JP2005234129A - 液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDFInfo
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Abstract
じることがなく、特に、上下に用いる基板の線膨張係数が異なる場合であっても、光熱硬
化後に上下基板の位置ずれがほとんど生じることがないため、液晶表示不良を起こさず、
信頼性の高い液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液
晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリレート基とエポキシ基とを有する硬化性樹脂、光ラジカル
重合開始剤、及び、熱硬化剤を含有する液晶表示素子用シール剤であって、光硬化させた
硬化物のガラス転移温度が80℃以上であり、前記硬化物の0〜150℃の温度範囲にお
ける線膨張係数の最大値が2.0×10−4mm/mm/℃以下である液晶表示素子用シ
ール剤。
【選択図】 なし
Description
あっても、光熱硬化後に上下基板の位置ずれがほとんど生じることがないため、液晶表示
不良を起こさず、信頼性の高い液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化
性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子に関する。
置として液晶パネルの開発は盛んである。液晶パネル等の液晶表示素子は、配向膜を塗布
した2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封
着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、液晶
注入口を封止剤で封止することにより作製されていた。
このような液晶表示素子の製造に用いられるシール剤としては、例えば、特許文献1や特
許文献2等には、エポキシ樹脂を主体とする熱硬化型シール剤が提案されている。
処理を数時間要することから、加熱で生じた歪によりガラス等からなる透明基板に対する
接着性の低下、透明基板間のギャップのばらつき、上下の透明基板の位置ずれ等が発生し
、近年の高品位液晶表示セルにおいては特に大きな問題となっている。
タクリル化物を主成分とする光硬化と熱硬化とを併用する液晶表示素子の製造に用いられ
るシール剤も提案されている。
上下の透明基板がシール剤で速やかに固定されるため、前述の熱硬化型シール剤を用いた
場合の問題が軽減され、更に、加熱に長時間を要しないということから製造作業の上でも
利点が存在する。
しかし、このような光熱併用型シール剤を用いた場合であっても、光硬化させ更に熱硬化
させる際に、光硬化したシール剤が軟化し、また、大きく膨張して変形することで上下の
透明基板の位置ずれが発生することがあった。
ンTFTは高温プロセス(1000℃程度)で作製するため、TFT素子が配置される基
板(駆動基板)の材料としては、耐熱性に優れた石英が用いられている。一方、駆動基板
に対向する基板(対向基板)の材料としては、石英よりも低価格なガラス、例えば、ネオ
セラムを使用して液晶表示素子の低価格化が図られている。
このような上下の基板が異なる材料からなる場合、これらの基板の線膨張係数は互いに異
なるため、上述した光熱併用型シール剤を用いて液晶表示素子を製造した場合であっても
、基板の貼り合わせ工程において、上下の基板に大きな位置ずれが発生するという問題が
あった。
ール剤が軟化すること、及び、上下の基板の伸縮量が異なるため、軟化したシール剤が上
下の基板の伸縮に合わせてその形状が大きく変形して硬化することが原因であり、このよ
うな上下の基板の位置ずれが大きくなると近年の画素密度の高い液晶表示パネル等におい
てはコントラストの低下につながる致命的な問題であった。
ずれがほとんど生じることがなく、特に、上下に用いる基板の線膨張係数が異なる場合で
あっても、光熱硬化後に上下基板の位置ずれがほとんど生じることがないため、液晶表示
不良を起こさず、信頼性の高い液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化
性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供する
ことを目的とする。
開始剤、及び、熱硬化剤を含有する液晶表示素子用硬化性樹脂組成物であって、光硬化さ
せた硬化物のガラス転移温度が80℃以上であり、前記硬化物の0〜150℃の温度範囲
における線膨張係数の最大値が2.0×10−4mm/mm/℃以下である液晶表示素子
用硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
た硬化物が、所定の温度以上のガラス転移温度を有するとともに、所定の値以下の線膨張
係数を有すると、これを液晶表示素子製造用のシール剤として用い、液晶表示素子の上下
基板としてそれぞれ線膨張係数の異なる基板を用いた場合であっても、基板同士の位置ず
れが起こらないことを見出し、本発明を完成するに至った。
有する硬化性樹脂を含有する光硬化性と熱硬化性とを併せ持つ光硬化、熱硬化併用タイプ
の硬化性樹脂組成物である。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、光硬化させた硬化物(以下、光硬化物とも
いう)のガラス転移温度の下限が80℃である。80℃未満であると、シール剤として使
用し、上記光硬化物を加熱して熱硬化させる際に軟化、変形して上下の基板の位置ずれが
発生する。特に、上下の基板の線膨張率が異なる場合、加熱硬化時の伸縮量が異なること
となり、上記光硬化物が上下の基板の伸縮に追従して大きく変形し、大きな位置ずれが発
生する。即ち、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、光硬化物の熱変形特性が優
れたものである。
上記光硬化物のガラス転移温度の好ましい上限は150℃である。150℃を超えると、
硬化物が硬くなりすぎ、光硬化後の接着力が著しく低下し、加熱炉に搬送する際の振動等
に耐えられなくなる可能性がある。
における線膨張係数の最大値が2.0×10−4mm/mm/℃である。2.0×10−
4mm/mm/℃を超えると、シール剤として使用し、上記光硬化物を加熱硬化させる際
に光硬化物の膨張が大きくなって基板の位置ずれが発生する。即ち、本発明の液晶表示素
子用硬化性樹脂組成物は、光硬化物が加熱硬化時に膨張し難く寸法安定性が優れたもので
ある。上記光硬化物の線膨張係数の好ましい下限は1.0×10−6mm/mm/℃であ
る。1.0×10−6mm/mm/℃未満であると、基板への密着性が悪くなり、接着力
が著しく低下することがある。
0〜150℃の温度範囲における任意の2点間の線膨張係数をいい、下記式(1)により
算出される値をいう。
量(mm)を表す。
また、上記光硬化物の線膨張係数の温度範囲を0〜150℃としたのは、上記光硬化物を
加熱硬化させる際の加熱温度に対応させたものである。150℃を超えると、即ち、上記
光硬化物の加熱硬化温度が150℃を超えると、シール剤として使用し、加熱硬化させた
際に基板の熱膨張量が大きくなって基板間の位置ずれが発生してしまう。
度、及び、線膨張係数は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメント社
製「TMA/SS120C」)を用いて、毎分10℃で等温昇温下で測定した値である。
射でシール剤を硬化させたとき、光反応性官能基の反応に伴う硬化収縮が大きくなると、
光硬化物の内部に大きな歪を持つことになる。このまま熱硬化に移ると内部応力を緩和さ
せようとして、シール剤の形状が変形し、上下基板の位置ずれが発生する可能性がある。
従って、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、光硬化物の硬化収縮率が7%以下
であることが好ましい。7%を超えると、上記光硬化物が内部に大きな歪を有することと
なり、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を用いてなるシール剤の熱硬化時に、シ
ール剤の形状が変形して上下基板の位置ずれが生じたり、接着力が著しく低下することが
ある。
ート基とエポキシ基とを有する硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート基を有する樹脂とエポキシ基を有する樹脂とか
らなるものであってもよく、また、(メタ)アクリレート基とエポキシ基とを1分子中に
有するものであってもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレート基とは、アクリレート基又はメタクリレ
ート基のことをいう。
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ
)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート
、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)
アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(
メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(
メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(
メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシ
ヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒド
ロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプ
ロピルフタル酸、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以
上が併用されてもよい。
、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボラック型、
ジシクロペンタジエンノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型
、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノールA型、水添ビスフェノール型
、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型等ビスフェノール型エポキシ樹脂;環式脂肪
族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、「エピコート828」、「エピ
コート834」、「エピコート1001」、「エピコート1004」(以上、いずれもジ
ャパンエポキシレジン社製)、「エピクロン850」、「エピクロン860」、「エピク
ロン4055」(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
また、上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピコート8
07」(ジャパンエポキシレジン社製)、「エピクロン830」(大日本インキ化学工業
社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロンN−
740」、「N−770」、「N−775」(以上、いずれも大日本インキ化学社製)、
「エピコート152」、「エピコート154」(以上、いずれもジャパンエポキシレジン
社製)等が挙げられる。
上記クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロンN−
660」、「エピクロンN−665」、「エピクロンN−670」、「エピクロンN−6
73」、「エピクロンN−680」、「エピクロンN−695」、「エピクロンN−66
5−EXP」、「エピクロンN−672−EXP」(以上、いずれも大日本インキ化学社
製)等が挙げられる。
上記環式脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、「セロキサイド2021」、「セロキサ
イド2080」、「セロキサイド3000」(以上、いずれもダイセル・ユーシービー社
製)等が挙げられる。
限定されず、例えば、エポキシ樹脂の部分(メタ)アクリル化物、ウレタン変性(メタ)
アクリルエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の部分(メタ)アクリル化物としては、例えば、エポキシ樹脂と(メタ
)アクリル酸とを常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる。
上記エポキシ樹脂の部分(メタ)アクリル化物に用いることができるエポキシ樹脂として
は、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック
型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等のノボラック
型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフ
ェノールA型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型等のビ
スフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との配合量を適宜変更する事により所望のアクリル化率
のエポキシ樹脂を得る事が可能である。例えば、エポキシ基1当量に対して、カルボン酸
を下限が0.1当量、上限が0.5当量となるように配合することが好ましく、下限が0
.2当量、上限が0.4当量となるように配合することがより好ましい。
るものである。
即ち、ポリオールと2官能以上のイソシアネートを反応させ、更に残りのイソシアネート
基を、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー及びグリシドールを反応させる方法;ポ
リオールを用いずに2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリルモノ
マーやグリシドールを反応させる方法;イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート
モノマーにグリシドールを反応させる方法等により作製することができる。具体的には、
例えば、まず、トリメチロールプロパン1モルとイソホロンジイソシアネート3モルとを
錫系触媒下反応させる。得られた化合物中に残るイソシアネート基と、水酸基を有するア
クリルモノマーであるヒドロキシエチルアクリレート、及び、水酸基を有するエポキシで
あるグリシドールを反応させることにより作製することができる。
ルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリック
MDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジン
ジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソ
シアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル
)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデ
カントリイソシアネート等が挙げられる。
ートの他に、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等
の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ
)アクリレート、ビスフェノールA型変性エポキシアクリレート等のエポキシアクリレー
ト等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
肪族骨格構造を有する樹脂を少なくとも1種以上含有することが好ましい。本発明の液晶
表示素子用硬化性樹脂組成物が耐水性、熱変形温度特性(ガラス転移温度の特性)及び寸
法安定性(線膨張係数)の特性で優れたものとなるからである。特に、上記(メタ)アク
リレート基を含有する樹脂中に上記環状脂肪族骨格が含まれていることが好ましい。光硬
化後の熱変形温度特性(ガラス転移温度の特性)及び寸法安定性(線膨張係数)により優
れたものとなるからである。
げられ、特に(1)〜(3)に示す構造のものが熱変形温度特性(ガラス転移温度の特性
)及び寸法安定性(線膨張係数)により優れていることから好ましい。
「IBXA」、「V#155」、(いずれも大阪有機化学工業社製)、「IRR164」
、「IRR214K」(いずれもダイセル・ユーシービー社製)、「FA511A」、「
FA−513A」、「FA-512M」、「FA−513M」(いずれも、日立化成社製
)、「SR208」(日本化薬社製)、「ライトエステルHO−HH」、「HOA−HH
」(いずれも、共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記環状脂肪族骨格を含有するエポキシ基を有する樹脂としては、例えば、「EP−40
80S」、「EP−4085S」、「EP−4088S」(以上、いずれも旭電化工業社
製)、「リカレジンHBPO−30E」(新日本理化社製)、「AK−601」(日本化
薬社製)等が挙げられる。
また、上記環状脂肪族骨格有するエポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸等を用いて部分アク
リル化した(メタ)アクリレート基及びエポキシ基を含有する硬化性樹脂も使用できる。
ないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は10重量部、好ましい上限
は60重量部である。10重量部未満であると、上記環状脂肪族骨格を有する樹脂を配合
した効果が得られないことがあり、60重量部を超えると、本発明の液晶表示素子用硬化
性樹脂組成物が硬くなりすぎ、基板等に対する接着力の低下につながることがある。
クリレート基とエポキシ基との官能基当量比率としては、(メタ)アクリレート基:エポ
キシ基=99.5:0.5〜75:25であることが好ましい。(メタ)アクリレート基
:エポキシ基=99.5:0.5から(メタ)アクリレート基の官能基当量の比率が増え
ると液晶表示素子用硬化性樹脂組成物としての接着性が不充分となることがあり、(メタ
)アクリレート基:エポキシ基=75:25から(メタ)アクリレート基の官能基当量の
比率が減少すると、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を光硬化させたときの硬化
が充分得られなくなり、シール剤として使用した場合に基板の位置ずれを生じることがあ
る。
上記光ラジカル重合開始剤としては、光照射により上記硬化性樹脂の(メタ)アクリレー
ト基を反応させるものであれば特に限定されず、例えば、アセトフェノン化合物、ベンゾ
フェノン化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルホスフィンオキ
シド化合物、チオキサントン化合物等の紫外線等を照射するとラジカルを発生する化合物
等が挙げられる。これらの化合物のうち市販されているものとしては、例えば、「IRG
ACURE 184」、「IRGACURE 369」、「IRGACURE 651」
、「IRGACURE 907」、「IRGACURE 819」、「IRGACURE
2959」、「DAROCURE 1173」(以上、いずれもチバ・スペシャリティ
ケミカルズ社製)、「KAYACURE BP」、「KAYACURE DETX−S」
(以上、いずれも日本化薬社製)、「ESACURE KIP 150」(Lamber
ti社製)、「S−121」(シンコー技研社製)、「セイクオールBEE」(精工化学
社製)、「ソルバスロンBIPE」、「ソルバスロンBIBE」(以上、いずれも黒金化
成社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上
が併用されてもよい。
重量部に対して好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が15重量部である。0.5
重量部未満であると、光照射による本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物の硬化が不
充分になることがあり、15重量部を超えると、硬化後の本発明の液晶表示素子用硬化性
樹脂組成物の吸湿性を低く抑えることができなくなることがある。
上記熱硬化剤は、加熱により上記硬化性樹脂中のエポキシ基を反応させ、架橋させるため
のものであり、硬化物の接着性、耐湿性を向上させることができ、高温高湿動作の試験で
の液晶の特性劣化も抑えることができる。
ノジフェニルメタン、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、メチルエチルイミダゾール
等のイミダゾール誘導体、ヒドラジド化合物等が挙げられる。これら熱硬化剤は単独で用
いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
℃未満であると、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くなること
があり、200℃を超えると、充分な硬化を得るために硬化温度を高くする必要があるた
め、シール剤として使用した場合に基板のずれを引き起こすことがある。
響を与えない範囲であれば特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上
限は5μmである。0.1μm未満であると、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物
の貯蔵安定性が悪くなることがあり、5μmを超えると、加熱による硬化時間が長くなり
、シール剤として使用した場合に基板のずれを引き起こすことがある。
組成物中の硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は5
0重量部である。1重量部未満であると、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物が充
分に硬化しないことがあり、50重量部を超えると、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂
組成物の保存安定性が悪化することがある。
してもよい。
上記カップリング剤としては特に限定されず、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリソドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップ
リング剤;ビス(トリエタノールアミン)ジイソプロピルチタネート、ビス(トリエタノ
ールアミン)ジブチルチタネート、ジイソプロピルラウリルチタネート等のチタネート系
カップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤は単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
性樹脂組成物中の硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ま
しい上限は5重量部である。0.1重量部未満であると、カップリング剤の配合効果が充
分発揮されないことがあり、5重量部を超えると、余剰のカップリング剤が液晶へ流出し
、液晶の配向性等に悪影響を与えることがある。
持性等の観点から充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、例えば、合成シリカ、タルク炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
酸化チタン等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。
として使用した場合に、製造する液晶表示素子の基板間のセルギャップに影響を与えない
程度の範囲であれば特に限定されないが、好ましい上限は2μmである。
成物中の硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は5重量部、好ましい上限は40
重量部である。5重量部未満であると、充填剤を配合する効果が充分に発揮されないこと
があり、40重量部を超えると、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物の粘度のコン
トロールや、接着性が充分に得られないことがある。
剤、パネルギャップ調整の為のスペーサー、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、粘度調
整の為の反応性希釈剤等が配合されていてもよい。
(メタ)アクリレート基とエポキシ基とを有する硬化性樹脂、光ラジカル重合開始剤、及
び、熱硬化剤を、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。このとき、液晶表
示素子用硬化性樹脂組成物中のイオン性の不純物を除去するために層状珪酸塩鉱物等のイ
オン吸着性固体と接触させてもよい。
有する硬化性樹脂、光ラジカル重合開始剤、及び、熱硬化剤を含有する光硬化、熱硬化併
用型の硬化性樹脂組成物であり、光硬化物のガラス転移温度が80℃以上であり、上記光
硬化物の0〜150℃の温度範囲における線膨張係数の最大値が2.0×10−4mm/
mm/℃以下であるため、上記光硬化物は加熱硬化させる際に軟化、変形することがなく
、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物をシール剤として使用した場合、たとえ上下
基板の線膨張係数が異なる場合であっても、上下の基板の位置ずれが発生することがない
。
従って、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、線膨張係数が互いに異なる基板を
用いて液晶表示素子を製造する場合に、特に好適に用いることができる。
剤もまた、本発明の1つである。
また、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物及び/又は液晶表示素子用シール剤に、
導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような
上下導通材料を用いれば、互いに線膨張係数の異なる透明基板であっても、電極を導電接
続することができる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物及び/又は本発明の液晶表示素子用シール剤と
、導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形
成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続
が可能であることから好適である。
素子もまた、本発明の1つである。
んど生じることがなく、特に、上下に用いる基板の線膨張係数が互いに異なるものであっ
ても、光熱硬化後に上下基板間の位置ずれがほとんど生じることがないため、液晶表示不
良を起こさず、信頼性の高い液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性
樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供できる
。
されるものではない。
IRGACURE 651(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2重量部、ビスフェ
ノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700」
)40重量部、ヒドロキシエチルアクリレート10重量部、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(大日本インキ化学工業社製、「エピクロン850S」)10重量部を配合し、これ
を70℃に加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た
。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、エポキシ熱硬化剤(大塚化学社製、「ADH」)5重量部、シランカップリング剤(
信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、
セラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
IRGACURE 651(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2重量部、ビスフェ
ノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700」
)35重量部、ジシクロペンタジエニルジアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、
「IRR214K」)15重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学
工業社製、「エピクロン850S」)10重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形
物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、エポキシ熱硬化剤(大塚化学社製、「ADH」)5重量部、シランカップリング剤(
信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、
セラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
IRGACURE 651(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2重量部、ビスフェ
ノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700」
)40重量部、イソボロニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、「IBXA」)5重
量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、「エピクロン85
0S」)15重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪
拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、エポキシ熱硬化剤(大塚化学社製、「ADH」)5重量部、シランカップリング剤(
信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セ
ラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
IRGACURE 651(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2重量部、ビスフェ
ノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700」
)20重量部、ウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、「EB4858」
)25重量部、ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(大日本インキ化学工業社製、「エピクロン850S」)10重量部を配合し、これを
70℃に加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、エポキシ熱硬化剤(大塚化学社製、「ADH」)5重量部、シランカップリング剤(
信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、
セラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
IRGACURE 651(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2重量部、ビスフェ
ノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、「EB3700」
)20重量部、ジシクロペンタジエニルジアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、
「IRR214K」)5重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工
業社製、「エピクロン850S」)35重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形物
を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
この混合物に充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)15重量
部、エポキシ熱硬化剤(大塚化学社製、「ADH」)10重量部、シランカップリング剤
(信越化学社製、「KBM403」)1重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後
、セラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
2枚の線膨張係数の異なるラベリング済み配向膜及び透明電極付き基板の一方に、実施例
1〜3及び比較例1、2で得られた液晶表示素子用シール剤を長方形の枠を描く様にディ
スペンサーで塗布した。これにもう一方の基板を貼り合わせ、高圧水銀ランプを100m
W/cm2で30秒間照射し硬化させ、更に120℃で1時間熱硬化させて、空の液晶表
示パネルを作製した。
次に、注入口より液晶(メルク社製、「ZLI−4792」)を注入し、注入口部分にア
クリル封止剤を注入し、高圧水銀ランプを100mW/cm2で30秒間を照射し封止剤
を硬化させ液晶表示パネルを作製した。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られた液晶表示素子用シール剤を平滑な離型フィルム
上に厚さ100μmの厚みで塗布し、高圧水銀ランプ100mW/cm2で30秒間を照
射して光硬化させた。その硬化物の小片(4×15mm角)を切り出し、光硬化物を0℃
から180℃まで毎分10℃で等速昇温下にサーモメカニカルアナライザー(セイコーイ
ンスツルメント社製、「TMA/SS120C」)を用いて線膨張係数とガラス転移温度
とを測定した。なお、線膨張係数は、0〜150℃の温度範囲の中で1℃当たりの最大の
歪量を用いて上述した式(1)により算出し、この歪量の変曲点を硬化物のガラス転移温
度とした。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られた液晶表示素子用シール剤を平滑な離型フィルム
上に厚さ100μmの厚みで塗布し、高圧水銀ランプを100mW/cm2で30秒間を
照射して光硬化させた。硬化収縮率は、硬化前と硬化後の25℃における比重から算出し
た。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られた液晶表示素子用シール剤を20mg、NMR測
定用重クロロホルム1mLに溶解させてBRUKER社製、AVANCE DRX300
を用いて1H−NMR測定を行い、アクリル基のプロトンのピーク面積とエポキシ基のピ
ーク面積とを比較することによりアクリル基とエポキシ基の含有量を測定した。
得られた液晶表示パネル(サンプル数5個)について、表示パネル製直後、及び、65℃
95%RHの条件下で1000時間の動作試験後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを
目視によって確認した。配向乱れは表示部の色ムラより判断しており、色ムラの程度に応
じて、◎(色むらが全くない)、○(色むらが微かにある)、△(色むらが少しある)、
×(色むらがかなりある)の4段階で評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは
実用に全く問題のないレベルである。
結果を表1に示した。
得られた液晶表示パネル(サンプル数5個)について、硬化前と硬化後の基板ずれを顕微
鏡を用いて行った。基板ずれの程度に応じて、◎(基板ずれほとんどなし)、○(微かに
基板すれがある)、△(基板ずれが少しある)、×(基板ずれがかなりある)の4段階で
評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは実用に全く問題のないレベルである。
結果を表1に示した。
ネルは、基板ずれは実用に問題のないレベルであったのに対し、比較例1及び2に係る液
晶表示パネルは、基板ずれが大きく実用できるレベルではなかった。
んど生じることがなく、特に、上下に用いる基板の線膨張係数が異なる場合であっても、
光熱硬化後に上下基板の位置ずれがほとんど生じることがないため、液晶表示不良を起こ
さず、信頼性の高い液晶表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成
物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供できる。
Claims (8)
- (メタ)アクリレート基とエポキシ基とを有する硬化性樹脂、光ラジカル重合開始剤、及
び、熱硬化剤を含有する液晶表示素子用硬化性樹脂組成物であって、
光硬化させた硬化物のガラス転移温度が80℃以上であり、前記硬化物の0〜150℃の
温度範囲における線膨張係数の最大値が2.0×10−4mm/mm/℃以下である
ことを特徴とする液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - 光硬化させた硬化物の硬化収縮率が7%以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶
表示素子用硬化性樹脂組成物。 - 硬化性樹脂は、骨格中に環状脂肪族骨格構造を有する樹脂を少なくとも1種以上含有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - 硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート基の官能基当量とエポキシ基の官能基当量との比率
が、(メタ)アクリレート基:エポキシ基=99.5:0.5〜75:25であることを
特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。 - 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を用いてなることを
特徴とする液晶表示素子用シール剤。 - 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物及び/又は請求項6
記載の液晶表示素子用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通
材料。 - 請求項6記載の液晶表示素子用シール剤及び/又は請求項7記載の上下導通材料を用いて
なることを特徴とする液晶表示素子。
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- 2004-02-18 JP JP2004041879A patent/JP2005234129A/ja not_active Withdrawn
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