JP2005289008A - カラープルーファ兼製版装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 同一の装置で最初に印刷対象の精確なカラープルーフを作り、印刷画像を確認した後、印刷に必要な印刷版が作製できる装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、光重合性成分を含む複数の色の作像用液体と、該作像用液体が供給され作像用液体の液滴を生成する複数の液滴吐出手段と、液滴吐出手段により吐出された液滴により画像を形成する作像用液体受容層を設けたプルーフ受容体及び作像用液体受容層を設けた印刷原版と、プルーフ受容体及び印刷原版を選択して複数の液滴吐出手段に対し相対的に移動させる移動手段と、移動手段により選択して移動させられているプルーフ受容体または印刷原版上に液滴吐出手段により形成された画像を硬化させる硬化手段を備え、プルーフ受容体上には複数の液滴吐出手段によりカラープルーフ画像を生成し、印刷原版には複数の液滴吐出手段の一つを用いて印刷版上に印刷版画像を形成する構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、光重合性成分を含む複数の色の作像用液体と、該作像用液体が供給され作像用液体の液滴を生成する複数の液滴吐出手段と、液滴吐出手段により吐出された液滴により画像を形成する作像用液体受容層を設けたプルーフ受容体及び作像用液体受容層を設けた印刷原版と、プルーフ受容体及び印刷原版を選択して複数の液滴吐出手段に対し相対的に移動させる移動手段と、移動手段により選択して移動させられているプルーフ受容体または印刷原版上に液滴吐出手段により形成された画像を硬化させる硬化手段を備え、プルーフ受容体上には複数の液滴吐出手段によりカラープルーフ画像を生成し、印刷原版には複数の液滴吐出手段の一つを用いて印刷版上に印刷版画像を形成する構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インクジェットプリンタ装置とその方法に関するもので、さらに詳しくは、印刷版と、該印刷版により印刷されるテキスト及び/又は画像といった印刷対象のプルーフを作るためのインクジェット記録方式によるプルーファ兼製版装置に関するものである。
カラー印刷においては、通常カラープルーフ作業は、複数のステップを経て行われる。第1のステップでは、編集装置のディスプレイ上に画像を映し出しプルーフが行われる。次のステップではカラー電子写真記録装置、カラーインクジェットプリンタ(またはプロッタ)或いはサーマルプリンタによる出力画像が使用される。最終ステップでは、形成印刷機とは別の簡易装置で印刷対象の印刷版が作られ、1枚又は2枚以上の印刷対象のカラープルーフがこの印刷版を使用して印刷して、大量の印刷物を印刷する前に、印刷画像の妥当性及び精度が判定される。この場合印刷版は微細構造のハーフトーンのドットを含む最終的な版に近い精確な画像が望ましい。本発明は、対応する製版機と一致した精確なプルーファに対する必要性に答えるものである。
従来より、印刷版を作成するためにインクジェット記録ヘッドを使用することが知られている。これに関する参考文献としては、特許文献1があり、該明細書は、インクジェットプリンタを使用してリトグラフ印刷版を作製する方法を開示している。この方法では、基板が(第1の溶剤に溶解する)第1の材料によりコーティングされており、この第1の材料の上に、(第1の材料に強く接着し、かつ第1の溶剤に対して不溶性である)第2の材料がインクジェットプリンタにより選択的に付与される。次に、基板が第1の溶剤中で現像され、像が確立される。しかしながら、この特許は、最初に印刷版を作ることなく印刷する印刷対象のプルーフを作成するための方法も装置も開示していない。
一方近年インクジェット記録の進歩に伴い、カラープルーフをインクジェット記録技術により作製するカラープルーファが提案されている。このプルーファエンジンとしては、特許文献2や特許文献3に開示されているドット径を可変にできる連続噴射型インクジェットヘッドを搭載した回転ドラム型プリンタがある。このカラープルーファは、用紙を巻き付けて回転する記録ドラムと、記録ドラムを回転させるドラムモータと、記録ドラムの回転を検出するシャフトエンコーダと、記録ドラムに向けてインクジェットを噴射して画像を記録する連続噴射型インクジェットヘッドと、連続噴射型インクジェットヘッドを記録ドラムのドラム軸方向に移動自在に位置決めする送り機構と、送り機構を駆動するステッピングモータと、カラープルーファ全体の動作を制御する制御装置とから、その主要部が構成されている。
更にプルーファエンジンとしてはこの他に、DOD(Drop On Demand)型インクジェットヘッドを用い、一定方向に間歇的に搬送されるメディアに対し、キャリッジ機構でメディアを横切る方向にDOD(Drop On Demand)型インクジェットヘッドを移動させてプルーフ画像を記録するプリンタ(プロッタ)も提案されている。
インクジェット記録を用いた製版装置とプルーフ作製装置を同一の装置で行えるようにした装置として、特許文献4には印刷する印刷対象のプルーフを印刷しかつ印刷対象を印刷するための印刷版を作成するように形成されたインクジェット製版及びプルーファ装置が開示されている。特許文献4では図5に示すように2組のインクジェット記録ヘッドを設け、同一装置を使用してそれぞれ印刷版とプルーフを作成する方法及び装置が示されている。この装置はプルーフ画像を記録するプルーフ受容体101又は印刷版を作成する印刷原版102とプルーフ受容体101又は印刷原版102を保持ずるプラテン103と、プルーフ画像を記録する第1のインクジェット記録ヘッド104と、印刷版を作るための第2のインクジェット記録ヘッド105と、第1及び第2インクジェット記録ヘッド104、105をスイッチ106で切り替えて駆動するアンプ107と、アンプ107を制御する信号発生器108と、信号発生器108を駆動して第1周波数及び第2周波数のインクジェット記録ヘッド駆動信号を発生させるためスイッチ109で切り替える第1クロック110及び第2クロック111と、装置全体及び信号発生器を制御してプルーフ受容体101又は印刷原版102の指定した領域に画像を形成するように制御する機器制御部112を備えている。第1のインクジェット記録ヘッド104は第1クロック110で駆動される信号発生器108からの第1周波数が供給され、第2のインクジェット記録ヘッド105は第2クロック111で駆動される信号発生器108からの第2周波数が供給されるようにスイッチ106及びスイッチ109が操作される。更に第1及び第2のインクジェット記録ヘッド104、105はそれぞれインク及び印刷版を作るための液体を供給するため、可撓性チューブ113、114がインクを収容するインクタンク115(1乃至6色又は7色以上の異なるインクを有している)及び液体タンク116に液体連通状態に接続されている。更に第1及び第2のインクジェット記録ヘッド104、105はプラテン103に離間して更に対向配置された回動可能に横送りネジ117に貫通して取り付けられ、プルーフ受容体又は印刷原版の長手方向に移動するよう構成されている。同様に、プラテン103は、プルーフ受容体101又は印刷原版102の短手方向移動のために、横送りネジ117と直角方向に配置された親ネジ118に貫通して取り付けられている。横送りネジ117及び親ネジ118は別々の駆動モータ119、120により回動可能とされ、プラテン103上部表面に対する所望位置に第1及び第2のインクジェット記録ヘッド104、105を位置決めし、その後親ネジ118によりプラテン103をプルーフ受容体101又は印刷原版102の短手方向に移動させ、更に間歇的に第1及び第2のインクジェット記録ヘッド104、105を横送りネジでプラテン103をネジに沿って長手方向に相対移動させるように構成されている。
プルーフ受容体101は一般に紙をベースにその表面にインク受像層をもうけた構造をしておりインクは4色又はそれ以上の水性及び油性インクが用いられる。
印刷原版102は、表面上に付着した液滴の拡がりを制御するために親水性頭部と疎水性尾部とを有する界面活性剤、及び他の周知の成分を含む公知の表面処理を施した陽極酸化処理された親水性表面を有する粒状アルミニウム又はポリエステル製の版である。印刷版を作る液体はピリジン含有ポリマー等のポリマーを含んでいる。このポリマーは、印刷時に印刷インキを取り上げかつ印刷機のブランケットローラへと運ぶ能力と、耐久性を有している。
通常、インクジェット記録ヘッドで記録されたドットは印刷物上でのパーセントエリア有効範囲は、版上のパーセントエリア有効範囲よりも15〜18パーセント大きいこと、及び印刷されたドットは印刷版上のドットよりも7〜10パーセント大きいであろうことが分かっている。更にインクジェット記録ヘッドで生成される液滴体積(pL)とプルーフ受容体に形成されるドットに対するドット直径(μm)の関係は液滴量(体積)が増大するにつれてドットサイズが増大することが知られている。
従って一方のインクジェット記録ヘッドにて作成した印刷版で印刷した場合の印刷対象のドットサイズ及び、他方のインクジェット記録ヘッドにてプルーフ受容体上に形成するドットサイズを等しいか又は実質的に等しいサイズのドットにするため、それぞれ異なる液滴量を第1及び第2のインクジェット記録ヘッドで生成させ最終印刷物とプルーフ画像を一致させようとするものである。そのためそれぞれ異なる駆動信号で第1及び第2のインクジェット記録ヘッド104、105を制御して達成するものである。つまり必要とされる液滴量を駆動信号の周波数、波形、振幅、又は液滴量に適切に影響する他の特性を調節することにより達成する装置に関するものである。
具体的には、プルーフ受容体101上にプルーフを記録するために、第1クロック110の周波数は、120kHzにセットにされ、7pLの体積のインク滴を生成するように第1のインクジェット記録ヘッド104を駆動する。体積7pLのインク滴を使用して記録されたプルーフは、33μmサイズの画像毎のドットを有し印刷版を使用して印刷される画像を精確に再生し、第2クロック111は60kHzにセットされて第2のインクジェット記録ヘッド105を駆動し12pLの液体滴を生成して印刷版に再生されたドットサイズは30μmとなり、この30μmのドットの印刷版により印刷された印刷物は33μmのドットを有する。このようにしてプルーフ受容体101上に形成されるドットサイズと印刷原版102上に形成されインキを付着させその後紙に転写する印刷物のドットサイズが同じになる。
米国特許第5,750,314号公報
特公平6−24871号公報
特開昭61−83046号公報
特開2001―260308号公報
しかしながら、上述の装置ではインクジェット記録ヘッドを駆動する回路が2種類必要となり装置が大型化する。
さらに上述の装置では異なる性質のプルーフ受容体101及び印刷原版102を同一の装置で扱う上での配慮が必要であるが、液滴の広がりしか考慮されておらず、厚みについては配慮がなされていない。図6に示すようにプルーフ受容体101及び印刷原版102の厚みが異なればそれぞれの表面とインクジェット記録ヘッド104,105間の距離が異なってくる。インクジェット記録ヘッド104とプルーフ受容体101の距離よりもインクジェット記録ヘッド105と印刷原版102の距離が大きくなれば図6に点線a、及び点線bで示す範囲の複数のノズルから吐出する液滴の吐出方向のばらつきが拡大されプルーフ受容体101の着弾点でのずれよりも印刷原版102の着弾点でのずれが大きくなり、ドットの位置精度に違いが生ずる。
つまりプルーフ受容体101及び印刷原版102の厚みに対する配慮がなされていないと精度の高い画像を記録する事は出来ない。
またプルーフを作成するインクと印刷に使われるインキとは性質が異なりドットサイズを同じにしただけでは必ずしもプルーフ画像は印刷物の色を再現できない。図7(a)に示すようにプルーフ受容体101は基紙121に受像層122が設けられており、第1色目のインク滴123が飛翔する。第1色目のインク滴123は図7(b)に示すようにプルーフ受容体101の受像層122に吸収される。続いて図7(c)に示すように第2色目のインク滴124が飛翔し、図7(d)に示すように第1色目のインク滴が吸収されている近傍に吸収される。このようにプルーフ画像はインク滴をせるだけのプロセスで作製されている。このとき、第1色目のインク滴123と第2色目のインク滴124の混色部125は色材が交じり合って2次色を示す。
一方印刷物の場合には図8に示すように重ね刷りのため紙126のうえに第1色目のインキ127が転写されその後第2色目のインキ128が転写される。このとき混色部は第1色目のインキ127と第2色目のインキ128が直接接触する一部で交じり合っているだけで大部分の第1色目のインキ127と第2色目のインキ128は重なっている状態にある。従って同じサイズのドットで記録しても混色部は光の反射によって見える色に違いが生じる。更に色相が似ていても異なる色材であれば当然再現される色も微妙に異なってくる。
このようにインクジェット記録ヘッドによる吐出は液滴吐出量を制御してもその他の特性、例えば、ドット飛翔速度、飛翔方向等のばらつきのために、異なるメディアで画像を完全に一致させるのは困難である。これはプルーフ画像と印刷物における色ずれ、線太り等の問題となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、同一の装置で最初に印刷対象の精確なカラープルーフを作り、印刷画像を確認した後、印刷に必要な印刷版が作製できる装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明によるカラープルーファ兼製版装置は、特許請求項1に示すとおり、光重合性成分を含む複数の色の作像用液体と、該作像用液体が供給され作像用液体の液滴を生成する複数の液滴吐出手段と、液滴吐出手段により吐出された液滴により画像を形成する作像用液体受容層を設けたプルーフ受容体及び作像用液体受容層を設けた印刷原版と、プルーフ受容体及び印刷原版を選択して複数の液滴吐出手段に対し相対的に移動させる移動手段と、移動手段により選択して移動させられているプルーフ受容体または印刷原版上に液滴吐出手段により形成された画像を硬化させる硬化手段を少なくとも備え、プルーフ受容体上には複数の液滴吐出手段によりカラープルーフ画像を生成し、印刷原版には複数の液滴吐出手段の一つを用いて印刷版上に印刷版画像を形成する構成とした。
これによると、カラープルーフ画像を作成するインクジェット記録ヘッドの内の1色を用いて印刷版を作成するため印刷版を作るための専用のインクジェット記録ヘッド波不要となりコンパクトな構成のカラープルーファ兼製版装置を提供することができる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項2に示すとおり、液滴吐出手段によりプルーフ受容体上に形成される画素サイズと印刷原版に作像用液体が付着し硬化した印刷版で印刷した印刷物の画素サイズがほぼ同等となるようにプルーフ受容体及び印刷原版のそれぞれの作像用液体受容層を設ける構成とした。これによりインクジェット記録ヘッドの動作条件を変えることなく印刷物と同じ品質のカラープルーフ画像が得られる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項3に示すとおり、複数の液滴吐出手段によりプルーフ受容体上に記録されるカラープルーフ画像の色重ね合せ順序が印刷原版により印刷される印刷物の色重ね合せ順序と一致している構成とした。これによりカラープルーフ画像と印刷物の光学的反射吸収条件がほぼ同一となり色再現性の良いカラープルーフ画像が得られ印刷物の品質を向上させることができる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項4に示すとおり、複数の液滴吐出手段に供給される複数の作像用液体の色相が印刷時に使われるインキの色相とほぼ等しい構成とした。これによりカラープルーフ画像と印刷物の光学的反射吸収条件がほぼ同一となり色再現性の良いカラープルーフ画像が得られ印刷物の品質を向上させることができる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項5に示すとおり、複数の液滴吐出手段により印刷原版を作成するのに作成される印刷版を印刷時に使用されるインキの色と同色の前記作像用液体が供給された前記複数の液滴吐出手段で作成する構成とした。これによりカラープルーフ画像と印刷物の光学的反射吸収条件がほぼ同一となり色再現性の良いカラープルーフ画像が得られ印刷物の品質を向上させることができる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項6に示すとおり、複数の色の作像用液体が供給された複数の液滴吐出手段が色毎に前記プルーフ受容体及び印刷原版の搬送方向に並んでおり、プルーフ受容体または印刷原版上に液滴吐出手段により形成された画像の硬化が画像形成直後である構成とした。これによりカラープルーフ画像を光重合性成分を含む複数の色の作像用液体を用い画像形成直後に硬化手段により硬化させるため、混色による画像部分では一色の上に他色が重なっている構造となり、印刷時のインキ付着状態を近似的に実現でき光学的に印刷物と同等の色再現が可能となる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項7に示すとおり、印刷原版に画像を形成する場合には複数の液滴吐出手段の全てを同時に用いる構成とした。これにより拘束で印刷版の作成が可能となる。
上記カラープルーファ兼製版装置においては、請求項8に示すとおり、複数の液滴吐出手段とプルーフ受容体及び印刷原版の表面との距離を同一に保つ調整手段を設ける構成とした。これによりカラープルーフ画像の色重ね合せ精度が向上し印刷物により近いプルーフ画像が得られる。
本発明によれば、同一の装置で最初に印刷対象の精確なカラープルーフを作り、印刷画像を確認した後、印刷に必要な印刷版が作製できる。
図1には、本発明による具体的なカラープルーファ兼製版装置の記録部概略構成を示す。プルーフ画像が記録されるプルーフ受容体1及び印刷版が作成される印刷原版2は図示しないスタック装置から選択された作業(プルーフ画像作成又は印刷版作成)に従って枚葉装置で選択して記録部に送られる。記録部は、プルーフ受容体1及び印刷原版2の記録には使用されない領域を用いてプルーフ受容体1又は印刷原版2を搬送する挿入ローラ3と搬送ローラ4からなる搬送部と、搬送部により移動させられるプルーフ受容体1又は印刷原版2を横切り、ステータ5に設けられた複数の永久磁石6、スライダー7、スライダー7を支持案内するリニアガイド8、リニアスケール9、スライダー7に取り付けたリニアセンサー10で構成されたリニアモータ11と、スライダー7に搭載されパイプ12によりBk(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色の作像用液体が供給され、プルーフ受容体1または印刷原版2の搬送方向下流方向にこの順序で一列に配置された複数のノズルを備えたインクジェット記録ヘッド13と、インクジェット記録ヘッド13に近接してスライダー7に設けたインクジェット記録ヘッド13よりも広い照射幅を持ち印刷原版に吐出された液体樹脂を硬化させる紫外線ランプ14から構成される。
図1に示すようにリニアモータ11はリニアセンサー10でリニアスケール9を検出し、検出された信号はケーブルを通じて、ここには図示していない制御系回路に送られる。制御系回路ではリニアスケール9の検出信号よりスライダー7の速度及び位置とスライダー7に設けたインクジェット記録ヘッド13から作像用液体の吐出を制御する信号の同期が取られる。同時に制御系回路ではスライダー7およびインクジェット記録ヘッド13の動作に合わせて挿入ローラ3、搬送ローラ4の制御も行われ、帯状に記録される作像用液体による画像の繋ぎ合わせが正確に行われる。尚画像パターンのつなぎ合わせをより正確なものとするため、インクジェットプリンタで行われている各種の制御が必要に応じて行われる。尚、インクジェット記録ヘッド13と紫外線ランプ14移動させる機構はここに示した永久磁石を用いたリニアモータ11に限定されることなく各種の方式のものを使うことができる。例えば回転モータとベルトを用いて回転運動を直線運動に変換する機構であっても良い。
更に図1に示す紫外線ランプ14はランプ本体と反射カバーで構成される。反射カバーは放射される紫外線を印刷原版に向かって効率よく照射できるようにするためと、不要な紫外線がインクジェット記録ヘッド13に到達し、インクジェット記録ヘッド13のノズル部で作像用液体に当たり、作像用液体が硬化して吐出が行えなくなるのを防ぐために設けられる。この紫外線ランプ14もリニアモータ11、インクジェット記録ヘッド13、挿入ローラ3、搬送ローラ4同様、ここには図示していない制御系回路で制御される。
尚本記録部ではリニアモータ11のスライダー7にはインクジェット記録ヘッド13と紫外線ランプ14を搭載したが紫外線ランプ14をプルーフ受容体1及び印刷原版2の幅よりも広くしてリニアモータ11の下流側に固定して設けてもよい。
本発明に用いられる作像用液体は少なくとも光重合可能な複数のオリゴマーあるいはモノマーと重合開始剤、反応性釈剤等の光重合性材料と、光重合しない溶媒(溶剤)として炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステルなどを8重量%含有し、硬化後表面が親油性になるものが選ばれる。一般に使用されるオリゴマーにはポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートがある。光重合開始剤は、光エネルギー(紫外線)によりラジカルを発生し、これがオリゴマーやモノマーの反応基に反応し重合を開始させるものである。更に作像用液体を着色されるためにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の各色材が添加され印刷インキと略等しい色相に調整される。オリゴマーやモノマーはそれだけでは高粘度であるため、インクジェット記録ヘッドにより高速で微小な液滴にすることが困難である。従って低粘度の反応性希釈剤及び溶剤で粘度を4〜30センチポアズ(cps)に調整されている。溶剤の含有量は粘度を調整すると共に相分離を容易に起こさせるために8重量%としたが、反応性希釈剤の添加量及びインクジェット記録ヘッドに最適な作像用液体の粘度を考慮して3〜50重量%の範囲で選択することが出来る。その他作像用液体には暗反応を防止するための重合禁止剤、消泡剤等の各種調整剤が添加され長期保存性、安定性の確保が計られている。
次にプルーフ画像の形成及び印刷版の作成について図1、図2及び図3を用いて説明する。図2に示すようにプルーフ画像の形成に用いられるプルーフ受容体1は基紙15の上に受容性被覆層16が形成されている。受容性被覆層16は、樹脂と充填剤を主成分に構成され、樹脂としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、カゼイン等の蛋白質、澱粉、及びその澱粉誘導体、スチレンーブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸工ステルの重合体、又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の水性接着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系等の合成樹脂系接着剤等の高分子が好ましく用いられる。
充填剤としては、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸カルシウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛などの無機充填剤の他、尿素系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの有機充填剤、などの白色または無色透明のものを用いることができる。
この他、添加剤として、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の各着色剤、顔料分散剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、耐水性向上カチオン性樹脂等が、製造条件、印字品質、要求品質に応じて適宜使用される。
一方、図3に示すように印刷原版2は作像用液体の付着する多孔質層32がアルミニウムの表面をアルマイト処理して作られる微細孔で構成されており、毛細管構造は縦に伸びた無数の微細孔及び表面の凹凸が形成する微細溝で構成される。この場合アルマイト処理して作られる微細孔の穴径、及び深さはアルマイト処理の薬品、時間によって各種選択できるが、本実施例の場合には穴径が100Åから500Å、深さが5μmから50μmの物が適している。微細孔の穴径は光重合性成分の分子と相互作用が大きくなるようできるだけ光重合性成分の分子サイズに近くすることが望ましい。また、深さは付着する液滴に含まれる非重合性溶媒(溶剤)を確実に吸収できる深さであることが望ましい。従って最適な穴径は作像用液体に含まれる光重合性成分の分子サイズにより、また最適な深さは液滴の容量により選択される。
更に印刷原版2としてPET等の樹脂製のフィルムをベースとし、そのベースの表面にアルミ蒸着膜を設け、そのアルミ蒸着膜の表面を陽極酸化処理して親水性の多孔質層を形成する構造としてもよい。またベースとしては、樹脂製のフィルムの代りに、例えば、防水性の合成紙を用いることもできる。
また異なる構造の印刷原版としては基材に多孔質層を塗布したものも可能である。多孔質層は微細孔を持つ無機材料微粒子粒子(例えばアルミナまたはアルミナ水和物と多孔性シリカの混合物)と耐水性のバインダーを共に塗布して構成される。この場合バインダーの材料としては、主としてポリビニルアルコールが用いられるが、この他カチオン変成、アニオン変成、シラノール変成等の各種変成ポリビニルアルコール、デンプン誘導体およびその変成体、セルロース誘導体、スチレン−マレイン酸共重合体等を適宜単独あるいは混合して使用することができる。塗布手段としては、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、グラビアコーター、サイズプレス等各種の方法を用いることができる。更にアルミナまたはアルミナ水和物としては、非重合性溶媒(溶剤)を吸収し、同時に印刷時に湿し水を吸収保持するために、半径30〜100Åを有する多孔質のアルミニウム酸化物やその含水物が挙げられる。細孔物性の測定手段としては、アルミナまたはアルミナ水和物の乾燥固形分が有する細孔の分布を、窒素吸着法(定流量法)により測定することができる。アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶質または非晶質のいずれでもよく、その形態としては不定形粒子、球状粒子等適宜な形態を用いることができる。アルミナゾルを用い、これを乾燥することによって得られるゲル状物は、特に好適である。このような具体例として凝ベーマイトが挙げられ、これは本発明に用いられる物質として最適である。特に、ゾルを乾燥して得られる擬ベーマイトゾルが好ましい。
多孔性シリカ粒子としては、アルミナまたはアルミナ水和物と同様に、非重合性溶媒(溶剤)を吸収し同時に印刷時に湿し水を吸収保持するために、平均粒子直径が2〜50μm、平均細孔直径80〜500Å程度のものが好ましい。アルミナまたはアルミナ水和物の使用量は、多孔性シリカ粒子に対して5〜50重量%程度を採用するのが適当である。使用量が前記下限に満たない場合には、本発明の目的を十分達成し得ず、逆に前記上限を超える場合には吸収速度が遅くなり、好ましくない。
更にアルミナまたはアルミナ水和物及び多孔性シリカ粒子の細孔は印刷インキの色材よりも小さければ印刷時に細孔に印刷インキの色材が入り込み印刷汚れの原因になることも防げる。
更には微細孔をもつアルミナまたはアルミナ水和物のみをバインダーと共に塗布した構成も可能である。このように耐水性のある細孔直径80〜500Å程度の微細孔を持つ多孔質材料であれば基材上に塗布して印刷原版を形成できることは言うまでもない。
こうして作製された多孔質層は無機材料微粒子の微細孔、及び無機材料微粒子とバインダが形成する微小な間隙で構成される毛細管構造が縦横に広がった構造をしている。
更に印刷原版には印刷時に印刷インキの滲みを防止するため印刷原版の画像パターンが無い部分に湿し水が供給される。従来の印刷原版では画像パターンが無い部分の表面には親水性材料を塗布されている大波、中波と呼ばれる凹凸があり、この凹凸が水を保持する役目を担っている。一方本発明に用いられる印刷原版は表面が耐水性であると同時に保水性がある多孔質を持つため、供給される湿し水を吸収保持し従来の親水性の凹凸と同等の性能を発揮することができるものである。
以上のように構成された記録部によるプルーフ画像の作成と印刷版作製の詳細な動作を説明する。
プルーフ画像の作成時は図1には示されていない積載台から1枚ずつ選択して運ばれてきたプルーフ受容体1が挿入ローラ3に送られ、挿入ローラ3はプルーフ受容体1の作像用液体が吐出される面にダメージを加えないようにプルーフ受容体1の両端の記録には使用しない領域を使って、プルーフ受容体1を送りだす。プルーフ受容体1の先端が挿入ローラ3を通過し、先端が予め決められた記録開始位置に達すると搬送部は停止する。続いてリニアモータ11が動作しリニアモータ11のスライダー7の移動に伴って、最初にインクジェット記録ヘッド13のBkの作像用液体が供給されたノズルでBk画像のみがライン単位でラスター化された描画信号に従い複数ライン単位で形成される。図2(a)(b)にはBk作像用液体による液滴17(Bk液滴)の挙動を模式的に示す。図2(a)にはBk液滴17がプルーフ受容体1に接触する直前を示す。Bk液滴17はBk色材を含んだ光重合成分18と非重合成分の溶剤19から構成されている。図2(b)にはBk液滴17が受容性被覆層16に吸収された状態を示す。Bk液滴17はプルーフ受容体1の受容性被覆層16に衝突すると、Bk液滴17のBk着色剤を含んだ光重合成分18は分子量が大きいため微小な間隙で構成される受容性被覆層16の表層部でトラップされ、一方非重合成分の溶剤19は分子量が小さく受容性被覆層16の微小な間隙を毛細管現象で奥深くまで浸透する。その結果光重合成分18と非重合成分の溶剤19の分離が起こり、受容性被覆層16の表層にはBk着色剤を含む光重合成分18が存在し受容性被覆層16の深部に非重合成分の溶剤19が存在する状態になる。このように非重合成分の溶剤19と分離された光重合成分18は直後にリニアモータに搭載された紫外線ランプ14が照射され硬化して図4(a)に示すように最初のBk画像を形成する。このとき作像用液体による液滴形成による画像が乱れないように、リニアモータ11のスライダー7の移動とインクジェット記録ヘッド13の吐出が同期するように制御される。プルーフ受容体1の一端から他端までBk画像が記録されるとリニアモータ11は逆転してリニアモータ11のスライダー7の移動に伴ってインクジェット記録ヘッド13と紫外線ランプ14を元の位置に戻す。インクジェット記録ヘッド13と紫外線ランプ14が元の位置に戻る動作中はインクジェット記録ヘッド13による作像用液体の吐出は行わずに、搬送装置のみが動作する。挿入ローラ3、搬送ローラ4により図4(a)に矢印で示す方向に今Bk画像を記録した幅だけプルーフ受容体1を送り出しプルーフ受容体1の新しい部分がインクジェット記録ヘッド13の下にセットされた後、再度挿入ローラ3及び搬送ローラ4は停止する。再びリニアモータ11が動作しリニアモータ11のスライダー7の移動に伴って、インクジェット記録ヘッド13のBkとCの作像用液体が供給されたノズルで前回記録したBk画像に重なるようにC画像及び新たにBk画像がライン単位でラスター化された描画信号に従い複数ライン単位で形成される。図2(c)及び図2(d)には前回記録したBk画像にC画像を重ねて記録する状態を模式図的に示している。図2(c)にはC液滴17がBk画像が形成されたプルーフ受容体1に接触する直前を示す。C液滴17はC(シアン)着色剤を含んだ光重合成分21と非重合成分の溶剤22から構成されている。図2(d)にはC液滴17がBk画像が形成された受容性被覆層16に吸収された状態を示す。C液滴17はプルーフ受容体1の受容性被覆層16に衝突すると、C液滴17のC着色剤を含んだ光重合成分21は分子量が大きいためBk画像を形成する樹脂層及び受容性被覆層16の微小な間隙を通過できずBk画像を形成する樹脂層表面にトラップされる。一方非重合成分の溶剤22は分子量も小さくBk画像を形成する樹脂層及び受容性被覆層16の微小な間隙を毛細管現象で奥深くまで浸透する。その結果光重合成分21と非重合成分の溶剤22の分離が起こり、Bk画像を形成する樹脂層表面にはC着色剤を含む光重合成分21が存在し受容性被覆層16の深部に非重合成分の溶剤22が存在する状態になる。このように非重合成分の溶剤22と分離されたC着色剤を含む光重合成分21は直後にリニアモータ11に搭載された紫外線ランプ14が照射され、硬化してC画像を形成する。このように既に硬化したBk画像に重ねてC画像が形成され硬化するためBk着色剤とC着色剤は混ざることなく重ねあわせで混色部が形成される。このときプルーフ受容体1上に形成される画像は図4(b)のようになる。
プルーフ受容体1の一端から他端までBk画像及びC画像が記録されるとリニアモータ11は逆転してインクジェット記録ヘッド13と紫外線ランプ14を元の位置に戻す。インクジェット記録ヘッド13が元の位置に戻る動作中はインクジェット記録ヘッド13による作像用液体の吐出は行わずに、搬送装置のみが動作する。挿入ローラ3、搬送ローラ4により図4(b)に矢印で示す方向に、今C画像を記録した幅だけプルーフ受容体1を送り出しプルーフ受容体1の新しい部分がインクジェット記録ヘッド13の下にセットされた後、再度挿入ローラ3及び搬送ローラ4は停止する。その後再びリニアモータ11が動作しリニアモータ11のスライダー7の移動に伴って、インクジェット記録ヘッド13のBk、C、Mの作像用液体が供給されたノズルでBk画像、C画像及びM画像がライン単位でラスター化された描画信号に従い複数ライン単位で形成され、同時に紫外線ランプにより硬化させられる。こうしてBk画像にC画像が重なった上にM画像が重なった画像及びBk画像にC画像が重なった画像、更にBk画像が形成される。このときプルーフ受容体1上に形成される画像は図4(c)のようになる。プルーフ受容体1の一端から他端までBk画像、C画像及びM画像が記録されるとリニアモータ11は逆転してインクジェット記録ヘッド13と紫外線ランプ14を元の位置に戻す。このときもインクジェット記録ヘッド13が元の位置に戻る動作中はインクジェット記録ヘッド13による作像用液体の吐出は行わずに、搬送装置のみが動作する。挿入ローラ3、搬送ローラ4により図4(c)に矢印で示される方向に今M画像を記録した幅だけプルーフ受容体1を送り出しプルーフ受容体1の新しい部分がインクジェット記録ヘッド13の下にセットされた後、再度挿入ローラ3及び搬送ローラ4は停止する。その後再びリニアモータ11が動作しリニアモータ11のスライダー7の移動に伴って、インクジェット記録ヘッド13のBk、C、M、Yの作像用液体が供給されたノズルでBk画像、C画像、M画像及びY画像がライン単位でラスター化された描画信号に従い複数ライン単位で形成され同時に紫外線ランプ14により硬化させられる。
こうして図4(d)に示すようにBk画像C画像M画像が重なった上にM画像が重なった画像、Bk画像C画像にM画像が重なった画像及びBk画像にC画像が重なった画像、更にBk画像が形成される。プルーフ受容体1の一端から他端までBk画像、C画像M画像及びY画像が記録されるとリニアモータ11は逆転してインクジェット記録ヘッド13を元の位置に戻す。このときもインクジェット記録ヘッド13が元の位置に戻る動作中はインクジェット記録ヘッド13による作像用液体の吐出は行わずに、搬送装置のみが動作する。挿入ローラ3、搬送ローラ4により図4(d)に矢印で示される方向に今記録した幅だけプルーフ受容体1を送り出しプルーフ受容体1の新しい部分がインクジェット記録ヘッド13の下にセットされた後、再度挿入ローラ3及び搬送ローラ4は停止する。以後同様の動作を繰り返して複数ライン単位で画像を全長に亙り記録する。以上の動作を繰り返すことにより画像の混色部は各色のノズル幅でプルーフ受容体1の受容性被覆層16に近い方からBk、C、M、Yの順で画像が重ね合わせられる。このとき複数ライン単位で形成される画像の繋ぎ合わせや、画像パターンの不連続をなくすように各種の制御方法がとられる。
こうしてスライダー7に搭載したインクジェット記録ヘッド13からライン単位でラスター化された描画信号により作像用液体が吐出され、プルーフ受容体1にプルーフ画像が形成される。
プルーフ画像の形成においてプルーフ受容体1に付着した作像用液体はプルーフ受容体1の受容性被覆層16に形成された毛細管部に吸収され作像用液体の分離が起こり、作像用液体の光重合性材料のみが受容性被覆層16の表面付近に付着し、画像を形成する。画像の形成には受容性被覆層16の構造とインクジェット記録ヘッド13から吐出される液滴量が深く関係しており、受容性被覆層16における受容性被覆層16の厚さ及び毛細管構造の間隙サイズが関係している。毛細管構造の間隙が光重合性材料の分子サイズよりも比較的大きく、しかも深い場合には受容性被覆層16の深い部分に光重合性材料を含む液滴が進入し、受容性被覆層の表層部には光重合性材料がわずかしか残らない。更に毛細管構造間隙が小さすぎると付着した液滴がゆっくり吸収された受容性被覆層表面に長時間滞り表面に沿って浸透し、画素が広がる結果となる。更に受容性被覆層の厚みが薄すぎると付着した液滴はその多くの部分が吸収されず、同じく必要な解像度で画像を形成できなくなる。更に非重合性溶剤の吸収が悪いと付着した作像用液体に多量の非重合性溶剤が存在し紫外線を照射しても十分な硬化が起こらない。従って使用する作像用液体の特性に合ったプルーフ受容体の受容性被服層を形成する必要がある。
例えば1200ドット/インチの解像度で画像パターンを形成する場合には液滴サイズが2ピコリットル以下に制御され、このとき受容性被服層は多孔性シリカ粒子のような粒子自身が細孔を有する多孔性粒子が単独又は複数でバインダと共に塗布されて形成される。例えば多孔性シリカ粒子は、平均粒子直径2〜50μm、平均細孔直径80〜500Å、細孔容積0.8〜2.5cc/gであることが望ましい。
作成されたプルーフ画像により印刷すべき画像の品質が確認されると続いて印刷原版2による印刷版の作成が行われる。印刷版の作成は4色に色分解された画像信号により4種類の印刷版が作成される。
以下に印刷版の作成について詳しく説明する。図1には示されていない積載台から1枚ずつ選択して運ばれてきた印刷原版2は搬送部の挿入ローラ3に送られると、挿入ローラ3は印刷原版の液体樹脂が吐出される面にダメージを加えないように両端の記録には使用しない領域を使って、印刷原版2を送りだす。印刷原版2の先端が挿入ローラ3を通過し、記録開始位置に到達すると搬送部は停止し、リニアモータ11が動作し、リニアモータ11のスライダー7の移動に伴って、インクジェット記録ヘッド13のBkの作像用液体が供給されたノズルで色分解されたBk画像のみに対するライン単位でラスター化された描画信号に従い複数ライン単位で形成される。印刷版の作成にあたっては作成される画像の色は印刷には関係しないため、インクジェット記録ヘッドの4色のノズル群の内、1色分のノズル或いは複数色分のノズル、更には4色全部のノズルを用いて作成してもよい。記録幅は使用されるノズル分になるため、それにあった印刷原版2の搬送制御が行われる必要がある。4色全部のノズルを用いた場合に一度に記録される画像幅が4倍になり、1色のノズルで記録する場合の約4分の一の時間で全画像が記録できる。こうして印刷原版2に付着した作像用液体は直後にインクジェット記録ヘッド13と共にスライダー7に設けられた紫外線ランプ14からの紫外光により硬化させられる。複数ライン単位で形成される作像用液体による画像が乱れないように、リニアモータのスライダー7の移動とインクジェット記録ヘッド13の吐出が同期するように制御される。更に複数ライン単位で形成される画像の繋ぎ合わせや、画像パターンの不連続をなくすように各種の制御方法がとられる。こうしてスライダー7に搭載したインクジェット記録ヘッド13から印刷すべきライン単位でラスター化された描画信号により作像用液体が吐出され、印刷原版2の画線に相当する部分に作像用液体を付着させる。
図3(a)にはアルミニウムを基材とした印刷原版2を示す。印刷原版2は多孔質層32が設けられている。この多孔質層32は基材のアルミニウムをアルマイト処理して形成するアルマイト層である。アルマイト層の場合、多孔質層32の微細孔が光重合性材料の分子サイズよりも若干大きい程度で、しかも非重合性溶剤(溶媒)25を十分吸収できる深さに制御されていると、印刷原版2に付着した作像用液体23は多孔質層32(アルマイト層)の毛細管現象により横及び深さ方向に浸透する。例えば1200ドット/インチの解像度で画像パターンを形成する場合には液滴サイズが約2ピコリットルに制御され、このときアルマイト処理で形成された微細孔による多孔質層32の毛細管部は直径が100Å〜500Å、深さが5〜50μmと極めて小さな深い穴であることが望ましい。このように構成すると、作像用液体23を構成する非重合性溶媒25は毛細管の隙間より分子が非常に小さく毛細管の壁との相互作用も小さくトラップされることなく多孔質層32の深部まで浸透していく。一方光重合性成分は分子サイズが大きく毛細管の壁との相互作用(例えばファンデルワールス力やクーロン力といった吸引力)が大きく毛細管の壁にトラップされやすく浸透しにくい。その結果図3(b)に示すように印刷原版2に付着した作像用液体23を構成する光重合性成分24と非重合性溶媒25の分離が発生し、多孔質層32の作像用液体23が付着した表面付近では浸透しにくい光重合性成分24が、その周辺部には非重合性溶媒25が存在するようになる。このようにして光重合性成分24と非重合性溶媒25の分離が完了した状態で紫外線ランプ14により紫外線が照射されると、より効率よく光重合性成分24が重合させられ、硬いインキ着肉層が形成できる。一方多孔質層32の微細孔が光重合性材料24の分子サイズよりも十分大きく深い場合には分離が不十分で作像用液体23が細孔に入り込んでしまいインキ着肉層を形成できなくなりまた、深さが浅いと非重合性溶剤25を十分吸収できず表面に非重合性溶剤25が残り作像用液体23が横方向に広がり十分な解像度を得ることが出来なくなると同時に付着した作像用液体23に多量の非重合性溶剤25が存在すると紫外線を照射しても十分な硬化が起こらない。
リニアモータ11のスライダー7の移動に伴ってインクジェット記録ヘッド13及び紫外線ランプ14が印刷原版2の一端から他端まで移動して作像用液体の付着及び硬化を終了すると、リニアモータ11は逆転してステータ5に沿ってスライダー7に搭載したインクジェット記録ヘッド13及び紫外線ランプ14が元の位置に戻る。インクジェット記録ヘッド及び紫外線ランプ14が元の位置に戻る動作中はインクジェット記録ヘッド13による作像用液体の吐出は行わずに、搬送装置のみが動作する。そのとき挿入ローラ3及び搬送ローラ4で構成される搬送部は1回のインクジェット記録ヘッド13の走査により記録されるライン幅相当印刷原版2を搬送するように制御される。挿入ローラ3、搬送ローラ4により印刷原版2の新しい部分がインクジェット記録ヘッド13の下にセットされた後、再度挿入ローラ3及び搬送ローラ4は停止する。そして再びリニアモータ11のステータ5に沿ってスライダー7に搭載したインクジェット記録ヘッド13及び紫外線ランプ14が印刷原版2の一端から他端まで移動して作像用液体の付着及び硬化が行われる。このように搬送部と走査記録部により印刷原版2を間欠送りしながらインクジェット記録ヘッド13及び紫外線ランプ14で作像用液体の付着及び硬化が繰り返し行われる。こうして印刷版が完成する。
以上の説明では印刷原版2による印刷版の作成をリニアモータ11のスライダー7の往復動作の往路においてのみインクジェット記録ヘッド13及び紫外線ランプ14が作動して画像を形成したが、紫外線ランプ14をインクジェット記録ヘッド13の両側に設けることによりスライダー7の復路においてもインクジェット記録ヘッド13で作像用液体を吐出し印刷原版2に画像パターンを形成して記録時間を短縮することも可能である。この場合にはスライダー7の往路の動作が終了した時点で搬送部のみが動作し、挿入ローラ3、搬送ローラ4により印刷原版の新しい部分がインクジェット記録ヘッドの下にセットされた後、再度挿入ローラ3、搬送ローラ4は停止する。その後スライダー7の復路においてインクジェット記録ヘッド13及び紫外線ランプ14で作像用液体を吐出し硬化させて印刷原版2に画像パターンを形成する。この動作を繰り返して印刷原版全面に渡って作像用液体の付着及び硬化を行うこともできる。更に紫外線ランプの幅を印刷原版の幅よりも大きくしインクジェット記録ヘッド13の動作経路の上面側に固定して設け、インクジェット記録ヘッドが片端に移動した時点で紫外線ランプを点灯し作像用液体を硬化させる構成にしてもよい。
尚、インクジェット記録ヘッド13の液滴吐出特性(吐出方向等)はプルーフ受容体1及び印刷原版2の表面とノズル間の距離に大きく依存し、安定した画像を得る為には距離が一定であることが望ましい。そのため本装置ではプルーフ受容体1及び印刷原版2とそれぞれ厚さが異なる対象物に画像を記録するため、プルーフ受容体1及び印刷原版2の表面とノズル間の距離が変化しないように挿入ローラ3、及び搬送ローラ4を上部ローラが固定され下部ローラが厚みに応じて上下して搬送するように構成されている。
以上の説明から明らかなように、本発明は、少なくとも光重合材料として複数のモノマーあるいはオリゴマーと非重合材料として溶媒(溶剤)及び色材を含有した作像用液体を用い、同一装置で平版印刷可能な印刷版とカラープルーフ画像を形成することが出来、従来2台必要であった装置を一台にして小型化ができる。更に印刷版を印刷する色毎に変えて作成することにより印刷時の版の取り違えも未然に防ぐことができる。更にカラープルーフ画像においては一色づつ硬化させながら重ね合わせるため印刷と同様のインキ付着状態を実現でき、より印刷に近いカラープルーフ画像を得ることが出来ると共に、プルーフ作業がより完璧になる。更に複数色のノズルからいっせいに液滴を吐出して印刷版を形成することも可能であり製版時間を短縮できる。
Claims (8)
- 光重合性成分を含む複数の色の作像用液体と、該作像用液体が供給され該作像用液体の液滴を生成する複数の液滴吐出手段と、該液滴吐出手段により吐出された液滴により画像を形成する作像用液体受容層を設けたプルーフ受容体及び作像用液体受容層を設けた印刷原版と、前記プルーフ受容体及び作像用液体受容層を選択して前記複数の液滴吐出手段に対し相対的に移動させる移動手段と、該移動手段により選択して移動させられている前記プルーフ受容体または前記印刷原版上に前記液滴吐出手段により形成された画像を硬化させる硬化手段を少なくとも備え、前記プルーフ受容体上には前記複数の液滴吐出手段によりカラープルーフ画像を生成し、前記印刷原版には前記複数の液滴吐出手段の一つを用いて印刷版上に印刷版画像を形成することを特徴とするカラープルーファ兼製版装置。
- 前記液滴吐出手段により前記プルーフ受容体上に形成される画素サイズと前記印刷原版に前記作像用液体が付着し硬化した印刷版で印刷した印刷物の画素サイズがほぼ同等となるように前記プルーフ受容体及び前記印刷原版のそれぞれの作像用液体受容層を設けたことを特徴とする請求項1記載のカラープルーファ兼製版装置。
- 前記複数の液滴吐出手段により前記プルーフ受容体上に記録されるカラープルーフ画像の色重ね合せ順序が前記印刷原版により印刷される印刷物の色重ね合せ順序と一致していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラープルーファ兼製版装置。
- 前記複数の液滴吐出手段に供給される複数の作像用液体の色相が印刷時に使われるインキの色相とほぼ等しいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のカラープルーファ兼製版装置。
- 前記複数の液滴吐出手段により前記印刷原版を作成するのに作成される印刷版を印刷時に使用されるインキの色と同色の前記作像用液体が供給された前記複数の液滴吐出手段で作成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のカラープルーファ兼製版装置。
- 複数の色の作像用液体が供給された前記複数の液滴吐出手段が色毎に前記プルーフ受容体及び印刷原版の搬送方向に並んでおり、前記プルーフ受容体または前記印刷原版上に前記液滴吐出手段により形成された画像の硬化が画像形成直後であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のカラープルーファ兼製版装置。
- 前記印刷原版に画像を形成する場合には前記複数の液滴吐出手段の全てを同時に用いることを特徴とする請求項6記載のカラープルーファ兼製版装置。
- 前記複数の液滴吐出手段と前記プルーフ受容体及び前記印刷原版の表面との距離を同一に保つ調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のカラープルーファ兼製版装置。
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JP2004111493A JP2005289008A (ja) | 2004-04-05 | 2004-04-05 | カラープルーファ兼製版装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008307696A (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-25 | Konica Minolta Holdings Inc | 画像形成装置 |
-
2004
- 2004-04-05 JP JP2004111493A patent/JP2005289008A/ja active Pending
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