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JP2002121527A - 光硬化型粘接着剤組成物及び粘接着シート - Google Patents

光硬化型粘接着剤組成物及び粘接着シート

Info

Publication number
JP2002121527A
JP2002121527A JP2000310899A JP2000310899A JP2002121527A JP 2002121527 A JP2002121527 A JP 2002121527A JP 2000310899 A JP2000310899 A JP 2000310899A JP 2000310899 A JP2000310899 A JP 2000310899A JP 2002121527 A JP2002121527 A JP 2002121527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive composition
pressure
sensitive adhesive
photocurable
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000310899A
Other languages
English (en)
Inventor
Motohiro Yagi
元裕 八木
Koji Watabe
功治 渡部
Munehiro Hatakei
宗宏 畠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2000310899A priority Critical patent/JP2002121527A/ja
Publication of JP2002121527A publication Critical patent/JP2002121527A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温では感圧接着性を示し、光により硬化
し、硬化後は極性の高い被着体に対しても接着強度や耐
熱接着性が優れた光硬化型粘接着剤組成物及びこれを用
いた粘接着シートを提供する。 【解決手段】 本発明の光硬化型粘接着材組成物は、少
なくともポリエステルを主成分とする樹脂、光カチオン
重合性化合物、光カチオン性重合開始剤からなる光硬化
型粘接着剤組成物であって、シートに成形したときの厚
み100μmあたりのヘイズ値が2%以下であり、かつ
光照射後25℃65%RHで3日間経過した後では厚み
100μmあたりのヘイズ値が2〜10%となるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常態では感圧接着
性を有し、光を照射することにより硬化する光硬化型粘
接着剤組成物及びこれを用いた粘接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】光硬化型粘接着剤組成物の従来技術とし
て、特表平10−508636号公報に記載のものがあ
る。このものは遊離基重合ポリマーと光カチオン重合性
化合物、光カチオン性重合開始剤からなる光硬化型粘接
着剤組成物である。上記公報に記載のものでは、遊離基
重合性ポリマーとして代表的なアクリル系樹脂を用いた
場合、被着体として、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、金属等の被着体へ
の硬化後の接着力が不十分であるという課題があった。
そのためにこれらの被着体に接着させたとき、接着の信
頼性を低下せしめていた。
【0003】また、PET、PVC、金属等に対する接
着性を向上させるためにポリエステル樹脂を使用するこ
とが一般に行われているが、ホットメルト接着剤として
一般的に利用されているポリエステル樹脂を利用しよう
とした場合、様々な問題が生じる。その一つとして、ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度、軟化温度が一般的に
粘着剤として利用されているアクリルポリマーと比較し
て高いため、常温常圧といった穏和な条件下で貼り合わ
せ、硬化させた場合、十分な接着強度を発現することが
困難であった。またポリエステル樹脂のガラス転移温
度、軟化温度を低くすると、常温常圧といった穏和な条
件下での貼り合わせでも接着強度を発現することは可能
であるものの、耐熱接着性は不十分となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は以上
の問題に鑑み、常温では感圧接着性を示し、光により硬
化し、硬化後は極性の高い被着体に対しても接着強度や
耐熱接着性が優れた光硬化型粘接着剤組成物及びこれを
用いた粘接着シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光硬化型粘接着
材組成物は、少なくともポリエステルを主成分とする樹
脂、光カチオン重合性化合物、光カチオン性重合開始剤
からなる光硬化型粘接着剤組成物であって、シートに成
形したときの厚み100μmあたりのヘイズ値が2%以
下であり、かつ光照射後25℃65%RHで3日間経過
した後では厚み100μmあたりのヘイズ値が2〜10
%となることを特徴とするものである。
【0006】請求項2記載の粘接着シートは、請求項1
記載の光硬化型粘接着剤組成物が支持体上にシート状に
積層されたものである。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。 <ポリエステルを主成分とする樹脂>本発明のポリエス
テルを主成分とする樹脂の構造は、脂肪族、脂環族、芳
香族等のいずれの構造であっても良く、特に限定される
ものではない。具体的には、ジカルボン酸(またはその
ジエステル等価物)およびジオールの反応生成物を含む
ものである。
【0008】ジカルボン酸(またはそのジエステル等価
物)は、4〜12個の炭素原子を含む飽和脂肪酸(非分
枝鎖、分枝鎖、または5員環もしくは6員環の環式材料
を含む)及び/又は8〜15個の炭素原子を含む芳香族
酸であってよい。
【0009】適切な脂肪酸の例は、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジ
カルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルペンタン
二酸、3−メチルヘキサン二酸、などである。適切な芳
香族酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルチオエーテ
ルジカルボン酸、および4,4’−ジフェニルアミンジ
カルボン酸を含む。これらのジカルボン酸において好ま
しい構造は、2つのカルボキシル基間に炭素および水素
のみを含むものである。上記のジカルボン酸において任
意の混合物も使用できる。
【0010】ジオールは、2〜12個の炭素原子を有す
る分枝鎖、非分枝鎖および環式の脂肪族ジオール、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、α−メチルブタンジオール、α−ジメチルブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,
4−ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、シクロブタン−1,3−ジ(2’−エタノール)、
1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサン
−1,4−ジメタノール、1,10−デカンジオール、
1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキ
レン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテ
トラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ジオール
を含むものである。上記のジオールにおいて任意の混合
物も使用できる。ポリエステルを主成分とする樹脂の可
とう性を向上させるために、ジオールとしては炭素数の
多い直鎖アルコールが好ましい。
【0011】また本組成物の耐湿熱性を向上させる必要
がある場合、本発明で用いるポリエステルを主成分とす
る樹脂としては、ジカルボン酸とジオールのエステル結
合が全体の50%以上(モル)含有されてなる樹脂が好
ましく、その樹脂の構造として、分子内にエーテル結合
を導入したものが好ましい。
【0012】エーテル結合の導入方法の一つとして、末
端に水酸基の付いたポリエーテルをジカルボン酸、ジオ
ールと重縮合させる方法が挙げられる。使用するポリエ
ーテルとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルが挙げられる。本組成物の耐湿熱性を向上させる必要
がある場合、より疎水的な樹脂を使用するほうがよいの
で、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好適であ
る。
【0013】ポリエステルを主成分とする樹脂は、カル
ボン酸化合物のカルボキシル基をエステル化したもので
もよく、エステル結合の部分をエステル交換反応させて
得られたものでもよく、又、水酸基含有化合物の水酸基
をエーテル化またはエステル化したものでもよく、アル
キレンオキサイドとの共重合ポリエーテルであってもよ
い。上記ポリエステルを主成分とする樹脂は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0014】ポリエステルを主成分とする樹脂は、上記
ジカルボン酸およびジオールを適当な触媒を用いて重縮
合させて得られる。好ましい数平均分子量としては10
000〜50000である。又、環球式測定法による軟
化温度が40℃以上であるものが好ましい。軟化温度が
40℃未満であると、得られる光硬化型粘接着剤組成物
が流動しやすくなり、シート形状を示さなくなることが
ある。
【0015】上記樹脂は常温において結晶性を有してい
ても良いし、結晶性を有していなくても良いが、常温で
の感圧接着性を高めたい場合は、結晶性を有していない
ものが好ましい。常温での硬化を促進したい場合には、
ポリエステルを主成分とする樹脂のガラス転移温度は2
5℃以下であることが好ましい。また耐湿熱性を向上さ
せたい場合には、ポリエステルを主成分とする樹脂のガ
ラス転移温度は25℃以上であることが好ましい。ま
た、当然のことながら、硬化開始に有効な光を十分透過
するものであることが必要である。
【0016】また、上記樹脂は酸価が3mgKOH/g
以下であるものが好ましい。酸価が3mgKOH/gを
超えると、本組成物を貯蔵している間に光カチオン重合
性官能基との反応が起こり、感圧接着性を示さなくなっ
たり、硬化が進行しなくなったりする。また耐湿熱性が
低下することがある。
【0017】<光カチオン重合開始剤>本発明による光
硬化型粘接着剤組成物には、必須成分として光カチオン
重合開始剤が含有される。上記光カチオン重合開始剤は
イオン性光酸発生タイプであっても良いし、非イオン性
光酸発生タイプであっても良い。
【0018】上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン
重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、
例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、
芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類や、鉄−アレン
錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニ
ウム錯体などの有機金属錯体類等が挙げられ、好ましく
は、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メ
タロセン塩であり、より好ましいものは芳香族スルホニ
ウム塩である。これらの1種類もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0019】これらの光カチオン重合開始剤を含有させ
ることにより、光硬化型粘接着剤組成物は、200〜4
00nmの波長の光の照射により速やかに硬化が進行し
得るものとなり、且つ、光硬化型粘接着剤組成物を保存
する際の貯蔵安定性等に優れたものとなる。光カチオン
重合開始剤として有効な上記芳香族ヨードニウム塩、芳
香族スルホニウニム塩及びメタロセン塩は、例えば、米
国特許第4256828号明細書、米国特許第5089
536号明細書、特開平6−306346号公報等に開
示されている。
【0020】上記光カチオン重合開始剤のうち、芳香族
ヨードニウム塩と芳香族スルホニウム塩は、紫外領域以
外の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着
色芳香族多環式炭化水素等の公知の増感剤を併用するこ
とにより、近紫外領域や可視領域の光でもカチオンを生
成することが出来る。またメタロセン塩を用いる場合に
は、ターシャリーアルコールのオキサレートエステルの
ような反応促進剤を併用しても良い。
【0021】上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン
重合開始剤の具体例としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、商品名「アデカオプトマーSP15
0」、「アデカオプトマーSP170」(以上、旭電化
工業社製)、商品名「UVE−1014」(ゼネラルエ
レクトロニクス社製)、商品名「CD−1012」(サ
ートマー社製)等が挙げられ、これらの1種類もしくは
2種類以上が好適に用いられる。
【0022】また非イオン性光酸発生タイプの光カチオ
ン重合開始剤としては、特に限定されるものではない
が、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導
体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、
ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート
等が挙げられ、これらの1種類もしくは2種類以上が好
適に用いられる。上記光カチオン重合開始剤は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】上記光カチオン重合開始剤の量は、特に限
定されるものではないが、上記ポリエステルを主成分と
する樹脂及び光カチオン重合性化合物の合計量100重
量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。光カチオ
ン重合開始剤が0.1重量部未満の場合は、光カチオン
重合が十分に進行しなかったり、硬化が遅くなりすぎた
りする可能性がある。逆に配合量が10重量部を超える
と、硬化が速くなり過ぎて被着体同士を貼り合わせるの
が困難となることがある。
【0024】本発明においては、上記光カチオン重合開
始剤を活性化するために付与される活性化エネルギーと
して光が用いられる。他に電子線等の使用も可能であ
る。上記光としては特に限定されるものではないが、例
えば、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、
γ線等が挙げられ、特に取り扱いが簡便であり、比較的
高エネルギーを得ることの出来る紫外線がより好適に用
いられる。特に好適に用いられるのは波長200〜40
0nmの紫外線である。
【0025】上記紫外線は特に限定されるものではない
が、例えば炭素アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、
アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、
低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシュU
Vランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タン
グステンフィラメントランプ、太陽光等の適宜の光源を
用いて照射することができる。
【0026】上記光の照射量は、光硬化型粘接着剤組成
物を構成する各成分の種類や量、塗工厚み、光の照射源
等によっても異なるため、一義的には定め得ないが、光
カチオン重合開始剤からカチオンを生成するのに有効な
波長の照射量を0.01〜100J/cm2 の範囲とす
ることが望ましい。
【0027】<光カチオン重合性化合物>本発明による
光カチオン重合性化合物は、カチオン重合により高分子
量化し得る光カチオン重合性官能基を有する有機化合物
からなり、その構造は、脂肪族、脂環族、芳香族等のい
ずれの構造であっても良く、その形態は、モノマー状、
オリゴマー状、ポリマー状等のいずれの形態であっても
良い。又、光カチオン重合性官能基は、分子骨格の末
端、側鎖、分子骨格内のいずれの部位に存在しても良
い。光カチオン重合性官能基としては、エポキシ基、オ
キセタン基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エ
チレンイミン基等が挙げられる。
【0028】上記光カチオン重合性化合物中の光カチオ
ン重合性官能基の数は、1分子当たり1個以上であるこ
とが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより
好ましい。ここで1分子当たりの光カチオン重合性官能
基の数は、光カチオン重合性化合物中の光カチオン重合
性官能基の総数を光カチオン重合性化合物中の分子の総
数で除算して求められる。
【0029】又、上記光カチオン重合性化合物の形状
は、常温において、液状、半固形状、固形状等のいずれ
の形状であっても良いが、沸点が200℃以上であり、
常温において液状又は半固形状であることが好ましい。
光カチオン重合性化合物の沸点が200℃未満である
と、得られる光硬化型粘接着剤組成物から光カチオン重
合性化合物が揮発してしまい、性能低下、雰囲気汚染が
起こる恐れがある。又、光カチオン重合性化合物が常温
で固形であると、得られる光硬化型粘接着剤組成物が常
温で感圧接着性を示さなくなることがある。
【0030】また常温において結晶性を有していても良
いし、結晶性を有していなくても良いが、常温での感圧
接着性を高めたい場合は、結晶性を有していないものが
好ましい。
【0031】常温での硬化を促進したい場合には、光カ
チオン重合性化合物のガラス転移温度は25℃以下であ
ることが好ましく、カチオン重合の進行を過度に抑制し
て本組成物の硬化を不完全にするような構造(アミノ基
など)を有さないものが好ましい。さらに、硬化開始に
有効な光を十分透過するものが好ましい。
【0032】また本組成物を構成する他の成分とマクロ
相分離を起こさない限り、これらと相容性を有するもの
であってもよく、非相容性のものであってもよい。ここ
でマクロ相分離とは、各成分のいずれかまたは全てが透
明性のある状態で完全に相分離する状態をいい、ミクロ
相分離による単に白濁しただけの状態とは異なる状態を
いうものとする。
【0033】このような光カチオン重合性化合物として
は、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ
基含有化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物等
のような環状エーテル化合物、環状エステル化合物、ビ
ニルエーテル化合物、プロペニルエーテル化合物等が挙
げられ、好適に用いられる。上記光カチオン重合性化合
物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0034】上記ポリエステルを主成分とする樹脂10
0重量部に対して、前記光カチオン重合性化合物の量は
10〜100重量部が好ましい。光カチオン重合性化合
物の量が100重量部を超えると、PET、PVC、金
属等に対する接着性が低下する傾向になり、10重量部
未満の場合はカチオン重合による架橋成分の割合が少な
くなり、硬化後の耐熱接着性が低下することがある。
【0035】上記各種光カチオン重合性化合物のなかで
も、エポキシ基含有化合物がより好適に用いられる。エ
ポキシ基含有化合物とは、カチオン重合によって重合可
能な少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物
を言う。
【0036】上記エポキシ基含有化合物中のエポキシ基
の数は、1分子当たり1個以上であることが好ましく、
1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここ
で1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ基含有化
合物中のエポキシ基の総数をエポキシ基含有化合物中の
分子の総数で除算して求められる。
【0037】上記エポキシ基含有化合物としては、特に
限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリ
スフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような
芳香族エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物や臭素化
物;
【0038】3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル
3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ア
ジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポ
キシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、商品名
「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化
学工業社製)等のような脂環族エポキシ樹脂;
【0039】1,4−ブタンジオールのジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエー
テル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9個
(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキ
シアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテル
グリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエ
ーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂;
【0040】フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ
安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジ
ルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のような
グリシジルエステル型エポキシ樹脂並びにこれらの水添
化物;
【0041】トリグリシジルイソシアヌレート、環状ア
ルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−ア
ミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、
m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘
導体等のようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂並びに
これらの水添化物;
【0042】グリシジル(メタ)アクリレートと、エチ
レン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラ
ジカル重合性モノマーとの共重合体;エポキシ化ポリブ
タジエン等のような、共役ジエン化合物を主体とする重
合体またはその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重
結合をエポキシ化したもの;
【0043】エポキシ化SBS等のような、「ビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水
添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブロック
共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合
をエポキシ化したもの;
【0044】1分子当たり1個以上(好ましくは2個以
上)のエポキシ基を有するポリエステル樹脂;
【0045】上記各種エポキシ基含有化合物の構造中に
ウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入したウレ
タン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキ
シ樹脂;
【0046】上記各種エポキシ基含有化合物にNBR、
CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分
を含有させたゴム変成エポキシ樹脂;等、従来より公知
の各種エポキシ基含有化合物が挙げられる。上記エポキ
シ基含有化合物は、単独で用いられても良いし、2種類
以上が併用されても良い。
【0047】<その他の成分>本発明に係る光硬化型粘
接着剤組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲
で必要に応じて、脂肪族水酸基含有化合物、熱可塑性樹
脂、密着性向上剤、充填材、補強材、軟化剤、可塑剤、
粘度調整剤、揺変剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、脱
水剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、防黴剤等の各種添
加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良い。
【0048】上記脂肪族水酸基含有化合物としては、モ
ノマー状、オリゴマー状、ポリマー状等のいずれの形態
であっても良く、脂肪族水酸基は分子骨格の末端、側
鎖、分子骨格内のいずれの部位に存在しても良い。ま
た、脂肪族水酸基の数は1分子当たり1個以上であるこ
とが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより
好ましい。ここで1分子当たりの脂肪族水酸基の数は、
脂肪族水酸基含有化合物中の脂肪族水酸基の総数を脂肪
族水酸基含有化合物中の分子の総数で除算して求められ
る。
【0049】上記脂肪族水酸基含有化合物としては、特
に限定されるものではないが、例えば、ポリヒドロキシ
アルカン、アルキレングリコール、炭素数が2〜9個
(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキ
シアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテル
グリコール等を含む長鎖ポリオール、水酸基末端ポリア
ルカジエン、本発明のポリエステルを主成分とする樹脂
に含まれない水酸基末端ポリエステル、水酸基末端ポリ
カプロラクトン、水酸基末端ポリカーボネート、アクリ
ルポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の(部
分)鹸化物、ポリビニルアルコール、ひまし油、ケトン
樹脂、キシレン樹脂、並びに、これらの脂肪族水酸基含
有化合物の共重合体や変成物等が挙げられ、これらの1
種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0050】上記脂肪族水酸基含有化合物の配合量は、
特に限定されるものではないが、本発明組成物中の光カ
チオン重合性官能基の数に対する脂肪族水酸基の数の比
が10以下となるような量であることが好ましい。上記
光カチオン重合性官能基の数に対する脂肪族水酸基の数
の比が10を超えると、得られる光硬化型粘接着剤組成
物の耐熱接着性が不十分となることがある。
【0051】又、上記脂肪族水酸基含有化合物の形状
は、常温において液状、半固形状、固形状等のいずれの
形状であっても良いが、沸点が200℃以上であり、常
温において液状又は半固形状であることが好ましい。脂
肪族水酸基含有化合物の沸点が200℃未満であると、
得られる光硬化型粘接着剤組成物から光カチオン重合性
化合物が揮発してしまい、性能低下、雰囲気汚染が起こ
る恐れがある。又、脂肪族水酸基含有化合物が常温で固
形であると、得られる光硬化型粘接着剤組成物が常温で
感圧接着性を示さなくなることがある。また常温での硬
化を促進したい場合には、脂肪族水酸基含有化合物のガ
ラス転移温度は25℃以下であることが好ましい。
【0052】上記熱可塑性樹脂としては、特に限定され
るものではないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のようなポリオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体のようなブロックポリ
マー;アクリル系共重合体;ポリカプロラクトン樹脂;
ポリカーボネート樹脂;ロジン系樹脂、テルペン系樹
脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂等のような粘着付与樹
脂;ワックス類等、一般的に用いられている各種熱可塑
性樹脂が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好
適に用いられる。
【0053】上記密着性向上剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等、
従来公知の各種密着性向上剤が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0054】充填材としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
クレー、タルク、酸化チタン、アスベスト等のような無
機充填材;レーヨン、アクリル繊維、ナイロン繊維、ガ
ラス繊維、炭素繊維、セルロース、等のような繊維;ガ
ラスバルーン、シラスバルーン、塩化ビニリデンバルー
ン、アクリルバルーン、等のような中空状充填材;ナイ
ロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ、等のよ
うな有機球状体;尿素メラミン樹脂粉末、アクリル樹脂
粉末、フェノール樹脂粉末、等のような合成樹脂粉末;
木粉、果実殻粉等のような天然物粉末並びにこれらの表
面処理物等、従来公知の各種充填材が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0055】本発明に係る光硬化型粘接着剤組成物に含
有される上述の各種成分は、本組成物を構成する他の成
分とマクロ相分離を起こさない限り、これらと相容性を
有するものであってもよく、非相容性のものであっても
よい。ここでマクロ相分離とは、各成分のいずれかまた
は全てが透明性のある状態で完全に相分離する状態をい
い、ミクロ相分離による単に白濁しただけの状態とは異
なる状態をいうものとする。
【0056】また本発明に係る光硬化型粘接着剤組成物
に含有される上述の各種成分は、貯蔵時に光カチオン重
合性官能基との反応を起こし得るような、例えば芳香族
水酸基や(無水)カルボキシル基等のような官能基を有
さないものであることが好ましい。
【0057】又、上記各種成分は、貯蔵時や光照射時に
分解や揮発を起こさないものであることが好ましく、硬
化開始に必要な光を十分に透過し得るものであることが
好ましい。又、上記各種成分は、常温において結晶性を
有していても良いし、結晶性を有していなくても良い
が、常温での感圧接着性を高めたい場合は、結晶性を有
していないものが好ましい。さらに、上記各種成分は、
カチオン重合の進行を過度に抑制して光硬化型粘接着剤
組成物の硬化を阻害するような、例えばアミノ基等のよ
うな官能基を有さないものであることが好ましい。
【0058】<ヘイズ値>本発明の光硬化型粘接着剤組
成物は、シートに成形したときの厚み100μmあたり
のヘイズ値が2%以下であり、かつ光照射後25℃65
%RHで3日間経過した後では厚み100μmあたりの
ヘイズ値が2〜10%となるものである。ヘイズ値は、
JIS K 7105 に準じて測定された粘着シート
の厚み100μmあたりの測定値をいう。本発明の組成
物において、厚み100μmあたりのシートとしてのヘ
イズ値が2%を超えると、シート形状を保持することが
困難になることや、硬化前の初期接着強度(被着体を貼
り合わせた直後の接着強度)が小さくなることがある。
【0059】また、本発明の組成物において、光照射に
より硬化を開始させて25℃、65%RHで3日間放置
した後に、厚み100μmあたりのシートとしてのヘイ
ズ値が2%未満であると、硬化後の接着強度が低くなる
ことがあり、10%を超えても硬化後の接着強度が低く
なることがある。
【0060】ヘイズ値を2%以上とするには、例えば、
光カチオン重合性化合物としてビスフェノールAエチレ
ンオキシド6モル付加体グリシジルエーテルを選択する
ことで達成することができ、ヘイズ値は10%以下とす
ることもできる。尚、ヘイズ値は水添ビスフェノールA
型エポキシ樹脂を増やすと低くなり、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテルを増やすと高くなる傾向に
あるので、ヘイズ値が本発明の範囲内に入るように、使
用する光カチオン重合性化合物にブレンドすることによ
ってもヘイズ値を達成することができる。
【0061】<組成物としてのパラメーター>本発明に
よる光硬化型粘接着剤組成物は、常温での硬化を促進し
たい場合には、ガラス転移温度が25℃以下であること
が好ましい。ガラス転移温度が25℃より高いと、常温
で硬化が進行しにくくなり十分な接着強度が得られな
い。
【0062】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、常温での硬化を促進したい場合には、25℃10H
zでの動的貯蔵弾性率が103 〜109 Paであること
が好ましい。109 Paを超えると、常温で硬化が進行
しにくくなり十分な接着強度が得られない。また103
Pa未満であると、光硬化型粘接着剤組成物が流動しや
すくなり、シート形状を示さなくなることがある。
【0063】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、カチオン重合性基の含有量が0.01〜10mmo
l/gであることが好ましい。0.01mmol/g未
満であると硬化が十分に進行しないことがあり、10m
mol/gを超えると被着体同士を貼合わせる前に硬化
が進行してしまい、十分な接着強度を得られなくなるこ
とがある。
【0064】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、厚さ100μmあたりの350nmの波長の光に対
する吸光度が0.001〜0.2であることが好まし
い。0.001未満であると硬化が十分に進行しないこ
とがあり、0.2を超えると深部に十分に光が行き渡ら
ず、均一に硬化させることができなくなることがある。
【0065】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、光を照射してから接着ができなくなるまでの可使時
間が10分以上であることが好ましい。可使時間が10
分より短いと、被着体同士を貼合わせる前に硬化進行し
てしまい、十分な接着強度を得られなくなることがあ
る。
【0066】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、光を照射して光カチオン重合性官能基の開環反応を
誘発させてから25℃で10分放置後のカチオン重合性
官能基の転化率は30%以下であることが好ましい。転
化率が30%を超えると被着体同士を貼合わせる前に硬
化が進行してしまい、十分な接着強度が得られなくなる
ことがある。また光を照射して光カチオン重合性官能基
の開環反応を誘発させてから25℃で7日放置後のカチ
オン重合性官能基の転化率は50%以上であることが好
ましい。転化率が50%未満であると硬化が不十分とな
って十分な接着強度が得られない。
【0067】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、光を照射して光カチオン重合性官能基の開環反応を
誘発させてから25℃で10分放置後のゲル分率は10
%以下であることが好ましい。ゲル分率が10%を超え
ると被着体同士を貼合わせる前に硬化進行してしまい、
十分な接着強度を得られなくなることがある。また光を
照射して光カチオン重合性官能基の開環反応を誘発させ
てから25℃で7日放置後のゲル分率は30%以上であ
ることが好ましい。ゲル分率が30%未満であると、硬
化が不十分となって十分な接着強度が得られない。
【0068】本発明による光硬化型粘接着剤組成物は、
光を照射して光カチオン重合性官能基の開環反応を誘発
させてから25℃で7日放置後のガラス転移温度は−2
0〜30℃であることが好ましい。ガラス転移温度が3
0℃より高いと、硬化後に常温で脆性を示し十分な接着
強度を発現しない。ガラス転移温度が−20℃より低い
と、耐湿熱性が不十分となることがある。
【0069】また本発明による光硬化型粘接着剤組成物
は、光を照射して光カチオン重合性官能基の開環反応を
誘発させてから25℃で7日放置後における25℃で1
0Hzでの動的貯蔵弾性率は105 〜109 Paである
ことが好ましい。109 Paを超えると、硬化後に常温
で脆性を示し十分な接着強度を発現しない。また10 5
Paより低いと、耐湿熱性が不十分となることがある。
【0070】<製造方法>本発明による光硬化型粘接着
剤組成物の製造方法は、特別なものではなく、ホモディ
スパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウム
ミキサー、ニーダー、三本ロール等の混合機を用いて、
常温もしくは加温下で、配合すべき各成分の所定量を均
一に混合することにより所望の光硬化型粘接着剤組成物
を得ることができる。尚、上記製造方法は光を遮断した
状態で行われることが望ましい。又、製造に際しての各
成分の混練は無溶媒で行っても良く、例えば芳香族炭化
水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒中で
行っても良い。
【0071】上記製造方法において、各成分の水分含有
量が多いと、得られる光硬化型粘接着剤組成物に光を照
射した後の硬化の進行が阻害されることがあるので、必
要に応じて各成分中の水分を予め除去しておくことが好
ましい。水分を除去する方法としては、特に限定される
ものではないが、例えば、モレキュラーシーブ等の混合
による脱水、オーブンやヒーター等による加熱脱水、減
圧脱水等の方法が挙げられ、いずれも好適に採用される
が、これらの方法に限定されるものではない。又、各成
分の混練は、通常、大気圧下で行えば良いが、水分の混
入を特に避けたい場合には、減圧雰囲気下もしくは窒素
ガスのような不活性ガス雰囲気下で行うことが好まし
い。
【0072】こうして得られる本発明の光硬化型粘接着
剤組成物はそのままの形態で接合部材(被着体)の片面
もしくは両面に塗工し、光カチオン重合させ、硬化せし
めても良いが、より良好な取り扱い作業性や簡便性を得
るためには、予め支持体上に塗布して粘着シート状に加
工した光硬化型粘接着シートの形態で使用することが好
ましい。尚、上記粘接着シートは通常支持体の両面に粘
着層を設けた両面粘接着シートとすることが好ましい
が、場合によっては片面粘接着シートであってもよい。
【0073】上記粘接着シートの加工方法は特別なもの
ではなく、例えば離型処理を施されたシート状の支持体
上にバーコート法、ロールコート法、グラビアコート
法、押し出しコート法等の各種塗工方法で光硬化型粘接
着剤シートの表面を例えばポリエチレンのような離型シ
ートで保護し、巻き取ることにより所望の粘接着シート
を得ることができる。上記加工によって光硬化型粘接着
剤組成物が固形状又は半固形状であったり、液状でも高
粘度であって塗工が困難な場合には、例えば有機溶剤で
希釈したり、加熱溶融させて低粘度化を図っても良い。
【0074】上記支持体や離型シートとしては、特に限
定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアリ
レート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、
ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、トリア
セチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロハン等
が挙げられる。また、上記支持体や離型シートは特に限
定されるものではないが、厚みが10μm以上であるこ
とが好ましい。厚みが10μm未満であると強度が低い
ために、使用時に支持体や離型シートが断裂することが
ある。
【0075】光硬化型粘接着剤組成物の塗工厚みは特に
限定されるものではないが、粘接着剤自体の厚みが1〜
2000μmであることが好ましく、より好ましくは1
0〜1000μmである。粘接着剤自体の厚みが1μm
未満であると接合部材の表面凹凸によって粘接着シート
の粘接着性に影響を与えることがあり、また逆に粘接着
剤組成物自体の厚みが2000μmを超えると硬化時間
が過度に長くなることがある。
【0076】<接合方法>本発明における接合方法にお
いて、光硬化型粘接着剤組成物に活性化エネルギーを付
与する時期は光硬化型粘接着剤組成物が塗工されている
接合部材との接合前もしくは接合後のいずれであっても
良い。
【0077】例えば、少なくとも一方の接合部材が光透
過性である場合は、光硬化型粘接着剤組成物もしくは光
硬化型粘接着シートを少なくとも一方の接合部材に塗工
もしくは貼りつけた後に、他方の接合部材と接合し、上
記光透過性の接合部材面から光を照射することにより活
性化エネルギーを付与して、光硬化型粘接着剤組成物も
しくは光硬化型粘接着シートを光カチオン重合させ、硬
化せしめれば良い。この方法の場合、接合工程全体の時
間短縮を図るために接合部材同士が接合された後、可及
的速やかに活性化エネルギーを付与することが望まし
い。また、接合の際は密着性を向上させるために、加温
して接合部材と接合させることも可能である。
【0078】また、双方の接合部材が光透過性でない場
合、光硬化型粘接着剤組成物もしくは粘接着シートを少
なくとも一方の接合部材に塗工もしくは貼付け、つい
で、上記粘接着剤組成物もしくは粘接着シート面に光を
照射することにより活性化エネルギーを付与した後に、
他方の接合部材と接合し、光硬化型粘接着剤組成物もし
くは光硬化型粘接着シートを光カチオン重合させ、硬化
せしめればよい。この方法の場合一方の接合部材と他方
の接合部材との接合を円滑に行うために、活性化エネル
ギーが付与された後、可及的速やかに好ましくは10分
以内に双方の接合部材の接合を行うことが望ましい。こ
の場合の光の照射方法としては、光硬化型粘接着剤組成
物に対し直接照射しても勿論良いし、透明もしくは半透
明の被着体又は保護フィルムを通して光硬化型粘接着剤
組成物に対し間接的に照射しても良い。
【0079】上記いずれの方法の場合も常温で光硬化型
粘接着剤組成物もしくは光硬化型粘接着シートの光カチ
オン重合反応による硬化が短時間で進行し、硬化物は優
れた接着強度や耐熱接着性を発現する。
【0080】また光硬化型粘接着剤組成物もしくは光硬
化型粘接着剤シートの硬化反応をより促進し、硬化時間
をさらに短縮するために、上記光照射による活性化エネ
ルギーの付与と同時に、または付与の後に、加熱等によ
る他の硬化手段が併用されても良い。
【0081】接合においては、プレスやラミネーター等
を用いて適宜の圧力で必要な時間加圧を行う。このと
き、熱プレスや熱ラミネーター等を用いて、加圧中に十
分に加熱を行い、光硬化型粘接着剤組成物の硬化を完了
させても良い。
【0082】本発明による光硬化型粘接着剤組成物が適
用される被着体、並びに、本発明による接合方法で用い
る被着体としては、特に限定されるものではないが、例
えば、鉄、アルミニウム、銅、鉛、錫、亜鉛、ニッケ
ル、マグネシウム、チタン、金、銀、白金等の金属もし
くは合金又はそれらの塗装体、各種プラスチック又はプ
ラスチック混合物、ガラス、コンクリート、石、モルタ
ル、セラミック、陶磁器等の無機材料、木材や紙等のセ
ルロース系材料、皮革等の広範な材質からなる各種被着
体が挙げられ、好適に適用することが出来る。又、上記
各種被着体は、同一材料の被着体が接着されても良い
し、異種材料の被着体が接着されても良い。
【0083】上記被着体の形状は、板、塊、棒、シー
ト、紐、繊維、ハニカム、管、粒子等のいずれの形状で
あっても良く、又、同一形状の被着体が接着されても良
いし、異なる形状の被着体が接着されても良い。
【0084】
【作用】本発明による光硬化型粘接着剤組成物は、光照
射前のヘイズ値が2%以下であり、光照射後25℃、6
0%RHで3時間経過した後ではヘイズ値が2〜10%
であるので、極性の高い被着体に対しても優れた接着強
度や耐熱接着性を発現する。
【0085】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1)使用材料の説明 <ポリエステル>ポリエステルは、ジカルボン酸として
テレフタル酸25モル%とイソフタル酸25モル%、ジ
オールとしてエチレングリコール17.5モル%とネオ
ペンチルグリコール17.5モル%とポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール15モル%とが、共重合されてな
るポリエステルを用いた。
【0086】<エポキシ樹脂>エポキシ樹脂は、ビスフ
ェノールAエチレンオキシド6モル付加体ジグリシジル
エーテルである「リカレジンBEO−60E」(新日本
理化社製)を用いた。
【0087】<光カチオン重合開始剤>光カチオン重合
開始剤は、芳香族スルホニウム6フッ化アンチモン塩で
ある「アデカオプトマーSP170」(旭電化工業社
製)を用いた。
【0088】光硬化型粘接着シートの作製 ポリエステル 80重量部 エポキシ樹脂 20重量部 光カチオン重合開始剤 1重量部 溶剤:メチルエチルケトン 150重量部 上記配合組成をホモディスパー型撹拌混合機(商品名
「ホモディスパーL型」、特殊機化社製)を用い、撹拌
速度3000rpmで均一に撹拌混合して、ポリエステ
ル系光硬化型粘接着剤組成物を調製した。支持体として
離型処理が施された厚み50μmのPETフィルムを使
用し、バーコーターを用い塗工後の厚みが100μmに
なるように、塗工、乾燥し、光硬化型粘接着シートを得
た。次いで得られた光硬化型粘接着シートの粘接着剤組
成物面に保護フィルムとしてシリコーン離型処理が施さ
れたPETフィルムの離型処理面をラミネートして、光
硬化型粘接着シートを作製した。
【0089】接合体の作製 保護フィルムを剥離しながら、光硬化型粘接着シートを
コロナ処理したPETフィルムのコロナ処理面に常温に
てラミネートした。次いで離型PETフィルムを剥離
し、光硬化型粘接着シートの粘接着剤組成物面に超高圧
水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が24
00mJ/cm2 となるように照射した後、すぐに上記
粘接着剤組成物面に同じくコロナ処理を施したPETフ
ィルムのコロナ処理面に常温にてラミネートした。これ
を25℃65%RHにて3日間養生し、硬化させた。
【0090】(比較例1)使用エポキシ樹脂として、水
添ビスフェノールA型エポキシ樹脂である「エピコート
RXE21」(油化シェルエポキシ社製)を用いたこと
以外は、実施例1と同様にして光硬化型粘接着シートを
得た。
【0091】(比較例2)使用エポキシ樹脂として、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテルである「デ
ナコールEX830」(ナガセ化成工業社製)を用いた
こと以外は、実施例1と同様にして光硬化型粘接着シー
トを得た。
【0092】実施例1及び比較例1、2で得た光硬化型
粘接着シートにつき、以下の項目で評価し、その結果を
表1に示した。 <初期ヘイズ値の評価>JIS K 7105 に準じ
て測定した。
【0093】<硬化後ヘイズ値の評価>光硬化型粘接着
シートの保護フィルムを剥離し、粘接着剤組成物面に超
高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が
2400mJ/cm2 となるように照射した後、25℃
65%RHにて3日間養生し、硬化させた。このシート
のヘイズ値をJIS K 7105 に準じて測定し
た。
【0094】<接着力の評価>接合体を幅10mmに裁
断し、テンシロン型引っ張り試験機を用いて、剥離速度
50mm/分でT型剥離試験を行った。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】本発明に係る光硬化型粘接着剤組成物で
は、常温では感圧接着性を示し、光により硬化し、硬化
後は極性の高い被着体に対して良好な接着強度が得られ
る。また、本発明の光硬化型粘接着剤組成物を用いた粘
接着シートは、簡便で取扱い易く、作業性に優れたもの
である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA13 AA14 AA15 AB01 AB06 AB07 DA01 DB02 FA08 4J040 EC062 EC072 EC232 EC372 EC422 ED041 ED051 EF322 GA07 GA11 HB30 HB44 HB45 HC23 HC25 HD18 HD41 JB02 JB09 KA14 KA16 KA24 KA25 LA06 LA08 LA10 MA02 MA05 MA06 MA08 MA10 MA13 MB03 MB04 MB06 MB07 NA05 NA10 NA12 NA13 PA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリエステルを主成分とする
    樹脂、光カチオン重合性化合物、光カチオン性重合開始
    剤からなる光硬化型粘接着剤組成物であって、シートに
    成形したときの厚み100μmあたりのヘイズ値が2%
    以下であり、かつ光照射後25℃65%RHで3日間経
    過した後では厚み100μmあたりのヘイズ値が2〜1
    0%となることを特徴とする光硬化型粘接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光硬化型粘接着剤組成物
    が支持体上にシート状に積層されてなる粘接着シート。
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