JP2005209373A - 加熱調理器および調理器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 調理器具6には複数の赤外線LED39が装着されており、複数の赤外線LED39は調理器具6のセット状態で円環状に繋がる360°の赤外線送信領域を形成する。このため、調理器具6をどのような角度でセットしたときでも赤外線受光回路48が赤外線送信領域内に収まるので、調理器具6のセット角度に気を使う必要がなくなる。
【選択図】 図5
Description
<請求項1および2に係る発明の説明>
請求項1および2に係る発明は加熱調理器側に複数の受信部を設け、調理器具から無線送信される温度情報を調理器具のセット姿勢に応じた一部または全部の受信部で受信するものである。
1)受信手段:複数の受信部の集合体を称する。これら受信部は外部から磁気および電磁波等で無線送信される温度情報を受信可能なものであり、温度情報の受信対象が共通の1個の送信源または共通の複数個の送信源であることが要件である。この温度情報は調理器具そのものの温度情報または調理器具内の調理物の温度情報を称するものであり、調理器具の絶対的な温度・調理器具の基準値を比較対象とする相対的な温度・調理器具の温度変化率・調理物の絶対的な温度・調理物の基準値を比較対象とする相対的な温度・調理物の温度変化率は温度情報の一例である。
2)制御手段:加熱手段を駆動制御することに基いて調理内容を制御するものであり、直流電源を高周波電源に変換するインバータ回路をスイッチング制御することでインバータ回路から加熱手段に与えられる電力量を制御するものであることが好ましい。この制御手段は加熱手段を受信手段の受信結果に基いて制御するものであり、調理内容は外部からの温度情報に基いて制御されることになる。
<請求項3〜4に係る発明の説明>
請求項3〜4に係る発明は複数の温度情報を同時に受信した場合の対応を言及したものである。この場合には複数の温度情報のうちから1つを選定し、温度情報の選定結果だけを制御データとして有効に扱う。
<請求項5に係る発明の説明>
請求項5に係る発明は送信部が非正規な無線温度情報を受信することを遮蔽することによって防止するものである。この非正規な無線温度情報とは加熱手段の加熱対象ではない調理器具からの温度情報であり、例えば隣の調理器具からの無線温度情報が非正規な無線温度情報に該当する。
<請求項6に係る発明の説明>
請求項6に係る発明は調理器具に複数の送信部を設け、加熱調理器の受信部を調理器具のセット姿勢に応じて複数の送信部の送信範囲のいずれかに収めるものである。
1)容器部:調理物が投入される投入部を称する。
2)温度検出手段:調理器具に機械的に接続されたものであり、容器部の温度または調理物の温度を調理温度として検出するものである。
3)送信手段:複数の送信部の集合体を称する。これら送信部は温度情報を磁気および電磁波等で無線送信可能なものであり、温度情報の送信対象が共通の1個の受信源または共通の複数個の受信源であることが要件である。この温度情報とは調理温度の検出結果に基いて生成されるものであり、温度情報の詳細は上述した通りである。
<請求項7に係る発明の説明>
請求項7に係る発明は複数の送信部を同一の高さに円形状に配列したものである。この円形状の配列とは円形状の容器部に沿って配列することを称するものであり、真円形状に配列することに限定解釈されるものではない。
<請求項8に係る発明の説明>
請求項8に係る発明は調理器具を加熱調理器にセットした状態で環状に繋がる送信領域を形成し、加熱調理器の受信部を調理器具のセット姿勢に拘らず送信領域内に収めるものであり、送信領域とは温度情報の通信可能エリアを称する。
<請求項9に係る発明の説明>
請求項9に係る発明は複数の送信部を順に駆動するものである。即ち、複数の送信部を同時駆動することなく時間差をおいて順に駆動し、複数の送信部からの温度情報の送信タイミングをずらすものである。
請求項6〜9に係る発明によれば、加熱調理器の受信部を調理器具のセット姿勢に応じた送信範囲のいずれかに収めることができるので、調理器具をセット姿勢に配慮して使用する不便さが緩和される。
システムキッチン1の内部には、図1に示すように、キャビネット2が固定されている。このキャビネット2の上面には耐熱ガラス製のトッププレート3が固定されており、トッププレート3はシステムキッチン1の上面から露出している。このトッププレート3は有色不透明に着色されたものであり、キャビネット2の内部はトッププレート3を通して視覚的に認識不能にされている。
キャビネット2の内部には、図2に示すように、左マーク4の下方に位置してサーミスタからなる左内部温度センサ22が収納されており、左内部温度センサ22の感温部はセンサスプリングのばね力でトッププレート3の下面に押付けられている。この左内部温度センサ22は調理器具6の表面温度Tsをトッププレート3を介して間接的に検出する間接温度検出手段に相当するものであり、左内部温度センサ22のリード線24は左コイル19の内周部およびコイルベース21の内周部に挿入されている。
整流回路25の出力端子には2個のインバータ回路27が電気的に接続されている。これら各インバータ回路27は整流回路25からの直流電源を高周波電圧に変換するものであり、ハーフブリッジ形に接続されたスイッチング素子を主体に構成されている。これらインバータ回路27の出力端子には左コイル19および右コイル20が個別に接続されており、左コイル19および右コイル20はインバータ回路27から高周波電流が与えられることに基いて上方の調理器具6を誘導加熱する。
鍋側電源30には電源スイッチ31を介して温度データ送信部32が電気的に接続されている。この電源スイッチ31は電装品ケース28に固定された自己保持形のスライドスイッチからなるものであり、プランジャ33がスライド操作されることに基いて給電路を閉成するオン状態および給電路を開放するオフ状態に機械的に保持される。即ち、電源スイッチ31がオン操作されたときには鍋側電源30から温度データ送信部32に9Vの主電源Vinが与えられ、電源スイッチ31がオフ操作されたときには主電源Vinが遮断される。
1)電圧検出処理
制御回路40のCPUは電圧検出回路35からの電圧信号をA/D変換する。この電圧信号のA/D変換結果に基いて主電源Vinの電圧レベルを検出し、電圧レベルの検出結果をROMに予め記録された判定値と比較する。そして、電圧レベルの検出結果が判定値を上回ることを検出したときには主電源Vinが正常レベルにあると判断し、電圧レベルの検出結果が判定値を下回ることを検出したときには主電源Vinが異常レベルにあると判断する。この異常レベルとは制御回路40が正常に処理動作を行うことができなくなる直前の電圧レベルを称するものであり、電圧検出処理とは鍋側電源30の消耗の有無を設定期間毎に判定する処理である。
2)温度検出処理
制御回路40のROMには、図6に示すように、温度検出回路37からの電圧信号(V)と調理器具6の表面温度To(°C)との関係が記録されており、制御回路40のCPUは温度検出回路37からの電圧信号をA/D変換し、電圧信号のA/D変換結果に応じた表面温度ToをROMの記録データから取得することに基いて調理器具6の直接的な表面温度Toを検出する。例えば電圧信号のA/D変換結果が「4.1V」であるときには表面温度Toとして「75°C」を検出する。即ち、温度検出処理とは調理器具6の直接的な表面温度Toを設定期間毎に検出する処理である。
3)データ送信処理
制御回路40には、図4に示すように、LED駆動回路38を介して4個の赤外線LED39が電気的に接続されており、制御回路40のCPUは1)電源電圧Vinの検出結果および2)表面温度Toの検出結果に基いて駆動信号を生成する。そして、LED駆動回路38を駆動信号に基いて駆動制御することで4個の赤外線LED39を循環的な設定順序で発光制御し、4個の赤外線LED39から1)電源電圧Vinの検出結果および2)表面温度Toの検出結果を含む調理情報を赤外線で順に送信する。このデータ送信処理は制御プログラムが起動する毎に実行されるものであり、4個の赤外線LED39は第1の赤外線LED39→第2の赤外線LED39→第3の赤外線LED39→第4の赤外線LED39→第1の赤外線LED39・・・の順序で1sec毎に順に発光することに基いて調理情報を赤外線で無線送信する。
制御回路42はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU・ROM・RAM・I/Oを有している。この制御回路42には左操作部11が電気的に接続されており、制御回路42は左操作部11の操作内容に応じて調理条件を設定し、調理条件の設定結果に基いて駆動信号を生成する。この制御回路42には駆動回路43を介して一方のインバータ回路27が電気的に接続されており、駆動回路43は制御回路42からの駆動信号に基いて一方のインバータ回路27をスイッチング制御し、左コイル19に高周波電流を流すことに基いて調理器具6を左操作部11の操作内容に応じた態様で誘導加熱する。尚、制御回路42は加熱制御手段に相当するものである。
制御回路42は自動湯沸しキー13のオン操作を検出すると、図8のステップS1でRAMをクリアし、調理フラグを昇温処理にリセットする。そして、ステップS2で火力を定格値の3kWに設定し、自動湯沸し調理を3kWの強火力で開始する。この火力は左コイル19の単位時間当りの通電時間をインバータ回路27のオンオフ比によって制御することに基いて調整されるものであり、制御回路42は自動湯沸し調理を3kWのハイパワーで開始すると、ステップS3へ移行する。
1.汎用の湯沸し調理について
制御回路42はステップS12へ移行すると、左内部温度センサ22からの出力信号を有線で取得することに基いて調理器具の間接的な表面温度Tsを検出する。このステップS12の表面温度Tsの検出処理は設定期間毎(具体的には1sec毎)に行われるものであり、制御回路42はステップS12で表面温度Tsを検出したときには表面温度Tsの検出結果をRAMに有線調理情報として時系列的に格納し、ステップS13へ移行する。
制御回路42はステップS14で「Tl≦Ts」を検出すると、ステップS15で火力を2kWに中設定する。即ち、左内部温度センサ22からの出力信号に基いて調理器具の表面温度Tsが判定値Tlに昇温したことが検出されたときには火力が3kWから2kWに下げられ、調理器具が2kWの火力で継続的に加熱される。
制御回路42はステップS16で火力を弱設定すると、ステップS17で温度変化率ΔTsを演算する。この温度変化率ΔTsは調理器具の単位時間当りの温度上昇度に相当するものであり、制御回路42はRAMから最新の表面温度Tsおよび前回の表面温度Tsを検出し、表面温度Tsの最新の検出結果と前回の検出結果との差を温度変化率ΔTsとして演算する。
2.専用の湯沸し調理について
制御回路42は図9のステップS11でRAMに無線調理情報が格納されていることを検出すると、ステップS20へ移行する。この無線調理情報は調理器具6の温度データ送信部32が設定期間毎に赤外線で送信するものであり、制御回路42が外部割込み処理で格納するものである。即ち、RAMに無線調理情報が格納されているときには専用の調理器具6の使用が認識され、専用の調理器具6に応じた態様の自動湯沸し調理が行われる。
左コイル19からの磁界の影響を受けず温度勾配の生成物であるトッププレート3が介在されない調理器具6に外部温度センサ29を設け、外部温度センサ29の検出結果に応じた調理情報を無線送信することに基いて調理内容を制御したので、火力の段階的な下降制御を行うことなく調理器具6の現実温度を高精度に検出することができる。このため、調理器具6を強火力で継続的に加熱することができるので、調理物を短時間で目的の状態に仕上げることが可能になる。
上記第1実施例においては、調理器具6および加熱調理器に複数の赤外線LED39および1個の赤外線受光回路48を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば1個の赤外線LED39および複数の赤外線受光回路を設けても良い。以下、当該構成の具体例を図面に基いて説明する。
<実施例2>
キャビネット2内には、図14に示すように、第1の赤外線受光回路51と第2の赤外線受光回路52と第3の赤外線受光回路53と第4の赤外線受光回路54とが収納されている。これら第1の赤外線受光回路51〜第4の赤外線受光回路54は赤外線センサおよび信号出力回路をモジュール化してなるものであり、左マーク4の外周部に左マーク4と同心状に周方向に等角度間隔で配置されている。これら第1の赤外線受光回路51〜第4の赤外線受光回路54は1個の赤外線LED39から送信される調理情報を共通の受信対象とするものであり、1個の赤外線LED39から送信される調理情報を上方の窓部49を通して受信する。尚、第1の赤外線受光回路51〜第4の赤外線受光回路54は受信手段を構成する受信部に相当するものである。
加熱調理器側に第1の赤外線受光回路51〜第4の赤外線受光回路54を設けたので、調理器具6からの無線調理情報を第1の赤外線受光回路51〜第4の赤外線受光回路54のうち調理器具6の載置角度に応じたもので選択的に受信することができる。このため、調理器具6を左マーク4上に載置するときに調理器具6の載置角度に気を使う必要がなくなるので、使い勝手が向上する。
第1の赤外線受光回路51の右端部〜第4の赤外線受光回路54の右端部に遮光板64を配置した。このため、第1の赤外線受光回路51〜第4の赤外線受光回路54が右マーク5上の調理器具6からの調理情報を受信することがなくなるので、例えば左マーク4上および右マーク5上に汎用の調理器具および専用の調理器具6を載置して同時に調理を行う場合に汎用の調理器具が専用の調理器具6からの調理情報に基いて誤制御されることが防止される。
上記第1〜第2実施例においては、調理情報を自動湯沸し調理に利用したが、これに限定されるものではなく、天ぷら調理・湯煎調理・炒め物調理等、調理器具6を設定温度に加熱して行われる自動調理に利用することができる。
Claims (9)
- 調理器具を加熱する加熱手段と、
外部から無線で送信される調理器具の温度情報または調理器具内の調理物の温度情報を受信可能な受信手段と、
前記受信手段の受信結果に基いて前記加熱手段を駆動制御する加熱制御手段とを備え、
前記受信手段は、温度情報の受信対象が共通な複数の受信部から構成されていることを特徴とする加熱調理器。 - 調理器具を加熱する加熱手段と、
外部から無線で送信される調理器具の一の温度情報または調理器具内の調理物の一の温度情報を受信可能な受信手段と、
前記受信手段の受信結果に基いて前記加熱手段を駆動制御する加熱制御手段とを備え、
前記受信手段は、複数の受信部から構成され、前記調理器具の一の温度情報または前記調理器具内の調理物の一の温度情報を受信可能に配置されていることを特徴とする加熱調理器。 - 前記複数の受信部の受信結果のうちから一つを選定する選定手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記選定手段の選定結果に基いて前記加熱手段を駆動制御することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の加熱調理器。 - 前記複数の受信部は、受信結果の出力電圧レベルが相違し、
前記選定手段は、前記複数の受信部の受信結果のうちから電圧レベルが最高のものを選定するショットキーバリアダイオードを含んで構成されていることを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。 - 非正規な方向から送信される温度情報を遮蔽する遮蔽部材を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加熱調理器。
- 調理物が投入される容器部と、
前記容器部の温度または前記容器部内の調理物の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に応じた温度情報を無線で送信する送信手段とを備え、
前記送信手段は、温度情報の送信対象が共通な複数の送信部から構成されていることを特徴とする調理器具。 - 前記複数の送信部は、同一の高さに円形状に並べて設けられていることを特徴とする請求項6記載の調理器具。
- 前記複数の送信部は、前記容器部を加熱調理器にセットした状態で環状に繋がる送信領域を形成することを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の調理器具。
- 前記複数の送信部を順に駆動することに基づいて温度情報をタイミングをずらして送信する送信制御手段を備えたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の調理器具。
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