JP2005336647A - 製紙用添加剤およびそれを添加して得られる紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体の水溶液からなる貯蔵安定性に優れた製紙用添加剤、およびそれを添加して得られる、紙力が向上した紙を提供すること。
【解決手段】ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液に、L−アスコルビン酸、その異性体若しくはそれらの塩を含有してなる製紙用添加剤(A)、並びにそれを添加して得られる紙。
【選択図】なし
【解決手段】ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液に、L−アスコルビン酸、その異性体若しくはそれらの塩を含有してなる製紙用添加剤(A)、並びにそれを添加して得られる紙。
【選択図】なし
Description
本発明は、貯蔵安定性に優れた、ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体の水溶液からなる製紙用添加剤、およびそれを添加して得られる、紙力が向上した紙に関する。
近年、製紙業界では、資源の有効利用の観点から、古紙のリサイクル率の向上を目指している。さらに、環境への配慮から、抄紙系のクローズド化がより進んできている。
このような状況に対応するため、紙力増強剤、濾水性向上剤、歩留り向上剤等のパルプスラリー中へ添加されるポリアクリルアミド系重合体からなる製紙用添加剤、特に紙力増強剤においては、高分子量化、低濃度化、高粘度化が進んできている。
例えば、高分子量化を目的として、特定のモノマーを用いてラジカル重合させたポリアクリルアミド系重合体(特開平8−67715号公報、特開平5-140893号公報)がある。しかしながら、このような高分子量化ポリアクリルアミド系重合体は、水溶液の状態での貯蔵安定性が悪くなる傾向にあった。特に、両性のポリアクリルアミド系重合体や、架橋性モノマーを構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体水溶液の貯蔵安定性が良くない傾向にある。
特開平8−67715号公報
特開平5-140893号公報
本発明の課題は、ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体の水溶液からなる貯蔵安定性に優れた製紙用添加剤、およびそれを添加して得られる、紙力が向上した紙を提供することにある。
本発明者らは上記の事情に鑑み、ポリアクリルアミド系重合体水溶液の貯蔵安定性について鋭意検討した結果、従来に見られない貯蔵安定性に優れたポリアクリルアミド系重合体水溶液からなる製紙用添加剤が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[ 6]に関する。
[1] ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液に、L−アスコルビン酸、その異性体若しくはそれらの塩を含有してなる製紙用添加剤(A)。
[2] ポリアクリルアミド系重合体(B)が、カルボン酸モノマーを必須構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体である[1]に記載の製紙用添加剤(A)。
[3] ポリアクリルアミド系重合体(B)がαメチル基を有するビニルモノマーを必須構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体である[1]又は[2]に記載の製紙用添加剤(A)。
[4] ポリアクリルアミド系重合体(B)が、架橋性モノマーを必須構成単量体とする[1]〜[3]に記載の製紙用添加剤(A)。
[5] 少なくともパルプスラリー中に添加して用いる[1]〜[4]に記載の製紙用添加剤(A)。
[6] [1]〜[5]に記載の製紙用添加剤を添加して得られる紙。
[1] ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液に、L−アスコルビン酸、その異性体若しくはそれらの塩を含有してなる製紙用添加剤(A)。
[2] ポリアクリルアミド系重合体(B)が、カルボン酸モノマーを必須構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体である[1]に記載の製紙用添加剤(A)。
[3] ポリアクリルアミド系重合体(B)がαメチル基を有するビニルモノマーを必須構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体である[1]又は[2]に記載の製紙用添加剤(A)。
[4] ポリアクリルアミド系重合体(B)が、架橋性モノマーを必須構成単量体とする[1]〜[3]に記載の製紙用添加剤(A)。
[5] 少なくともパルプスラリー中に添加して用いる[1]〜[4]に記載の製紙用添加剤(A)。
[6] [1]〜[5]に記載の製紙用添加剤を添加して得られる紙。
本発明の製紙用添加剤は貯蔵安定性および紙力向上効果に優れており、またこれを添加することにより製造された紙は紙力強度が優れている。特に破裂強度を要求される紙力増強剤で、性能が向上傾向にある。性能が向上する機構としては、これらの化合物によりパルプスラリーの凝集制御が起こるためと考えられる。
本発明のラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体(B)は、重合ラジカルを発生しうる重合開始剤を用いて重合されるアクリルアミドを主成分としたポリアクリルアミド系重合体を意味している。ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体であれば、特に制限なく使用することができる。ポリアクリルアミド系重合体(B)としては、例えば、過硫酸アンモニウムを重合開始剤として用いたアクリルアミド、カチオン性モノマーおよびアニオン性モノマーの共重合体や、過硫酸カリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムを重合開始剤としてアクリルアミド、カチオン性モノマー、アニオン性モノマーおよびN,N−ジメチルアクリルアミドを共重合した共重合体等があげられる。
(ポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液)
本発明のポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液は、アクリルアミドおよび/またはメタアクリルアミド(a)を主成分とする重合体の水溶液である。本発明のポリアクリルアミド重合体(B)の水溶液を製紙用添加剤として用いる場合、アクリルアミドおよび/またはメタアクリルアミドの使用量は、ビニルモノマーの総モル和に対して、通常50〜95モル%が好ましい。
本発明のポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液は、アクリルアミドおよび/またはメタアクリルアミド(a)を主成分とする重合体の水溶液である。本発明のポリアクリルアミド重合体(B)の水溶液を製紙用添加剤として用いる場合、アクリルアミドおよび/またはメタアクリルアミドの使用量は、ビニルモノマーの総モル和に対して、通常50〜95モル%が好ましい。
(アニオン性モノマー(b))
本発明のポリアクリルアミド系重合体(B)を構成するアニオン性モノマー(b)としては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマーおよびホスホン酸モノマーを挙げることができる。
本発明のポリアクリルアミド系重合体(B)を構成するアニオン性モノマー(b)としては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマーおよびホスホン酸モノマーを挙げることができる。
カルボン酸モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アリルカルボン酸、メタリルカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などを挙げることができ、これらは単独で用いても良いし、2種類以上併用して用いても良い。
スルホ基を有するスルホン酸モノマーとしては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、またそれらのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などを挙げることができ、これらは単独で用いても良いし、2種類以上併用して用いても良い。
スルホ基を有するスルホン酸モノマーとしては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、またそれらのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などを挙げることができ、これらは単独で用いても良いし、2種類以上併用して用いても良い。
ホスホン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、α−フェニルホスホン酸、1−ブテン−2−ホスホン酸、イソプロペニルホスホン酸などが挙げられ、またそれらのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などを挙げることができ、これらは単独で用いても良いし、2種類以上併用して用いても良い。
本発明のアニオン性ポリアクリルアミド系重合体(D)を構成するアニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマーおよびそれらの塩が好ましく挙げられ、特に、イタコン酸、フマル酸等のジカルボン酸モノマーおよびそれらの塩が好ましく、それらを組み合わせて用いることも好ましい。
本発明のポリアクリルアミド系重合体(B)を製紙用添加剤として用いる場合、アニオン性モノマーの使用量としては、ビニルモノマーの総モル和に対し0〜20モル%程度が好ましい。
特にカルボン酸モノマーを構成単量体とするポリアクリルアミドを含有する水溶液の製紙用添加剤は、ゲル化しやすいため貯蔵安定性が悪く、特に本発明は有効である。
(架橋性モノマー(c))
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)を構成する架橋性モノマー(c)としては、具体的には、例えば、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタクリルアミド、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルメタクリルアミドなどの2官能型架橋性モノマー、あるいは、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンアクリレート、トリアクリルホルマール、ジアクリロイルイミド等の多官能型架橋性モノマー等が挙げられ、これらは単独で用いても良いし、2種類以上併用して用いても良い。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)を構成する架橋性モノマー(c)としては、具体的には、例えば、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタクリルアミド、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルメタクリルアミドなどの2官能型架橋性モノマー、あるいは、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンアクリレート、トリアクリルホルマール、ジアクリロイルイミド等の多官能型架橋性モノマー等が挙げられ、これらは単独で用いても良いし、2種類以上併用して用いても良い。
また、その他架橋反応するモノマーとして、
一般式(1):CH2=C(R1)−CONR2(R3)
(R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R3は炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基)で表されるN−置換アクリルアミド類があげられる。
一般式(1):CH2=C(R1)−CONR2(R3)
(R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R3は炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基)で表されるN−置換アクリルアミド類があげられる。
なお、架橋性モノマーとN−置換アクリルアミド類を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアクリルアミド重合体(B)を製紙用添加剤として用いる場合、架橋性ビニルモノマーおよび/またはN−置換アクリルアミド類の使用量としては、ビニルモノマーの総モル和に対し0〜5モル%程度が好ましい。
架橋性ビニルモノマーやN−置換アクリルアミド類は、ポリアクリルアミドに分岐構造や架橋構造を導入することにより高分子量化させるため、これらビニルモノマーを構成単量体とするポリアクリルアミドを含有する水溶液の製紙用添加剤は、ゲル化しやすい。従って、貯蔵安定性が悪く、特に本発明は有効である。
(カチオン性モノマー(d))
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)を構成するカチオン性モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド等のアミンおよびそれらの塩などの3級カチオン性モノマーおよびそれらの塩化メチル、塩化ベンジル等による4級化物等が挙げられる。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)を構成するカチオン性モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド等のアミンおよびそれらの塩などの3級カチオン性モノマーおよびそれらの塩化メチル、塩化ベンジル等による4級化物等が挙げられる。
本発明のカチオン性モノマーの使用量は、ビニルモノマーの総モル和に対して、0〜40モル%が好ましい。
特に、αメチル基を有するカチオン性ビニルモノマーを含有してなるポリアクリルアミド系重合体を含有する製紙用内添紙力剤は、貯蔵安定性が悪い傾向があり、特に本発明は有効である。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)を構成するモノマーとして、アクリルアミド(a)、アニオン性モノマー(b)、架橋性モノマー(c)、カチオン性モノマー(d)以外に、これらと共重合可能な疎水性モノマーや親水性モノマーを用いることができる。
(疎水性モノマー)
具体的には、例えば、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメタクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド等のN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、イソプレン等を挙げることができる。
具体的には、例えば、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメタクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド等のN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、イソプレン等を挙げることができる。
(親水性モノマー)
親水性モノマーとしては、具体的には、例えば、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、各種のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、各種のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等をあげることができる。
親水性モノマーとしては、具体的には、例えば、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、各種のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、各種のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等をあげることができる。
重合方法
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造におけるラジカル重合とは、ラジカル重合開始剤を用いた重合法である。この場合に使用される重合溶媒としては通常水が好ましいが、アルコール、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を用いても良い。また、鉄、銅などの重合反応に影響を及ぼす金属成分を含む水を重合溶媒として用いる場合は、通常その量に応じたキレート剤を添加して重合に用いる。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造におけるラジカル重合とは、ラジカル重合開始剤を用いた重合法である。この場合に使用される重合溶媒としては通常水が好ましいが、アルコール、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を用いても良い。また、鉄、銅などの重合反応に影響を及ぼす金属成分を含む水を重合溶媒として用いる場合は、通常その量に応じたキレート剤を添加して重合に用いる。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の重合方法としては、全モノマーを反応容器に一括で仕込み、重合する回分(バッチ)重合でも良いが、モノマーの一部もしくは全部を反応容器中に滴下しながら重合する半回分(セミバッチ)重合法でも良い。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造において使用する重合開始剤としては、特に制限はないが、水溶性のものがより好ましい。その使用方法としては、モノマー水溶液に一括に添加してもよいし、滴下してもよい。
(開始剤)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造において使用されるラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸塩系、過酸化物系では、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらの開始剤は、単独で使用するほか、還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤としても使用できる。還元剤としては、例えば亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルトなどの低次のイオン化の塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更にはアルドース、ケトース等の還元糖などを挙げることができる。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造において使用されるラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸塩系、過酸化物系では、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらの開始剤は、単独で使用するほか、還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤としても使用できる。還元剤としては、例えば亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルトなどの低次のイオン化の塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更にはアルドース、ケトース等の還元糖などを挙げることができる。
また、ラジカル重合開始剤としてアゾ化合物もあげられ、具体的には、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン及びその塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩等があげられる。更に、上記した重合開始剤を2種以上併用することも可能である。
(重合温度、時間)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造において、重合温度は単一重合開始剤の場合には、概ね30〜100℃であり、レドックス系重合開始剤の場合の開始温度はより低く概ね5〜90℃である。また、重合中同一温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変えてもよいが、一般に重合の進行に伴い発生する重合熱により昇温するため、必要に応じ、冷却を加える必要が生じる場合もある。その時の重合容器内の雰囲気は特に限定はないが、重合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換した方がよい。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の製造において、重合温度は単一重合開始剤の場合には、概ね30〜100℃であり、レドックス系重合開始剤の場合の開始温度はより低く概ね5〜90℃である。また、重合中同一温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変えてもよいが、一般に重合の進行に伴い発生する重合熱により昇温するため、必要に応じ、冷却を加える必要が生じる場合もある。その時の重合容器内の雰囲気は特に限定はないが、重合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換した方がよい。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合時間は特に限定はないが、半回分(セミバッチ)重合における滴下時間も含め、概ね5分〜20時間である。
(連鎖移動剤)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合では公知の連鎖移動剤を用いることができる。具体的には、イソプロピルアルコール、次亜リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合では公知の連鎖移動剤を用いることができる。具体的には、イソプロピルアルコール、次亜リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
(pH)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合pHは特に限定はないが、必要に応じpH調整して重合を行ってもよい。その場合使用可能なpH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ化剤、リン酸、硫酸、塩酸等の鉱酸、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合pHは特に限定はないが、必要に応じpH調整して重合を行ってもよい。その場合使用可能なpH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ化剤、リン酸、硫酸、塩酸等の鉱酸、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
(重合濃度)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合する場合の重合体の濃度は、モノマー+ポリマー濃度を意味し、重合反応が完結したときのポリアクリルアミド系重合体(B)の濃度に等しい。本発明におけるポリアクリルアミド系重合体水溶液(B)の重合濃度に制限はないないが、製紙用添加剤として用いる場合の濃度は概ね5%〜50%である。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の製造において、重合する場合の重合体の濃度は、モノマー+ポリマー濃度を意味し、重合反応が完結したときのポリアクリルアミド系重合体(B)の濃度に等しい。本発明におけるポリアクリルアミド系重合体水溶液(B)の重合濃度に制限はないないが、製紙用添加剤として用いる場合の濃度は概ね5%〜50%である。
(粘度)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の粘度は、特に制限はないが、製紙用添加剤として用いるためには、操作性から25℃におけるブルック・フィールド粘度計による粘度が1000〜50000mPa・sが好ましく、より好ましくは3000〜30000mPa・sである。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液の粘度は、特に制限はないが、製紙用添加剤として用いるためには、操作性から25℃におけるブルック・フィールド粘度計による粘度が1000〜50000mPa・sが好ましく、より好ましくは3000〜30000mPa・sである。
(分子量、分子量分布)
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の重量平均分子量は特に制限はないが、製紙用添加剤として用いる場合、概ね100,000〜5,000,000が好ましい。
本発明におけるポリアクリルアミド系重合体(B)の重量平均分子量は特に制限はないが、製紙用添加剤として用いる場合、概ね100,000〜5,000,000が好ましい。
L−アスコルビン酸、その異性体、それらの塩
本発明におけるL−アスコルビン酸およびその異性体とは、具体的に、L−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸、L、D−アスコルビン酸混合物、L−エリソルビン酸、D−エリソルビン酸、L,D−エリソルビン酸混合物が挙げられる。入手のしやすさから、L−アスコルビン酸が最も好ましい。また、それらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。
本発明におけるL−アスコルビン酸およびその異性体とは、具体的に、L−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸、L、D−アスコルビン酸混合物、L−エリソルビン酸、D−エリソルビン酸、L,D−エリソルビン酸混合物が挙げられる。入手のしやすさから、L−アスコルビン酸が最も好ましい。また、それらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。
これらの化合物の添加量は、ポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液に対し、0.0001〜1.0重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.1重量%である。
これらの化合物の貯蔵安定性に与える効果のメカニズムについては不明だが、不飽和結合を有し、複数の水酸基を有する化合物がポリアクリルアミド系重合体水溶液の残留ラジカル成分由来のゲル化反応を防止していると思われる。
(紙、抄紙方法)
本発明の製紙用添加剤(A)を使用する場合についてさらに詳細に説明する。
本発明の製紙用添加剤(A)を使用する場合についてさらに詳細に説明する。
製紙用添加剤には、大別すると、パルプスラリーに添加することにより使用されるもの、白水中に添加されるものと、湿乾紙シートに塗布、含浸またはスプレーすることにより使用されるものとがあり、本発明の製紙用添加剤(A)は、パルプスラリーあるいは白水に添加して使用することが好ましい。
本発明の製紙用添加剤(A)を用いる際のポリアクリルアミド系重合体(B)の希釈液濃度は、0.5重量%〜5重量%が好ましく、1重量%〜3重量%がより好ましい。
本発明の製紙用添加剤(A)を用いる際のパルプスラリーへの添加量は、パルプ不揮発分に対して0.01重量%〜3重量%が好ましく、0.05重量%〜1重量%がより好ましい。
本発明の紙の抄造に用いる製紙用添加剤は、他の製紙用添加剤とあわせて用いることができる。用いることができる製紙用添加剤としては、硫酸バンド、ロジンエマルションサイズ、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸などのサイズ剤、カチオン澱粉、両性澱粉等の澱粉系紙力剤、クレー、タルク、カオリン、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の填料、濾水剤、ベントナイトやコロイダルシリカ等の濾水助剤、消泡剤、染料、消サイズ剤などが挙げられる。また、更に層間強度を向上させる目的で、ポリアクリルアミド系紙力増強剤、澱粉系スプレー剤やポリアクリルアミド系スプレー剤を用いても良い。
本発明における抄紙pHに特に制限はないが、4.0〜9.0が好ましく挙げられる。
本発明における抄紙温度に特に制限はないが、10℃〜60℃が好ましく挙げられる。
本発明における抄紙pHに特に制限はないが、4.0〜9.0が好ましく挙げられる。
本発明における抄紙温度に特に制限はないが、10℃〜60℃が好ましく挙げられる。
また、本発明において抄造される紙としては、具体的には、コート原紙等の情報用紙、両更クラフト紙、純白ロール等の包装用紙、中芯原紙、紙管原紙、白板原紙、石膏ボード原紙、ライナー、缶詰ライナー等の板紙が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。また、%で示したものは、断りの無い限り重量%を意味するものである。
[合成例1]
フラスコ内の温度の制御可能なウォーターバスを備えた撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純水613.73gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を79℃に調整した。
フラスコ内の温度の制御可能なウォーターバスを備えた撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純水613.73gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を79℃に調整した。
一方、50%アクリルアミド175.32g、60%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド71.53g、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド11.81g、イタコン酸2.95g、メチレンビスアクリルアミド0.12g、メタリルスルホン酸ナトリウム4.54gを混合溶解し、35%HClでpHを4.2に調整した。また、純分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.49gを溶解した水溶液120gを調整し、それぞれ、反応容器中に360分かけて均等滴下した。この間、内温を79℃に保った。滴下終了後、80℃で、4時間重合を続け、冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分15%、25℃におけるブルックフィールド粘度18000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−1とする。
[合成例2]
前記反応器に純水613.73gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を79℃に調整した。
前記反応器に純水613.73gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を79℃に調整した。
一方、50%アクリルアミド93.52g、60%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド71.53g、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド11.81g、メタリルスルホン酸ナトリウム3.59gを混合溶解し、35%HClでpHを4.2に調整した。また、純分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.49gを溶解した水溶液60gを調整し、それぞれ、反応容器中に、180分かけて均等滴下した。この間、内温を79℃に保った。滴下終了後、80℃で、3時間重合を続けた後、デュワー瓶に重合体a―2水溶液を全量投入し、さらに50%アクリルアミド81.80g、イタコン酸2.95g、メチレンビスアクリルアミド0.12g、メタリルスルホン酸ナトリウム0.96gを混合溶解し、35%HClでpHを4.2、液温60℃に調整した。続いて、過硫酸アンモニウム0.13gを溶解した水溶液30g、亜硫酸水素ナトリウム0.08gを溶解した水溶液30gを調整し、それぞれ、デュワー瓶中に投入し、75℃まで昇温した後、内温を75℃で4時間保持した。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分15%、25℃におけるブルックフィールド粘度19500mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−2とする。
[合成例3]
前記反応器に純水600g、50%アクリルアミド354.9g、80%アクリル酸12.2g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート12.8g、イソプロピルアルコール3gを仕込み、40%硫酸でpH4.0とした後、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系内を70℃にし、撹拌しながら過硫酸アンモニウム0.3gを投入した。反応液温を90℃に達した後、2時間保持した。その後、不揮発分を調整することで、pH4.2、不揮発分20.0%、粘度14000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−3とする。
前記反応器に純水600g、50%アクリルアミド354.9g、80%アクリル酸12.2g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート12.8g、イソプロピルアルコール3gを仕込み、40%硫酸でpH4.0とした後、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系内を70℃にし、撹拌しながら過硫酸アンモニウム0.3gを投入した。反応液温を90℃に達した後、2時間保持した。その後、不揮発分を調整することで、pH4.2、不揮発分20.0%、粘度14000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−3とする。
[合成例4]
前記反応器に純水600g、50%アクリルアミド326.1g、イタコン酸9.63g、80%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド17.5g、75%アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド17.8g、次亜リン酸ナトリウム0.1gを仕込み、40%硫酸でpH4.0とした後、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系内を60℃にし、撹拌しながら過硫酸アンモニウム0.3gを投入した。反応液温を75℃に達した後、2時間保持した。その後、不揮発分を調整することで、pH4.1、不揮発分20.0%、粘度16000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−4とする。
前記反応器に純水600g、50%アクリルアミド326.1g、イタコン酸9.63g、80%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド17.5g、75%アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド17.8g、次亜リン酸ナトリウム0.1gを仕込み、40%硫酸でpH4.0とした後、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系内を60℃にし、撹拌しながら過硫酸アンモニウム0.3gを投入した。反応液温を75℃に達した後、2時間保持した。その後、不揮発分を調整することで、pH4.1、不揮発分20.0%、粘度16000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−4とする。
[合成例5]
前記反応器に純水400gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を75℃に調整した。
前記反応器に純水400gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を75℃に調整した。
一方、50%アクリルアミド166.0g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート23.5g、80%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド31.9g、イタコン酸7.8g、N,N−ジメチルアクリルアミド3.0gを混合溶解し、40%硫酸でpHを4.0に調整した。また、純分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.49gを溶解した水溶液60gを調整し、それぞれ、反応容器中に、180分かけて均等滴下した。この間、内温を75℃に保った。滴下終了後、75℃で、120分間重合を続けた。
続いて、50%アクリルアミド204.3g、80%アクリル酸2.7g、N,N−ジメチルアクリルアミド3.0gを混合溶解し、40%硫酸でpHを4.0に調整した。液温75℃に調整した。続いて、過硫酸アンモニウム0.4gを溶解した水溶液30gを調整し、それぞれ、反応容器中に、180分かけて滴下した。この間、内温を75℃に保った。滴下終了後、75℃で、120分間重合を続けた。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分25.0%、25℃におけるブルックフィールド粘度4200mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−5とする。
[合成例6]
前記反応器に純水500gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を70℃に調整した。
前記反応器に純水500gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を70℃に調整した。
一方、50%アクリルアミド326.7g、80%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド35.1g、フマル酸5.7gを混合溶解した。また、過硫酸カリウム0.4gを溶解した水溶液40gを調整し、それぞれ、反応容器中に、150分かけて均等滴下した。この間、内温を70℃に保った。滴下終了後、70℃で、120分間重合を続けた。
続いて、フマル酸2.9g、純水100gの混合液および10%過硫酸アンモニウム10.0gを添加した。添加後、75℃で、120分間重合を続けた。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分20.0%、25℃におけるブルックフィールド粘度13200mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−6水溶液とする。
[合成例7]
前記反応器に純水500g、50%アクリルアミド299.4g、80%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド47.5g、80%アクリル酸2.1g、イタコン酸6.4g、メタリルスルホン酸ナトリウム1.7g、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン0.06gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を60℃に調整した。また、過硫酸カリウム1.0gを溶解した水溶液10gを反応容器中に添加した。内温を75℃に昇温し、120分間重合を続けた。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分20.0%、25℃におけるブルックフィールド粘度20000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−7とする。
前記反応器に純水500g、50%アクリルアミド299.4g、80%メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド47.5g、80%アクリル酸2.1g、イタコン酸6.4g、メタリルスルホン酸ナトリウム1.7g、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン0.06gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を60℃に調整した。また、過硫酸カリウム1.0gを溶解した水溶液10gを反応容器中に添加した。内温を75℃に昇温し、120分間重合を続けた。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分20.0%、25℃におけるブルックフィールド粘度20000mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−7とする。
[合成例8]
前記反応器に純水500gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を90℃に調整した。次いで、50%アクリルアミド256.1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート15.3g、イタコン酸5.0g、ポリエチレングリコール(n=9)ジアクリレート1.5gを混合溶解し、40%硫酸でpHを4.0に調整した。続いて、過硫酸アンモニウム0.3gを溶解した水溶液30gを調整し、それぞれ、反応容器中に、180分かけて滴下した。この間、内温を90℃に保った。滴下終了後、90℃で、60分間重合を続けた。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分15.0%、25℃におけるブルックフィールド粘度27200mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−8とする。
前記反応器に純水500gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を90℃に調整した。次いで、50%アクリルアミド256.1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート15.3g、イタコン酸5.0g、ポリエチレングリコール(n=9)ジアクリレート1.5gを混合溶解し、40%硫酸でpHを4.0に調整した。続いて、過硫酸アンモニウム0.3gを溶解した水溶液30gを調整し、それぞれ、反応容器中に、180分かけて滴下した。この間、内温を90℃に保った。滴下終了後、90℃で、60分間重合を続けた。冷却するとともに、水を加え、不揮発分を調整することにより、不揮発分15.0%、25℃におけるブルックフィールド粘度27200mPa・s/25℃のポリアクリルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体水溶液をA−8とする。
[実施例1]
合成例1で得られたポリアクリルアミド系重合体水溶液A−1を100gに、20%L−アスコルビン酸水溶液0.025gを混合し、M−1とした。
合成例1で得られたポリアクリルアミド系重合体水溶液A−1を100gに、20%L−アスコルビン酸水溶液0.025gを混合し、M−1とした。
[実施例2〜15および比較例1〜9]
同様にして、表1のとおり、合成例で得られたポリアクリルアミド系重合体水溶液に、L−アスコルビン酸およびその異性体およびそれらの塩を添加した水溶液を調整した。比較として、合成例で得られたポリアクリルアミド系重合体水溶液A−7を100gに、クエン酸0.1gを混合し、m−13とした。
同様にして、表1のとおり、合成例で得られたポリアクリルアミド系重合体水溶液に、L−アスコルビン酸およびその異性体およびそれらの塩を添加した水溶液を調整した。比較として、合成例で得られたポリアクリルアミド系重合体水溶液A−7を100gに、クエン酸0.1gを混合し、m−13とした。
合成例、実施例で得られた水溶液について貯蔵安定性および紙力強度の評価を次の方法で行なった。
(貯蔵安定性試験1)
ガラス製のスクリュー管に合成例および実施例のポリアクリルアミド系重合体水溶液を入れ、40℃に保持された熱風乾燥器内に、30日間保持した。
ガラス製のスクリュー管に合成例および実施例のポリアクリルアミド系重合体水溶液を入れ、40℃に保持された熱風乾燥器内に、30日間保持した。
(貯蔵安定性試験2)
市販の釘を純水に30日間浸し、釘の表面に錆びをつくった。ついで、ガラス製のスクリュー管に合成例および実施例のポリアクリルアミド系重合体水溶液を入れ、この釘の一端が液面から1cmほど気相に出るようにして、40℃に保持された熱風乾燥器内で1週間保持して、ゲル化の有無を調べた。
市販の釘を純水に30日間浸し、釘の表面に錆びをつくった。ついで、ガラス製のスクリュー管に合成例および実施例のポリアクリルアミド系重合体水溶液を入れ、この釘の一端が液面から1cmほど気相に出るようにして、40℃に保持された熱風乾燥器内で1週間保持して、ゲル化の有無を調べた。
それらの結果を表2、表3に示した。
[実施例16〜30および比較例10〜19]
(紙力強度)
段ボール古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、硫酸ナトリウムをパルプ不揮発分あたり10%添加することで、1%濃度でカナディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F)450mlのパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに、硫酸バンドをパルプ不揮発分あたり1.0%添加してpH5.8とし、次いで合成例1で得られた水溶液をパルプ不揮発分に対し0.5%加えた。こうして得られたパルプスラリーについて、タッピ・シートマシンにて坪量100g/m2となるように抄紙し、4kg/cm2で4分プレス脱水した。次いで、ドラムドライヤーを用い、110℃で3分間乾燥し、23℃、50%R.H.の条件下で48時間調湿した後、JIS P8112に準じて、破裂強度を測定した。その他、合成例および実施例についても同様の操作を行い、その結果を表4、表5に示した。
(紙力強度)
段ボール古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、硫酸ナトリウムをパルプ不揮発分あたり10%添加することで、1%濃度でカナディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F)450mlのパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに、硫酸バンドをパルプ不揮発分あたり1.0%添加してpH5.8とし、次いで合成例1で得られた水溶液をパルプ不揮発分に対し0.5%加えた。こうして得られたパルプスラリーについて、タッピ・シートマシンにて坪量100g/m2となるように抄紙し、4kg/cm2で4分プレス脱水した。次いで、ドラムドライヤーを用い、110℃で3分間乾燥し、23℃、50%R.H.の条件下で48時間調湿した後、JIS P8112に準じて、破裂強度を測定した。その他、合成例および実施例についても同様の操作を行い、その結果を表4、表5に示した。
本発明の製紙用添加剤は貯蔵安定性および紙力向上効果に優れている。またこれを添加することにより製造された紙は紙力が優れている。特に破裂強度を要求される紙力増強剤で、その性能が向上傾向にある。従って、製紙産業上有用である。
Claims (6)
- ラジカル重合によって得られるポリアクリルアミド系重合体(B)の水溶液に、L−アスコルビン酸、その異性体若しくはそれらの塩を含有してなる製紙用添加剤(A)。
- ポリアクリルアミド系重合体(B)が、カルボン酸モノマーを必須構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体である請求項1に記載の製紙用添加剤(A)。
- ポリアクリルアミド系重合体(B)がαメチル基を有するビニルモノマーを必須構成単量体とするポリアクリルアミド系重合体である請求項1又は2に記載の製紙用添加剤(A)。
- ポリアクリルアミド系重合体(B)が、架橋性モノマーを必須構成単量体とする請求項1〜3に記載の製紙用添加剤(A)。
- 少なくともパルプスラリー中に添加して用いる請求項1〜4に記載の製紙用添加剤(A)。
- 請求項1〜5に記載の製紙用添加剤(A)を添加して得られる紙。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN102747649A (zh) * | 2012-07-02 | 2012-10-24 | 川渝中烟工业有限责任公司 | 一种功能性卷烟纸添加剂及其应用 |
JP2014196588A (ja) * | 2013-03-06 | 2014-10-16 | 荒川化学工業株式会社 | 紙力増強剤、紙力増強剤の製造方法、紙 |
-
2004
- 2004-05-26 JP JP2004156521A patent/JP2005336647A/ja active Pending
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