示部19は、中間部に位置する。
第一の表示部17は、表示部17上に色補正の為の第一のフィルタ20を備え、第一の表示部17に対しておよそ45度の角度で傾斜配置される全反射ミラー21と対向する。第一の表示部17は、全反射ミラー21に向かって第一の表示光L1を射出する。第一の表示部17から射出される第一の表示光L1は、全反射ミラー21で反射し、第三の表示部19と対向して設けられる第二のハーフミラー22と、第二の表示部18と対向して設けられる第一のハーフミラー23のうち、第二のハーフミラー22を透過し、第一のハーフミラー23で反射して、観察者Oに達する。第一の表示光L1によって表される第一の虚像24は、距離D4だけ第二のハーフミラー23から後方(奥)に表示される。距離D4は、第一の表示部17と全反射ミラー21までの距離D5と前反射ミラー21から第一のハーフミラー23までの距離D6とを足した距離に相当する。
第二の表示部18は、表示部18上に赤色の波長領域の光を透過する第二のフィルタ25を備え、第二の表示部18に対しておよそ45度の角度で傾斜配置される第一のハーフミラー23と対向する。第二の表示部18は、第一のハーフミラー23に向かって第二の表示光l2を射出する。第二の表示光L2は、第一のハーフミラー23を透過して、観察者Oに達する。観察者Oは、第二の表示光L2によって表される実像26を第二の表示部18上で視認する。
第三の表示部19は、表示部上に青色の波長領域の光を透過する第三のフィルタ27を備え、第三の表示部19に対しておよそ45度の角度で傾斜配置される第二のハーフミラー22と対向する。第三の表示部19は、第二のハーフミラー22に向かって第三の表示光L3を射出する。第三の表示部19から射出される白色の第三の表示光L3は、第三のフィルタ27を透過して青色の表示光となり、第二のハーフミラー22で反射し、第二の表示部18と対向して設けられる第一のハーフミラー23で反射し、観察者Oに達する。第三の表示光L3によって表される第二の虚像28は、実像26よりも観察者Oからみて後方(奥)にて視認される。第二の虚像28は、距離D7分、第一のハーフミラー23から奥に位置する。第三の表示光L3が進んだ距離D7は、第三の表示部19から第二のハーフミラー22までの距離D8と、第二のハーフミラー22から第一のハーフミラー23までの距離D9とを足した距離に相当する。
本実施形態により、図5に示すように観察者Oから見て手前から順に実像26と第二の虚像28と第一の虚像24とが表示されるために、第一の実施形態と比較すると、より立体感及び奥行き(レイヤー感)があり、視認性及び誘目性に優れた表示となる。
例えば、表示例として、一番手前に表示される実像26においては、図6に示すようなウインカーの点灯を示すマーク29及びハザードの点灯を示すマーク40を赤色で表示し、中間に表示される第二の虚像28においては、マークの周囲を囲むライン41及び車速42を青色で表示し、最も後方(奥)に表示される第一の虚像24においては、燃料の残量値43を白色で表示することが可能である。
また、第一の表示部17,第二の表示部18及び第三の表示部19上に色調整のためのフィルタ20,26,27を備え、単色発光の有機ELパネル3を用いて三色の表示を同一表示枠内で合成したことによって、フルカラーあるいはエリアカラーの有機ELパネル3を用いるよりもコストを削減することができる。
また、表示器3に有機ELパネル3を用いることで、バックライトを必要とせず、省スペースとなり、また、視野角が広いことにより、合成表示にかかる構成部品の位置調整が容易になる。
なお、本発明の実施形態において表示器3は、有機ELパネル3であったが、請求項1及び請求項2にかかる本発明において、表示器3は、有機ELパネル3でなくともよく、蛍光表示管や液晶パネルでもよく、任意である。また、有機ELパネル3の発光色も任意である。
また、本発明の実施形態において、有機ELパネル3上に色調整及び色変更のためにフィルタ7,10を設けたが、請求項1及び請求項2にかかる本発明においては、フィルタを設けなくともよい。
また、本発明の実施形態において、実像11、25によって警報表示13,15,28,29を行ったが、実像11、26及び虚像8,24,28によって表示する情報は、警報表示の他、車速,回転数,外気温,積算値等の車両状態情報や、ナビゲーション情報などでもよく、任意である。例えば、車速や回転数等の常時表示する情報は白色表示を行い、警報は赤色で表示してもよい。
本発明の第一の実施形態を示す断面図。 同上実施形態の前面ハウジングにミラーを傾斜配置する断面図。 同上実施形態の表示レイアウトを示す図。 同上実施形態の表示レイアウトを示す図。 本発明の第二の実施形態を示す断面図。 同上実施形態の表示レイアウトを示す図。
符号の説明
1 表示装置
2 ハウジング
3 有機ELパネル(表示器)
4,21 全反射ミラー(反射部材)
5,22,23 ハーフミラー(透過型反射部材)
6,17 第一の表示部
7,20 第一のフィルタ(色調整フィルタ)
8,24,28 虚像
9,18 第二の表示部
10,25 第二のフィルタ(色調整フィルタ)
11,26 実像(警報表示)
L1 第一の表示光
L2 第二の表示光

Claims (4)

  1. 第一の表示部と第二の表示部を備える表示器と、
    前記第一の表示部が射出する第一の表示光を全反射する反射部材と、
    この反射部材で全反射した前記第一の表示光を反射し前記第二の表示部が射出する第二の表示光を透過することにより前記第一の表示部の表示像を前記第二の表示部の表示像の後方にて視認させる透過型反射部材と、
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記透過型反射部材が前記第二の表示部に対向し、前記反射部材が前記第一の表示部と前記透過型反射部材との双方に対向することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第一の表示部の表示像の色と前記第二の表示部の表示像の色とを相違させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記表示器は、有機ELパネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
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