JP2005328899A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、スロットマシンなどの遊技機に関するものである。
スロットマシンは、回転可能に形成されたリールをメダルの投入に起因して回転させた後、スロットマシン本体の前面に設けられたストップボタンの押下に基づいて回転を停止させ、停止したリールの前面側に表示されている図柄(停止図柄)の組み合わせにより、特別遊技状態に遷移したか否かを遊技者に通知する遊技機である。
かかるスロットマシンの前面には、リールの停止図柄を目視できるように、リールの大きさに応じた開口が穿設され、かかる開口には透明な保護部材が嵌め込まれている。かかる開口部分の下方には、リールの回転を停止させるためのストップボタンなどが配設された操作部が設けられており、操作部の下方には、機種の判別や装飾性を高めるためのデザイン(図柄や絵など)や機種名などの文字が表示された化粧パネルが設けられている。
一般的なスロットマシンでは、リールは、複数の図柄が表示され独立して動作する複数(3個)のリールで形成されており、開口において3×3の図柄が視認可能に露出するようになっている。この3×3の図柄にて形成される横と斜めとの5ラインが有効ラインとされており、かかる有効ラインに、例えば、同じ図柄など予め定めた組合せで図柄が停止表示されると、特別遊技状態が付与される。特別遊技状態は通常より遊技者に有利な遊技状態であり、メダルの払出が実行される大当たり状態や小役当たり状態、大当たり状態や小役当たり状態の発生確率が通常時や現状時よりも上昇する状態などである。
ここで、近年、遊技性の向上を図って、多くの一般的なスロットマシンには遊技の演出を行う液晶表示装置が設けられている。この液晶表示装置においては、遊技状態にあることを通知する演出や、大当たり状態の演出、遊技状態が大当たり状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ストップボタンの押下のタイミングや、ストップボタンの押下順を通知する演出(通知演出)などが行われる。
ストップボタンの押下のタイミングや押下順を通知する演出(通知演出)においては、押下のタイミングや押下順が液晶表示装置に表示される。内部的な抽選において大当たり状態への遷移が確定されている場合には、かかる表示に従って遊技者がストップボタンを押下すると、遊技状態は、大当たり状態へ遷移する。このため、かかる通知演出が液晶表示装置にて開始されると、遊技者はリールよりも液晶表示装置を注視してストップボタンを操作し、遊技を実行する(特許文献1参照)。
特開2003−794号公報
しかしながら、スロットマシンにおいては、遊技の構成に応じて遊技状態が変化する。遊技状態の変化は遊技の演出の変化となって体現される。実行中の遊技のある期間(リールの回転中)においては、識別情報の停止態様に対する期待感を遊技者に与える期間であり、遊技者の興趣を高めるために、上記した示唆演出や通知演出が実行される。このため、かかる期間では、液晶表示装置での演出が遊技者には重要な意味を持つ。
また別の期間においては、リールの可変表示(識別情報の停止態様)が遊技者にとって重要となる。言い換えれば、遊技状態によって、視認対象とする装置が変化するのである。しかし、リール、液晶表示装置とも、スロットマシンの前面側に固設されているので、いずれか一方の装置の視認性が他方の装置に比べて常に劣った状態となってしまう。つまり、遊技者からの視認対象が変化するにも関わらず、視認対象となった側の装置の視認性を適宜確保することが実現できないという問題点があった。
更に、リールの停止は、各リール毎に順次実行される上、リールの回転速度は停止前に減速されるので、3個のリールが停止する前、即ち、最終的な停止図柄が確定する前に、停止図柄の組み合わせが遊技者にわかってしまう。つまり、一連の遊技が終了(最後のリールが停止)する前に、遊技結果が遊技者に露見してしまうため、特に停止図柄が予め定められた組合せでない場合など、遊技者の興趣を遊技の最後まで維持できず、遊技結果を待つ緊張感や期待感を十分に遊技者に付与することができないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技状態に応じて、遊技者に重要性の高い側の装置の視認性を確保できる上、遊技者の興趣を遊技の最後まで維持し得る遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の遊技機は、外形を形成する本体と、その本体の前面側に設けられ遊技者によって入力操作が行われる操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示装置と、前記操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示装置による識別情報の変動を開始させる変動開始手段と、その変動開始手段によって識別情報の変動が開始される場合所定の抽選条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により所定の抽選条件の成立が検出されると抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示装置の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示装置の所定領域に識別情報を停止させた場合に、その停止させた識別情報に対応する遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、その遊技価値付与手段により遊技価値が付与される遊技の演出を制御する演出制御手段と、その演出制御手段にて制御され画像情報を出力する画像表示手段とを備えており、前記画像表示手段を前記可変表示装置に対向する所定面に沿って移動可能に支持する移動支持部材と、その移動支持部材にて規定される移動方向に、前記画像表示手段を移動させる第1駆動手段と、前記可変表示装置において少なくとも一部の抽選結果に対応する可変表示が開始される場合、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止されるまで、前記可変表示装置の所定領域を覆う被覆位置に前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動して前記画像表示手段を前記被覆位置に移動させる駆動制御手段とを備えている。
この請求項1記載の遊技機によれば、本体の前面側に設けられた操作手段により遊技者にて入力操作が行われる。この操作手段に対する入力操作に起因して、可変表示装置による識別情報の変動が、変動開始手段により開始される。変動開始手段によって識別情報の変動が開始される場合に、検出手段により所定の抽選条件の成立が検出されると、抽選手段にて抽選が行われる。その抽選手段による抽選結果に基づいて、停止制御手段によって可変表示装置の所定領域に識別情報を停止されると、その停止させた識別情報に対応する遊技価値が遊技価値付与手段にて付与される。実行される遊技の演出は、演出制御手段にて制御され、かかる制御によって画像表示手段には画像情報が出力される。画像表示手段は、移動支持部材にて、可変表示装置に対向する所定面に沿って移動可能に支持されており、第1駆動手段にて、移動支持部材にて規定される移動方向に移動される。第1駆動手段は、駆動制御手段にて制御され、可変表示装置にて少なくとも一部の抽選結果に対応する可変表示が開始される場合、可変表示装置の所定領域に識別情報が停止されるまで、可変表示装置の所定領域を覆う被覆位置に画像表示手段が配置されるように、画像表示手段を被覆位置に移動させる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記駆動制御手段は、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、少なくとも前記可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に、前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記可変表示装置は、複数の識別情報にて形成される複数の識別情報列を備えており、前記操作手段は、その複数の識別情報列のそれぞれに対応つけて配設され遊技者の入力操作に起因して対応する前記識別情報列の変動停止を指示する停止操作手段を備えており、前記停止制御手段は、前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段による変動停止の指示とに基づいて、前記可変表示装置の所定領域に停止させる複数の識別情報のそれぞれを制御するものであり、前記演出制御手段は、前記画像表示手段が前記被覆位置に配置された場合には、前記停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として前記画像表示手段に出力させるガイド情報出力手段を備えている。
請求項4記載の遊技機は、請求項2又は3に記載の遊技機において、前記遊技価値付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果であった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を付与する特別遊技付与手段を備えており、前記駆動制御手段は、その特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に前記画像表示手段を前記被覆位置と前記部分露出位置とに移動させるように、前記第1駆動手段を駆動する。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記駆動制御手段は、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、少なくとも前記可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に、前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記可変表示装置は、複数の識別情報にて形成される複数の識別情報列を備えており、前記操作手段は、その複数の識別情報列のそれぞれに対応つけて配設され遊技者の入力操作に起因して対応する前記識別情報列の変動停止を指示する停止操作手段を備えており、前記停止制御手段は、前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段による変動停止の指示とに基づいて、前記可変表示装置の所定領域に停止させる複数の識別情報のそれぞれを制御するものであり、前記演出制御手段は、前記画像表示手段が前記被覆位置に配置された場合には、前記停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として前記画像表示手段に出力させるガイド情報出力手段を備えている。
請求項4記載の遊技機は、請求項2又は3に記載の遊技機において、前記遊技価値付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果であった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を付与する特別遊技付与手段を備えており、前記駆動制御手段は、その特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に前記画像表示手段を前記被覆位置と前記部分露出位置とに移動させるように、前記第1駆動手段を駆動する。
請求項1記載の遊技機によれば、画像表示手段は、移動支持部材にて、可変表示装置に対向する所定面に沿って移動可能に支持されており、第1駆動手段にて、移動支持部材にて規定される移動方向に移動される。第1駆動手段は、駆動制御手段により制御され、可変表示装置にて少なくとも一部の抽選結果に対応する可変表示が開始される場合、可変表示装置の所定領域に識別情報が停止されるまで、可変表示装置の所定領域を覆う被覆位置に画像表示手段が配置されるように、画像表示手段を被覆位置に移動させる。
よって、画像表示手段の位置を固定位置とせず、遊技状態に応じて画像表示手段の位置を変更することができるという効果がある。可変表示装置は、識別情報が表示される装置であり、遊技結果を所定領域に現出させる装置である。このため、遊技者にとって、この可変表示装置の重要性は高く、一般的には、遊技者からの視認性の良い位置に所定領域が配設されるように、可変表示装置は本体に配置される。
ここで、可変表示装置において可変表示が実行されている期間(ある遊技状態)においては、遊技者にとって画像表示手段における演出が、可変表示装置における可変表示よりも重要となる場合がある。かかる場合に、画像表示手段を可変表示装置の所定領域を覆う位置、即ち視認性の良好な位置に移動させることができるので、可変表示装置の視認性が重要となる場合にはその視認性を、一方、画像表示手段の視認性が重要となる場合にはその視認性を、それぞれ確保することができる。
更に、可変表示された識別情報を停止する段階にある場合に、画像表示手段を可変表示装置の所定領域を覆う被覆位置に配置すれば、遊技者に非開示の状態で識別情報を停止させることができる。従って、識別情報の停止前に、遊技結果が遊技者に、露見することがないという効果がある。このため、遊技者の興趣を遊技の最後まで持続させることができ、遊技結果を待つ緊張感や期待感を十分に遊技者に付与することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、駆動制御手段により駆動される第1駆動手段により、画像表示手段は、少なくとも可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に配置される。よって、所定領域に停止された識別情報を確実に確認することができ、視認不能な状態で可変表示が実行されても、実行される遊技に対する不信感を軽減できるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、可変表示装置が覆われていると、可変表示が視認不能となって遊技者に停止操作に対する戸惑いを感じさせてしまいかねないが、ガイド情報出力手段により、停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として画像表示手段に出力させることができるので、遊技者は、停止操作手段の入力操作を円滑に実行することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に、画像表示手段を被覆位置と部分露出位置とに移動させるように、第1駆動手段は駆動制御手段により制御される。よって、画像表示手段が移動するというダイナミックな演出により、遊技者には、特別遊技状態に遷移したことを容易に理解させることができるという効果がある。また、定常的に全ての可変表示に対し画像表示手段を移動するという演出を行う場合に比べて、演出による心理的昂揚感を効果的に遊技者に与えることができるという効果がある。また、一部の可変表示に対して画像表示手段を移動させることとなるため、駆動機構の消耗を減少させ、ランニングコストを低下させることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、駆動制御手段により駆動される第1駆動手段により、画像表示手段は、少なくとも可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に配置される。よって、所定領域に停止された識別情報を確実に確認することができ、視認不能な状態で可変表示が実行されても、実行される遊技に対する不信感を軽減できるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、可変表示装置が覆われていると、可変表示が視認不能となって遊技者に停止操作に対する戸惑いを感じさせてしまいかねないが、ガイド情報出力手段により、停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として画像表示手段に出力させることができるので、遊技者は、停止操作手段の入力操作を円滑に実行することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に、画像表示手段を被覆位置と部分露出位置とに移動させるように、第1駆動手段は駆動制御手段により制御される。よって、画像表示手段が移動するというダイナミックな演出により、遊技者には、特別遊技状態に遷移したことを容易に理解させることができるという効果がある。また、定常的に全ての可変表示に対し画像表示手段を移動するという演出を行う場合に比べて、演出による心理的昂揚感を効果的に遊技者に与えることができるという効果がある。また、一部の可変表示に対して画像表示手段を移動させることとなるため、駆動機構の消耗を減少させ、ランニングコストを低下させることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるスロットマシン1の斜視図である。図1を参照して、スロットマシン1の全体構成について説明する。
スロットマシン1は、図1に示すように、本体2(本体基部)と前面扉3(本体開閉部)とから正面視略矩形状の箱状体に構成されている。本体2は、スロットマシン10の骨格をなす部材であり、リールL,M,Rやホッパ等を収納するために、前面側が開放した中空状の箱状体に形成されている。
本体2の前面側には本体2の前面側を開閉する前面扉3が開閉自在に取り付けられている。この前面扉3が閉状態となっている場合に、前面扉3によって本体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。
前面扉3は、閉状態である場合には、図示しないロック機構によって開放不可能な状態にロックされている。このロック状態は前面扉3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ(図示せず)に対する所定のキー操作によって解除される。
前面扉3は前面枠4によりその外形が形成されており、前面枠4は、枠部材視認部4aと枠部材操作部4bと枠部材貯留部4cとに3分割されて構成されている。前面扉3の上段部(前面枠4の枠部材視認部4a)には、図1に示すように、縦長の3つの露出窓5L,5M,5Rが横並びに設けられている。露出窓5L,5M,5Rは、半透明の材質で形成されており、各露出窓5L〜5Rを通して本体2の内部を視認可能に構成されている。
本体2内には、可変表示装置を構成する左リールLと、中リールMと、右リールRとが収納されている。各リールL,M,Rはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されており、各リールL,M,Rの中心軸線が当該リールL,M,Rの回転軸線となって回転可能に支持されている。各リールL,M,Rの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリールL,M,Rが各露出窓5L,5M,5Rと1対1で対応している。従って、各リールL,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する露出窓5L,5M,5Rを通して視認可能な状態とされている。
また、各リールL,M,Rが回転すると、各露出窓5L,5M,5Rには、リールL,M,Rの外周面に付した図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リールL,M,Rは、各リール毎に対応して1つずつ配設された3つのリール用ステッピングモータ28(図6参照)に連結されており、各リール用ステッピングモータ28の駆動により各リールL,M,Rが個別に独立して回転駆動及び停止が可能に構成される。
各リールL,M,Rの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、露出窓5L,5M,5Rを介して視認可能な図柄数は、主として露出窓5L,5M,5Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られる。本実施例では、遊技者に視認可能な図柄数は、各リールL,M,R毎に3個ずつとされている。
また、各露出窓5L,5M,5Rを結ぶように、横方向へ平行な3本の有効ライン6b〜6dと、斜め方向へたすき掛けとなる2本の有効ライン6a,6eとの計5本の有効ライン6a〜6eが付されている。また、各有効ライン6a〜6eに対応して、露出窓5L,5M,5Rの正面視左側には有効ライン表示ランプ7a〜7cが設けられている。
第1有効ライン表示ランプ7aは、中央の横ライン(中央ライン)6cが有効化されていることを点灯して示すものである。1の遊技(1回のゲーム)に対して1枚以上のメダル投入があった場合には中央ライン6cが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aが点灯する。
第2有効ライン表示ランプ7bは、上下の横ライン(上ライン6b及び下ライン6d)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して2枚以上のメダル投入があった場合には、中央ライン6cと共に上ライン6b及び下ライン6dが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aと第2有効ライン表示ランプ7bとが共に点灯する。
第3有効ライン表示ランプ7cは、一対の斜めライン(右上がりライン6a及び右下がりライン6e)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して最大数の3枚のメダル投入があった場合には、全ての有効ライン6a〜6eが有効化され、全ての有効ライン表示ランプ7a〜7cが点灯する。なお、有効ライン数は、必ずしも5本とする必要はなく、6本以上としてもよく、5本未満としてもよい。
前面扉3の上段部(前面枠4の枠部材視認部4a)において、露出窓5L,5M,5Rの左下には、上記したクレジットメダルの残数を表示するメダル枚数表示ランプ16が配設されている。更に、露出窓5L,5M,5Rの上側には、スロットマシン1において行われる遊技の効果音を出力するスピーカ17が配設されている。このスピーカ17は、枠部材視認部4aの前面(露出窓5L,5M,5Rの形成面)から奥方に向かって嵌め込まれている。また、スピーカ17の上側には、スロットマシン1の状態に応じて点灯状態が切り替えられるランプ18Uが配設されている。
また、枠部材視認部4aの幅方向の両端部には、液晶表示装置13の上下方向への移動をガイドするための2の支柱81,81が設けられている。支柱81,81は、枠部材視認部4aの両端部において前方へ向かって突設された側壁を架台とし、その側壁の正面側にビス止めにより固設されている。支柱81,81は、それぞれ、ランプ18Uの下方から前面扉3の中段部(前面枠4の枠部材操作部4b)に到達するまで、枠部材視認部4aの側壁の傾斜に沿って延設されている。また、支柱81は、正面側に配設される正面部材81aと、その正面部材81aに連設される2の側面部材81bと、正面部材81aの対向面に配設され、側壁(前面扉3)に固設される背面部材81cとにより中空の略角柱状に形成されている。
上記したリールL,M,R(露出窓5L,5M,5Rの形成面)は、支柱81の背面部材81cよりも奥方に配設されている。支柱81の奥行き寸法および支柱81の背面部材81cから枠部材視認部4aの前面までの寸法は、支柱81にセットされる液晶表示装置13の保持位置(穿設口81eの形成位置)と液晶表示装置13の厚みとを基準に設計されている。かかる寸法は、液晶表示装置13が支柱81にセットされている場合に、露出窓5L,5M,5Rやメダル枚数表示ランプ16などへの接触を回避できる寸法となっている。
また、この支柱81の正面部材81aは、支柱81の前面側を開閉する扉となっており、開閉自在に取り付けられている。正面部材81aを開放した状態において、液晶表示装置13の支柱81への着脱が実行される。更に、各支柱81の2の側面部材81bの内、内側となる一方の側面部材81bには、支柱81の延設方向に沿って延びる穿設口81eが貫通形成されている。各支柱81のそれぞれに形成される穿設口81eには、液晶表示装置13を支持する支持軸82が貫入される。貫入された支持軸82は、支柱81の延設方向(上下方向)に移動可能に保持される。
前面扉3の中段部(前面枠4の枠部材操作部4b)には、図1に示すように、各リールL,M,Rを一斉(同時である必要はない)に回転させて図柄の変動(変動表示)を開始させるために遊技者によって入力操作が行われるスタートレバー8が設けられている。スタートレバー8を揺動可能に支持する前面扉3の裏面側には、スタートスイッチ8a(図6参照)が連結されている。リールL,M,Rが停止している時に、スタートレバー8が傾倒されるとスタートスイッチ8aがオンに切り替わり、各リールL,M,Rの回転が開始される。
スタートレバー8の右側には、回転している各リールL,M,Rの変動を個別に停止させるために遊技者によって入力操作が行われる押しボタン式のストップスイッチ9L,9M,9Rが設けられている。各ストップスイッチ9L,9M,9Rは、停止対象となるリールL,M,Rに対応する露出窓5L,5M,5Rの直下にそれぞれ配置されている。
このストップスイッチ9L,9M,9Rは、白色半透明の合成樹脂により円筒状に形成されたボタンがスロットマシン1の前面側に突出して形成されている。
露出窓5L,5M,5Rの右下側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。前面扉3の裏面側には、このメダル投入口10に投入されたメダルの枚数を検出する投入メダル検出センサ10a(図6参照)が設けられている。
メダル投入口10の左側には、予め貯留して記憶された(クレジットされた)クレジットメダルを一度に3枚投入するための押しボタン式のベットスイッチ11が設けられている。スロットマシン1の制御を行う主制御基板Cは、クレジットメダルの貯留数をMPU21(図6参照)の予め定めた記憶領域に記憶し、メダルの払出が行われる場合やメダルが必要量より多く投入された場合に、一定枚数(本実施例では50枚)以下の範囲内でクレジットメダルの数を増加させる。ベットスイッチ11が押下されてオンとなると、貯留記憶されたクレジットメダル数の範囲内で仮想的にメダルが投入され、投入メダル数に対応した有効ライン6a〜6eが有効化される。
スタートレバー8の左側には、押しボタン式のクレジット払出スイッチ12が配設されている。このクレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル投入口10に必要量より多く投入されたメダルや所定の遊技結果に応じて遊技者に利益として払い出されたメダル等によるクレジットメダルが返還される。なお、クレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル枚数表示ランプ16に表示された枚数のメダルが遊技者へ払い出される。
前面扉3の下段部(前面枠4の枠部材貯留部4c)には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル排出口14と、そのメダル排出口14から払い出されたメダルを貯留する下皿15とが配設されている。
図2は、液晶表示装置13が、支柱81に装着された状態を示した図である。液晶表示装置13は、遊技の進行に伴う各種の表示演出を実行すると共に、機械の内部で選定された情報を遊技者に示すためのものである。図2に示すように、本実施の形態においては、液晶表示装置13は、独立する2の液晶表示装置13u,13dにて形成されている。支柱81に対し上側(ランプ18u側)には一方の液晶表示装置13uが配設され、下側(メダル枚数表示ランプ16側)には液晶表示装置13dが配設されている。液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとは同様の構成を有しており、上方側の液晶表示装置13uは、支持軸82が嵌入された貫入口13cの下方に液晶画面13bが配置されており、下方の液晶表示装置13dは、支持軸82が嵌入された貫入口13cの上方に液晶画面13bが配置されている。つまり、液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとは、上下対称の態様で配置されている。
液晶表示装置13(13u,13d)は、樹脂製のケース体13aと液晶画面13bとを備えると共に、ケース体13aの内部に液晶画面13bに対する光源であるバックライトと、表示する画像情報を制御する表示用制御基板Dとを内蔵する一般的な液晶表示装置である。この液晶表示装置13は、スロットマシン1の幅方向が長辺となる正面視略長方形に形成されており、ケース体13aの下方端部には、支持軸82が嵌入される貫入口13cが、ケース体13aの長手方向に沿って穿設されている。各液晶表示装置13u,13dに嵌入された支持軸82の両端は、それぞれ穿設口81eから支柱81の内部に貫入されており、支柱81の内部にて後述する駆動機構100に保持される。各支持軸82は、駆動機構100によりそれぞれ独立に、穿設口81e(支柱81)に沿って上下方向に移送され、かかる支持軸82の移送に伴って、各液晶表示装置13u,13dが支柱81に沿って移動されることとなる。
液晶表示装置13u,13dとは(各液晶画面13bが)、液晶表示装置13u,13dの右側と左側とにそれぞれ設けられる各支柱81の穿設口81eを両辺として展開される面に平行となるように保持されている。また、液晶表示装置13u,13dとは、それぞれ独立して駆動機構100にて移送される。かかる移送において、液晶表示装置13u,13dとは同一平面上を移動するように構成されている。駆動機構100に備えられた上下モータ103の駆動により、各液晶表示装置13u,13dは、それぞれの初期位置から、互いに対向する側の端部が当接する当接位置までの間を移送される。
図2においては、液晶表示装置13uは最上位置に配置され、液晶表示装置13dは最下位置に配置され、両液晶表示装置13u,13dが互いに最も離間する初期位置にセットされている。かかる初期位置に液晶表示装置13u,13dがセットされた場合、露出窓5L,5M,5Rの前面側は開放されており、リールL,M,Rの前面側が視認可能に露出している。
ここで、図5を参照して、液晶表示装置13の駆動機構100について説明する。図5は、支柱81に内設された液晶表示装置13の駆動機構100を模式的に示した図である。図5(a)は、液晶表示装置13u,13dが互いに当接する当接位置まで移送された状態を示しており、図5(a)は、液晶表示装置13u,13dが部分開放位置に配設された状態を示している。
本実施の形態においては、遊技状態に応じて、液晶表示装置13(13u,13d)の配設位置が変更されるようにスロットマシン1は構成されており、液晶表示装置13(13u,13d)は、駆動機構100によって移送され、図2に示した初期位置、図5(a)に示した当接位置、図5(b)に示した部分開放位置のいずれかに配置される。
駆動機構100は、支持軸82の一端部を保持する嵌合部102を備えると共に嵌合部102の裏面側に複数の歯形が刻設されたラック101と、支持軸82の他端部をガイドするガイド部106と、ラック101に歯合するギア104を備えた上下モータ103とを備えている。駆動機構100は、液晶表示装置13u,13dのそれぞれを独立して駆動するものであり、ラック101、ガイド部106、上下モータ103は、各液晶表示装置13u,13dのそれぞれに対応して各1ずつ設けられている。詳細には、液晶表示装置13uに対応してラック101a、上下モータ103aが正面視右側の支柱81の内部に設けられており、ガイド部106aが正面視左側の支柱81の内部に設けられている。ラック101aには嵌合部102aが設けられ、上下モータ103aの軸にはギア104aが固着されている。
一方、液晶表示装置13dに対応してラック101b、上下モータ103bが正面視左側の支柱81の内部に設けられており、ガイド部106bが正面視右側の支柱81の内部に設けられている。ラック101bには嵌合部102bが設けられ、上下モータ103bの軸にはギア104bが固着されている。
嵌合部102(102a,102b)は、ラック101(101a,101b)の歯形面の裏面側に凹設され、支持軸82の外形と略同寸で形成された嵌入口にて形成されている。支持軸82の一端部は該嵌入口に嵌め込まれて保持され、ラック101の動作に従動することとなる。
ラック101aの下方には、ラック101aの下方側への移動を規制するストッパ105aが固設されている。ストッパ105aは、液晶表示装置13uが当接位置に配置された場合に、ラック101aの下方端部が当接する位置に配置されており、液晶表示装置13uが当接位置を超えて下方へ搬送されることと、ギア104aからのラック101aの脱落とを防止している。
一方、ラック101bの上端は鉤状に形成されており、また、ラック101bが収納された左側の支柱81の内部には、液晶表示装置13dが初期位置に配置された場合に該ラック101bの鉤状の上端部分と係合するストッパ105bが固設されている。これにより、ギア104bからのラック101bの脱落を防止している。更に、ラック101bの上方には、ストッパ105cが固設されている。ストッパ105cは、液晶表示装置13dが当接位置に配置された場合に、ラック101bの上方端部が当接する位置に配設されており、液晶表示装置13dが当接位置を超えて上方へ搬送されることを防止している。
各ガイド部106(106a,106b)は、支持軸82の水平を維持するためものであり、支柱81の内部に貫入された支持軸82の他端部が嵌入される嵌入口を外周面に有する略円筒状のリング107(107a,107b)と、リング107の内周に挿通されリング107をスライド可能に保持するスライドバー108(108a,108b)とを、それぞれ備えている。スライドバー108は、支柱81の内壁から内側に突出するコの字状に形成されており、スライドバー108の下端部と上端部との間を、リング107はスライドされる。これにより、液晶表示装置13は水平を維持しつつ初期位置と当接位置との間に移動される。
上下モータ103(103a,103b)が正方向(図5において反時計回り)に駆動され、上下モータ103に固着されたギア104(104a,104b)が回動すると、ギア104に噛合わされたラック101(101a,101b)が、互いに近づく方向に移動する。初期位置にセットされた状態から、ギア104が所定量回転されると、液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとは、互いに対向する端部が当接する当接位置まで移送される。かかる当接位置に液晶表示装置13u、13dが配置されると、露出窓5L,5M,5Rが液晶表示装置13u,13dに覆われ、スロットマシン1の前面側からのリールL,M,Rの視認が不能となる(図5(a))。
上下モータ103(103a,103b)が逆方向(図5において時計回り)に駆動されると、ギア104に噛合わされたラック101(101a,101b)が、互いに遠ざかる方向に移動する。液晶表示装置13u,13dを当接位置にセットした状態から、ギア104が所定量逆回転されると、液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとは、それぞれ初期位置に復帰される。
また、液晶表示装置13u,13dを当接位置にセットした状態から、上記した所定量(初期位置に復帰させる回転量)未満の特定の回転量にてギア104が逆方向に回転されると、液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとは、部分開放位置に配置される。部分開放位置は、液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとのそれぞれに対して設定されており、液晶表示装置13uについてはその下側の端部が、有効ライン6c上の図柄の上端と有効ライン6b上の図柄の下端との間に配置される位置である。また、液晶表示装置13dについてはその上側の端部が、有効ライン6c上の図柄の下端と有効ライン6d上の図柄の上端との間に配置される位置である。かかる部分開放位置に液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとがセットされた場合、液晶表示装置13uと液晶表示装置13dとは、有効ライン6cから上下に同じ間隔だけ離間され、両者の間から、有効ライン6b上に整列する図柄が露出して視認可能となる(図5(b))。
遊技状態が特別遊技の1つであるビックボーナスゲーム(以下、適宜「BBゲーム」と略す)に移行した場合、初期位置から当接位置へと液晶表示装置13(13u,13d)は移動される。BBゲームの期間中は、3つ目のリールが停止されたタイミング(即ち、遊技状態が、遊技の基本の1サイクルを終了する状態)で、液晶表示装置13は当接位置から部分開放位置へと移動される。その後、予め定めた所定時間が経過する(即ち、遊技状態が、次の遊技の基本の1サイクルを実行し得る状態となる)と、液晶表示装置13は当接位置へと復帰される。このように、ビックボーナスの期間中は、繰り返して液晶表示装置13による開閉動作が実行される。
次に、図3及び図4を参照して、各リールL,M,Rに付される図柄について説明する。図3は、左リールLと、中リールMと、右リールRとを平面状に展開して図柄配列を示した展開図である。図3に示すように、各リールL,M,Rには21個の図柄が縦一列に設けられている。各リールL,M,Rに対応して「01」から「21」のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付したものであり、各リールL,M,Rに実際に付されているものではない。但し、以下の説明においては当該コマ番号を使用して説明する。図4は、遊技者に利益が付与される各役と、入賞図柄、獲得利益及び役成立率との対応を示した図である。
図3に示すように、各リールL,M,Rの図柄は、色相の異なる2種類の「7」図柄と、「BAR」図柄と、「賽銭箱」図柄と、「鈴」図柄と、「水瓶」図柄と、「チェリー」図柄との計7種類で構成されている。「7」図柄は、ボーナス役としてのビックボーナス(以下、適宜「BB」と略す)の入賞を示す図柄であり、白色のもの(例えば、左リールコマ番号第2番。以下、適宜「白7」と略す。)と、赤色のもの(例えば、左リールコマ番号第11番。以下、適宜「赤7」と略す。)とが設けられている。「BAR」図柄(例えば、左リールコマ番号第16番)は、ボーナス役としてのレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」と略す。)の入賞を示す図柄である。「水瓶」図柄(例えば、左リールコマ番号第5番)は、無償の再遊技が可能なリプレイ役の入賞を示す図柄である。また、「賽銭箱」図柄(例えば、左リールコマ番号第4番)、「鈴」図柄(例えば、左リールコマ番号第1番)、及び、「チェリー」図柄(例えば、左リールコマ番号第3番)は、各図柄毎に遊技者に付与される利益の異なる小役の入賞を示す図柄である。
なお、図3に示すように、各リールL,M,Rにおいて、各図柄の数や配列は全く異なるように配設される。また、「チェリー」図柄を除く小役の入賞を示す図柄(小役図柄)と、リプレイ役の入賞を示す図柄(リプレイ図柄)とは、各リールL,M,Rに全て4コマ以下の間隔で配設されている。後述する小役成立テーブル22b(図6参照)を使用して強制的に小役図柄又はリプレイ図柄を所定の位置に停止させる場合、最大でも4コマ分の移動をするだけで、当該図柄を制御上の所定の停止位置に停止させることができる。
ここで、スロットマシン1に設定される役について、図4を参照して説明する。役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役、及び、ハズレ役の4種類に大別され、以下に順に説明する。ボーナス役とは、通常の遊技(通常ゲーム)からいわゆるボーナスゲームと称する特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役であり、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)との2種類が設定されている。なお、本実施の形態において特別遊技とは、前回以前の遊技における役成立(入賞を含む)に基づいて当該遊技後に行われる遊技者にとって有利な遊技を意味している。
ビッグボーナス(BB)は、ボーナスゲームの1つであるBBゲームに移行させる役である。「白7」又は「赤7」が後述する有効ライン6a〜6e(図1参照)上に同一色で3つ並んで停止した場合には、「BB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がBBゲームに移行する。遊技を行う遊技者は、「BB」の入賞によってメダル15枚とBBゲームによる利益とを獲得する。
BBゲームは、リールL,M,Rの始動操作にて開始されストップスイッチ9L,9M,9Rの操作によるリールL,M,Rの停止で終了する1の遊技(遊技の基本の1サイクル(基本ゲーム))が、8回行うように構成され、8回の基本ゲーム全てにおいて「水瓶」または「鈴」のいずれかの小役が成立するようになっている。ここで、本実施の形態においては、BBゲームが開始される場合、液晶表示装置13が、リールL,M,Rを覆った状態に配置され、3番目のリールが停止した後に、有効ライン6c上の図柄が現出させる分だけ液晶表示装置13が移動する。このため、内部制御によって、成立役に応じた役を確実に有効ライン6c上に整列させることができ、「水瓶」または「鈴」のいずれかに確実に入賞することとなる。
また、成立役が「水瓶」である場合と「鈴」である場合とでは異なる遊技価値が付与されている。具体的には、「水瓶」の役が成立(入賞)した場合には、15枚のメダルの払出が行われると共に、その成立の連続回数(本実施の形態では3回)により、再度BBゲームが付与される。一方、「鈴」の役が成立(入賞)した場合には、15枚のメダルの払出が行われるのみとなる。
本実施の形態におけるBBゲームのように、内部的な抽選にて決定された組合せにて有効ライン6c上に停止図柄を揃える場合、遊技者によるストップスイッチ9L,9M,9Rの停止操作に関わらず抽選結果に一致する停止図柄が現出されるので、回動中のリールを停止させる際に、遊技者によるリールの視認(目押し)は不要となる。故に、BBゲーム中において、各リールL,M,Rを液晶表示装置13にて覆っても、遊技の進行に支障が出ることはない。
一方で、有効ライン上に整列する複数の停止図柄の組み合わせにより成立役を示す場合、リールを順次停止させると、3番目のリールが停止する前にハズレであることが露見しかねない。しかし、本実施の形態においては、BBゲームでは、有効ライン6c上の停止図柄は、3番目のリールが停止した後に遊技者に視認可能となるので、全ての停止図柄の表示が確定される前に遊技結果が露見してしまうことがなく、早い段階で遊技者が遊技に対する興趣を喪失してしまうことを抑制できる。
更に、通常のスロットマシンでは、ボーナス役、小役、リプレイ役などの成立は、内部的な抽選結果に基づいて決定され、その抽選結果に対応する図柄にてリールを停止させるべく制御を行っていることが多い。例えば、ストップスイッチの停止操作がなされたタイミングにおいて、有効ライン上に目的の図柄がない場合には所定コマ数以内の滑りを実行して、抽選結果に対応する停止図柄を有効ライン上に整列させるように制御がなされる。
ここで、所定コマ数以上滑らなければ、目的の図柄を有効ライン上に揃えられないが、一般的なスロットマシンにおいては、(ある特定の期間中は)所定コマ数内の滑りにて目的の図柄を有効ライン上に停止し得るように、ストップスイッチの操作タイミングを遊技者に通知する通知演出を実行する機能を備えたものも多い。通知演出の実行時には、液晶表示装置にて通知される操作タイミングに応じてストップスイッチを操作すれば、何らかの役が成立するように構成されている。かかる場合には、遊技者はリールよりも液晶表示装置に対し注意を注ぐ(注視する)こととなる。
かかる通知演出の実行時には、遊技者にとっては、リールの視認よりも液晶表示装置の視認のほうが重要となる。このため、かかる通知演出の実行時においても、液晶表示装置13の視認性を向上させるため、当接位置に液晶表示装置13を移動させるようにしても良い。
レギュラーボーナス(RB)は、ボーナスゲームの1つであるRBゲームに移行させる役である。「BAR」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「RB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がRBゲームに移行する。RBゲームは、所定の小役(本実施の形態においては「賽銭箱」の役)に高確率に入賞する遊技を所定条件の成立まで(本実施の形態においては8回入賞するまで)行うのものである。
小役とは、予め定めたメダルの払出を行う役である。スロットマシン1には、小役として、「賽銭箱」、「鈴」、及び、「チェリー」の3種類が設定されている。「賽銭箱」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「賽銭箱」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われる。また、「鈴」図柄が有効ライン6a〜6e上に並んで停止した場合には、「鈴」の入賞となって9枚のメダルの払出が行われる。
左リールLの「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、「チェリー」の入賞となって2枚のメダルの払出が行われる。ここで、「チェリー」の役については、中リールM及び右リールRの「チェリー」図柄はメダルの払出とは無関係である。「チェリー」に限っては、左リールLにおける有効ライン6a〜6eが2つ重なる位置、即ち、上段又は下段に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ライン数を乗じた分だけメダルの払出が行われる。このため、1回の遊技で「チェリー」の入賞として4枚のメダルの払出が行われることがある。
リプレイ役とは、無償で再遊技を行うことができる役である。「水瓶」図柄が有効ライン上に3つ並んで停止した場合には、「水瓶」の入賞となって当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した遊技が次回の遊技で行われる。
ハズレ役とは、上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役とは異なり、遊技者に利益が全く供与されない役であり、スロットマシン1においては、ゲームの半数以上がハズレ役となるように制御が行われる。上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役の入賞を示す図柄の組み合わせのいずれも有効ライン上に停止していない場合にはハズレ役となり、メダルの払出は一切行われない。
なお、円筒状のリールL,M,Rを構成の一部として図柄を表示する表示装置は、識別情報を可変表示する可変表示装置の一例であり、可変表示装置は、上記以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
次に、図6を参照して、スロットマシン1の電気的構成について説明する。図6は、スロットマシン1の電気的構成を示したブロック図である。スロットマシン1は主制御基板Cを備え、この主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21と、そのMPU21とバスライン24を介して接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート25とが搭載されている。MPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの回路とが内蔵されている。なお、図8から図14に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
ROM22は、内部抽選に従った図柄の組み合わせで各リールL,M,Rの回転が停止するように停止位置を決定する複数の停止位置決定テーブル、即ち、ボーナス成立テーブル22aと、小役成立テーブル22bと、最小移動ハズレテーブル22cとを備えている。ボーナス成立テーブル22aは、ボーナス役であるビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)のいずれかが成立した場合、即ち、ボーナス役に対する内部抽選に当選して入賞条件が成立した場合に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役に対応したボーナス図柄(「白7」、「赤7」又は「BAR」)を並べて停止させるテーブルである。小役成立テーブル22bは、それぞれの小役およびリプレイ役に対応して複数種類が設けられ、小役又はリプレイ役の成立時に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役の入賞を示す図柄を並べて停止させるテーブルである。各役の入賞条件は、本実施の形態においては後述する乱数カウンタ23bを使用したスロットマシン1の抽選に基づく役の成立となっている。なお、必ずしも各役の入賞条件を内部抽選による役成立のみとする必要はなく、他の条件を加えても良い。例えば、遊技者により操作されるストップスイッチ9L,9M,9Rの押し順を入賞条件に加えても良く、制御内容については一般的なものであるため説明を省略する。
ここで、図7を参照して、リールL,M,Rの回転停止位置を決定する停止位置決定テーブルについて説明する。図7は、小役成立テーブル22bの一部を構成する水瓶用小役成立テーブル22b1を模式的に示した図である。この水瓶用小役成立テーブル22b1は、内部抽選によって「水瓶」の役が成立した場合に使用される。水瓶用小役成立テーブル22b1には、遊技者によって各ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミングに対するリールL,M,Rの停止位置が予め定められている。
言い換えれば、水瓶用小役成立テーブル22b1は、ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミング(ストップ操作位置)と、実際に停止させる図柄とを対応つけて管理するためのものであり、ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミングにおいて有効ライン6c上に存在する図柄のコマ番号に、実際に有効ライン6c上に停止させる図柄のコマ番号を対応つけて記述されている。図7においては、ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミングにおいて有効ライン6c上に存在する図柄のコマ番号を「ストップ操作位置」欄に表示し、「ストップ操作位置」欄にの右方の「左リール」欄、「中リール」欄、「右リール」欄のそれぞれに、実際に停止させる図柄のコマ番号を数字にて表している。
これによれば、例えば、「水瓶」の役が成立した状態で図柄の変動が行われている場合に左リールLに対するストップスイッチ9Lが操作されると、そのタイミングにおいて有効ライン6c上にコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄)が存在すれば、左リールLは直ちに停止し、有効ライン6c上にはコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄、図3参照)が停止する。その後にも引き続き水瓶用小役成立テーブル22b1を参照してリールの停止制御が行われる。
具体的には、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号17番の図柄(「賽銭箱」図柄、図3参照)が存在するタイミングで遊技者の操作によってストップスイッチ9Lがオンされると、左リールLは3コマ分回転を継続してから(滑ってから)、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第18番の図柄(「水瓶」図柄)を引き込んで停止する。このストップスイッチ9L,9M,9Rの操作後にリールの回転を継続する量(滑り量)は少ない方が遊技に対する不信感を与えないので、スロットマシン1においては最大4コマに設定されている。
なお、水瓶用小役成立テーブル22b1以外にも、主制御基板CのROM22には、各成立役に対応した小役成立テーブル22b及びボーナス成立テーブル22aがそれぞれ設けられるが、一般的な制御であるのでその説明を省略する。
図6に戻って、最小移動ハズレテーブル22cについて説明する。最小移動ハズレテーブル22cは、ボーナス役、小役及びリプレイ役に対する入賞条件が成立しなかった場合に使用されるテーブルであり、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれにも成立役の入賞を示す図柄を停止させずに図柄を停止させるテーブルである。この最小移動ハズレテーブル22cには、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内において各リールL,M,Rの移動量が最も少ない位置にいずれの役の入賞をも伴わないハズレの表示結果を停止させる位置が定められている。当選していない図柄が有効ライン6a〜6eに停止してしまうタイミングでストップスイッチ9L,9M,9Rが押下されても、この最小移動ハズレテーブル22cを参照していずれの有効ライン6a〜6e上にも役の入賞を示す図柄が停止しないように、1コマから4コマまで図柄を滑らせて停止させる。
主制御基板CのRAM23は、状態フラグ23aと、乱数カウンタ23bと、BB成立フラグ23cと、RB成立フラグ23dと、小役成立フラグ23eと、再BB成立フラグ23fと、ゲーム回数カウンタ23gと、連続回数カウンタ23h、演出抽選カウンタ23iとを備えている。
状態フラグ23aは、スロットマシン1における遊技の状態、即ち、通常ゲーム中、ボーナスゲーム中、或いは、エラー状態等その他の状態を示すためのフラグである。この状態フラグ23aは、電源入時に通常ゲームの状態を示すデータ(本実施例においては「0」)が設定される一方、後述するBB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンされて、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、その後の遊技をボーナスゲームへ移行させるために、ボーナスゲーム中を示すデータ(BBは「1」、RBは「2」)が書き込まれる(図11、S72参照)。また、ボーナスゲームの終了時には、その後の遊技を通常ゲームへ移行させるために、状態フラグ23aには、通常ゲームの状態を示すデータが書き込まれる。
乱数カウンタ23bは、成立役を選定する内部抽選を行うためのカウンタである。この乱数カウンタ23bは、後述するカウンタ更新処理(図8、S5参照)によって、「0」〜「65535」の範囲内で順に加算して更新される。かかる乱数カウンタ23bの値は、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(始動操作時)に、後述する変動開始処理において参照され、このとき参照された値に対して予め割り当てられた役が成立役となる(図9、S13参照)。この乱数カウンタ23bの値に対して各成立役は、図4に示す割合で割り当てられており、例えば、1/293の割合である224個の乱数値が「BB」に割り当てられ、また、約1/390の割合である168個の乱数値が「RB」に割り当てられている(図4参照)。
また、ビックボーナスの成立によりBBゲームが開始された場合には、成立役の割り当てが通常の変動開始処理とは異なるため、BBゲームの期間中において用いられる成立役の割り当てが、別で設定されている。具体的には、BBゲームにおいては、成立役は、「水瓶」または「鈴」のいずれかであるので、乱数カウンタ23bの値に対して「水瓶」または「鈴」のいずれか一方が割り当てられている。詳細には、BBゲームでは「水瓶」の役には、略1/5の割合である13107個の乱数値が割り当てられ、「鈴」の役には、略4/5の割合である52429個の乱数値がに割り当てられている。このBBゲームにおいても通常の変動開始処理と同様に、乱数カウンタ23bは、始動操作時に、後述するボーナス変動開始処理にて参照され、カウンタの値が取得される。
なお、本実施例では、内部抽選に当選して「BB」又は「RB」の成立があることを条件(十分条件)として「BB」又は「RB」の成立に対する入賞が発生するように構成されているが、必ずしも役成立を入賞発生の十分条件とする必要はない。「BB」又は「RB」の成立があってもその成立を必要条件の成立として記憶(ストック)し続け、その後に別の条件が成立した場合(例えば、取得された乱数カウンタ23bの値が特定値であった場合)に、前もって役成立のあった「BB」又は「RB」が連続して発生するようにしても良い。
BB成立フラグ23c及びRB成立フラグ23dは、「BB」及び「RB」に応じたボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃え得るゲームであることを示すフラグであって、ボーナス成立テーブル22aを参照させるためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が、「BB」又は「RB」を成立させるものであった場合に、成立したボーナス役に対応した成立フラグ23c,23dがオンされる(図9、S14及びS18参照)。一方、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、即ち、ボーナス役に入賞した場合、状態フラグ23aにボーナスゲーム中を示すデータが書き込まれると共に、入賞したボーナス役に対応した成立フラグ23c,23dがオフされる(図11、S73参照)。
小役成立フラグ23eは、始動操作時の内部抽選による成立役が小役又はリプレイ役であることを示すためのフラグであり、各役に対応して1つずつ設けられている。この小役成立フラグ23eは、始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が小役又はリプレイ役の成立を示す値であった場合、即ち、「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」又は「チェリー」用に割り当てられた各値(図4参照)のいずれかであった場合に、その値に対応したフラグがオンされる(図9、S19参照)。一方、小役成立フラグ23fは、全てのリールL,M,Rの回転が停止したタイミングでオフされる(図11、S75参照)。
なお、「チェリー」については、その役成立があってもストップスイッチ9Lの操作タイミング(停止タイミング)如何によっては、「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止しない。左リールLには、「チェリー」図柄が2つだけ配列されており、適当な操作タイミングでなければメダルの払出が行われない構成となっている。
小役成立フラグ23eに設けられた水瓶フラグ23e1は、「水瓶」の役が成立した場合にオンされるフラグである。上記したように、ビックボーナス(BB)の遊技(BBゲーム)に移行すると、有効ライン6c上の停止図柄は、「水瓶」または「鈴」のいずれか一方の組合せになるように制御される。言い換えれば、「水瓶」または「鈴」のいずれかの役が成立する。このため、ビックボーナスゲーム(BBゲーム)の期間中は、水瓶フラグ23e1は、「水瓶」または「鈴」のいずれが成立したかを示すフラグとなり、始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が「水瓶」の役を示す値であった場合にオンされる。オンされた水瓶フラグ23e1は、ボーナス変動停止処理(S87)の中でオフされる。
再BB成立フラグ23fは、ビックボーナスゲーム(BBゲーム)の期間が終了した後に新たに開始される遊技にて、再度ビックボーナス(BB)を成立させることを示すフラグである。BBゲームにおいて、「水瓶」の役が連続して3回以上成立した場合にオンされ、オンされた再BB成立フラグ23fは、変動開始処理において、再BB成立フラグ23fの状態が検出された後にオフされる。
ゲーム回数カウンタ23gは、BBゲームにおいて実行された基本ゲームの回数を計数するカウンタである。ゲーム回数カウンタ23gのカウンタ値は、BBゲームにおいて基本ゲームの実行毎に「1」加算され、BBゲームの終了即ち、8回の基本ゲームが終了すると「0」にセットされる。
連続回数カウンタ23hは、BBゲームにおける「水瓶」の役の連続成立回数を計数するためのカウンタである。BBゲームにおいては、始動操作時に取得された乱数カウンタ23bのカウンタ値が「水瓶」の成立役に対応する値であると、連続回数カウンタ23hのカウンタ値を「1」加算する。一方、始動操作時に取得された乱数カウンタ23bのカウンタ値が「鈴」の成立役に対応する値であると、連続回数カウンタ23hのカウンタ値は「0」にセットされる。
尚、始動操作時に取得された乱数カウンタ23bのカウンタ値が「鈴」の成立役に対応する値である場合であっても、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が3以上である場合には、連続回数カウンタ23hのカウンタ値は「0」にセットされず、「1」加算される。つまり、BBゲーム終了時に、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が「3」以上であると、BBゲームにおいて「水瓶」の成立役が少なくとも3回連続して成立したことが示されていることとなる。本実施の形態においては、BBゲームにおいて「水瓶」の成立役が少なくとも3回連続して成立したことを条件として、再度ビックボーナスゲーム(BBゲーム)を付与するように設計されており、BBゲームの終了時に連続回数カウンタ23hのカウンタ値が参照され、該カウンタ値が「3」以上であると、再度BBゲームに移行するように制御が実行される。
演出抽選カウンタ23iは、興趣演出の実行抽選に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜511」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり511)に達した後再び「0」に戻される。この演出抽選カウンタ23iの値は、ボーナスゲームの期間を除いて、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(変動開始時)に、後述する変動開始処理において参照され、そのとき参照された値に対応してスロットマシン1に設定された2種類の興趣演出を実行するか否かが決定される。なお、興趣演出とは、図柄の変動開始時又はその変動途中で液晶表示装置13の表示画面に機種毎に設定された文字やキャラクタ等の図柄を現出させたり、スタートレバー8の操作時にスピーカ17から特別の効果音を出力したり、ストップスイッチ9L,9M,9Rの停止操作時にランプの点灯パターンを特別のものに変化させたりする等、通常とは異なる状態を発生させて変動停止後に入賞が発生し易い等の特別の状態であることを遊技者に示す演出である。
入出力ポート25は、前述した通りROM22及びRAM23を内蔵したMPU21に接続されると共に、各種のI/O装置と接続されている。具体的には、入出力ポート25は、投入メダル検出センサ10aと、ベットスイッチ11と、スタートスイッチ8aと、リール位置検出センサ27と、左・中・右の各リールL,M,Rをそれぞれ回転させるための左・中・右リール用ステッピングモータ28と、有効ライン表示ランプ7a〜7cと、メダル枚数表示ランプ16と、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29と、上下モータ103と、左・中・右リールストップスイッチ9L,9M,9Rと、サブ制御基板Sとにそれぞれ接続されている。
サブ制御基板Sは、主制御基板Cから送信されるコマンドを受信してスピーカ17から効果音などの出力制御を行うと共に表示用制御基板Dを制御し、表示用制御基板Dによって液晶表示装置13に演出表示などを行わせるものである。このサブ制御基板Sには、主制御基板Cと、表示用制御基板Dと、スピーカ17と、ランプ18Uとがそれぞれ接続されている。
尚、上下モータ103(103a,103b)をサブ制御基板Sまたは表示用制御基板Dに接続し、サブ制御基板Sまたは表示用制御基板Dにて、上下モータ103の駆動(液晶表示装置13の移動)を制御するように構成しても良い。
次に、図8から図14に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cで行われる各処理について説明する。図8は、スロットマシン1の電源入後に主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まず、バックアップデータの復元を含む初期化処理を実行し(S1)、次に、S2〜S6の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S2〜S7の各処理を説明する。
S2の処理では、状態フラグ23aに基づいて進行中の遊技状態を判断する(S2)。判断の結果、状態フラグ23aの内容が通常ゲーム中を示すものであった場合には(S2:「通常ゲーム」)、変動開始処理(S3)及び変動停止処理(S4)による通常ゲームに対する処理を実行する。また、状態フラグ23aの内容がボーナスゲーム中を示すものであった場合には(S2:「ボーナス」)、ボーナスゲーム実行処理(S7)を実行する。S4,S7の処理の後は、その処理をS5の処理に移行する。更に、状態フラグ23aの内容がその他の遊技状態を示すものであった場合には(S2:「その他」)、S3,S4,S7による各遊技に関する処理をスキップして、その処理をS5の処理に移行する。
変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入(ベット)されている状態でスタートスイッチ8aがオンされたか否かを判断した上で所定の処理が行われる。即ち、1回のゲームに対しての最大投入数である3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンされたと判断された場合には、遊技者によりスタートレバー8が所定操作されたものと判断して、その時の乱数カウンタ23bの値等に応じて内部抽選に基づく成立役を選定すると共に、各リールL,M,Rの始動(回転)等が実行される。この変動開始処理(S3)の内容詳細については、図9を参照して後述する。
変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、回転している各リールL,M,Rを、前記変動開始処理(S3)で設定された成立役に応じた所定位置で停止させる。また、所定位置で停止させた際に予め定められた所定図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その所定図柄に応じた枚数のメダルを払い出す。この変動停止処理(S4)の内容詳細については、図10及び図11を参照して後述する。
ボーナスゲーム実行処理(S7)では、入賞役に対応したビックボーナスゲーム(BBゲーム)又はレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に対する制御が行われる。BBゲームの場合、8回の基本ゲームにおいて小役が成立(小役に入賞)する遊技が実行される。「水瓶」の役の連続成立回数が3回となると、再度、BBゲームの実行が指示される。RBゲームの場合には、所定の小役に高確率で入賞する遊技が所定条件の成立(8回入賞するまで)行われる(図12〜図14参照)。
カウンタ更新処理(S5)では、乱数カウンタ23b、演出抽選カウンタ23i等の各カウンタの値を更新する。各処理(S6)は、上記した処理以外の処理を実行するものである。各処理の終了後は、処理をS2へ移行して、再び、S2〜S7の処理を繰り返し実行する。
図9は、変動開始処理(S3)のフローチャートである。この変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンしたと判断された場合に、その時の乱数カウンタ23bの値に基づいて抽選される成立役に応じて各フラグを設定すると共に、各リールL,M,Rを始動させる。
変動開始処理(S3)では、まず、マックスベットされているか、即ち、3枚のメダルが投入されているか否かを判断する(S10)。判断の結果、マックスベットされていれば(S10:Yes)、次に、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断する(S11)。スタートスイッチ8aのオン信号を検知していれば(S11:Yes)、遊技者によってスタートレバー8の操作が行われたタイミングであり、再BB成立フラグ23fがオンされているか否かを調べる(S12)。ここで、再BB成立フラグ23fがオフであれば(S12:No)、成立役を抽選する必要があるので、このタイミングで成立役の抽選として乱数カウンタ23bの値が示す成立役を判断する(S13)。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「BB」であった場合には(S13:「BB」)、BB成立フラグ23cをオンし(S14)、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「RB」であった場合には(S13:「RB」)、RB成立フラグ23dをオンし(S18)、更に、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」又は「チェリー」のいずれかであれば(S13:「小役」又は「リプレイ役」)、成立役に対応した小役成立フラグ23eをオンして(S19)、処理をS15へ移行する。S13の処理においてボーナス役、小役及びリプレイ役のいずれも成立していない「ハズレ」と判断された場合には(S13:「ハズレ」)、いずれの成立フラグ23c〜23eもオンに更新しないで、処理をS15へ移行する。
そして、興趣演出の抽選を行うと共に、抽選結果に応じた演出実行コマンドおよび変動開始を示す変動開始コマンドをサブ制御基板Sへ出力する演出抽選処理を実行する(S15)。また、この演出抽選処理(S15)においては、BB成立フラグ23cまたはRB成立フラグ23dが成立している場合には、実行されるボーナスゲームに対応する演出を指示するボーナス演出指示コマンドがサブ制御基板Sへ出力される。その後、左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを始動させ(S16)、この変動開始処理(S3)を終了する。
S10の処理においてマックスベットされていない場合(S10:No)、及び、S11の処理においてスタートスイッチ8aのオン信号が検知されていない場合には(S11:No)、この変動開始処理(S3)を終了する。ここで、本実施例のスロットマシン1においては必ず3枚のメダルが投入された状態で1回のゲームを行わせるものであり、3枚のメダルが投入されていない状態においては、成立役の抽選やリールL,M,Rを始動させる等のS11〜S19の処理は、S10の処理によりスキップする。また、スタートスイッチ8のオン信号が検知されてS12以降の処理が行われると、変動開始処理(S3)の後に行われる各処理(図8、S6参照)の中でベット数が「0」とされ、ベット数が「0」とされた後に行われる次回の変動開始処理(S3)においてはS10の処理においてマックスベットされていない状態となる。
また、S12の処理で確認した結果、再BB成立フラグ23fがオンであれば(S12:Yes)、開始された遊技にてビックボーナス(BB)を成立させる必要があるので、乱数カウンタ23bの値に応じて成立役を判定するS13の処理をスキップして、その処理をS14の処理に移行する。これにより、先のBBゲームにおいてBBゲームの再実行が決定された場合、遊技状態を再度BBゲームに移行させることができる。
尚、演出抽選処理(S15)により、ボーナス演出指示コマンドが出力されると、表示用制御基板Dにより対応するボーナスゲームに応じた演出が液晶表示装置13にて実行される。ここで、ボーナス演出指示コマンドがBBゲームに対応するものであった場合には、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作を指示する演出が液晶表示装置13にて実行される。このため、遊技者は、リールが視認不能であっても、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に不安を感じることはない。
図10は、変動停止処理(S4)のフローチャートである。この変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に起因して、各リールL,M,Rの回転を、前記変動開始処理(S3)で選定された成立役に対応した停止位置で停止させるための処理である。
この変動停止処理(S4)では、まず、少なくとも1のリールL,M,Rが回転しているか否かを判断する(S51)。判断の結果、いずれのリールL,M,Rも停止していれば(S51:No)、図柄の変動開始待ちの状態であるので、この変動停止処理(S4)を終了する。一方、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中であれば(S51:Yes)、図柄の変動中であるので、次に、回転中のリールL,M,Rに対してストップスイッチ9L,9M,9Rがオンされたか否かを判断する(S52)。
S52の処理において、ストップスイッチ9L,9M,9Rがオンされていなければ(S52:No)、遊技者によるストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を待機している状態であるので、回転中のリールL,M,Rをそのまま回転させておくためにS53以降の処理をスキップして、変動停止処理(S4)を終了する。
一方、回転中のいずれかのリールL,M,Rに対応するストップスイッチ9L,9M,9Rがオンされていれば(S52:Yes)、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンか否かを判断し(S53)、いずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンされていれば(S53:Yes)、同一のボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃わせるために、オンとなっているフラグ23c,23dに対応したボーナス成立テーブル22aに従って停止操作のあった(オンされたストップスイッチに対応する)リールを停止させ(S54)、処理をS58へ移行する。
S53の処理において、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンされていなければ(S53:No)、次に、リプレイ役を含むいずれかの小役成立フラグ23eがオンされているか否かを判断する(S55)。S55の処理において、いずれかの小役成立フラグ23eがオンされていれば(S55:Yes)、オンされている小役成立フラグ23eに対応した小役成立テーブル22bに従って停止操作のあった(オンされたストップスイッチに対応する)リールを停止させ(S56)、処理をS58へ移行する。一方、いずれの小役成立フラグ23eもオンされていなければ(S55:No)、最小移動ハズレテーブル22cに従って停止操作のあった(オンされたストップスイッチに対応する)リールを停止させ(S57)、処理をS58へ移行する。
S58の処理では、停止操作されたリールが何番目のリール停止であるかを判断する(S58)。ここで、3番目のリール停止であると判断されると(S58:3番目)、全てのリールL,M,Rが停止したタイミングであるので、ボーナス役や小役等の入賞判定およびその判定に基づく処理を行う入賞判定処理を実行してから(S59)、この変動停止処理(S4)を終了する。一方、S58の処理で判断した結果、1番目または2番目のリール停止であると判断されると(S58:1又は2番目)、入賞を判定するタイミングではないので、入賞判定処理(S59)をスキップして、この変動停止処理(S4)を終了する。
図11は、変動停止処理(S4)の中で実行される入賞判定処理(S59)のフローチャートである。入賞判定処理(S59)では、まず、ボーナス役(「BB」又は「RB」)の入賞か確認する(S71)。ボーナス役の入賞であれば(S71:Yes)、入賞したボーナス役に対応したデータを状態フラグ23aに書き込み(S72)、そのボーナス役に対応したボーナス成立フラグ(BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dのいずれか)をオフする(S73)。その後、入賞役に対応した枚数のメダルを払い出すメダル払出処理を行ってから(S74)、小役成立フラグ23eをオフして(S75)、この入賞判定処理(S77)を終了する。一方、S71の処理において、ボーナス役の入賞でないことが確認された場合には(S71:No)、S74のメダル払出処理に移行して、入賞した小役に対応した枚数のメダルを払い出す。小役への入賞がなければ(ハズレである場合)には、メダルの払出は実行されない。その後、小役成立フラグ23eのオフのみを行って(S75)、入賞判定処理(S59)を終了する。
ここで、S75の処理によって小役成立フラグ23eは各ゲーム毎にオフされる一方、ボーナス成立フラグ23c,23dはボーナス役の入賞がなければオフされることがない。これにより、ボーナス役の成立があった場合にボーナス役の入賞がなくてもボーナス役成立による価値の付与は次回のゲームに持ち越され、小役に比べて低確率で成立するボーナスゲームによる利益を遊技者が確実に享受できるようになっている。
次に、図12から図14に示すフローチャートを参照して、ボーナスゲーム実行処理(S7)について説明する。ボーナスゲーム実行処理(S7)は、ボーナスゲームに入賞した場合に実行され、入賞役に対応したビックボーナスゲーム(BBゲーム)又はレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に対する制御が行われる。このボーナスゲーム実行処理(S7)では、まず、状態フラグ23aの状態がビックボーナス(BB)を示す値であるか否かが確認され(S81)、状態フラグ23aの状態がビックボーナス(BB)を示す値であると(S81:Yes)、少なくとも1のリールL,M,Rが回転しているか否かを判断する(S82)。判断の結果、いずれのリールL,M,Rも停止していれば(S82:No)、ビックボーナス(BB)に入賞してから最初の基本ゲームが開始されるまでの期間、または先の基本ゲームが終了してから次の基本ゲームが開始されるまでの期間である。このため、液晶表示装置13(13u,13d)が当接位置に配置されているか否かを確認する(S83)。
確認の結果、液晶表示装置13(13u,13d)が当接位置に配置されていなければ(S83:No)、BBゲーム開始のタイミングであるので、上下モータ103(103a,103b)を正方向に駆動して液晶表示装置13(13u,13d)を当接位置に移動させる(S84)。そして、液晶表示装置13が初期位置または部分開放位置から当接位置に移動する時間に応じたウェイト処理を行った後(S85)、乱数カウンタ23bの値に基づいて「水瓶」または「鈴」のいずれかの役を成立させると共に、各リールL,M,Rを始動させるボーナス変動開始処理を実行する(S86)。そして、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、回転している各リールL,M,Rを、ボーナス変動開始処理(S86)で設定された成立役に応じた所定位置で停止させるボーナス変動停止処理を実行し(S87)、その後、ゲーム回数カウンタ23gのカウンタ値が「8」であるか否かを確認する(S88)。
BBゲームは、基本ゲーム8回が実行される期間において実行され、この基本ゲームの実行回数は、ゲーム回数カウンタ23gにて記憶されている。このため、ゲーム回数カウンタ23gの値が「8」に到達していなければ(S88:No)、BBゲームの実行期間中であるので、状態フラグの値をビックボーナス(BB)を示す値としたままこのボーナスゲーム実行処理を終了する。これにより、遊技状態は、BBゲームの状態で継続される。一方、S88の処理で確認した結果、ゲーム回数カウンタ23gの値が「8」に到達していれば(S88:Yes)、BBゲームを終了するタイミングであるので、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が「3」以上であるか否かを確認し(S89)、「3」以上であれば(S89:Yes)、実行されたBBゲームにおいて、「水瓶」の役の成立(「水瓶」への入賞)が連続して3回以上あったことが示されている。よって、再度BBゲームを実行する条件が成立し、再BB成立フラグ23fをオンする(S90)。
次に、ゲーム回数カウンタ23gのカウンタ値と、連続回数カウンタ23hのカウンタ値とをそれぞれ「0」クリアし(S91)、上下モータ103(103a,103b)を逆方向に駆動して液晶表示装置13(13u,13d)を初期位置まで移動させる(S92)。そして、液晶表示装置13が当接位置から初期位置に移動する時間に応じたウェイト処理を行った後(S93)、状態フラグ23aに通常ゲームを示す値を書き込んだ後(S94)、各処理を行って(S95)、このボーナスゲーム実行処理(S7)を終了する。
また、S81の処理で確認した結果、状態フラグ23aの状態がビックボーナス(BB)を示す値でなければ(S81:No)、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に対する制御を行うその他ボーナスゲーム実行処理を実行する(S96)。その後、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)の期間が終了であるか否かを判断して(S97)、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)の期間が終了であれば(S97:Yes)、その処理をS94の処理に移行して状態フラグ23aの値を書換え各処理(S95)を実行後、一方、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)の期間が終了でなければ(S97:No)、そのまま、このボーナスゲーム実行処理(S7)を終了する。
加えて、S82の処理で確認した結果、リールの回転中であれば(S82:Yes)、その処理をS87の処理に移行する。また、S83の処理で確認した結果、液晶表示装置13が当接位置にあれば(S83:Yes)、その処理をS95の各処理に移行し、エラーの検出や正しい位置への液晶表示装置13の復帰などを行う。
更に、S89の処理で確認した結果、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が「3」以上でなければ(S89:No)、実行されたBBゲームにおいて、「水瓶」の役の成立の連続回数が3回未満であったことが示されているので、S90の処理をスキップして、再BB成立フラグ23fをオフのままとして、S91の処理に移行する。
図13は、ボーナス変動開始処理(S86)のフローチャートである。このボーナス変動開始処理(S86)では、3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンしたと判断された場合に、その時の乱数カウンタ23bの値に基づいて「水瓶」または「鈴」のいずれかの役を成立させると共に、各リールL,M,Rを始動させる。
ボーナス変動開始処理(S86)では、まず、マックスベットされているか、即ち、3枚のメダルが投入されているか否かを判断する(S100)。判断の結果、マックスベットされていれば(S100:Yes)、次に、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断する(S101)。スタートスイッチ8aのオン信号を検知していれば(S101:Yes)、遊技者によってスタートレバー8の操作が行われたタイミングであり、成立役を抽選する必要があるので、このタイミングで成立役の抽選として乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「水瓶」の役であるか否かを判断する(S102)。BBゲームにおいては、上記したように「水瓶」または「鈴」のいずれかの役を成立させることとされている。このため、ボーナス変動開始処理(S86)では、乱数カウンタ23bの値に対しBBゲームにおいて用いられる成立役の割り当てに基づいて、成立役が「水瓶」であるか「鈴」であるかを判断する。
その結果、乱数カウンタ23bの値が「水瓶」の役を示す値であると(S102:Yes)、「水瓶」フラグ23e1をオンし(S103)、連続回数カウンタ23hのカウンタ値に「1」加算した後(S104)、ゲーム回数カウンタ23gのカウンタ値に「1」加算して(S105)、左・中・右リール用ステッピングモータ28をそれぞれ駆動して各リールL,M,Rを始動させた後(S106)、このボーナス変動開始処理(S86)を終了する。
一方、S100の処理においてマックスベットされていない場合(S100:No)、及び、S101の処理においてスタートスイッチ8aのオン信号が検知されていない場合には(S101:No)、このボーナス変動開始処理(S86)を終了する。ボーナス変動開始処理(S86)においても、変動開始処理(S3)と同様に、必ず3枚のメダルが投入された状態で1回の基本ゲームを行わせるものであり、3枚のメダルが投入されていない状態においては、成立役の抽選やリールL,M,Rを始動させる等のS101〜S108の処理は、S100の処理によりスキップする。また、スタートスイッチ8のオン信号が検知されてS102以降の処理が行われると、ボーナス変動開始処理(S86)の後に行われる各処理(図12、S95参照)の中でベット数が「0」とされ、ベット数が「0」とされた後に行われる次回のボーナス変動開始処理(S86)においてはS100の処理においてマックスベットされていない状態となる。
また、S102の処理で確認した結果、乱数カウンタ23bの値が「水瓶」の役を示す値でなければ(S102:No)、「鈴」の役の成立である。このため、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が「3」以上であるか否かを確認し(S107)、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が「3」以上でなければ(S107:No)、連続回数カウンタ23hのカウンタ値を0クリアして(S108)、その処理をS105の処理に移行する。一方、連続回数カウンタ23hのカウンタ値が「3」以上であれば(S107:Yes)、「水瓶」の役が連続して3回成立したことが示されており、再度BBゲームの権利が付与されている。このため、S108の処理をスキップして連続回数カウンタ23hのカウンタ値を0クリアせず、このボーナス変動開始処理(S86)を終了する。
図14は、ボーナスゲーム実行処理(S7)の中で実行されるボーナス変動停止処理(S87)を示したフローチャートである。ボーナス変動停止処理(S87)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に起因して、各リールL,M,Rの回転を、前記ボーナス変動開始処理(S86)で選定された成立役に対応した停止位置で停止させるための処理である。
このボーナス変動停止処理(S87)では、まず、リールL,M,Rのいずれかが回転中であるか否かを確認し(S110)、すべてのリールL,M,Rが停止していれば(S110:No)、このボーナス変動停止処理(S87)を終了し、一方、少なくとも1のリールL,M,Rが回転中であれば(S110:Yes)、図柄の変動中であるので、回転中のリールL,M,Rに対してストップスイッチ9L,9M,9Rがオンされたか否かを判断する(S111)。ここで、ストップスイッチ9L,9M,9Rがオンされていなければ(S111:No)、遊技者によるストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を待機している状態であるので、回転中のリールL,M,Rをそのまま回転させておくためにS112以降の処理をスキップして、ボーナス変動停止処理(S87)を終了する。
一方、回転中のいずれかのリールL,M,Rに対応するストップスイッチ9L,9M,9Rがオンされていれば(S111:Yes)、水瓶フラグ23e1がオンか否かを判断し(S112)、水瓶フラグ23e1がオンされていれば(S112:Yes)、「水瓶」の図柄を有効ライン6c上に揃わせるために、オンされたストップスイッチに対応するリールを水瓶用小役成立テーブル22b1に従って停止させる(S113)。
続いて、停止されたリールは何番目のリールであるかを判断し(S114)、3番目のリール停止であると判断されると(S114:3番目)、全てのリールL,M,Rが停止したタイミングであるので、水瓶フラグ23e1をオフしてから(S115)、上下モータ103を逆方向に駆動して液晶表示装置13(13u,13d)を部分開放位置に移動させる(S116)。そして、液晶表示装置13が当接位置から部分開放位置に移動する時間に応じたウェイト処理を行った後(S117)、入賞判定処理(S59)にて実行されるメダル払出処理(S74)と同様のメダル払出処理を実行して(S118)、このボーナス変動停止処理(S87)を終了する。
本実施の形態のメダル払出処理(S118)では、「水瓶」への入賞であっても「鈴」への入賞であっても、15枚のメダルの払い出しが実行される。尚、メダル払出処理(S118)にて払い出されるメダル数は、必ずしも同じ枚数である必要はなく、「水瓶」への入賞にて払い出されるメダル数を「鈴」への入賞により払い出されるメダル数より多くしても、また、少なくしても良い。
更に、S112の処理で確認した結果、水瓶フラグ23e1がオフであれば(S112:No)、「鈴」の図柄を有効ライン6c上に揃わせるために、オンされたストップスイッチに対応するリールを、「鈴」(「鈴」の小役成立フラグ23e)に対応した小役成立テーブル22bに従って停止させ(S119)、その処理をS114の処理に移行する。
また、S114の処理で確認した結果、1番目または2番目のリール停止であると判断されると(S114:1又は2番目)、基本ゲームを終了する(液晶表示装置13の部分開放位置への移動やメダルの払出し)タイミングではないので、S115からS118の処理をスキップして、このボーナス変動停止処理(S87)を終了する。
このように、本実施の形態のスロットマシン1におては、液晶表示装置13を可動可能とし、可変表示の実行中にはリールL,M,Rの前面側を液晶表示装置13にて覆うことができる。ここで、リールの可変表示中は、遊技者は、停止図柄の態様に対する期待感を高める期間であり、停止図柄の停止態様が示唆される可能性のある液晶表示装置13での演出に興味(視認)の対象が移行する。従って、視認対象が液晶表示装置13となる場合に、視認性の良い位置(リールL,M,Rの前面)に液晶表示装置13を配置し、液晶表示装置13に対する良好な視認性を遊技者に提供することができる。また、BBゲームにおいては図柄の停止後に、液晶表示装置13を部分開放位置に移送するので、最後のリールが停止する前に、遊技結果が遊技者に露見してしまうことがなく、遊技者の興趣を遊技の最後まで維持することができる。
なお、請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における変動開始手段としては、各リール用ステッピングモータ28を駆動する処理(図9のS16の処理および図13のS106の処理)が該当する。また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における検出手段としては、スタートスイッチ8a並びにスタートスイッチ8aのオン信号の検知及びマックスベットを確認して役成立の抽選条件の成立か否かを判断する処理(図9のS10及びS11の処理と図13のS100及びS101の処理)が該当する。また、抽選手段としては、上記実施の形態における乱数カウンタ23bとその乱数カウンタ23bの値に基づいて成立役を選定する変動開始処理およびボーナス変動開始処理における各処理(図9のS13,S14及びS18,S19の各処理と図13のS102,S103の処理)が該当する。また、停止制御手段としては、上記実施の形態における主制御基板CのROM22に設けられる各成立テーブル22a〜22cに基づいて各リールL,M,Rを停止させる変動停止処理およびボーナス変動停止処理において各リールL,M,Rを停止させる処理(図10のS52からS57の処理と図14のS111からS113及びS119の処理)を行う主制御基板Cが該当する。また、遊技価値付与手段としては、状態フラグ23aの状態に基づいて実行されるボーナスゲーム実行処理(図12のS88〜S97の処理)、メダル払出処理(図11のS74および図14のS118の処理)、及び、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29が該当する。また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における駆動制御手段としては、BBゲームが開始されると液晶表示装置13を当接位置へ移動させる処理(図12のS84の処理)が該当する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態においては、BBゲームでは、有効ライン6c上に成立役に対応する図柄を停止表示し、かかる有効ライン6c上に整列する図柄を露出させるように液晶表示装置13u,13dの部分開放位置を設定した。成立役を停止表示させる有効ラインは有効ライン6a〜6eのいずれであっても良く、また、液晶表示装置13u,13dの形状や移動動作は、成立役を停止表示させる有効ラインに応じて適宜変更されるものとする。ここで、有効ライン6b,6dのいずれかを成立役を停止表示させる有効ラインとすれば、リールを覆う位置から1方向に液晶表示装置を移動させるだけで、有効ライン6b,6dに表示される図柄を露出させることができ、液晶表示装置の駆動系統を単純にすることができる。
更に、BBゲームにおいて、成立役の抽選は、スタートレバー8の操作タイミングとしたが、これに代えて、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作タイミングにて行っても良い。またかかる場合において、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作を液晶表示装置13にて実行される演出にて指示してもよく、かかる演出の指示にあわせてストップスイッチ9L,9M,9Rの操作が行われたか否かによって、成立役を決定しても良い。これによれば、遊技者が遊技に参加している実感を多いに高めることができる。
また、BBゲームにおいて成立役は、「水瓶」と「鈴」との2種類としたが、成立役は2種類に限定されるものではなく、更なる数の成立役に当選するように構成しても良い。また、かかる場合には、それぞれの成立役に応じて異なる遊技価値が付与されることとして、遊技のバリエーションを多くしても良い。また、停止図柄がある特定の図柄であると、得られた遊技価値(再度のBBゲームの実行)が剥奪されるように構成しても良い。これによれば、一旦得た権利が消滅する恐れを感じながら遊技者は遊技を行うこととなり、BBゲームが終了するまで緊張感をもって遊技を行うことができる。
再度BBゲームが実行されるか否かは、「水瓶」の役の連続成立回数にて規定されたが、これに代えて、特別遊技期間中にトータルの「水瓶」の役の成立回数が所定回数以上である場合を、再度、BBゲームを実行する条件としても良い。また、BBゲームの再実行は、直ちに実行される必要はなく、所定回数の基本ゲームの実行後に行われても良い。
また、BBゲーム中に所定の条件が成立することによって付与される遊技価値は、再度、BBゲームを付与することに限られるものではなく、例えば、メダルの払出枚数(条件成立の場合に多くなるように)で付与されても良い。
更に、BBゲームにおいては、液晶表示装置13が当接位置に到達してからリールL,M,Rの回転が開始されたが、上下モータ103をサブ制御基板Sや表示用制御基板Dにて制御し、主制御基板Cからサブ制御基板Sや表示用制御基板Dにてコマンドを受信することにより移動させるように構成しても良い。これによれば、主制御基板Cの制御によりリールL,M,Rの回転が開始されると、直ちに(リールL,M,Rの回転と並行して)液晶表示装置13を当接位置に移動させることができ、遊技の構成が冗長となることを回避できる。
また、スタートレバー8が操作されてから暫時の間は、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対して入力操作が有った場合にも、リールL,M,Rの停止制御を非実行とするようにしてもよい。これにより、リールL,M,Rの回転が安定してからリールL,M,Rの停止制御を実行でき、停止制御の精度を一定に保つことができる。
また、上記実施例においては、遊技者の操作により図柄の変動開始又は変動停止とを行わせるように構成されていたが、図柄の変動の開始又は停止のいずれか一方を遊技者の操作を必要としないで主制御基板C等のスロットマシン1の制御のみに基づいて行わせても良い。
また、液晶表示装置13を移動させる機構としては、一般的な機構が各種用いられ、例えば、ワイヤー等とワイヤーを巻き取る巻き取り装置とにより吊り下げ高さを変更するものや、油圧式のポンプやエアー式のポンプなどを用いて、液晶表示装置13を上下方向に駆動させる機構が例示される。
また、上記実施の形態において、液晶表示装置13に代えて一般的な各種の表示装置を用いても良く、例えば、プラズマディスプレイ、ブラウン管、LED、更には無機または有機ELを用いた表示装置などが例示される。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプの遊技機(パチンコ機)等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機およびその変形例を示す。
外形を形成する本体と、その本体の前面側に設けられ遊技者によって入力操作が行われる操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示装置と、前記操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示装置による識別情報の変動を開始させる変動開始手段と、その変動開始手段によって識別情報の変動が開始される場合所定の抽選条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により所定の抽選条件の成立が検出されると抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示装置の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示装置の所定領域に識別情報を停止させた場合に、その停止させた識別情報に対応する遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、その遊技価値付与手段により遊技価値が付与される遊技の演出を制御する演出制御手段と、その演出制御手段にて制御され画像情報を出力する画像表示手段とを備えた遊技機において、前記可変表示装置に対向する所定面に沿って前記画像表示手段を移動可能に支持する移動支持部材と、その移動支持部材にて規定される移動方向に、前記画像表示手段を移動させる第1駆動手段と、前記可変表示装置において少なくとも一部の抽選結果に対応する可変表示が開始される場合、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止されるまで、前記可変表示装置の所定領域を覆う被覆位置に前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動して前記画像表示手段を前記被覆位置に移動させる駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、前記駆動制御手段は、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、少なくとも前記可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に、前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動するものであることを特徴とする遊技機2。
可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、駆動制御手段により駆動される第1駆動手段により、画像表示手段は、少なくとも可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に配置される。このため、所定領域に停止された識別情報を確実に確認することができ、視認不能な状態で可変表示が実行されても、実行される遊技に対する不信感を軽減できる。
遊技機2において、前記可変表示装置は、複数の識別情報にて形成される複数の識別情報列を備えており、前記操作手段は、その複数の識別情報列のそれぞれに対応つけて配設され遊技者の入力操作に起因して対応する前記識別情報列の変動停止を指示する停止操作手段を備えており、前記停止制御手段は、前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段による変動停止の指示とに基づいて、前記可変表示装置の所定領域に停止させる複数の識別情報のそれぞれを制御するものであり、前記演出制御手段は、前記画像表示手段が前記被覆位置に配置された場合には、前記停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として前記画像表示手段に出力させるガイド情報出力手段を備えていることを特徴とする遊技機3。
可変表示を停止することにより識別情報が所定領域に停止されるため、開始された可変表示は停止させる必要がある。この停止に対し、遊技者の操作を寄与させることにより、遊技者に遊技に参加している実感を与えることができる。ところが、可変表示装置が覆われていると、可変表示が視認不能となって遊技者に停止操作に対する戸惑いを感じさせてしまいかねない。しかし、遊技機3においては、ガイド情報出力手段により、停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として画像表示手段に出力させることができるので、遊技者は、停止操作手段の入力操作を円滑に実行することができる。
遊技機2または3において、前記遊技価値付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果であった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を付与する特別遊技付与手段を備えており、前記駆動制御手段は、その特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に前記画像表示手段を前記被覆位置と前記部分露出位置とに移動させるように、前記第1駆動手段を駆動することを特徴とする遊技機4。
特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に、画像表示手段を被覆位置と部分露出位置とに移動させるように、第1駆動手段は駆動制御手段により制御される。このため、画像表示手段が移動するというダイナミックな演出により、遊技者には、特別遊技状態に遷移したことを容易に理解させることができる。また、定常的に全ての可変表示に対し画像表示手段を移動するという演出を行う場合に比べて、演出による心理的昂揚感を効果的に遊技者に与えることができる。また、一部の可変表示に対して画像表示手段を移動させることとなるため、駆動機構の消耗を減少させ、ランニングコストを低下させることができる。
遊技機4において、前記特別遊技状態にある場合に前記所定領域に停止させる識別情報の組合せと前記抽選手段による抽選結果とを対応つけて記憶する識別情報記憶手段を備えており、前記停止制御手段は、特別遊技状態にある場合には、前記抽選手段の抽選結果に対応して前記識別情報特別記憶手段に記憶される識別情報の組合せにて前記可変表示装置の所定領域に識別情報を停止させるものであり、前記遊技価値付与手段は、前記特別遊技状態にある場合、停止された識別情報の組合せに対応して予め定めた異なる遊技価値を付与するものであることを特徴とする遊技機5。
特別遊技状態にある場合、停止制御手段により、抽選手段による抽選結果に対応して識別情報記憶手段に記憶される識別情報の組合せにて、可変表示装置の所定領域に識別情報が停止される。そして、停止された識別情報に応じて異なる遊技価値が付与されるので、停止された識別情報が露出する際の遊技者の期待感を高めることができる。尚、識別情報記憶手段に抽選結果と対応して記憶される識別情報の組合せは、可変表示装置の複数の識別情報列の構成により想定される全ての識別情報の組み合わせであってもよく、一部の組み合わせであってもよい。
遊技機5において、前記識別情報記憶手段は、前記抽選手段による抽選結果と、前記識別情報の組み合わせの内予め定めた2の組合せのいずれか一方とを対応つけて記憶するものであり、前記停止制御手段は、特別遊技状態にある場合、前記抽選手段による抽選結果に対応して前記識別情報記憶手段に記憶される識別情報の組合せにて、前記可変表示装置の所定領域に識別情報を停止させるものであり、前記遊技価値付与手段は、前記特別遊技状態にある場合、識別情報が前記識別情報記憶手段に記憶される一方の組み合わせにて停止された場合と他方の組み合わせにて停止された場合とで異なる遊技価値を付与するものであることを特徴とする遊技機6。
特別遊技状態にある場合、停止制御手段により、抽選手段による抽選結果に対応して識別情報記憶手段に記憶される2の識別情報の組合せのいずれか一方にて、可変表示装置の所定領域に識別情報が停止される。停止された識別情報が、2の識別情報の組合せの内の一方と他方とでは異なる遊技価値が、遊技価値付与手段により付与される。従って、簡便な制御機構にて実行できる単純なゲーム構成でありつつ、停止された識別情報にて遊技者に心理的起伏を与えることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機5または6において、前記特別遊技状態の期間中における前記抽選手段による抽選結果を示す結果情報を記憶する結果情報記憶手段を備えており、前記遊技価値付与手段は、その結果情報記憶手段に記憶される結果情報が所定の条件を満足する場合に、今回の特別遊技状態の期間終了後に、新たに特別遊技状態を付与する再付与手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
結果情報記憶手段に記憶される結果情報が所定の条件を満足する場合に、遊技価値付与手段の再付与手段により、今回の特別遊技状態の期間終了後に、新たに特別遊技状態が付与される。所定の条件を満足するか否かは、特別遊技状態の期間中における抽選手段による抽選結果にて判断されるので、特別遊技状態の期間が終了する間際まで高い遊技価値が付与される期待感を持続させることができる。また、特別遊技状態の期間中に実行されるゲームに継続性や関連性を持たせることができる上、今回の特別遊技状態の期間終了後に、新たに特別遊技状態が付与された場合には、遊技者に大きな達成感や満足感を付与し得る。
尚、所定条件としては、停止表示された識別情報の組み合わせが、特定の識別情報の組み合わせであった場合、所定回数以上であった場合、所定回数以上連続した場合など、予め定めた識別情報の組み合わせの出現を条件としても良く、逆に、予め定めた識別情報の組み合わせの非出現を条件としても良い。また、同じ識別情報の組み合わせが所定回数以上あったことや、連続したことを条件としても良い。
遊技機7において、前記特別遊技状態の期間中に前記停止制御手段により連続して所定回数、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が予め定めた特定の組合わせにて停止された場合、前記再付与手段は新たに特別遊技状態を付与することを特徴とする遊技機8。
例えば、特別遊技状態の期間中においては、予め定めた特定の組み合わせの識別情報が断続して出現したトータルの回数が所定回数以上であることを条件にした場合には、特別遊技状態の期間が終了するまで、該特定の組み合わせとなった場合を数え、かつ、記憶しておく必要がある。ところが、特別遊技の期間中は、遊技者は目の前の遊技に熱中しやすいため、該特定の組み合わせの回数のカウント(記憶)に努力を要することも多い。該特定の組み合わせが現出した回数が不明確となると、新たに特別遊技状態が付与されるか否化の認識が不明確となり、遊技者の期待感を高めていくことが難しい。遊技機8においては、これに比して、特別遊技状態の期間中に可変表示装置の所定領域に識別情報が予め定めた特定の組合わせにて、連続して所定回数、停止されたことを条件としているので、必要な結果(識別情報が予め定めた特定の組合わせであったこと)のみを持続的に記憶していくことができる。つまり連続回数はカウントが容易であるので、遊技者が所定条件を満足するか否かを簡便に認識できる上、所定条件を満足することに対する期待感を高めていくことができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記画像表示手段は、独立して移動される複数の小表示手段にて形成されており、前記第1駆動手段は、前記可変表示手段の所定領域の中心部を中心として、前記各小表示手段を離間させる方向と集合させる方向とにそれぞれ移動させるものであることを特徴とする遊技機9。
このため、小型の装置の集合体により大画面を形成することができる。また、各小表示手段をそれぞれ移動させることができるので、1の小表示手段の移動距離を短く、即ち、目的の位置に配置するまでの時間を短くすることができる。このため、遊技中に演出の一環として画像表示手段を移動させても、遊技の構成が冗長となることを回避できる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機10。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機11。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、有価物体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
1 スロットマシン(遊技機)
2 本体(本体の一部)
3 前面扉(本体の一部)
8 スタートレバー(操作手段の一部)
9L,9M,9R ストップスイッチ(操作手段の一部)
13,13u,13d 液晶表示装置(画像表示手段)
81 支柱(移動支持部材の一部)
82 支持軸(移動支持部材の一部)
101,101a,101b ラック(移動支持部材の一部)
103,103a,103b 上下モータ(第1駆動手段)
106,106a,106b ガイド部(第1駆動手段)
L,M,R リール(可変表示装置)
D 表示用制御基板(演出制御手段)
2 本体(本体の一部)
3 前面扉(本体の一部)
8 スタートレバー(操作手段の一部)
9L,9M,9R ストップスイッチ(操作手段の一部)
13,13u,13d 液晶表示装置(画像表示手段)
81 支柱(移動支持部材の一部)
82 支持軸(移動支持部材の一部)
101,101a,101b ラック(移動支持部材の一部)
103,103a,103b 上下モータ(第1駆動手段)
106,106a,106b ガイド部(第1駆動手段)
L,M,R リール(可変表示装置)
D 表示用制御基板(演出制御手段)
Claims (4)
- 外形を形成する本体と、その本体の前面側に設けられ遊技者によって入力操作が行われる操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示装置と、前記操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示装置による識別情報の変動を開始させる変動開始手段と、その変動開始手段によって識別情報の変動が開始される場合所定の抽選条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により所定の抽選条件の成立が検出されると抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示装置の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示装置の所定領域に識別情報を停止させた場合に、その停止させた識別情報に対応する遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、その遊技価値付与手段により遊技価値が付与される遊技の演出を制御する演出制御手段と、その演出制御手段にて制御され画像情報を出力する画像表示手段とを備えた遊技機において、
前記可変表示装置に対向する所定面に沿って前記画像表示手段を移動可能に支持する移動支持部材と、
その移動支持部材にて規定される移動方向に、前記画像表示手段を移動させる第1駆動手段と、
前記可変表示装置において少なくとも一部の抽選結果に対応する可変表示が開始される場合、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止されるまで、前記可変表示装置の所定領域を覆う被覆位置に前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動して前記画像表示手段を前記被覆位置に移動させる駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。 - 前記駆動制御手段は、前記可変表示装置の所定領域に識別情報が停止した場合、少なくとも前記可変表示装置の所定領域を遊技機の前面側において視認可能に露出させる部分露出位置に、前記画像表示手段が配置されるように前記第1駆動手段を駆動するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記可変表示装置は、複数の識別情報にて形成される複数の識別情報列を備えており、
前記操作手段は、その複数の識別情報列のそれぞれに対応つけて配設され遊技者の入力操作に起因して対応する前記識別情報列の変動停止を指示する停止操作手段を備えており、
前記停止制御手段は、前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段による変動停止の指示とに基づいて、前記可変表示装置の所定領域に停止させる複数の識別情報のそれぞれを制御するものであり、
前記演出制御手段は、前記画像表示手段が前記被覆位置に配置された場合には、前記停止操作手段の入力操作をガイドするガイド情報を画像情報として前記画像表示手段に出力させるガイド情報出力手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。 - 前記遊技価値付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果であった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を付与する特別遊技付与手段を備えており、
前記駆動制御手段は、その特別遊技付与手段によって特別遊技状態が付与された場合に前記画像表示手段を前記被覆位置と前記部分露出位置とに移動させるように、前記第1駆動手段を駆動することを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
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