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JP2005215054A - 光導波路およびその製造方法並びに光回路基板 - Google Patents

光導波路およびその製造方法並びに光回路基板 Download PDF

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JP2005215054A JP2004018588A JP2004018588A JP2005215054A JP 2005215054 A JP2005215054 A JP 2005215054A JP 2004018588 A JP2004018588 A JP 2004018588A JP 2004018588 A JP2004018588 A JP 2004018588A JP 2005215054 A JP2005215054 A JP 2005215054A
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Abstract

【課題】 光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができ、かつ、工程数を増加させることなく光導波路表面の平坦性を十分に確保することができると共に、コアに内部応力が集中することを抑制することができる光導波路およびその製造方法並びに光回路基板を提供する。
【解決手段】 基板上に形成された下部クラッド層上に、第2の有機材料層を積層し、該第2の有機材料層を、コア部を囲むように一部除去することにより、互いに離間した、同一の有機材料層からなるコア部3と周辺部5とを形成する。そして、このコア部3および周辺部5上に、上部クラッド層4を積層する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光導波路およびその製造方法並びに光回路基板に関するものであり、より詳細には、光を導くコア部の上に形成される上面クラッド層の表面が平坦化された光導波路およびその製造方法並びに上記光導波路を用いた光回路基板に関するものである。
プロセッサのクロック周波数が数GHzにまで高速化されるに伴い、これまでの電気配 線を用いた配線では電磁雑音等の影響により大容量伝送の実現が難しくなってきている。そこで、近年では、例えば電磁雑音等の影響のない光配線を光導波路により作製し、伝送容量を高める光インターコネクションに関する様々な方法が提案されている。
ところで、これまで、光導波路には石英材料が用いられることが多く、石英材料を用いた光導波路は、作製が難しく、また、受光素子や発光素子(以下、これらを総称して受発光素子と記す)と光導波路との結合において、高精度が求められるなど、実用化に際して様々な困難があるととともに、高コストな構造であった。このため、近年、有機材料を用いた光導波路に関して、様々な検討が行われている。
光導波路に有機材料を用いる場合、石英材料を用いた場合に比べて、コア(コア部)の寸法(コア寸法)を約10倍以上の数十μmの大きさにすることができるという利点がある。その結果、受発光素子と光導波路とを容易に結合させることが可能になるため、高精度を必要としない安価で実用的な光配線を得ることができる。
このように光導波路のコアに有機材料を用いた場合には、コア寸法を大きくすることができるが、コア法を大きくすると、コアによって生じるコア上のクラッド(上部クラッド層)の段差が顕著になり、それゆえ光導波路の表面の平坦性が著しく低下するという問題がある。光導波路を用いた光回路基板では、光導波路に抵抗やコンデンサ等のチップ部品や電気配線が形成される。このため、光導波路表面の平坦性の低下は、光導波路上に設けられるチップ部品の取り付け不良や金属配線の形成不良などを招くという問題がある。
そこで、光導波路の上部クラッド層表面に平坦化層を設けたり(例えば、特許文献1参照)、光照射によって特性が変化する感光性の有機材料を用いてコアと、該コアに隣接するクラッド(側面クラッド部)とを形成したりすることにより、光導波路を作製する方法(例えば、特許文献2参照)など、光導波路の表面を平坦化する方法が盛んに検討されている。
図8(a)は、特許文献1に記載の光導波路の要部の概略構成を示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す光導波路の要部の概略構成を示す平面図である。
図8に示すように、特許文献1に記載の光導波路は、基板101上に下部クラッド層102が設けられ、下部クラッド層102上にコア部として、矩形状にパターニングされたコア層103が設けられ、該コア層103を覆うように、上記下部クラッド層102およびコア層103上に上部クラッド層104および平坦化層112がこの順に設けられている構成を有している。
上記平坦化層112は、コア層103によって上部クラッド層104の上面に生じた段差を埋めるように設けられているため、平坦化層112におけるコア層103の上部部分113には凹凸がほとんどなく、平坦化層112の上面は、ほぼ平面になっている。
下部クラッド層102、コア層103、上部クラッド層104、平坦化層112はいずれもポリイミドからなり、反応性イオンエッチング(RIE)により周辺部をエッチングすることにより形成したコア層103の寸法は、高さ、幅共に約8μm程度である。また、コア層103の屈折率は、下部クラッド層102および上部クラッド層104の屈折率に比べて約0.5%大きく、上記平坦化層112は、上部クラッド層104に使用したポリイミドよりガラス転移温度の低いポリイミドにより形成されている。
また、図9(a)〜(e)は、特許文献2に記載の光導波路の製造工程を示す断面図である。まず、図9(a)に示すように、基板201の表面に有機材料をスピンコーティング法により塗布し、ベーキングを行うことによってバッファ層(下部クラッド層)202を形成する。さらに、図9(b)に示すように、バッファ層202を形成した方法と同様の方法により、バッファ層202上に、感光性有機材料層205を形成する。次に、図9(c)に示すように、上記感光性有機材料層205の表面に、COレーザ用マスク214を載置し、COレーザ光216を照射する。COレーザ用マスク214には、COレーザ光216を透過しないパターン部215が形成されている。
上記感光性有機材料層205を構成する材料は、照射されたCOレーザ光216のエネルギー量に応じて、その一部が蒸発するので、COレーザ光216を照射することによって、上記感光性有機材料層205におけるCOレーザ光216の透過領域の屈折率を変化させることができる。しかしながら、上記感光性有機材料層205における、前記パターン部215の下方に相当する部分、つまり、図9(d)に示すコア部203となる部分は、COレーザ光216が透過しないので、屈折率は変化しない。このため、COレーザ用マスク214を取り除くと、図9(d)に示すように、互いに屈折率が異なるコア部203と側面クラッド部206とが得られる。このようにして形成されたコア部203および側面クラッド部206の表面は一様に平坦になっているので、図9(e)に示すように、コア部203および側面クラッド部206上に上部クラッド層204を形成すると、表面が平坦化された光導波路を製造することができる。
特開平2001−074958号公報(公開日:2001年3月23日) 特開平10−232323号公報(公開日:平成10年9月2日)
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、上部クラッド層104上に平坦化層112を設けるため、上部クラッド層104上に有機材料を塗布し、加熱・乾燥処理等を行う必要があり、工程数が増加するという問題がある。さらに、上部クラッド層104の上面にさらに平坦化層112が設けられていることによって、光導波路表面からコア層103までの間隔が大きくなるため、光導波路上に配置された受発光素子とコア層103とを直接光結合させることが困難になるという、別の課題が発生する。
また、特許文献2に記載の方法は、光照射による有機材料の構造変化を利用してコア部203と側面クラッド部206とを形成するため、光照射によって構造が変化する光感光性の有機材料を用いて光導波路を作製する場合にのみ適用可能で、ポリイミドのように感光性を有していない有機材料を用いる場合には適用することができないという問題がある。また、光照射された領域の屈折率が低下することを利用して側面クラッド部206を形成するため、コア部203と側面クラッド部206との屈折率差を自由に設定することが難しく、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角が制限されてしまう。このため、有機材料を用いることによって光導波路のコア部203の寸法を拡大したとしても、光導波路は伝搬角の大きい光線を伝搬させることができず、コア寸法を拡大した効果を十分に得ることができない。
なお、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を大きくするために、光照射された領域が可溶性となることを利用し、アルカリ溶液等でウエットエッチングを行うことによりコア部周囲の有機材料を除去することでコア部203を形成すれば、前記特許文献1に示すようにRIE等の真空装置を用いる方法に比べて、プロセスの簡略化や低コスト化を実現することができる。しかしながら、この場合、コア部203を覆う上部クラッド層の上面に段差が生じるため、前記特許文献1に示すように、上部クラッド層204の平坦化のための別の方法を検討する必要が生じる。
さらに、上記いずれの方法により形成した光導波路においても、コア(コア部)を有する平面領域において、コア以外の部分(領域)は、コアの形成に用いた有機材料を全て除去するか、あるいは、屈折率を低下させる等、その特性を変化(変質)させて使用することから、コアを形成する有機材料が上記平面領域全体に占める割合はわずかであり、コア以外の部分は、クラッド(例えば上部クラッド層104、側面クラッド部206)を形成する有機材料で占められている。このため、従来の光導波路では、コアを含む平面領域において、クラッドを構成する有機材料の影響が支配的となる。したがって、例えばクラッドを形成する有機材料の熱膨張係数が、コアを形成する有機材料の熱膨張係数に比べて大きい場合には、コアを含む平面領域においてクラッドを形成する有機材料の熱膨張係数の影響が支配的となるため、コアに内部応力が集中するという問題がある。この結果、光導波路のコア内に閉じ込められた光線が外部に漏れ出し、光線の伝搬損失が増加したり、場合によっては、コアの一部が破断して光線を伝搬させることができなくなるといった問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができ、かつ、工程数を増加させることなく光導波路表面の平坦性を十分に確保することができると共に、コアに内部応力が集中することを抑制することができる光導波路およびその製造方法並びに光回路基板を提供することにある。
本発明の光導波路は、上記課題を解決するために、光を伝播するコア部を有するコア部形成層と、該コア部形成層を覆うクラッド層とを備えた光導波路において、上記コア部形成層は、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むようにコア部と離間して設けられた周辺部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の光導波路は、上記課題を解決するために、上記コア部形成層は、上記コア部を複数備えると共に、隣り合うコア部間に、上記コア部と同一の有機材料からなり、コア部とは離間して設けられた周辺部を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の光導波路は、上記コア部と周辺部との間には、上記コア部形成層を覆うクラッド層を形成する有機材料と同じ有機材料が充填されていることを特徴としている。
また、本発明の光導波路は、上記課題を解決するために、上記コア部と周辺部との間には、上記コア部形成層を覆うクラッド層を形成する有機材料と同じ有機材料が充填されていることを特徴としている。
また、本発明の光回路基板は、上記課題を解決するために、本発明にかかる上記光導波路を備えていることを特徴としている。
また、本発明の光導波路の製造方法は、光を伝播するコア部を有するコア部形成層と、該コア部形成層を覆うクラッド層とを備えた光導波路の製造方法であって、上記コア部を形成する有機材料層に、コア部となる領域を囲むように溝部を形成することにより、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むように上記溝部でコア部と離間して設けられた周辺部とを形成する工程と、上記コア部および周辺部を覆うようにクラッド層を形成する工程とを備えていることを特徴としている。
本発明の光導波路は、以上のように、コア部形成層が、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むようにコア部と離間して設けられた周辺部とを備えていることで、コア部と周辺部とは、互いに同一平面を形成するようにほぼ同じ高さを有している。このため、上記の構成によれば、上記クラッド層上に必ずしも平坦化層を設ける必要はなく、また、上記クラッド層表面を平坦化するために複雑な工程を必要とせず、工程数を増加させることなく、上記クラッド層を形成した後の光導波路の上面、すなわち、上記クラッド層の表面の平坦性を十分に確保することができる
また上記の構成によれば、前記特許文献2に示すようにコア部を有する平面領域において、コア部以外の部分(領域)の屈折率を低下させる等、コア部を形成する有機材料層を部分的に変質させることによりコア部と側面クラッド部とを形成する場合のようにコア部の形成に使用できる有機材料が制限されることがなく、また、その屈折率、および屈折率差を自由に設定することができるため、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができる。
しかも、上記の構成によれば、コア部を有する平面領域、つまり、上記コア部形成層においてコア部を形成する有機材料が占める割合は、前記特許文献1・2と比較して格段に大きく、コア部に内部応力が集中することを抑制することができる。このため、上記の構成によれば、コア部の変形や破損を防止し、コア部からの光線漏れや伝搬損失のない光導波路を提供することができるという効果を併せて奏する。
さらに、上記の構成によれば、上記クラッド層表面の膜厚ばらつきを小さくすることができるので、上記クラッド層の形成に使用する有機材料の使用量を削減することができる。このため、上記の構成によれば、低コスト化が可能であり、また、焼結時間の短縮化等、当該光導波路の製造に要する時間の短縮化を図ることができるという効果を併せて奏する。
また、本発明の光導波路は、以上のように、上記コア部形成層は、上記コア部を複数備えると共に、隣り合うコア部間に、上記コア部と同一の有機材料からなり、コア部とは離間して設けられた周辺部を備えているので、上記コア部に複数の受発光素子を光結合させる場合に、上記複数のコア部を、これら受発光素子同士が干渉することがないように十分な間隔をあけて配置したとしても、上記クラッド層表面の平坦性を十分に確保することが可能になるという効果を併せて奏する。
さらに、本発明の光導波路は、以上のように、上記コア部と周辺部との間には、上記コア部形成層を覆うクラッド層を形成する有機材料と同じ有機材料が充填されているので、
上記コア部を伝搬する光線が周辺部に伝搬することをより一層確実に防止することができる。また、上記の構成によれば、上記クラッド層を形成する際に、上記コア部と周辺部との間に上記クラッド層を形成する有機材料を充填することができるので、新たに有機材料を充填する必要がなく、光導波路の製造工程の簡略化を図ることができるという効果を併せて奏する。さらに、上記の構成によれば、上記コア部と周辺部との間に上記クラッド層を形成する有機材料が充填されていることで、屈折率差をより一層自在に調節することができるという効果を併せて奏する。
また、本発明の光回路基板は、以上のように、本発明にかかる上記光導波路を備えているので、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができ、かつ、工程数を増加させることなく光導波路表面の平坦性を十分に確保することができると共に、コアに内部応力が集中することを抑制することができる光回路基板を提供することができる。また、上記の構成によれば、上記光回路基板は光導波路表面の平坦性に優れているため、光導波路上に設けられるチップ部品や金属配線の接続不良を防止することができるという効果を併せて奏する。
本発明の光導波路の製造方法は、以上のように、コア部を形成する有機材料層に、コア部となる領域を囲むように溝部を形成することにより、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むように上記溝部でコア部と離間して設けられた周辺部とを形成する工程と、上記コア部および周辺部を覆うようにクラッド層を形成する工程との有機的な結合により、工程数を増加させることなく光導波路表面の平坦性を十分に確保することが可能となると共に、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができ、かつ、コア部(コア)に内部応力が集中することを抑制することができる光導波路を容易に提供することができる。
また、上記の構成によれば、光導波路表面の平坦性を十分に確保することができるので、光導波路上にチップ部品や金属配線を設ける場合にも、チップ部品の取り付け不良や配線の形成不良などが発生することを防止することができると共に、上記クラッド層上に平坦化層を設ける必要がないため、光導波路の製造工程を短縮することができるという効果を併せて奏する。
さらに、上記の方法によれば、上記クラッド層表面の膜厚ばらつきを小さくすることができるので、上記クラッド層の形成に使用する有機材料の使用量を削減することができる。このため、上記の構成によれば、低コスト化が可能であり、また、焼結時間の短縮化等、当該光導波路の製造に要する時間の短縮化を図ることができるという効果を併せて奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図3に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる光導波路の概略構成を一部破断にて示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す光導波路のA−A’線矢視断面図である。
本実施の形態にかかる光導波路(光導波路基板)は、図1(b)に示すように、光を伝播するコア部(コア)3と、該コア部3を囲むクラッド部(クラッド)としての下部クラッド層2および側面クラッド部6および上部クラッド層4とを備え、基板1上に、下部クラッド層2と、コア部3、周辺部5、および側面クラッド部6を含むコア部形成層7と、上部クラッド層4とが、この順に積層された構成を有している。
これら下部クラッド層2、コア部形成層7、上部クラッド層4は、何れも、ポリイミドやポリシラン等の有機材料からなり、コア部3と各クラッド部とは、両者の間に屈折率差が生じるように、互いに屈折率が異なる有機材料にて形成されている。
一方、上記下部クラッド層2上に形成されたコア部3および周辺部5は、互いに同じ有機材料により形成されており、両者は、図1(a)・(b)に示すように、コア部3を伝搬する光線が周辺部5に伝搬しないように互いに離間して設けられている。コア部3と周辺部5とは、後述するように、コア部形成層7においてコア部3および周辺部5を形成する有機材料層、つまり、第1の有機材料層である下部クラッド層2上に設けられた第2の有機材料層に、コア部3を囲むように数μm〜数十μm程度の幅を有する溝部10を設けることにより互いに分離した状態で近接配置されている。
そして、上記側面クラッド部6は、上記溝部10に、第3の有機材料層である上部クラッド層4を構成する有機材料が流れ込んで該溝部10を埋めることにより形成されている。これにより、上記側面クラッド部6は、上記コア部3の周囲(側面)を囲むと共に、上記コア部3と周辺部5とを隔てるように上記コア部3と周辺部5との間に介在して設けられている。
なお、コア部3は、光源(例えば発光素子)からの光を、該コア部3の長手方向に伝播させ、その入射側の長手方向端面とは反対側の長手方向端面から出射させるようになっている。このため、上記光導波路は、例えば図1(a)に示すように、必要に応じて、コア部3の長手方向端部に、コア部3を伝搬する光線の光路を変換するためのミラー9・9(例えば45度ミラー)を備え、該ミラー9・9を用いて、上部クラッド層4上に配置された発光素子からの光を、上記コア部3を介して、上部クラッド層4上に配置された受光素子に導くようになっていてもよい。なお、このようにミラー9・9を形成する場合は、図1(a)に示すようにコア部3だけでなくミラー9・9を含んだコア部3の周辺に溝部10を設けた光導波路構造とすれば、ミラー9・9を有する場合においても、後述する本発明の効果を得ることができる。
本実施の形態において、上記下部クラッド層2の膜厚は、数μm〜数十μm程度の範囲内となるように設定される。下部クラッド層2の膜厚が、数μm〜数十μm程度であれば、コア部3を伝搬する光線の閉じ込めを行うことが可能である。
また、コア部形成層7の膜厚、特に、コア部3の大きさは、特に限定されるものではないが、コア部3の膜厚は、数μm〜数十μm程度、具体的には、5μm〜30μmの範囲内、好適には10μm〜20μmの範囲内となるように設定されることが望ましい。コア部3の膜厚を厚くしすぎると、プリポストベークやRIE加工の時間が長くなったり、内部応力が大きくなるなどの問題がある。また、上記コア部3の長手方向の幅は、特に限定されるものではなく、本発明の光導波路を用いる光回路基板に応じて設定することが可能である。また、コア部3の短手方向の幅は、数μm〜数十μm程度、具体的には、5μm〜30μmの範囲内、好適には10μm〜20μmの範囲内となるように設定されることが望ましい。コア部3の短手方向の幅が、この範囲であることにより、光が効率よくコア部3を通過することができる。
なお、コア部3の長手方向、すなわち、光伝播方向に垂直な断面は、特に限定されるものではないが、正方形であることが好ましい。これにより、コア部3を通過する光の伝播効率や、光導波路と受発光素子との光結合の効率を向上することが可能である。
上記溝部10の幅、つまり、上記側面クラッド部6の幅は、数μm〜数十μm程度であればよく、好適には5μm〜10μmの範囲内となるように設定される。上記溝部10の幅が、数μm〜数十μm程度であれば、コア部3を伝搬する光線が周辺部5に伝搬することを防止することができると共に、上部クラッド層4上に平坦化層を設けることなく上部クラッド層4上面の平坦性を確保することができる。また、上記溝部10の幅が、数μmより小さい場合には、溝部10を形成することが困難になる。また、上記溝部10の幅が、数十μmより大きい場合には、上部クラッド層4の膜厚を大きくする必要が生じる。

また、上部クラッド層4の膜厚は、コア部3に設ける溝部10の幅に応じて最適化すればよく、例えば、溝部10の幅が狭い場合は、上部クラッド層4の膜厚を薄くして溝部10上の近傍にある余分な有機材料を少なくしても平坦性を向上させることができる。一方、溝部10の幅が広い場合には、上部クラッド層4の膜厚をわずかに厚くすれば、溝部10上近傍の余分な有機材料が多くなるため、同様に平坦性を向上させることができる。
上部クラッド層4の膜厚は、コア部3と受発光素子とを直接光結合させる上で、10μm〜30μmの範囲内に設定されることが望ましい。上部クラッド層4の膜厚がこの範囲内であれば、後述するように、コア部3の膜厚を、例えば、20μmとした場合、上部クラッド層4上面の平坦性を確保することができる。

また、下部クラッド層2、コア部形成層7、上部クラッド層4は、何れも、有機材料にて形成されている。このように、光導波路に有機材料を用いることにより、光導波路の厚膜化が可能になるとともに、光導波路と受発光素子との光結合が容易になる。すなわち、光導波路に対する受発光素子の高いアライメント精度を必要としなくなる。
次に、本実施の形態にかかる光導波路の製造方法について、図2(a)〜(e)に基づいて以下に説明する。
図2(a)〜(e)は、本実施の形態にかかる光導波路の製造方法を模式的に示す断面図である。
まず、図2(a)に示すように、基板1上に、クラッド層を形成するための有機材料(本実施の形態ではポリイミド材料を用いるものとする)を、下部クラッド層2の厚みが所望の厚み(数μm〜数十μm程度)となるようにスピンコートにより塗布し、乾燥および硬化させることで、下部クラッド層2(第1の有機材料層)を形成する。なお、上記基板1上に塗布する有機材料の厚みは、スピンコートの回転数を調整することにより数μmから数十μmの間で自由に調整することができるため、必要に応じて回転数を調整することにより、所望の膜厚を有する下部クラッド層2を得ることができる。
次に、図2(b)に示すように、下部クラッド層2を形成した場合と同様にして、下部クラッド層2上に、コア部3および周辺部5を形成するための有機材料(本実施の形態では下部クラッド層2および上部クラッド層4を形成するためのポリイミド材料とは屈折率の異なるポリイミド材料、具体的には、下部クラッド層2および上部クラッド層4を形成するためのポリイミド材料よりも屈折率の低いポリイミド材料)を積層することにより、コア部3形成用の第2の有機材料層15を形成する。
続いて、図2(c)に示すように、第2の有機材料層15上に、スピンコートによりレジストを塗布することにより、レジスト層11を形成する。そして、上記第2の有機材料層15のうち除去する部分(溝部形成予定領域)のパターンが設けられたマスクを用いて、該パターンをUV光等の光源によりレジスト層11に転写した後、アルカリ現像液等により現像処理を行う。これにより、図2(c)に示すように、上記レジスト層11のうち、第2の有機材料層15の溝部形成予定領域の上部に相当する部分が除去される。その後、反応性イオンエッチング(RIE)等により、レジスト層11が除去された部分に対応する第2の有機材料層15を除去することにより、図2(d)に示すように、上記第2の有機材料層15に、前記したように数μm〜数十μm程度の幅を有する溝部10を設ける。さらに、上記第2の有機材料層15上に残ったレジストをアッシング等で除去する。これにより、図2(d)に示すように、下部クラッド層2上に、第2の有機材料からなる、互いに分離されたコア部3および周辺部5を形成することができる。
次に、図2(e)に示すように、コア部3および周辺部5の上に、下部クラッド層2を形成した場合と同様の方法を用いて、上部クラッド層4(第3の有機材料層)を形成する。なお、このとき、コア部3と周辺部5との間の溝部10に、上部クラッド層4を形成する有機材料が流れ込むことで、コア部3と周辺部5との間に、上記上部クラッド層4を形成する有機材料からなる側面クラッド部6が形成される。
最後に、これら下部クラッド層2、コア部3、周辺部5、側面クラッド部6、および上部クラッド層4を一括してオーブン等で加熱することにより焼結処理を行う。これにより、本実施の形態にかかる光導波路を形成することができる。
なお、図2(a)〜(e)に示す説明においては、上記光導波路に前記ミラー9・9を設ける場合の説明については省略したが、図1(a)に示すようにコア部3の長手方向両端部にミラー9・9を設ける場合には、コア部3を形成した後に、例えば、ダイサー等を用いることでコア部3の長手方向両端部にミラー面を形成し、さらに上記ミラー面に金属メッキ処理等を行うことでミラーの反射面を形成することができる。また、上部クラッド層4を形成した後に、所望の位置に同様の方法でミラー9・9を形成することも可能である。
次に、本実施の形態にかかる光導波路と一般的な光導波路とを、各々の表面の平坦性に
ついて計算によって比較した結果を図3に基づいて説明する。
図3は、本実施の形態にかかる光導波路のコア部周辺の概略構成、特に、上記コア部周辺における上部クラッド層4の構成を模式的に示す断面図であり、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付している。
図4は、従来の一般的な光導波路における平坦化層形成前のコア部周辺の概略構成を模式的に示す断面図である。図4に示す光導波路は、基板11上に、下部クラッド層12が形成され、下部クラッド層12上にコア部13が形成されており、さらにコア部13を覆うように上部クラッド層14が形成された構成を有している。
本実施の形態では、図3に示すように、コア部3の高さ方向の寸法(膜厚)をA、コア部3と周辺部5との間隔、即ち、側面クラッド部6の幅をt、上部クラッド層4の膜厚をh、上部クラッド層4に生じた膜厚ばらつきをΔhとし、各膜厚h(μm)における膜厚ばらつきΔh(μm)を測定することにより、膜厚h(μm)と膜厚ばらつきΔh(μm)との関係を求めた。同様にして、図4に示す光導波路における膜厚h(μm)と膜厚ばらつきΔh(μm)との関係を求めた。なお、上部クラッド層4の膜厚hは、コア部3および周辺部5の表面位置、つまり、コア部形成層7の表面位置を基準とした上部クラッド層4の表面位置の高さ(膜厚)を示し、上部クラッド層14の膜厚hは、下部クラッド層12の表面位置を基準とした上部クラッド層14の表面位置の高さ(膜厚)を示す。
膜厚ばらつきΔhは、上部クラッド層4表面における最上面の高さと最下面の高さとの差、言い換えれば、上記膜厚hの最大値と最小値との差を示す。膜厚ばらつきΔhは、溝部10の上部およびその周辺の有機材料のうち、溝部10の形状を考慮した場合の減少量を計算により算出することで求めた。
図5に、A=20μm、t=10μmとしたときの、図3および図4に示す光導波路における上部クラッド層4、14の膜厚hと膜厚ばらつきΔhを示す。
図5に示されるように、本発明の光導波路では、従来の光導波路に比べて全体的に膜厚ばらつきΔhが抑制されている。
また、従来の光導波路において膜厚hが30μmのときに膜厚ばらつきΔhは5μmとなっているが、本発明の光導波路では膜厚10μmのときに膜厚ばらつきが5μmとなっている。したがって、本発明の光導波路は従来に比べて、1/3の膜厚で膜厚ばらつきΔhを抑えることができる。
さらに、従来の光導波路では、膜厚hがコア部3の膜厚Aより厚い場合(h>A)、つまり膜厚hが20μmより厚い場合に、膜厚ばらつきΔhが小さくなるのに対して、本実施の形態にかかる光導波路では、膜厚hがコア部3の膜厚Aより薄い場合(h<A)、すなわち膜厚hが20μmより薄い場合にも、膜厚ばらつきΔhは5μm以下となっており、膜厚hに対して膜厚ばらつきΔhが抑制されていることがわかる。
以上のように、本実施の形態によれば、コア部形成層7は、コア部3と、該コア部3と離間して設けられた周辺部5とを備え、前記第2の有機材料層に溝部10を設けることで、コア部3の周辺の有機材料層を、数μm〜数十μmの幅で除去した以外は、コア部3の形成に用いられる有機材料層を、除去せずにそのまま周辺部5として残した構成を有している。すなわち、本実施の形態にかかる光導波路は、上記コア部3と同層に、該コア部3と同一の有機材料からなり、コア部3の側面を囲むようにコア部3と離間して設けられた周辺部5を備えている。
このため、本実施の形態にかかる光導波路は、コア部形成層7におけるコア部3および該コア部3と溝部10を挟んで隣り合う周辺部5、つまり、コア部形成層7の殆どの部分が同じ有機材料層からなることで、コア部形成層7の殆どの部分、つまり、コア部3と周辺部5とが、互いに同一平面を形成するようにほぼ同じ高さを有し、該コア部形成層7上に上部クラッド層4を形成することで、例えば前記特許文献1に示すようにコア部を含む平面領域においてコア部以外の部分(領域)におけるコア部の形成に用いた有機材料を全て除去した場合のように上部クラッド層表面に顕著な段差が生じず、表面の平坦性に優れた光導波路を得ることができる。これにより、光導波路上にチップ部品や金属配線を設ける場合にも、チップ部品の取り付け不良や配線の形成不良等が発生することを防止することができる。
しかも、本実施の形態によれば、前記特許文献1に示すように光導波路表面を平坦化するために上部クラッド層の上面に平坦化層を設ける必要は必ずしもない。このため、本実施の形態によれば、工程数を増加させることなく光導波路表面の平坦性を十分に確保することができると共に、光導波路表面からコア部3までの間隔を、前記特許文献1と比較して小さくすることができる。しかも、本実施の形態にかかる光導波路によれば、図5に示すように上部クラッド層4表面の膜厚ばらつき(Δh)を抑えることができ、上部クラッド層4の膜厚(h)を従来よりも薄くすることができるため、上部クラッド層4に使用する有機材料の使用量を削減することができ、低コスト化を図ることができると共に、上部クラッド層4の膜厚(h)を従来よりも薄くすることができることによる焼成時間の短縮化、すなわち、プロセスの短縮化等を図ることができる。
なお、本実施の形態にかかる光導波路においても従来同様、平坦性をより向上させるために、上部クラッド層4上に平坦化層を設けることもできるが、このように平坦化層を形成する場合であっても、本実施の形態にかかる光導波路によれば、上部クラッド層4表面に従来のように顕著な段差が生じないことから、平坦化層の膜厚を従来よりも薄くすることができる。
また、上記図2(a)〜(e)に示す方法によれば、上部クラッド層4を形成する際に上記溝部10に上記上部クラッド層4を形成する有機材料が流れ込むことで上記溝部10に側面クラッド部6を形成することができるため、上記溝部10に新たに有機材料を充填する必要がなく、光導波路の製造工程の簡略化を図ることができる。また、上記溝部10に、上部クラッド層4を形成する有機材料、つまり、クラッドを形成する有機材料が充填されていることで、上記コア部3を伝搬する光線が周辺部5に伝搬することをより一層確実に防止することができると共に、屈折率差をより一層自在に調節することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、前記特許文献2に示すようにコア部を有する平面領域において、コア部以外の部分(領域)の屈折率を低下させる等、コア部を形成する有機材料層を部分的に変質させることによりコア部と側面クラッド部とを形成する場合のようにコア部の形成に使用できる有機材料が制限されることがなく、また、その屈折率、および屈折率差を自由に設定することができるため、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができる。
さらに、本実施の形態によれば、コア部3を有する平面領域において、コア部3を形成する有機材料が占める割合は、前記特許文献1・2と比較して格段に大きく、コア部3に内部応力が集中することを抑制することができる。つまり、本実施の形態によれば、コア部3と周辺部5とは、同じ有機材料で構成されているため、コア部3を有する平面領域ではコア部3を形成する有機材料の影響が支配的となる。このため、上記溝部10に流入した有機材料の熱膨張係数が上記コア部3を形成する有機材料の熱膨張係数に比べて大きい場合にも、コア部形成層7にかかる内部応力は周辺部5とコア部3とに分散するようにはたらくため、コア部3のみに内部応力が集中することがない。このため、従来のようにコア部3に内部応力が集中することがないので、コア部3の変形や破損を防止し、コア部3からの光線漏れや伝搬損失のない光導波路を提供することができる。
なお、本実施の形態では、上記下部クラッド層2、コア部形成層7、上部クラッド層4の形成方法、つまり、第1〜第3の有機材料層の形成方法として、スピンコートにより有機材料溶液を塗布する方法を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷法等、その他の方法を用いることも可能である。これら有機材料溶液の塗布方法は、基板1の大きさや材質、構成に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、上記各層を構成する有機材料として、ポリイミド材料を用いた場合について説明したが、上記各層に使用する有機材料は、これに限定されるものではなく、上記ポリイミド材料に代えて、ポリシラン等、光感光性を有する有機材料を使用してもよい。
また、第2の有機材料層15に、感光性を有するポジ型の有機材料を使用した場合には、コア部3および周辺部5の形成工程において、コア部3および周辺部5となる部分をマスクで遮光し、マスク上からUV光等による露光処理を行うことでコア部3と周辺部5との間の有機材料を可溶性とし、アルカリ溶液等によりウエットエッチングすることによって除去することができる。この方法によれば、RIE等の真空装置を使用する必要がなく、光導波路の製造プロセスのさらなる簡略化や低コスト化を図ることができる。
なお、上部クラッド層(第3の有機材料層)4には、下部クラッド層(第1の有機材料層)2と同じ有機材料を用いることもできるが、異なる有機材料を用いてもよい。
また、前記した光導波路の製造方法では、上部クラッド層4を形成した後、下部クラッド層2、コア部3、周辺部5、側面クラッド部6、および上部クラッド層4を一括してオーブン等で加熱することにより焼結処理を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各有機材料からなる層、つまり、下部クラッド層2(第1の有機材料からなる層)、コア部3および周辺部5(第2の有機材料からなる層)、側面クラッド部6および上部クラッド層4(第3の有機材料からなる層)を形成する度に焼結処理を行ってもよい。
さらに、本実施の形態では、光導波路の構造が直線状である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、屈曲形状を有する構成であっても構わない。
また、本実施の形態によれば、上記光導波路における上部クラッド層4上に、抵抗やコンデンサ等のチップ部品を形成するとともに、金属メッキ処理を行うことによって電気配線(いずれも図示せず)を形成し、さらに図示しない発光素子や受光素子(発光ダイオード(LED)、半導体レーザ、フォトダイオード等の受発光素子)、あるいは、これら発光素子や受光素子がそれぞれアレイ状に一体化されてなるアレイ型の受発光素子等を、半田を用いて取り付け、これら受発光素子を、ミラー9を介して、または直接、コア部3の端面と光結合させることによって、本実施の形態にかかる光回路基板を得ることができる。上記光回路基板は、光導波路表面の平坦性に優れているため、光導波路表面に設けられるチップ部品や金属配線の接続不良を防止することができる。
〔実施の形態2〕
本発明にかかる実施の他の形態について図6(a)・(b)および図7(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる光導波路における構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1との相違点について説明するものとする。
図6(a)は、コア部が2つ設けられた本実施形態にかかる光導波路の概略構成を一部破断にて示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す光導波路のB−B'線矢視断面図である。また、図7(a)は2つのコア部が1本の溝部を介して互いに隣接する構造を有する光導波路上に発光素子を配した場合の該光導波路(光回路基板)の概略構成を模式的に示す平面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す光導波路の概略構成を示すC−C'線矢視断面図である。
前記実施の形態1で説明したように、光導波路に対して、受発光素子は、ミラー9を介するか、あるいは直接、コア部3端面と光結合させる構成をとることができる。このとき、複数の受光素子や発光素子を有するアレイ状の受発光素子と複数本のコア部3とを光結合させる場合においては、発光素子や受光素子同士が隣接した配置となるため、隣接する光導波路の間隔が狭いと、受光素子同士や発光素子同士が互いに干渉するという問題が発生するおそれがある。
このため、図7(a)に示すように、コア部3の端部に光結合されている受発光素子24の幅(コア部3の短手方向の幅)をBμm、隣り合うコア部3・3の中心軸同士の間隔をHμmとすると、コア部3・3が1本の溝部10を挟んで設けられている場合、H/2よりもB/2の方が大きければ、上記溝部10をH/2≧B/2となるように拡幅する必要がある。
例えば、図7(a)・(b)において、幅20μmのコア部3・3の間に、幅10μmの側面クラッド部26が設けられている場合、隣り合うコア部3・3の中心軸同士の間隔Hは30μmである。
このとき、例えば、50μm角の大きさ、つまり幅Bが50μmの受発光素子24をコア部3・3に光結合させる場合、隣り合う受発光素子24同士の干渉を防ぐために、隣接するコア部3・3の中心軸同士の間隔Hは少なくとも50μm以上とする必要がある。このためには、コア部3・3の中心軸同士の間隔Hをさらに20μm以上離す、すなわち、側面クラッド部6の幅を、10μmから30μmに拡幅する必要が生じる。しかしながら、側面クラッド部6の幅を広げると、図7(b)に示すように、上部クラッド層4表面の平坦性が大きく悪化することとなり、上面クラッドを層4の膜厚を大きくする必要が生じることから、本発明における効果を十分に得ることができない。
そこで、本実施の形態にかかる光導波路においては、図6(a)・(b)に示すように、同一平面上、つまり、コア部形成層7に、複数のコア部3を設ける場合、互いに隣り合うコア部3・3間に、必要に応じて周辺部5が設けられている構成とすること、より具体的には、隣り合う2つのコア部3・3間に側面クラッド部6を介して周辺部5が配置されていることで、コア部3・3のそれぞれの端面に光結合(実装)される、互いに隣り合う受発光素子24・24同士が干渉し合うことがない配置とすることができる。
これにより、上述した例では、上記溝部10を拡幅することによりコア部3・3の中心軸同士の間隔Hをさらに20μm以上離す必要があったが、図6(a)・(b)に示す構成によれば、コア部3・3の間に幅20μm以上の周辺部5を設けることにより、溝部10を拡幅することなく、隣り合うコア部3・3の中心軸同士の間隔Hを50μm以上にすることができる。
このように、本実施の形態によれば、コア部3・3間に周辺部5が設けられているため、コア部3・3の中心軸同士の間隔Hを大きくする場合にも、受発光素子24の大きさや、受発光素子24同士の位置関係に関係なく、表面の平坦性に優れた光導波路を得ることができる。
また、本実施の形態においても、コア部3・3および周辺部5は同じ第2の有機材料で構成されているため、コア部3・3のみに内部応力が集中することがない。したがって、コア部3・3の変形や破断の発生を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、同一平面上にコア部3が2つ設けられている場合を例に挙げて説明したが、コア部3の個数はこれに限定されるものではなく、同一平面上にコア部3が3つ以上設けられている構成としてもよい。
以上のように、本発明にかかる光導波路は、光を伝播するコア部を有するコア部形成層と、該コア部形成層を覆うクラッド層とを備えた光導波路において、上記コア部形成層は、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むようにコア部と離間して設けられた周辺部とを備えている構成を有しているが、本発明にかかる光導波路は、例えば、基板上に形成した第1の有機材料からなる層と、該第1の有機材料からなる層上に形成した第2の有機材料からなる層と、該第2の有機材料からなる層上に形成した第3の有機材料からなる層とからなり、前記第2の有機材料からなる層は溝によって周囲を取り囲んだコアを有し、前記第1の有機材料からなる層及び前記第3の有機材料からなる層はクラッドを形成する構成であってもよい。
また、上記光導波路は、前記第2の有機材料からなる層は、前記溝によって周囲を取り囲んだ2以上のコアを有し、隣接する前記コアの間にコアと離間して配置した前記第2の有機材料からなる領域を含む構成を有していてもよい。
さらに、上記導波路は、前記溝に、前記第3の有機材料を充填してなる構成を有していてもよい。

また、本発明にかかる光導波路の製造方法は、光を伝播するコア部を有するコア部形成層と、該コア部形成層を覆うクラッド層とを備えた光導波路の製造方法であって、上記コア部を形成する有機材料層に、コア部となる領域を囲むように溝部を形成することにより、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むように上記溝部でコア部と離間して設けられた周辺部とを形成する工程と、上記コア部および周辺部を覆うようにクラッド層を形成する工程とを備えている方法であるが、本発明にかかる光導波路の製造方法は、基板上に第1の有機材料からなる層を形成する工程と、該第1の有機材料からなる層上に第2の有機材料からなる層を形成する工程と、該第2の有機材料からなる層に溝を形成することによって導波路を形成する工程と、前記導波路を形成した前記第2の有機材料からなる層上に第3の有機材料からなる層を形成する工程と、焼成によって燒結処理を行う工程とからなる方法であってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の光導波路は、光導波路中を伝搬する光線の伝搬角を自由に設定することができ、かつ、工程数を増加させることなく光導波路表面の平坦性を十分に確保することができると共に、コアに内部応力が集中することを抑制することができる。このため、上記光導波路は、例えば、伝送容量の高い光インターコネクションに用いられる光配線に好適であり、光回路素子等、光配線を有する種々の光通信機器等に用いることができる。
(a)は、本発明の一実施形態にかかる光導波路の概略構成を一部破断にて示す平面図であり、(b)は、(a)に示す光導波路のA−A’線矢視断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の光導波路の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路におけるコア部周辺の概略構成を模式的に示す断面図である。 図4は、従来の光導波路における平坦化層形成前のコア部周辺の概略構成を模式的に示す断面図である。 図3および図4に示す光導波路における上面クラッド層の膜厚と膜厚ばらつきとの関係を示すグラフである。 (a)は本実施形態にかかる光導波路の概略構成を一部破断にて示す平面図であり、(b)は、(a)に示す光導波路のB−B'線矢視断面図である。 (a)は、2つのコア部が1本の溝部を介して互いに隣接する構造を有する光導波路上に発光素子を配した場合の該光導波路の概略構成を模式的に示す平面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す光導波路のC−C'線矢視断面図である。 (a)は、従来の光導波路の要部の概略構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す光導波路の要部の概略構成を示す平面図である。 (a)〜(e)は、従来の光導波路の製造工程を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 下部クラッド層(第1の有機材料層)
3 コア部(第2の有機材料層)
4 上部クラッド層(第3の有機材料層、クラッド層)
5 周辺部(第2の有機材料層)
6 側面クラッド部
9 ミラー
10 溝部
11 レジスト層
13 遮光部
15 第2の有機材料層(第2の有機材料層)
24 受発光素子

Claims (5)

  1. 光を伝播するコア部を有するコア部形成層と、該コア部形成層を覆うクラッド層とを備えた光導波路において、
    上記コア部形成層は、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むようにコア部と離間して設けられた周辺部とを備えていることを特徴とする光導波路。
  2. 上記コア部形成層は、上記コア部を複数備えると共に、隣り合うコア部間に、上記コア部と同一の有機材料からなり、コア部とは離間して設けられた周辺部を備えていることを特徴とする請求項1記載の光導波路。
  3. 上記コア部と周辺部との間には、上記コア部形成層を覆うクラッド層を形成する有機材料と同じ有機材料が充填されていることを特徴とする請求項1または2記載の光導波路。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の光導波路を備えていることを特徴とする光回路基板。
  5. 光を伝播するコア部を有するコア部形成層と、該コア部形成層を覆うクラッド層とを備えた光導波路の製造方法であって、
    上記コア部を形成する有機材料層に、コア部となる領域を囲むように溝部を形成することにより、コア部と、該コア部と同一の有機材料からなり、コア部の側面を囲むように上記溝部でコア部と離間して設けられた周辺部とを形成する工程と、
    上記コア部および周辺部を覆うようにクラッド層を形成する工程とを備えていることを特徴とする光導波路の製造方法。
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