JP2005220079A - ピロリジン化合物の合成とその結晶 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、cPLA2阻害活性を有するピロリジン化合物の製造方法、およびその中間体の製造方法ならびにその結晶に関する。
ホスホリパーゼA2(PLA2)は、リン脂質の2位のエステル結合を加水分解する酵素の総称で、生体膜リン脂質の新生と代謝に関わるとともに、プロスタノイドなどの脂質メディエーター産生にいたるアラキドン酸カスケードの開始酵素として機能する。現在、哺乳動物では多様なPLA2の存在が明らかにされており、その局在性、分子量、基質特異性等に基づいて、分泌型PLA2(sPLA2)、Ca2+非依存型PLA2(iPLA2)、細胞質型PLA2(cPLA2)などのファミリーに分類されている。
これらのPLA2の中で、cPLA2に選択的に阻害活性を有する、2位側鎖にチアゾリジンジオンを有するピロリジン化合物が、特許文献1、2、および3、ならびに非特許文献1に記載されている。さらに、非特許文献1に関連するWebページにはSupporting Informationとして、該化合物の製造方法が次のように記載されている(非特許文献2)。
しかしながら、詳細な実験条件は開示されておらず、中間体としては爆発性の高いアジド基を有するピロリジン環化合物を経由おり、環境に有害な塩化スズを用いて還元する工程が含まれるなど、安全性および環境の面でも問題があり、工業的にふさわしい工程とはいえない。
国際公開第97/05135号パンフレット
国際公開第98/33797号パンフレット
国際公開第01/30387号パンフレット
瀬野薫ら、ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー (J. Med. Chem.) 2000年、第43巻、第6号、p.1042-1044
瀬野薫ら、アメリカ化学会 ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー (American Chemical Society, J. Med. Chem.) jm9905155, Supporting Info Page 1-12 [online][平成16年2月4日検索]インターネット<URL:http://pubs.acs.org/subscribe/journals/jmcmar/suppinfo/43/i06/jm9905155/jm9905155#s.pdf>
これらのPLA2の中で、cPLA2に選択的に阻害活性を有する、2位側鎖にチアゾリジンジオンを有するピロリジン化合物が、特許文献1、2、および3、ならびに非特許文献1に記載されている。さらに、非特許文献1に関連するWebページにはSupporting Informationとして、該化合物の製造方法が次のように記載されている(非特許文献2)。
cPLA2阻害活性を有するピロリジン化合物を医薬品として提供するために、該化合物の効率的な工業的製造方法が望まれていた。
本発明者らは以上の点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ニトリル基を有するピロリジン化合物を、触媒存在下水素添加反応によりアミノ基への還元することを特徴とする以下の発明を完成した。
すなわち、本発明は、1)一般式(I):
(式中、R1はアラルキル;
R2は水素原子またはC1−C6アルキル;および
Proは保護基)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付することを特徴とする、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびProは前記と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法、に関する。
R2は水素原子またはC1−C6アルキル;および
Proは保護基)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付することを特徴とする、一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法、に関する。
さらに詳しくは、以下の2)〜24)に関する。
2)以下の工程:
(a)一般式(III):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、脱水剤存在下で脱水反応に付し、一般式(I):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(b)一般式(I):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付する工程
を包含することを特徴とする、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。
2)以下の工程:
(a)一般式(III):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、脱水剤存在下で脱水反応に付し、一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(b)一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付する工程
を包含することを特徴とする、一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。
3)以下の工程:
(a)一般式(III):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、脱水剤存在下で脱水反応に付し、一般式(I):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(b)一般式(I):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付し、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(c)一般式(II):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩と、一般式(IV):
(式中、Xはハロゲンまたはヒドロキシ)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩をアミド結合生成反応に付し、一般式(V):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(d)一般式(V):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を脱保護反応に付し、一般式(VI):
(式中、R1およびR2は1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(e)一般式(VI):
(式中、R1およびR2は1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩と一般式(VII):
(式中、Yはハロゲンまたはヒドロキシ)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩をアミド結合生成反応に付する工程を包含することを特徴とする、一般式(VIII):
(式中、R1およびR2は1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。
(a)一般式(III):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、脱水剤存在下で脱水反応に付し、一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(b)一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付し、一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(c)一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩と、一般式(IV):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩をアミド結合生成反応に付し、一般式(V):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(d)一般式(V):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を脱保護反応に付し、一般式(VI):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(e)一般式(VI):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩と一般式(VII):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩をアミド結合生成反応に付する工程を包含することを特徴とする、一般式(VIII):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。
4)R1がフェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、またはトリフェニルC1−C6アルキルである1)〜3)のいずれかに記載の製造方法。
5)R1がビフェニルメチル、またはジフェニルメチルである4)記載の製造方法。
6)R2がC4アルキルである1)〜5)のいずれかに記載の製造方法。
7)R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチルである1)〜6)のいずれかに記載の製造方法。
8)触媒がラネーニッケル、または塩化ニッケルである1)〜7)のいずれかに記載の製造方法。
9)触媒がラネーニッケルである8)記載の製造方法。
10)保護基がt−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、またはp−ニトロベンジルオキシカルボニル基、である1)〜9)のいずれかに記載の製造方法。
11)保護基がt−ブチルオキシカルボニル基である10)記載の製造方法。
12)脱水剤が塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、または塩化チオニルである2)〜11)のいずれかに記載の製造方法。
13)脱水剤が塩化トリクロロアセチル、またはオキシ塩化リンである12)記載の製造方法。
14)R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチルである一般式(VIII)で表わされる化合物、その溶媒和物、そのp−トルエンスルホン酸塩、その硫酸塩、またはその塩酸塩得るための3)〜13)のいずれかに記載の製造方法。
5)R1がビフェニルメチル、またはジフェニルメチルである4)記載の製造方法。
6)R2がC4アルキルである1)〜5)のいずれかに記載の製造方法。
7)R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチルである1)〜6)のいずれかに記載の製造方法。
8)触媒がラネーニッケル、または塩化ニッケルである1)〜7)のいずれかに記載の製造方法。
9)触媒がラネーニッケルである8)記載の製造方法。
10)保護基がt−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、またはp−ニトロベンジルオキシカルボニル基、である1)〜9)のいずれかに記載の製造方法。
11)保護基がt−ブチルオキシカルボニル基である10)記載の製造方法。
12)脱水剤が塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、または塩化チオニルである2)〜11)のいずれかに記載の製造方法。
13)脱水剤が塩化トリクロロアセチル、またはオキシ塩化リンである12)記載の製造方法。
14)R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチルである一般式(VIII)で表わされる化合物、その溶媒和物、そのp−トルエンスルホン酸塩、その硫酸塩、またはその塩酸塩得るための3)〜13)のいずれかに記載の製造方法。
15)式(IX):
(式中、Bocはt−ブチルオキシカルボニル)
で表わされる化合物のベンゼンスルホン酸塩、またはその溶媒和物。
16)式(IX):
(式中、Bocはt−ブチルオキシカルボニル)
で表わされる化合物のベンゼンスルホン酸塩、またはその溶媒和物の、結晶。
17)粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が19.3、20.2、20.7、および27.0(単位:°)に主なるピークを示す、16)記載の結晶。
18)式(X):
で表わされる化合物、またはその溶媒和物の、結晶。
19)粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が5.8、13.0、18.5、および26.4(単位:°)に主なるピークを示す、18)記載の結晶。
20)式(XI):
(式中、Bocはt−ブチルオキシカルボニル)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩。
21)一般式(III):
(式中、R1はアラルキル;
R2は水素原子またはC1−C6アルキル;および
Proは保護基)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、およびジボランから選ばれる少なくとも一つの試薬と反応させることを特徴とする、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびProは1)と同意義)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。
22)水素化ホウ素ナトリウムと反応させることを特徴とする21)記載の製造方法。
23)酢酸の存在下で反応させることを特徴とする22)記載の製造方法。
24)R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチル、および保護基がt−ブチルオキシカルボニルである21)〜23)のいずれかに記載の製造方法。
で表わされる化合物のベンゼンスルホン酸塩、またはその溶媒和物。
16)式(IX):
で表わされる化合物のベンゼンスルホン酸塩、またはその溶媒和物の、結晶。
17)粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が19.3、20.2、20.7、および27.0(単位:°)に主なるピークを示す、16)記載の結晶。
18)式(X):
19)粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が5.8、13.0、18.5、および26.4(単位:°)に主なるピークを示す、18)記載の結晶。
20)式(XI):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩。
21)一般式(III):
R2は水素原子またはC1−C6アルキル;および
Proは保護基)
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、およびジボランから選ばれる少なくとも一つの試薬と反応させることを特徴とする、一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。
22)水素化ホウ素ナトリウムと反応させることを特徴とする21)記載の製造方法。
23)酢酸の存在下で反応させることを特徴とする22)記載の製造方法。
24)R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチル、および保護基がt−ブチルオキシカルボニルである21)〜23)のいずれかに記載の製造方法。
式(IX)、式(X)、および式(XI)で表わされる化合物は、可能なすべての光学異性体およびラセミ体を含む光学異性体の混合物を包含するものである。
本明細書中、「溶媒和物」とは、例えば有機溶媒との溶媒和物、水和物等を包含する。水和物を形成する時は、任意の数の水分子と配位していてもよい。
本明細書で使用する化合物の塩としては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、および有機酸(酢酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸等)との塩、またはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、アンモニウム、有機塩基およびアミノ酸との塩、が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
本明細書中、「溶媒和物」とは、例えば有機溶媒との溶媒和物、水和物等を包含する。水和物を形成する時は、任意の数の水分子と配位していてもよい。
本明細書で使用する化合物の塩としては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、および有機酸(酢酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸等)との塩、またはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、アンモニウム、有機塩基およびアミノ酸との塩、が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
本明細書中、「水素添加反応」とは、有機化合物の多重結合の位置に水素を付加する反応を意味する。特に、シアノ基(−C≡N)をアミノメチル基(−CH2NH2)に還元する反応が好ましい。
本明細書中、「脱水反応」とは、有機化合物から水素と酸素とを水として脱離させる反応を意味する。特に、アミド基(−CONH2)をシアノ基(−C≡N)に変換する反応が好ましい。
本明細書中、「脱保護反応」とは、反応性の高い官能基や反応しては困る官能基を保護するために導入された保護基を除去し、もとの官能基に戻す反応を意味する。保護基によって反応条件は異なるが、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.,(Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, New York, John Wiley, 1999年)等に記載の方法が挙げられる。例えば、酸加水分解反応、アルカリ加水分解反応、酸化反応、水素添加反応、水素化物による還元反応、電極反応、光反応等の反応が挙げられる。
保護基がt−ブチルオキシカルボニル基の場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、ぎ酸、またはこれらの酸の混合物、並びにLewis酸(たとえばAlCl3, TiCl4, ZnCl2, BF3)とアニソールとの混合物による条件も挙げられる。
保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒よる水素添加反応、塩化アルミニウムや三臭化ホウ素のルイス酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がp−メトキシベンジルオキシカルボニル基の場合は、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がアリルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム触媒−ギ酸の系よる脱保護反応が挙げられる。
保護基が9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基の場合は、ピペリジン等の塩基による脱保護が挙げられる。
保護基がp−ニトロベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒よる水素添加反応、電極反応、臭化水素酸−酢酸等の酸による脱保護が挙げられる。脱保護が挙げられる。
本明細書中、「アミド結合生成反応」とは、カルボン酸(−COOH)、またはカルボン酸ハロゲン化物(−COHal;Halはハロゲン)とアミノ基(−NH2)とを反応させてアミド結合(−CONH−)を生成する反応を意味する。
本明細書中、「脱水反応」とは、有機化合物から水素と酸素とを水として脱離させる反応を意味する。特に、アミド基(−CONH2)をシアノ基(−C≡N)に変換する反応が好ましい。
本明細書中、「脱保護反応」とは、反応性の高い官能基や反応しては困る官能基を保護するために導入された保護基を除去し、もとの官能基に戻す反応を意味する。保護基によって反応条件は異なるが、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.,(Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, New York, John Wiley, 1999年)等に記載の方法が挙げられる。例えば、酸加水分解反応、アルカリ加水分解反応、酸化反応、水素添加反応、水素化物による還元反応、電極反応、光反応等の反応が挙げられる。
保護基がt−ブチルオキシカルボニル基の場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、ぎ酸、またはこれらの酸の混合物、並びにLewis酸(たとえばAlCl3, TiCl4, ZnCl2, BF3)とアニソールとの混合物による条件も挙げられる。
保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒よる水素添加反応、塩化アルミニウムや三臭化ホウ素のルイス酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がp−メトキシベンジルオキシカルボニル基の場合は、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がアリルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム触媒−ギ酸の系よる脱保護反応が挙げられる。
保護基が9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基の場合は、ピペリジン等の塩基による脱保護が挙げられる。
保護基がp−ニトロベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒よる水素添加反応、電極反応、臭化水素酸−酢酸等の酸による脱保護が挙げられる。脱保護が挙げられる。
本明細書中、「アミド結合生成反応」とは、カルボン酸(−COOH)、またはカルボン酸ハロゲン化物(−COHal;Halはハロゲン)とアミノ基(−NH2)とを反応させてアミド結合(−CONH−)を生成する反応を意味する。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキル」なる用語は、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が挙げられる。好ましくは、C1〜C6アルキルが挙げられる。さらに好ましくは、C1〜C4アルキルが挙げられる。
R2におけるアルキルとしては、C1〜C6アルキルが挙げられる。好ましくは、C1〜C4アルキルが挙げられる。さらに好ましくは、C4アルキルが挙げられる。特に、好ましくはイソブチル基(−CH2CH(CH3)2)が挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」とは、単環状、縮合環状芳香族炭化水素、もしくは2個ないし3個の芳香間が連続して結合している芳香族炭化水素を包含する。例えば、フェニル、ナフチル(1−ナフチル、2−ナフチル)、アントリル、ビフェニル(2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル)等が挙げられる。
本明細書中、「アラルキル」とは、前記「アルキル」に前記「アリ−ル」が1またはそれ以上置換したもので、フェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、トリフェニルC1−C6アルキル、ナフチルC1−C6アルキル、アントリルC1−C6アルキル等が挙げられる。例えば、ベンジル、フェニルエチル(例えば、2−フェニルエチル等)、フェニルプロピル(例えば、3−フェニルプロピル等)、ビフェニルメチル(例えば、2−ビフェニルメチル、3−ビフェニルメチル、4−ビフェニルメチル等)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ナフチルメチル(例えば、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、等)、アントリルメチル(例えば、9−アントリルメチル等)、等が挙げられる。
R1におけるアラルキルとしては、フェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、またはトリフェニルC1−C6アルキル等があげられる。好ましくは、ビフェニルメチル、ジフェニルメチルがあげられる。さらに、好ましくは、2−ビフェニルメチルが挙げられる。
R2におけるアルキルとしては、C1〜C6アルキルが挙げられる。好ましくは、C1〜C4アルキルが挙げられる。さらに好ましくは、C4アルキルが挙げられる。特に、好ましくはイソブチル基(−CH2CH(CH3)2)が挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」とは、単環状、縮合環状芳香族炭化水素、もしくは2個ないし3個の芳香間が連続して結合している芳香族炭化水素を包含する。例えば、フェニル、ナフチル(1−ナフチル、2−ナフチル)、アントリル、ビフェニル(2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル)等が挙げられる。
本明細書中、「アラルキル」とは、前記「アルキル」に前記「アリ−ル」が1またはそれ以上置換したもので、フェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、トリフェニルC1−C6アルキル、ナフチルC1−C6アルキル、アントリルC1−C6アルキル等が挙げられる。例えば、ベンジル、フェニルエチル(例えば、2−フェニルエチル等)、フェニルプロピル(例えば、3−フェニルプロピル等)、ビフェニルメチル(例えば、2−ビフェニルメチル、3−ビフェニルメチル、4−ビフェニルメチル等)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ナフチルメチル(例えば、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、等)、アントリルメチル(例えば、9−アントリルメチル等)、等が挙げられる。
R1におけるアラルキルとしては、フェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、またはトリフェニルC1−C6アルキル等があげられる。好ましくは、ビフェニルメチル、ジフェニルメチルがあげられる。さらに、好ましくは、2−ビフェニルメチルが挙げられる。
本明細書中、「触媒」とは、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む化合物で、水素添加反応を触媒する化合物を意味する。ラネーニッケル、塩化ニッケル、酸化ニッケル、ニッケル(II)アセチルアセトネート、ニッケルシクロオクタジエン等のニッケル触媒、Pd−C、リンドラー触媒、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒、塩化白金酸、酸化白金等の白金触媒などが挙げられる。水素添加反応を触媒的に進行させるニッケル化合物が好ましい。好ましくは、ラネーニッケルまたは塩化ニッケルが挙げられる。特に好ましくは、ラネーニッケルが挙げられる。
本明細書中、「保護基」とは、反応性の特性基を一時的に保護する目的で使われる原子団を意味する。ピロリジン環の窒素原子の保護基としては、t−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。特に、t−ブチルオキシカルボニル基が好ましい。
本明細書中、「脱水剤」とは、脱水反応を促進する試薬を意味する。塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩化チオニル、トリクロロ酢酸無水物、p−トルエンスルホン酸、ホスゲン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、五酸化二リン、エトキシアセチレン、または塩化シアヌル等が挙げられる。好ましくは、塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、または塩化チオニル等が挙げられる。特に好ましくは、トリクロロアセチル、オキシ塩化リン等が挙げられる。
本明細書中、「保護基」とは、反応性の特性基を一時的に保護する目的で使われる原子団を意味する。ピロリジン環の窒素原子の保護基としては、t−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。特に、t−ブチルオキシカルボニル基が好ましい。
本明細書中、「脱水剤」とは、脱水反応を促進する試薬を意味する。塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩化チオニル、トリクロロ酢酸無水物、p−トルエンスルホン酸、ホスゲン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、五酸化二リン、エトキシアセチレン、または塩化シアヌル等が挙げられる。好ましくは、塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、または塩化チオニル等が挙げられる。特に好ましくは、トリクロロアセチル、オキシ塩化リン等が挙げられる。
参考例13に示す、シアノ基を有するピロリジン化合物(21)をラネーニッケル存在下、水素添加反応に付することにより、アミノ基に変換する反応においては、1分子の1位の置換基のフッ素原子が、もう1分子の2位のアミノ基と反応し、2量体を形成するという副反応の問題がある。特に、この副反応は、大量合成の場合に起こりやすく、また、生じた副生成物の除去は容易ではない。そのため、t−ブチルオキシカルボニル等の保護基で保護した化合物を用いることにより、この問題を回避することができた。
また、化合物6から化合物15を合成する場合、参考例6→7→8→11→12→13→14→15の方法と、本発明である実施例1→2→3→4→6→7→8の方法で収率を比較すると、前者が36%で、後者が48%である。多段階反応にもかかわらず、収率を12%も向上させることができ、本発明は化合物(15)の工業的製造方法に適していると言える。
また、化合物6から化合物15を合成する場合、参考例6→7→8→11→12→13→14→15の方法と、本発明である実施例1→2→3→4→6→7→8の方法で収率を比較すると、前者が36%で、後者が48%である。多段階反応にもかかわらず、収率を12%も向上させることができ、本発明は化合物(15)の工業的製造方法に適していると言える。
ニトリル基を有するピロリジン化合物を、触媒存在下水素添加反応によりアミノ基への還元することにより、cPLA2阻害活性を有するピロリジン化合物を工業的に製造するための効率的な製造方法を見出した。
第1工程
(式中、R2およびProは前記と同意義、Msはメタンスルホニル)
本工程は、4位側鎖をR2NH基に変換する工程である。
一般式(XII)で表される化合物をR2NH2と反応させて、一般式(XIII)で表される化合物を得ることができる。
R2NH2のR2としてはC1−C6アルキル、好ましくは、C1−C4アルキル、さらに好ましくは、C4アルキル、最も好ましくは、イソブチル基が挙げられる。
溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトニトリル、メタノール、ジメチルホルムアミド等の溶媒が挙げられる。特に、水が好ましい。
反応温度としては、0℃〜150℃が、好ましくは30℃〜120℃が、さらに好ましくは50℃〜100℃が挙げられる。
反応時間としては、1.0時間〜24時間、好ましくは3.0時間〜18時間、さらに好ましく5.0時間〜15時間が挙げられる。
本工程は、4位側鎖をR2NH基に変換する工程である。
一般式(XII)で表される化合物をR2NH2と反応させて、一般式(XIII)で表される化合物を得ることができる。
R2NH2のR2としてはC1−C6アルキル、好ましくは、C1−C4アルキル、さらに好ましくは、C4アルキル、最も好ましくは、イソブチル基が挙げられる。
溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトニトリル、メタノール、ジメチルホルムアミド等の溶媒が挙げられる。特に、水が好ましい。
反応温度としては、0℃〜150℃が、好ましくは30℃〜120℃が、さらに好ましくは50℃〜100℃が挙げられる。
反応時間としては、1.0時間〜24時間、好ましくは3.0時間〜18時間、さらに好ましく5.0時間〜15時間が挙げられる。
第2工程
(式中、R1、R2およびProは前記と同意義)
本工程は、4位側鎖にR1基を導入する工程である。
一般式(XIII)で表される化合物を溶媒中、R1−Hal(式中、Halはハロゲン)もしくはR1−O−SO2−Ra(式中、Raはハロゲンで置換されていてもよいメチル)、および塩基と反応させ、一般式(III)で表される化合物を得る。
溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。アセトニトリル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル−ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル−アセトニトリル混合溶媒が好ましい。
R1−HalのHalとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。臭素原子が好ましい。
R1−O−SO2−RaのRaとしては、メチル、トリフルオロメチル等が挙げられる。メチルが好ましい。
R1−HalのR1としては、フェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、およびトリフェニルC1−C6アルキル等のアラルキルがあげられる。好ましくは、フェニルC1−C3アルキル、ビフェニルC1−C3アルキル、ジフェニルC1−C3アルキル等が挙げられる。さらに好ましくは、ベンジル、ビフェニルメチル、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)等が挙げられる。特に好ましくは、2―ビフェニルメチルが挙げられる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ジイソプロピルアミン等があげられる。炭酸ナトリウムが好ましい。
反応温度としては、20℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃、特に好ましくは60℃〜90℃が挙げられる。
反応時間としては、5.0時間〜24時間、好ましくは7.0時間〜12時間が挙げられる。
本工程は、4位側鎖にR1基を導入する工程である。
一般式(XIII)で表される化合物を溶媒中、R1−Hal(式中、Halはハロゲン)もしくはR1−O−SO2−Ra(式中、Raはハロゲンで置換されていてもよいメチル)、および塩基と反応させ、一般式(III)で表される化合物を得る。
溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。アセトニトリル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル−ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル−アセトニトリル混合溶媒が好ましい。
R1−HalのHalとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。臭素原子が好ましい。
R1−O−SO2−RaのRaとしては、メチル、トリフルオロメチル等が挙げられる。メチルが好ましい。
R1−HalのR1としては、フェニルC1−C6アルキル、ビフェニルC1−C6アルキル、ジフェニルC1−C6アルキル、およびトリフェニルC1−C6アルキル等のアラルキルがあげられる。好ましくは、フェニルC1−C3アルキル、ビフェニルC1−C3アルキル、ジフェニルC1−C3アルキル等が挙げられる。さらに好ましくは、ベンジル、ビフェニルメチル、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)等が挙げられる。特に好ましくは、2―ビフェニルメチルが挙げられる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ジイソプロピルアミン等があげられる。炭酸ナトリウムが好ましい。
反応温度としては、20℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃、特に好ましくは60℃〜90℃が挙げられる。
反応時間としては、5.0時間〜24時間、好ましくは7.0時間〜12時間が挙げられる。
第3工程
(式中、R1、R2およびProは前記と同意義、HAは酸を表わす)
本工程は、一般式(III)で表される化合物を塩とすることにより、精製する工程である。
一般式(III)で表される化合物を溶媒に溶解し、酸(HA)を加えることにより、一般式(XIV)で表される塩を得ることができる。
酸(HA)としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ぎ酸、シュウ酸等が挙げられる。ベンゼンスルホン酸が好ましい。
酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、アセトン、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、エチルエーテル、水またはそれらの混合溶液等の溶媒が挙げられる。酢酸エチル、酢酸イソプロピル、水、酢酸エチル−水、酢酸イソプロピル−水の混合溶液が好ましい。特に、酢酸イソプロピルが好ましい。
反応温度としては、-20℃〜60℃、好ましくは-10℃〜40℃が挙げられる。
反応時間としては、5.0時間〜48時間、好ましくは7.0時間〜24時間が挙げられる。
本工程は、一般式(III)で表される化合物を塩とすることにより、精製する工程である。
一般式(III)で表される化合物を溶媒に溶解し、酸(HA)を加えることにより、一般式(XIV)で表される塩を得ることができる。
酸(HA)としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ぎ酸、シュウ酸等が挙げられる。ベンゼンスルホン酸が好ましい。
酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、アセトン、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、エチルエーテル、水またはそれらの混合溶液等の溶媒が挙げられる。酢酸エチル、酢酸イソプロピル、水、酢酸エチル−水、酢酸イソプロピル−水の混合溶液が好ましい。特に、酢酸イソプロピルが好ましい。
反応温度としては、-20℃〜60℃、好ましくは-10℃〜40℃が挙げられる。
反応時間としては、5.0時間〜48時間、好ましくは7.0時間〜24時間が挙げられる。
第4工程
(式中、R1、R2およびProは前記と同意義、HAは酸を表わす)
本工程は一般式(XIV)で表される塩を脱塩反応に付し、一般式(III)で表される化合物を得る工程である。
一般式(XIV)で表される塩に溶媒を加えた後、アルカリ水溶液またはアルカリを加え、攪拌して、一般式(VIII)で表される化合物を得ることができる。
溶媒としては、酢酸エチル、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水、またはその混合溶媒等の溶媒が挙げられる。酢酸エチル、水、酢酸エチル−水の混合溶媒が好ましい。特に、酢酸エチル−水の混合溶媒が好ましい。
アルカリ水溶液またはアルカリとしては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。特に、水酸化ナトリウム水溶液と炭酸水素ナトリウムが好ましい。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられるが、0℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、5分〜3.0時間が挙げられるが、10分〜1.5時間が好ましい。
本工程は一般式(XIV)で表される塩を脱塩反応に付し、一般式(III)で表される化合物を得る工程である。
一般式(XIV)で表される塩に溶媒を加えた後、アルカリ水溶液またはアルカリを加え、攪拌して、一般式(VIII)で表される化合物を得ることができる。
溶媒としては、酢酸エチル、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水、またはその混合溶媒等の溶媒が挙げられる。酢酸エチル、水、酢酸エチル−水の混合溶媒が好ましい。特に、酢酸エチル−水の混合溶媒が好ましい。
アルカリ水溶液またはアルカリとしては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。特に、水酸化ナトリウム水溶液と炭酸水素ナトリウムが好ましい。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられるが、0℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、5分〜3.0時間が挙げられるが、10分〜1.5時間が好ましい。
第5工程
(式中、R1、R2、およびProは前記と同意義)
本工程は2位側鎖のアミド基をシアノ基に変換する工程である。
一般式(III)で表される化合物を溶媒に溶解し、塩基および脱水剤の溶液を加え、攪拌後、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。テトラヒドロフラン、酢酸エチルが好ましい。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。トリエチルアミンが好ましい。
脱水剤としては、塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、および塩化チオニル等が挙げられる。塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リンが好ましい。
反応温度としては、-10℃〜50℃が挙げられる。-5℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、0.1時間〜5.0時間が挙げられる。0.2時間〜2.0時間が好ましい。
本工程は2位側鎖のアミド基をシアノ基に変換する工程である。
一般式(III)で表される化合物を溶媒に溶解し、塩基および脱水剤の溶液を加え、攪拌後、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。テトラヒドロフラン、酢酸エチルが好ましい。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。トリエチルアミンが好ましい。
脱水剤としては、塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、および塩化チオニル等が挙げられる。塩化トリクロロアセチル、オキシ塩化リンが好ましい。
反応温度としては、-10℃〜50℃が挙げられる。-5℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、0.1時間〜5.0時間が挙げられる。0.2時間〜2.0時間が好ましい。
第6工程
(式中、R1、R2、およびProは前記と同意義)
本工程は2位側鎖であるシアノ基を還元してアミノ基に変換する工程である。
一般式(I)で表される化合物を溶媒に溶解し、アンモニア溶液、および触媒を加え、水素添加した後、触媒をろ別し、一般式(II)で表される化合物を得ることができる。
一般式(II)で表される化合物を溶解する溶媒およびアンモニア溶液の溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、水、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶液が挙げられる。エタノールが好ましい。
触媒としては、ラネーニッケル、塩化ニッケル等のニッケル触媒、Pd−C、リンドラー触媒等のパラジウム触媒、酸化白金等の白金触媒がが挙げられる。好ましくは、ラネーニッケル、塩化ニッケル等のニッケル触媒が挙げられる。特に、好ましくは、ラネーニッケル等が挙げられる。ニッケル触媒に代えて、パラジウム触媒や白金触媒を用いた場合では、R1−Nの部分のベンジル結合が切断されてしまい、目的物の収率が低下することがある。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられる。5℃〜40℃が好ましい。
反応時間としては、1.0時間〜12時間が挙げられる。2.0時間〜8.0時間が好ましい。
本工程は2位側鎖であるシアノ基を還元してアミノ基に変換する工程である。
一般式(I)で表される化合物を溶媒に溶解し、アンモニア溶液、および触媒を加え、水素添加した後、触媒をろ別し、一般式(II)で表される化合物を得ることができる。
一般式(II)で表される化合物を溶解する溶媒およびアンモニア溶液の溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、水、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶液が挙げられる。エタノールが好ましい。
触媒としては、ラネーニッケル、塩化ニッケル等のニッケル触媒、Pd−C、リンドラー触媒等のパラジウム触媒、酸化白金等の白金触媒がが挙げられる。好ましくは、ラネーニッケル、塩化ニッケル等のニッケル触媒が挙げられる。特に、好ましくは、ラネーニッケル等が挙げられる。ニッケル触媒に代えて、パラジウム触媒や白金触媒を用いた場合では、R1−Nの部分のベンジル結合が切断されてしまい、目的物の収率が低下することがある。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられる。5℃〜40℃が好ましい。
反応時間としては、1.0時間〜12時間が挙げられる。2.0時間〜8.0時間が好ましい。
第7工程
(式中、Xはハロゲンまたはヒドロキシ;R1、R2、およびProは前記と同意義)
本工程は、一般式(II)で表される化合物またはその塩の2位に側鎖を導入する工程である。
一般式(II)で表される化合物またはその塩を溶媒に溶解し、2位側鎖の酸または一般式(IV)で表される化合物を加え、攪拌後、化合物(V)を得ることができる。
出発物質としては、一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV)で表される化合物としては、酸ハロゲン化物が好ましい。特に、酸クロリドが好ましい。
溶媒としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、ジグライム、酢酸エチル等が挙げられる。好ましくは、ジグライム、酢酸エチル、アセトニトリル、ジグライム−酢酸エチルの混合溶媒が挙げられる。特に好ましくは、ジグライム−酢酸エチルの混合溶媒が好ましい。
反応温度としては、-20℃〜30℃が挙げられる。-20℃〜15℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜5.0時間が挙げられる。1.0時間〜4.0時間が好ましい。
本工程は、一般式(II)で表される化合物またはその塩の2位に側鎖を導入する工程である。
一般式(II)で表される化合物またはその塩を溶媒に溶解し、2位側鎖の酸または一般式(IV)で表される化合物を加え、攪拌後、化合物(V)を得ることができる。
出発物質としては、一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV)で表される化合物としては、酸ハロゲン化物が好ましい。特に、酸クロリドが好ましい。
溶媒としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、ジグライム、酢酸エチル等が挙げられる。好ましくは、ジグライム、酢酸エチル、アセトニトリル、ジグライム−酢酸エチルの混合溶媒が挙げられる。特に好ましくは、ジグライム−酢酸エチルの混合溶媒が好ましい。
反応温度としては、-20℃〜30℃が挙げられる。-20℃〜15℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜5.0時間が挙げられる。1.0時間〜4.0時間が好ましい。
第8工程
(式中、R1、R2、およびProは前記と同意義)
本工程は、一般式(V)で表される化合物の1位の保護基を脱保護する反応である。脱保護反応は、保護基によって変わるが、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.,(Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, New York, John Wiley, 1999年)等に記載の方法による。
保護基がt−ブチルオキシカルボニルの場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、ぎ酸、またはこれらの酸の混合物、並びにLewis酸(たとえばAlCl3, TiCl4, ZnCl2, BF3)とアニソールとの混合物による条件による脱保護が好ましい。塩酸が特に好ましい。
溶媒としては、メタノール、エタノール、酢酸エチル、ジグライム等が好ましい。特に、メタノールが好ましい。
反応温度としては、0℃〜100℃が挙げられる。20℃〜80℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜48時間が挙げられる。3時間〜15時間が好ましい。
保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒を用いた水素添加反応、塩化アルミニウムや三臭化ホウ素のルイス酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がp−メトキシベンジルオキシカルボニル基の場合は、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がアリルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム触媒−ギ酸の系による脱保護反応が挙げられる。
保護基が9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基の場合は、ピペリジン等の塩基による脱保護が挙げられる。
保護基がp−ニトロベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒よる水素添加反応、臭化水素酸−酢酸、電極反応等による脱保護が挙げられる。
本工程は、一般式(V)で表される化合物の1位の保護基を脱保護する反応である。脱保護反応は、保護基によって変わるが、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.,(Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, New York, John Wiley, 1999年)等に記載の方法による。
保護基がt−ブチルオキシカルボニルの場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、ぎ酸、またはこれらの酸の混合物、並びにLewis酸(たとえばAlCl3, TiCl4, ZnCl2, BF3)とアニソールとの混合物による条件による脱保護が好ましい。塩酸が特に好ましい。
溶媒としては、メタノール、エタノール、酢酸エチル、ジグライム等が好ましい。特に、メタノールが好ましい。
反応温度としては、0℃〜100℃が挙げられる。20℃〜80℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜48時間が挙げられる。3時間〜15時間が好ましい。
保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒を用いた水素添加反応、塩化アルミニウムや三臭化ホウ素のルイス酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がp−メトキシベンジルオキシカルボニル基の場合は、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸による脱保護反応が挙げられる。
保護基がアリルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム触媒−ギ酸の系による脱保護反応が挙げられる。
保護基が9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基の場合は、ピペリジン等の塩基による脱保護が挙げられる。
保護基がp−ニトロベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム−炭素触媒よる水素添加反応、臭化水素酸−酢酸、電極反応等による脱保護が挙げられる。
第9工程
(式中、Yはハロゲンまたはヒドロキシ;HBは酸;R1、R2、およびProは前記と同意義)
本工程は1位に、置換されたベンゾイル基を導入する工程である。
1位側鎖に対応する一般式(VII)で表される化合物を溶媒に溶解し、少量のジメチルホルムアミドとハロゲン化剤を加え、攪拌後、1位側鎖に対応する酸ハロゲン化物を得る。酸ハロゲン化物を合成する際の溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等が挙げられる。アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物の溶媒中、塩基および上記の酸ハロゲン化物の溶液を加え、攪拌後、一般式(VIII)で表される化合物を得ることができる。
酸ハロゲン化物と一般式(VI)で表される化合物との反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル等が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。特に好ましくは、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。
塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。トリエチルアミンが好ましい。
また、一般式(VI)で表される化合物の溶媒中、縮合剤および一般式(VII)で表される化合物を直接反応させることにより、一般式(VIII)で表される化合物を得ることもできる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。特に好ましくは、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。
縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、カルボニルイミダゾール(CDI)、1−エチル−3―(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)が挙げられる。
反応温度としては、0℃〜100℃が挙げられる。0℃〜70℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜24時間が挙げられる。0.5時間〜20時間が好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物は、反応後単離した後、または粗生成物のまま、一般式(XV)で表される塩に誘導することができる。
一般式(VIII)で表される化合物を溶媒に溶かし、酸(HB)を加え、攪拌、ろ過後、一般式(XV)で表される塩を得ることができる。
酸(HB)としては、塩酸、硫酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ぎ酸、シュウ酸が挙げられる。好ましくは、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。とくに、このましくは、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。
塩の反応溶媒(結晶溶媒)としては、酢酸エチル、メタノール、アセトン、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、エチルエーテル、またはそれらの混合溶液等の溶媒が挙げられる。酢酸エチルとメタノールの混合溶媒が好ましい。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられる。5℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜24時間が挙げられる。0.5時間〜12時間が好ましい。
本工程は1位に、置換されたベンゾイル基を導入する工程である。
1位側鎖に対応する一般式(VII)で表される化合物を溶媒に溶解し、少量のジメチルホルムアミドとハロゲン化剤を加え、攪拌後、1位側鎖に対応する酸ハロゲン化物を得る。酸ハロゲン化物を合成する際の溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等が挙げられる。アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物の溶媒中、塩基および上記の酸ハロゲン化物の溶液を加え、攪拌後、一般式(VIII)で表される化合物を得ることができる。
酸ハロゲン化物と一般式(VI)で表される化合物との反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル等が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。特に好ましくは、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。
塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。トリエチルアミンが好ましい。
また、一般式(VI)で表される化合物の溶媒中、縮合剤および一般式(VII)で表される化合物を直接反応させることにより、一般式(VIII)で表される化合物を得ることもできる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。特に好ましくは、ジメチルアセトアミド−酢酸エチル混合溶媒が挙げられる。
縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、カルボニルイミダゾール(CDI)、1−エチル−3―(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)が挙げられる。
反応温度としては、0℃〜100℃が挙げられる。0℃〜70℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜24時間が挙げられる。0.5時間〜20時間が好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物は、反応後単離した後、または粗生成物のまま、一般式(XV)で表される塩に誘導することができる。
一般式(VIII)で表される化合物を溶媒に溶かし、酸(HB)を加え、攪拌、ろ過後、一般式(XV)で表される塩を得ることができる。
酸(HB)としては、塩酸、硫酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ぎ酸、シュウ酸が挙げられる。好ましくは、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。とくに、このましくは、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。
塩の反応溶媒(結晶溶媒)としては、酢酸エチル、メタノール、アセトン、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、エチルエーテル、またはそれらの混合溶液等の溶媒が挙げられる。酢酸エチルとメタノールの混合溶媒が好ましい。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられる。5℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、0.5時間〜24時間が挙げられる。0.5時間〜12時間が好ましい。
第10工程
(式中、R1およびR2は前記と同意義、HBは酸)
本工程は、一般式(XV)で表される塩を脱塩反応に付し、一般式(VIII)で表される化合物を得る工程である。
一般式(XV)で表される化合物に溶媒を加えた後、アルカリ水溶液を加え、攪拌して、一般式(VIII)で表される化合物を得ることができる。
溶媒としては、酢酸エチル、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられるが、酢酸エチルが好ましい。
アルカリ水溶液としては、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等があげられるが、炭酸水素ナトリウム水溶液が好ましい。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられるが、0℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、5分〜3.0時間が挙げられるが、10分〜1.5時間が好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物は、上記の方法にて固体にすることができる。
本工程は、一般式(XV)で表される塩を脱塩反応に付し、一般式(VIII)で表される化合物を得る工程である。
一般式(XV)で表される化合物に溶媒を加えた後、アルカリ水溶液を加え、攪拌して、一般式(VIII)で表される化合物を得ることができる。
溶媒としては、酢酸エチル、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられるが、酢酸エチルが好ましい。
アルカリ水溶液としては、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等があげられるが、炭酸水素ナトリウム水溶液が好ましい。
反応温度としては、0℃〜50℃が挙げられるが、0℃〜35℃が好ましい。
反応時間としては、5分〜3.0時間が挙げられるが、10分〜1.5時間が好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物は、上記の方法にて固体にすることができる。
第11工程
(式中、R1、R2、およびProは前記と同意義)
本工程は、一般式(III)で表される化合物を還元反応に付し、一般式(II)で表される化合物を得る工程である。
水素化ホウ素ナトリウムと酢酸を溶媒に溶かした後、一般式(III)で表される化合物の溶液を加えて、還元を行ない、一般式(II)を得ることができる。
水素化リチウムアルミニウム、およびボラン等を用いても同様に還元することができる。
溶媒としては、ジグライム、テトラヒロドフラン、エタノール、メタノール、水、エーテル等の溶媒が挙げられるが、ジグライムが好ましい。
反応温度としては、-20℃〜150℃が挙げられるが、-10℃〜100℃が好ましい。
反応時間としては、1時間〜24時間が挙げられるが、3時間〜10時間が好ましい。
本工程は、一般式(III)で表される化合物を還元反応に付し、一般式(II)で表される化合物を得る工程である。
水素化ホウ素ナトリウムと酢酸を溶媒に溶かした後、一般式(III)で表される化合物の溶液を加えて、還元を行ない、一般式(II)を得ることができる。
水素化リチウムアルミニウム、およびボラン等を用いても同様に還元することができる。
溶媒としては、ジグライム、テトラヒロドフラン、エタノール、メタノール、水、エーテル等の溶媒が挙げられるが、ジグライムが好ましい。
反応温度としては、-20℃〜150℃が挙げられるが、-10℃〜100℃が好ましい。
反応時間としては、1時間〜24時間が挙げられるが、3時間〜10時間が好ましい。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。参考例1〜20および実施例1〜10に各工程の詳細を記す。
実施例中、以下の略号を用いる。
Boc:t−ブチルオキシカルボニル
Ms:メタンスルホニル
Ph:フェニル
Ts:p−トルエンスルホニル
実施例中、以下の略号を用いる。
Boc:t−ブチルオキシカルボニル
Ms:メタンスルホニル
Ph:フェニル
Ts:p−トルエンスルホニル
参考例1
トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン (1) 1000 g (7.63 mol)のメタノール 3.6 L懸濁液に、水酸化ナトリウム 317.8 g (96%, 7.63 mol)を水 1.5 Lに溶解した溶液を5〜8℃で加えた。この溶液にジ-tert-ブチルジカーボネート 1831 g (8.39 mol)のテトラヒドロフラン 150 mL溶液を3〜9℃にて1時間10分間で滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残留液 3.44 kgを酢酸エチルで2回洗浄し、有機層は水で抽出した。水層は合併し、濃塩酸でpH 2.0に調整し、食塩を加え塩析して酢酸エチルで3回抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄後減圧濃縮した。得られた残留液に酢酸エチルを加え、減圧濃縮する操作を3回繰り返し(水分が基質の1%以下になるまで)、ヒドロキシ体 (2)の酢酸エチル溶液 3.50 kgを得た。この溶液を次工程に使用した。
参考例2
ヒドロキシ体 (2)の酢酸エチル溶液 3.50 kg (7.63 mol相当) に酢酸エチル 15.7 Lを加え、次いでトリエチルアミン 2551 mL (d 0.726, 18.3 mol) を-3〜-7℃で加えた。この混合物にメタンスルホニルクロリド 1299 mL (d 1.48, 16.8 mol) を-5〜-9℃にて1時間55分間で滴下し、-5〜-8℃で1時間30分間攪拌した。次いで、水 4.5 Lと無水炭酸ナトリウム 1617 g (15.3 mol) を水4.5 Lに溶解した溶液を加え、15〜24℃で2時間20分間攪拌した。反応液を濃塩酸でpH 2.0に調整し、分液した。水層は酢酸エチルで抽出し、有機層は飽和食塩水で2回洗浄後減圧濃縮した。得られた残留液に酢酸エチルを加え、減圧濃縮し(水分を基質の1%以下にした)、メシレート体 (3) の酢酸エチル溶液 3.50 kgを得た。この溶液を次工程に使用した。
参考例3
メシレート体 (3)の酢酸エチル溶液 3.50 kg (7.63 mol相当) に酢酸エチル 1.0 L、ジメチルホルムアミド 4.7 Lおよび無水炭酸ナトリウム 970 g (9.15 mol) を加え、80〜86℃で1時間18分間攪拌した。反応液は冷却後酢酸 524 mL (d 1.049, 9.15 mol) の氷水 14.1 kgの溶液に加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層は水で3回洗浄後減圧濃縮し、ラクトン体 (4) の酢酸エチル溶液5.06 kgを得た。この溶液を次工程に使用した。
参考例4
ラクトン体 (4) の酢酸エチル溶液5.06 kg (7.63 mol相当)に酢酸エチル 3.5 Lを加え、28%アンモニア水 650 mL (d 0.995, 10.6 mol) を10〜17℃にて32分間で滴下し、16〜20℃で1時間20分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残査に酢酸エチルを加え、再度減圧濃縮した。得られた結晶性残査を酢酸エチル/トルエン (1/1) で洗浄してアミド体 (5) を1442 g (4工程通算収率82.1%) 無色結晶(融点164〜166℃)として得た。
Anal. Calcd for C10H18N2O4. C, 52.16; H, 7.88; N, 12.17. Found C, 52.13; H, 7.87; N, 12.31; H2O, 0.31.
[α]D −3.1±0.4°, [α]365 −19.8±0.6°(MeOH, c 1.004, 25℃)
Anal. Calcd for C10H18N2O4. C, 52.16; H, 7.88; N, 12.17. Found C, 52.13; H, 7.87; N, 12.31; H2O, 0.31.
[α]D −3.1±0.4°, [α]365 −19.8±0.6°(MeOH, c 1.004, 25℃)
参考例5
アミド体 (5) 1300 g (5.65 mol) のテトラヒドロフラン 15.6 L懸濁液に、ジイソプロピルアミン 959 mL (d 0.715, 6.78 mol) を-3〜-3.5℃で加え、次いでメタンスルホニルクロリド 481 mL (d 1.48, 6.21 mol) を-5〜2℃にて45分間で滴下し、1〜-2℃で1時間攪拌した。反応液に1 mol/L HCl 1.2 Lの氷水 8.8 kgの溶液及び食塩 (1.9 kg) を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層は飽和食塩水で2回洗浄後減圧濃縮した。得られた残査を酢酸エチル/トルエンより結晶化し、メシレート体 (6)を1670 g (収率95.9%) 無色結晶(融点112〜114℃)として得た。
Anal. Calcd for C11H20N2O6S. C, 42.85; H, 6.54; N, 9.08; S, 10.40. Found C, 42.55; H, 6.45; N, 9.22; S, 10.34; H2O, 0.31.
[α]D −24.9±0.7°(MeOH, c 1.000, 25℃)
Anal. Calcd for C11H20N2O6S. C, 42.85; H, 6.54; N, 9.08; S, 10.40. Found C, 42.55; H, 6.45; N, 9.22; S, 10.34; H2O, 0.31.
[α]D −24.9±0.7°(MeOH, c 1.000, 25℃)
実施例1
化合物 (6) (123.3 g, 0.4 mol) を水 (62 mL)、イソブチルアミン (159 mL, 4 eq) に溶解、65-87℃で9時間、80-89℃で2時間攪拌した。酢酸イソプロピル(1.2 L)、10% 食塩水 (0.25 L) を加え抽出した。水槽は更に酢酸イソプロピル(0.4 L)にて抽出した。各々の有機層は10% 食塩水 (0.25 L) で洗浄した。有機層を合わせ減圧下、溶媒を濃縮した。残渣に酢酸イソプロピル(0.5 L, 0.2 L)を加え再度濃縮して、化合物 (7) (249.5 g, purity 74%, H2O: 0.10%) を得た。同化合物を(16) (98.9 g, 1.0 eq) の酢酸イソプロピル (147 mL) 溶液、酢酸イソプロピル (68 mL)、DMF (370 mL)、炭酸ナトリウム (84.8 g, 2 eq) を加え75-80℃で8時間攪拌した。水 (1 L) を加え、酢酸イソプロピル (0.5L × 2) にて抽出した。各々の有機層は水 (1 L × 2) で洗浄した。有機層を合わせ減圧下濃縮して、化合物 (8) (460.5 g, 304 mmol 相当, 含水量0.185%) を得た。
実施例2
上記の (8) に酢酸イソプロピル0.94 Lを加え、氷冷下ベンゼンスルホン酸の一水和物56.2 g (1.05 eq) の酢酸イソプロピル0.36 L溶液を4-5℃にて20分で加えた。水8.2 mL を加えシードして室温で16時間静置した。析出晶を濾過、酢酸イソプロピルで洗浄した。乾燥後、塩 (9) (180 g, 71.7% from 6) を得た。
分解点:109℃
Anal. Calcd for C33H45N3O7S・1.2 H2O・0.1AcOiPr: C,62.25; H, 7.24; N, 6.50; S, 4.96; H2O, 3.15. Found: C, 62.15; H, 7.18; N, 6.60; S, 5.05; H2O, 3.15.
分解点:109℃
Anal. Calcd for C33H45N3O7S・1.2 H2O・0.1AcOiPr: C,62.25; H, 7.24; N, 6.50; S, 4.96; H2O, 3.15. Found: C, 62.15; H, 7.18; N, 6.60; S, 5.05; H2O, 3.15.
実施例3
塩 (9) (50 g, 79.65 mol) を水(250 mL)と酢酸エチル (300 mL) に溶解させ、氷冷下 1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液 (101.6 mL) を滴下(pH 6.22になった)、次いで重曹 (1.62 g) を加え20分攪拌した。(pH 8.1となった)分液後有機層を5%重曹水 (0.2 L)、水 (0.15 L) で洗浄し、減圧下溶媒を留去して化合物 (8) (41.01 g) を得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.79 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.62 (s, 2H), 2.12 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 2.89-3.47 (m, 3H), 4.24 (br, 1H), 5.30 (br, 1H), 5.90 (br, 1H), 6.76 (br, 1H), 7.15-7.7 (m, 11H)
1H NMR (CDCl3):δ 0.79 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.62 (s, 2H), 2.12 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 2.89-3.47 (m, 3H), 4.24 (br, 1H), 5.30 (br, 1H), 5.90 (br, 1H), 6.76 (br, 1H), 7.15-7.7 (m, 11H)
実施例4
上記化合物 (8) を酢酸エチル (293 mL) に溶解させ、氷冷下、トリエチルアミン (28.9 mL, 2.6 eq)を加え、塩化トリクロロアセチル (11.6 mL, 1.3 eq) を3.5-9.2℃で14分にて滴下した。更に2 ℃にて0.5時間攪拌した。反応液を1 mol/L 塩酸 (193 mL) 中へ注ぎ込み、抽出した。水槽は酢酸エチル(138 mL)にて再度抽出した。各々の有機層は、5% 炭酸ナトリウム水溶液(193 mL × 2), 水(193 mL)にて洗浄し、減圧下濃縮して化合物 (10) (37.01 g, 酢酸エチル:4.8%) を得た。
実施例5
化合物 (8) (100.71 g, 223.0 mmol) に酢酸エチル (700 mL)、トリエチルアミン(112.83 g, 1115.0 mmol) を加えた溶液を約0 ℃まで冷却し、オキシ塩化リン (51.35 g, 334.9 mmol) を約30分間かけて滴下した。滴下終了後、約30分間かけて25 ℃まで昇温し、反応を完結させた。得られた反応液を再び約0 ℃まで冷却し、水道水420 mLを加え、2 mol/L 塩酸で約pH 3に調整した。分液後、水層に酢酸エチル420 mL を加え再び分液し、引き続き有機層を5 %炭酸ナトリウム水溶液448 mL、水道水420 mLで2回洗浄した。それぞれの有機層を合併後、約560 mL まで減圧濃縮を行い、褐色の化合物 (10) の濃縮液 (HPLC 定量値99%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.80 (d, 6H, J = 6.3 Hz), 1.47 (s, 9H), 1.52-1.70 (m, 1H), 1.80-1.96 (m, 2H), 2.21 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 2.86-3.63 (m, 3H), 4.28-4.52 (m, 1H), 7.17-7.63 (m, 11H)
1H NMR (CDCl3):δ 0.80 (d, 6H, J = 6.3 Hz), 1.47 (s, 9H), 1.52-1.70 (m, 1H), 1.80-1.96 (m, 2H), 2.21 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 2.86-3.63 (m, 3H), 4.28-4.52 (m, 1H), 7.17-7.63 (m, 11H)
実施例6
実施例4で得られた 化合物 (10) を2 mol/L アンモニア/エタノール (173 mL, 79.65 mmol × 5V) に溶解、ラネーニッケル (78 mL) を加え室温にて水添した。反応終了後、触媒を濾別し、エタノール洗浄した。減圧下濃縮して残渣を酢酸エチル (350 mL) に溶解、水(175 mL)を加え抽出した。水槽は酢酸エチル (175 mL) にて更に抽出した。各々の有機層は食塩水(175 mL × 2)洗浄した。有機層を合わせ減圧下、濃縮し、酢酸エチル (50 mL)を加え再濃縮して、化合物 (11) (32.32 g, 92.7%) を得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.80 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.43 (s, 9H), 1.49-1.60 (m, 2H), 1.63-1.78 (m, 1H), 2.09 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.42-2.51 (m, 1H), 2.65-2.77 (m, 1H), 2.95-3.07 (m, 1H), 3.11-3.32 (m, 2H), 3.53 (s, 2H), 3.60-3.73 (m, 1H), 7.17-7.63 (m, 11H)
1H NMR (CDCl3):δ 0.80 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.43 (s, 9H), 1.49-1.60 (m, 2H), 1.63-1.78 (m, 1H), 2.09 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.42-2.51 (m, 1H), 2.65-2.77 (m, 1H), 2.95-3.07 (m, 1H), 3.11-3.32 (m, 2H), 3.53 (s, 2H), 3.60-3.73 (m, 1H), 7.17-7.63 (m, 11H)
実施例7
上記化合物 (11)の1.05 g (3.72 mmol) をジグライム (4.9 mL)、酢酸エチル (3 mL) に溶解して、氷冷攪拌下、酸クロライド (17) (1.05 g, 3.54 mmol) を2.7-9.8℃にて加えた。同温度にて2時間攪拌後、メタノール (16.3 mL)、濃塩酸 (1.5 mL) を加え60℃で9.5時間攪拌した。4 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液 (3.7 mL) を加え、均質な結晶が析出するまで攪拌した。冷却後濾別、乾燥して化合物 (13) (1.72 g, 81.5%) を得た。
Mp 205.7 ℃.
1H NMR (d6-DMSO, 300 MHz): 0.74 (6H, dd), 1.42-1.62 (2H, m), 1.74-1.86 (1H, m), 2.90 (2H, dd), 2.78 (ddd, 1H), 3.07 (ddd, 1H), 3.36 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.49 (s, 2H), 3.58-3.68 (m, 2H), 6.61 (d, 1H), 7.17 (1H, d), 7.24-7.60 (14H, m).
Anal. Calcd for C35H38N4O3S・0.6 H2O: C,69.42; H, 6.52; N, 9.25; S, 5.25; H2O, 1.78. Found: C, 69.52; H, 6.54; N, 9.32; S, 5.32; H2O, 1.48.
Mp 205.7 ℃.
1H NMR (d6-DMSO, 300 MHz): 0.74 (6H, dd), 1.42-1.62 (2H, m), 1.74-1.86 (1H, m), 2.90 (2H, dd), 2.78 (ddd, 1H), 3.07 (ddd, 1H), 3.36 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.49 (s, 2H), 3.58-3.68 (m, 2H), 6.61 (d, 1H), 7.17 (1H, d), 7.24-7.60 (14H, m).
Anal. Calcd for C35H38N4O3S・0.6 H2O: C,69.42; H, 6.52; N, 9.25; S, 5.25; H2O, 1.78. Found: C, 69.52; H, 6.54; N, 9.32; S, 5.32; H2O, 1.48.
実施例8
上記の (13) (1.5 g, 2.52 mmol) をジメチルアセトアミド (13.5 mL) に懸濁させ、トリエチルアミン (1. 5 mL, 3 eq) を氷冷下加えた後、化合物 (18) の酸クロライド(1.0 eq) の酢酸エチル溶液を加えた。38-48℃で1.5時間攪拌後、希塩酸水に注ぎ込酢酸エチルで抽出した。有機層は5%重曹水、水で順じ洗浄した。溶媒を留去後、残渣 (14)を酢酸エチルで溶解しp−トルエンスルホン酸一水和物 (479 mg)のメタノール(5.1 mL)溶液を加えた。析出した結晶を濾過、乾燥してp−トルエンスルホン酸塩 (15) (2.30 g, 90.2%) を得た。
Mp 118℃,
Anal. Calcd. for C56H52F2N4O8S2・1.6 H2O: C, 64.67; H, 5.35; F, 3.65; N, 5.39; S, 6.17, Found: C, 64.73; H, 5.43; F, 3.46; N, 5.34; S, 5.92; H2O, 1.95, Ash<0.1.
Mp 118℃,
Anal. Calcd. for C56H52F2N4O8S2・1.6 H2O: C, 64.67; H, 5.35; F, 3.65; N, 5.39; S, 6.17, Found: C, 64.73; H, 5.43; F, 3.46; N, 5.34; S, 5.92; H2O, 1.95, Ash<0.1.
実施例9
p−トルエンスルホン酸塩 (15) (9.07 g) の酢酸 (90 mL) けん濁液に5% 重曹水 (90 mL) を加え、室温にて17 分攪拌した。分液した水層は酢酸エチル (32 mL) で抽出した。各々酢酸エチル層は、食塩水(32 mL×2) で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮して化合物 (14) 残渣 (7.88 g) を得た。
Anal. Calcd. for C49H44F2N4O5S・0.5 H2O.: C, 69.40; H, 6.53; F, 4.48; N, 6.61; S, 3.78; H2O, 0.26. Found: C, 69.45; H, 5.35; F, 4.47; N, 6.64; S, 3.85; H2O, 1.83, Na<0.1, Cl<0.1%.
1H NMR (CDCl3) δ 0.72 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.78 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.47-1.56 (m, 1 H), 1.68-1.75 (m, 1 H), 1.94-2.17 (m, 4 H), 2.95-3.01 (m, 1 H), 3.13-3.19 (m, 1H), 3.39-3.71 (m, 5 H), 4.41-4.57 (m, 1 H), 6.52 (d, 1 H, J = 15.9 Hz), 6.84-7.00 (m, 2 H), 7.12-7.75 (m, 21 H).
Anal. Calcd. for C49H44F2N4O5S・0.5 H2O.: C, 69.40; H, 6.53; F, 4.48; N, 6.61; S, 3.78; H2O, 0.26. Found: C, 69.45; H, 5.35; F, 4.47; N, 6.64; S, 3.85; H2O, 1.83, Na<0.1, Cl<0.1%.
1H NMR (CDCl3) δ 0.72 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.78 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.47-1.56 (m, 1 H), 1.68-1.75 (m, 1 H), 1.94-2.17 (m, 4 H), 2.95-3.01 (m, 1 H), 3.13-3.19 (m, 1H), 3.39-3.71 (m, 5 H), 4.41-4.57 (m, 1 H), 6.52 (d, 1 H, J = 15.9 Hz), 6.84-7.00 (m, 2 H), 7.12-7.75 (m, 21 H).
アミド体8から水素化ホウ素ナトリウム−酢酸により、直接アミン体11を得る方法について示す。
実施例10
水素化ホウ素ナトリウム (5.67 g, 150 mmol) のジグライム溶液 (110 mL) に酢酸 (8.6 mL, 150 mmol)のジグライム溶液 (20 mL) を、氷冷下で1〜2℃に保ちながら、55分かけて滴下した。同温度で10分間攪拌した後、化合物 (8) (13.70 g, 30.3 mmol) のジグライム溶液 (50 mL) を、氷冷下で1〜2℃に保ちながら10分かけて滴下した。滴下終了後、60-66℃で6.5時間加熱攪拌を行なった。冷却後、反応液を、冷却した1 mol/L 塩酸 (300mL) に滴下し、酢酸エチル 120mL を加えた後、氷冷下で1時間攪拌した。さらに、酢酸エチル120mLを加えて分液後、水層は酢酸エチル 80mL で洗浄し、有機層は冷却した 1 mol/L 塩酸 (50 mL) で2回洗浄した。水層を合わせた後、4 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液 (約105 mL) て、pHを約10に調節した後、酢酸エチル (120mL×1、100mL×1)で抽出した。有機層をそれぞれ10% 塩化ナトリウム水溶液 (80 mL×2) で洗浄後、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下濃縮して、目的物 (12.36 g, 含有溶媒と液クロにより純度換算した収率76.1%) を得た。
実施例10
参考例6
メシレート体 (6) 1500 g (4.87 mol) をイソブチルアミン2417 mL (d 0.736, 24.3 mol) および水 495 mLに溶解し、10時間30分間還流攪拌した。反応液は減圧濃縮して得られた油状残査に酢酸エチルを加え、減圧濃縮する操作を2回繰り返した。得られた油状残査に酢酸エチル、氷水および20%炭酸ナトリウム水溶液を加え、抽出した。水層は酢酸エチルで抽出し、有機層を10%食塩水で洗浄後減圧濃縮した。得られた油状残査をアセトニトリルに溶解し、再度減圧濃縮し、イソブチルアミノ体 (7) 1.50 kgを油状物として得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.89 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.47 (s, 9H), 1.62-1.75 (m, 2H), 2.35-2.41 (m, 2H), 2.56 (br, 1H), 3.12 (br, 1H), 3.39 (br, 1H), 3.58 (br, 1H), 4.39 (br, 1H), 5.45 (br, 1H), 6.01 (br, 1H), 6.90 (br, 1H)
1H NMR (CDCl3):δ 0.89 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.47 (s, 9H), 1.62-1.75 (m, 2H), 2.35-2.41 (m, 2H), 2.56 (br, 1H), 3.12 (br, 1H), 3.39 (br, 1H), 3.58 (br, 1H), 4.39 (br, 1H), 5.45 (br, 1H), 6.01 (br, 1H), 6.90 (br, 1H)
参考例7
イソブチルアミノ体 (7)1.56 kg(4.83 mol分) のアセト二トリル 9 L 溶液に2-フエニル-ベンジルブロミド(16) 1260 g (純度補正1202 g; 1 eq) と炭酸ナトリウム 774 g (1.5 eq)を加え45〜46℃で8.5時間攪拌した。一夜放置後ろ紙粉末で濾過し減圧濃縮して目的物 (8) の油状残渣 2.50 kg(理論量 2183 g)を得た。
参考例8
ベンジルアミノ体 (8) 2.47 kg (4.77 mol分)の酢酸エチル 4.3 L、メタノール1.1 L 溶液に4 mol/L 塩酸/酢酸エチル溶液 5.96 L (5 eq) を11〜19℃で滴下した。25〜28℃で1時間25分攪拌後氷水を加え分液した。水層を酢酸エチル 4.3 Lで洗浄、酢酸エチル層は水 4.3 Lで抽出した。水層に氷を加え15〜19℃で冷4 mol/L水酸化ナトリウム水溶液 (6 L) を滴下しpH 9.5に調整後酢酸エチル 7.5L、4.3 Lで順次抽出した。酢酸エチル層を10% 食塩水 7.5 L×2で順次洗浄後減圧濃縮して目的物 (19) の油状残渣 1.52 kg(90.6%, 理論量 1677 g)を得た。
参考例9
化合物(19) 1457 gの酢酸n-ブチルエステル 19.28 Lと酢酸エチル5.86 Lの溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物 1392 g (1.6 eq)/酢酸エチル 7 L溶液を40℃で加えた。40℃で2時間攪拌後さらに室温で2時間攪拌して結晶化した。結晶を濾過し酢酸n-ブチルエステル/酢酸エチル = 2/1 3.2 Lと酢酸n-ブチルエステル/酢酸エチル = 5/1 3.2 Lで順次洗浄、加温減圧乾燥して白色のp-トルエンスルホン酸塩 (23) 2238 g(69% from 6)を得た。
Anal. Calcd. for C22H29N3O・2.0 C2H2O4・0.1 H2O: C, 61.97; H, 6.53; N, 6.02; S, 9.19; H2O, 0.26. Found: C, 61.43; H, 6.49; N, 6.10; S, 9.38; H2O, 0.19
Anal. Calcd. for C22H29N3O・2.0 C2H2O4・0.1 H2O: C, 61.97; H, 6.53; N, 6.02; S, 9.19; H2O, 0.26. Found: C, 61.43; H, 6.49; N, 6.10; S, 9.38; H2O, 0.19
参考例10
化合物 (8) 2341 gの酢酸エチル13.4 Lの溶液にp-トルエンスルホン酸一水和物 2266 g (2.5 eq)を加えた。40℃で3時間攪拌後、酢酸n-ブチルエステル20.1 Lを加え40℃から室温さらに氷冷で攪拌して結晶化した。結晶を濾過し酢酸n-ブチルエステル/酢酸エチル = 2/1 3.35 Lと酢酸n-ブチルエステル/酢酸エチル = 5/1 3.35 Lで順次洗浄、加温減圧乾燥して白色のp-トルエンスルホン酸塩 (23) 2135g (63.7%)を得た。
参考例11
1−位側鎖カルボン酸 (18) (320 g, 1.22 mol)のアセトニトリル (2.56 L) 溶液にジメチルホルムアミド (3 mL)、塩化チオニル (107 mL, 1.464 mol) を室温で加え、同温度で2時間攪拌した。減圧濃縮して油状物質 385 gをえた。化合物(19)(フリー体、440 g, 1.25 mol)のテトラヒドロフラン (2.4 L) 溶液に、トリエチルアミン (510 mL, 3.66 mol)、上記の油状物質のテトラヒドロフラン (2 L) 溶液を10℃以下で加えた。3-9℃で0.5時間攪拌後、室温で17.5時間攪拌した。希塩酸(5 L) 中に反応液を注ぎこみ、酢酸エチル (3 L×2) で抽出した。各々有機層は5%炭酸ナトリウム水溶液 (3 L×2)、 水 (3 L×2)、食塩水 (3 L) で洗浄した。溶媒を留去して、目的物質 (20) (740 g, 99%) を得た。
参考例12
化合物 (20) (280 g, 0.432 mol) のテトラヒドロフラン (1.12 L) 溶液に、トリエチルアミン (180 mL, 1.296 mol), 塩化トリクロロアセチル (72.4 mL, 0.648) のテトラヒドロフラン (280 mL) 溶液を10℃以下で加えた。2-10℃で1時間攪拌後希塩酸 (1.5 L) 中に反応液を注ぎこみ、酢酸エチル (1 L×2)で抽出した。各々有機層は5%炭酸ナトリウム水溶液 (1 L×2)、水(1 L×2)、食塩水(1 L) で洗浄した。溶媒を留去して、目的物質 (21) (262 g, 98%) を得た。
参考例13
化合物 (21) (188 g, 0.3 mol)のエタノール (300 mL) 溶液に、4 mol/L アンモニアのエタノール(300 mL, 1.2 mol) 溶液、ラネーニッケル (376 mL) を加え、室温にて6時間水添した。触媒をろ別し、酢酸エチル(900 mL)で洗浄した。酢酸エチル溶液は水 (600 mL×2)、食塩水 (300 mL) で洗浄した。各水層は、酢酸エチル (300 mL) で抽出した。酢酸エチル層は合併し、硫酸ナトリウムで乾燥後、4 mol/L 塩酸の酢酸エチル (240 mL) を加え室温で16時間攪拌した。析出晶をろ過、酢酸エチル (500 mL) で洗浄した。減圧乾燥して、目的物 (22) (120 g, 61%) を得た。
参考例14
化合物 (22) (10 g, 15.3 mol)のアセトニトリル(200mL)溶液に、n-トリブチルアミン (12.7 mL)を3℃で加えた。次いで、2-位側鎖の酸クロリド (17) (4.49 g, 15.3 mol) を、-11〜-14℃で加え、更に同温度にて3.5時間攪拌後、水 (150 mL) に反応液を注ぎこみ、酢酸エチル (150 mL, 100 mL) で抽出した。各々有機層は1 mol/L 塩酸(150 mL)、5%炭酸ナトリウム水溶液 (150 mL)、水 (1 L×2)、食塩水 (150 mL) で洗浄した。溶媒を留去して、目的物質 (17.5 g) を得た。別ロットを合わせ (total 60 g) エタノール:アセトン(9:1) (300 mL)の溶液を5%食塩水に室温にて滴下し、同温で2時間攪拌後ろ過した。水 (200 mL×3) で洗浄した後乾燥し、化合物 (14) (53.35 g, 88.95%)を得た。
Anal. Calcd. for C49H44F2N4O5S・0.5 H2O.: C, 69.40; H, 6.53; F, 4.48; N, 6.61; S, 3.78; H2O, 0.26. Found: C, 69.45; H, 5.35; F, 4.47; N, 6.64; S, 3.85; H2O, 1.83, Na<0.1, Cl<0.1%.
1H NMR (CDCl3) δ 0.72 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.78 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.47-1.56 (m, 1 H), 1.68-1.75 (m, 1 H), 1.94-2.17 (m, 4 H), 2.95-3.01 (m, 1 H), 3.13-3.19 (m, 1H), 3.39-3.71 (m, 5 H), 4.41-4.57 (m, 1 H), 6.52 (d, 1 H, J = 15.9 Hz), 6.84-7.00 (m, 2 H), 7.12-7.75 (m, 21 H).
Anal. Calcd. for C49H44F2N4O5S・0.5 H2O.: C, 69.40; H, 6.53; F, 4.48; N, 6.61; S, 3.78; H2O, 0.26. Found: C, 69.45; H, 5.35; F, 4.47; N, 6.64; S, 3.85; H2O, 1.83, Na<0.1, Cl<0.1%.
1H NMR (CDCl3) δ 0.72 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.78 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.47-1.56 (m, 1 H), 1.68-1.75 (m, 1 H), 1.94-2.17 (m, 4 H), 2.95-3.01 (m, 1 H), 3.13-3.19 (m, 1H), 3.39-3.71 (m, 5 H), 4.41-4.57 (m, 1 H), 6.52 (d, 1 H, J = 15.9 Hz), 6.84-7.00 (m, 2 H), 7.12-7.75 (m, 21 H).
参考例15
化合物 (14) (8.96 g) を酢酸エチル (25.2 mL) とメタノール (8.4 mL) に溶解し、p-トルエンスルホン酸 (1.9 g, 1.0 eq) の酢酸エチル (5.2 mL) 溶液を加え、室温3時間攪拌した。析出晶をろ過し、酢酸エチル(50 mL)で洗浄した。減圧乾燥し、p-トルエンスルホン酸塩 (15) (9.07 g, 88.1%) を得た。
Mp 118℃,
Anal. Calcd. for C56H52F2N4O8S2・1.6 H2O: C, 64.67; H, 5.35; F, 3.65; N, 5.39; S, 6.17, Found: C, 64.73; H, 5.43; F, 3.46; N, 5.34; S, 5.92; H2O, 1.95, Ash<0.1.
Mp 118℃,
Anal. Calcd. for C56H52F2N4O8S2・1.6 H2O: C, 64.67; H, 5.35; F, 3.65; N, 5.39; S, 6.17, Found: C, 64.73; H, 5.43; F, 3.46; N, 5.34; S, 5.92; H2O, 1.95, Ash<0.1.
メシレート (24)を用いた化合物 (7) から化合物 (9) の別合成法を示す。
参考例16
2-フェニル−ベンジルアルコール (23) (13.6 g, 65 mmol, 11.6% 酢酸エチル含有)の酢酸エチル(60 mL)溶液にトリエチルアミン(10.9 mL, 1.2 eq)を加え、メシルクロライド(5.55 mL, 1.1 eq)を-3〜3.3℃で加えた。その後、室温にて45分攪拌した。希塩酸中に注ぎ込、酢酸エチルで抽出した。有機層は食塩水で洗浄後、濃縮してメシレート (24) (17.7 g, 4.7%酢酸エチル含有、99.1%)
を得た。
参考例16
を得た。
参考例17
原料 (7) (10.8 g, 16.22 mmol, 酢酸イソプロピル含有)と酢酸イソプロピル(9 mL)とアセトニトリル(15 mL)の混合液に上記メシレート (24) (4.85 g, 1.0 eq)と炭酸ソーダ(2.58 g, 1.5 eq)を加え、70℃にて9時間攪拌した。反応液を水に注ぎ込、酢酸イソプロピル(35 mL, 25 mL)で2回抽出した。有機層は、水洗2回、食塩水で洗浄後濃縮した。残渣 (8) 8.38 g (純度換算収率 53%)にベンゼンスルホン酸(1.66 g, 1.1 eq)の酢酸イソプロピル(20 mL)と水(0.31 mL)を加え、結晶化して目的物 (9) (2.07 g, 20.3%)を得た。
2位側鎖17の合成法を以下に示す。
参考例18
テレフタルアルデヒド (25) (22.0g, 164 mmol)、マロン酸 (26) (23.9g, 230 mmol)にアセトニトリル (154 mL) を加えた懸濁液にピリジン (6.6 mL, 82 mmol) を加え、約70℃まで加熱して8時間反応熟成を行った。20 ℃まで冷却後、アセトニトリル (66 mL)を加え、濾過して得られる未乾結晶をアセトニトリル (110 mL)で洗浄して白色の未乾ホルミルケイ皮酸 (27) (37.8g) を得た。
参考例18
参考例19
得られた未乾結晶 (27) (37.8 g)、チアゾリジンジオン (28) (25.0g, 213mmol)に2−プロパノール (220 mL) を加えた懸濁液に、ピペリジン (16.3 mL, 164 mmol) を加え、約75℃まで加熱して8時間反応熟成を行った。20℃まで冷却後、アセトニトリル 110m L、酢酸 (18.8 mL, 328 mmol)を加え、濾過して得られる未乾結晶をアセトニトリル (110 mL)で洗浄して黄色の未乾結晶 29 (87.7g) を得た。減圧乾燥後、黄色の結晶 29 (31.9g, 71%) を得た。
cPLA2阻害活性を有するピロリジン化合物の工業的製造方法として有用な製造方法を提供する。
Claims (16)
- 以下の工程:
(1)一般式(III):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、脱水剤存在下で脱水反応に付し、一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(2)一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つの触媒存在下で水素添加反応に付する工程
を包含することを特徴とする、一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。 - 以下の工程:
(1)一般式(III):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、脱水剤存在下で脱水反応に付し、一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(2)一般式(I):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を、ニッケル、パラジウム、白金から選ばれる少なくとも一つ触媒存在下で水素添加反応に付し、一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(3)一般式(II):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩と、一般式(IV):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩をアミド結合生成反応に付し、一般式(V):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(4)一般式(V):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を脱保護反応に付し、一般式(VI):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩を得る工程、
(5)一般式(VI):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩と一般式(VII):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩をアミド結合生成反応に付する工程を包含することを特徴とする、一般式(VIII):
で表わされる化合物、その溶媒和物、またはそれらの塩の製造方法。 - R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチルである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 触媒がラネーニッケルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 保護基がt−ブチルオキシカルボニル基である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 脱水剤が塩化トリクロロアセチル、またはオキシ塩化リンである請求項2〜6のいずれかに記載の製造方法。
- R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチルである一般式(VIII)で表わされる化合物、その溶媒和物、そのp−トルエンスルホン酸塩、その硫酸塩、またはその塩酸塩得るための請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が19.3、20.2、20.7、および27.0(単位:°)に主なるピークを示す、請求項10記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が5.8、13.0、18.5、および26.4(単位:°)に主なるピークを示す、請求項12記載の結晶。
- R1が2−ビフェニルメチル、R2がイソブチル、および保護基がt−ブチルオキシカルボニルである請求項15に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004029899A JP2005220079A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | ピロリジン化合物の合成とその結晶 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1986547B (zh) * | 2005-12-22 | 2010-05-26 | 上海药明康德新药开发有限公司 | N-叔丁氧羰基-5-氮杂-2-氧杂-3-酮-双环-[2,2,1]庚烷的工业化制备方法 |
CN1986548B (zh) * | 2005-12-22 | 2010-05-26 | 上海药明康德新药开发有限公司 | N-叔丁氧羰基-5-氮杂-2-氧杂-3-酮-双环-[2,2,1]庚烷连续合成的工业化制备方法 |
CN117986179A (zh) * | 2024-01-16 | 2024-05-07 | 深圳市茵诺圣生物科技有限公司 | 一种顺式-4-羟基-l-脯氨酸的合成方法 |
-
2004
- 2004-02-05 JP JP2004029899A patent/JP2005220079A/ja not_active Withdrawn
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