JP2006046398A - ハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】或る要素をブレーキで固定した変速比固定モードで過大トルクによりブレーキがスリップした時のモータ/ジェネレータやエンジンの過回転を防止する。
【解決手段】ローブレーキL/Bを締結した変速比固定モードで、L/Bがスリップしなければ (a)に示すようにレバーLBはA点周りに回動するが、L/Bがスリップすると(b)に示すように、イナーシャ最大の出力Out(D点)の周りでX1方向に回動する傾向となる。この時モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジントルクTeと、ブレーキトルクTbとがLBをD点周りに回動させようとする回転モーメントのバランス式は、T1(α+1) + Te > Tb(γ)+ T2(β)であり、LBがD点周りでX1方向へ回動されることからMG1,MG2やエンジンが空吹ける。そこでL/Bのスリップを検知する時、エンジンクラッチE/Cを解放させ、リングギヤR1へエンジントルクが向わないことで、L/Bのスリップを防止し上記の空吹け防止を実現する。
【選択図】図11
【解決手段】ローブレーキL/Bを締結した変速比固定モードで、L/Bがスリップしなければ (a)に示すようにレバーLBはA点周りに回動するが、L/Bがスリップすると(b)に示すように、イナーシャ最大の出力Out(D点)の周りでX1方向に回動する傾向となる。この時モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジントルクTeと、ブレーキトルクTbとがLBをD点周りに回動させようとする回転モーメントのバランス式は、T1(α+1) + Te > Tb(γ)+ T2(β)であり、LBがD点周りでX1方向へ回動されることからMG1,MG2やエンジンが空吹ける。そこでL/Bのスリップを検知する時、エンジンクラッチE/Cを解放させ、リングギヤR1へエンジントルクが向わないことで、L/Bのスリップを防止し上記の空吹け防止を実現する。
【選択図】図11
Description
本発明は、エンジンと、出力軸と、2個のモータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結して、該2個のモータ/ジェネレータの制御により無段変速が可能であると共に、差動装置を構成する回転メンバのうち、出力軸に係わる回転メンバ以外の任意の回転メンバをブレーキにより固定して変速比を固定可能なハイブリッド変速機に関し、特に、当該ブレーキを締結作動させた変速比固定モードで過大トルクが入力されて上記のブレーキがスリップする時にハイブリッド変速機を適切に変速制御するための装置に関するものである。
ハイブリッド変速機は、エンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結して構成され、車両を、モータ/ジェネレータからの動力のみにより電気走行させたり、エンジン動力および上記モータ/ジェネレータからの動力によりハイブリッド走行させることができ、何れの走行形態においてもモータ/ジェネレータの制御により無段変速を行わせることができる。
ところで、ハイブリッド変速機においても、無段変速では得られない大きなトルクを出力したり、高速回転を出力する等の目的で、変速比を固定可能な変速比固定モードが要求されることがある。
かかる要求に鑑み従来、例えば特許文献1に記載のごとく、差動装置を構成する回転メンバのうち、出力軸に係わる回転メンバ以外の或る回転メンバを固定して変速比を、上記の要求が満足される変速比に固定可能にするブレーキを設け、これにより変速比固定モードを設定できるようにしたハイブリッド変速機が提案されている。
特開2003−032808号公報
かかる要求に鑑み従来、例えば特許文献1に記載のごとく、差動装置を構成する回転メンバのうち、出力軸に係わる回転メンバ以外の或る回転メンバを固定して変速比を、上記の要求が満足される変速比に固定可能にするブレーキを設け、これにより変速比固定モードを設定できるようにしたハイブリッド変速機が提案されている。
しかし、かかるハイブリッド変速機においては、上記のブレーキを締結作動させた変速比固定モードで過大トルクが入力されると、当該ブレーキがスリップすることがある。
この場合、ブレーキが焼損だけでなく、モータ/ジェネレータやエンジンが空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
この場合、ブレーキが焼損だけでなく、モータ/ジェネレータやエンジンが空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
この問題解決のためには、過大トルクが入力された時もブレーキがスリップすることのないよう、少なくても過大トルク入力時にブレーキの締結作動圧を高めることが考えられるが、この場合、変速機のオイルポンプを大型にする必要があって、これを駆動するエンジンの燃費を悪化させたり、オイルポンプのコスト高や車載性に関する問題をも生ずる。
また上記ブレーキの焼損を防止するだけなら、スリップを発生したブレーキを解放させてしまうことも考えられる。
しかし、かかるブレーキの解放はモータ/ジェネレータやエンジンの空吹けを助長して更なる問題の悪化を生じ、上記違和感に関する問題解決にならない。
しかし、かかるブレーキの解放はモータ/ジェネレータやエンジンの空吹けを助長して更なる問題の悪化を生じ、上記違和感に関する問題解決にならない。
本発明は、ハイブリッド変速機が電気走行中にエンジンを引きずって走行することのないよう、エンジンとの間にエンジンクラッチを有すること、そして、上記問題の基になっているブレーキのスリップが過大入力に起因するとの事実認識にもとづき、
ブレーキのスリップが発生した時、エンジンからの動力が変速機へ入力されなくなるよう上記のエンジンクラッチを制御することで、上記の問題を解消したハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置を提案することを目的とする。
ブレーキのスリップが発生した時、エンジンからの動力が変速機へ入力されなくなるよう上記のエンジンクラッチを制御することで、上記の問題を解消したハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置は、請求項1に記載した以下のごときものとする。
先ず前提となるハイブリッド変速機は、エンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結して該モータ/ジェネレータの制御により変速可能に構成され、上記差動装置を構成する回転要素のうち、上記出力軸に係わる回転要素以外の任意の回転要素を固定して変速比を固定可能にするブレーキを設けると共に、上記エンジンに係わる回転要素、およびエンジン間にエンジンクラッチを介在させたものである。
先ず前提となるハイブリッド変速機は、エンジンと、出力軸と、モータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結して該モータ/ジェネレータの制御により変速可能に構成され、上記差動装置を構成する回転要素のうち、上記出力軸に係わる回転要素以外の任意の回転要素を固定して変速比を固定可能にするブレーキを設けると共に、上記エンジンに係わる回転要素、およびエンジン間にエンジンクラッチを介在させたものである。
本発明の過大トルク時変速制御装置は、かかるハイブリッド変速機に対し以下のブレーキスリップ検出手段と、エンジンクラッチ解放手段とを設けた構成に特徴づけられる。
ブレーキスリップ検出手段は、ブレーキを締結作動させた変速比固定モードでの該ブレーキのスリップを検出する。
エンジンクラッチ解放手段は、ブレーキスリップ検出手段により上記ブレーキのスリップが検出された時、前記エンジンクラッチを強制解放させる。
ブレーキスリップ検出手段は、ブレーキを締結作動させた変速比固定モードでの該ブレーキのスリップを検出する。
エンジンクラッチ解放手段は、ブレーキスリップ検出手段により上記ブレーキのスリップが検出された時、前記エンジンクラッチを強制解放させる。
かかる本発明によるハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置によれば、
変速比固定モードでブレーキのスリップが発生すると、エンジンクラッチを強制解放させることから、ブレーキにより固定されるべき回転要素へエンジントルクが向かわなくなり、ブレーキがスリップしなくなってこのスリップに伴う、ブレーキの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータやエンジンの空吹けによる違和感を回避することができる。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
変速比固定モードでブレーキのスリップが発生すると、エンジンクラッチを強制解放させることから、ブレーキにより固定されるべき回転要素へエンジントルクが向かわなくなり、ブレーキがスリップしなくなってこのスリップに伴う、ブレーキの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータやエンジンの空吹けによる違和感を回避することができる。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の過大トルク時変速制御装置を具えたハイブリッド変速機1を搭載する車両の駆動系を、その制御システムと共に示す。
車両の駆動系は、ハイブリッド変速機1と、その入力側におけるエンジン2と、これら両者間に介在させたエンジンクラッチE/Cと、ハイブリッド変速機1の出力側におけるディファレンシャルギヤ装置3と、ハイブリッド変速機1からの出力をディファレンシャルギヤ装置3により分配されて伝達される左右駆動輪4L,4Rとで構成する。
図1は、本発明の過大トルク時変速制御装置を具えたハイブリッド変速機1を搭載する車両の駆動系を、その制御システムと共に示す。
車両の駆動系は、ハイブリッド変速機1と、その入力側におけるエンジン2と、これら両者間に介在させたエンジンクラッチE/Cと、ハイブリッド変速機1の出力側におけるディファレンシャルギヤ装置3と、ハイブリッド変速機1からの出力をディファレンシャルギヤ装置3により分配されて伝達される左右駆動輪4L,4Rとで構成する。
ハイブリッド変速機1は、フロントエンジン・フロントホイール駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な、図2に示すごとき以下の構成となし、ディファレンシャルギヤ装置3を内包するものとする。
先ずハイブリッド変速機1を図2に基づき詳述するに、これは、軸線方向(図の左右方向)に2個の単純遊星歯車組21,22を同軸に配して具える。
エンジン2から遠い側における遊星歯車組21を、リングギヤR1、サンギヤS1、および、これらギヤに噛合させたピニオンP1により構成し、
エンジン2に近い側における遊星歯車組22を、リングギヤR2、サンギヤS2、および、これらギヤに噛合させたピニオンP2により構成する。
先ずハイブリッド変速機1を図2に基づき詳述するに、これは、軸線方向(図の左右方向)に2個の単純遊星歯車組21,22を同軸に配して具える。
エンジン2から遠い側における遊星歯車組21を、リングギヤR1、サンギヤS1、および、これらギヤに噛合させたピニオンP1により構成し、
エンジン2に近い側における遊星歯車組22を、リングギヤR2、サンギヤS2、および、これらギヤに噛合させたピニオンP2により構成する。
ここで遊星歯車組22のピニオンP2は、遊星歯車組21まで延在する小径のロングピニオンとし、遊星歯車組21のピニオンP1を大径のショートピニオンとし、小径のロングP2を大径のショートピニオンP1にも噛合させ、
これらピニオンP1,P2を共通なキャリアCに回転自在に支持して、遊星歯車組21,22がラビニョオ型プラネタリギヤセットを構成するようになす。
このラビニョオ型プラネタリギヤセットが本発明における差動装置に相当する。
これらピニオンP1,P2を共通なキャリアCに回転自在に支持して、遊星歯車組21,22がラビニョオ型プラネタリギヤセットを構成するようになす。
このラビニョオ型プラネタリギヤセットが本発明における差動装置に相当する。
このラビニョオ型プラネタリギヤセットを挟んでエンジン2から遠い側に、内側の第1モータ/ジェネレータMG1および外側のモータ/ジェネレータMG2を設け、これらを、上記のラビニョオ型プラネタリギヤセットと共に変速機ケース24内に収納する。
モータ/ジェネレータMG1は、ラビニョオ型プラネタリギヤセットと同軸配置した内側ロータ23riと、これを包囲する環状のステータ23siとで構成し、内側ロータ23riを変速機ケース24内に回転自在に支持し、ステータ23siを変速機ケース24内に固設する。
モータ/ジェネレータMG2は、ラビニョオ型プラネタリギヤセットから径方向外方へオフセットさせた円環状の外側ロータ23roと、その内部に貫入させたステータ23soとで構成し、外側ロータ23roを変速機ケース24内に回転自在に支持し、ステータ23soを変速機ケース24内に固設する。
モータ/ジェネレータMG1は、ラビニョオ型プラネタリギヤセットと同軸配置した内側ロータ23riと、これを包囲する環状のステータ23siとで構成し、内側ロータ23riを変速機ケース24内に回転自在に支持し、ステータ23siを変速機ケース24内に固設する。
モータ/ジェネレータMG2は、ラビニョオ型プラネタリギヤセットから径方向外方へオフセットさせた円環状の外側ロータ23roと、その内部に貫入させたステータ23soとで構成し、外側ロータ23roを変速機ケース24内に回転自在に支持し、ステータ23soを変速機ケース24内に固設する。
第1のモータ/ジェネレータMG1(内側ロータ23ri)を、上記ラビニョオ型プラネタリギヤセットにおけるサンギヤS1に結合し、第2のモータ/ジェネレータMG2(外側ロータ23ro)を、上記ラビニョオ型プラネタリギヤセットにおけるサンギヤS2に、歯車組30を介して結合する。
また、上記ラビニョオ型プラネタリギヤセットにおけるリングギヤR1を、ローブレーキL/Bにより適宜固定可能とし、サンギヤS1を、オーバードライブブレーキOD/Bにより適宜固定可能とする。
そしてリングギヤR2は入力要素とし、エンジンクラッチE/Cを介してエンジン2に結合可能とする。
更にキャリアCは出力要素とし、これに出力歯車25を同軸一体に結合して出力軸となし、出力歯車25にカウンターギヤ26を噛合させる。
カウンターギヤ26はカウンターシャフト27に結合して設け、このカウンターシャフト27には更にファイナルドライブピニオン28を結合して設ける。
そしてファイナルドライブピニオン28を、ディファレンシャルギヤ装置3に結合されたファイナルドライブリングギヤ29に噛合させる。
そしてリングギヤR2は入力要素とし、エンジンクラッチE/Cを介してエンジン2に結合可能とする。
更にキャリアCは出力要素とし、これに出力歯車25を同軸一体に結合して出力軸となし、出力歯車25にカウンターギヤ26を噛合させる。
カウンターギヤ26はカウンターシャフト27に結合して設け、このカウンターシャフト27には更にファイナルドライブピニオン28を結合して設ける。
そしてファイナルドライブピニオン28を、ディファレンシャルギヤ装置3に結合されたファイナルドライブリングギヤ29に噛合させる。
図2につき上述したハイブリッド変速機1は図3の共線図により表され、この共線図においてInは、エンジン2からの入力を示し、またOutは、車輪4L,4Rへの出力を示し、α,β,γはそれぞれ、遊星歯車組21,22の歯数比で決まる回転要素間の距離の比を意味する。
図3にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてリングギヤR1を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがAを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1,MG2からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
図3にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてリングギヤR1を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがAを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1,MG2からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
車輪4L,4Rに大きな駆動力が必要でなくなった中速走行時は、図3にレバーを示さなかったが、ローブレーキL/Bを解放させてリングギヤR1を自由に回転し得るようにする。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
ところで無段変速モードにおいては、モータ/ジェネレータMG1またはMG2の回転数が0となる時の入出力回転数比(変速比)が2種類存在し、これら変速比のもとでは電気的な動力を伝達することなく車両を走行させ得る。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
車輪4L,4Rを更に高速回転で駆動することが要求される高速走行時は、図3にレバーODで示すように、オーバードライブブレーキOD/Bを締結させてサンギヤS1を回転数0に固定する。
このとき共線図上のレバーODがBを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
このとき共線図上のレバーODがBを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
上記はいずれも、エンジン動力とモータ/ジェネレータ動力との双方を用いたハイブリッド走行時の変速状態であるが、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみにより車両を電気(EV)走行させるには、図3にレバーEVで示すごとく、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を逆回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を正回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから正回転を取り出すようになす。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
車両を後退走行させるに際しては、図3にレバーREVで示すように、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を正回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を逆回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから逆回転を取り出すようになす。
上記のようなハイブリッド変速機1を挿入して構成した車両駆動系の制御システムは図1に示すように、エンジン2の運転制御を司るエンジンコントローラ5と、エンジンクラッチE/Cの締結力制御を司る油圧源を含むクラッチコントローラ6と、ハイブリッド変速機1内におけるモータ/ジェネレータMG1,MG2を制御するモータコントローラ7,8と、ローブレーキL/Bの締結力制御を司る油圧源を含むローブレーキコントローラ9と、オーバードライブブレーキOD/Bの締結力制御を司る油圧源を含むオーバードライブブレーキコントローラ10と、これらコントローラ5〜10に対する統合コントローラ11とで構成する。
統合コントローラ11は、各種入力情報をもとに所定の演算を行い、コントローラ5〜10を介して対応する部分を通常通りに制御するほか、本発明が狙いとする過大トルク時変速制御を後述のごとくに実行するものとする。
統合コントローラ11は、各種入力情報をもとに所定の演算を行い、コントローラ5〜10を介して対応する部分を通常通りに制御するほか、本発明が狙いとする過大トルク時変速制御を後述のごとくに実行するものとする。
ところで前記したハイブリッド変速機1においては、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モード、または、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードで、ローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが過大トルクの入力でスリップした時、以下に説明する理由によりローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
先ず、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モードについて説明するに、ローブレーキL/Bがスリップしなければ、図11(a)に示すように共線図上のレバーLB(図3に示すと同じもの)がA点を中心にして回動するため、このレバーLBに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、ローブレーキL/Bが受け止めるブレーキトルクTbとによるトルクのバランス式は、次式で表される。
T1(α+1+γ) + Te(1+γ) = T2(β-γ) + To(γ)・・・(1)
T1(α+1+γ) + Te(1+γ) = T2(β-γ) + To(γ)・・・(1)
かかるバランス状態でローブレーキL/Bがスリップすると、ブレーキトルクTbが小さくなることからレバーLBは図11(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(D点の周りで)矢印X1により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は次式
T1(α+1) + Te =Tb(γ)+ T2(β)・・・(2)
のように変化する。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、
T1(α+1) + Te > Tb(γ)+ T2(β)・・・(3)
の関係が成立し、
レバーLBは、図11(b)に示すD点の周りの時計方向(矢印X1方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
T1(α+1) + Te =Tb(γ)+ T2(β)・・・(2)
のように変化する。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、
T1(α+1) + Te > Tb(γ)+ T2(β)・・・(3)
の関係が成立し、
レバーLBは、図11(b)に示すD点の周りの時計方向(矢印X1方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおローブレーキL/Bの焼損防止だけならローブレーキL/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図11(b)においてブレーキトルクTb=0になることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとする過大トルク時変速制御を以下のごとくに行うようにする。
先ずステップS1において、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードか否かをチェックする。
ロー側変速比固定モードでなければ、ローブレーキL/Bを締結作動させていないため本発明による過大トルク時変速制御が不要であるから、そのまま制御を元に戻して待機する。
ステップS1でローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モードであると判定する場合、ステップS2において、ローブレーキL/Bの前後回転差であるスリップ回転数を算出し、
次に、本発明のブレーキスリップ検出手段に相当するステップS3で、ローブレーキL/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないか否かを判定する。
先ずステップS1において、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードか否かをチェックする。
ロー側変速比固定モードでなければ、ローブレーキL/Bを締結作動させていないため本発明による過大トルク時変速制御が不要であるから、そのまま制御を元に戻して待機する。
ステップS1でローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モードであると判定する場合、ステップS2において、ローブレーキL/Bの前後回転差であるスリップ回転数を算出し、
次に、本発明のブレーキスリップ検出手段に相当するステップS3で、ローブレーキL/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないか否かを判定する。
ステップS3でローブレーキL/Bのスリップ回転数が0であると判定する時は、ローブレーキL/Bがスリップしていないため本発明による過大トルク時変速制御が不要であるから、そのまま制御を元に戻して待機する。
しかしステップS3でローブレーキL/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないと判定する時は、ローブレーキL/Bがスリップしていて本発明による過大トルク時変速制御が必要であるから、
制御をステップS4(本発明におけるエンジンクラッチ解放手段に相当する)以後に進めて、このステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放するよう、図1のクラッチコントローラ6へ指令する。
しかしステップS3でローブレーキL/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないと判定する時は、ローブレーキL/Bがスリップしていて本発明による過大トルク時変速制御が必要であるから、
制御をステップS4(本発明におけるエンジンクラッチ解放手段に相当する)以後に進めて、このステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放するよう、図1のクラッチコントローラ6へ指令する。
これによりエンジンクラッチE/Cが解放され、ローブレーキL/Bにより固定されるべきリングギヤR1へエンジントルクが向かわなくなる結果、ローブレーキL/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、ローブレーキL/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(3)式におけるエンジントルクTeが0になり、図11(b)におけるレバーLBの矢印X1方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(3)式におけるエンジントルクTeが0になり、図11(b)におけるレバーLBの矢印X1方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
次のステップS5においては、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にするよう、図1のモータコントローラ7,8へ指令する。
これによりモータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、ローブレーキL/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
これによりモータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、ローブレーキL/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
次のステップS6においては、ローブレーキL/Bを解放するよう、図1のローブレーキコントローラ9へ指令する。
よってステップS6は、本発明におけるブレーキ解放手段に相当する。
これにより、ローブレーキL/Bが解放され、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ステップS6でのローブレーキ解放指令は、ステップS4におけるエンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
よってステップS6は、本発明におけるブレーキ解放手段に相当する。
これにより、ローブレーキL/Bが解放され、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ステップS6でのローブレーキ解放指令は、ステップS4におけるエンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
次に、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードについて説明する。
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図12(a)に示すように共線図上のレバーOD(図3に示すと同じもの)がB点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、次式で表される。
T2(α+1+β) + Te(α) = To(1+α)・・・(4)
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図12(a)に示すように共線図上のレバーOD(図3に示すと同じもの)がB点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、次式で表される。
T2(α+1+β) + Te(α) = To(1+α)・・・(4)
かかるバランス状態でオーバードライブブレーキOD/Bがスリップすると、ブレーキトルクTodが小さくなることからレバーODは図12(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(E点の周りで)矢印X2により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は次式
Te =T2(β)+ Tod(α+1)・・・(5)
のように変化する。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、
Te > T2(β)+ Tod(α+1)・・・(6)
の関係が成立し、
レバーODは、図12(b)に示すE点の周りの時計方向(矢印X2方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
Te =T2(β)+ Tod(α+1)・・・(5)
のように変化する。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、
Te > T2(β)+ Tod(α+1)・・・(6)
の関係が成立し、
レバーODは、図12(b)に示すE点の周りの時計方向(矢印X2方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおオーバードライブブレーキOD/Bの焼損防止だけならオーバードライブブレーキOD/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図12(b)においてブレーキトルクTod =0になることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとする過大トルク時変速制御を以下のごとくに行うようにする。
先ずステップS1において、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードか否かをチェックする。
ハイ側変速比固定モードでなければ、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させていないため本発明による過大トルク時変速制御が不要であるから、そのまま制御を元に戻して待機する。
ステップS1でオーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードであると判定する場合、ステップS2において、オーバードライブブレーキOD/Bの前後回転差であるスリップ回転数を算出し、
次にステップS3で、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないか否かを判定する。
先ずステップS1において、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードか否かをチェックする。
ハイ側変速比固定モードでなければ、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させていないため本発明による過大トルク時変速制御が不要であるから、そのまま制御を元に戻して待機する。
ステップS1でオーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードであると判定する場合、ステップS2において、オーバードライブブレーキOD/Bの前後回転差であるスリップ回転数を算出し、
次にステップS3で、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないか否かを判定する。
ステップS3でオーバードライブブレーキOD/Bのスリップ回転数が0であると判定する時は、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしていないため本発明による過大トルク時変速制御が不要であるから、そのまま制御を元に戻して待機する。
しかしステップS3でオーバードライブブレーキOD/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないと判定する時は、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしていて本発明による過大トルク時変速制御が必要であるから、
制御をステップS4以後に進め、このステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放するよう、図1のクラッチコントローラ6へ指令する。
しかしステップS3でオーバードライブブレーキOD/Bのスリップ回転数が誤差を考慮しても0でないと判定する時は、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしていて本発明による過大トルク時変速制御が必要であるから、
制御をステップS4以後に進め、このステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放するよう、図1のクラッチコントローラ6へ指令する。
これによりエンジンクラッチE/Cが解放され、オーバードライブブレーキOD/Bにより固定されるべきサンギヤS1へエンジントルクが向かわなくなる結果、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、オーバードライブブレーキOD/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(6)式におけるエンジントルクTeが0になり、図12(b)におけるレバーODの矢印X2方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(6)式におけるエンジントルクTeが0になり、図12(b)におけるレバーODの矢印X2方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
次のステップS5においては、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にするよう、図1のモータコントローラ7,8へ指令する。
これによりモータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
これによりモータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
次のステップS6においては、オーバードライブブレーキOD/Bを解放するよう、図1のオーバードライブブレーキコントローラ10へ指令する。
これにより、オーバードライブブレーキOD/Bが解放され、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ステップS6でのオーバードライブブレーキ解放指令は、ステップS4におけるエンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
これにより、オーバードライブブレーキOD/Bが解放され、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ステップS6でのオーバードライブブレーキ解放指令は、ステップS4におけるエンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
上記した本発明の過大トルク時変速制御の着想は、図2のようなハイブリッド変速機に限らず、図4、図6、図8に示すようなハイブリッド変速機に対しても同様に適用することができる。
図4のハイブリッド変速機1は、図2に示すハイブリッド変速機におけると同様な遊星歯車組21,22で構成したラビニョオ型プラネタリギヤセットを具えるが、遊星歯車組21のリングギヤR1を削除し、モータ/ジェネレータMG2のロータ23roを固定してサンギヤS2を固定可能なバンドブレーキ型式のローブレーキL/Bを設けたものである。
その他は、図2におけるハイブリッド変速機と同様に構成する。
図4のハイブリッド変速機1は、図2に示すハイブリッド変速機におけると同様な遊星歯車組21,22で構成したラビニョオ型プラネタリギヤセットを具えるが、遊星歯車組21のリングギヤR1を削除し、モータ/ジェネレータMG2のロータ23roを固定してサンギヤS2を固定可能なバンドブレーキ型式のローブレーキL/Bを設けたものである。
その他は、図2におけるハイブリッド変速機と同様に構成する。
図4につき上述したハイブリッド変速機1は図5の共線図により表され、この共線図においてもInは、エンジン2からの入力を示し、またOutは、車輪4L,4Rへの出力を示し、α,βはそれぞれ、遊星歯車組21,22の歯数比で決まる回転要素間の距離の比を意味する。
図5にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてサンギヤS1を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがFを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
図5にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてサンギヤS1を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがFを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
車輪4L,4Rに大きな駆動力が必要でなくなった中速走行時は、図5にレバーを示さなかったが、ローブレーキL/Bを解放させてサンギヤS2を自由に回転し得るようにする。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
ところで無段変速モードにおいては、モータ/ジェネレータMG1またはMG2の回転数が0となる時の入出力回転数比(変速比)が2種類存在し、これら変速比のもとでは電気的な動力を伝達することなく車両を走行させ得る。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
車輪4L,4Rを更に高速回転で駆動することが要求される高速走行時は、図5にレバーODで示すように、オーバードライブブレーキOD/Bを締結させてサンギヤS1を回転数0に固定する。
このとき共線図上のレバーODがBを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
このとき共線図上のレバーODがBを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
上記はいずれも、エンジン動力とモータ/ジェネレータ動力との双方を用いたハイブリッド走行時の変速状態であるが、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみにより車両を電気(EV)走行させるには、図5にレバーEVで示すごとく、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を逆回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を正回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから正回転を取り出すようになす。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
車両を後退走行させるに際しては、図5にレバーREVで示すように、エンジンに結合したリングギヤR2の回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を正回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を逆回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから逆回転を取り出すようになす。
ところで、図4につき上記したハイブリッド変速機1においても、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モード、または、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードで、ローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが過大トルクの入力でスリップした時、以下に説明する理由によりローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
先ず、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モードについて説明するに、ローブレーキL/Bがスリップしなければ、図13(a)に示すように共線図上のレバーLB(図5に示すと同じもの)がF点を中心にして回動するため、このレバーLBに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、ローブレーキL/Bが受け止めるブレーキトルクTbとによるトルクのバランス式は、次式で表される。
T1(α+1+β) + Te(1+β) + To(β)=0・・・(7)
T1(α+1+β) + Te(1+β) + To(β)=0・・・(7)
かかるバランス状態でローブレーキL/Bがスリップすると、ブレーキトルクTbが小さくなることからレバーLBは図13(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(G点の周りで)矢印X3により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は次式
T1(α+1) + Te =Tb(β)・・・(8)
のように変化する。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、
T1(α+1) + Te > Tb(β)・・・(9)
の関係が成立し、
レバーLBは、図13(b)に示すG点の周りの時計方向(矢印X3方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
T1(α+1) + Te =Tb(β)・・・(8)
のように変化する。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、
T1(α+1) + Te > Tb(β)・・・(9)
の関係が成立し、
レバーLBは、図13(b)に示すG点の周りの時計方向(矢印X3方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおローブレーキL/Bの焼損防止だけならローブレーキL/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図13(b)においてブレーキトルクTb=0になることから、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするロー側変速比固定モード用の過大トルク時変速制御を前述したと同様に行うようにする。
かかる制御により、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードで過大トルクが入力され、ローブレーキL/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でローブレーキL/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
かかる制御により、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードで過大トルクが入力され、ローブレーキL/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でローブレーキL/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
つまり、エンジンクラッチE/Cの解放により、ローブレーキL/Bに係わるサンギヤS2へエンジントルクが向かわなくなる結果、ローブレーキL/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、ローブレーキL/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(9)式におけるエンジントルクTeが0になり、図13(b)におけるレバーLBの矢印X3方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(9)式におけるエンジントルクTeが0になり、図13(b)におけるレバーLBの矢印X3方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にすることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、ローブレーキL/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
更に、ローブレーキL/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ローブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
更に、ローブレーキL/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ローブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
次に、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードについて説明する。
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図12(a)に示すように共線図上のレバーOD(図5に示すと同じもの)がB点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、前記(4)式と同じ式で表される。
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図12(a)に示すように共線図上のレバーOD(図5に示すと同じもの)がB点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、前記(4)式と同じ式で表される。
かかるバランス状態でオーバードライブブレーキOD/Bがスリップすると、ブレーキトルクTodが小さくなることからレバーODは図12(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(E点の周りで)矢印X2により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は、前記(5)式と同じ式へと変化する。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、前記(6)式と同じ不等式が成立し、
レバーODは、図12(b)に示すE点の周りの時計方向(矢印X2方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、前記(6)式と同じ不等式が成立し、
レバーODは、図12(b)に示すE点の周りの時計方向(矢印X2方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおオーバードライブブレーキOD/Bの焼損防止だけならオーバードライブブレーキOD/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図12(b)においてブレーキトルクTod =0になることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするハイ側変速比固定モード用の過大トルク時変速制御を前述したと同様に行うようにする。
かかる制御により、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードで過大トルクが入力され、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でオーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
かかる制御により、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードで過大トルクが入力され、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でオーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
つまり、エンジンクラッチE/Cの解放により、オーバードライブブレーキOD/Bに係わるサンギヤS1へエンジントルクが向かわなくなる結果、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、オーバードライブブレーキOD/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(6)式におけるエンジントルクTeが0になり、図12(b)におけるレバーODの矢印X2方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(6)式におけるエンジントルクTeが0になり、図12(b)におけるレバーODの矢印X2方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にすることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
更に、オーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、オーバードライブブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
更に、オーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、オーバードライブブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
図6のハイブリッド変速機1は、図2に示すハイブリッド変速機におけると同様な遊星歯車組21,22で構成したラビニョオ型プラネタリギヤセットを具えるが、キャリアCを入力要素としてエンジンクラッチE/Cを介しエンジン2に結合し、遊星歯車組21のリングギヤR1を出力要素として出力歯車25に結合したものである。
そして、モータ/ジェネレータMG2のロータ23roを固定してサンギヤS2を固定可能なバンドブレーキ型式のローブレーキL/Bを設け、リングギヤR2を固定可能なオーバードライブブレーキOD/Bを設けたものである。
その他は、図2におけるハイブリッド変速機と同様に構成する。
そして、モータ/ジェネレータMG2のロータ23roを固定してサンギヤS2を固定可能なバンドブレーキ型式のローブレーキL/Bを設け、リングギヤR2を固定可能なオーバードライブブレーキOD/Bを設けたものである。
その他は、図2におけるハイブリッド変速機と同様に構成する。
図6につき上述したハイブリッド変速機1は図7の共線図により表され、この共線図においてもInは、エンジン2からの入力を示し、またOutは、車輪4L,4Rへの出力を示し、α,β,δはそれぞれ、遊星歯車組21,22の歯数比で決まる回転要素間の距離の比を意味する。
図7にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてサンギヤS2を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがFを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
図7にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてサンギヤS2を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがFを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
車輪4L,4Rに大きな駆動力が必要でなくなった中速走行時は、図7にレバーを示さなかったが、ローブレーキL/Bを解放させてサンギヤS2を自由に回転し得るようにする。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
ところで無段変速モードにおいては、モータ/ジェネレータMG1またはMG2の回転数が0となる時の入出力回転数比(変速比)が2種類存在し、これら変速比のもとでは電気的な動力を伝達することなく車両を走行させ得る。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
車輪4L,4Rを更に高速回転で駆動することが要求される高速走行時は、図7にレバーODで示すように、オーバードライブブレーキOD/Bを締結させてリングギヤR2を回転数0に固定する。
このとき共線図上のレバーODがHを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
このとき共線図上のレバーODがHを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
上記はいずれも、エンジン動力とモータ/ジェネレータ動力との双方を用いたハイブリッド走行時の変速状態であるが、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみにより車両を電気(EV)走行させるには、図7にレバーEVで示すごとく、エンジンに結合したキャリアCの回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を逆回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を正回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから正回転を取り出すようになす。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したキャリアCの回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したキャリアCの回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
車両を後退走行させるに際しては、図7にレバーREVで示すように、エンジンに結合したキャリアCの回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を正回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を逆回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから逆回転を取り出すようになす。
ところで、図6につき上記したハイブリッド変速機1においても、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モード、または、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードで、ローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが過大トルクの入力でスリップした時、以下に説明する理由によりローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
先ず、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モードについて説明するに、ローブレーキL/Bがスリップしなければ、図14(a)に示すように共線図上のレバーLB(図7に示すと同じもの)がF点を中心にして回動するため、このレバーLBに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、ローブレーキL/Bが受け止めるブレーキトルクTbとによるトルクのバランス式は、前記(7)式と同じ式で表される。
かかるバランス状態でローブレーキL/Bがスリップすると、ブレーキトルクTbが小さくなることからレバーLBは図14(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(J点の周りで)矢印X4により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は、前記(8)式と同じ式へと変化する。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、前記(9)式と同じ不等式が成立し、
レバーLBは、図14(b)に示すJ点の周りの時計方向(矢印X4方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、前記(9)式と同じ不等式が成立し、
レバーLBは、図14(b)に示すJ点の周りの時計方向(矢印X4方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおローブレーキL/Bの焼損防止だけならローブレーキL/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図14(b)においてブレーキトルクTb=0になることから、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするロー側変速比固定モード用の過大トルク時変速制御を前述したと同様に行うようにする。
かかる制御により、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードで過大トルクが入力され、ローブレーキL/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でローブレーキL/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
かかる制御により、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードで過大トルクが入力され、ローブレーキL/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でローブレーキL/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
つまり、エンジンクラッチE/Cの解放により、ローブレーキL/Bに係わるサンギヤS2へエンジントルクが向かわなくなる結果、ローブレーキL/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、ローブレーキL/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(9)式におけるエンジントルクTeが0になり、図14(b)におけるレバーLBの矢印X4方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(9)式におけるエンジントルクTeが0になり、図14(b)におけるレバーLBの矢印X4方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にすることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、ローブレーキL/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
更に、ローブレーキL/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ローブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
更に、ローブレーキL/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ローブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
次に、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードについて説明する。
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図15(a)に示すように共線図上のレバーOD(図7に示すと同じもの)がH点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、次式で表される。
T1(α-δ) + Te(δ) + T2(δ+1+β) = To(1+δ)・・・(10)
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図15(a)に示すように共線図上のレバーOD(図7に示すと同じもの)がH点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、次式で表される。
T1(α-δ) + Te(δ) + T2(δ+1+β) = To(1+δ)・・・(10)
かかるバランス状態でオーバードライブブレーキOD/Bがスリップすると、ブレーキトルクTodが小さくなることからレバーODは図15(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(J点の周りで)矢印X5により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は、次式
Te = T1(α+1) + T2(β) + Tod(1+δ)・・・(11)
へと変化する。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、
Te > T1(α+1) + T2(β) + Tod(1+δ)・・・(12)
の不等式が成立し、
レバーODは、図15(b)に示すJ点の周りの時計方向(矢印X5方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
Te = T1(α+1) + T2(β) + Tod(1+δ)・・・(11)
へと変化する。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、
Te > T1(α+1) + T2(β) + Tod(1+δ)・・・(12)
の不等式が成立し、
レバーODは、図15(b)に示すJ点の周りの時計方向(矢印X5方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおオーバードライブブレーキOD/Bの焼損防止だけならオーバードライブブレーキOD/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図15(b)においてブレーキトルクTod =0になることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするハイ側変速比固定モード用の過大トルク時変速制御を前述したと同様に行うようにする。
かかる制御により、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードで過大トルクが入力され、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でオーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
かかる制御により、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードで過大トルクが入力され、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でオーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
つまり、エンジンクラッチE/Cの解放により、オーバードライブブレーキOD/Bに係わるリングギヤR2へエンジントルクが向かわなくなる結果、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、オーバードライブブレーキOD/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(12)式におけるエンジントルクTeが0になり、図15(b)におけるレバーODの矢印X5方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(12)式におけるエンジントルクTeが0になり、図15(b)におけるレバーODの矢印X5方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にすることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
更に、オーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、オーバードライブブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
更に、オーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、オーバードライブブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
図8のハイブリッド変速機1は、図2に示すハイブリッド変速機におけると同様な遊星歯車組21,22で構成したラビニョオ型プラネタリギヤセットを具えるが、遊星歯車組22のリングギヤR2を削除し、キャリアCを入力要素としてエンジンクラッチE/Cを介しエンジン2に結合し、遊星歯車組21のリングギヤR1を出力要素として出力歯車25に結合したものである。
そして、モータ/ジェネレータMG2のロータ23roを固定してサンギヤS2を固定可能なバンドブレーキ型式のローブレーキL/Bを設けたものである。
その他は、図2におけるハイブリッド変速機と同様に構成する。
そして、モータ/ジェネレータMG2のロータ23roを固定してサンギヤS2を固定可能なバンドブレーキ型式のローブレーキL/Bを設けたものである。
その他は、図2におけるハイブリッド変速機と同様に構成する。
図8につき上述したハイブリッド変速機1は図9の共線図により表され、この共線図においてもInは、エンジン2からの入力を示し、またOutは、車輪4L,4Rへの出力を示し、α,βはそれぞれ、遊星歯車組21,22の歯数比で決まる回転要素間の距離の比を意味する。
図9にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてサンギヤS2を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがFを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
図9にレバーLBで示すように、ローブレーキL/Bを締結させてサンギヤS2を回転数0に固定した変速(LB)モードでは、共線図上のレバーLBがFを支点として回動するため変速比固定モードとなり、そのレバー比でエンジン2(入力In)からのトルクおよびモータ/ジェネレータMG1からのトルクがそれぞれ増大されて出力Outに至るため、ローブレーキL/Bを解放している場合よりも大きな駆動力を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のLBモードは大きな駆動力が要求される車両の発進時に用いる。
車輪4L,4Rに大きな駆動力が必要でなくなった中速走行時は、図9にレバーを示さなかったが、ローブレーキL/Bを解放させてサンギヤS2を自由に回転し得るようにする。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
この時、オーバードライブブレーキOD/Bの解放と相まって、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御により無段変速が可能である。
なお、ローブレーキL/Bを締結させた変速比固定モードから当該無段変速モードへの切り替えに当たっては、モータ/ジェネレータMG1,MG2の適切な出力トルク制御により当該モード切り替え時における出力トルク変化を滑らかなものにし、モード切り替えショックを緩和することができる。
ところで無段変速モードにおいては、モータ/ジェネレータMG1またはMG2の回転数が0となる時の入出力回転数比(変速比)が2種類存在し、これら変速比のもとでは電気的な動力を伝達することなく車両を走行させ得る。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
またこれら変速比のもとでは、機械的な伝動効率よりも効率の低い電気的な伝動の割合を低いことから、ハイブリッド変速機の伝動効率を高めることができる。
車輪4L,4Rを更に高速回転で駆動することが要求される高速走行時は、図9にレバーODで示すように、オーバードライブブレーキOD/Bを締結させてサンギヤS1を回転数0に固定する。
このとき共線図上のレバーODがBを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
このとき共線図上のレバーODがBを支点として回動するため、この場合も変速比固定モードとなるが、ここではそのレバー比でエンジン2(入力In)の回転が増速されて出力Outに至るため、オーバードライブブレーキOD/Bを解放している場合よりも高速回転を車輪4L,4Rに向かわせることができる。
従って、この変速比固定のODモードは出力Outの高速回転が要求される車両の高速走行時に用いる。
上記はいずれも、エンジン動力とモータ/ジェネレータ動力との双方を用いたハイブリッド走行時の変速状態であるが、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみにより車両を電気(EV)走行させるには、図9にレバーEVで示すごとく、エンジンに結合したキャリアCの回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を逆回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を正回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから正回転を取り出すようになす。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したキャリアCの回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
そして電気走行中の変速制御に当たっては、モータ/ジェネレータMG1の逆回転速度およびモータ/ジェネレータMG2の正回転速度を制御することにより要求される変速を遂行することができる。
なお電気走行中に上記のごとく、エンジンに結合したキャリアCの回転数を0に保つ場合、エンジンクラッチE/Cの解放は必ずしも必要ではないが、本実施例では電気走行中にエンジンクラッチE/Cを解放するものとする。
車両を後退走行させるに際しては、図9にレバーREVで示すように、エンジンに結合したキャリアCの回転数が0に保たれるようにしつつモータ/ジェネレータMG1を正回転駆動させると共にモータ/ジェネレータMG2を逆回転駆動させることで、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみを動力源として出力Outから逆回転を取り出すようになす。
ところで、図8につき上記したハイブリッド変速機1においても、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モード、または、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードで、ローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが過大トルクの入力でスリップした時、以下に説明する理由によりローブレーキL/BまたはオーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1,MG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
先ず、ローブレーキL/Bを締結作動させたロー側変速比固定モードについて説明するに、ローブレーキL/Bがスリップしなければ、図14(a)に示すように共線図上のレバーLB(図9に示すと同じもの)がF点を中心にして回動するため、このレバーLBに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、ローブレーキL/Bが受け止めるブレーキトルクTbとによるトルクのバランス式は、前記(7)式と同じ式で表される。
かかるバランス状態でローブレーキL/Bがスリップすると、ブレーキトルクTbが小さくなることからレバーLBは図14(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(J点の周りで)矢印X4により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は、前記(8)式と同じ式のように変化する。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、前記(9)式と同じ不等式が成立し、
レバーLBは、図14(b)に示すJ点の周りの時計方向(矢印X4方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
ところで、ローブレーキL/BのスリップによりブレーキトルクTbが小さくなっているため、前記(9)式と同じ不等式が成立し、
レバーLBは、図14(b)に示すJ点の周りの時計方向(矢印X4方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、ローブレーキL/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおローブレーキL/Bの焼損防止だけならローブレーキL/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図14(b)においてブレーキトルクTb=0になることから、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするロー側変速比固定モード用の過大トルク時変速制御を前述したと同様に行うようにする。
かかる制御により、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードで過大トルクが入力され、ローブレーキL/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でローブレーキL/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
かかる制御により、ローブレーキL/Bを締結作動させているロー側変速比固定モードで過大トルクが入力され、ローブレーキL/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でローブレーキL/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
つまり、エンジンクラッチE/Cの解放により、ローブレーキL/Bに係わるサンギヤS2へエンジントルクが向かわなくなる結果、ローブレーキL/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、ローブレーキL/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG1やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(9)式におけるエンジントルクTeが0になり、図14(b)におけるレバーLBの矢印X4方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(9)式におけるエンジントルクTeが0になり、図14(b)におけるレバーLBの矢印X4方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にすることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、ローブレーキL/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
更に、ローブレーキL/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ローブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
更に、ローブレーキL/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、ローブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
次に、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させたハイ側変速比固定モードについて説明する。
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図16(a)に示すように共線図上のレバーOD(図9に示すと同じもの)がB点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、前記(4)式と同じ式で表される。
オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなければ、図16(a)に示すように共線図上のレバーOD(図9に示すと同じもの)がB点を中心にして回動するため、このレバーODに作用するモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2と、エンジン2のトルクTeと、出力トルクToと、オーバードライブブレーキOD/Bが受け止めるブレーキトルクTodとによるトルクのバランス式は、前記(4)式と同じ式で表される。
かかるバランス状態でオーバードライブブレーキOD/Bがスリップすると、ブレーキトルクTodが小さくなることからレバーODは図16(b)に示すように、イナーシャの最も大きな出力Outの周りで(K点の周りで)矢印X6により示す時計方向に回動する傾向となり、トルクのバランス式は、前記(5)式と同じ式へと変化する。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、前記(6)式の不等式が成立し、
レバーODは、図16(b)に示すK点の周りの時計方向(矢印X6方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
ところで、オーバードライブブレーキOD/BのスリップによりブレーキトルクTodが小さくなっているため、前記(6)式の不等式が成立し、
レバーODは、図16(b)に示すK点の周りの時計方向(矢印X6方向)への回動を更に継続する。
そのため何の制御もしなければ、オーバードライブブレーキOD/Bが焼損するだけでなく、モータ/ジェネレータMG2やエンジン2が空吹けして違和感になるという問題を生ずる。
なおオーバードライブブレーキOD/Bの焼損防止だけならオーバードライブブレーキOD/Bを解放することで目的は達成されるが、この場合、図16(b)においてブレーキトルクTod =0になることから、モータ/ジェネレータMG2やエンジン2の空吹けが更に顕著となり、これに伴う上記違和感の問題が一層大きくなって採用不可能である。
そこで本実施例においては、図1の統合コントローラ11が図10に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするハイ側変速比固定モード用の過大トルク時変速制御を前述したと同様に行うようにする。
かかる制御により、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードで過大トルクが入力され、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でオーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
かかる制御により、オーバードライブブレーキOD/Bを締結作動させているハイ側変速比固定モードで過大トルクが入力され、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップを生じた時は、ステップS4でエンジンクラッチE/Cを解放し、ステップS5でモータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にし、ステップS6でオーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、前述したと同様な作用効果が奏し得られる。
つまり、エンジンクラッチE/Cの解放により、オーバードライブブレーキOD/Bに係わるサンギヤS1へエンジントルクが向かわなくなる結果、オーバードライブブレーキOD/Bがスリップしなくなってこのスリップに伴う、オーバードライブブレーキOD/Bの焼損に関する問題、および、モータ/ジェネレータMG2やエンジン2の空吹けによる違和感を回避することができる。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(6)式におけるエンジントルクTeが0になり、図16(b)におけるレバーODの矢印X6方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
このことは、エンジンクラッチE/Cの解放により前記(6)式におけるエンジントルクTeが0になり、図16(b)におけるレバーODの矢印X6方向への回動力が小さくなることからも明かである。
更にこの問題解決を、オイルポンプの大型化に頼ることなく実現し得ることから、燃費の悪化やコスト高に関する別の問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクT1,T2を0にすることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2が、制御停止状態となってフリーランニングし得ることから、モータ/ジェネレータMG1,MG2からの入力もなくなることで、オーバードライブブレーキOD/Bのスリップを更に確実になくして前記の作用効果を更に確実なものにすることができ、変速比固定状態での減速を一層確実なものにすることができる。
更に、オーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、オーバードライブブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
更に、オーバードライブブレーキOD/Bを解放することから、固定変速比を用いずに減速することができる。
なお、かように固定変速比を用いずに減速する場合に要求される、オーバードライブブレーキ解放指令は、上記エンジンクラッチE/Cの解放時か、若しくは、それ以後であれば何時でもよい。
1 ハイブリッド変速機
2 エンジン
E/C エンジンクラッチ
3 ディファレンシャルギヤ装置
4L 左駆動輪
4R 右駆動輪
5 エンジンコントローラ
6 クラッチコントローラ
7,8 モータコントローラ
9 ローブレーキコントローラ
10 オーバードライブブレーキコントローラ
11 統合コントローラ
21 単純遊星歯車組(差動装置)
22 単純遊星歯車組(差動装置)
25 出力歯車
27 カウンターシャフト
MG1,MG2 モータ/ジェネレータ
2 エンジン
E/C エンジンクラッチ
3 ディファレンシャルギヤ装置
4L 左駆動輪
4R 右駆動輪
5 エンジンコントローラ
6 クラッチコントローラ
7,8 モータコントローラ
9 ローブレーキコントローラ
10 オーバードライブブレーキコントローラ
11 統合コントローラ
21 単純遊星歯車組(差動装置)
22 単純遊星歯車組(差動装置)
25 出力歯車
27 カウンターシャフト
MG1,MG2 モータ/ジェネレータ
Claims (5)
- エンジンと、出力軸と、2個のモータ/ジェネレータとの間を差動装置により相互に連結して該モータ/ジェネレータの制御により変速可能に構成され、前記差動装置を構成する回転要素のうち、前記出力軸に係わる回転要素以外の任意の回転要素を固定して変速比を固定可能にするブレーキを設けると共に、前記エンジンに係わる回転要素およびエンジン間にエンジンクラッチを介在させたハイブリッド変速機において、
前記ブレーキを締結作動させた変速比固定モードで該ブレーキのスリップを検出するブレーキスリップ検出手段と、
この手段により前記ブレーキのスリップが検出された時、前記エンジンクラッチを強制解放させるエンジンクラッチ解放手段とを設けたことを特徴とするハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置。 - 請求項1に記載の過大トルク時変速制御装置において、
前記エンジンクラッチ解放手段によるエンジンクラッチの強制解放に呼応して前記ブレーキを強制解放させるブレーキ解放手段を付加したことを特徴とするハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置。 - 請求項2に記載の過大トルク時変速制御装置において、
前記ブレーキ解放手段は前記ブレーキの強制解放を、前記エンジンクラッチ解放手段によるエンジンクラッチの強制解放時、若しくは、該エンジンクラッチの強制解放後とするものであることを特徴とするハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の過大トルク時変速制御装置において、
前記ブレーキが、変速比をオーバードライブ変速比に固定可能にするオーバードライブブレーキであるハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過大トルク時変速制御装置において、
前記ブレーキが、変速比をロー側変速比に固定可能にするローブレーキであるハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004225460A JP2006046398A (ja) | 2004-08-02 | 2004-08-02 | ハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004225460A JP2006046398A (ja) | 2004-08-02 | 2004-08-02 | ハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置 |
Publications (1)
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ID=36025216
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JP2004225460A Withdrawn JP2006046398A (ja) | 2004-08-02 | 2004-08-02 | ハイブリッド変速機の過大トルク時変速制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015137064A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車の制御装置 |
-
2004
- 2004-08-02 JP JP2004225460A patent/JP2006046398A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015137064A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車の制御装置 |
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