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JP2006046878A - 排熱利用空調システム - Google Patents

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JP2006046878A JP2004232506A JP2004232506A JP2006046878A JP 2006046878 A JP2006046878 A JP 2006046878A JP 2004232506 A JP2004232506 A JP 2004232506A JP 2004232506 A JP2004232506 A JP 2004232506A JP 2006046878 A JP2006046878 A JP 2006046878A
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Abstract

【課題】本発明は、熱源の排熱を、バッチシステムを用いずに、かつ系内を負圧(真空側)とすることなく、しかも発生熱と空気調和機の冷媒との間に熱交換器を介在させることなく簡素な構成の排熱利用空調システムを提供する。
【解決手段】排熱駆動型のランキンサイクルRは、分散型電源Nの排熱と熱交換する排熱処理用熱交換器1、膨張機2、膨張機サイクル用凝縮器4、ポンプ6が連通され、熱発生用冷凍サイクルHは、ランキンサイクルの膨張機と機械的に連結され駆動される圧縮機3、膨張機サイクル用凝縮器と並設される熱発生用室外熱交換器5、膨張弁7が連通され、空気調和機Kの冷凍サイクルSは、圧縮機14、四方切換え弁13、室外熱交換器11、室内熱交換器12が連通され、熱伝達機構Dは、空気調和機Kの冷凍サイクルSに導かれる冷媒に対し熱発生用冷凍サイクルの冷媒を合流混合させ、空気調和機の冷凍サイクルへ熱伝達する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば分散型電源の排熱を空気調和機の冷凍サイクルに利用する、排熱利用空調システムに関する。
石炭、石油等のいわゆる一次燃料に対する削減化を得るために、たとえばリン酸型燃料電池、ガスエンジン発電機、マイクロガスタービン発電機などの分散型電源がコージェネレーションの形で市場化されている。
そして、近年、さらに小規模(たとえば、発電能力が10KW以下)の分散型電源の開発に力が注がれている。このような小規模分散型電源においては、その主力として、小規模でありながら発電効率が良く、取扱いが容易である固体高分子型の燃料電池が注目されている。
しかしながら、この種の分散型電源は、コージェネレーションの形にしてはじめて一次燃料を削減できるため、冬場はともかく、夏場における発電時の排熱処理が重要となる。一般的に、夏場における排熱処理は吸収式冷凍機を用いて、冷熱への変化という形で行われているが、排熱温度が80℃程度と低いために稼働効率は0.1にも満たない。
最近では、吸着剤を用いた吸着式冷凍機の開発が行われているが、この種の装置においても効率は0.5程度でしかない。その一方で、上述の分散型電源から排出される熱量は、経済的な設置台数から考えると概ね15KW程度であって、たとえ吸着式冷凍機を用いても、この排熱だけで冷房負荷の全てをまかなうことは困難である。
そこで、[特許文献1]には、ターボ冷凍機と、吸収式冷凍機と、これらの冷凍機の間で冷熱を伝達するために冷媒を循環させる冷熱伝達循環系とを用いて、吸収式冷凍機で生成した冷熱を、冷熱伝達循環系を介してターボ冷凍機に供給し、液冷媒を過冷却する技術が開示されている。すなわち、得られた冷熱を空気調和機の凝縮器出口側冷媒に対する過冷却増加に利用している。
特開2003−207224号公報
当然ではあるが、同様な手段は近時、注目されている吸着式冷凍機を使用しても可能である。しかしながら、実際には、このような吸着式冷凍機を用いても、以下に述べるような欠点が存在している。
(1) 連続出力するためには、同一形式のシステムを複数用いるバッチシステムになってしまい、高コストで、かつシステム容積が大きくなる。
(2) 吸着式冷凍機の場合は、水を熱媒体として得られた冷熱を空気調和機の冷凍サイクルの冷媒へ伝えるため、発生冷熱と冷媒との間に熱交換器が2つ介在しなければならず、効率が低下する。
(3) 系内の真空度によって効率が大きく作用される。したがって、高い真空度を維持するために定期的なメンテナンスが必要であり、手間がかかる。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、熱源(分散型電源)の排熱を、バッチシステムを用いず、系内を負圧(真空側)とすることなく、しかも発生熱と空気調和機の冷媒との間の熱交換器を不要として、簡素な構成で熱効率の良いの排熱利用空調システムを提供しようとするものである。
上述の目的を満足するため本発明の排熱利用空調システムは、熱源から導かれる排熱と熱交換する排熱処理用熱交換器、膨張機、膨張機サイクル用凝縮器およびポンプが順次連通される排熱駆動型のランキンサイクルと、この排熱駆動型のランキンサイクルにおける上記膨張機と機械的に連結され膨張機によって駆動される圧縮機、膨張機サイクル用凝縮器と並設される熱発生用室外熱交換器および膨張弁が順次連通される熱発生用冷凍サイクルと、圧縮機、四方切換え弁、室外熱交換器および室内熱交換器が順次連通される冷凍サイクルを備えた空気調和機と、この空気調和機の冷凍サイクルに導かれる冷媒に対し熱発生用冷凍サイクルに導かれる冷媒を合流混合させて空気調和機の冷凍サイクルへ熱伝達する熱伝達手段とを具備する。
本発明によれば、熱源である、たとえば分散型電源の排熱を利用して、空気調和機の効率向上化を得るという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る排熱利用空調システムを図面にもとづいて説明する。
図1は、本発明における第1の実施の形態に係る排熱利用空調システムの構成図であり、図1(A)は冷房運転時、図1(B)は暖房運転時を示している。
排熱利用空調システムは、排熱処理用熱交換器1と、膨張機2と、膨張機サイクル用凝縮器4および、ポンプ6が順次、冷媒管Paを介して連通され、冷媒を循環させる排熱駆動型のランキンサイクルRを備えている。
上記排熱処理用熱交換器1は、高熱熱源である、たとえば分散型電源Nにおいて生成される排熱を、排熱管Pbを介して導びき、上記ランキンサイクルRにおいて循環する冷媒と熱交換をさせるようになっている。排熱処理用熱交換器1で熱交換した後の排熱は、再び分散型電源Nに導かれる。
さらに排熱利用空調システムは、上記ランキンサイクルRを構成する膨張機2に対して機械的に連結される圧縮機3と、上記膨張機サイクル用凝縮器4と熱交換可能に組合わされる熱発生用凝縮器5および、膨張弁7とから構成される。上記膨張弁7と圧縮機3との間には後述する熱伝達機構(熱伝達手段)Dが介在され、これらを順次冷媒管Pcを介して連通し冷媒を循環させる熱発生用冷凍サイクルHを備えている。
さらに排熱利用空調システムは、圧縮機14と、四方切換え弁13と、室外熱交換器11および、室内熱交換器12から構成される。室外熱交換器11と室内熱交換器12との間には上記熱伝達機構Dが介在され、これらを順次、冷媒管Pdを介して連通して冷媒を循環させる冷凍サイクルSを備えている。そして、この冷凍サイクルSは、図中破線で示す空気調和機Kに備えられる。
上記熱伝達機構Dは、冷凍サイクルSを構成する室外熱交換器11と室内熱交換器12との間を接続する冷媒管Pdに直列に設けられる第1の膨張弁9とアキュームレータ8および第2の膨張弁10を備えている。さらに、第1の膨張弁9には開閉弁16が並列に接続される並列回路aが構成され、かつアキュームレータ8と第2の膨張弁10との直列回路に開閉弁15が並列に接続される並列回路bが構成される。
また、上記熱発生用冷凍サイクルHにおいて、一端部が圧縮機3に接続される冷媒管Pcの他端部は、上記アキュームレータ8内に挿入され、ここで気液分離されたうちのガス冷媒を導入して上記圧縮機3に導く、もしくは圧縮機3から冷媒ガスをアキュームレータ8へ導くことができるようになっている。
さらに、上記熱発生用冷凍サイクルHにおいて、一端部が膨張弁7に接続される冷媒管Pcの他端部は、上記アキュームレータ8と第1の膨張弁9および開閉弁16の並列回路aとの間の冷媒管Pdに接続され、膨張弁7から冷媒を上記アキュームレータ8と並列回路aとの間に導く、もしくは逆方向に導くことができるようになっている。
このようにして構成される熱伝達機構Dは、上記熱発生用冷凍サイクルHと、空気調和機Kの冷凍サイクルSとが共有するところとなり、熱発生用冷凍サイクルHでは通常の冷凍サイクルが構成され、空気調和機Kの冷凍サイクルSでは、いわゆるヒートポンプ式冷凍サイクルを構成している。
このような排熱利用空調システムにおいて、空気調和機Kが冷房運転をなす場合について、図1(A)から説明する。
熱源である分散型電源Nで生成される排熱が、排熱管Pbを介してランキンサイクルRを構成する排熱処理用熱交換器1に導かれ、ここで冷媒管Paに循環する冷媒と熱交換する。熱交換して温度低下した排熱は排熱処理用熱交換器1から導出されて分散型電源Nに導かれる。その一方で、排熱処理用熱交換器1で熱交換して高温高圧化した冷媒ガスは膨張機2へ導かれ、膨張仕事による動力を発生させる。
膨張機2で膨張仕事をすることにより冷媒ガスは低圧化し、膨張機サイクル用凝縮器4に導かれて熱発生用熱交換器5と熱交換したあと、ポンプ7に導かれて昇圧される。ついで、再び排熱処理用熱交換器1に導かれて排熱を吸収し、さらに上述の径路を循環して同様の作用を繰り返す。
また、上記膨張機2が圧縮仕事をなすことにより、膨張機2と機械的に連結される熱発生用冷凍サイクルHの圧縮機3を駆動する。圧縮機3から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、熱発生用熱交換器5に導かれてランキンサイクルRを構成する膨張機サイクル用凝縮器4と熱交換する。ここで凝縮液化した冷媒は膨張弁7に導かれ中温中圧の状態となって熱伝達機構Dを構成するアキュームレータ8に導入される。
一方、空気調和機Kにおいては圧縮機14が駆動され、高温高圧の冷媒ガスが四方切換え弁13を介して室外熱交換器11に導かれ凝縮液化する。この液冷媒は熱伝達機構Dを構成する第1の膨張弁9に導かれて減圧され、中温中圧の状態となってアキュームレータ8に導入される。
すなわち、熱伝達機構Dのアキュームレータ8において熱発生用冷凍サイクルHから導かれる中温中圧の液冷媒と、空気調和機Kの冷凍サイクルSから導かれる中温中圧の液冷媒が混合し、かつ気液分離される。アキュームレータ8において気液分離されたガス冷媒は、熱発生用冷凍サイクルHの冷媒管Pcを介して圧縮機3に吸込まれ、ランキンサイクルRの膨張仕事にともなって圧縮される。そして、上述した径路を再び循環する。
また、アキュームレータ8で分離された液冷媒は、アキュームレータから導出されて第2の膨張弁10に導かれ、再度減圧される。そのたあと、室内熱交換器12に導かれて蒸発し、室内の冷房作用をなす。
このようにして、本発明の排熱利用空調システムでは、熱発生用冷凍サイクルHで発生した冷熱を熱交換器を介さずに、熱伝達機構Dを構成するアキュームレータ8において空気調和機Kの冷凍サイクルSへ伝達することができる。しかも、本システムはバッチシステムではなく、また吸着式冷凍機とは相違して系内には空調用冷媒が充満しているために負圧にならずにすみ、メンテナンスが不要であるとともに、システムがコンパクト化するなどの有利な条件を備える。
つぎに、上記排熱利用空調システムにおいて、空気調和機Kが暖房運転をなす場合について、図1(B)から説明する。
このとき分散型電源Nで生成される排熱は、たとえば給湯槽に導かれて給湯に供せられる。すなわち分散型電源Nの排熱はランキンサイクルRへは導かれず、したがってランキンサイクルは駆動しない。
ランキンサイクルRが駆動しないことで膨張機2において膨張仕事が発生しないから、熱発生用冷凍サイクルHを構成する圧縮機3も駆動されず、この冷凍サイクルHにおいて冷媒の循環はない。すなわち、冷房運転時のように熱伝達機構Dに中温中圧の冷媒が導かれることはない。
空気調和機Kにおける冷凍サイクルSの四方切換え弁13が切換るとともに、熱伝達機構Dの開閉弁15が開放される。冷凍サイクルSの圧縮機14が駆動され、ここで圧縮された高温高圧の冷媒ガスが室内熱交換器12に導かれて凝縮熱を放出し、室内の暖房作用をなす。
室内熱交換器12から導出された液冷媒は、熱伝達機構Dにおける開閉弁15に導かれて第1の膨張弁10とアキュームレータ8をバイパスする。さらに、室外熱交換器11に搭載されている膨張弁の有無により、膨張弁9にて減圧させられるか、バイパスさせられ、室外熱交換器11に導かれて蒸発する。再び四方切換え弁13を介して圧縮機14に吸込まれて圧縮され、上述の径路の循環する。
すなわち、第1の実施の形態における暖房運転時では、分散型電源Nの排熱を利用しないところから、空気調和機Kにおいては純然たるヒートポンプ式の冷凍サイクルSによるものとなる。
図2は、本発明における第2の実施の形態に係る排熱利用空調システムの構成図であり、図2(A)は冷房運転時、図2(B)は暖房運転時を示している。
後述するように、先に図1で説明した第1の実施の形態と相違する部位にのみ説明し、同一部位については同番号を付して新たな説明を省略する。
熱発生用冷凍サイクルHaを構成する圧縮機3の吐出側に四方切換え弁20が設けられる。この四方切換え弁の残りのポートには、圧縮機3の吸込み側と、熱発生用室外熱交換器5および熱伝達機構Daのアキュームレータ8にそれぞれ連通する冷媒管Pcが接続される。
また、圧縮機3の吐出側と四方切換え弁20とを連通する冷媒管Pcと、ランキンサイクルRaの膨張機2と膨張機サイクル用凝縮器4とを連通する冷媒管Paとの間には、第3の開閉弁21を備えたバイパス管Peが接続される。
ランキンサイクルRaにおける膨張機サイクル用凝縮器4の前後側冷媒管Paには補助開閉弁17,18が設けられる。一方の補助開閉弁18とポンプ6との間にバイパス管Pfの一端部が接続され、熱発生用冷凍サイクルHaの膨張弁7と熱伝達機構Daとを連通する冷媒管Pcの中途部にバイパス管Pfの他端部が接続され、このバイパス管Pfの中途部には補助開閉弁19が設けられる。
熱伝達機構Daは、第1の膨張弁9と、アキュームレータ8と、第2の膨張弁10および開閉弁16の並列回路cが、冷凍サイクルSの室外熱交換器11と室内熱交換器12との間に直列に設けられる。
上記アキュームレータ8には、先に説明したように熱発生用冷凍サイクルHaにおける四方切換え弁20と連通する冷媒管Pcが挿入され、かつ上記バイパス管Pfが接続される熱発生用冷凍サイクルHaの冷媒管Pcが挿入される。この冷媒管Pcはアキュームレータ8内において分離された液冷媒を導入し、もしくは冷媒管Pcから液冷媒を導出するようになっている。
さらに熱伝達機構Daは、一端部がアキュームレータ8の側部に接続され、他端部が上記冷媒管Pcと冷凍サイクルSの冷媒管Pdとの合流点から上記第1の膨張弁9との間に接続されるバイパス管Pgを備えていて、このバイパス管Pgには開閉弁15が設けられる。
図2(A)に示す冷房運転時は、ランキンサイクルRaの膨張機2吐出側と熱発生用冷凍サイクルHaの圧縮機3吐出側とを連通するバイパス管Peに設けられる開閉弁21および、冷媒管Pfの中途部に設けられる開閉弁19は閉成される。ただし、膨張機サイクル用凝縮器4の前後に設けられる補助開閉弁17,18は開放される。したがって、ランキンサイクルRにおいては第1の実施の形態と全く同一の作用をなすので、ここでは新たな説明は省略する。
熱発生用冷凍サイクルHaにおいては、ランキンサイクルRaの膨張機2によって駆動される圧縮機3から吐出される冷媒ガスが、新たに設けられた四方切換え弁20を介して熱発生用熱交換器5に導かれ、ランキンサイクルRaの膨張機サイクル用凝縮器4に導かれる冷媒と熱交換する。
そして、膨張弁7を介して熱伝達機構Daに導かれ、アキュームレータ8で気液分離される。ガス冷媒のみアキュームレータ8から四方切換え弁20を介して圧縮機3に吸込まれる。一方、空気調和機Kの冷凍サイクルSにおいては圧縮機14が駆動され、先に第1の実施の形態での冷房運転時と全く同一の作用をなし、同一の効果を得られる。したがって、これ以上の冷凍サイクルSでの作用の説明は省略する。
図2(B)に示す暖房運転時は、以下に述べるようになる。
ランキンサイクルRaの補助開閉弁17,18は閉成され、ランキンサイクルRaと熱発生用冷凍サイクルHaとを連通する開閉弁21および開閉弁19は開放される。そして、分散型電源Nの排熱とランキンサイクルRaの排熱処理用熱交換器1に導かれる冷媒が熱交換して膨張機2に導かれる。熱交換して温度低下した排熱は排熱処理用熱交換器1から導出され、再び分散型電源Nに導かれる一方で、上記熱交換器1で高温高圧化した冷媒ガスが膨張機2へ導かれ、膨張仕事による動力を発生させる。
膨張機2で膨張仕事をすることにより低圧化した冷媒ガスは、全てバイパス管Peから開閉弁21を介して熱発生用冷凍サイクルHaへ導かれ、膨張機サイクル用凝縮器4には戻らない。ランキンサイクルRaから熱発生用冷凍サイクルHaへ導かれた冷媒ガスは、この冷凍サイクルの圧縮機3から吐出される高温高圧のガス冷媒と混合して四方切換え弁20に導かれる。四方切換え弁20は冷房運転時とは切換っていて、混合冷媒は四方切換え弁を介してアキュームレータ8に導かれ気液分離される。
一方、空気調和機Kの冷凍サイクルSにおいては、圧縮機14が駆動されて高温高圧の冷媒ガスが室内熱交換器12に導かれて凝縮し、凝縮熱を放出して室内の暖房作用をなす。室内熱交換器12から導出される液冷媒は、第2の膨張弁10をバイパスして開閉弁16からアキュームレータ8に導かれ気液分離される。
このアキュームレータ8には、先に説明したように熱発生用冷凍サイクルHaから、ランキンサイクルRaとの混合冷媒が導かれていて、アキュームレータ8において冷凍サイクルSと互いに直接接触による熱交換を行う。
冷凍サイクルSの液冷媒はアキュームレータ8で吸熱し、温度上昇してアキュームレータから導出され、さらにアキュームレータ8で分離されたガス冷媒が開閉弁15を介して導かれ混合する。そして、第1の膨張弁7において減圧され、室外熱交換器11で蒸発してから四方切換え弁13を介して圧縮機14に吸込まれる。
一方、アキュームレータ8から導出される液冷媒の一部は、熱発生用冷凍サイクルHaの膨張弁7を介して熱発生用室外熱交換器5に導かれ、さらに四方切換え弁20から膨張機2で駆動される圧縮機3に吸込まれ、上述の径路を循環する。
アキュームレータ8から導出される液冷媒の一部は、補助開閉弁19を介してランキンサイクルRaのポンプ6に導かれる。ポンプ6に導かれた冷媒は、昇圧されて排熱処理用熱交換器1へ流入し、以上の径路を循環する。
このようにして、暖房運転時にはランキンサイクルRaと熱発生用冷凍サイクルHaとの混合冷媒を熱伝達機構Daに導いて、空気調和機Kの冷凍サイクルSに導かれる冷媒へ合流混合させ、空気調和機Kの冷凍サイクルSに対して温熱を熱伝達する。
したがって、分散型電源Nにおける高温の排熱を空気調和機Kの暖房運転に用いることができて、暖房効率の向上化を得られる。しかも、熱発生用冷凍サイクルHaにて外気から吸熱するため、排熱処理用熱交換器1に流入した以上の熱を空調に役立たせることができる。
図3は、本発明における第2の実施の形態での変形例に係る排熱利用空調システムの構成図であり、図3(A)は冷房運転時、図3(B)は暖房運転時を示している。
後述するように、先に図2で説明した第2の実施の形態と相違する部位にのみ説明し、同一部位については同番号を付して新たな説明を省略する。
熱伝達機構Dbは、熱発生用冷凍サイクルHaの四方切換え弁20と熱伝達機構Dbのアキュームレータ8とを連通する冷媒管Pcの中途部に開閉弁22が設けられる。そして、開閉弁22と四方切換え弁20との間にバイパス管Phの一端部が接続される。バイパス管Phの他端部は冷凍サイクルSの室内熱交換器12をバイパスして、圧縮機14の吐出側に接続される。
図3(A)に示す冷房運転時は、開閉弁22が開放され、開閉弁23は閉成される以外に、先に図2(A)で説明したように開閉弁21および開閉弁19が閉成され、補助開閉弁17,18は開放される。したがって、ランキンサイクルRと、熱発生用冷凍サイクルHaおよび冷凍サイクルSにおいては第2の実施の形態と全く同一の作用をなし、同一の効果が得られるので、ここでは新たな説明は省略する。
図3(B)に示す暖房運転時は、以下に述べるようになる。
冷房運転時とは逆に、開閉弁22が閉成され、開閉弁23は開放される。また、ランキンサイクルRaの補助開閉弁17,18は閉成され、ランキンサイクルRaと熱発生用冷凍サイクルHaとを連通する開閉弁21および開閉弁19は開放される。
分散型電源Nの排熱とランキンサイクルRaの排熱処理用熱交換器1に導かれる冷媒が熱交換して膨張機2に導かれる。熱交換して温度低下した排熱は排熱処理用熱交換器1から排出され、再び分散型電源Nに導かれる一方で、上記熱交換器1で高温高圧化した冷媒ガスが膨張機2へ導かれ、膨張仕事による動力を発生させる。
膨張機2で膨張仕事をすることにより低圧化した冷媒ガスは、全てバイパス管Peから開閉弁21を介して熱発生用冷凍サイクルHaへ導かれ、膨張機サイクル用凝縮器4には戻らない。ランキンサイクルRaから熱発生用冷凍サイクルHaへ導かれた冷媒ガスは、この冷凍サイクルの圧縮機3から吐出される高温高圧のガス冷媒と混合して四方切換え弁20に導かれる。
混合冷媒は、四方切換え弁20から新たに設けられたバイパス管Phに導かれ、開閉弁23を通過して冷凍サイクルSにおける圧縮機14から吐出される高温高圧の冷媒ガスと合流混合する。
したがって、充分な冷媒量で、かつ高温高圧の冷媒ガスが室内熱交換器12に導かれて凝縮し、凝縮熱を放出して室内の暖房作用をなす。室内熱交換器12から導出される液冷媒は、第2の膨張弁10をバイパスして開閉弁16からアキュームレータ8に導かれ気液分離される。
アキュームレータ8で分離された液冷媒は第1の膨張弁9に導かれて減圧され、室外熱交換器11に導かれ蒸発する。そして、四方切換え弁13から圧縮機14に吸込まれて上述の径路を循環する。
一方、アキュームレータ8から導出される液冷媒の一部は、熱発生用冷凍サイクルHaの膨張弁7を介して熱発生用室外熱交換器5に導かれ、さらに四方切換え弁20から膨張機で駆動される圧縮機3に吸込まれ上述の径路を循環する。
アキュームレータ8から導出される液冷媒の一部は、バイパス管Pfから補助開閉弁19を介しランキンサイクルRaのポンプ6に導かれる。ポンプ6に導かれた冷媒は昇圧されて排熱処理用熱交換器1へ流入し、以上の径路を循環する。
このようにして、暖房運転時にはランキンサイクルRaと熱発生用冷凍サイクルHaとの混合冷媒を、熱伝達機構Dbを介して冷凍サイクルSにおける圧縮機14で圧縮され吐出される冷媒に合流混合させ、冷凍サイクルSに対して温熱を熱伝達する。
したがって、分散型電源Nにおける高温の排熱を空気調和機Kの暖房運転に用いることができて、暖房効率の向上化を得られる。しかも、熱発生用冷凍サイクルHaにて外気から吸熱するため、排熱処理用熱交換器1に流入した以上の熱を空調に役立たせることができる。
図4は、図3で説明した第2の実施の形態での変形例を基本的に採用し、かつ一部を追加した排熱利用空調システムの構成図であり、図4(A)は冷房運転時、図4(B)は暖房運転時を示している。
後述するように、先に説明した図3とは相違する部位にのみ説明し、同一部位については同番号を付して新たな説明を省略する。
すなわち、ここではランキンサイクルRaを構成する膨張機2に接続する冷媒管Paに対して、膨張機をバイパスするバイパス管Piが設けられていて、このバイパス管は膨張弁24を備えている。
図4(A)に冷房運転時の状態を示し、図4(B)に暖房運転時の状態を示している。いずれも先に図3(A)で説明した冷房運転状態と、図3(B)で説明した暖房運転状態と同一であり、新たな説明は省略する。
図5(A)(B)は、図4(A)(B)の冷暖房運転時におけるそれぞれの制御フローチャートを示している。
図5(A)は、冷房運転時の制御フローチャート図であって、スタートからステップS10で冷房運転要求があると、冷房運転が開始される。ついで、ステップS11に移って空気調和機Kにおける冷凍サイクルSを構成する室外熱交換器11の温度、すなわち凝縮温度を検出して、その検出信号を制御部(制御手段)30へ送る。
つぎに、ステップS12に移って、制御部30は検出した室外熱交換器11での凝縮温度に応じて、ランキンサイクルRaを構成するポンプ6の流量を可変する制御信号を送る。そのため、ランキンサイクルRaを循環する冷媒が排熱処理用熱交換器1において分散型電源Nから得られる排熱の流入量が可変となる。
すなわち、ランキンサイクルRaのポンプ6流量を制御することで、膨張機2における膨張仕事量が左右され、熱伝達機構Dbを介して空気調和機Kの冷凍サイクルSに伝熱する冷熱量を制御可能とする。
図5(B)は暖房運転時のフローチャート図であって、スタートからステップS1において暖房運転要求があると、暖房運転が開始される。ついで、ステップS2に移って暖房運転を継続することにより室内の負荷が軽くなり、空気調和機Kに対する要求運転周波数(すなわち、要求能力)が、予め制御部30に記憶させた第1の設定値c1よりも小さくなった状態(Yes)でステップS3に移って冷凍サイクルSの圧縮機14の運転を停止させる。
この状態では、ランキンサイクルRaにおいて分散型電源Nから排熱を吸収して膨張機2で膨張仕事を継続しており、熱発生用冷凍サイクルHaの圧縮機3を駆動している。したがって、圧縮機3から四方切換え弁20とバイパス管Phおよび開閉弁23を介して高温高圧の冷媒が冷凍サイクルSに導かれ、室内熱交換器12で凝縮することは変りがない。
このようにして、空気調和機Kに対する要求運転周波数が、予め制御部30に記憶させた第1の設定値c1よりも小さくなった状態でも、冷凍サイクルSでの暖房運転が必要最小限だけ継続することになる。
そして、ステップS4に移って、要求運転周波数に応じて膨張機2とバイパスして設けられる膨張弁24のバイパス流量を可変させて、室外熱交換器11からの吸熱量をコントロールする。
この状態が継続すると、室内負荷がさらに小さくなり、空気調和機Kに対する要求運転周波数が、予め制御部30に記憶させた第2の設定値c2よりも小さくなる。そこで、ステップS5に移って、空気調和機Kに対する要求設定周波数が予め制御部30に記憶させた第2の設定値c2よりも小さくなったことを確認(Yes)する。
その後、ステップS6に移ってバイパス管Piの膨張弁24を全開するよう制御して全流量をバイパス管Piに流通させるとともに、要求周波数に応じてポンプ流量および排熱からの吸熱量をコントロールする。これにより、空気調和機Kにおける運転コストの節約が可能となる。
なお、ステップS1で要求設定周波数が予め定められた設定値c1よりも大きい場合(No)では、ステップS7に移って空気調和機Kの冷凍サイクルSを稼動する。
ステップS8では要求周波数に応じて空気調和機Kの冷凍サイクルSを構成する圧縮機14の運転周波数を変更制御し、ステップS1の前の位置に戻って、再びステップS1からのフローを繰り返す。
また、ステップS5で要求設定周波数が予め定められた設定値c2よりも大きい場合は、ステップS4の前の位置に戻って、再びステップS4からのフローを繰り返す。
本発明における第1の実施の形態を示す、排熱利用空調システムの構成図であって、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時の冷媒循環を説明する図。 本発明における第2の実施の形態を示す、排熱利用空調システムの構成図であって、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時の冷媒循環を説明する図。 同実施の形態の変形例を示す、排熱利用空調システムの構成図であって、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時の冷媒循環を説明する図。 同実施の形態のさらに異なる変形例を示す、排熱利用空調システムの構成図であって、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時の冷媒循環を説明する図。 同実施の形態の同変形例における制御方法を説明する図であって、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時の制御フローチャート図。
符号の説明
N…分散型電源(熱源)、1…排熱処理用熱交換器、2…膨張機、4…膨張機サイクル用凝縮器、6…ポンプ、R…ランキンサイクル、3…圧縮機、5…熱発生用室外熱交換器、7…膨張弁、H…熱発生用冷凍サイクル、14…圧縮機、13…四方切換え弁、11…室外熱交換器、12…室内熱交換器、S…冷凍サイクル、K…空気調和機、D…熱伝達機構(熱伝達手段)、30…制御部(制御手段)。

Claims (3)

  1. 熱源から導かれる排熱と熱交換する排熱処理用熱交換器、膨張機、膨張機サイクル用凝縮器およびポンプが順次連通される排熱駆動型のランキンサイクルと、
    この排熱駆動型のランキンサイクルにおける上記膨張機と機械的に連結され、膨張機によって駆動される圧縮機、上記膨張機サイクル用凝縮器と並設される熱発生用室外熱交換器および膨張弁が順次連通される熱発生用冷凍サイクルと、
    圧縮機、四方切換え弁、室外熱交換器および室内熱交換器が順次連通される冷凍サイクルを備えた空気調和機と、
    この空気調和機の冷凍サイクルに導かれる冷媒に対し上記熱発生用冷凍サイクルに導かれる冷媒を合流混合させて、空気調和機の冷凍サイクルへ熱伝達する熱伝達手段と
    を具備することを特徴とする排熱利用空調システム。
  2. 上記熱伝達手段は、
    上記空気調和機による冷房運転時に、上記熱発生用冷凍サイクルの冷媒を空気調和機の冷凍サイクルに導かれる冷媒へ合流混合させて、空気調和機の冷凍サイクルに対し冷熱を熱伝達し、
    上記空気調和機による暖房運転時に、上記ランキンサイクルと熱発生用冷凍サイクルとの混合冷媒を空気調和機の冷凍サイクルに導かれる冷媒へ合流混合させて、空気調和機の冷凍サイクルに対し温熱を熱伝達することを特徴とする請求項1記載の排熱利用空調システム。
  3. 上記空気調和機による暖房運転時は、空気調和機に対する要求能力に応じて、冷房運転時は、空気調和機の室内熱交換器の凝縮温度に応じて、それぞれランキンサイクルの膨張機による発生動力を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の排熱利用空調システム。
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