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JP2005350783A - 成形体及び指サック - Google Patents

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Shigeki Tanaka
茂樹 田中
Hiroyasu Sakaguchi
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Abstract

【課題】 本発明は不織布を主体とする変形性に優れ、柔軟性のすぐれた成形体に関する。また、本発明の成形体は表面摩擦係数が大きく、変形性にすぐれるために指サックとして好適に使用可能である。特に、熱可塑性樹脂製不織布に伸縮性を有するシートを積層して成形することで成形性の改善、防汚性の改善を行う。
【解決手段】 50%以上の破断伸度を有し、熱圧着面積が8%以上である目付が200〜1000g/m2の熱可塑性樹脂製不織布を、最大成型深さが1cm以上になるよう3次元立体構造に成形してもちいる。必要により成形性のあるシートを複合して後に成形を行う。指の形状に合わせて成形することで、指サックとして好適に用いることが可能となる。

Description

本発明は変形性と柔軟性に優れた成形体に関する。更に詳しくは、摩擦係数が大きく、変形性に優れ、且つ快適な肌触りを有する、特に指サックに用いて好適な成型体に関する。
従来より、手袋やゼッケンなどの衣料用途、傷テープ基布などの医療関連用途等の人体に関係する用途、又は弾性やクッション性のある成形体としてエンジニアリングプラスティック用途において、熱可塑性ポリウレタン、ブロック共重合ポリエステルエラストマー、スチレン/イソプレン系エラストマー、オレフィン系エラストマ−等によりなる伸縮性不織布やフィルム等が一般的に使用されている(例えば特許文献1)。これらの樹脂は、射出成形は比較的容易に可能であるが、一方で金型などによる熱成形を行うと成形品の寸法のコントロールが難しかったり、深絞り部で切断を生じたりするなどの品質を維持するにあたって問題がある。また、熱可塑性ポリウレタン、ブロック共重合ポリエステルエラストマーは、無孔フィルム状態でも透湿性があり、特にブロック共重合ポリエステルエラストマーは透湿性が高い、摩擦係数が大きく滑りにくいという特性を有しているが、その反面、弾性を有する繊維やフィルムは触ったときにべとつき感のような肌触りがあり、人体と直接接触する用途に用いづらかった。
特に、指サック用途においては、生ゴムやウレタンのラテックスなどを指と相似の試験管形状型の廻りに塗布して乾燥することで形成されたものが用いられているが、長時間使用すると不快感が増し、快適性を具備する素材が求められていた。
特開平8−126663号公報
本発明は、変形性にすぐれた柔軟性のある成形体を提供することを課題とする。また、防滑性があり、人が触れたときに比較的ドライな肌触りがあり、特に指サックなどに好適に使用される成形体を提供することを課題とする。
上述の課題を解決した成形体あるいは指サックを提供するために以下の手段をとる。
すなわち、第1の発明は50%以上の破断伸度を有し、熱圧着面積が8%以上である目付が200〜1000g/m2の熱可塑性樹脂製不織布により構成される3次元立体構造体であって、最大成型深さが1cm以上であることを特長とする成形体である。
第2の発明は、成形される熱可塑性樹脂製不織布の片面に少なくとも一方向の破断伸度が30%以上のシートが積層されたことを特徴とする第1の発明に記載の成形体である。
第3の発明は、熱可塑性樹脂製不織布が長繊維不織布であることを特長とする第1又は第2の発明に記載の成形体である。
第4の発明は、第1〜3の発明の熱可塑性樹脂がポリウレタン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーの何れかであることを特長とする成形体である。
第5の発明は、第2〜4の発明において積層されるシートがハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルを主体とする樹脂であって、不織布の原料である熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする成形体である。
第6の発明はプラグアシスト成形法あるいはプラグアンドリングフォーミング法により成形された第1〜5の発明のいずれかに記載の成形体である。
第7の発明は、第1〜6の発明において成形後の形態が直径5〜30mm、長さ10〜50mmの筒状部を有する成形体である。
第8の発明は、第1〜7の発明に記載の成形体により構成される指サックである。
本発明によれば、通気度が良く蒸れにくい、柔軟性のすぐれた成形体を得ることが可能となる。また、本発明の成形体は摩擦係数が大きく、変形性にすぐれるために指サックとして好適に使用可能である。特に、熱可塑性樹脂製不織布に伸長性の高い樹脂シートを積層して成形することで成形性の改善や防汚性付与を行うことが可能となる。
以下に、本発明を詳細に説明する。まず、本発明においては、高い伸長性を有する熱可塑性樹脂製不織布をベースとした成形体であることが必要である。不織布をベースとすることにより、高い通気性、柔軟性、軽量性を実現できるからである。本発明においては破断伸度が50%以上であることが好ましく、かつ10%伸長時の回復率が50%以上あることがより好ましい。特に人体運動に対する追従性、快適性を確保するためである。
高い伸長性や伸長回復性を得るためには、例えばポリウレタン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等のエラストマー樹脂を用いる事が特に好ましい。特に指サックとして用いる場合には、透湿性に優れたポリウレタンあるいはポリエステル系エラストマーよりなる不織布を用いることにより高い通気性を保持することが可能であり、使用時に蒸れにくく快適に使用できるため好ましい。
また、これらの伸縮性を有する熱可塑性樹脂に顔料、あるいはエルカ酸アミドなどの有機系滑剤、または無機系粒子などを添加する事により、人が触れたときに比較的ドライな肌触りがある不織布を得る事が可能となる。滑剤を使用する場合は添加量が多すぎると滑り性が高すぎて指サックなどでの使用が困難となるので概ね3%以下の添加量に設定する事が好ましい。また、必要に応じて抗菌剤や防臭剤などを練りこむ事も好ましい形態のひとつである。
また、目的を持ってシートに孔あけ加工をしておいたり、滑り性のコントロールや意匠性の改善を目的として印刷などを行っておいたりしてもよい。また、本発明の成形体を指サックとして用いる場合には汚れが目立ちやすいので、顔料を0.05〜10%程度添加しておく事が好ましい。この顔料を添加する事で成形時にある程度塑性変形を生じさせやすくなり寸法精度を高める効果も有する。顔料などの添加物が多すぎると成形時に切断しやすくなるので注意が必要である。
ポリエステル系エラストマーとしては、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステル樹脂が加工性や透湿性にすぐれるために本発明において最も好適に用いられるが、ポリオレフィンやポリアミドなどの異素材の樹脂を0.1〜40%程度ブレンドすることで好適な成形性を得る事が出来る場合があり好ましい形態のひとつである。
また、本発明において成形される熱可塑性樹脂製不織布は、熱圧着押さえ面積比率が8%以上である事が好ましく、より好ましくは16%以上、特に好ましくは30%以上である。成形絞り深さが大きい場合には、全面押さえになるプレーンロールによるカレンダー加工も好ましい。押さえ面積が8%より小さいと、プラグアシスト成形法により製造する場合に、通気度が高すぎて好ましくなく、また成型時に不織布が破れたり、指サックなどとして使用時に毛羽立ちやすくなったりしてあまり好ましくない。押さえ面積が大きいほど成形時の均一性が良くなる傾向にあり好ましい。熱圧着加工は、熱エンボスロールやプレーンカレンダーなどにより加工すればよい。更に、必要に応じて表面に、印刷処理や帯電剤付与、機能性樹脂のコーティングなどの処理を行っても良い。
本発明で成形前の不織布は繊維径が1〜50μm、目付けが200〜1000g/m2の不織布であることが好ましい。特に好ましくは、繊維径が10〜20μmで、目付が200〜1000g/m2である。繊維径が1μmより細いと不織布が磨耗などにより毛羽立ちやすく、エンボス加工などによる後加工を行ってもそれを改善することが難しいために好ましくない。繊維径が50μmより太くなると、本発明が目的とする柔軟な風合いを得ることができず、風合いもゴムライクになり問題であった。本発明者の検討の範囲では、繊維径が3〜15μmの間にある事が特に好ましくかった。また、不織布の目付が200g/m2より小さいと成形後のシートに薄い部分ができたり、また強度が低くなったりするという問題を生じやすくあまり好ましくない。一方、目付けが1000g/m2を超えると重量が重すぎたり、成形時にシワを生じたりするなどの問題を生じやすい。
本発明に係る成形体は、最大成形深さが1cm以上であってもよい。係る形状は産業上広く利用できる形状だからである。好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上である。上限は特に定まるものではないが、100cm以上となると、産業上の利用分野が狭くなる一方で、技術的困難性が伴う。ここで最大成形深さとは、例えば試験管のような凸状又は箱状の形状において、開口部から頂点又は底辺までの長さをいう。
また、本発明の成形体に用いられる不織布と積層して使用される熱可塑性樹脂シートは、厚さ50〜2000ミクロンであることが好ましい。厚みが50ミクロンより薄いと、最大成型深さが1cm以上になるよう3次元立体構造に成形する際に、変形率が大きいところでシートの切断を生じやすくあまり好ましくない。一方、厚みが2000ミクロンより厚いと成形に時間がかかりすぎたり、重量が重すぎたりするためあまり好ましくない。
本発明では、伸縮性や成形性の良い不織布の片面あるいは両面に、少なくとも一方向の破断伸度が30%以上あるシートを積層複合することも好ましい形態の一つである。複合化の手段としては、熱ラミ法や接着剤あるいは熱接着性繊維不織布などを用いて貼り合わせることが可能である。不織布の破断伸度が30%以上であると熱可塑性樹脂シートの変形に追随して破れることなく成形する事が容易となる。貼りあわせる不織布の素材としては、熱可塑性樹脂シートと同一あるいは類似の組成である事が界面剥離の問題が起こり難いので望ましい。あるいは、芯鞘やサイドバイサイドの複合繊維を含む成形性の良い不織布であることが好ましい。水流交絡法やサーマルボンド法により形成された不織布も柔軟な肌触りや成形性の観点から特に好ましい。
本発明の成形体は、形態が直径5〜30mm、長さ10〜40mmの筒状部を有するように成形することで指サックとして好適に用いられる。伸縮性を有するシートを素材に用いているため肌にフィットし、また防滑性にすぐれるために紙をめくったり、物を取り上げたりする操作が容易となる。
本発明のように伸縮性のある素材を1cm以上の成形をするためには、プラグアシスト成形法あるいはプラグアンドリングフォーミング法により成形することが好ましい。当該成形方法を採用することにより、高い成形品の外観寸法、厚みの精度の実現し、且つ成形サイクルの短縮化が可能だからである。また、成形温度は、熱可塑性樹脂シートの融点より3〜60℃程度低い温度で実施する事が好ましい。かかる温度範囲より成形温度が高すぎると、樹脂の分解によるにおいの発生や汚れの問題を生じやすいからである。特に、ウレタン素材を成形する際は匂いの発生が顕著であり換気に注意を要する。発明者の検討の範囲では、ブロック共重合ポリエステル樹脂を用いた場合の成形性が特によく、匂いの問題も無く好適であった。成形寸法精度を高くするためには真空成形を行うことが特に好適である。従って、成形前駆体であるシート状物のフラジール通気度は3cc/cm2秒以下であることが好ましく、特に好ましくは0.2cc/cm2秒未満であった。
本発明で不織布に複合して用いることができる伸縮性シートの製造法としては特に限定されないが、たとえば、融点150〜230℃の間にあるブロック共重合ポリエステルよりなる厚み50〜5000ミクロンのシート(膜)は押し出し成形することにより得る事が可能である。シート単体を作る場合は離型シートの上に押出成形を行えばよい。また、通常のテンターなどによる成形も可能である。押出しラミネート法を用いる場合には、シートの製造と同時に不織布との複合をおこなう事が可能であり特に好ましい形態のひとつである。
本発明において不織布と複合されるシートの原料をウレタンあるいはポリエステルエラストマーにすることで透湿防水性を有することが可能となる。成形性不織布単独あるいはシートとの複合品の特性としては、透湿度が100〜5000g/m2・24時間、耐水圧が500mmAq以上であることが好ましい。透湿度が前記の間にあると、たとえばハウスラップ用途に用いた際に湿度が上がりすぎて結露を生じるという問題がなく,衣料用途など人体と接触する用途では着用時に蒸し暑いなどの問題がなく好ましい。透湿度が5000g/m2・24時間以上でも直接は問題はないが、透湿度を高くする場合には一般にソフトセグメント成分比率が高くなり、紫外線などに対する耐久性、耐候性などが低下しやすいのであまり好ましくない。また、耐水圧が500mmAq以上であると雨などが表面に付着しても内部に水が浸入することがない。
ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステル樹脂をシートにして積層する場合において、シート厚みは透湿度と耐水圧に関係するため本発明の範囲内にあることが好ましい。ポリマー骨格においてソフトセグメント成分が伸縮性の発現に寄与している。この共重合ポリエステルはソフトセグメント部に水分子を吸着させ、アモルファス樹脂層内部を水分子が浸透あるいは拡散していくことより透湿性が得られるものと推定される。例えばソフトセグメントとして、グリコール成分を共重合する量を増やしていくことで透湿度は向上していくが、樹脂自身の強度は低下していく。
成形可能な不織布にハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルよりなる厚み50〜5000μmのシートを押し出しラミネートすることにより、防水性を保ったうえで高い透湿度を無孔フィルム(シート)状態で達成することができる。樹脂の融点は押し出しラミの加工性と透湿度に関係するが、押し出しラミネート加工によりシート層を形成する場合に、該樹脂の融点が150〜230℃の間にあり、MFRが230℃で約30〜300g/10分の間にある樹脂であり、融点より20〜40℃高い温度で加工することが特に好ましかった。
ポリエステルの融点および加工時の見掛けの溶融粘度はソフトセグメントの構造と構成比率により決定されるが、発明者の検討の範囲では、耐水圧や透湿度を所望の値に設定するためにはこの温度域にあることが特に好ましかった。加工温度が高いほどシートと不織布の接着強度を高くすることが可能となる。しかしながら、温度が高すぎるとシートの巾方向およびまたは長手方向での厚みの変動が大きくなり生産が困難となる。樹脂のMFRが230℃で30〜150g/10分の間にあることが好ましい。押し出しラミネート加工時の膜の厚みや幅方向およびまたは長手方向の変動を小さくするためにはこのMFRにあることが好ましい。MFRが300g/10分より高くなると端部の耳ゆれなどの影響により幅の変動が大きくなりあまり好ましくなく、MFRが小さくなりすぎるとシートを本発明の目的とする薄さに生産性良く成形することが困難であとなる。
また、シートと不織布の接着性を良くするために40〜100℃くらいの温度域に不織布を予熱したうえでシートと接触させることも好ましい。更に、製膜性を改善するためにポリオレフィンなどを0.1〜5%程度添加して練りこんだポリマーを用いる事も特に好ましい。
次に本発明を具体的な実施例で説明する。
本発明で使用される測定法は以下のとおりである。
(破断伸度)シート状物を5cmx10cmの矩形に切り出し、有効巾5cm、ゲージ長2.5cmで一定クロスヘッド速度10cm/分により破断伸度を測定した。
(伸長回復率)JIS L 1096 B2法に準じて、無荷重下での初期標線間距離L0に対して10%伸長後に1分間放置してのち除重して標線間距離L1を測定した。残留ひずみ率を以下の式により測定した。
伸長回復率(%)=(L1 − L0) ÷ (L0 × 0.1) × 100
(透湿度)
JIS−L1099の[4.1.1(A−1法)塩化カルシウム使用、φ70mm]により測定した。
(繊維径)
操作型電子顕微鏡により適当な倍率で写真撮影を行い、ランダムに繊維を20〜200程度選んで各繊維の側面間の距離を測定した。撮影倍率より換算して円断面を仮定して繊維径を測定した。
(フラジール通気度)
JIS L 1096 A法(フラジール形法)に準じて測定を行った。
(耐水圧)
JIS L 1092 (高水圧用)に準じて測定を行った。
(実施例1)
東洋紡績株式会社製共重合ポリエステル樹脂のペルプレンP30B(230℃のMFR25、融点160℃)を225℃でスパンボンド法により紡糸して、目付300g/m2のスパンボンド不織布を作成した。さらに、得られた不織布を140℃で熱エンボス加工処理して、押さえ面積40%の不織布を得た。10%伸長時の回復率は95%であり、フラジール通気度は1.2cc/cm2秒、透湿度は9750g/m2・24hr、耐水圧540mmAqあった。作成したシートを200℃に加熱してプラグアシスト法により真空成形して直径12mm、深さ8cmの試験管状に成形を行った。切断やシワ発生などの問題なく成形することが可能であった。当該成形体を用いて直径12mm、長さ25mmの指サックを作成し、使用したところ透湿性があるため蒸れ感を感じることなく快適に使用できた。
(実施例2)
実施例1のスパンボンド不織布に、同一素材よりなる厚み80ミクロンのフィルム (破断伸度280%)を、押出ラミネート法により積層した。実施例1と同様の条件で 、不織布が内側になるように成形を行ったところ問題なく成形できた。得られたシート のフラジール通気度は0cc/cm2、透湿度は1340g/m2・24hr、耐水圧 10000mmAq以上であった。当該成形体を用いて実施例1と同様に指サックとし て使用した場合、内面に不織布があるためにドライ感があり快適に使用できた。
(実施例3)
目付200g/m2のポリエステル系芯鞘繊維不織布(熱圧着面積20%、破断伸度
65%)と、厚み300ミクロンのペルプレンP40Bのフィルムを、接着性不織布(東洋紡績株式会社製ポリアミド系ダイナック20g/m2)により積層した。得られたシートのフラジール通気度は0cc/cm2、透湿度は910g/m2・24hr、耐水圧10000mmAq以上であった。実施例1と同様にして、不織布が内側になるように成形を行ったところ問題なく成形できた。また同様に指サックとして使用した場合ドライ感があり快適に使用できた。
(実施例4)
実施例1において東洋紡績株式会社製共重合ポリエステル樹脂のペルプレンP30Bに0.5重量部のエルカ酸アミドと0.3重量部の酸化チタン粒子0.1重量部をブレンドしておきスパンボンド不織布を作り、実施例1と同様にして熱エンボス加工を行った(破断伸度380%、回復率92%、フラジール通気度は2.5cc/cm2、透湿度は11000g/m2・24hr、耐水圧630mmAq)。実施例1と同様に成形をおこなったところ問題なく成形できた。また同様に指サックとして使用した場合ドライ感があり快適に使用できた。
(実施例5)
実施例1で使用した不織布を用いて、プラグアンドリフォーミング法により成形したところ問題なく成形することができた。また同様に指サックとして使用したところ、ドライ感があり快適に使用できた。
(実施例6)
繊維グレードの熱可塑性ポリウレタンよりなる目付250g/m2のメルトブロー不織布を作成し、実施例1と同様にして150℃でエンボス加工を行った。(破断伸度270%、回復率87%、フラジール通気度は1.3cc/cm2、透湿度は7900g/m2・24hr、耐水圧520mmAq)。実施例1と同様に成形をおこなったところ問題なく成形できた。また同様に指サックとして使用した場合ドライ感があり蒸れ感を感じることなく快適に使用できた。
(比較例1)
実施例1と同様にして得たスパンボンド不織布を、押さえ面積が5%になるようにエンボス加工を実施した(フラジール通気度6.4cc/cm2)。プラグアシスト真空成形法で成形を行った。成形品は、繊維がすりぬけて大きな孔が複数発生した。
(比較例2)
目付280g/m2、伸度43%のポリブチレンテレフタレート樹脂製スパンボンド不織布(フラジール通気度3.0cc/cm2)を成形温度225℃でプラグアシスト成形を実施したところ深絞り部近傍で破断を生じた。また、成型品は風合いが硬く、指サックなどへの応用は困難であった。
本発明によれば、摩擦係数が大きく、変形性にすぐれ、かつ柔軟で、透湿性が良く蒸れにくく、指サック等の産業上広く利用できる形状の成形体が得られ、産業界に寄与すること大である。

Claims (8)

  1. 50%以上の破断伸度を有し、熱圧着面積が8%以上である目付が200〜1000g/m2の熱可塑性樹脂製不織布により構成される3次元立体構造体であって、最大成型深さが1cm以上であることを特長とする成形体。
  2. 成形される熱可塑性樹脂製不織布の片面に少なくとも一方向の破断伸度が30%以上のシートが積層されたことを特徴とする請求項1に記載の成形体。
  3. 熱可塑性樹脂製不織布が長繊維不織布であることを特長とする請求項1あるいは2に記載の成形体。
  4. 請求項1〜3の熱可塑性樹脂がポリウレタン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー何れかであることを特長とする成形体。
  5. 請求項2〜4において積層されるシートがハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルを主体とする樹脂であって、不織布の原料である熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする成形体。
  6. プラグアシスト成形法あるいはプラグアンドリングフォーミング法により成形された請求項1〜5のいずれかに記載の成形体。
  7. 請求項1〜6において成形後の形態が直径5〜30mm、長さ10〜50mmの筒状部を有する成形体。
  8. 請求項1〜7記載の成形体により構成される指サック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5952517B1 (ja) * 2015-02-16 2016-07-13 ピアック株式会社 摩擦性貼付部材
WO2016132602A1 (ja) * 2015-02-16 2016-08-25 ピアック株式会社 摩擦性貼付部材

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