JP2005290212A - 光硬化型粘接着剤組成物および粘接着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】
耐湿熱性の良い光硬化型粘接着剤組成物、該接着剤組成物を用いてなる接着剤、粘着剤及び粘着シートの提供
【解決手段】
分子量分布(Mw/Mn)が3以上で、分岐構造を有するポリエステル樹脂、カチオン重合性化合物、および光カチオン重合開始剤を含有してなる光硬化型粘接着剤組成物。
【選択図】 なし
耐湿熱性の良い光硬化型粘接着剤組成物、該接着剤組成物を用いてなる接着剤、粘着剤及び粘着シートの提供
【解決手段】
分子量分布(Mw/Mn)が3以上で、分岐構造を有するポリエステル樹脂、カチオン重合性化合物、および光カチオン重合開始剤を含有してなる光硬化型粘接着剤組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、常態では感圧接着性を有し、光を照射する事により硬化する光硬化型粘接着剤組成物、該組成物を用いてなる接着剤、粘着剤及び粘着シートに関する
光硬化型粘着剤組成物およびシートは、これまで種々開発されてきている。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコールをポリエステルの構成成分として用いた耐熱性が改善された技術が開示(特許文献1参照)が開示されている。この技術を用いた粘接着テープは常温では粘着性を有し、ラミネート等で基材に貼り付けることができ、UVの照射により室温でも硬化が進行し、硬化成分による架橋反応により強固な接着力を発現するものである。しかし、この組成物はUVを照射した後に、80℃以上の高温で養生する際にポリエステルの分解物に由来するガスが発生するという欠点があった。このような欠点を解消するために、エーテル結合を含有することなく、ガス成分の発生を押さえ、かつ耐湿熱性を向上させる技術(特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、耐湿熱性の観点で見たときには必ずしも十分なレベルであるとはいえず、さらなる改善が望まれていた。
本発明では上記の問題を解決し、なおかつ耐湿熱性の良い光硬化型粘接着剤組成物、該接着剤組成物を用いてなる接着剤、粘着剤及び粘着シートを提供することを目的としている。
これらの解決する手段として、分子量分布(Mw/Mn)3以上で、分岐構造を有するポリエステル樹脂を用いることにより耐湿熱性の改善をおこなった。以下にその構成成分の具体的な内容について示す。
請求項1記載の発明は、分子量分布(Mw/Mn)が3以上で、分岐構造を有するポリエステル樹脂、カチオン重合性化合物、および光カチオン重合開始剤を含有してなる光硬化型粘接着剤組成物である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の光硬化型粘接着剤組成物からなる粘着剤である。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の光硬化型粘接着剤組成物からなる接着剤である。
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の光硬化型粘接着剤組成物からなる粘着剤シートである。
<ポリエステル>
本発明の光硬化型粘接着剤組成物にはポリエステル系樹脂が含有される。本発明で用いられるポリエステル系樹脂とは、一般的に多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合物である。
本発明の光硬化型粘接着剤組成物にはポリエステル系樹脂が含有される。本発明で用いられるポリエステル系樹脂とは、一般的に多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合物である。
上記多価カルボン酸としては、特に限定されるものではなく、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの5員環もしくは6員環を含む脂環式ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の3官能以上の多価カルボン酸等が挙げられる。 上記多価カルボン酸の中でも、本発明においては、2かカルボン酸が好適に用いられ、これらの多価カルボン酸は、1種が単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。上記多価カルボン酸を2種類以上併用する場合、その併用割合は、必要に応じて適宜決定されればよいが、特に耐熱性が要求される場合には芳香族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸の量を多くするのが好ましい。
上記多価アルコールとしては、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖状のアルカン系ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンジオール等のポリマー型のジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコール等が挙げられる。
上記多価アルコールの中でも、本発明においては、2価アルコールが好適に用いられ、上記2価アルコール中の炭素数としては30以下が好ましく、更に好ましくは15以下である。炭素数が30を超えると、得られるポリエステル樹脂の極性が低くなりすぎるため、エポキシ基含有化合物等の他の配合物との相溶性が低下する傾向になり、また接着力も低下していく傾向にあるので好ましくない。
上記多価アルコールの中でも、本発明においては、2価アルコールが好適に用いられ、上記2価アルコール中の炭素数としては30以下が好ましく、更に好ましくは15以下である。炭素数が30を超えると、得られるポリエステル樹脂の極性が低くなりすぎるため、エポキシ基含有化合物等の他の配合物との相溶性が低下する傾向になり、また接着力も低下していく傾向にあるので好ましくない。
本発明においては、ポリエステルは分岐構造を有する必要がある。上記ポリエステル樹脂に分岐構造を導入する方法としては、上記の多価カルボン酸又は多価アルコールの内3官能以上の多価カルボン酸又は多価アルコールを用いることによりポリエステル樹脂中に分岐構造を導入することが出来る。上記3官能以上の多価カルボン酸及び/又は多価アルコールの量は多価カルボン酸と多価アルコールの合計中の0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量%、更に好ましくは、0.5〜2重量%である。0,1重量%未満の場合は分岐の数が少なくてその効果が認められず、10重量%を超えるとポリエステル樹脂の合成中にゲルか反応を起こし易く好ましくない。
上記ポリエステル樹脂は、分岐構造を含有させることにより、ポリエステル樹脂は、通常の線状ポリエステルに比べて分子量分布(Mw/Mn)が広くなる。すなわち、通常の線状ポリエステル樹脂のMw/Mnが2前後であるのに対し、本発明のポリエステル樹脂ではMw/Mnは3以上である。Mw/Mnを3以上にすることにより、数平均分子量はあまり上昇することなく重量平均分子量が大きくなり、取り扱い性等が低下することなく重量平均分子量が100000以上の分子を含有させることが出来る。その結果ポリエステル樹脂の凝集力が向上し接着剤組成物として好適に用いられる。
また、上記ポリエステル樹脂の分子量は数平均分子量は10000以上が好ましい。数平均分子量が1万未満になると、接着剤の凝集力が低くなり十分な接着力が得られず、耐湿熱性も低下してしまう。更に、接着剤組成物を粘着テープとして使用した際には糊が流動しやすくなりコールドフローなどの問題を起こす。好ましい分子量は、20000〜30000である。
尚、上記平均分子量は、GPC(ゲルパーミエションクロマトグラフィー)を用いて測定されるポリスチレン換算の平均分子量である。
また、上記ポリエステル樹脂の分子量は数平均分子量は10000以上が好ましい。数平均分子量が1万未満になると、接着剤の凝集力が低くなり十分な接着力が得られず、耐湿熱性も低下してしまう。更に、接着剤組成物を粘着テープとして使用した際には糊が流動しやすくなりコールドフローなどの問題を起こす。好ましい分子量は、20000〜30000である。
尚、上記平均分子量は、GPC(ゲルパーミエションクロマトグラフィー)を用いて測定されるポリスチレン換算の平均分子量である。
また、上記ポリエステル樹脂の酸価は3mgKOH/g以下でであることが好ましく、特に0.05〜1mgKOH/gが好ましい。3mgKOH/gを越えると接着剤組成物を貯蔵している間にポリエステル樹脂末端のカルボン酸とカチオン重合性化合物の反応を起こし、貯蔵安定性が著しく悪くなる。また、加水分解反応を促進する作用があるので耐湿熱性が低下するので好ましくない。
更に、上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下Tgと略称する)は特に限定されないが、接着剤組成物が特に剥離力を要求される際にはTgは室温に近い温度或いは室温以下であることが好ましい。Tgを室温付近以下にすることにより、接着剤に十分な柔軟性を与えることができ剥離力が向上する。
更に、上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下Tgと略称する)は特に限定されないが、接着剤組成物が特に剥離力を要求される際にはTgは室温に近い温度或いは室温以下であることが好ましい。Tgを室温付近以下にすることにより、接着剤に十分な柔軟性を与えることができ剥離力が向上する。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、カチオン重合性官能基を有する有機化合物であり、カチオン重合により高分子量化する化合物であり、光カチオン重合性化合物が好適に用いられる。光カチオン重合性官能基としては、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等が挙げられ、その構造は、脂肪族、脂環族、芳香族等のいずれの構造であっても良く、その形態は、モノマー状、オリゴマー状、ポリマー状等のいずれの形態であっても良い。又、光カチオン重合性官能基は、分子骨格の末端、側鎖、分子骨格内のいずれの部位に存在しても良い。
る。
る。
上記各種光カチオン重合性化合物のなかでも、エポキシ基含有化合物がより好適に用いられる。エポキシ基含有化合物とは、カチオン重合によって重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物を言う。
エポキシ基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物や臭素化物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化学工業社製)等のような脂環族エポキシ樹脂、
1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂、
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,o−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,o−トリグリシジル誘導体等のようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物、
グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体;エポキシ化ポリブタジエン等のような、共役ジエン化合物を主体とする重合体またはその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;エポキシ化SBS等のような、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブロック共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;1分子当たり1個以上(好ましくは2個以上)のエポキシ基を有するポリエステル樹脂;上記各種エポキシ基含有化合物の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入したウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂;上記各種エポキシ基含有化合物にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂;等、従来公知の各種エポキシ基含有化合物が挙げられる。
上記エポキシ基含有化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
エポキシ基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物や臭素化物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化学工業社製)等のような脂環族エポキシ樹脂、
1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂、
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,o−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,o−トリグリシジル誘導体等のようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物、
グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体;エポキシ化ポリブタジエン等のような、共役ジエン化合物を主体とする重合体またはその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;エポキシ化SBS等のような、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブロック共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;1分子当たり1個以上(好ましくは2個以上)のエポキシ基を有するポリエステル樹脂;上記各種エポキシ基含有化合物の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入したウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂;上記各種エポキシ基含有化合物にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂;等、従来公知の各種エポキシ基含有化合物が挙げられる。
上記エポキシ基含有化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記光カチオン重合性化合物中の光カチオン重合性官能基の数は、組成物の硬化物が充分な耐熱性を有するために、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで1分子当たりの光カチオン重合性官能基の数は、光カチオン重合性化合物中の光カチオン重合性官能基の総数を光カチオン重合性化合物中の分子の総数で除算して求められる。
又、上記光カチオン重合性化合物の性状は、常温において、液状、半固形状、固形状等のいずれの性状であっても良いが、沸点が200℃以上であり、常温において、液状、半固形状、であることが好ましい。光カチオン重合性化合物の沸点が200℃未満であると、光硬化型粘接着剤組成物とした際に、該組成物から光カチオン重合性化合物が揮発し易く、組成物の硬化物の耐熱性が低下したり、雰囲気汚染が起こる恐れがある。又、光カチオン重合性化合物が常温で固形の場合、光硬化型粘接着剤組成物とする際に、感圧性を有する光硬化型粘接着性組成物が得られ難くなり好ましくない。
上記光カチオン性化合物の添加量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、10〜100重量部が好ましく、特に好ましくは10〜40重量部である。光カチオン重合性化合物の量が、100重量部を超えると被着体に対する接着性が低下するので好ましくない。また、10重量部未満の場合は、カチオン重合による架橋成分の割合が少なくなり硬化後の耐熱接着性が低下することがある。
本発明の光硬化型粘接着剤組成物には、光により活性化されカチオンを発生する光カチオン重合開始剤が用いられる。上記光カチオン重合開始剤はイオン性光酸発生タイプであっても良いし、非イオン性光酸発生タイプであっても良い。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類等が挙げられ、さらに好ましくは、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩が挙げられ、よりさらに好ましくは、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。これらの1種類もしくは2種以上が好適に用いられる。
光カチオン硬化剤の添加量は、カチオン重合性化合物100重量部に対して0.2〜20重量部、特に好ましくは0.4〜10重量部である。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類等が挙げられ、さらに好ましくは、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩が挙げられ、よりさらに好ましくは、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。これらの1種類もしくは2種以上が好適に用いられる。
光カチオン硬化剤の添加量は、カチオン重合性化合物100重量部に対して0.2〜20重量部、特に好ましくは0.4〜10重量部である。
これらの光カチオン重合開始剤を含有させることにより、硬化型粘接着剤は、200〜400nmの波長の光の照射により速やかに硬化が進行し得るものとなり、且つ、硬化型粘接着剤を保存する際の貯蔵安定性等に優れたものとなる。
光カチオン重合開始剤として有効な上記芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウニム塩及びメタロセン塩は、例えば、米国特許第4256828号明細書、米国特許第5089536号明細書、特開平6−306346号公報等に開示されている。
上記光カチオン重合開始剤のうち、芳香族ヨードニウム塩と芳香族スルホニウム塩は、紫外領域以外の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着色芳香族多環式炭化水素等の公知の増感剤を併用することにより、近紫外領域や可視領域の光でもカチオンを生成することが出来る。またメタロセン塩を用いる場合には、ターシャリーアルコールのオキサレートエステルのような反応促進剤を併用しても良い。
光カチオン重合開始剤として有効な上記芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウニム塩及びメタロセン塩は、例えば、米国特許第4256828号明細書、米国特許第5089536号明細書、特開平6−306346号公報等に開示されている。
上記光カチオン重合開始剤のうち、芳香族ヨードニウム塩と芳香族スルホニウム塩は、紫外領域以外の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着色芳香族多環式炭化水素等の公知の増感剤を併用することにより、近紫外領域や可視領域の光でもカチオンを生成することが出来る。またメタロセン塩を用いる場合には、ターシャリーアルコールのオキサレートエステルのような反応促進剤を併用しても良い。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、商品名「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」(以上、旭電化工業社製)、商品名「UVE−1014」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、商品名「CD−1012」(サートマー社製)等が挙げられ、これらの1種類もしくは2種以上に好適に用いられる。
また非イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられ、これらの1種類もしくは2種類以上が好適に用いられる。
上記光カチオン重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記光カチオン重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記光カチオン重合開始剤の量は、特に限定されるものではないが、上記ポリエステル樹脂及び光カチオン重合性化合物の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.2〜5重量部が好ましい。光カチオン重合開始剤が0.1重量部未満の場合は、光カチオン重合が十分に進行しなかったり、硬化が遅くなりすぎたりする可能性がある。逆に配合量が10重量部を超えると、硬化が速くなり過ぎて、被着体を貼り合わせるのが困難となることがある。また、UV照射直後に多量にカチオン発生が起こるため、カチオンによるポリエステルの分解反応が起きる可能性が高くなる。
本発明においては、上記光カチオン重合開始剤を活性化するために付与される活性化エネルギーとして光が用いられる。他に電子線、等の使用も可能である。
上記光としては特に限定されるものではないが、例えば、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線等が挙げられ、特に取り扱いが簡便であり、比較的高エネルギーを得ることの出来る紫外線がより好適に用いられる。特に好適に用いられるのは波長200〜400nmの紫外線である。
上記紫外線は特に限定されるものではないが、例えば炭素アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラメントランプ、太陽光等の適宜の光源を用いて照射することができる。
上記光の照射量は、硬化型粘接着剤を構成する各成分の種類や量、塗工厚み、光の照射源等によっても異なるため、一義的には定め得ないが、光カチオン重合開始剤からカチオンを生成するのに有効な波長の照射量を0.01〜100J/cm2の範囲とすることが望ましい。
上記光としては特に限定されるものではないが、例えば、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線等が挙げられ、特に取り扱いが簡便であり、比較的高エネルギーを得ることの出来る紫外線がより好適に用いられる。特に好適に用いられるのは波長200〜400nmの紫外線である。
上記紫外線は特に限定されるものではないが、例えば炭素アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラメントランプ、太陽光等の適宜の光源を用いて照射することができる。
上記光の照射量は、硬化型粘接着剤を構成する各成分の種類や量、塗工厚み、光の照射源等によっても異なるため、一義的には定め得ないが、光カチオン重合開始剤からカチオンを生成するのに有効な波長の照射量を0.01〜100J/cm2の範囲とすることが望ましい。
本発明に係る硬化型粘接着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、脂肪族水酸基含有化合物、熱可塑性樹脂、密着性向上剤、充填材、補強材、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、揺変剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、脱水剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、防黴剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良い。
上記脂肪族水酸基含有化合物としては、モノマー状、オリゴマー状、ポリマー状等のいずれの形態であっても良く、脂肪族水酸基は、分子骨格の末端、側鎖、分子骨格内のいずれの部位に存在しても良い。また、脂肪族水酸基の数は、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで1分子当たりの脂肪族水酸基の数は、脂肪族水酸基含有化合物中の脂肪族水酸基の総数を脂肪族水酸基含有化合物中の分子の総数で除算して求められる。
上記脂肪族水酸基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリヒドロキシアルカン、アルキレングリコール、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオール、水酸基末端ポリアルカジエン、本発明のポリエステル樹脂に含まれない水酸基末端ポリエステル、水酸基末端ポリカプロラクトン、水酸基末端ポリカーボネート、アクリルポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の(部分)鹸化物、ポリビニルアルコール、ひまし油、ケトン樹脂、キシレン樹脂、並びに、これらの脂肪族水酸基含有化合物の共重合体や変成物等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
上記脂肪族水酸基含有化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、硬化型粘接着剤中の光カチオン重合性官能基の数に対する脂肪族水酸基の数の比が10以下となるような量であることが好ましい。上記光カチオン重合性官能基の数に対する脂肪族水酸基の数の比が10を超えると、得られる硬化型粘接着剤の耐熱接着性が不十分となることがある。
又、上記脂肪族水酸基含有化合物の形状は、常温において、液状、半固形状、固形状等のいずれの形状であっても良いが、沸点が200℃以上であり、常温において、液状、半固形状、であることが好ましい。脂肪族水酸基含有化合物の沸点が200℃未満であると、得られる硬化型粘接着剤から光カチオン重合性化合物が揮発してしまい、性能低下、雰囲気汚染が起こる恐れがある。又、脂肪族水酸基含有化合物が常温で固形であると、得られる硬化型粘接着剤が常温で感圧接着性を示さなくなることがある。
また常温での硬化を促進したい場合には、脂肪族水酸基含有化合物のガラス転移温度は25℃以下であることが好ましい。
また常温での硬化を促進したい場合には、脂肪族水酸基含有化合物のガラス転移温度は25℃以下であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のようなブロックポリマー;アクリル系共重合体;ポリカプロラクトン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂等のような粘着付与樹脂;ワックス類等、一般的に用いられている各種熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
上記密着性向上剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等、従来公知の各種密着性向上剤が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
充填材としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、酸化チタン、アスベスト等のような無機充填材;レーヨン、アクリル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、等のような繊維;ガラスバルーン、シラスバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン、等のような中空状充填材;ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ、等のような有機球状体;尿素メラミン樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、フェノール樹脂粉末、等のような合成樹脂粉末;木粉、果実殻粉等のような天然物粉末並びにこれらの表面処理物等、従来公知の各種充填材が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
また本発明に係る硬化型粘接着剤に含有される上述の各種成分は、貯蔵時に光カチオン重合性官能基との反応を起こし得るような、例えば芳香族水酸基や(無水)カルボキシル基等のような官能基を有さないものであることが好ましい。
さらに、上記各種成分は、カチオン重合の進行を過度に抑制して硬化型粘接着剤の硬化を阻害するような、例えばアミノ基等のような官能基を有さないものであることが好ましい。
さらに、上記各種成分は、カチオン重合の進行を過度に抑制して硬化型粘接着剤の硬化を阻害するような、例えばアミノ基等のような官能基を有さないものであることが好ましい。
本発明による光硬化型粘接着剤の製造方法は、特別なものではなく、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール等の混合機を用いて、常温もしくは加温下で、配合すべき各成分の所定量を均一に混合することにより、所望の硬化型粘接着剤を得ることができる。尚、上記製造方法は光を遮断した状態で行われることが望ましい。又、製造に際しての各成分の混練は無溶媒で行っても良く、例えば芳香族炭化水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒中で行っても良い。
上記製造において、各成分の水分含有量が多いと、得られる硬化型粘接着剤に光を照射した後の硬化の進行が阻害されることがあるので、必要に応じて、各成分中の水分を予め除去しておくことが好ましい。水分を除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、モレキュラーシーブ等の混合による脱水、オーブンやヒーター等による加熱脱水、減圧脱水等の方法が挙げられ、いずれも好適に採用されるが、これらの方法に限定されるものではない。
又、各成分の混練は、通常、大気圧下で行えば良いが、水分の混入を特に避けたい場合には、減圧雰囲気下もしくは窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記製造において、各成分の水分含有量が多いと、得られる硬化型粘接着剤に光を照射した後の硬化の進行が阻害されることがあるので、必要に応じて、各成分中の水分を予め除去しておくことが好ましい。水分を除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、モレキュラーシーブ等の混合による脱水、オーブンやヒーター等による加熱脱水、減圧脱水等の方法が挙げられ、いずれも好適に採用されるが、これらの方法に限定されるものではない。
又、各成分の混練は、通常、大気圧下で行えば良いが、水分の混入を特に避けたい場合には、減圧雰囲気下もしくは窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
こうして得られる本発明の硬化型粘接着剤はそのままの形態で被着体に塗工し、光カチオン重合させ、硬化せしめても良いが、より良好な取り扱い作業性や簡便性を得るためには、予め粘着シート状に加工した硬化型粘接着シートの形態で使用することが好ましい。
上記粘接着シートの加工方法は特別なものではなく、例えば離型処理を施されたシート状の支持体上にバーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、押し出しコート法等の各種塗工方法で硬化型粘接着剤シートの表面を例えばポリエチレンのような離型シートで保護し、巻き取ることにより所望の粘接着シートを得ることができる。上記加工によって硬化型粘接着剤が、固形状、もしくは半固形状であったり、液状でも高粘度であって塗工が困難な場合には、例えば有機溶剤で希釈したり、加熱溶融させて、低粘度化を図っても良い。
上記粘接着シートの加工方法は特別なものではなく、例えば離型処理を施されたシート状の支持体上にバーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、押し出しコート法等の各種塗工方法で硬化型粘接着剤シートの表面を例えばポリエチレンのような離型シートで保護し、巻き取ることにより所望の粘接着シートを得ることができる。上記加工によって硬化型粘接着剤が、固形状、もしくは半固形状であったり、液状でも高粘度であって塗工が困難な場合には、例えば有機溶剤で希釈したり、加熱溶融させて、低粘度化を図っても良い。
上記支持体や離型シートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロハン等が挙げられる。また、上記支持体や離型シートは特に限定されるものではないが、厚みが10μm以上であることが好ましい。厚みが10μm未満であると強度が低いために、使用時に支持体や離型シートが断裂することがある。
こうして得られる粘接着シートの塗工厚みは特に限定されるものではないが、それ自体の厚みが1〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは10〜1000μmである。粘接着シート自体の厚みが1μm未満であると接合部材の表面凹凸によって粘接着シートの粘接着性が影響されることがあり、また逆に粘接着シート自体の厚みが2000μmを超えると硬化時間が過度に長くなることがある。
こうして得られる粘接着シートの塗工厚みは特に限定されるものではないが、それ自体の厚みが1〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは10〜1000μmである。粘接着シート自体の厚みが1μm未満であると接合部材の表面凹凸によって粘接着シートの粘接着性が影響されることがあり、また逆に粘接着シート自体の厚みが2000μmを超えると硬化時間が過度に長くなることがある。
(作用)
ポリエステルに分岐構造を導入することによって、エポキシ硬化物のネットワークとポリエステルの分岐とが絡み合うようになり、従来の直鎖型ポリエステルではない、より密なネットワークを形成できることができる。また、エステル交換反応の結果、より分子量分布の広いポリエステルを生成することによって、高い耐湿性能をもつ硬化系を作ることができる。
ポリエステルに分岐構造を導入することによって、エポキシ硬化物のネットワークとポリエステルの分岐とが絡み合うようになり、従来の直鎖型ポリエステルではない、より密なネットワークを形成できることができる。また、エステル交換反応の結果、より分子量分布の広いポリエステルを生成することによって、高い耐湿性能をもつ硬化系を作ることができる。
本発明のポリエステル系接着剤組成物は、上述したように分子量分布(Mw/Mn)が3以上で、分岐構造を有するポリエステル樹脂を用いているので、光カチオン重合性化合物のネットワークとポリエステルの分岐とが絡み合うようになり、所謂IPN構造を有する硬化物が得られる。その結果、従来の直鎖型ポリエステルでは得られない、より密なネットワークを形成できることができ、さらに分子量分布(Mw/Mn)が3以上であるので、柔軟性、可撓性に優れ、かつ耐熱性にも優れたポリエステル系接着剤組成物が得られる。特に耐湿熱性に優れ、染み出しも無いので、電子材料の固定用途テープとして好適に用いることができる。
以下に実施例を示すが、実施形態はこれに限られるものではない。
実施例1
(光硬化型接着剤組成物の調製)
多価カルボン酸としてイソフタル酸50重量部,多価アルコール成分として,ポリカーボネートジオール(分子量2000)20重量部、1,4−ブタンジオール8重量部、エチレングリコール10重量部、ビスフェノールAの量末端にエチレングリコールが6mol付加したグリコール10重量部、トリメチロールプロパン2重量部が共重合されてなるポリエステル樹脂(Mn=25000、Mw/Mn =3.1)80重量部、エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ社製)20重量部、光カチオン重合開始剤(アデカオプトマーSP170、旭電化社製)2重量部、溶剤(メチルエチルケトン)150重量部をホモディスパー型撹拌混合機を用い,撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して,ポリエステル系光硬化型粘接着剤組成物を調製した。
(光硬化型粘着シートの作製)
上記で得られた組成物を離型処理が施された厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、バーコーターを用い塗工後の厚みが50μmになるように塗工した。乾燥した後に、保護フィルムとしてシリコーン離型処理が施されたPETフィルムの離型処理面をラミネートして,光硬化型粘接着シートを作製した。
実施例1
(光硬化型接着剤組成物の調製)
多価カルボン酸としてイソフタル酸50重量部,多価アルコール成分として,ポリカーボネートジオール(分子量2000)20重量部、1,4−ブタンジオール8重量部、エチレングリコール10重量部、ビスフェノールAの量末端にエチレングリコールが6mol付加したグリコール10重量部、トリメチロールプロパン2重量部が共重合されてなるポリエステル樹脂(Mn=25000、Mw/Mn =3.1)80重量部、エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ社製)20重量部、光カチオン重合開始剤(アデカオプトマーSP170、旭電化社製)2重量部、溶剤(メチルエチルケトン)150重量部をホモディスパー型撹拌混合機を用い,撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して,ポリエステル系光硬化型粘接着剤組成物を調製した。
(光硬化型粘着シートの作製)
上記で得られた組成物を離型処理が施された厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、バーコーターを用い塗工後の厚みが50μmになるように塗工した。乾燥した後に、保護フィルムとしてシリコーン離型処理が施されたPETフィルムの離型処理面をラミネートして,光硬化型粘接着シートを作製した。
実施例2
実施例1において、ポリエステル樹脂として、多価カルボン酸としてイソフタル酸50重量部,多価アルコール成分として,ポリカーボネートジオール(分子量2000)20重量部、1,4−ブタンジオール6重量部、エチレングリコール10重量部、ビスフェノールAの量末端にエチレングリコールが6mol付加したグリコール10重量部、トリメチロールプロパン4重量部が共重合されてなるポリエステル樹脂(Mn=23000、Mw/Mn=4.0)を用いる以外は、実施例1と同様にして、光硬化型粘接着シートを作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂として、多価カルボン酸としてイソフタル酸50重量部,多価アルコール成分として,ポリカーボネートジオール(分子量2000)20重量部、1,4−ブタンジオール6重量部、エチレングリコール10重量部、ビスフェノールAの量末端にエチレングリコールが6mol付加したグリコール10重量部、トリメチロールプロパン4重量部が共重合されてなるポリエステル樹脂(Mn=23000、Mw/Mn=4.0)を用いる以外は、実施例1と同様にして、光硬化型粘接着シートを作製した。
比較例1
実施例1において、ポリエステル樹脂として、多価カルボン酸としてイソフタル酸50重量部が,多価アルコール成分として,ポリカーボネートジオール(分子量2000)20重量部、1,4−ブタンジオール10重量部、エチレングリコール10重量部、ビスフェノールAの量末端にエチレングリコールが6mol付加したグリコール10重量部が共重合されてなるポリエステル樹脂(Mn=22000、Mw/Mn=1.7)を用いる以外は、実施例1と同様にして、光硬化型粘接着シートを作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂として、多価カルボン酸としてイソフタル酸50重量部が,多価アルコール成分として,ポリカーボネートジオール(分子量2000)20重量部、1,4−ブタンジオール10重量部、エチレングリコール10重量部、ビスフェノールAの量末端にエチレングリコールが6mol付加したグリコール10重量部が共重合されてなるポリエステル樹脂(Mn=22000、Mw/Mn=1.7)を用いる以外は、実施例1と同様にして、光硬化型粘接着シートを作製した。
〔評価〕
上記で得られた光硬化型粘着シートを用いて、下記の評価方法により、ゲル分率、耐湿熱性、滲みだしを測定した。結果を表1に示した。
(ゲル分率)
上記で得られた粘着シートを約5cm×5cmにカットし、離型PETフィルムを剥離し,光硬化型粘着シートの粘着剤面に超高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cm2となるように照射した後、110℃で30min加熱養生した。このシートの重量(W1)を測定し、次にシートを酢酸エチルに浸せきして12時間振とうし、200メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残存した酢酸エチル不溶分の重量(W2)を測定し、ゲル分率(W2/W1×100)を求めた。
さらに、上記シートを120℃、0.1MPaの条件でPCT試験を行い、1日後、4日後のゲル分率を測定した。
(耐湿熱性(PCT)試験)
上記で得られた接着シートの保護フィルムを剥離しながら,光硬化型粘接着シートを圧延銅板に常温にてラミネートした。次いで離型PETフィルムを剥離し,接着シートの粘接着剤シート面に超高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cm2となるように照射した後,すぐに上記粘接着剤テープ面にポリイミドを常温にてラミネートした。これをオーブン中で110℃で30分間養生した。この接合体を、120℃、0.1MPaの条件でPCT試験を行い、7日間経った後の接着サンプルを観察し、下記の基準で耐湿熱性を評価した。
○…異常なし
△…若干の剥がれ変形
×…テープが流動
(染み出しの観測)
上記シートを40℃のオーブン中に投入し7日間後のシートの染み出し状態を観察し、下記の基準で染み出し性を評価した。
○…異常なし
×…テープが流動
上記で得られた光硬化型粘着シートを用いて、下記の評価方法により、ゲル分率、耐湿熱性、滲みだしを測定した。結果を表1に示した。
(ゲル分率)
上記で得られた粘着シートを約5cm×5cmにカットし、離型PETフィルムを剥離し,光硬化型粘着シートの粘着剤面に超高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cm2となるように照射した後、110℃で30min加熱養生した。このシートの重量(W1)を測定し、次にシートを酢酸エチルに浸せきして12時間振とうし、200メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残存した酢酸エチル不溶分の重量(W2)を測定し、ゲル分率(W2/W1×100)を求めた。
さらに、上記シートを120℃、0.1MPaの条件でPCT試験を行い、1日後、4日後のゲル分率を測定した。
(耐湿熱性(PCT)試験)
上記で得られた接着シートの保護フィルムを剥離しながら,光硬化型粘接着シートを圧延銅板に常温にてラミネートした。次いで離型PETフィルムを剥離し,接着シートの粘接着剤シート面に超高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cm2となるように照射した後,すぐに上記粘接着剤テープ面にポリイミドを常温にてラミネートした。これをオーブン中で110℃で30分間養生した。この接合体を、120℃、0.1MPaの条件でPCT試験を行い、7日間経った後の接着サンプルを観察し、下記の基準で耐湿熱性を評価した。
○…異常なし
△…若干の剥がれ変形
×…テープが流動
(染み出しの観測)
上記シートを40℃のオーブン中に投入し7日間後のシートの染み出し状態を観察し、下記の基準で染み出し性を評価した。
○…異常なし
×…テープが流動
分岐型ポリエステルでかつ、分子量分布の広いポリエステルを使用するときには耐PCT性が高く、また、分岐によって高温時のシート流動による染み出しについても防止できることがわかった。
本発明のポリエステル系接着剤組成物は、柔軟性、可撓性に優れ、かつ耐熱性にも優れているので、電子材料の固定用途分野、特に電子剤材料の固定用テープとして好適に用いられる以外に一般の固定用テープとしても広く用いられる。
Claims (4)
- 分子量分布(Mw/Mn)が3以上で、分岐構造を有するポリエステル樹脂、カチオン重合性化合物、および光カチオン重合開始剤を含有してなることを特徴とする光硬化型粘接着剤組成物。
- 請求項1に記載の光硬化型粘接着剤組成物からなることを特徴とする粘着剤。
- 請求項1に記載の光硬化型粘接着剤組成物からなることを特徴とする接着剤。
- 請求項1に記載の光硬化型粘接着剤組成物からなることを特徴とする粘着剤シート。
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004107556A patent/JP2005290212A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100616 |