JP2005346965A - 電池及び電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温環境下又は初期充電時などにおける電池の膨れ、及び、充放電を繰返した場合の電解液の枯渇による充放電特性の低下を抑制することができる電池及び電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケース14に収容した電池において、前記ケース14の側壁外面に、底に凸部18を有する凹部16を形成する。前記凹部16及び凸部18は、前記ケース14の側壁外面にプレス加工で凹部16を形成し、形成した凹部16の底にプレス加工で凸部18を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケース14に収容した電池において、前記ケース14の側壁外面に、底に凸部18を有する凹部16を形成する。前記凹部16及び凸部18は、前記ケース14の側壁外面にプレス加工で凹部16を形成し、形成した凹部16の底にプレス加工で凸部18を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケースに収容した電池及び電池の製造方法に関する。
近年、携帯可能な電子機器の高性能化、小型軽量化が進んでおり、これら電子機器に使用する高エネルギー密度の二次電池として、リチウムイオン電池などの非水電解質二次電池の利用が拡大している。しかし、リチウムイオン電池は、初期充電時又は高温環境下における発電要素の膨張が大きく、発電要素の膨張によってケースが変形し、電池の厚みが規定値を超えるという問題が生じている。
発電要素の膨張を抑制する方法として、発電要素をケースに収容した後、プレス加工によってケース側面にへこみを設けた電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図6はケース側面に凹部を設けた従来の電池の概略を示す斜視図であり、図7は図6のB−B線切断断面図である。セパレータ5を介して正極板4及び負極板3を巻回した発電要素2が、長方形状の底及び側壁を有するケース6に収容されており、ケース6の幅広の側面には凹部11が形成されている。ケース6の開口部は、負極端子9を備えた蓋板7を溶着して密封されている。凹部11により、高温環境下又は初期充電時における発電要素2の膨張を抑制することができる。
特許第2619624号公報
しかし、凹部11を形成した場合、ケース内容積が減少するため、十分な電解液を蓄えることができないという問題が生じる。特にリチウムイオン電池においては、高容量化のためにケース6内が高密度化されており、十分な電解液をケース内に蓄えられない可能性が高くなる。十分な電解液が蓄えられない場合、充放電サイクルを繰返した際に、電解液の枯渇などが生じて、充放電特性が低下するという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、底に凸部を有する凹部がケース側壁外面に形成された構成とすることにより、高温環境下又は初期充電時などにおける電池の膨れを抑制できると共に、充放電を繰返した場合の電解液の枯渇による充放電特性の低下を抑制することができる電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記凹部における前記凸部の高さが前記凹部の底から側壁外面までの高さよりも低い構成とすることにより、凹部を有効に使用することができる電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、前記凹部のケース内側の角部の断面を円弧状にすることにより、前記角部が発電要素に傷又は破れなどのダメージを与えることを防止できる電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、ケースの側壁外面に凹部を形成する工程と、形成した凹部の底に凸部を形成する工程とを行って、底に凸部を有する凹部をケース側壁外面に形成することにより、電池の膨れに対する抑制力をより向上させることができる電池の製造方法を提供することを他の目的とする。
第1発明に係る電池は、正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケースに収容した電池において、前記ケースの側壁外面に、底に凸部を有する凹部が形成されていることを特徴とする。
第2発明に係る電池は、第1発明において、前記凹部における前記凸部の高さは、前記凹部の底から側壁外面までの高さよりも低いことを特徴とする。
第3発明に係る電池は、第1又は第2発明において、前記凹部のケース内側の角部の断面が円弧状であることを特徴とする。
第4発明に係る電池の製造方法は、正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケースに収容した電池の製造方法において、ケースの側壁外面に凹部を形成する工程と、ケースの側壁外面に形成した凹部の底に凸部を形成する工程と、前記凹部及び前記凸部を形成したケースに発電要素を収容する工程とを含むことを特徴とする。
第1発明においては、底に凸部を有する凹部をケース側壁外面に形成した場合、ケース内側において凹部が発電要素に接触した状態であっても発電要素と凸部との間に隙間が生じる。前記隙間には、電解液を蓄えることが可能であり、凹部のみをケース側壁に形成した場合と比べて、ケースに蓄えることが可能な電解液量が増加し、充放電を繰返した場合の電解液の枯渇による充放電特性の低下を抑制することができる。また、凹部により、高温環境下又は初期充電時などにおける電池の膨れを抑制できる。
第2発明においては、前記凹部における前記凸部の高さは前記凹部の底から側壁外面までの高さよりも低く、凸部の先端と側壁外面との間に空間が形成される。前記空間には、例えば付属部品を装着又は収容することが可能であり、凹部を有効に使用することができる。
第3発明においては、前記凹部のケース内側の角部の断面が円弧状であるため、前記角部がケース内部の発電要素と接触する際に、前記角部が発電要素に傷を付けるなど、発電要素にダメージを与えることを防止できる。例えば、ケース内への電解液注入工程においては、ケース内部を減圧(排気)して電解液を注入するため、減圧によりケース側壁が発電要素に密着し、凹部が発電要素を圧迫するが、凹部の角部の断面が円弧状であるため、発電要素に押し傷又は破れなどのダメージを与えることを防止できる。また、発電要素をケースに挿入する場合においても、凹部はケース内側へ出張っているため、凹部が発電要素に接触する場合があるが、凹部の角部の断面が円弧状であるため、発電要素に傷又は破れなどのダメージを与えることを防止できる。
第4発明においては、底に凸部を有する凹部をケース側壁に形成する際、一度に形成せずに、まずケースの側壁外面にプレス加工などで凹部を形成し、形成した凹部の底にプレス加工などで凸部の形成を行う。凹部の形成による加工硬化に加え、凸部の形成による加工硬化により、凹部の強度が向上する。そのため、電池の膨れに対する抑制力がより向上し、電池がより膨れ難くなる。
第1発明によれば、高温環境下又は初期充電時などにおける電池の膨れを抑制できると共に、ケースに蓄えることが可能な電解液量が増加し、充放電を繰返した場合の電解液の枯渇による充放電特性の低下を抑制することができる。
第2発明によれば、ケース側壁外面に形成した凹部を有効に使用することができる。
第3発明によれば、前記凹部のケース内側の角部が発電要素に傷又は破れなどのダメージを与えることを防止できる。
第4発明によれば、電池の膨れに対する抑制力がより向上し、電池がより膨れ難くなる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明に係る電池の概略を示す斜視図であり、図2は図1のA−A線切断断面図であり、図3(a)、(b)は図2の要部拡大断面図である。ただし、図3(a)は後述する凹部及び凸部部分の拡大断面図であり、図3(b)は凹部部分の拡大断面図である。電池は、銅集電体に負極合剤を塗布してなる負極板3、及び、アルミ集電体に正極合剤を塗布してなる正極板4が、セパレータ5を介して巻回された扁平巻状の発電要素2と、非水電解液とを、アルミ製のケース14に収容したものである。ケース14は、長方形状の底及び側壁を有し、開口部には負極端子9を備えた蓋板7がレーザー溶接によって溶着されている。また、負極端子9は負極リード10を介して負極板3と接続され、正極板4はケース14の内壁と電気的に接続されている。
前記正極合剤は、例えば正極活物質としてのリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2 と、導電剤としてのアセチレンブラックと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを重量比で91:3:6となるように混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えて撹拌して得た。正極板4は、前記正極合剤を、アルミ箔集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形することにより作製した。
また、前記負極合剤は、グラファイト(黒鉛)と、バインダーとしてのPVDFとを重量比で90:10となるように混合し、NMPを適量加えて得た。負極板3は、前記負極合剤を、銅箔集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレスして作製した。
セパレータ5には、ポリエチレン製微多孔膜を用いた。また、電解液には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比が3:7の混合溶媒に、LiPF6 を1mol/l溶解させたものを用いた。
ケース14のサイズは、例えば縦幅が40mm、横幅が30mm、厚さが5mm、肉厚が0.2〜0.3mmである。また、ケースの4つの側壁のうち広い方の2つの側壁外面には、プレス加工によって、底に凸部18を有する凹部16が形成されている。凹部16は、例えば縦幅30mm×横幅20mmの長方形状であり、底からケース14外面までの高さは0.2〜0.3mmである。また、凸部18は、例えば縦幅20mm×横幅10mmの長方形状であり、先端からケース14外面までの高さは0.05〜0.15mmである。
また、凹部16及び凸部18は、発電要素2を収容する前に2回のプレス加工によって形成されており、1回目のプレス加工で凹部16を形成し、2回目のプレス加工で凸部18を形成する。また、凹部16のケース14内側の角部16aの断面は、例えば曲率半径が0.5〜1.0mmの円弧状に形成されている。凹部16及び凸部18を形成したケース14の開口部から発電要素2を挿入し、挿入後に開口部を蓋板7で密封する。なお、電解液は、ケース14に形成された図示しない注液口から注入し、注入後に前記注液口を密封する。
ケース14に凹部16を設けることにより、高温環境下又は初期充電時の発電要素2の膨張を抑制し、電池の膨れを抑えることができる。また、凹部16の底に凸部18を設けることにより、図3(a)、(b)に示すように、発電要素2と凸部18との間に隙間19が生じ、該隙間19に電解液を蓄えることができる。隙間19に蓄えられた電解液は、徐々に発電要素2へ浸透していく。
また、凹部16及び凸部18は2回のプレス加工に分けて形成されているため、1回目の凹部16のプレス加工による加工硬化に加えて、2回目の凸部18のプレス加工による加工硬化によって、凹部16の強度が向上しており、電池の膨れを更に良好に抑制することができる。また、凸部18の先端はケース14外面よりも低いため、図3(a)、(b)に示すように、凸部18先端とケース14外面との間に空間17が生じ、該空間17に付属部品などを装着又は収容することができる。また、凹部16のケース14内側の角部16aを円弧状にすることにより、角部16aが発電要素2に傷を付けることを防止できる。
また、上述した実施の形態においては、凹部16及び凸部18を2回に分けて形成したが、底に凸部18を有する凹部16を1度のプレス加工でまとめて形成することも可能である。この場合、1度のプレス加工で済むため製造コストは低下するが、1度のプレス加工による加工硬化しか生じないため、凹部16の強度は2回プレス加工を行う場合よりも低下する。
また、上述した実施の形態においては、凸部18の先端をケース14外面よりも低くしているが、凸部18の先端をケース14外面と同じ高さにすることも可能である。この場合は、発電要素2と凸部18との間の隙間19が増加し、隙間19に蓄えることが可能な電解液量は増加するが、凸部18とケース表面14との間の空間17は減少し、空間17を有効に使用できなくなる。
上述した実施の形態においては、四角形状の凸部18を例にして説明したが、凸部18の形状は四角形状に限定はされず、多角形などの任意形状にすることが可能である。図4は本発明に係る電池の概略を示す斜視図である。図4においては、凹部16の底に三角形状の凸部22が形成されている。また、上述した実施の形態においては、四角形状の凹部16を例にして説明したが、凹部16の形状は四角形状に限定はされず、多角形などの任意形状にすることが可能である。図5は本発明に係る電池の概略を示す斜視図である。図5においては、三角状の凹部24が形成されている。なお、凹部及び凸部の両方を三角形状にすることも勿論可能である。また、凹部の底に複数の凸部を形成することも可能である。
2 発電要素
3 負極板
4 正極板
5 セパレータ
6 ケース
7 蓋板
9 負極端子
10 負極リード
16、24 凹部
18、22 凸部
3 負極板
4 正極板
5 セパレータ
6 ケース
7 蓋板
9 負極端子
10 負極リード
16、24 凹部
18、22 凸部
Claims (4)
- 正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケースに収容した電池において、
前記ケースの側壁外面に、底に凸部を有する凹部が形成されていることを特徴とする電池。 - 前記凹部における前記凸部の高さは、前記凹部の底から側壁外面までの高さよりも低いことを特徴とする請求項1記載の電池。
- 前記凹部のケース内側の角部の断面が円弧状であることを特徴とする請求項1又は2記載の電池。
- 正極及び負極を有する発電要素を、底及び側壁を有するケースに収容した電池の製造方法において、
ケースの側壁外面に凹部を形成する工程と、
ケースの側壁外面に形成した凹部の底に凸部を形成する工程と、
前記凹部及び前記凸部を形成したケースに発電要素を収容する工程と
を含むことを特徴とする電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004162201A JP2005346965A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | 電池及び電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=35499156
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Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-05-31 JP JP2004162201A patent/JP2005346965A/ja active Pending
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