JP2005237291A - 健康食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 食物繊維が手軽に摂取でき、抗酸化活性にも優れ、風味に優れた食品を提供するとともに、素材の組合せにより抗酸化活性等の効果を低下させることのない健康食品を提供する。
【解決手段】 本発明の健康食品は、麦若葉加工物と松樹皮抽出物物を含有し、さらに黒糖と水溶性食物繊維を含有させることで、抗酸化活性の高い健康食品を得ることができる。特に、麦若葉乾燥粉末の乾燥重量100重量部に対し、松樹皮抽出物が0.1〜20量部含まれる、抗酸化活性の高い健康食品を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の健康食品は、麦若葉加工物と松樹皮抽出物物を含有し、さらに黒糖と水溶性食物繊維を含有させることで、抗酸化活性の高い健康食品を得ることができる。特に、麦若葉乾燥粉末の乾燥重量100重量部に対し、松樹皮抽出物が0.1〜20量部含まれる、抗酸化活性の高い健康食品を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、麦若葉加工物と松樹皮抽出物と黒糖と水溶性食物繊維とを含有する健康食品に関する。
近年では、食を改善することで生活習慣病や老化を防止しようとする試みが数多くなされている。特に、肉食中心になりがちな現在の食生活を改善するために、積極的に野菜や食物繊維を取ることが推奨されている。食物繊維を手軽に摂取する食品として、緑葉、例えば麦若葉やケールなどを原料とした青汁が開発され、その需要が拡大している。(例えば特許文献1)。また、老化を防ぐ成分としては、抗酸化活性を持つポリフェノール類の摂取が推奨されており、中でも松樹皮抽出物は、抗酸化活性の高いポリフェノールを含有するため、好ましく用いられている(例えば特許文献2)。このような松樹皮抽出物と麦若葉を健康食品として組合わせることで食物繊維を手軽に摂取でき、さらに松樹皮抽出物や麦若葉加工物がそれぞれ有する抗酸化活性等の効果が期待される。
特開2002−51731
特開2003−146899
しかし、単に麦若葉加工物と松樹皮抽出物を配合しただけでは、麦若葉加工物や松樹皮抽出物が有する抗酸化活性等の効果が相殺されてしまう問題点を有することが分かり、また、松樹皮抽出物は独特の収斂味を有するという点からも、組み合わせて食品として利用することは食品として摂取する上で困難でもあった。
そこで本発明者等は、上記の組合せに付いて鋭意検討を行ったところ、ポリフェノールを含有する松樹皮抽出物と麦若葉加工物を含有する食品へ黒糖および水溶性食物繊維を含有させることで、麦若葉加工物や松樹皮抽出物の持つ抗酸化活性等の効果の低減を防止し、又、食品としての嗜好性も向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、麦若葉加工物と松樹皮抽出物と黒糖及び水溶性食物繊維を含有することを特徴とする健康食品に関する。
さらに好ましくは、麦若葉加工物の乾燥重量100重量部に対し、松樹皮抽出物が0.1〜20重量部含まれる、健康食品に関する。
本発明によれば、麦若葉加工物および松樹皮抽出物に黒糖および水溶性食物繊維を加えることにより、松樹皮抽出物の独特の風味が改善されると共に、麦若葉加工物と松樹皮抽出物との組合せによって抗酸化活性等効果を低下させることなく、かつ、嗜好性も向上させることができる。その結果、食物繊維が手軽に摂取できるだけでなく、抗酸化活性にも優れ、さらに風味にも優れた健康食品が提供される。
以下本発明について説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
(A)麦若葉加工物
本発明において用いられる麦若葉由来の素材としては、麦若葉末、麦若葉の細片化物およびその乾燥粉末、麦若葉搾汁およびその乾燥粉末、麦若葉のエキスおよびその乾燥粉末などがある。これらの原料としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、えん麦などの麦類の若葉(茎を含んでも良い)が用いられ、その内でも大麦が好ましく用いられる。
本発明において用いられる麦若葉由来の素材としては、麦若葉末、麦若葉の細片化物およびその乾燥粉末、麦若葉搾汁およびその乾燥粉末、麦若葉のエキスおよびその乾燥粉末などがある。これらの原料としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、えん麦などの麦類の若葉(茎を含んでも良い)が用いられ、その内でも大麦が好ましく用いられる。
麦若葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期(背丈が20〜40cm程度)に収穫されることが好ましい。これらの麦若葉の中でも、栄養価の高い大麦の若葉がより好ましく用いられる。
麦若葉は、収穫後、直ちに処理されることが好ましい。処理までに時間を要する場合、麦若葉の変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵される。
上記麦若葉を、水(好ましくは25℃以下の冷水)で洗浄し、泥などを洗い落とし、水気を切った後、適当な長さ(例えば、5cm〜10cm)に切断する。
次いで必要に応じて、さらに麦若葉の緑色の褪色や栄養成分の変質に関与する酵素を失活させるために、熱水処理や蒸熱処理のようなブランチング処理が行われる。このときの処理の温度および時間は、処理する麦若葉の量および熱水のpHに応じて適宜決定すればよい。
ブランチング処理された麦若葉は、緑色および風味を維持する上で、直ちに冷却することが好ましい。冷却は、冷却水中に浸漬する、冷風を当てて急冷するなど、当業者が通常用いる手段で行われる。冷却水への浸漬処理は、30℃以下の水、好ましくは20℃以下の水を用いて行われる。冷水の温度が低いほど、麦若葉の緑色が映えるようになり、見た目に美しい。浸漬時間は、麦若葉の処理量に応じた任意の時間である。
次いで、麦若葉の乾燥粉末とする場合は、水分含量が5重量%以下になるように乾燥を行う工程であり、例えば、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥などの当業者が通常用いる任意の方法により行われる。製造上のコストの面からは、熱風乾燥が最も好ましい。なお、高温で乾燥する場合、乾燥は90℃以下で行う。
上記乾燥工程は、2段階で行うことが好ましい。乾燥を2段階で行う場合は、麦若葉の水分含量が5重量%より多く25重量%以下となるまで60〜80℃の温度で一次乾燥した後、該一次乾燥した麦若葉の水分含量が5重量%以下となるまで一次乾燥よりも高くかつ90℃以下の温度で二次乾燥することが好ましい。乾燥温度が60℃未満では、乾燥速度が遅くなり、90℃を超えると、焦げなどが生じやすいので、好ましくない。この2段階の乾燥工程を行うことにより、乾燥時間が短縮されると同時に、麦若葉の緑色および風味が維持される。また、温度差を上記のように一定範囲に設定することにより、乾燥工程にお麦若葉麦若葉の水分管理が容易になり、効率的に乾燥が行われる。
上記乾燥工程のみでも、風味が損なわれることはないが、上記ブランチング処理と乾燥処理とを組み合わせることにより、緑色および風味がさらに長時間維持される麦若葉末が得られる。
乾燥した麦若葉は、次に粗粉砕工程、加熱工程、および微粉砕工程を経て、麦若葉乾燥微粉末とされる。
粗粉砕工程は、乾燥した麦若葉をカッター、スライサー、ダイサーなどの当業者に公知の任意の機械または道具により、乾燥した麦若葉をカットする工程である。カットされた麦若葉の大きさは、長径が20mm以下であり、好ましくは0.1〜10mmである。
続いて、粗粉砕した麦若葉は加熱工程によって加熱処理が施される。加熱処理は、110℃以上で行われ、殺菌処理を兼ねる。殺菌処理としては、高圧殺菌、加熱殺菌、加圧蒸気殺菌などが挙げられる。本発明の場合は、乾燥および粗粉砕した麦若葉を殺菌するため、加圧蒸気殺菌が好ましい。粗粉砕後、加熱処理を施すことにより、麦若葉の香味を良好にすることができる。
加熱処理された麦若葉は、次に、必要に応じて90重量%が200メッシュ区分を通過するように、微粉砕される。微粉砕は、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などの当業者が通常用いる任意の機械または道具を用いて行われる。微粉砕することにより食感がよくなることは周知であり、本発明の方法のように、粗粉砕、加熱、および微粉砕の工程を順に経ることにより、液状の食品形態にしたとしても、さらに食感がよくなる。
またこのような2段階の粉砕方法を採用することにより、粒度の均一化、粉砕時間の短縮など、粉砕効率を上げることができる。
上記のようにして得られた麦若葉は、さらに、必要に応じて、例えば、通常の気流殺菌処理、高圧殺菌処理、マイクロウェーブ処理、加熱殺菌処理などの当業者に公知の任意の技術により殺菌され得る。麦若葉搾汁は例えば、ケールそのものまたは細片化した段階で圧搾して搾汁とし、これを乾燥粉末化したものが麦若葉搾汁粉末である。
(B)松樹皮抽出物
本明細書の松樹皮抽出物は、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とするプロアントシアニジンが含有されており、特に重合度が2〜4と縮重度の低いプロアントシアニジン(オリゴメリック・プロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin、以下単にOPCという)を含有する。OPCは、ポリフェノールの一種で、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果物の皮もしくは種の部分に集中的に含まれている。OPCは、ヒトの体内では、生成することのできない物質である。
本明細書の松樹皮抽出物は、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とするプロアントシアニジンが含有されており、特に重合度が2〜4と縮重度の低いプロアントシアニジン(オリゴメリック・プロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin、以下単にOPCという)を含有する。OPCは、ポリフェノールの一種で、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果物の皮もしくは種の部分に集中的に含まれている。OPCは、ヒトの体内では、生成することのできない物質である。
OPCを豊富に含む抽出物に用いる松樹皮としては、フランス海岸松(Pinus
Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物の樹皮抽出物が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus
Martima)の樹皮抽出物が好ましい。
Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物の樹皮抽出物が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus
Martima)の樹皮抽出物が好ましい。
フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、プロアントシアニジン、有機酸、ならびにその他の生理活性成分などを含有し、その主要成分であるフラボノイド類のプロアントシアニジンは、活性酸素を除去する強い抗酸化作用を有する。
松樹皮抽出物は、上記の松樹皮を水または有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,2−トリクロロエテンが挙げられる。これらの水および有機溶媒は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール、および含水プロピレングリコールが好ましく用いられる。
松樹皮の抽出物を得る方法は、特に制限されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法など当業者が用いることのできる方法を採用することができる。
松樹皮からの抽出は、これらの複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
本発明に用いられる松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法により調製されるが、これは例示であり、この方法に限定されない。
フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナトリウムの飽和溶液3Lに入れ、100℃にて30分間抽出し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液を濾過し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500mLで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液と洗浄液を合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。
次いで、この粗抽出液に酢酸エチル250mLを添加して分液し、酢酸エチル層を回収する工程を5回行う。回収した酢酸エチル溶液を合わせて、無水硫酸ナトリウム200gに直接添加して脱水する。その後、この酢酸エチル溶液を濾過し、濾液を元の5分の1量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル溶液を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸エチル100mLに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、例えば、2〜4量体のOPCを20重量%以上含み、かつカテキン類を5重量%以上含有する、約5gの松樹皮抽出物を得ることができる。また、安全性の面からは、松樹皮を熱水やエタノールまたはこれらの混合物で抽出した後に、合成吸着剤(ダイヤイオンHP20など)を用いて抽出することが好ましい。
本発明に用いられる松樹皮抽出物には、重合度の低い縮重合体が多く含まれるものが好ましく用いられる。重合度の低い縮重合体としては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体;すなわち、OPC)がさらに好ましい。
(C)黒糖
本発明の健康食品のもう一つの必須成分は黒糖である。黒糖は、さとうきびや甜菜等の搾汁を煮詰めて得られる、搾汁の濃縮物である。ショ糖部分を精製した上白糖等とは違い、ショ糖以外の成分、いわゆる糖蜜を含有した含蜜糖である。また、上白糖を製造する際に生じる副産物の糖蜜のみであってもよい。また、形態としては、粉末状であることが好ましい。本発明で用いられる黒糖は、糖蜜の含有量が高いものが好ましい。これは、糖蜜が、嗜好性が高いだけでなく、ビタミンB1やB2、マグネシウム、カリウムなど約5〜20重量%の糖質以外の成分を含むからである。
本発明の健康食品のもう一つの必須成分は黒糖である。黒糖は、さとうきびや甜菜等の搾汁を煮詰めて得られる、搾汁の濃縮物である。ショ糖部分を精製した上白糖等とは違い、ショ糖以外の成分、いわゆる糖蜜を含有した含蜜糖である。また、上白糖を製造する際に生じる副産物の糖蜜のみであってもよい。また、形態としては、粉末状であることが好ましい。本発明で用いられる黒糖は、糖蜜の含有量が高いものが好ましい。これは、糖蜜が、嗜好性が高いだけでなく、ビタミンB1やB2、マグネシウム、カリウムなど約5〜20重量%の糖質以外の成分を含むからである。
(D)水溶性食物繊維
本発明の健康食品は、さらに水溶性食物繊維を含有する。上記の(A)麦若葉末には食物繊維が含まれているが、その大部分が不溶性食物繊維である。よって、水溶性食物繊維を含有させることで、水溶性と不溶性の割合がよくなり、腸管における栄養分の吸収や排泄等の作用を変化させることができ、これによって血中の抗酸化活性等の効果が得られやすくなるものと考えられる。
本発明の健康食品は、さらに水溶性食物繊維を含有する。上記の(A)麦若葉末には食物繊維が含まれているが、その大部分が不溶性食物繊維である。よって、水溶性食物繊維を含有させることで、水溶性と不溶性の割合がよくなり、腸管における栄養分の吸収や排泄等の作用を変化させることができ、これによって血中の抗酸化活性等の効果が得られやすくなるものと考えられる。
本発明の食物繊維に用いられる水溶性食物繊維としては、ペクチン、グアガム、サイリウム、ガラクトマンナン、キシログルカン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、低分子アルギン酸、低分子グアガム、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、プルラン、ファイパロン、コンドロイチン硫酸などが挙げられる。また、これらの精製品に限らず、水溶性食物繊維を多量に含む他の食品素材も本発明の水溶性食物繊維として用いられる。中でも難消化性デキストリンが好ましく用いられる。
(本発明の健康食品)
本発明の健康食品に含まれる松樹皮抽出物は、麦若葉加工物の乾燥重量100重量部に対して0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部含有させることことが好ましい。0.1重量部より少ないと松樹皮抽出物の抗酸化活性等の効果が得られにくくなり、10重量部より多いと、樹皮特有の収斂味が強くなり、水溶性食物繊維や黒糖を添加しても嗜好性を改善することが困難になるためである。
本発明の健康食品に含まれる松樹皮抽出物は、麦若葉加工物の乾燥重量100重量部に対して0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部含有させることことが好ましい。0.1重量部より少ないと松樹皮抽出物の抗酸化活性等の効果が得られにくくなり、10重量部より多いと、樹皮特有の収斂味が強くなり、水溶性食物繊維や黒糖を添加しても嗜好性を改善することが困難になるためである。
また黒糖は、本発明の麦若葉加工物の乾燥重量100重量部に対し2〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部含有させることが好ましい。3重量部より少ないと、麦若葉と松樹皮抽出物の抗酸化活性の低下を抑制できなくなり、30重量部より多いと、含有量に見合った黒糖の効果を得られないだけでなく、糖の含有量が高くなり過ぎてしまうからである。
さらに、水溶性食物繊維は、麦若葉加工物の乾燥重量100重量部に対し、50〜500重量部、より好ましくは100〜300重量部含有させることが好ましい。このような範囲が好ましいのは、水溶性食物繊維が100重量部より少ないと、黒糖と同様に血液の抗酸化活性の低下を防止しなくなることがあるからである。また、水溶性食物繊維が300重量部より多いと、腸管の通過時間が早くなりすぎて、吸収がかえって阻害される可能性があるためである。
すなわち、麦若葉加工物と松樹皮抽出物へ添加される黒糖と水溶性食物繊維の割合は、水溶性食物繊維100重量部に対し、0.4〜100重量部、好ましくは1.5重量部〜30重量部となるように含有されることが好ましい。
上記の各成分を含む本発明の健康食品は、そのまま用いられるか、あるいは賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などと混合され得る。例えば、栄養補助剤として、ローヤルゼリー、ビタミン類、プロテイン、キトサン、レシチンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加え、味を整えることができる。そしてこれらは、必要に応じて、ハードカプセル、ソフトカプセルのようなカプセル剤、錠剤、もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒状、飴状などの形状に成形され得る。そしてこれらは、その形状または好みに応じて、そのまま食されても良いし、水、湯、牛乳などに溶いて飲んでも良い。なお、本発明の健康食品の摂取量は、特に制限はないが、麦若葉乾燥粉末の乾燥重量で成人1日あたりの摂取量が0.5〜15g摂取することが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明がこの実施例により制限されないことはいうまでもない。
(実施例1:食品の調整)
麦若葉乾燥粉末とOPCを乾燥重量で40重量%含有する松樹皮抽出物(以上、株式会社東洋新薬)と黒砂糖(上野砂糖株式会社)と水溶性食物繊維(難消化性デキストリン、松谷化学工業株式会社)と還元麦芽糖とを用いて表1に示す配合量で、混合粉末1〜6を調製し、それぞれ10mLに溶解した。なお、表1中「−」は、該当する成分を添加していないことを示している。
麦若葉乾燥粉末とOPCを乾燥重量で40重量%含有する松樹皮抽出物(以上、株式会社東洋新薬)と黒砂糖(上野砂糖株式会社)と水溶性食物繊維(難消化性デキストリン、松谷化学工業株式会社)と還元麦芽糖とを用いて表1に示す配合量で、混合粉末1〜6を調製し、それぞれ10mLに溶解した。なお、表1中「−」は、該当する成分を添加していないことを示している。
(実施例2:血中SOD活性試験)
上記混合粉末1〜6を用いて、以下のようにして血中のSOD活性を測定した。
上記混合粉末1〜6を用いて、以下のようにして血中のSOD活性を測定した。
7週齢の雄性ラット18匹を基本飼料(MF飼料、オリエンタル酵母工業株式会社)で1週間馴化した後に、16時間絶食させ、尾静脈より血液を採取し、SODを測定キット(SODテストワコー、和光純薬株式会社製)を用いて測定し、平均値が同様になるように6群に分けた。ついで、前記混合粉末1〜6をそれぞれ含有する溶液を10mL/kg体重となるようにゾンデにて経口投与し、投与後45分に再度採血を行い、SOD活性を測定し、投与前に対するSOD活性の増加率を下記[数1]により算出した。結果を表2に示す。なお値は平均値である。
表2の結果から、麦若葉乾燥粉末および松樹皮抽出物を含有する混合粉末4のSOD活性化能は、松樹皮抽出物のみを含有する混合粉末3よりも低く、さらにケール乾燥粉末のみを含有する混合粉末2のSOD活性化能は低下していることがわかる。このことから、麦若葉乾燥粉末と松樹皮抽出物とを混合して用いることにより、麦若葉及び松樹皮抽出物が有するSOD活性化能が阻害されてことが分かる。これに対し、本発明の混合粉末1は、麦若葉乾燥粉末および松樹皮抽出物の混合物に黒糖及び水溶性食物繊維を含有させることにより、この混合物では抑制されていたSOD活性化能を回復していた。すなわち、本発明の健康食品は、摂取することで優れた血中抗酸化作用を有することが分かる。
(実施例2:嗜好性の評価)
下記表3に記載の食品1〜4(顆粒品)を製造し、各食品3gを100mLの水へ溶解して飲料を調製し、この飲料を5人のパネラー試飲してもらい、各飲料の風味について、好ましいまたは好ましくないか、若しくはどちらともいえないかについて解答してもらった。結果を表4に示す。
下記表3に記載の食品1〜4(顆粒品)を製造し、各食品3gを100mLの水へ溶解して飲料を調製し、この飲料を5人のパネラー試飲してもらい、各飲料の風味について、好ましいまたは好ましくないか、若しくはどちらともいえないかについて解答してもらった。結果を表4に示す。
表4の結果から、本発明の食品が最も嗜好性の面からも好ましいことがわかる。又パネラーからは、松樹皮抽出物の独特な収斂味が大きく改善し、麦若葉の風味と相俟って飲みやすいとの意見もあった。
本発明の健康食品は、麦若葉加工物と松樹皮抽出物と黒糖と水溶性食物繊維を含有し、麦若葉加工物または松樹皮抽出物の持つ血液中の抗酸化活性等の低下を抑制することができるだけでなく、嗜好性にも優れた健康食品として利用することができる。
Claims (2)
- 麦若葉加工物と松樹皮抽出物と黒糖と水溶性食物繊維とを含有することを特徴とする、健康食品。
- 麦若葉乾燥粉末の乾燥重量100重量部に対し、松樹皮抽出物が0.1〜20量部含まれる、請求項1に記載の健康食品。
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