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JP2005219216A - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents

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JP2005219216A JP2004026476A JP2004026476A JP2005219216A JP 2005219216 A JP2005219216 A JP 2005219216A JP 2004026476 A JP2004026476 A JP 2004026476A JP 2004026476 A JP2004026476 A JP 2004026476A JP 2005219216 A JP2005219216 A JP 2005219216A
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Jun Sasaki
潤 佐々木
Satoru Kishiguchi
悟 岸口
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Abstract

【課題】 原紙に古紙パルプを配合した場合であっても、良好なインクジェット印刷適正を有すると共に、表面光沢が高く、優れた外観を有するインクジェット記録用光沢紙を提供すること。
【解決手段】 本発明のインクジェット記録用光沢紙は、全質量中20質量%以上の古紙パルプを含有してなる原紙の少なくとも一方の面に、無機顔料及びバインダーを含む塗工液を塗布し、乾燥して得られる塗工層が設けられており、該塗工層の上に、少なくとも一層のインク受容層が設けられており、該インク受容層の上に光沢層が設けられ、該光沢層が高光沢の鏡面仕上形成されている。
【選択図】 なし


Description

本発明は、インクジェット記録用光沢紙に関する。特には、古紙パルプを配合した場合であっても、表面光沢が高く、優れた外観を有するインクジェット記録用光沢紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録紙上にインクを付着させることによりドットを形成して記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インクジェット記録用紙が技術的に進歩し、印字品質の高い記録が可能になってきている。
近年においては、水性インクを用いたインクジェット記録方式のプリンターの性能が向上し、記録用紙に対しても高吸収性、忠実なドット再現性、耐水性等の特性が要求されるようになってきている。すなわち、良好なインクジェット印字適性の他に、表面光沢が高く、優れた外観を有するインクジェット記録用光沢紙が要求されている。
一方、近年においては、木材資源の節約や紙をリサイクルさせるという観点から、古紙をパルプ原料として用いることが行われている。インクジェット記録用光沢紙は、上述したように、優れた外観を有することが要求されるため、インクジェット記録用光沢紙に古紙パルプを配合することは行われていなかった。
特開2000−173888号公報には、サイズ剤を添加して脱墨処理を行った脱墨パルプを配合した原料パルプに微細フィブリル化セルロースを添加して抄造する記録用紙の製造方法が開示されている。該公報に開示された製造方法によれば、得られた記録用紙はインクジェット記録に用いることができ、インクジェット記録する際のフェザーリングの発生を防止することができ、インク乾燥性等に優れた記録用紙が得られることが記載されている。しかし、古紙パルプを配合したインクジェット記録用光沢紙において、更に外観を向上させることが望まれている。
特開2000−173888号公報
従って、本発明の目的は、原紙に古紙パルプを配合した場合であっても、良好なインクジェット印刷適性を有すると共に、表面光沢が高く、優れた外観を有するインクジェット記録用光沢紙を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、古紙パルプを含有してなる原紙の少なくとも一方の面に、塗工層を設け、該塗工層の上にインク受容層を設け、該インク受容層の上に光沢層を設けたインクジェット記録用光沢紙が上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、全質量中20質量%以上の古紙パルプを含有してなる原紙の少なくとも一方の面に、無機顔料及びバインダーを含む塗工液を塗布し、乾燥して得られる塗工層が設けられており、該塗工層の上に、少なくとも一層のインク受容層が設けられており、該インク受容層の上に光沢層が設けられ、該光沢層が高光沢の鏡面仕上形成されているインクジェット記録用光沢紙を提供するものである。
上記インクジェット記録用光沢紙は、古紙パルプを配合したものであるが、良好なインクジェット印刷適性を有すると共に、表面光沢が高く、優れた外観を有するものである。
上記インクジェット記録用光沢紙においては、無機顔料及びバインダーを含む塗工液の塗布量が、固形分で5〜40g/mであることが好ましい。
上記インクジェット記録用光沢紙の光沢層は、JIS−P8142に従い測定された60度白紙光沢度が25%以上であることが好ましい。
上記インクジェット記録用光沢紙に配合される上記古紙パルプとしては、新聞古紙、雑誌古紙及び段ボール古紙から選択される少なくとも1種を原料とするパルプが挙げられる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、原紙の少なくとも一方の面に、無機顔料及びバインダーを含む塗工液を塗布し、乾燥して得られる塗工層が設けられており、原紙中に夾雑物が含まれていても、その夾雑物が隠蔽されるので、原紙に古紙パルプを配合した場合であっても、優れた外観を有するものである。また、本発明のインクジェット記録用光沢紙は、良好なインクジェット印刷適性を有すると共に、表面光沢の高いものである。
以下、本発明のインクジェット記録用光沢紙について説明する。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、原紙の少なくとも一方の面に、塗工液を塗布し、乾燥して得られる塗工層が設けられており、該塗工層の上に、少なくとも一層のインク受容層が設けられており、該インク受容層の上に光沢層が設けられている。
本発明のインクジェット記録用光沢紙に用いられる原紙は、全質量中20質量%以上の古紙パルプを含有してなる。古紙パルプ含有量は好ましくは40〜100質量%である。原紙中の古紙パルプ含有量が、全質量中20質量%以上であると、本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙に用いられる原紙に含まれる古紙パルプは、古紙を離解して得られる。古紙を離解して古紙パルプを得る方法に特に制限はなく、従来公知の方法を特に制限なく用いることができる。例えば、パルパーを用いて実施することができる。
原紙中に含まれる古紙パルプとしては、例えば、新聞古紙、雑誌古紙及び段ボール古紙から選択される少なくとも1種を原料とするパルプが挙げられる。その他、チラシ古紙、塗工紙、非塗工紙、地券、カラー印刷された紙、白黒印刷された紙等を用いてもよい。
本発明のインクジェット記録用光沢紙に用いられる原紙を製造するために用いられる、古紙パルプ以外のパルプとしては、例えば、広葉樹クラフトパルプ、天然パルプ、合成パルプ等が挙げられる。天然パルプとしては、通常に製紙用に用いられるパルプであればいずれも使用可能である。すなわち、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等が挙げられる。また、木材繊維を含む主原料として、化学的に処理されたパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを柔らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙に用いられる原紙は、上記パルプを用いて抄紙して製造される。抄紙は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機又は丸網抄紙機等の抄紙機を用いて抄紙される。抄紙する際には、パルプに、インクジェット記録用光沢紙を製造する際に通常に用いられる添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えばポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール系高分子、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂、澱粉等の紙力増強剤;硫酸バンド等の薬品定着剤、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アミノメチルアクリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合物等の濾水性あるいは歩留まり向上剤;ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)等のサイズ剤;ポリアミド、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水化剤;消泡剤、タルク等の填料;染料;色顔料;抗菌剤;紫外線防止剤;pH調整剤等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙において、原紙の少なくとも一方の面に塗布される塗工液に含まれる無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カ硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナとシリカとの複合体、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、マイカ、酸化チタン、クレー、酸化亜鉛、チタン酸鉛等が挙げられる。上記無機顔料の中でも、古紙パルプに由来する夾雑物を隠蔽するという観点から、特に好ましいものは酸化チタンである。また、上記無機顔料は、その平均粒径が100〜500nmのものが好ましく、200〜500nmのものが更に好ましい。また、そのBET比表面積は10〜40m/gであることが好ましく、10〜30m/gであることが更に好ましい。上記無機顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、塗工液に含まれるバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニールブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、メチルメタクリレートーブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレンー酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類等が挙げられる。上記バインダーの中でも、古紙パルプに由来する夾雑物を隠蔽するという観点から、好ましいものはスチレン‐ブタジエン共重合体である。上記バインダーは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
塗工液中の無機顔料及びバインダーの配合割合は、無機顔料100質量部に対して、バインダー5〜20質量部程度が好ましい。バインダーの割合が無機顔料100質量部に対して5質量部未満であると、塗工層強度が不足する場合があり、一方、20質量部より多いとインクジェットインク吸収性が損なわれる場合がある。
塗工液には必用に応じて、種々の助剤を添加してもよい。助剤としては、例えば、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤及び有機カチオン剤等が挙げられる。
塗工液の塗布方法としては、特に制限はないが、例えばエアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。塗工液の塗工量は固形分換算で、好ましくは5〜40g/mであり、更に好ましくは5〜15g/mである。塗工液の塗工量が5g/m未満であると、夾雑物を隠蔽する効果が向上しない場合があり、一方、40g/mを超えると塗工層強度が不足する場合がある。
上記塗工液は、通常は水性塗工液として調製される。
塗工液を塗布した後に塗工液を乾燥して、塗工層とするが、この乾燥工程における乾燥方式には特に制限はなく、例えば、赤外線乾燥、熱風乾燥、常温乾燥等が挙げられ、乾燥方式は、適宜選択して用いることができる。
上述のようにして得られる塗工層は、原紙の少なくとも一方の面に設けられるが、両面に設けられていてもよい。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、上述したように、原紙の少なくとも一方の面に塗工層が設けられており、このため、原紙中に含まれる、古紙パルプに由来する夾雑物を隠蔽することが可能となる。
次いで、塗工層の上に設けられるインク受容層について説明する。
インク受容層は、インクを吸収乾燥するための層であり、無機顔料及びバインダーを含んでなる。無機顔料及びバインダーとしては、上記塗工層において説明したものと同様のものが使用可能である。インク受容層に含まれる無機顔料の中でも、インクを吸収乾燥するために好ましいものは、上記の中でも合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ である。また、上記無機顔料は、その平均粒径が2.5〜9.0μmのものが好ましく、4.0〜8.5μmのものが更に好ましい。また、そのBET比表面積は200〜400m/gであることが好ましく、250〜350m/gであることが更に好ましい。上記無機顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、インク受容層に含まれるバインダーの中でも、インクを吸収乾燥するために好ましいものはポリビニルアルコール、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体 である。
インク受容層は、上記無機顔料及びバインダーを含有する、インク受容層を形成する塗工液を、上記塗工層上に塗布し、乾燥させることによって形成される。インク受容層を形成する塗工液中の無機顔料及びバインダーの配合割合に特に制限はないが、無機顔料及びバインダーの配合割合は、無機顔料100質量部に対して、バインダー5〜30質量部程度が好ましい。バインダーの割合が無機顔料100質量部に対して5質量部未満であると、塗工層強度が不足する場合があり、一方、30質量部より多いとインクジェットインク吸収性が損なわれる場合がある。
また、インク受容層を形成する塗工液には、必用に応じて、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤及び有機カチオン剤等の助剤を添加してもよい。
インク受容層を形成する塗工液の塗布方法としては、特に制限はないが、例えばエアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。塗工液の塗工量は固形分換算で、好ましくは5〜20g/mである。インク受容層を形成する塗工液の塗工量が5g/m未満であると、インクジェットインク吸収性が不足する場合があり、一方、20g/mを超えると塗工層強度が不足する場合がある。
上記塗工液は、通常は水性塗工液として調製される。
インク受容層を形成する塗工液を塗布した後に塗工液を乾燥して、インク受容層とするが、この乾燥工程における乾燥方式には特に制限はなく、例えば、赤外線乾燥、熱風乾燥、常温乾燥等が挙げられ、乾燥方式は、適宜選択して用いることができる。
上述のようにして得られるインク受容層は、塗工層の上に少なくとも一層設けられる。インク受容層は、2層以上設けられてもよいが、通常は一層のみ設けられる。
次に、インク受容層の上に設けられる光沢層について説明する。本発明のインクジェット記録用光沢紙に設けられる光沢層は、高光沢の鏡面仕上形成されてなるものである。
光沢層を鏡面仕上形成する方法としては、インク受容層の上に、光沢層用塗工液を塗工して、乾燥させた後に、スーパーカレンダー等によって平滑化処理を施すこともできる。ただし、該塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(ウェットキャスト方式)、又は該塗工層を一旦乾燥した後、再湿潤し、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(リウェットキャスト方式)が、優れた光沢とインク吸収性とを備えるインクジェット記録用光沢紙を得ることができるため好ましい。加熱された鏡面ドラムに光沢層用塗工液を直接塗工して、該塗工層がある程度湿潤状態にある間にインク受容層に圧接、乾燥して仕上げる方法(プレキャスト方式)であってもよい。
光沢層を形成させるために用いられる、光沢層用塗工液は、無機顔料及びバインダーを含有する。無機顔料及びバインダーとしては、上記塗工層において説明したものと同様のものが使用可能である。光沢層用塗工液に含ませる無機顔料の中で好ましいものは、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナである。である。また、上記無機顔料は、その平均粒径が10〜70nmのものが好ましく、10〜50nmのものが更に好ましい。また、そのBET比表面積は100〜300m/gであることが好ましく、100〜200m/gであることが更に好ましい。上記無機顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、光沢層用塗工液に含ませるバインダーの中で好ましいものはポリビニルアルコール、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。光沢層を形成するための塗工液中の無機顔料及びバインダーの配合割合は、無機顔料100質量部に対して、バインダー 5〜20質量部程度が好ましい。バインダーの割合が無機顔料100質量部に対して5質量部未満であると、塗工層強度が不足する場合があり、一方、20質量部より多いとインクジェットインク吸収性が不足する場合がある。光沢層用塗工液には、必用に応じて、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤及び有機カチオン剤等の助剤を添加してもよい。
光沢層用塗工液の塗布方法としては、特に制限はないが、例えばエアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。塗工液の塗工量は固形分換算で、好ましくは5〜15/mである。光沢層を形成する塗工液の塗工量が5g/m未満であると、高光沢度が得られない場合があり、一方、15g/mを超えると塗工層強度が不足する場合がある。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、光沢層の、JIS−P8142に従い測定された60度白紙光沢度が、好ましくは25%以上であり、更に好ましくは30%以上である。本発明のインクジェット記録用光沢紙は、写真の記録用として用いられるため、JIS−P8142に従い測定された60度白紙光沢度は、25%未満であると、上記用途として好ましくない場合がある。
本発明のインクジェット記録用光沢紙の光沢層の、JIS−P8142に従い測定された60度白紙光沢度を上記範囲とする方法に特に制限はないが、光沢層を鏡面仕上することによって、光沢度を上記範囲とすることが可能である。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、原紙の少なくとも一方の面に、無機顔料及びバインダーを含む塗工液を塗布し、乾燥して得られる塗工層が設けられており、原紙中に古紙パルプが含まれ、夾雑物が混入していても、その夾雑物が隠蔽され、優れた外観を有するものとなる。また、本発明のインクジェット記録用光沢紙は光沢層が鏡面仕上形成されており、表面光沢の高いものである。
以下に、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、%は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1
新聞古紙及びチラシ古紙をそれぞれ50%ずつ配合した古紙をパルパーにて離解、脱墨処理して得た古紙パルプ40%と、LBKP60%とを配合してパルプ原料を得た。
上述のようにして得られたパルプ原料100部に対し、硫酸バンド3部、サイズ剤10部及びタルク10部を配合し、長網抄紙機にて抄造、サイズプレスにて紙面に澱粉を塗布し、原紙を得た。
酸化チタン(チタン工業(株)製、KA−10、粒径:400nm、BET比表面積:16m/g)100部、及びSBRラテックス(日本エイアンドエル(株)製、PA−9190)15部からなる塗工液をエアナイフコーターを用いて、上述のようにして得られた原紙上に、固形分換算で15g/m塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、塗工層を設けた。
次いで、シリカ((株)トクヤマ製、シリカファインシールX45、粒径:4.5μm、BET比表面積:300m/g)100部、水酸化ナトリウム1部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA117)15部、及びインク定着剤(住友化学工業(株)製、SR1001)5部からなる塗工液をエアナイフコーターを用いて、上述のようにして設けられた塗工層上に固形分換算で10g/m塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、インク受容層を設けた。
次いで、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、コロイダルシリカスノーテックスXL、粒径:50nm、BET比表面積:100m/g)100部、アクリル樹脂(日本NSC(株)製、KE35)5部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA117)10部、インク定着剤(昭和高分子(株)製、ポリフィックス700)5部からなる塗工液をエアナイフコーターを用いて、上述のようにして設けられたインク受容層上に固形分換算で10g/m塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、次いで乾燥した層を水で再湿潤し、100℃に加熱したキャストドラムに圧着乾燥させ、高光沢の鏡面仕上を行い、光沢層を形成し、インクジェット記録用光沢紙を得た。
得られたインクジェット記録用光沢紙について下記評価方法により評価を行った。結果を表1に示す。
(1)60度白紙光沢度
JIS−P8142で規定される方法に従って測定した。
(2)外観試験
JIS−P8208で規定される夾雑物測定方法に従って測定した。結果は、インクジェット記録用紙1m当たりの夾雑物の面積で表した。
実施例2
原紙パルプを古紙パルプ20%、及びLBKP80%とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、インクジェット記録用光沢紙を得た。得られたインクジェット記録用紙の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
実施例3
原紙パルプを古紙パルプ60%、及びLBKP40%とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、インクジェット記録用光沢紙を得た。得られたインクジェット記録用紙の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
実施例4
原紙パルプを古紙パルプ80%、及びLBKP20%とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、インクジェット記録用光沢紙を得た。得られたインクジェット記録用紙の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
実施例5
原紙パルプを古紙パルプ100%とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、インクジェット記録用光沢紙を得た。得られたインクジェット記録用紙の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
比較例1
無機顔料及びバインダーを含む塗工層を設けない以外は、実施例1と同様に操作を行い、インクジェット記録用光沢紙を得た。得られたインクジェット記録用紙の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
比較例2
無機顔料及びバインダーを含む塗工層を設けない以外は、実施例5と同様に操作を行い、インクジェット記録用光沢紙を得た。得られたインクジェット記録用紙の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
Figure 2005219216
表1から明らかなように、実施例1〜実施例5のインクジェット記録用光沢紙は、60度白紙光沢度が高く、夾雑物が少なく、優れた外観を有するものである。
比較例1及び比較例2のインクジェット記録用光沢紙は、夾雑物が多く見られ、外観に劣るものである。


Claims (4)

  1. 全質量中20質量%以上の古紙パルプを含有してなる原紙の少なくとも一方の面に、無機顔料及びバインダーを含む塗工液を塗布し、乾燥して得られる塗工層が設けられており、
    該塗工層の上に、少なくとも一層のインク受容層が設けられており、
    該インク受容層の上に光沢層が設けられ、該光沢層が高光沢の鏡面仕上形成されているインクジェット記録用光沢紙。
  2. 上記無機顔料及びバインダーを含む塗工液の塗布量が、固形分で5〜40g/mである、請求項1に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  3. 上記光沢層の、JIS−P8142に従い測定された60度白紙光沢度が25%以上である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  4. 上記古紙パルプが、新聞古紙、雑誌古紙及び段ボール古紙から選択される少なくとも1種を原料とするパルプである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用光沢紙。

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