JP2005275083A - 配向膜、位相差膜及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶性化合物の面内回転により表示を行う、インプレーンスイッチングモードの液晶表示装置用の液晶配向膜および、位相差膜の作製に有用な配向膜に関する。
【解決手段】2つの特定式から選ばれる少なくとも1つの構造単位と、2つの特定式から選ばれる少なくとも1つの構造単位とを有する液晶用配向膜。
【選択図】 なし
【解決手段】2つの特定式から選ばれる少なくとも1つの構造単位と、2つの特定式から選ばれる少なくとも1つの構造単位とを有する液晶用配向膜。
【選択図】 なし
Description
本発明は、液晶表示装置に関し、特に水平方向に配向した液晶性化合物に横方向の電界を印加することにより表示を行う、インプレーンスイッチングモードの液晶表示装置に関する。また、本発明は、位相差膜およびその作製に有用な配向膜に関する。
液晶表示装置としては、2枚の直交した偏光板の間に、ネマチック液晶をツイスト配列させた液晶層を挟み、電界を基板に対して垂直な方向にかける方式、いわゆるTNモードが広く用いられている。この方式では、黒表示時に液晶が基板に対して立ち上がるために、斜めから見ると液晶性化合物による複屈折が発生し、光漏れが起こる。この問題に対して、液晶性分子がハイブリッド配向したフィルムを用いることで、液晶セルを光学的に補償し、この光漏れを防止する方式が実用化されている。しかし、液晶性分子を用いても液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しく、画面下方向での諧調反転が抑えきれないという問題を生じていた。
かかる問題を解決するため、横電界を液晶に対して印加する、いわゆるインプレーンスイッチング(IPS)モードによる液晶表示装置や、誘電率異方性が負の液晶を垂直配向してパネル内に形成した突起やスリット電極によって配向分割した垂直配向(VA)モードが提案され実用化されている。近年、これらのパネルはモニター用途に留まらず、TV用途として開発が進められており、それに伴って画面の輝度が大きく向上してきている。
このため、これらの動作モードで従来問題とされていなっかった、黒表示時の対角位斜め入射方向での僅かな光漏れが表示品質の低下の原因として顕在化してきた。
このため、これらの動作モードで従来問題とされていなっかった、黒表示時の対角位斜め入射方向での僅かな光漏れが表示品質の低下の原因として顕在化してきた。
この色調や黒表示の視野角を改善する手段の一つとして、液晶層と偏光板の間に複屈折特性を有する光学補償材料を配置することがIPSモードにおいても検討されている。例えば、傾斜時の液晶層のレターデーションの増減を補償する作用を有する光軸を互いに直交した複屈折媒体を基板と偏光板の間に配置することで、白表示又は中間調表示を斜め方向から直視した場合の色付きが改善できることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、負の固有複屈折を有するスチレン系ポリマーやディスコティック液晶性化合物からなる光学補償フィルムを使用した方法(例えば、特許文献2〜4参照。)や光学補償フィルムとして複屈折が正で光学軸がフィルムの面内にある膜と複屈折が正で光学軸がフィルムの法線方向にある膜とを組み合わせる方法(例えば、特許文献5参照。)、レターデーションが二分の一波長の二軸性の光学補償シートを使用する方法(例えば、特許文献6参照。)、偏光板の保護膜として負のレターデーションを有する膜を使い、この表面に正のレターデーションを有する光学補償層を設ける方式(例えば、特許文献7参照。)が提案されている。
特許文献4にはディスコティック液晶性化合物のディスク面が支持体の面方向に対し実質的に垂直になるように配向固定されているフィルムが開示されているが、このようなディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させる技術として特別な分子構造を有する配向膜が開示されている(例えば、特許文献8〜11参照。)。
特許文献4にはディスコティック液晶性化合物のディスク面が支持体の面方向に対し実質的に垂直になるように配向固定されているフィルムが開示されているが、このようなディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させる技術として特別な分子構造を有する配向膜が開示されている(例えば、特許文献8〜11参照。)。
しかし、提案された方式の多くは、液晶セル中の液晶の複屈折の異方性を打ち消して視野角を改善する方式であるために、直交偏光板を斜めから見た場合の偏光軸交差角度の直交からのズレに基づく光漏れを十分に解決できないという問題がある。また、この光漏れを補償できるとされる方式でも、液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しい。さらに、延伸複屈折ポリマーフィルムで光学補償を行うIPSモード液晶セル用光学補償シートでは、複数のフィルムを用いる必要があり、その結果、光学補償シートの厚さが増し、表示装置の薄形化に不利である。また、延伸フィルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮してフィルム間の剥離や反りといった不良が発生することがあった。またこのような諸問題を解決するにあたり、本発明で後述するようにディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させる技術が必要になったが従来の技術では配向欠陥が生じたり、配向時にはじきが出てしまったりするなどの問題が発生した。
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、簡易な構成で、表示品位のみならず、視野角が著しく改善されたIPS型液晶表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、液晶表示装置、特にIPS型液晶表示装置の視野角の改善に寄与する光学補償シート、及び該光学補償シートの作製に有用な配向膜を提供することを課題とする。
本発明の課題は、下記(1)〜(4)の配向膜と下記(5)〜(7)の位相差膜、および(8)〜(15)の液晶表示装置により達成された。
以下において、本発明の配向膜、光学補償シート及び液晶表示装置の実施形態について順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。図1は、本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す模式図である。図2は、本発明の液晶表示装置の一実施形態の模式図である。
(1)下記一般式(I)および一般式(II)から選ばれる少なくとも1つの構造単位と、一般式(III)および一般式(IV)から選ばれる少なくとも1つの構造単位とを有する液晶用配向膜。
一般式(I)
(一般式(I)中、R1は水素原子、メチル基、ハロゲン原子、またはシアノ基を表し、L11は単結合、脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、P11は−O−、−NR11−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、L12は2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、X1は水素結合性基を表し、n1は0〜3の整数を表す。n1が2以上のとき、それぞれの、P11およびL12は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(II)
(一般式(II)中、L21は単結合、脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、P21は−O−、−NR21−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、R21は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基を表し、L22は2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、X2は水素結合性基を表し、n2は0〜3の整数を表す。n2が2以上のとき、それぞれの、P21およびL22は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(III)
(一般式(III)中、R3は水素原子、メチル基、ハロゲン原子、またはシアノ基を表し、L31は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基を表し、P31は−O−、−NR31−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、R31は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基を表し、L32は単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、X3は脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる基を表し、n3は0〜3の整数を表す。n3が2以上のとき、それぞれの、P31およびL32は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(IV)
(一般式(IV)中、L41は2価の芳香族基または2価のヘテロ環基を表し、P41は−O−、−NR41−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、R41は水素原子、または炭素数が1〜6のアルキル基を表し、L42は単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、X4は脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる基を表し、n4は0〜3の整数を表す。n4が2以上のとき、それぞれの、P41およびL42は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(I)
一般式(II)
一般式(III)
一般式(IV)
(2)前記一般式(I)で表される構造単位を有し、さらに、前記R1は水素原子またはメチル基であり、前記L11は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、前記P11は−O−、−NR11−、−CO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、R11は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、n1は1〜3の整数である上記(1)に記載の液晶用配向膜。
(3)前記一般式(III)で表される構造単位を有し、さらに、前記P31は−COO−または−CONR31−であり、R31は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基である、上記(1)または(2)に記載の液晶用配向膜。
(4)前記一般式(III)で表される構造単位を有し、さらに、前記L31は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、前記L32は2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶用配向膜。
(3)前記一般式(III)で表される構造単位を有し、さらに、前記P31は−COO−または−CONR31−であり、R31は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基である、上記(1)または(2)に記載の液晶用配向膜。
(4)前記一般式(III)で表される構造単位を有し、さらに、前記L31は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、前記L32は2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶用配向膜。
(5)ディスコティック液晶性化合物を上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶用配向膜上に配向させて固定化させた位相差膜。
(6)前記液晶用配向膜の表面をラビング処理し、該処理した液晶用配向膜の表面に、前記ディスコティック液晶性化合物を含む液晶組成物を塗布して配向させたことを特徴とする上記(5)に記載の位相差膜。
(7)前記液晶組成物が、前記ディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直配向した状態にする添加剤を少なくとも1種含有する上記(6)に記載の位相差膜。
(6)前記液晶用配向膜の表面をラビング処理し、該処理した液晶用配向膜の表面に、前記ディスコティック液晶性化合物を含む液晶組成物を塗布して配向させたことを特徴とする上記(5)に記載の位相差膜。
(7)前記液晶組成物が、前記ディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直配向した状態にする添加剤を少なくとも1種含有する上記(6)に記載の位相差膜。
(8)第1の偏光膜と、
該第1の偏光膜上に設けられた第1の位相差領域および該第1の位相差領域に接して設けられた第2の位相差領域を有する光学補償フィルムと、
該光学補償フィルムの前記第2の位相差領域側の上に設けられた第1の基板と、該第1の基板に対向して設けられた第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板の間に設けられたネマチック液晶材料とからなる液晶層とを有し、
かつ、黒表示時に前記ネマチック液晶材料の液晶性化合物が前記第1の基板および第2の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であり、
前記第1の位相差領域は、下記式(1)で表される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、下記式(2)で表される厚み方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであり、
前記第2の位相差領域は、上記(5)〜(7)のいずれかに記載の位相差膜を有する光学異方性層を有し、
前記第2の位相差領域の遅延軸は、前記第1の偏光膜の透過軸および黒表示時の液晶性化合物の遅相軸方向に平行である液晶表示装置。
式(1) Re=(nx−ny)×d
式(2) Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式(1)および式(2)中、nxおよびnyは、それぞれ、膜内の屈折率(nx≧ny)を表し、nzは膜の厚さ方向の屈折率を表し、dは、膜の厚さを表す。)
該第1の偏光膜上に設けられた第1の位相差領域および該第1の位相差領域に接して設けられた第2の位相差領域を有する光学補償フィルムと、
該光学補償フィルムの前記第2の位相差領域側の上に設けられた第1の基板と、該第1の基板に対向して設けられた第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板の間に設けられたネマチック液晶材料とからなる液晶層とを有し、
かつ、黒表示時に前記ネマチック液晶材料の液晶性化合物が前記第1の基板および第2の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であり、
前記第1の位相差領域は、下記式(1)で表される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、下記式(2)で表される厚み方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであり、
前記第2の位相差領域は、上記(5)〜(7)のいずれかに記載の位相差膜を有する光学異方性層を有し、
前記第2の位相差領域の遅延軸は、前記第1の偏光膜の透過軸および黒表示時の液晶性化合物の遅相軸方向に平行である液晶表示装置。
式(1) Re=(nx−ny)×d
式(2) Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式(1)および式(2)中、nxおよびnyは、それぞれ、膜内の屈折率(nx≧ny)を表し、nzは膜の厚さ方向の屈折率を表し、dは、膜の厚さを表す。)
(9)前記第2の基板の上に、第2の偏光膜を有する上記(8)に記載の液晶表示装置。
(10)前記第2の位相差領域のReが50nm〜200nmである上記(8)又は(9)に記載の液晶表示装置。
(11)前記第1の位相差領域が複数の層から構成されており、該複数の層のうち、少なくとも第2の位相差領域に接する側の一層が、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の配向膜である上記(8)〜(10)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(12)前記第2の偏光膜は、少なくとも、前記液晶層に近い側の膜表面上に保護膜を有し、該保護膜は、Rthが20nm以下である上記(8)〜(11)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(10)前記第2の位相差領域のReが50nm〜200nmである上記(8)又は(9)に記載の液晶表示装置。
(11)前記第1の位相差領域が複数の層から構成されており、該複数の層のうち、少なくとも第2の位相差領域に接する側の一層が、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の配向膜である上記(8)〜(10)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(12)前記第2の偏光膜は、少なくとも、前記液晶層に近い側の膜表面上に保護膜を有し、該保護膜は、Rthが20nm以下である上記(8)〜(11)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(13)前記保護膜は、セルロースアシレートフィルムまたはノルボルネン系フィルムである上記(12)に記載の液晶表示装置。
(14)前記保護膜が、セルロースアシレートフィルムと、垂直配向した棒状液晶性化合物を含む層とを有する上記(12)に記載の液晶表示装置。
(15)前記第1の偏光膜は、少なくとも、前記第1の位相差領域に近い側の膜表面上に保護膜を有し、前記第1の位相差領域は、複数の層から構成されており、該複数の層の一層が前記第1の偏光膜の保護膜を兼ねている請求項8〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
(14)前記保護膜が、セルロースアシレートフィルムと、垂直配向した棒状液晶性化合物を含む層とを有する上記(12)に記載の液晶表示装置。
(15)前記第1の偏光膜は、少なくとも、前記第1の位相差領域に近い側の膜表面上に保護膜を有し、前記第1の位相差領域は、複数の層から構成されており、該複数の層の一層が前記第1の偏光膜の保護膜を兼ねている請求項8〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5゜未満であることが好ましく、±2゜未満であることがより好ましい。また、「実質的に垂直」とは、厳密な垂直の角度よりも±20゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±15゜未満であることが好ましく、±10゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。また、本発明でいう、「支持体上に設けられた」あるいは「偏光膜上に設けられた」等の記載は、該支持体等の上に、接して設けられた場合のほか、該支持体等との間に、何らかの層(膜)を含んでいる場合をも含む趣旨である。
本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
以下、本発明の配向膜および本発明の位相差膜、ならびに液晶表示装置について順次説明する。
[配向膜]
本発明に用いられる配向膜は下記一般式(I)または一般式(II)から選ばれる少なくとも1つの構造単位と、一般式(III)または一般式(IV)から選ばれる少なくとも1つの構造単位とを有する液晶用配向膜である。
まず、一般式(I)について説明する。
一般式(I)中、R1は水素原子、メチル基、ハロゲン原子、またはシアノ基を表し、好ましくは水素原子、メチル基、またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、またはメチル基である。
L11は単結合、脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基が好ましく、単結合がより好ましい。2価の脂肪族基のうちアルキレン基としては炭素数が1〜10のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキレン基が好ましい。たとえば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基などが挙げられる。アルケニレン基としては炭素数が2〜30であることが好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。アルキニレン基としては、炭素数が2〜30であることが好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。2価の環状脂肪族基としては、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、1,4−シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基が好ましく、より好ましくは1,4−シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基である。
[配向膜]
本発明に用いられる配向膜は下記一般式(I)または一般式(II)から選ばれる少なくとも1つの構造単位と、一般式(III)または一般式(IV)から選ばれる少なくとも1つの構造単位とを有する液晶用配向膜である。
まず、一般式(I)について説明する。
一般式(I)中、R1は水素原子、メチル基、ハロゲン原子、またはシアノ基を表し、好ましくは水素原子、メチル基、またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、またはメチル基である。
L11は単結合、脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基が好ましく、単結合がより好ましい。2価の脂肪族基のうちアルキレン基としては炭素数が1〜10のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキレン基が好ましい。たとえば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基などが挙げられる。アルケニレン基としては炭素数が2〜30であることが好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。アルキニレン基としては、炭素数が2〜30であることが好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。2価の環状脂肪族基としては、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、1,4−シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基が好ましく、より好ましくは1,4−シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基である。
アルキレン基、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)アリールアゾ基(例えばフェニルアゾ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、プロピルアミノ基)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ基)、アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基が含まれる。
2価の芳香族基の芳香族環としてはベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環が含まれるが、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。2価の芳香族基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1、2−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1、8−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基が好ましく、より好ましくは1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基である。
2価のへテロ環基のへテロ環としては、5員、6員、7員のヘテロ環が好ましく、5員環、または6員環がさらに好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子であることが好ましい。ヘテロ環の例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリジン環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、ピラン環、チイン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、およびトリアジン環が含まれる、2価のへテロ環基としては、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基が好ましい。
2価の芳香族基の芳香族環としてはベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環が含まれるが、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。2価の芳香族基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1、2−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1、8−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基が好ましく、より好ましくは1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基である。
2価のへテロ環基のへテロ環としては、5員、6員、7員のヘテロ環が好ましく、5員環、または6員環がさらに好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子であることが好ましい。ヘテロ環の例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリジン環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、ピラン環、チイン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、およびトリアジン環が含まれる、2価のへテロ環基としては、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基が好ましい。
P11は−O−、−NR11−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、好ましくは、−O−、−NR11−または−CO−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、R11は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル基またはエチル基である。
L12は2価の脂肪族基(脂肪族基は環状であってもよい。)、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、好ましくは、2価の芳香族基である。
n1は0〜3の整数であり、好ましくは1である。n1が2以上のとき、それぞれの、P11およびL12は同一でも異なっていてもよい。
L12の2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基としてはL11に挙げたものが好適に用いられる。
n1は0〜3の整数であり、好ましくは1である。n1が2以上のとき、それぞれの、P11およびL12は同一でも異なっていてもよい。
L12の2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基としてはL11に挙げたものが好適に用いられる。
X1は水素結合性基を表す。水素結合性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルアミノ基またはウレイド基が好ましく、カルボキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基がより好ましい。n1は1〜3の整数を表す。
次に一般式(II)について説明する。
L21は単結合、脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、一般式(I)のL11における2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基と同義であり、単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基が好ましく、2価の芳香族基がより好ましい。
P21は−O−、−NR21−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表す。
L22は2価の脂肪族基(脂肪族基は環状であってもよい。)、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表す。
X2は水素結合性基を表し、一般式(I)のX1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
n2は0〜3の整数であり、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n2が2以上のとき、それぞれの、P21およびL22は同一でも異なっていてもよい。
L21は単結合、脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、一般式(I)のL11における2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基と同義であり、単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基が好ましく、2価の芳香族基がより好ましい。
P21は−O−、−NR21−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表す。
L22は2価の脂肪族基(脂肪族基は環状であってもよい。)、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表す。
X2は水素結合性基を表し、一般式(I)のX1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
n2は0〜3の整数であり、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。n2が2以上のとき、それぞれの、P21およびL22は同一でも異なっていてもよい。
以下に本発明の一般式(I)および一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(III)において、R3は水素原子、メチル基、ハロゲン原子、またはシアノ基を表し、L31は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基を表し、P31は−O−、−NR31−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、R31は水素原子、または炭素数が1〜6のアルキル基を表し、L32は単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、X3は環状脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる基を表し、n3は0〜3の整数である。n3が2以上のとき、それぞれの、P31およびL32は同一でも異なっていてもよい。
一般式(III)において、R3は一般式(I)のR1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
L31の2価の芳香族基および2価のヘテロ環基は、L11と同義であり、P31は一般式(I)のP11と同義である。これらの好ましい範囲も同義である。
L32の2価の脂肪族基(脂肪族基は環状であってもよい。)、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基は一般式(I)のL11と同義である。好ましい範囲としては、2価の脂肪族基または2価の芳香族基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である。
X3は脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる基を表す。
脂肪族基としては直鎖あるいは分岐アルキル基、または環状脂肪族基が挙げられる。アルキル基としては炭素数が1〜15のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基が好ましい。たとえば、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、t−ブチル基、t−アミル基などが挙げられる。環状脂肪族基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロブチル基、アダマンチル基が好ましく、より好ましくはシクロヘキシル基、アダマンチル基である。芳香族基の芳香族環としてはベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環が含まれるが、フェニル基、ナフチル基が好ましい。へテロ環基のへテロ環としては、5員、6員、7員のヘテロ環が好ましく、5員環、または6員環がさらに好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子であることが好ましい。ヘテロ環の例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリジン環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、ピラン環、チイン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、およびトリアジン環が含まれる、へテロ環基としては、4−ピリジル基、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基が好ましい。
アルキル基、芳香族基、ヘテロ環基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、脂肪族基(例えば、アルキル基)、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)アリールアゾ基(例えばフェニルアゾ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、プロピルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロパノイル、オクタノイル、ベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基が含まれる。さらにこれらの置換基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でさらに上記置換基等の置換基を有していてもよい。
L31の2価の芳香族基および2価のヘテロ環基は、L11と同義であり、P31は一般式(I)のP11と同義である。これらの好ましい範囲も同義である。
L32の2価の脂肪族基(脂肪族基は環状であってもよい。)、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基は一般式(I)のL11と同義である。好ましい範囲としては、2価の脂肪族基または2価の芳香族基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である。
X3は脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる基を表す。
脂肪族基としては直鎖あるいは分岐アルキル基、または環状脂肪族基が挙げられる。アルキル基としては炭素数が1〜15のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基が好ましい。たとえば、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、t−ブチル基、t−アミル基などが挙げられる。環状脂肪族基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロブチル基、アダマンチル基が好ましく、より好ましくはシクロヘキシル基、アダマンチル基である。芳香族基の芳香族環としてはベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環が含まれるが、フェニル基、ナフチル基が好ましい。へテロ環基のへテロ環としては、5員、6員、7員のヘテロ環が好ましく、5員環、または6員環がさらに好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子であることが好ましい。ヘテロ環の例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリジン環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、ピラン環、チイン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、およびトリアジン環が含まれる、へテロ環基としては、4−ピリジル基、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基が好ましい。
アルキル基、芳香族基、ヘテロ環基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、脂肪族基(例えば、アルキル基)、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)アリールアゾ基(例えばフェニルアゾ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、プロピルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロパノイル、オクタノイル、ベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基が含まれる。さらにこれらの置換基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でさらに上記置換基等の置換基を有していてもよい。
n3は0〜3の整数を表し、好ましくは1または2である。n3が2以上のとき、それぞれの、P31およびL32は同一でも異なっていてもよい。
次に一般式(IV)について説明する。
L41は2価の芳香族基または2価のヘテロ環基を表し、一般式(I)におけるL11の2価の芳香族基または2価のヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同義である。P41は−O−、−NR41−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、P41は一般式(I)のP11と同義であり、好ましくは−O−または−CO−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である。
L42は単結合または2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、一般式(III)のL32と同義であり、好ましくは、単結合または2価の芳香族基である。
X4は脂肪族基(好ましくは環状脂肪族基)、芳香族基、ヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる基を表し、一般式(III)のX3と同義である。n4は0〜3の整数であり好ましくは0または1である。n4が2以上のとき、それぞれの、P41およびL42は同一でも異なっていてもよい。
L41は2価の芳香族基または2価のヘテロ環基を表し、一般式(I)におけるL11の2価の芳香族基または2価のヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同義である。P41は−O−、−NR41−、−CO−、−S−、−SO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、P41は一般式(I)のP11と同義であり、好ましくは−O−または−CO−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である。
L42は単結合または2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価のヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、一般式(III)のL32と同義であり、好ましくは、単結合または2価の芳香族基である。
X4は脂肪族基(好ましくは環状脂肪族基)、芳香族基、ヘテロ環基およびそれらの組み合わせからなる基を表し、一般式(III)のX3と同義である。n4は0〜3の整数であり好ましくは0または1である。n4が2以上のとき、それぞれの、P41およびL42は同一でも異なっていてもよい。
以下に、一般式(III)または一般式(IV)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の液晶配向膜は、一般式(I)または(II)あるいは一般式(III)または(VI)で表される構成単位とそれ以外の構成単位との共重合体でも良い。一般式(I)または(II)、一般式(III)または(VI)で表される構成単位以外の構成単位としては、共重合可能のもので有れば如何なる構成単位でも良いが、好ましい共重合構成単位としては、例えば、ビニル系モノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリル酸アミド類、メタクリル酸アミド類、ビニルアルコール、アシルオキシビニル類、スチレン類、マレイン酸、マレイン酸エステル類、マレインアミド類、アクリロニトリル、および、ビニルアルキルケトン類等)を逐次重合して得られる構成単位が挙げられる。
一般式(I)または(II)および一般式(III)または(VI)で表される構成単位と共重合して得られるポリマーとしては、水溶性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシ基、スルホ基、四級アンモニウム基、アミノ基、ホスホ基等)が置換したものが好ましく、特に、ヒドロキシル基、もしくは、カルボキシ基が置換したものが好ましい。これらの置換基は一般式(I)または(II)で表される構成単位に置換されていても良いし、それ以外の構成単位に置換していても良い。
本願の一般式で表される構造単位の組み合わせとしては、一般式(I)で表される構造単位と一般式(III)で表される構造単位を含む場合、一般式(I)で表される構造単位と一般式(IV)で表される構造単位を含む場合、および一般式(II)で表される構造単位と一般式(III)で表される構造単位を含む場合がそれぞれ好ましく、一般式(I)で表される構造単位と一般式(III)で表される構造単位を含む場合がより好ましい。
本願の一般式で表される構造単位の組み合わせとしては、一般式(I)で表される構造単位と一般式(III)で表される構造単位を含む場合、一般式(I)で表される構造単位と一般式(IV)で表される構造単位を含む場合、および一般式(II)で表される構造単位と一般式(III)で表される構造単位を含む場合がそれぞれ好ましく、一般式(I)で表される構造単位と一般式(III)で表される構造単位を含む場合がより好ましい。
本発明の液晶配向膜が一般式(I)または(II)および一般式(III)または(VI)で表される構成単位からを含む共重合体である場合には、その一般式(I)または(II)および一般式(III)または(VI)で表される構成単位の合計の含率は、1〜100重量%が好ましく、10〜100重量%がより好ましく、20〜100重量%が最も好ましい。一般式(I)または(II)表される構成単位の合計の含率は1〜90重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましく、20〜80重量%が最も好ましい。一般式(III)または(VI)で表される構成単位の合計の含率は1〜90重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましく、20〜80重量%が最も好ましい。また、一般式(I)または(II)および一般式(III)または(VI)で表される構成単位からを含む共重合体の組成比(重量比)は、一般式(I)または(II)で表される構成単位1に対し、0.2〜1.1が好ましく、0.5〜0.7がより好ましい。
本発明の液晶配向膜には、更に架橋性基を有した構成単位が含まれることが好ましい。架橋性基を含ませることにより、本発明の液晶配向膜と液晶性化合物が架橋され、液晶配向膜層と光学異方性層との密着性が高められる場合が多く好ましい。本発明で用いられる液晶配向膜中に含まれる架橋性基は、付加、縮合、置換反応性基など特に制限なく用いることができる。一方で、液晶性化合物自身は、アクリロイル基、メタクリロイル基などエチレン性不飽和基を導入し、光ラジカル重合開始剤を用いて紫外線照射により固定化することが好ましく、本発明に用いられるポリマーも紫外線照射により架橋しうる架橋性基を有することが好ましい。紫外線照射により架橋しうる反応の好ましい例として、紫外線照射によりカチオンを発生する化合物を併用したエポキシ環、オキセタン環などのヘテロ環状化合物の開環重合反応と紫外線照射によりラジカルを発生する化合物を併用したエチレン性不飽和基を有する化合物のラジカル重合反応が挙げられる。これらのうちポリマー中に含まれる最も好ましい架橋性基はエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基等)である。また、本発明のポリマー中への架橋性基導入方法としては特に制限はない。
以下に架橋性基を含む構成単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の液晶配向膜のポリマー形成反応は付加、縮合、置換反応など特に制限はないが、一般式(I)または(II)および一般式(III)または(VI)で表される構成単位に誘導されるエチレン性不飽和化合物のラジカル重合反応で形成させることが最も簡便で好ましい。一方、本発明に用いられる液晶配向膜に架橋性基が置換した構成単位を有する場合、(a)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成するよりも、(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成することが好ましい。高分子反応は、I)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法と、II)任意の官能基を含むポリマーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、「反応性モノマー」と称する。)を反応させる方法が挙げられる。またこれら I)、II)の方法は組み合わせて行ってもよい。ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
本発明の液晶配向膜中に架橋性基が置換した繰り返し単位が含まれる場合の好ましい割合は、0.1〜60重量%、より好ましくは0.3〜50重量%、特に好ましくは0.5〜40重量%である。
本発明に用いられる液晶配向膜の好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000〜100万、さらに好ましくは2000〜20万である。最も好ましくは3000〜10万である。
以下に本発明に用いられる液晶配向膜の好ましい例を表1に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(I)または(II)、一般式(III)または(VI)で表される構成単位、および、架橋性置換基を含む構成単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合組成比を重量%で付記した。
本発明に用いられる液晶配向膜の合成は、既知の方法を適用して容易に得る事が出来る。以下に本発明に用いられるポリマーの具体的合成例を記すが、本発明のポリマーの合成例はこれに限定されるものではない。
(AL−1)の合成例
500mLの三口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド(300ml)を添加し、4−アミノ安息香酸(40.3g、0.294mol)を溶解し、0℃に冷却したところへ、アクリル酸クロリド(30.0g、0.331mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、反応液を40℃まで加温し、更に2時間過熱攪拌後、反応液を水3Lに添加し、析出した固体を減圧濾過で濾別し、送風乾燥してI−1を定量的に得た。
上記I−1の合成法において、4−アミノ安息香酸を3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンに変えて同様に行ないIII−9を定量的に得た。
100mLの三口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)を入れ、窒素を35ml/分の流量で流しながら65℃に加熱したところへ、開始剤(和光純薬(株)製V−65、7.5mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)溶液を添加した。10分後に、I−1を6g、III−9を4gおよび開始剤((和光純薬(株)製V−65、18.5mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)溶液を3時間掛けて滴下した。滴下終了後、開始剤((和光純薬(株)製V−65、3.8mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を添加し、そのままの温度で3時間反応させた。その後、反応系を室温に戻した後、攪拌された水(800mL)中にゆっくりと注加し、析出したポリマーを吸引ろ過によって取り出し、更に乾燥した。本発明に用いられる液晶配向膜(AL−1)を8.7g得た。得られた固体がポリマーであることは1H−N.M.Rにより確認した。
500mLの三口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド(300ml)を添加し、4−アミノ安息香酸(40.3g、0.294mol)を溶解し、0℃に冷却したところへ、アクリル酸クロリド(30.0g、0.331mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、反応液を40℃まで加温し、更に2時間過熱攪拌後、反応液を水3Lに添加し、析出した固体を減圧濾過で濾別し、送風乾燥してI−1を定量的に得た。
上記I−1の合成法において、4−アミノ安息香酸を3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンに変えて同様に行ないIII−9を定量的に得た。
100mLの三口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)を入れ、窒素を35ml/分の流量で流しながら65℃に加熱したところへ、開始剤(和光純薬(株)製V−65、7.5mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)溶液を添加した。10分後に、I−1を6g、III−9を4gおよび開始剤((和光純薬(株)製V−65、18.5mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)溶液を3時間掛けて滴下した。滴下終了後、開始剤((和光純薬(株)製V−65、3.8mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を添加し、そのままの温度で3時間反応させた。その後、反応系を室温に戻した後、攪拌された水(800mL)中にゆっくりと注加し、析出したポリマーを吸引ろ過によって取り出し、更に乾燥した。本発明に用いられる液晶配向膜(AL−1)を8.7g得た。得られた固体がポリマーであることは1H−N.M.Rにより確認した。
液晶配向膜の塗布液
1)溶媒
本発明の液晶配向膜の塗布液に用いられる溶媒としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等)、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等が挙げられるが、好ましくは、水、アルコール類、および、これらの混合溶媒である。
1)溶媒
本発明の液晶配向膜の塗布液に用いられる溶媒としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等)、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等が挙げられるが、好ましくは、水、アルコール類、および、これらの混合溶媒である。
2)濃度
本発明の液晶配向膜は、上記溶媒中に0.1重量%〜40重量%、好ましくは、0.5重量%〜20重量%、より好ましくは、2重量%〜10重量%である事が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、上記溶媒中に0.1重量%〜40重量%、好ましくは、0.5重量%〜20重量%、より好ましくは、2重量%〜10重量%である事が好ましい。
3)粘度
本発明の液晶配向膜を溶解した塗布液の粘度は、0.1cp〜100cp、好ましくは、0.5cp〜50cpである事が好ましい。
本発明の液晶配向膜を溶解した塗布液の粘度は、0.1cp〜100cp、好ましくは、0.5cp〜50cpである事が好ましい。
4)添加剤
本発明の液晶配向膜を含有する塗布液には、これ以外にも適宜添加剤を添加しても良い。たとえば、水溶性の溶媒に溶解し難い場合は、たとえば、塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエチルアミンなど)や、酸性化合物(例えば、塩酸、酢酸、コハク酸等)を添加して溶解しても良い。
本発明の液晶配向膜を含有する塗布液には、これ以外にも適宜添加剤を添加しても良い。たとえば、水溶性の溶媒に溶解し難い場合は、たとえば、塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエチルアミンなど)や、酸性化合物(例えば、塩酸、酢酸、コハク酸等)を添加して溶解しても良い。
配向膜形成用組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物)中の前記ポリマーの含有量は、5質量%〜100質量%であるのが好ましく、10質量%〜100質量%であるのがより好ましい。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、及び所望により添加剤を含む溶液を、透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥し、ラビング処理することにより形成することができる。本発明の配向膜では、水可溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いているので、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜は、透明支持体上に直接接して設けられることが好ましい。配向膜は、ポリマー層を乾燥したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
次に、配向膜を機能させて、配向膜の上に設けられる光学異方性層のディスコティック液晶性化合物を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させる。配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
位相差板の作製
[光学補償シート]
本発明の光学補償シートは、本発明の配向膜上で配向制御されたディスコティック液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する。本発明の配向膜は、ディスコティック液晶性化合物の分子を垂直配向させるのに有用である。従って、本発明の配向膜を用いることによって、ディスコティック液晶性化合物の分子が垂直配向することによって発現された光学異方性を示す層を、容易に形成することができる。なお、本発明の光学補償シートは、前記光学異方性層一層のみからなっていてもよいし、二層以上の積層体であってもよい。また、他の液晶組成物からなる光学異方性層及び/又はポリマーフィルムとの積層体であってもよい。
[光学補償シート]
本発明の光学補償シートは、本発明の配向膜上で配向制御されたディスコティック液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する。本発明の配向膜は、ディスコティック液晶性化合物の分子を垂直配向させるのに有用である。従って、本発明の配向膜を用いることによって、ディスコティック液晶性化合物の分子が垂直配向することによって発現された光学異方性を示す層を、容易に形成することができる。なお、本発明の光学補償シートは、前記光学異方性層一層のみからなっていてもよいし、二層以上の積層体であってもよい。また、他の液晶組成物からなる光学異方性層及び/又はポリマーフィルムとの積層体であってもよい。
本発明の光学補償シートをIPS型液晶表示装置に適用する場合は、本発明の光学補償シートは、本発明の配向膜と、ディスコティック液晶性化合物(好ましくはトリフェニレン液晶)を少なくとも含有する組成物から形成され、且つ前記ディスコティック液晶性化合物の分子が実質的に垂直配向してなる光学異方性層からなる位相差領域と、Re(定義は後述する)が20nm以下で且つRth(定義は後述する)が20nm〜150nmの位相差領域とからなる態様が好ましい。
前記光学異方性層の形成に用いられる組成物は、少なくともディスコティック液晶性化合物を含有する。本発明の組成物は、前記ディスコティック液晶性化合物の分子が実質的に垂直配向した状態を生じさせる添加剤を含有していてもよい。前記組成物は、空気界面側において、ディスコティック液晶性化合物の分子を垂直配向させるのに寄与する空気界面側垂直配向剤を含有しているのが好ましい。また、前記組成物中に、ディスコティック液晶性化合物の分子を垂直配向させるのに寄与する配向膜界面側垂直配向剤を含有していてもよい。
(ディスコティック液晶性化合物)
本発明の組成物が含有するディスコティック液晶性化合物は、トリフェニレン液晶がより好ましい。ディスコティック液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
本発明の組成物が含有するディスコティック液晶性化合物は、トリフェニレン液晶がより好ましい。ディスコティック液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
なお、液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
なお、液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
(重合開始剤)
垂直配向させたディスコティック液晶性化合物は、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
垂直配向させたディスコティック液晶性化合物は、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがさらに好ましい。ディスコティック液晶性化合物の分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。位相差層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましく、1〜5μmであることが最も好ましい。
(空気界面側垂直配向剤)
通常のディスコティック液晶性化合物は空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側においてもディスコティック液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。ディスコティック液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤は、また、それ以外にも特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面側垂直配向剤として用いることができる。また、特願2002−212100号明細書の段落番号0072〜0075、特願2002−243600号明細書の段落番号0038〜0040と0048〜0049、特願2002−262239号明細書の段落番号0037〜0039、特願2003−91752号明細書の段落番号0071〜0078に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。光学異方性層の形成に用いる場合は、組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜1質量%であるのがさらに好ましい。
通常のディスコティック液晶性化合物は空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側においてもディスコティック液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。ディスコティック液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤は、また、それ以外にも特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面側垂直配向剤として用いることができる。また、特願2002−212100号明細書の段落番号0072〜0075、特願2002−243600号明細書の段落番号0038〜0040と0048〜0049、特願2002−262239号明細書の段落番号0037〜0039、特願2003−91752号明細書の段落番号0071〜0078に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。光学異方性層の形成に用いる場合は、組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜1質量%であるのがさらに好ましい。
(光学異方性層の他の添加物)
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶性化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号0018〜0020に記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、ディスコティック液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶性化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号0018〜0020に記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、ディスコティック液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号0028〜0056に記載の化合物、特願2003−295212号公報明細書中の段落番号0069〜0126に記載の化合物が挙げられる。
液晶性化合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号0178に記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
本発明の光学補償シートの一実施形態は、本発明の配向膜上に前記組成物を適用し、ディスコティック液晶性化合物の分子を垂直配向させることによって作製することができる。前記組成物を配向膜上に適用した後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、又は架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させてもよい。
(塗布溶剤)
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
[支持体]
本発明では透明支持体を用いてもよい。透明支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。透明支持体は、光学異方性が小さいことも好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
本発明では透明支持体を用いてもよい。透明支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。透明支持体は、光学異方性が小さいことも好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
次に、本発明の配向膜を用いて形成した光学異方性層を有するIPS型液晶表示装置の光学補償フィルムに利用した実施の形態について説明する。図1は、本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す模式図である。図2は、本発明の液晶表示装置の一実施形態の模式図である。
[液晶表示装置]
図2に示す液晶表示装置は、第1の偏光膜8と、光学補償フィルム10と、第1の基板14と、液晶層16と、第2の基板18と、第2の偏光膜21とを有する。第1の偏光膜8及び第2の偏光膜21は、それぞれ保護膜7aと7b及び20aと20bによって挟持されている。光学補償フィルム10は、第1の偏光膜8に接する保護膜7bを含む第1の位相差領域11と、第1の位相領域11に接する第2の位相差領域12とから構成されている。
図2に示す液晶表示装置は、第1の偏光膜8と、光学補償フィルム10と、第1の基板14と、液晶層16と、第2の基板18と、第2の偏光膜21とを有する。第1の偏光膜8及び第2の偏光膜21は、それぞれ保護膜7aと7b及び20aと20bによって挟持されている。光学補償フィルム10は、第1の偏光膜8に接する保護膜7bを含む第1の位相差領域11と、第1の位相領域11に接する第2の位相差領域12とから構成されている。
図2の液晶表示装置では、液晶セルは、第1の基板14及び第2の基板17と、これらに挟持される液晶層16からなる。液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは透過モードにおいて、ねじれ構造を持たないIPS型では0.2〜0.4μmの範囲が最適値となる。この範囲では白表示輝度が高く、黒表示輝度が小さいことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。基板14及び18の液晶層16に接触する表面には、配向膜(不図示)が形成されていて、液晶分子を基板の表面に対して略平行に配向させるとともに配向膜上に施されたラビング処理方向15及び19等により、電圧無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子配向方向が制御されている。また、基板14若しくは17の内面には、液晶分子に電圧印加可能な電極(図2中不図示)が形成されている。
図1に、液晶層の1画素領域中の液晶分子の配向を模式的に示す。図1は、図2中の液晶層16の1画素に相当する程度の極めて小さい面積の領域中の液晶分子の配向を、基板14及び18の内面に形成された配向膜のラビング方向4、及び基板14及び18の内面に形成された液晶分子に電圧印加可能な電極2及び3とともに示した模式図である。電界効果型液晶として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いてアクティブ駆動を行った場合の、電圧無印加状態若しくは低印加状態での液晶分子配向方向は5a及び5bであり、この時に黒表示が得られる。電極2及び3間に印加されると、電圧に応じて液晶分子は6a及び6b方向へとその配向方向を変える。通常、この状態で明表示を行なう。
再び図2において、第1の偏光膜8の透過軸9と、第2の偏光膜21の透過軸22は直交して配置されている。光学補償フィルム10は、第1の位相差領域11と第2の位相差領域12の2つの領域から構成されている。また、第2の位相差領域12の遅相軸13は、第1の偏光膜8の透過軸9及び黒表示時の液晶層16中の液晶分子の遅相軸方向17に平行であり、且つ第2の位相差領域12は、第1の位相差領域11よりも液晶層16に近い側に配置されている。第2の位相差領域は、本発明の配向膜上にディスコティック液晶性化合物を含有する組成物を適用し、ディスコティック液晶性化合物の分子を実質的に垂直配向させ、その状態に固定することによって形成された光学異方性層からなる。光学補償フィルムを構成している2つの領域の光学特性については後述する。
図2に示す液晶表示装置では、第1の偏光膜8が二枚の保護膜7a及び7bに挟持された構成を示しているが、保護膜7bはなくてもよい。保護膜7bを配置する場合は、本発明では、保護膜7bは第1の位相差領域11を構成する層の1つとなる。図2に示す液晶表示装置では、第2の偏光膜21も二枚の保護膜20a及び20bに挟持されている。液晶層16に近い側の保護膜20aの厚み方向の位相差Rthは、20nm以下であることが好ましい。
なお、図2には、上側偏光板及び下側偏光板を備えた透過モードの表示装置の態様を示したが、本発明は一の偏光板のみを備える反射モードの態様であってもよく、かかる場合は、液晶セル内の光路が2倍になることから、最適Δn・dの値は上記の1/2程度の値になる。
本発明の液晶表示装置は、図1および図2に示す構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、液晶層と偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。また、偏光膜の保護膜の表面に反射防止処理やハードコートを施しても良い。また、構成部材に導電性を付与したものを使用してもよい。また、透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することができる。また、液晶層とバックライトとの間に、反射型偏光板や拡散板、プリズムシートや導光板を配置することもできる。また、本発明の液晶表示装置は、反射型であってもよく、かかる場合は、偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セル背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を配置する。もちろん前記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。
本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。本発明は、TFTやMIMのような3端子又は2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、時分割駆動と呼ばれるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
(光学補償フィルムの第1の位相差領域)
第1の位相差領域の光学特性は、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及びフィルムの厚さdを用いてRe=(nx−ny)×dで定義される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。またRth=((nx+ny)/2−nz)×dで定義される厚み方向のレターデーションRthが20nm〜120nmであり、40nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。なお、第1の偏光膜8を保護する保護膜7bに光学的な異方性がある場合、保護膜7bは第1の位相差領域11を構成する層であることから、当該保護膜のRthと他の層のRthの合計が40nm〜100nmであることが必要とされる。
第1の位相差領域の光学特性は、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及びフィルムの厚さdを用いてRe=(nx−ny)×dで定義される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。またRth=((nx+ny)/2−nz)×dで定義される厚み方向のレターデーションRthが20nm〜120nmであり、40nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。なお、第1の偏光膜8を保護する保護膜7bに光学的な異方性がある場合、保護膜7bは第1の位相差領域11を構成する層であることから、当該保護膜のRthと他の層のRthの合計が40nm〜100nmであることが必要とされる。
この光学特性を有する位相差領域としては、複屈折ポリマーフィルムからなる位相差領域、及び透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物を塗布もしくは転写形成された光学異方性層を有する位相差領域などがあるが、本発明ではいずれも使用することができる。
上記光学特性を有する複屈折ポリマーフィルムからなる位相差領域は、高分子フィルムを二軸延伸することでも容易に形成できる。また、延伸することなしに流延するだけでこの光学特性を発現するセルロースアシレート類を好適に用いることができる。かかるセルロースアシレートとして、特開2002−90541号公報に記載されているものを用いることができる。高分子フィルムの材料は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂、セルロースアシレート)が用いられる。
塗布もしくは転写で透明支持体上に形成した位相差領域として、キラル構造単位を含んだ棒状コレステリック液晶性組成物を、その螺旋軸を基板に略垂直に配向させたのち、固定化したものや、固有複屈折が負のディスコティック液晶性化合物を水平配向(ダイレクターは基板に垂直)させたもの、ポリミド高分子を基板上に流延固定したものなどを例示することができる。
(光学補償フィルムの第2の位相差領域)
第2の位相差領域は、本発明の配向膜上で、ディスコティック液晶性化合物の分子を前記フッ素系ポリマー又は前記含フッ素化合物の存在下で実質的に垂直配向させることによって形成された光学異方性層から構成される。前記光学異方性層は、本発明の配向膜上に、ディスコティック液晶性化合物と、空気界面側垂直配向制御剤とを含有する組成物を適用して形成されたものであり、前記光学異方性層中、ディスコティック液晶性化合物の分子は、実質的に垂直配向した状態に固定され、所定の光学特性を発現している。光学補償フィルムは、第2の位相差領域の遅相軸が、第1の偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶層中の液晶性化合物の遅相軸方向に平行になる様に配置される。この第2の位相差領域のReは50nm〜200nmであるのが好ましく、80nm〜160nmであるのがさらに好ましい。このReの調整は塗布形成するディスコティック液晶層の厚みを制御することによって行なわれる。さらに、ディスコティック液晶性化合物は、フィルム面に対して実質的に垂直(70〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが必要である。平均傾斜角がこれよりも小さくなると光漏れの分布が非対称になる。実質的に垂直とは、円盤面と光学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が70°〜90°の範囲内であることを意味する。これらのディスコティック液晶性化合物は斜め配向させても良いし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。前述した様に、前記一般式(1)で表されるポリマー及び4級オニウム塩が、ディスコティック液晶性化合物(好ましくはトリフェニレン液晶)をかかる垂直配向状態とするのに寄与する。
第2の位相差領域は、本発明の配向膜上で、ディスコティック液晶性化合物の分子を前記フッ素系ポリマー又は前記含フッ素化合物の存在下で実質的に垂直配向させることによって形成された光学異方性層から構成される。前記光学異方性層は、本発明の配向膜上に、ディスコティック液晶性化合物と、空気界面側垂直配向制御剤とを含有する組成物を適用して形成されたものであり、前記光学異方性層中、ディスコティック液晶性化合物の分子は、実質的に垂直配向した状態に固定され、所定の光学特性を発現している。光学補償フィルムは、第2の位相差領域の遅相軸が、第1の偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶層中の液晶性化合物の遅相軸方向に平行になる様に配置される。この第2の位相差領域のReは50nm〜200nmであるのが好ましく、80nm〜160nmであるのがさらに好ましい。このReの調整は塗布形成するディスコティック液晶層の厚みを制御することによって行なわれる。さらに、ディスコティック液晶性化合物は、フィルム面に対して実質的に垂直(70〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが必要である。平均傾斜角がこれよりも小さくなると光漏れの分布が非対称になる。実質的に垂直とは、円盤面と光学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が70°〜90°の範囲内であることを意味する。これらのディスコティック液晶性化合物は斜め配向させても良いし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。前述した様に、前記一般式(1)で表されるポリマー及び4級オニウム塩が、ディスコティック液晶性化合物(好ましくはトリフェニレン液晶)をかかる垂直配向状態とするのに寄与する。
第2の位相差領域は、本発明の組成物から形成された光学異方性層のみからなるものであってもよいし、前記光学異方性層と、その他の層からなるものであってもよい。後者の場合は、延伸したポリスチレン膜との積層体やシクロオレフィン系などの光学的に等方性のフィルムとの積層体が好適に使用できる。
(第2の偏光板用保護膜)
第2の偏光板用保護膜としては、可視光領域に吸収が無く、光透過率が80%以上であり、複屈折性に基づくレターデーションが小さいものが好ましい。具体的には、面内のReが20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が最も好ましい。さらに、厚み方向のレターデーションRthは20nm以下であることが好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。この特性を有するフィルムであれば好適に用いることができるが、偏光膜の耐久性の観点からはセルロースアシレートやノルボルネン系のフィルムがより好ましい。セルロースアシレートフィルムのRthを小さくする方法として、液晶性の化合物をフィルムに混合することが有効である。
第2の偏光板用保護膜としては、可視光領域に吸収が無く、光透過率が80%以上であり、複屈折性に基づくレターデーションが小さいものが好ましい。具体的には、面内のReが20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が最も好ましい。さらに、厚み方向のレターデーションRthは20nm以下であることが好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。この特性を有するフィルムであれば好適に用いることができるが、偏光膜の耐久性の観点からはセルロースアシレートやノルボルネン系のフィルムがより好ましい。セルロースアシレートフィルムのRthを小さくする方法として、液晶性の化合物をフィルムに混合することが有効である。
(棒状液晶性化合物)
本発明の液晶表示装置は、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層を有していてもよい。後述する様に、第2の偏光膜の保護膜が、ポリマーフィルム、好ましくはセルロースアシレートのポリマーフィルムと、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層となっているのが好ましい。前記光学異方性層の形成に用いられる棒状液晶性化合としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層を有していてもよい。後述する様に、第2の偏光膜の保護膜が、ポリマーフィルム、好ましくはセルロースアシレートのポリマーフィルムと、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層となっているのが好ましい。前記光学異方性層の形成に用いられる棒状液晶性化合としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
本発明の液晶表示装置では、棒状液晶性化合物が実質的に垂直配向してなる光学異方性層を用いるのが好ましい。実質的に垂直とは、棒状液晶性化合物の場合は、フィルム面と棒状液晶性化合物のダイレクターとのなす角度が70°〜90°の範囲内であることを意味する。棒状液晶性化合物は斜め配向させても良いし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させても良い。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。
(垂直配向膜)
棒状液晶性化合物を配向膜側で垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより棒状液晶性化合物を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子及び炭素数が10以上の炭化水素基が有効である。フッ素原子又は炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子又は炭化水素基を導入することが好ましい。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05〜80重量%の割合で含むことが好ましく、0.1〜70重量%の割合で含むことがより好ましく、0.5〜65重量%の割合で含むことがさらに好ましく、1〜60重量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基又はそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)又はアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10〜100であることが好ましく、10〜60であることがさらに好ましく、10〜40であることが最も好ましい。ポリマーの主鎖は、ポリミド構造又はポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
棒状液晶性化合物を配向膜側で垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより棒状液晶性化合物を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子及び炭素数が10以上の炭化水素基が有効である。フッ素原子又は炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子又は炭化水素基を導入することが好ましい。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05〜80重量%の割合で含むことが好ましく、0.1〜70重量%の割合で含むことがより好ましく、0.5〜65重量%の割合で含むことがさらに好ましく、1〜60重量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基又はそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)又はアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10〜100であることが好ましく、10〜60であることがさらに好ましく、10〜40であることが最も好ましい。ポリマーの主鎖は、ポリミド構造又はポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
ポリミドは、一般にテトラカルボン酸とジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテトラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用いて、コポリマーに相当するポリミドを合成してもよい。フッ素原子又は炭化水素基は、テトラカルボン酸起源の繰り返し単位に存在していても、ジアミン起源の繰り返し単位に存在していても、両方の繰り返し単位に存在していてもよい。ポリミドに炭化水素基を導入する場合、ポリミドの主鎖又は側鎖にステロイド構造を形成することが特に好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素数が10以上の炭化水素基に相当し、液晶性化合物を垂直に配向させる機能を有する。本明細書においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン環構造又はその環の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合となっている環構造を意味する。
さらに棒状液晶性化合物を垂直に配向させる手段として、ポリビニルアルコールやポリミドの高分子に有機酸を混合する方法を好適に用いることができる。混合する酸としてはカルボン酸やスルホン酸、アミノ酸が好適に用いられる。後述の空気界面配向剤の内、酸性を示すものを使用してもよい。その混合量は高分子に対して、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがさらに好ましい。
(空気界面側垂直配向剤)
通常の棒状液晶性化合物は空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側においても棒状液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。棒状液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤は、前記ディスコティック液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤と同一の化合物を用いることができ、使用量の好ましい範囲も同一である。また、それ以外にも特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面側垂直配向剤として用いることができる。また、特願2002−212100号明細書の段落番号0072〜0075、特願2002−243600号明細書の段落番号0038〜0040と0048〜0049、特願2002−262239号明細書の段落番号0037〜0039、特願2003−91752号明細書の段落番号0071〜0078に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。
通常の棒状液晶性化合物は空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側においても棒状液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。棒状液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤は、前記ディスコティック液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤と同一の化合物を用いることができ、使用量の好ましい範囲も同一である。また、それ以外にも特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面側垂直配向剤として用いることができる。また、特願2002−212100号明細書の段落番号0072〜0075、特願2002−243600号明細書の段落番号0038〜0040と0048〜0049、特願2002−262239号明細書の段落番号0037〜0039、特願2003−91752号明細書の段落番号0071〜0078に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<IPSモード液晶セル1の作製>
一枚のガラス基板上に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように、図1に示す電極を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行なった。ラビング処理は、図1に示す方向に行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士が対向し、かつ基板の間隔(ギャップ;d)が3.9μmで、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層のd・Δnの値は、300nmであった。
<IPSモード液晶セル1の作製>
一枚のガラス基板上に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように、図1に示す電極を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行なった。ラビング処理は、図1に示す方向に行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士が対向し、かつ基板の間隔(ギャップ;d)が3.9μmで、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層のd・Δnの値は、300nmであった。
<光学補償フィルム1の作製>
(第1の位相差領域の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、下記の組成を有するセルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液の組成
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部及びメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液487質量部にレターデーション上昇剤溶液7質量部を混合し、十分に攪拌してドープを調製した。
(第1の位相差領域の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、下記の組成を有するセルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液の組成
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部及びメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液487質量部にレターデーション上昇剤溶液7質量部を混合し、十分に攪拌してドープを調製した。
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、60℃の温風で1分間乾燥し、フィルムをバンドから剥ぎ取った。次にフィルムを140℃の乾燥風で10分間乾燥し、厚さ80μmのセルロースアセテートフィルム1を製作した。
このフィルムの光学特性は自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)を用いて、Reの光入射角度依存性を測定することにより求め、Re=8nm、Rth=82nmであった。
(第2の位相差領域の作製)
上記セルロースアセテートフィルム1の表面をケン化後、このフィルム上に下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施し、配向膜を得た。
配向膜塗布液の組成
ポリマー(AL−1) 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
トリエチルアミン 0.5質量部
上記セルロースアセテートフィルム1の表面をケン化後、このフィルム上に下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施し、配向膜を得た。
配向膜塗布液の組成
ポリマー(AL−1) 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
トリエチルアミン 0.5質量部
次に、配向膜上に、下記のディスコティック液晶性化合物1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、空気界面側垂直配向剤(フッ素系ポリマー、下記化合物P−15)0.0072gを3.9gのメチルエチルケトンに溶解した溶液(以下、ディスコティック液晶組成物という)を、#3.4のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、125℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶性化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム1を製作した。
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、光学補償フィルム1のReの光入射角度依存性を測定し、予め測定したセルロースアセテートフィルムの寄与分を差し引くことによって、ディスコティック液晶層のみの光学特性を算出したところ、Reが131nm、Rthが−66nm、液晶の平均傾斜角は89.8°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。なお遅相軸の方向は配向膜のラビング方向と平行であった。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作した。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した光学補償フィルム1を、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と光学補償フィルムの遅相軸(第2の位相差領域の遅相軸もこれに一致する)とは平行になるように配置した。市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。これを、前記で作製したIPSモード液晶セル1の一方に、光学補償フィルム1の遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように(即ち、第2の位相差領域の遅相軸が、黒表示時の液晶分子の遅相軸方向と平行になるように)、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。
<作製した液晶表示装置の漏れ光の測定>
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.20%であった。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.20%であった。
[実施例2]
実施例1の第2の位相差領域の作製において、配向膜としてAL−1の代わりにAL−2、AL−5及びAL−8を各々用いた配向膜をそれぞれ作製し、実施例1と同様に第2の位相差領域を作製し、順に、光学補償フィルム1−a、1−b及び1−cを得た。実施例1と同様に液晶表示装置を作製して液晶表示装置の左斜め方向70°から観察した際の漏れ光を測定した。結果を表2に示す。
実施例1の第2の位相差領域の作製において、配向膜としてAL−1の代わりにAL−2、AL−5及びAL−8を各々用いた配向膜をそれぞれ作製し、実施例1と同様に第2の位相差領域を作製し、順に、光学補償フィルム1−a、1−b及び1−cを得た。実施例1と同様に液晶表示装置を作製して液晶表示装置の左斜め方向70°から観察した際の漏れ光を測定した。結果を表2に示す。
表1に示す様に、本発明の配向膜を用いた場合は、いずれも実施例1と同様、ディスコティック液晶性化合物が垂直配向した光学補償フィルムが得られ、該光学補償フィルムIPS液晶表示装置に実装することによって光漏れの少ない液晶表示装置が得られた。
[実施例3]
<光学補償フィルム2の作製>
第1の位相差領域として、市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=45nm)を用いて、その表面のケン化処理を行い、このフィルム上に実施例1と同じ配向膜の塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥した。次に、フィルムの遅相軸方向と平行の方向に、形成した膜にラビング処理を施した。
<光学補償フィルム2の作製>
第1の位相差領域として、市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=45nm)を用いて、その表面のケン化処理を行い、このフィルム上に実施例1と同じ配向膜の塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥した。次に、フィルムの遅相軸方向と平行の方向に、形成した膜にラビング処理を施した。
続いて、実施例1で作製した配向膜上に、実施例1で使用したディスコティック液晶性化合物1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、空気界面側垂直配向剤(含フッ素化合物、下記化合物IV−48)0.0036gを3.9gのメチルエチルケトンに溶解した溶液(液晶組成物)を、#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、125℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶性化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム2を製作した。
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、光学補償フィルム2のReの光入射角度依存性を測定し、予め測定したセルロースアセテートフィルムの寄与分を差し引くことによって、ディスコティック液晶位相差層のみの光学特性を算出したところ、Reが116nm、Rthが−56nm、液晶の平均傾斜角は89.7°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。なお遅相軸の方向は配向膜のラビング方向と平行であった。
前記で作製したIPSモード液晶セル1の一方に、前記で作製した光学補償シート2をその遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように(即ち、第2の位相差領域の遅相軸が、黒表示時の液晶分子の遅相軸方向と平行になるように)、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、この光学補償シート2上に透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を貼り付け、さらにIPSモード液晶セル1のもう一方の側に同じ偏光板を、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。
(作製した液晶表示装置の漏れ光の測定)
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.21%であった。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.21%であった。
[実施例4]
<第2の偏光板1の作製>
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=45nm)を用いて、その表面のケン化処理を行い、このフィルム上に市販の垂直配向膜(JALS−204R、日本合成ゴム(株)製)をメチルエチルケトンで1:1に希釈したのち、ワイヤーバーコーターで2.4ml/m2塗布した。直ちに、120℃の温風で120秒乾燥した。
<第2の偏光板1の作製>
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=45nm)を用いて、その表面のケン化処理を行い、このフィルム上に市販の垂直配向膜(JALS−204R、日本合成ゴム(株)製)をメチルエチルケトンで1:1に希釈したのち、ワイヤーバーコーターで2.4ml/m2塗布した。直ちに、120℃の温風で120秒乾燥した。
(垂直配向した棒状液晶性化合物層の形成)
配向膜上に、下記の棒状液晶性化合物1.8g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、下記空気界面側垂直配向剤0.002gを9.2gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を、#2のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、棒状液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射し棒状液晶性化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、第2の偏光板の保護膜1を製作した。
配向膜上に、下記の棒状液晶性化合物1.8g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、下記空気界面側垂直配向剤0.002gを9.2gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を、#2のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、棒状液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射し棒状液晶性化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、第2の偏光板の保護膜1を製作した。
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、保護膜1のReの光入射角度依存性を測定したところ、Reが3nm、Rthが5nmであった。
次に延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した保護膜1を、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。続いて、市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、この偏光膜の反対側に貼り付け第2の偏光板を形成した。さらに実施例1と同様にして光学補償フィルム1を、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付け、市販のセルロースアセテートフィルムを偏光膜の反対側に貼り付け形成した第1の偏光板を、実施例1で作製したIPSモード液晶セル1の一方に、光学補償フィルム1の遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように(即ち、第2の位相差領域の遅相軸が、黒表示時の液晶分子の遅相軸方向と平行になるように)、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。この偏光板の透過軸と液晶セルのラビング方向とは平行になっている。さらに、この液晶セルのもう一方に、第2の偏光板をその透過軸を液晶セルのラビング方向と直交となるように、且つ保護膜1面側が液晶セル側になるように貼り、液晶表示装置を作製した。
(作製した液晶表示装置の漏れ光の測定)
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.07%であった。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.07%であった。
[比較例1]
前記作製したIPSモード液晶セル1の両側に市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。光学補償フィルムは用いなかった。上記液晶表示装置では、実施例1と同様に、上側の偏光板の透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように偏光板を貼り付けた。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.55%であった。
前記作製したIPSモード液晶セル1の両側に市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。光学補償フィルムは用いなかった。上記液晶表示装置では、実施例1と同様に、上側の偏光板の透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように偏光板を貼り付けた。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は0.55%であった。
[比較例2]
実施例1で製作したIPSモード液晶セル1に対して、実施例3で作製した光学補償シート2をその遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交するように、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、この光学補償シート2上に透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を貼り付け、さらにIPSモード液晶セル1のもう一方の側に同じ偏光板を、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は1.52%で極めて大きいものであった。
実施例1で製作したIPSモード液晶セル1に対して、実施例3で作製した光学補償シート2をその遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交するように、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、この光学補償シート2上に透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を貼り付け、さらにIPSモード液晶セル1のもう一方の側に同じ偏光板を、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は1.52%で極めて大きいものであった。
[比較例3]
実施例1におけるディスコティック液晶組成物から空気界面側垂直配向剤(P−15)を除いたこと以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製し漏れ光を測定した。
左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は1.2%で極めて大きいものであった。
実施例1におけるディスコティック液晶組成物から空気界面側垂直配向剤(P−15)を除いたこと以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製し漏れ光を測定した。
左斜め方向70°から観察した際の漏れ光は1.2%で極めて大きいものであった。
1 液晶素子画素領域
2 画素電極
3 表示電極
4 ラビング方向
5a、5b 黒表示時の液晶性化合物のダイレクター
6a、6b 白表示時の液晶性化合物のダイレクター
7a,7b 第1の偏光膜用保護膜
8 第1の偏光膜
9 第1の偏光膜の偏光透過軸
10 光学補償フィルム
11 第1の位相差領域
12 第2の位相差領域
13 第2の位相差領域の遅相軸
14 第1の基板
15 第1の基板ラビング方向
16 液晶層
17 液晶性化合物の遅相軸方向
18 第2の基板
19 第2の基板ラビング方向
20a、20b 第2の偏光膜用保護膜
21 第2の偏光膜
22 第2の偏光膜偏光透過軸
2 画素電極
3 表示電極
4 ラビング方向
5a、5b 黒表示時の液晶性化合物のダイレクター
6a、6b 白表示時の液晶性化合物のダイレクター
7a,7b 第1の偏光膜用保護膜
8 第1の偏光膜
9 第1の偏光膜の偏光透過軸
10 光学補償フィルム
11 第1の位相差領域
12 第2の位相差領域
13 第2の位相差領域の遅相軸
14 第1の基板
15 第1の基板ラビング方向
16 液晶層
17 液晶性化合物の遅相軸方向
18 第2の基板
19 第2の基板ラビング方向
20a、20b 第2の偏光膜用保護膜
21 第2の偏光膜
22 第2の偏光膜偏光透過軸
Claims (15)
- 下記一般式(I)および一般式(II)から選ばれる少なくとも1つの構造単位と、一般式(III)および一般式(IV)から選ばれる少なくとも1つの構造単位とを有する液晶用配向膜。
一般式(I)
一般式(II)
一般式(III)
一般式(IV)
- 前記一般式(I)で表される構造単位を有し、さらに、前記R1は水素原子またはメチル基であり、前記L11は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、前記P11は−O−、−NR11−、−CO−または−SO2−あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、R11は水素原子または炭数1〜6のアルキル基であり、n1は1〜3の整数である請求項1に記載の液晶用配向膜。
- 前記一般式(III)で表される構造単位を有し、さらに、前記P31は−COO−または−CONR31−であり、R31は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基である、請求項1または2に記載の液晶用配向膜。
- 前記一般式(III)で表される構造単位を有し、さらに、前記L31は単結合、2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基であり、前記L32は2価の芳香族基または2価のヘテロ環基あるいはそれらの組み合わせからなる2価の連結基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶用配向膜。
- ディスコティック液晶性化合物を請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶用配向膜上に配向させて固定化させた位相差膜。
- 前記液晶用配向膜の表面をラビング処理し、該処理した液晶用配向膜の表面に、前記ディスコティック液晶性化合物を含む液晶組成物を塗布して配向させたことを特徴とする請求項5に記載の位相差膜。
- 前記液晶組成物が、前記ディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直配向した状態にする添加剤を少なくとも1種含有する請求項6に記載の位相差膜。
- 第1の偏光膜と、
該第1の偏光膜上に設けられた第1の位相差領域および該第1の位相差領域に接して設けられた第2の位相差領域を有する光学補償フィルムと、
該光学補償フィルムの前記第2の位相差領域側の上に設けられた第1の基板と、該第1の基板に対向して設けられた第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板の間に設けられたネマチック液晶材料とからなる液晶層とを有し、
かつ、黒表示時に前記ネマチック液晶材料の液晶性化合物が前記第1の基板および第2の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であり、
前記第1の位相差領域は、下記式(1)で表される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、下記式(2)で表される厚み方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであり、
前記第2の位相差領域は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の位相差膜を有する光学異方性層を有し、
前記第2の位相差領域の遅延軸は、前記第1の偏光膜の透過軸および黒表示時の液晶性化合物の遅相軸方向に平行である液晶表示装置。
式(1) Re=(nx−ny)×d
式(2) Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式(1)および式(2)中、nxおよびnyは、それぞれ、膜内の屈折率(nx≧ny)を表し、nzは膜の厚さ方向の屈折率を表し、dは、膜の厚さを表す。) - 前記第2の基板の上に、第2の偏光膜を有する請求項8に記載の液晶表示装置。
- 前記第2の位相差領域のReが50nm〜200nmである請求項8又は9に記載の液晶表示装置。
- 前記第1の位相差領域が複数の層から構成されており、該複数の層のうち、少なくとも第2の位相差領域に接する側の一層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の配向膜である請求項8〜10のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記第2の偏光膜は、少なくとも、前記液晶層に近い側の膜表面上に保護膜を有し、該保護膜は、Rthが20nm以下である請求項9〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記保護膜は、セルロースアシレートフィルムまたはノルボルネン系フィルムである請求項12に記載の液晶表示装置。
- 前記保護膜が、セルロースアシレートフィルムと、垂直配向した棒状液晶性化合物を含む層とを有する請求項12に記載の液晶表示装置。
- 前記第1の偏光膜は、少なくとも、前記第1の位相差領域に近い側の膜表面上に保護膜を有し、前記第1の位相差領域は、複数の層から構成されており、該複数の層の一層が前記第1の偏光膜の保護膜を兼ねている請求項8〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089464A JP2005275083A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 配向膜、位相差膜及び液晶表示装置 |
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JP (1) | JP2005275083A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012043719A1 (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | 富士フイルム株式会社 | 配向膜、光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
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WO2017014013A1 (ja) * | 2015-07-17 | 2017-01-26 | Jnc株式会社 | 重合性極性化合物、液晶組成物および液晶表示素子 |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004089464A patent/JP2005275083A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10662379B2 (en) | 2015-07-17 | 2020-05-26 | Jnc Corporation | Polymerizable polar compound, liquid crystal composition and liquid crystal display device |
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