JP2005206714A - テトラフルオロエチレン重合体製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高分子量のPTFEを製造する工業上有利な方法を提供する。
【解決手段】 テルペンの存在下に単量体を重合することによりテトラフルオロエチレン重合体を製造するテトラフルオロエチレン重合体製造方法であって、上記テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重がテルペンの不存在下に重合することにより製造したテトラフルオロエチレン重合体(A)の標準比重よりも低いものであり、上記テトラフルオロエチレン重合体及び上記テトラフルオロエチレン重合体(A)は、テトラフルオロエチレンホモポリマー又は変性ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とするテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 テルペンの存在下に単量体を重合することによりテトラフルオロエチレン重合体を製造するテトラフルオロエチレン重合体製造方法であって、上記テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重がテルペンの不存在下に重合することにより製造したテトラフルオロエチレン重合体(A)の標準比重よりも低いものであり、上記テトラフルオロエチレン重合体及び上記テトラフルオロエチレン重合体(A)は、テトラフルオロエチレンホモポリマー又は変性ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とするテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、テトラフルオロエチレン重合体製造方法に関する。
高分子量のポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕を製造する方法として、重合途中にヒドロキノンを添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ヒドロキノンは水溶性であることから、水性媒体中での重合においてポリマーと同じ相に存在し、得られるポリマーに混入するという問題があった。また、ヒドロキノンは重合途中に添加する必要があり、重合初期に添加することができず、重合反応を制御しにくいという問題があった。
テトラフルオロエチレン〔TFE〕等の単量体は、従来、重合禁止剤としてテルペンを添加しておき、重合槽に仕込む前にテルペンを除去していた。
テルペンを重合に際して除去せずに存在させPTFEを製造することが記載されている。しかしながら、ここでは、テルペンがTFE重合中に存在すると低分子量のポリマーが得られるとされている(例えば、特許文献2参照。)。
テルペンを重合に際して除去せずに存在させPTFEを製造することが記載されている。しかしながら、ここでは、テルペンがTFE重合中に存在すると低分子量のポリマーが得られるとされている(例えば、特許文献2参照。)。
テルペン類を重合初期に添加し、分子量分布が小さいフルオロポリマーを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この方法は、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体を製造するものである。
特公昭58−39443号公報
特開2000−143707号公報〔0060〕
特開2002−3514号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、高分子量のPTFEを製造する工業上有利な方法を提供することにある。
本発明は、テルペンの存在下に単量体を重合することによりテトラフルオロエチレン重合体を製造するテトラフルオロエチレン重合体製造方法であって、上記テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重がテルペンの不存在下に重合することにより製造したテトラフルオロエチレン重合体(A)の標準比重よりも低いものであり、上記テトラフルオロエチレン重合体及び上記テトラフルオロエチレン重合体(A)は、テトラフルオロエチレンホモポリマー又は変性ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とするテトラフルオロエチレン重合体製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法は、テルペンの存在下に単量体を重合することによりテトラフルオロエチレン重合体を製造するものである。
上記単量体は、後述するようにテトラフルオロエチレン〔TFE〕及び所望により用いるその他の共単量体である。
上記単量体は、後述するようにテトラフルオロエチレン〔TFE〕及び所望により用いるその他の共単量体である。
上記テトラフルオロエチレン重合体及び後述のテトラフルオロエチレン重合体(A)は、テトラフルオロエチレンホモポリマー〔TFEホモポリマー〕又は変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕である。
上記TFEホモポリマーは、TFEの単独重合体である。
上記変性PTFEは、TFEと、少量のその他の共単量体との共重合体である。
上記変性PTFEは、TFEホモポリマーがTFEのみを重合することにより得られるTFEのホモポリマーでありその他の共単量体を含まないものである点で、TFEホモポリマーとは異なるものである。
上記TFEホモポリマーは、TFEの単独重合体である。
上記変性PTFEは、TFEと、少量のその他の共単量体との共重合体である。
上記変性PTFEは、TFEホモポリマーがTFEのみを重合することにより得られるTFEのホモポリマーでありその他の共単量体を含まないものである点で、TFEホモポリマーとは異なるものである。
上記変性PTFEのその他の共単量体としてはTFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン等の水素含有フルオロオレフィン;フルオロビニルエーテル等が挙げられる。
上記フルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(I)
CY1 2=CY2−ORf (I)
(式中、Y1及びY2は、同一又は異なり、水素原子若しくはフッ素原子を表す。Rfは、フルオロ有機基を表す。)で表されるフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「フルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記フルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記フルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(I)
CY1 2=CY2−ORf (I)
(式中、Y1及びY2は、同一又は異なり、水素原子若しくはフッ素原子を表す。Rfは、フルオロ有機基を表す。)で表されるフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「フルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記フルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記フルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(I)において、Y1及びY2がともにフッ素原子であり、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロプロピル基が好ましい。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロプロピル基が好ましい。
上記変性PTFEの分子構造に占める上記その他の共単量体の割合(質量%)としては、上記その他の共単量体の種類にもよるが、得られる変性PTFEに溶融流動性を付与しない程度の少量であることが好ましく、例えば、上記その他の共単量体として上記フルオロビニルエーテルを用いる場合、通常、上述のように1質量%以下が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法は、上述した単量体をテルペンの存在下で重合することよりなるものである。
重合の方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等の従来公知の重合方法を用いることができるが、なかでも、乳化重合法が好ましく採用される。
用いられるテルペンとしては特に限定されないが、乳化重合、懸濁重合等の水性媒体を用いて重合する場合、水溶性が小さいものが好ましい。
上記テルペンは、環式テルペンであることが好ましく、単環式テルペンであることがより好ましい。
上記単環式テルペンとしては特に限定されず、例えば、テルピノーレン、D−リモネン、α−テルピネン等が挙げられ、なかでも、メンタン型又は二重結合を2個有するものが好ましい。
上記環式テルペンとしては、分子量分布を小さくする点では、2環式テルペンを用いてもよい。上記2環式テルペンとしては、β−ピネン等が挙げられる。
上記テルペンは、テルピノーレンであることが好ましい。
重合の方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等の従来公知の重合方法を用いることができるが、なかでも、乳化重合法が好ましく採用される。
用いられるテルペンとしては特に限定されないが、乳化重合、懸濁重合等の水性媒体を用いて重合する場合、水溶性が小さいものが好ましい。
上記テルペンは、環式テルペンであることが好ましく、単環式テルペンであることがより好ましい。
上記単環式テルペンとしては特に限定されず、例えば、テルピノーレン、D−リモネン、α−テルピネン等が挙げられ、なかでも、メンタン型又は二重結合を2個有するものが好ましい。
上記環式テルペンとしては、分子量分布を小さくする点では、2環式テルペンを用いてもよい。上記2環式テルペンとしては、β−ピネン等が挙げられる。
上記テルペンは、テルピノーレンであることが好ましい。
テルペンは、単量体の合計質量の1〜100ppmであることが好ましい。1ppm未満であると、高分子量の重合体が得られにくい。100ppmを超えると、重合反応が停止する場合がある。より好ましい上限は、80ppm、更に好ましい上限は、50ppm、より好ましい下限は、15ppm、更に好ましい下限は、25ppmである。
テルペンは、何回かに分けて添加してもよいし、連続的に添加してもよいし、また、重合途中に添加してもよいが、重合開始時に存在させることが好ましい。
テルペンを重合開始時に存在させることにより、重合条件の制御が容易となる。
重合は、重合圧力0.5〜4MPa下に行うことが好ましい。重合圧力のより好ましい下限は、2MPaであり、より好ましい上限は、3MPaである。
重合は、重合温度20〜100℃であることが好ましい。重合温度のより好ましい下限は、50℃、より好ましい上限は、90℃である。
テルペンを重合開始時に存在させることにより、重合条件の制御が容易となる。
重合は、重合圧力0.5〜4MPa下に行うことが好ましい。重合圧力のより好ましい下限は、2MPaであり、より好ましい上限は、3MPaである。
重合は、重合温度20〜100℃であることが好ましい。重合温度のより好ましい下限は、50℃、より好ましい上限は、90℃である。
重合は、パラフィン存在下に行うことが好ましい。
従来、テトラフルオロエチレン重合体の重合に用いられてきたヒドロキノンは水溶性であるのに対し、テルペンは、油溶性であるので、重合反応媒体に通常存在させるパラフィン相に移行し、このパラフィン相は重合後に除去するが、その除去に伴い、テルペンも系外に除去されるので、得られる本発明におけるテトラフルオロエチレンには実質的に混入することはない。
従来、テトラフルオロエチレン重合体の重合に用いられてきたヒドロキノンは水溶性であるのに対し、テルペンは、油溶性であるので、重合反応媒体に通常存在させるパラフィン相に移行し、このパラフィン相は重合後に除去するが、その除去に伴い、テルペンも系外に除去されるので、得られる本発明におけるテトラフルオロエチレンには実質的に混入することはない。
テルペンの存在下に上述の条件下で得られたテトラフルオロエチレン重合体は、標準比重がテルペンの不存在下に重合することにより製造したテトラフルオロエチレン重合体(A)の標準比重よりも低いものである。
上記テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重〔SSG〕が2.163〜2.173であることが好ましい。本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法により得られるテトラフルオロエチレン重合体は、SSGが上述の範囲であるものであるので、高分子量の重合体であるといえる。
本明細書において、上記SSGは、ASTM D 4895に準拠して測定し得られた値である。
上記テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重〔SSG〕が2.163〜2.173であることが好ましい。本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法により得られるテトラフルオロエチレン重合体は、SSGが上述の範囲であるものであるので、高分子量の重合体であるといえる。
本明細書において、上記SSGは、ASTM D 4895に準拠して測定し得られた値である。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法において、重合後における重合装置へのテトラフルオロエチレン重合体の付着量は、上記テトラフルオロエチレン重合体を製造するために仕込む単量体の合計質量の2質量%以下とすることができる。より好ましい上限は、1質量%、更に好ましい上限は、0質量%である。
上記重合装置への付着量は、重合装置において重合反応場に接した箇所への付着量であり、例えば、重合槽内壁、攪拌翼表面等への付着量の合計量であり、重合反応終了後に重合反応媒体を重合槽から除去したのち重合槽内に残存した付着量を実測することにより求めることができる。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法は、上述のようにテトラフルオロエチレン重合体の重合装置への付着量が小さい方法であるので、ロスが少なく、洗浄負担を軽減することができ、工業上有利であるといえる。
上記重合装置への付着量は、重合装置において重合反応場に接した箇所への付着量であり、例えば、重合槽内壁、攪拌翼表面等への付着量の合計量であり、重合反応終了後に重合反応媒体を重合槽から除去したのち重合槽内に残存した付着量を実測することにより求めることができる。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法は、上述のようにテトラフルオロエチレン重合体の重合装置への付着量が小さい方法であるので、ロスが少なく、洗浄負担を軽減することができ、工業上有利であるといえる。
本発明におけるテトラフルオロエチレン重合体は、比溶融粘度を2.3Pa・s以上のものとすることができる。比溶融粘度が大きいほど、高分子量体であることがいえる。上記比溶融粘度は、工業上、上限を例えば、2.4Pa・sとすることができる。
上記比溶融粘度ηは、SSG測定用に作製したチップ(丸型、厚み1cm)を切削加工することにより厚み0.5mmの帯状シートを得、得られた帯状シートから幅4〜5mm、長さLT(cm)の小片を切り取り、幅と厚みとを正確に測定し断面積AT(cm2)を計算したのち、小片の両端に試料装着金具を装着間距離が1mmになるように取り付け、熱機械分析装置〔TMA〕を用いて380℃にて上記小片に負荷W(g)をかけ、負荷後60〜120分の間における伸びの時間Tに対する割合〔dLT/dT〕(cm/sec)から下記式
η=(W×LT×g)/〔3×(dLT/dT)×AT〕
(但し、gは、重力定数〔cm/(sec)2〕。)に基づいて計算し得られる値である。
上記比溶融粘度ηは、SSG測定用に作製したチップ(丸型、厚み1cm)を切削加工することにより厚み0.5mmの帯状シートを得、得られた帯状シートから幅4〜5mm、長さLT(cm)の小片を切り取り、幅と厚みとを正確に測定し断面積AT(cm2)を計算したのち、小片の両端に試料装着金具を装着間距離が1mmになるように取り付け、熱機械分析装置〔TMA〕を用いて380℃にて上記小片に負荷W(g)をかけ、負荷後60〜120分の間における伸びの時間Tに対する割合〔dLT/dT〕(cm/sec)から下記式
η=(W×LT×g)/〔3×(dLT/dT)×AT〕
(但し、gは、重力定数〔cm/(sec)2〕。)に基づいて計算し得られる値である。
本発明におけるテトラフルオロエチレン重合体は、吸熱比をテルペンの不存在下に重合して得られるものよりも小さくすることができ、例えば、0.7以下とすることができる。上記テトラフルオロエチレン重合体の吸熱比は、反応時間とテルペンの仕込み量とを適切な値に設定することにより、更に低下させることができ、例えば、0.6以下とすることもできる。より好ましい上限は、0.3、更に好ましい上限は、0.29、特に好ましい上限は、0.28である。吸熱比が上記範囲内であると、分子量分布〔MWD〕が狭いものといえる。
上記吸熱比は、示差走査熱量分析装置〔DSC〕により得られたx℃におけるピークと、(x−10)℃におけるピークとの比である。
上記吸熱比は、示差走査熱量分析装置〔DSC〕により得られたx℃におけるピークと、(x−10)℃におけるピークとの比である。
本発明におけるテトラフルオロエチレン重合体は、DSCピークの半価幅をテルペンの不存在下に重合して得られるものよりも低くすることができ、例えば、15.5℃以下とすることができる。上記テトラフルオロエチレン重合体のDSCピークの半価幅は、反応時間とテルペンの仕込み量とを適切な値に設定することにより、更に低下させることができ、例えば、6℃以下とすることもできる。半価幅のより好ましい上限は、4.5℃、更に好ましい上限は、4℃である。半価幅が上記範囲内であると、分子量分布〔MWD〕が狭いものといえる。半価幅は、上記範囲内であれば下限を例えば、2℃とすることができる。
上記半価幅は、DSC測定において、吸(放)熱曲線が極大(PMAX)となる温度をTMAXとして、TMAXの両側で(1/2)PMAXの吸(放)熱を示す温度をTA及びTB(但し、TA>TB)としたとき、(TA−TB)の値をいう。
上記半価幅は、DSC測定において、吸(放)熱曲線が極大(PMAX)となる温度をTMAXとして、TMAXの両側で(1/2)PMAXの吸(放)熱を示す温度をTA及びTB(但し、TA>TB)としたとき、(TA−TB)の値をいう。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法は、上述の構成よりなるので、高分子量のPTFEを得ることができる。
以下に実験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。
実験例1
容積3L、攪拌付ステンレス製の横型オートクレーブに脱イオン水1.77L及びパーフロオロオクタン酸アンモニウム2.7g(10.4質量%水溶液)、パラフィンワックス(融点56℃)63g、テルピノーレン(商品名:ターピノーレン、純度90%以上、日本油脂社製)0.0018gを仕込み、槽内を攪拌しながら窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、更に脱気した後TFEガスで置換する。攪拌回転数を上げた後に、槽内温度を85℃に加熱し安定したらTFEで2.65MPaに昇圧し、過硫酸アンモニウム〔APS〕0.0054gを投入し重合を開始した。TFEガスは、槽内圧力が一定に保たれるように連続的に供給した。重合開始から100分終わった時点で、攪拌を停止し槽内をパージした。固形分30.7質量%の水性分散液から凝析・沈殿を経て重合固形分を得、得られた重合固形分を145℃で18時間乾燥しテトラフルオロエチレン重合体aを得た。得られたテトラフルオロエチレン重合体aのASTM D 4895に準拠して測定された標準比重〔SSG〕は2.171で、示差走査熱量分析装置〔DSC〕で10℃/分昇温での測定結果から得られた吸熱比は0.656であり、半価幅は14.7℃であり、熱機械分析装置〔TMA〕を用いて測定した比溶融粘度は、0.99Pa・sであった。
実験例2
実験例1
容積3L、攪拌付ステンレス製の横型オートクレーブに脱イオン水1.77L及びパーフロオロオクタン酸アンモニウム2.7g(10.4質量%水溶液)、パラフィンワックス(融点56℃)63g、テルピノーレン(商品名:ターピノーレン、純度90%以上、日本油脂社製)0.0018gを仕込み、槽内を攪拌しながら窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、更に脱気した後TFEガスで置換する。攪拌回転数を上げた後に、槽内温度を85℃に加熱し安定したらTFEで2.65MPaに昇圧し、過硫酸アンモニウム〔APS〕0.0054gを投入し重合を開始した。TFEガスは、槽内圧力が一定に保たれるように連続的に供給した。重合開始から100分終わった時点で、攪拌を停止し槽内をパージした。固形分30.7質量%の水性分散液から凝析・沈殿を経て重合固形分を得、得られた重合固形分を145℃で18時間乾燥しテトラフルオロエチレン重合体aを得た。得られたテトラフルオロエチレン重合体aのASTM D 4895に準拠して測定された標準比重〔SSG〕は2.171で、示差走査熱量分析装置〔DSC〕で10℃/分昇温での測定結果から得られた吸熱比は0.656であり、半価幅は14.7℃であり、熱機械分析装置〔TMA〕を用いて測定した比溶融粘度は、0.99Pa・sであった。
実験例2
テルピノーレンを0.0038g仕込んだ以外は実験例1と同条件で重合を行い、テトラフルオロエチレン重合体bを得た。得られたテトラフルオロエチレン重合体bの物性の評価結果を表1に示す。
実験例3
実験例3
テルピノーレンを0.0068g仕込んだ以外は実験例1と同条件で重合を行い、テトラフルオロエチレン重合体cを得た。得られたテトラフルオロエチレン重合体cの物性の結果を表1に示す。
実験例4
実験例4
テルピノーレンをD−リモネン(商品名:D−リモネン、日本油脂社製)に代えて0.0068g仕込んだ以外は実験例1と同条件で重合を行った。反応開始から100分経過したところで分散液のポリマーが凝集したので重合を停止した。得られたテトラフルオロエチレン重合体dの物性の評価結果を表1に示す。
実験例5
実験例5
テルピノーレンをα−テルピネン(商品名:α−テルピネン、日本油脂社製)に代えて0.007g仕込んだ以外は実験例1と同条件で重合を行い、テトラフルオロエチレン重合体eを得た。得られたテトラフルオロエチレン重合体eの物性評価の結果を表1に示す。
実験例6
実験例6
テルピノーレンをβ−ピネン(商品名:β−ピネン、日本油脂社製)に代えて0.0078g仕込んだ以外は実験例1と同条件で重合を行い、テトラフルオロエチレン重合体fを得た。得られたテトラフルオロエチレン重合体fの物性の評価結果を表1に示す。
実験例7
実験例7
テルピノーレンを仕込まなかった以外は実験例1と同条件で重合を行いテトラフルオロエチレン重合体(A)を得た。テトラフルオロエチレン重合体(A)の物性の評価結果を表1に示す。
表1から、テルピノーレンを用いた実験例1、実験例2及び実験例3は、テルペンの仕込み量が増えるほど吸熱比、半価幅が小さくなり、また、標準比重も小さくなることがわかった。
本発明のテトラフルオロエチレン重合体製造方法は、高分子量PTFEの工業的合成法として好適である。
Claims (6)
- テルペンの存在下に単量体を重合することによりテトラフルオロエチレン重合体を製造するテトラフルオロエチレン重合体製造方法であって、
前記テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重がテルペンの不存在下に重合することにより製造したテトラフルオロエチレン重合体(A)の標準比重よりも低いものであり、
前記テトラフルオロエチレン重合体及び前記テトラフルオロエチレン重合体(A)は、テトラフルオロエチレンホモポリマー又は変性ポリテトラフルオロエチレンである
ことを特徴とするテトラフルオロエチレン重合体製造方法。 - テルペンは、テルピノーレンである請求項1記載のテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
- テルペンは、単量体の合計質量の1〜100ppmである請求項1又は2記載のテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
- 重合は、重合圧力0.5〜4MPa下に行う請求項1、2又は3記載のテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
- テルペンは、重合開始時に存在させる請求項1、2、3又は4記載のテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
- テトラフルオロエチレン重合体は、標準比重が2.163〜2.173である請求項1、2、3、4又は5記載のテトラフルオロエチレン重合体製造方法。
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