JP2006040414A - 配線回路基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 配線回路基板1を、磁気ヘッド15を支持するためのサスペンション基板部2と、磁気ヘッド15を動作させるための制御基板部3とを連続して一体的に形成する。より具体的には、共通のベース絶縁層9の上に、サスペンション基板部2においては、磁気ヘッド15に接続される第1導体層10と、制御基板部3においては、プリアンプIC12に接続される第2導体層11とを同一材料から同時に形成し、さらに、第1導体層10および第2導体層11を被覆する共通のカバー絶縁層13を、共通のベース絶縁層9の上に形成する。この配線回路基板1では、サスペンション基板部2と制御基板部3との境界で、第1導体層10と第2導体層11との接続点を不要とすることができる。
【選択図】 図1
Description
回路付サスペンション基板52は、図5に示すように、ステンレス箔などの金属基板54の上に、ベース絶縁層55、配線回路パターンからなる導体層56およびカバー絶縁層57が順次積層されている。
制御回路基板53の長手方向一端部には、上記した制御回路基板端子部60と接続するためのサスペンション基板端子部62が設けられている。サスペンション基板端子部62は、その一端部において、カバー絶縁層65を開口して、導体層64を露出させることにより形成されている。そして、一端部には、回路付サスペンション基板52の他端部が対向配置され、サスペンション基板端子部62には、めっき層61を介して、制御回路基板端子部60が接続されている。
また、サスペンション基板と、制御回路基板との間に、中継フレキシブル配線回路基板を介在させることも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、制御回路基板端子部60およびサスペンション基板端子部62での接続点では、電気抵抗が大きく変化して、特性インピーダンスの不整合を生じる。
また、本発明の配線回路基板では、前記サスペンション基板部および前記制御基板部は、前記サスペンション基板部においては、前記第1導体層がその上に形成され、前記制御基板部においては、前記第2導体層がその上に形成されており、同一材料から、連続して一体的に形成されている共通のベース絶縁層を備えていることが好適である。
図1において、この配線回路基板1は、磁気ヘッド15(図2参照)を支持するためのサスペンション基板部2と、磁気ヘッドを動作させるための制御基板部3とを連続して一体的に備えている。
また、制御基板部3には、外部端子部6に接続される第2導体層11が、配線回路パターンとして形成されている。この第2導体層11は、一端が後述するプリアンプ端子部7との接続点まで延び、他端が外部端子部6まで延びるように形成され、幅方向において互いに所定間隔を隔てて並列位置される複数の配線11aとして形成されている。各配線11aは、一端においてプリアンプ端子部7と接続され、他端において外部端子部6の各端子6aと接続されている。
次に、この配線回路基板1の製造方法について、図3を参照して簡単に説明する。
この方法では、まず、図3(a)に示すように、金属基板8を用意する。
金属基板8としては、特に制限されないが、例えば、ステンレス、42アロイなどからなる金属箔または金属薄板が用いられる。また、その厚さは、例えば、10〜100μm、好ましくは、15〜30μmである。
また、ベース絶縁層9の厚みは、例えば、1〜30μmである。
次いで、この方法では、図3(c)に示すように、共通のベース絶縁層9の上に、第1導体層10および第2導体層11を、上記した配線回路パターンで、同時に形成する。第1導体層10および第2導体層11は、同一材料から形成され、例えば、銅、ニッケル、金、はんだまたはこれらの合金などから形成される。好ましくは、銅から形成される。
サブトラクティブ法では、まず、ベース絶縁層9の全面に、必要により接着剤層を介して第1導体層10および第2導体層11を同時に積層し、次いで、この第1導体層10および第2導体層11の上に、配線回路パターンと同一パターンのエッチングレジストを形成し、このエッチングレジストをレジストとして、第1導体層10および第2導体層11を同時にエッチングして、その後に、エッチングレジストを除去する。
第1導体層10および第2導体層11の厚みは、例えば、2〜25μm、好ましくは、5〜20μmである。
なお、第1導体層10および第2導体層11の表面には、図示しないが、好ましくは、無電解ニッケルめっきなどによって、硬質のニッケル薄膜からなる金属保護膜を形成する。金属保護膜の厚みは、例えば、0.05〜0.1μmである。
カバー絶縁層13は、ベース絶縁層9の上に、第1導体層10および第2導体層11を被覆し、かつ、磁気ヘッド端子部5の端子5aの形成位置、外部端子部6の端子6aの形成位置、および、プリアンプ端子部7の第1端子7aおよび第2端子7bの形成位置が開口される、所定のパターンとして形成する。
また、カバー絶縁層13の厚みは、例えば、1〜30μmである。
次いで、図3(e)に示すように、金属基板8を、化学エッチングなどの公知の方法によって、所定の外形形状に切り抜くとともに、サスペンション基板部2に対応する部分、プリアンプ端子部7に対応する部分、および、外部端子部6に対応する部分を除いて、ベース絶縁層9に対向している金属基板8を、化学エッチングなどの公知の方法によって除去する。
この配線回路基板1は、サスペンション基板部2においては、支持基板16として金属基板8、ベース絶縁層9、第1導体層10およびカバー絶縁層13が順次積層され、磁気ヘッド15を、磁気ディスクとの間に微小な間隔を保持しつつ支持する。また、制御基板部3においては、ベース絶縁層9、第2導体層11およびカバー絶縁層13が順次積層(ただし、プリアンプ搭載部4および外部端子部6には、補強層18として金属基板8が設けられている。)され、磁気ヘッド15から出力される電気信号をプリアンプIC12によって増幅する。
実施例1
厚さ25μmのステンレス箔(SUS304 H−TA)からなる金属基板を用意し(図3(a)参照)、その金属基板の上に、感光性ポリイミド樹脂の前駆体の溶液を、乾燥後の厚さが24μmとなるように塗工した後、130℃で乾燥することにより、感光性ポリイミド樹脂の前駆体の皮膜を形成した。次いで、その皮膜を、フォトマスクを介して露光(405nm、1500mJ/cm2)し、露光部分を180℃に加熱した後、アルカリ現像液を用いて現像することにより、その皮膜をネガ型の画像で所定のパターンに形成した。次いで、パターン化された皮膜を、350℃で加熱して、硬化(イミド化)させ、これによって、厚さ10μmのポリイミド樹脂からなるベース絶縁層を所定のパターンで形成した(図3(b)参照)。
次いで、第1導体層および第2導体層の表面および金属基板の表面に、無電解ニッケルめっきによって、厚さ0.1μmの硬質のニッケル薄膜からなる金属保護膜を形成した。
次いで、金属基板を、化学エッチングによって、所定の外形形状に切り抜くとともに、サスペンション基板部に対応する部分、プリアンプ端子部に対応する部分、および、制御基板端子部に対応する部分を除いて、ベース絶縁層に対向している金属基板を、化学エッチングによって除去した(図3(e)参照)。
比較例1
厚さ25μmのステンレス箔(SUS304 H−TA)からなる金属基板の上に、厚さ10μmのポリイミド樹脂からなるベース絶縁層、厚さ12μmの銅箔の配線回路パターンからなる導体層、および、厚さ3μmのポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層が順次積層されている回路付サスペンション基板を用意した。
評価
実施例1の配線回路基板における磁気ヘッド端子部とプリアンプ端子部との間、および、プリアンプ端子部と外部端子部との間の特性インピーダンスを、タイム・ドメイン・リフレクトメトリ(TDR)法によって測定した。その結果を下記に示す。なお、特性インピーダンスの設計値は、磁気ヘッド端子部とプリアンプ端子部との間が50Ω、プリアンプ端子部と外部端子部との間が100Ωである。
プリアンプ端子部と外部端子部との間 100Ω
比較例1の回路付サスペンション基板および配線回路基板における磁気ヘッド端子部と制御回路基板端子部との間、サスペンション基板端子部とプリアンプ端子部との間、および、プリアンプ端子部と外部端子部との間の特性インピーダンスを、タイム・ドメイン・リフレクトメトリ(TDR)法によって測定した。その結果を下記に示す。なお、特性インピーダンスの設計値は、実施例1と同様である。
サスペンション基板端子部とプリアンプ端子部との間 95Ω
プリアンプ端子部と外部端子部との間 100Ω
比較例1において、磁気ヘッド端子部とプリアンプ端子部との間にある制御回路基板端子部とサスペンション基板端子部との接続点では、電気抵抗が大きく変化して、特性インピーダンスの不整合を生じた。
2 サスペンション基板部
3 制御基板部
7 プリアンプ端子部
8 ベース絶縁層
10 第1導体層
11 第2導体層
12 プリアンプIC
13 カバー絶縁層
15 磁気ヘッド
Claims (4)
- 磁気ヘッドに接続される第1導体層を有し、前記磁気ヘッドを支持するためのサスペンション基板部と、プリアンプに接続される第2導体層を有し、磁気ヘッドを動作させるための制御基板部とを備え、
前記サスペンション基板部と前記制御基板部とが、連続して一体的に形成されており、
前記第1導体層と前記第2導体層とが、同一材料から形成されていることを特徴とする、配線回路基板。 - 前記第1導体層が前記プリアンプに接続されることにより、前記第1導体層と前記第2導体層とが、前記プリアンプを介して電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板。
- 前記サスペンション基板部および前記制御基板部は、前記サスペンション基板部においては、前記第1導体層がその上に形成され、前記制御基板部においては、前記第2導体層がその上に形成されており、同一材料から、連続して一体的に形成されている共通のベース絶縁層を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板。
- 前記サスペンション基板部および前記制御基板部は、前記サスペンション基板部においては、前記第1導体層を被覆するように前記ベース絶縁層の上に形成され、前記制御基板部においては、前記第2導体層を被覆するように前記ベース絶縁層の上に形成されており、同一材料から、連続して一体的に形成されている共通のカバー絶縁層を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の配線回路基板。
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