JP2006047367A - 磁性トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】高速現像条件下で、高湿及び低湿環境下で連続印字或いは低濃度間欠印字を行った場合においても、画像濃度不良、画像ゴースト、かぶり、トナー薄層形成不良等の不具合を発生することの無い、画像特性に優れた磁性トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂中に磁性粉が分散された磁性トナーにおいて、1kエルステッドの磁界下における飽和磁化(σs)が20〜30Am2/gであり、飽和磁化(σs)と残留磁化(σr)との比(σs/σr)が3〜9であり、且つ常温下(20℃/65%)で鉄粉と混合して測定したトナー帯電量分布曲線(q/d−個数曲線)が下記式:
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、前記分布曲線における最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることを特徴とする。
【選択図】なし。
【解決手段】結着樹脂中に磁性粉が分散された磁性トナーにおいて、1kエルステッドの磁界下における飽和磁化(σs)が20〜30Am2/gであり、飽和磁化(σs)と残留磁化(σr)との比(σs/σr)が3〜9であり、且つ常温下(20℃/65%)で鉄粉と混合して測定したトナー帯電量分布曲線(q/d−個数曲線)が下記式:
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、前記分布曲線における最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることを特徴とする。
【選択図】なし。
Description
本発明は、電子写真法による画像形成に際して、一成分現像剤として静電荷像の現像に使用される磁性トナーに関する。
プリンタや複写機等の電子写真法では、感光体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像とし、このトナー像を紙等の転写材に転写することによって画像を形成する。
静電潜像の現像に用いる現像剤には、トナーと磁性キャリアとからなる2成分系現像剤と、磁性粉を結着樹脂に分散させた磁性トナーからなる一成分系現像剤とが知られている。何れの現像剤においても、トナーを所定極性に帯電し、帯電トナーを、マグネット内蔵の現像ローラ(現像マグローラと呼ぶことがある)を用いて現像域に供給し、該帯電トナーによって静電潜像の現像が行われる。従って、2成分系現像剤では、現像に消費されるのはトナーのみである。
ところで、感光体等の部材が高速で駆動する高速機では、低速機に比べて一定時間内に多数回印字が行われるため、より長寿命の現像剤が要求され、長寿命という点では、スペントや削れが懸念されるキャリアを用いる二成分系現像剤よりも、キャリアを使用しない一成分系現像剤が有利である。
しかしながら、一成分系現像剤、即ち磁性トナーでは、高湿下での帯電量低下による画像濃度不良や画像ゴースト、低湿下での過剰帯電によるかぶりや薄層形成不良が発生するなど、環境湿度の影響を受けやすいという問題がある。そこでこのような現象を回避するため、磁性トナーに内添する磁性粉の磁気特性を強くするという方法が提案されている(特許文献1)。
特開平8−101529号公報
特許文献1に開示されている磁性トナーでは、環境湿度変動における連続印字に際しての画像濃度維持効果はあるが、特に低温低湿環境下において、低濃度間欠印字を行った場合、現像マグローラ上のトナーの一部が長期に渡り同一箇所に留まるため、現像マグローラ上に過剰な帯電を有するトナーが発生し、過剰帯電トナーによる画像かぶりやトナー薄層形成不良が生じてしまうという問題がある。
従って、本発明の目的は、高速現像条件下で、高湿及び低湿環境下で連続印字或いは低濃度間欠印字を行った場合においても、画像濃度不良、画像ゴースト、かぶり、トナー薄層形成不良等の不具合を発生することの無い、画像特性に優れた磁性トナーを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、トナーの有する磁気的特性の好適な範囲を見出すとともに、帯電量分布におけるピークをニュートラル(帯電量がゼロ)に近づけることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、結着樹脂中に磁性粉が分散された磁性トナーにおいて、
79.6kA/m(1kエルステッド)の磁界下における飽和磁化(σs)が20〜30Am2/gであり、飽和磁化(σs)と残留磁化(σr)との比(σs/σr)が3〜9であり、且つ常温下(20℃/65%)で鉄粉キャリアと混合して測定したトナー帯電量分布曲線(q/d−個数曲線)が下記式:
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、前記分布曲線における最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることを特徴とする磁性トナーが提供される。
79.6kA/m(1kエルステッド)の磁界下における飽和磁化(σs)が20〜30Am2/gであり、飽和磁化(σs)と残留磁化(σr)との比(σs/σr)が3〜9であり、且つ常温下(20℃/65%)で鉄粉キャリアと混合して測定したトナー帯電量分布曲線(q/d−個数曲線)が下記式:
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、前記分布曲線における最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることを特徴とする磁性トナーが提供される。
本発明の磁性トナーにおいては、
(1)前記磁性粉がリン元素を含有していること、
(2)電荷制御剤と電荷制御樹脂とを含有していること、
が好ましい。
(1)前記磁性粉がリン元素を含有していること、
(2)電荷制御剤と電荷制御樹脂とを含有していること、
が好ましい。
本発明の磁性トナーは、79.6kA/m(1kエルステッド)の磁界下でのトナー自体の飽和磁化が30Am2/g以下、好ましくは20乃至30Am2/gの範囲にある。このため、現像マグローラの主極位置でのトナー磁気拘束力が弱められている。即ち、現像にあたっては、現像域(感光体と現像マグローラとの最近接位置)の近傍に現像マグローラ内部のマグネットの主極を配置し、現像域での磁界を1kエルステッド前後に設定される。従って、本発明のトナーでは、飽和磁化が上記範囲内にあるということは、現像域での磁性トナーに対する磁気的拘束力が弱いこと意味し、これにより、高湿下においても高い現像特性を示し、高湿下でも高画像濃度を得ることができる。例えば、トナー飽和磁化が、上記範囲よりも大きい場合は、主極位置での磁気拘束力が強すぎ、高湿下で画像濃度低下や現像後のゴーストが発生してしまう。
また、本発明の磁性トナーでは、トナーの飽和磁化(σs)とトナーの残留磁化(σr)との比(σs/σr)が3〜9の範囲に設定されている。即ち、飽和磁化に対する残留磁化の割合を高めることにより、現像マグローラ上の主極位置以外の部分での磁気拘束力が高められ、この結果、高湿下でのゴーストや低湿下での薄層形成不良や薄層ムラによる画像不良(例えば縦筋の発生)を有効に回避することが可能となる。例えば、σs/σrの値が9より大きい場合は、現像マグローラ上の主極外で磁気拘束力が弱くなってしまうので、特に高湿環境下で現像後のゴーストや低湿環境下で薄層形成不良が発生してしまう。また、3より小さい場合は、逆に磁気拘束力が強くなりすぎ、薄層上に磁気ムラによる縦筋が発生してしまう。
さらに本発明の磁性トナーにおいては、常温下(20℃/65%)で鉄粉キャリアと混合して測定したトナー帯電量分布曲線が下記式:
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることが極めて重要である。この帯電量分布曲線は、図1(正帯電トナーでの分布曲線の一例を示す)に示されているように、帯電量/粒径(q/d,femt-C/10μm)を横軸とし、縦軸にトナー粒子の個数をプロットしたものであり、q/d=0のトナー粒子の個数がゼロ帯電トナーの個数を示している。この図1から理解されるように、上記の条件式は、帯電量分布曲線におけるピークがニュートラル(帯電量がゼロ)に近づいており、ゼロ帯電トナーの個数が比較的多いことを意味している。即ち、本発明においては、現像器内の現像マグローラ上に供給して現像を行う場合、ニュートラルな帯電粒子を一定の割合で含有しているという帯電特性を有しており、この結果、過帯電のトナーが現像マグスリーブ上のトナーに発生した場合においても、その電荷が素早く除去され、またトナーと現像マグローラとが偏った電荷で密着せず、有効に薄層形成を行うことが可能となり、低湿下で低濃度間欠印字を行った場合においてもかぶりやトナー薄層形成不良による画像不良を有効に防止することができる。
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることが極めて重要である。この帯電量分布曲線は、図1(正帯電トナーでの分布曲線の一例を示す)に示されているように、帯電量/粒径(q/d,femt-C/10μm)を横軸とし、縦軸にトナー粒子の個数をプロットしたものであり、q/d=0のトナー粒子の個数がゼロ帯電トナーの個数を示している。この図1から理解されるように、上記の条件式は、帯電量分布曲線におけるピークがニュートラル(帯電量がゼロ)に近づいており、ゼロ帯電トナーの個数が比較的多いことを意味している。即ち、本発明においては、現像器内の現像マグローラ上に供給して現像を行う場合、ニュートラルな帯電粒子を一定の割合で含有しているという帯電特性を有しており、この結果、過帯電のトナーが現像マグスリーブ上のトナーに発生した場合においても、その電荷が素早く除去され、またトナーと現像マグローラとが偏った電荷で密着せず、有効に薄層形成を行うことが可能となり、低湿下で低濃度間欠印字を行った場合においてもかぶりやトナー薄層形成不良による画像不良を有効に防止することができる。
例えば、上記の帯電量分布において、ニュートラルな粒子の個数xoがピークの個数xpの0.7倍よりも多いと、高湿環境下でマスの帯電量(トナー全量の帯電量の平均値)が低下してしまうため、静電現像力が低下し、さらには現像マグローラによるトナー搬送量が減ってしまい、画像濃度不良や現像後のゴーストが発生してしまう。また、0.2倍よりも少ない場合には、低湿環境下で間欠低濃度印字を行った場合、過帯電トナーが発生したとき、その電荷の除去を有効に行うことが困難となり、現像マグローラ上に薄層ムラを発生してしまうこととなる。なお、トナーの帯電量分布を示すx0/xpの値を本発明に規定の範囲にするには、トナーに用いるトナー樹脂製造時に結着樹脂に添加する電荷制御剤および電荷制御樹脂の添加量を変化させることによって変えることができる。
このように、本発明によれば、高湿及び低湿環境下で連続印字或いは低濃度間欠印字を行った場合においても、画像濃度不良、画像ゴースト、かぶり、トナー薄層形成不良等の不具合を発生することなく、良質の画像を得ることが可能となる。
本発明の磁性トナーは、結着樹脂中に磁性粉を分散させ、且つそれ自体公知のトナー配合剤、例えば電荷制御剤、着色剤、ワックス等を配合することにより得られ、さらに外添剤を加えて使用に供されるが、磁性粉、電荷制御剤などの種類や配合量は、前述した磁気特性及び帯電特性を満足させるように選択することが必要である。
(結着樹脂)
結着樹脂は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が使用される。
結着樹脂は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が使用される。
本発明においては、上記の熱可塑性樹脂の中でも、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂及びポリエステル系樹脂が好適である。
スチレン系樹脂やスチレン−アクリル系共重合樹脂は、スチレンの単独重合体やスチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体である。共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。これら共重合モノマーは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
多価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等の2価カルボン酸;n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の2価カルボン酸のアルキルもしくはアルケニルエステル;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。また、上記2価或いは3価以上のカルボン酸の無水物も使用することができる。
上述した結着樹脂の軟化点は、110乃至150℃、好ましくは120乃至140℃の範囲にあるのがよい。
また、ガラス転移点(Tg)は、55乃至70℃の範囲であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向があり、ガラス転移点が70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。
また、ガラス転移点(Tg)は、55乃至70℃の範囲であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向があり、ガラス転移点が70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。
上述した結着樹脂は、所定の定着性や耐オフセット性を示す程度の分子量を有しているのがよい。即ち、分子量が必要以上に高いと、定着性が損なわれ、またあまり低分子量であると、耐オフセット性が不満足なものとなってしまう。従って、用いる樹脂の種類に応じて、適度な分子量を有するものが使用されるべきである。
また、結着樹脂中には、耐オフセット性を向上させたり、或いはトナー強度を高めるために、必要により、架橋剤や熱硬化性樹脂を前述した熱可塑性樹脂と組み合わせで使用することにより、一部架橋構造を導入することもできる。
上記のような架橋剤としては、用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能性カルボン酸エステル、その他、ジビニルエーテルなどのビニル基を2個或いは3個以上有するビニル化合物などを例示することができる。
また、熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂や、シアネート樹脂を、1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
尚、上述した結着樹脂として、特にポリエステル樹脂を用いた場合には、その酸価を調整することにより、帯電能を調節することができる。例えば、酸価が大きいポリエステル樹脂ほど正極性に摩擦帯電しにくく、正帯電トナーとして用いる場合には、適度な酸価を有するポリエステル樹脂を選択することにより、前述した帯電量分布曲線において、ニュートラルな粒子の個数xoを増大させることができる。
さらに、本発明においては、上記結着樹脂の一部として、電荷制御性を有する樹脂を用いることが、前述した帯電特性を調整する上で好ましい。このような電荷制御性樹脂としては、特に正帯電性を付与するものとして、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、例えば、4級アンモニウム基が構成単位中に組み込まれたスチレン系共重合樹脂、アクリル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、エステル系共重合樹脂を挙げることができ、負帯電性を付与するものとして、カルボン酸塩基またはカルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー、例えばカルボン酸塩基やカルボキシル基が構成単位中に組み込まれたスチレン系共重合樹脂、アクリル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、エステル系共重合樹脂等を例示することができる。即ち、これらの配合量を適宜調節することによって、前述した帯電量分布曲線におけるニュートラルな粒子の個数xoの増減を図ることができる。尚、上記の第4級アンモニウム塩基を組み込むためのモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを第4級化したものを挙げることができる。
(磁性粉)
上記結着剤中に分散する磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイトを初めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属乃至その酸化物、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を使用することができる。特に好ましいのは、飽和磁化や残留磁化を前述した範囲内に特定し、さらにはトナーの帯電特性に悪影響を与えないという点で、酸化第一鉄、酸化第二鉄などの酸化鉄が好適であり、特にPやSiなどの鉄以外の異種元素成分が固溶している酸化鉄が最も好適である。即ち、P等の異種元素成分の量を調節することにより、磁気特性を調節することができる。例えば異種元素成分量が多くなると、残留磁化が大きくなり、且つ飽和磁化が低下する傾向があるため、これを利用して、飽和磁化や飽和磁化と残留磁化との比を前述した範囲内に調整することが可能となる。
上記結着剤中に分散する磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイトを初めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属乃至その酸化物、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を使用することができる。特に好ましいのは、飽和磁化や残留磁化を前述した範囲内に特定し、さらにはトナーの帯電特性に悪影響を与えないという点で、酸化第一鉄、酸化第二鉄などの酸化鉄が好適であり、特にPやSiなどの鉄以外の異種元素成分が固溶している酸化鉄が最も好適である。即ち、P等の異種元素成分の量を調節することにより、磁気特性を調節することができる。例えば異種元素成分量が多くなると、残留磁化が大きくなり、且つ飽和磁化が低下する傾向があるため、これを利用して、飽和磁化や飽和磁化と残留磁化との比を前述した範囲内に調整することが可能となる。
これらの磁性粉は、平均粒子径が0.1乃至1μm、特に0.1乃至0.5μmの範囲内の微粉末の形で、上述した結着樹脂中に均一に分散されるが、その配合量は、その種類や磁気特性に応じて、飽和磁化や飽和磁化と残留磁化との比が前述した条件を満足するように設定されるが、一般的には、トナー中に30乃至60重量%の量で存在するように配合量を決定するのがよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。即ち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができるが、その種類や量に応じて、前述した帯電量分布曲線におけるニュートラルなトナー粒子の個数xoを調節することができる。
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。即ち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができるが、その種類や量に応じて、前述した帯電量分布曲線におけるニュートラルなトナー粒子の個数xoを調節することができる。
このような電荷制御剤として、正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示することができ、これらは、1種単独でも2種以上を併用して使用することもできる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、正帯電性トナーとしての使用には最適である。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシヤリーブチルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
上述した正帯電性或いは負帯電性の電荷制御剤は、通常、1.5乃至15重量%の量でトナー中に配合されるが(即ち、トナーの全体量を100重量%とする)、この範囲内で帯電量分布が前述した条件を満足するように調整するのがよい。また、帯電量分布の調整という点で、前述した電荷制御性樹脂と上記の電荷制御剤とを併用することが好ましく、これにより、帯電量分布の調整を容易に行うことができる。
(着色顔料)
着色顔料は、通常、前記結着樹脂100重量部当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で配合されるが、その適当な例は、以下の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
着色顔料は、通常、前記結着樹脂100重量部当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で配合されるが、その適当な例は、以下の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
(ワックス)
トナーの定着性やオフセット性を向上させるために、ワックスが使用される。
このようなワックスとしては、合成ワックス或いは天然ワックスの何れも使用することができ、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用しても構わない。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
トナーの定着性やオフセット性を向上させるために、ワックスが使用される。
このようなワックスとしては、合成ワックス或いは天然ワックスの何れも使用することができ、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用しても構わない。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
本発明において、上記のワックスは、一般に、前記結着樹脂100重量部当り、2.0乃至5.0重量部の量で使用することができる。
(トナー粒子の製造)
上述した磁性粉やその他のトナー配合剤が結着樹脂中に分散され、且つ前述した磁気特性及び帯電量分布特性を有する本発明の磁性トナーは、結着樹脂と各種配合剤とを溶融混練することにより容易に調製できるが、各種配合剤の存在下で重合を行うことにより、結着樹脂の製造と一括で磁性トナーを製造することもできる。
上述した磁性粉やその他のトナー配合剤が結着樹脂中に分散され、且つ前述した磁気特性及び帯電量分布特性を有する本発明の磁性トナーは、結着樹脂と各種配合剤とを溶融混練することにより容易に調製できるが、各種配合剤の存在下で重合を行うことにより、結着樹脂の製造と一括で磁性トナーを製造することもできる。
このような磁性トナーは、一般に、その平均粒径が5乃至10μm程度に分級及び粒度調整されているのがよい。また、かかるトナーは、必要により、シリカ(コロイダルシリカ、疎水性シリカ等)や、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物の微粒子(通常、平均粒径が1.0μm以下)を外添して使用に供することもできる。これらの微粒子外添剤は、トナーの表面処理によって、流動性、保存安定性、クリーニング性等を向上させるために使用されるものであり、通常、トナー当り、0.2乃至10.0重量%の量で使用されるが、かかる外添剤の使用によって磁気特性や帯電特性を調製することもできる。例えば、シリカ等の外添剤の使用量が多いほど、飽和磁化等が小さくなり、また、帯電量分布曲線におけるニュートラル粒子の個数xoを増大させることができ、これを利用して、これらの特性を調節することができる。尚、これら微粒子の外添は、磁性トナーと乾式で攪拌混合することにより行われるが、この攪拌混合は、微粒子がトナー中に埋め込まれないように、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどを用いて行うのがよい。
上述した本発明の磁性トナーは、摩擦帯電により正または負極性に摩擦帯電せしめた状態で、アルミ等の非磁性材のスリーブ内にマグネットを内蔵する現像ローラ(現像マグローラ)上に供給して、磁気ブラシを形成せしめ、この磁気ブラシを静電潜像が形成されている感光体表面に摺擦せしめることにより(或いは磁気ブラシと感光体表面とを非接触で)、該静電潜像の現像が行われる。磁気ブラシを感光体表面に摺擦して現像を行う場合には、感光体と現像スリーブとの間にバイアス電界を印加し、また磁気ブラシと感光体表面とが非接触で現像を行う場合には、現像スリーブと感光体との間に振動電界(交番電界)を印加するのがよい。このような現像により感光体表面に形成されたトナー像は、所定の用紙に転写され、定着ロールによる加熱によって用紙表面に定着される。
(磁性粉の製造)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対してl.1〜1.2当量の苛性ソーダ溶液と、鉄元素に対しリン元素換算で2.0質量%のヘキサメタ燐酸ソーダとを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液をpH8に維持しながら、空気を吹き込み80〜90℃で1時間酸化反応を行い、スラリー液を調製した。濾過、洗浄した後、生成した磁性体を洗浄、濾過、乾燥し、得られた粒子を十分解砕処理し、平均粒径が0.20μmの磁性粉体1を得た。更にヘキサメタ燐酸ソーダの混合量及び反応時間を変更し、磁性粉体2〜6を得た。得られた磁性粉体の反応条件及び物性を表1に示す。尚、磁性粉体の平均粒径はレーザ回折散乱法により測定した体積中心粒径(D50)であり(後述するトナー粒子の平均径も同様)、その磁気特性(飽和磁化、残留磁化)は、以下のようにして測定した。
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対してl.1〜1.2当量の苛性ソーダ溶液と、鉄元素に対しリン元素換算で2.0質量%のヘキサメタ燐酸ソーダとを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液をpH8に維持しながら、空気を吹き込み80〜90℃で1時間酸化反応を行い、スラリー液を調製した。濾過、洗浄した後、生成した磁性体を洗浄、濾過、乾燥し、得られた粒子を十分解砕処理し、平均粒径が0.20μmの磁性粉体1を得た。更にヘキサメタ燐酸ソーダの混合量及び反応時間を変更し、磁性粉体2〜6を得た。得られた磁性粉体の反応条件及び物性を表1に示す。尚、磁性粉体の平均粒径はレーザ回折散乱法により測定した体積中心粒径(D50)であり(後述するトナー粒子の平均径も同様)、その磁気特性(飽和磁化、残留磁化)は、以下のようにして測定した。
<磁気特性測定>
試料粉体(磁性粉若しくは磁性トナー)を0.15g秤量して試料とし、東英工業(株)社製のVSMP−1によって、20℃/65%の環境下で磁気特性測定外部磁場を79.6kA/mとして測定を行った。
試料粉体(磁性粉若しくは磁性トナー)を0.15g秤量して試料とし、東英工業(株)社製のVSMP−1によって、20℃/65%の環境下で磁気特性測定外部磁場を79.6kA/mとして測定を行った。
実施例1〜7、比較例1〜7
(トナー粒子の製造)
結着樹脂として、下記のポリエステル樹脂を使用した。
ポリエステス樹脂:
アルコール成分;ビスフェノールAプロピオンオキサイド付加物
酸成分;テレフタル酸、
軟化点150℃
酸価7.0
(トナー粒子の製造)
結着樹脂として、下記のポリエステル樹脂を使用した。
ポリエステス樹脂:
アルコール成分;ビスフェノールAプロピオンオキサイド付加物
酸成分;テレフタル酸、
軟化点150℃
酸価7.0
100重量部の上記ポリエステル樹脂と、上記で調製された磁性粉体1を90重量部、電荷制御剤(商品名;ボントロンNO.1、オリエント化学、以下CCAと略す)3重量部、電荷制御用樹脂(商品名:FCA201PS、藤倉化成、以下CCRと略す)3重量部、及びエステルワックス(商品名:WEP-5、日本油脂)3重量部を、ヘンシェルミキサにて混合し、二軸押し出し機(シリンダ設定温度100℃)で混練し、フェザーミルにより粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕を行い、気流式分級機で分級して、平均粒子径8.0μmのトナー分級品を得た。このトナー分級品100重量部に対し、シリカ(商品名:RA200HS、日本アエロジル社製)0.5重量部と酸化チタン(商品名:EC100T1、チタン工業社製)1.0重量部をヘンシェルミキサにて混合し、磁性トナーAを得た。
また、磁性粉体の種類或いは混合部数及び電荷制御剤(CCA)及び電荷制御樹脂(CCR)の混合部数を表2に示すように変更した以外は、磁性トナーAと同様にして、磁性トナーB〜Sを得た。
上記の磁性トナーについて、前述した磁性粉体と同様にして、磁気特性を測定し、その結果を表2に示した。
また、上記の磁性トナーについて、帯電量分布曲線を、以下のようにして測定し、ニュートラル粒子の個数xo(q/d=0軸上の個数)及びピーク個数xpを測定し、その結果を表2に示した。
<帯電量分布の測定>
磁性トナー1.00gと、球形の鉄粉キャリア9.00g(平均粒径90μm、80μm以下が10個数%以下、及び100μm以上が5.0個数%以下)とを、10mlのプラスチックボトルに入れ、20℃/60%の環境下で、開放状態で8時間以上静止放置し、その後密閉したプラスチックボトルを100rpmで30分間回転させることにより、混合攪拌し擬似二成分現像剤を作製した。次いで、この攪拌混合して得た擬似二成分現像剤1gを1kガウスの磁力を有するマグネットホルダ(マグネット部分:φ20×5mm)のマグネット部分に均一に付着させた。さらにこの擬似二成分現像剤を付着させたマグネットホルダをホソカワミクロン(株)社製のE−SPARTアナライザーのサンプル取り付け部にセットし、窒素ガスを0.05MPaで擬似二成分現像剤が付着したマグネットホルダのマグネット部分に噴きつけ、E−SPARTアナライザー測定部に流し+0.05kVを印加してトナー3000個のq/mの個数分布を求めた。即ち、E−SPARTアナライザーでq/d(トナー粒子個々の帯電量/粒径)を測定し、図1の帯電量分布曲線の横軸の5pc/m当りのトナー個数を算出し、求めた帯電量分布曲線から、ニュートラル粒子の個数xo及びピーク個数xpを求めた。なお、測定に鉄粉キャリアを用いた理由は、樹脂コートキャリアでは、コート量のばらつきなどによって安定した測定結果が得られないからである。
磁性トナー1.00gと、球形の鉄粉キャリア9.00g(平均粒径90μm、80μm以下が10個数%以下、及び100μm以上が5.0個数%以下)とを、10mlのプラスチックボトルに入れ、20℃/60%の環境下で、開放状態で8時間以上静止放置し、その後密閉したプラスチックボトルを100rpmで30分間回転させることにより、混合攪拌し擬似二成分現像剤を作製した。次いで、この攪拌混合して得た擬似二成分現像剤1gを1kガウスの磁力を有するマグネットホルダ(マグネット部分:φ20×5mm)のマグネット部分に均一に付着させた。さらにこの擬似二成分現像剤を付着させたマグネットホルダをホソカワミクロン(株)社製のE−SPARTアナライザーのサンプル取り付け部にセットし、窒素ガスを0.05MPaで擬似二成分現像剤が付着したマグネットホルダのマグネット部分に噴きつけ、E−SPARTアナライザー測定部に流し+0.05kVを印加してトナー3000個のq/mの個数分布を求めた。即ち、E−SPARTアナライザーでq/d(トナー粒子個々の帯電量/粒径)を測定し、図1の帯電量分布曲線の横軸の5pc/m当りのトナー個数を算出し、求めた帯電量分布曲線から、ニュートラル粒子の個数xo及びピーク個数xpを求めた。なお、測定に鉄粉キャリアを用いた理由は、樹脂コートキャリアでは、コート量のばらつきなどによって安定した測定結果が得られないからである。
<印字試験>
上記で得られた磁性トナーA〜Lを、それぞれ、正帯電有機感光体ドラム(ドラム径:84mm)を搭載した京セラミタ製プリンタLS−9500の改造機の現像器に充填し、高温高湿下(32.5℃、RH80%)にて10000枚連続5%印字し、及び低温低湿下(10℃、RH80%)にて、3000枚間欠(一枚印刷して現像器の駆動が停止した後5秒後に次の印字のための現像器の駆動を開始するという動作を連続して行う)で印字率1%印字を行い、高温高湿下での連続印字試験では、画像濃度、かぶり濃度、現像ゴーストを評価し、低温低湿下での間欠印字試験では、画像濃度、かぶり濃度、トナー薄層ムラについて評価を行い、その結果を表3に示した。尚、各印字試験で採用した画像形成条件及び評価の判定基準は、以下の通りである。
上記で得られた磁性トナーA〜Lを、それぞれ、正帯電有機感光体ドラム(ドラム径:84mm)を搭載した京セラミタ製プリンタLS−9500の改造機の現像器に充填し、高温高湿下(32.5℃、RH80%)にて10000枚連続5%印字し、及び低温低湿下(10℃、RH80%)にて、3000枚間欠(一枚印刷して現像器の駆動が停止した後5秒後に次の印字のための現像器の駆動を開始するという動作を連続して行う)で印字率1%印字を行い、高温高湿下での連続印字試験では、画像濃度、かぶり濃度、現像ゴーストを評価し、低温低湿下での間欠印字試験では、画像濃度、かぶり濃度、トナー薄層ムラについて評価を行い、その結果を表3に示した。尚、各印字試験で採用した画像形成条件及び評価の判定基準は、以下の通りである。
感光体ドラム周速:440mm/sec
ドラム−現像マグローラ間隙:0.30mm
主帯電電位:300V
現像方式(反転現像)
現像バイアス:200V
穂切長:0.30mm
ドラム−現像マグローラ間隙:0.30mm
主帯電電位:300V
現像方式(反転現像)
現像バイアス:200V
穂切長:0.30mm
画像濃度
1.3以上 ○(良好)
1.3未満〜1.1以上 △(やや良好)
1.1未満 ×(悪い)
かぶり濃度
0.006以下 ○(良好)
0.006〜0.013 △(やや良好)
0.013以上 ×(悪い)
現像ゴースト
未発生 ○
発生 ×
薄層ムラ
トナー薄層形成不良未発生 ○
トナー薄層形成不良発生 ×
1.3以上 ○(良好)
1.3未満〜1.1以上 △(やや良好)
1.1未満 ×(悪い)
かぶり濃度
0.006以下 ○(良好)
0.006〜0.013 △(やや良好)
0.013以上 ×(悪い)
現像ゴースト
未発生 ○
発生 ×
薄層ムラ
トナー薄層形成不良未発生 ○
トナー薄層形成不良発生 ×
Claims (3)
- 結着樹脂中に磁性粉が分散された磁性トナーにおいて、
79.6kA/m(1kエルステッド)の磁界下における飽和磁化(σs)が20〜30Am2/gであり、飽和磁化(σs)と残留磁化(σr)との比(σs/σr)が3〜9であり、且つ常温下(20℃/65%)で鉄粉キャリアと混合して測定したトナー帯電量分布曲線(q/d−個数曲線)が下記式:
0.2xp≦xo≦0.7xp
式中、xoは、ゼロ帯電トナーの個数であり、
xpは、前記分布曲線における最大ピークのトナーの個数である、
を満足していることを特徴とする磁性トナー。 - 前記磁性粉がリン元素を含有している請求項1に記載の磁性トナー。
- 電荷制御剤と電荷制御樹脂とを含有している請求項1または2に記載の磁性トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004224058A JP2006047367A (ja) | 2004-07-30 | 2004-07-30 | 磁性トナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004224058A JP2006047367A (ja) | 2004-07-30 | 2004-07-30 | 磁性トナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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-
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- 2004-07-30 JP JP2004224058A patent/JP2006047367A/ja active Pending
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