JP2005270583A - 磁気共鳴装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大形化や製造コストを特別に増加させることなく実現することができ、且つ、収集データの全サンプリング点に対してダイナミックレンジを最適化する。
【解決手段】磁気共鳴イメージング装置などの磁気共鳴装置の受信部8に、2系統のデータ収集系を備える。すなわち、それぞれが磁気共鳴信号を受けて当該磁気共鳴信号の振幅を、調整可能なゲインで各別を調整する2つの信号減衰器20A、20Bと、この2つの振幅調整器により各別に振幅調整された磁気共鳴信号をデジタル量の信号に各別に変換する2つのA/D変換器21A、21Bとを備える。受信部8には更に、磁気共鳴信号の信号値に応じて2つの信号減衰器のゲインを切り替える切替手段(23,24)と備える。
【選択図】 図2
【解決手段】磁気共鳴イメージング装置などの磁気共鳴装置の受信部8に、2系統のデータ収集系を備える。すなわち、それぞれが磁気共鳴信号を受けて当該磁気共鳴信号の振幅を、調整可能なゲインで各別を調整する2つの信号減衰器20A、20Bと、この2つの振幅調整器により各別に振幅調整された磁気共鳴信号をデジタル量の信号に各別に変換する2つのA/D変換器21A、21Bとを備える。受信部8には更に、磁気共鳴信号の信号値に応じて2つの信号減衰器のゲインを切り替える切替手段(23,24)と備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、磁気スピンの磁気共鳴現象を利用して被検体の内部の形態画像又は代謝物の情報に関するデータを収集して磁気共鳴イメージングや磁気共鳴スペクトロスコピーを行う磁気共鳴装置に係り、とくに、データ収集を高速且つ高分解能(振幅分解能)に得るようにした磁気共鳴装置に関する。
近年、磁気共鳴イメージング装置や磁気共鳴スペクトロスコピー装置などの磁気共鳴装置に関する技術の進歩は目覚しいものがあり、今や、医療の研究や現場のみならず、材料分析などの分野においても必須のモダリティとなりつつある。
この磁気共鳴装置により被検体からデータを収集する場合、被検体の内部で生じた磁気スピンの磁気共鳴現象に拠って発生する磁気共鳴信号をサンプリングしながら収集する。
このサンプリングの際、必要なダイナミックレンジを確保するには、高分解能なA/D変換器が必要となる。通常、磁気共鳴イメージング装置には,16bit/250KHz〜1MHz程度のA/D変換器が搭載されているが、より高磁場なシステムを対象としたり、ボリュームスキャンをしたりする場合、高速且つ高分解能なA/D変換器が必要になる。また、受信機のアナログ回路における中間周波数を高くしてアナログ回路を簡素化する場合にも、今以上に高速且つ高分解能なA/D変換器が必要になる。しかし,現在、使用可能なA/D変換器は、量子化分解能(振幅分解能)、サンプリング速度、変換器の価格の点で必ずしも満足できるものではなかった。
かかる状況を打破するために、非特許文献1には、複数の信号減衰器とA/D変換器からなる多系統の出力を切り替えることにより、分解能を改善する手法が提案されている。これを図9に示す。複数の信号減衰器ATT1〜ATTnと、これに独立して設けた複数のA/D変換器A/D1〜A/Dnと、この多系統のA/D変換出力を切り替える信号制御部SCが設けられている。
また、特許文献1には、図10に示すように、磁気共鳴信号のエンコード毎の信号強度に応じて,A/D変換器A/D1の前段に設けられた信号減衰器ATT2の減衰率を調整し、これにより、位相エンコード方向の信号強度を最適化する手法が提案されている。
さらに、特許文献2には、同一エコー内で信号減衰器の減衰率を変化させる手法が説明されている。
特開平10−277003号公報
特開2002−119492号公報
A. Jesmanowicz, J. S. Hyde, in "Proc., SMRM, 1999", p.99
しかしながら、上述した文献及び公報に記載の従来の手法によれば、未だ様々な問題点がある。このうち、非特許文献1に記載の手法は、これを実行するには、多数の信号減衰器(ATT)及びA/D変換器が必要となることから、装置が非常に大形化して実用に供するには困難であった。
また、非特許文献1及び特許文献1に記載の手法の場合、信号強度はリード方向にも変化することから、必ずしも収集されるデータの全領域においてダイナミックレンジが最適化されないという問題が放置されている。
つまり、非特許文献1及び特許文献1に記載の手法の場合、位相エンコード毎の最大信号レベルを最適にすることはできるが、位相エンコード内の信号に対して、すなわち、リード方向に沿ったサンプリングポイント毎の信号に対しては信号減衰率を最適にすることはできない。これは,磁気共鳴信号の振幅が,図11に示すように、位相エンコード方向の振幅変化と同様に、リード方向のサンプリングデータについても位相エンコード方向と同様の振幅変化を示すためである。これに対して、リード方向に沿ったサンプリングポイント毎に信号減衰率を変化させることも考えられる。しかしながら、サンプリング速度が数100KHz以上と高速であるため、通常の実用に供し得る信号減衰器にあっては、減衰率を高速に切り替えることができない。
さらに、特許文献2に記載の手法に係る構成は、信号減衰器の減衰率をサンプリング速度毎に切り替えることを要するが、これは非常に技術的に難しく、実現性に乏しい。
このように、従来、最適なダイナミックレンジを確保して磁気共鳴信号を収集するための方法が様々に提案されているものの、A/D変換器及び信号減衰器が多数必要であることから装置の大形化及び製造コスト増を招いたり、また、サンプリング点毎の信号のダイナミックレンジを最適しようとして信号減衰器の減衰率を非常に高速に切り替えることが要求されることから実現性に疑義を招いたりする、等の問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来の問題に鑑みてなされたもので、装置の大形化や製造コストを特別に増加させることなく実現することができ、且つ、収集データの全サンプリング点に対してダイナミックレンジを最適化することを、その目的とする。
上述した第1の目的を達成するために、本発明の1つの態様に係る磁気共鳴装置によれば、一様な静磁場中に配置された被検体に高周波磁場及び傾斜磁場を印加して収集した当該被検体からのアナログ量の磁気共鳴信号を受信する受信部を備える。この受信部に、それぞれが前記磁気共鳴信号を受けて当該磁気共鳴信号の振幅を、調整可能なゲインで各別を調整する2つの振幅調整器と、この2つの振幅調整器により各別に振幅調整された前記磁気共鳴信号をデジタル量の信号に各別に変換する2つのA/D変換器と、前記磁気共鳴信号の信号値に応じて前記2つの振幅調整器のゲインを切り替える切替手段と備えたことを特徴とする。
また、本発明の別の態様に係る磁気共鳴装置によれば、その受信部に、前記磁気共鳴信号の振幅を調整する第1の振幅調整器と、この第1の振幅調整器により振幅調整された信号をサンプル・ホールドするサンプル・ホールド手段と、このサンプル・ホールド手段によりサンプル・ホールドされた信号をデジタル量に変換する第1のA/D変換器と、前記磁気共鳴信号と前記サンプル・ホールド回路によりサンプル・ホールドされた信号との差分を演算する減算器と、この減算器により演算された差分信号の振幅を調整する第2の振幅調整器と、この第2の振幅調整器により振幅調整された信号をデジタル量に変換する第2のA/D変換器と、前記第1及び第2のA/D変換器により変換されたデジタル量の信号を相互に加算する加算手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、最適なゲイン(信号減衰率)を設定して磁気共鳴信号を収集することができ、かつ、位相エンコード方向のみならず、リード方向に沿ったサンプリングポイント毎のデータに対してダイナミックレンジを最適に設定することができ、高精細な画像データを収集することが可能になる。
以下、本発明の係る磁気共鳴装置の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態にあっては、この磁気共鳴装置を磁気共鳴イメージング装置として実施するものとする。
(第1の実施形態)
図1〜6を参照して、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置を説明する。
図1〜6を参照して、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置を説明する。
図1に、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の概要をブロック図として示す。
この磁気共鳴イメージング装置は静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、高周波プローブ3、及びシムコイル4を備える。静磁場磁石1とその内側に設けられた傾斜磁場コイル2及びシムコイル4とにより、図示しない被検体に一様な静磁場と直交3軸(X,Y,Z)の線形傾斜磁場とが印加される。傾斜磁場コイル2は傾斜磁場電源5により駆動され、またシムコイル4はシムコイル電源6により駆動される。
高周波プローブ3は、傾斜磁場コイル2の内側に設けられる。この高周波プローブ3は、高周波コイルと、この高周波コイルの共振周波数を磁気共鳴信号の周波数(例えばプロトンの共鳴周波数)に同調させるためのチューニング及びマッチング用のコイル部とを備える。
高周波プローブ3には送信部7及び受信部8が接続されている。また、送信部7、受信部8、及び傾斜磁場電源5は、シーケンス制御部(シーケンスコントローラ又はシーケンサ)9に接続されている。シーケンス制御部9は、後述する計算機システム(ホストコントローラ)10から与えられる一連のパルスシーケンス情報に沿って、送信部7、受信部8、及び傾斜磁場電源5を駆動する。これにより、かかるパルスシーケンスに基づいて被検体にパルス状の傾斜磁場が印加されるととともに、被検体内の磁化スピンの磁気共鳴現象に伴って発生する磁気共鳴(MR)信号が収集される。
つまり、送信部7は、対象核種の共鳴周波数に応じた周波数の高周波磁場パルスを高周波プローブ3から発生させるために、当該周波数の高周波電流パルスを高周波プローブ3に供給する。被検体内の対象核種の磁化から生じる磁気共鳴信号は高周波プローブ3により検出される。受信部8は、この高周波プローブ3を介して磁気共鳴信号を受信し、この信号を増幅して検波する。
受信部8では、磁気共鳴周波数で受信された信号を所望の中間周波数に復調した後、A/D変換器を介してデジタル信号に変換している。
A/D変換器の量子化レベルは有限であり、通常の磁気共鳴イメージング装置に採用されているA/D変換器は12〜16bitの量子化レベルを有している。このため、A/D変換器前段に信号減衰器(ATT)を挿入し、この信号減衰器の減衰率を調整することにより、入力信号の振幅を制限し、A/D変換器の量子化レベルにオーバーフローが生じないように構成されている。
この受信部8の構成は本発明の特徴に関わるので、後で詳述する。
このように受信部8により受信処理されて生成された磁気共鳴信号のデータ(収集データ)は、計算機システム10に送られる。この計算機システム10は、収集データを2次元又は3次元のk(フーリエ)空間にエンコード量に応じて配置する。このk空間の全てが収集データで埋まると、計算機システム10は、かかるk空間の収集データに2次元又は3次元の逆フーリエ変換を施して2次元又は3次元の実空間の画像データに再構成する。再構成された画像データは適宜なモードでディスプレイ11に表示される。コンソール12は、オペレータの操作指示に応じて、所望のパルスシーケンスを含むスキャン条件などの情報やその他の制御情報を計算機システム10に与える。
ここで、受信部8の構成を従来の問題点と対比させながら説明する。
磁気共鳴信号を収集する際、位置情報の識別を付与するために、傾斜磁場強度を変化させながら磁気共鳴信号を“エンコード(位相エンコード)”するが、0(零)エンコード量に相当する傾斜磁場強度を印加した場合の磁気共鳴信号の強度が最も大きくなるため(単一成分の磁気共鳴信号の収集を仮定した場合)、この時の信号振幅がA/D変換器の最大量子化レベルに合うように調整される(実際には、ある程度のマージンを考慮して、最大量子化レベルからやや低い量子化レベルに設定されることが多い)。
しかし、0エンコードの時以外の一連の磁気共鳴信号を収集するときに、同一のATT減衰率が適用された場合、又は、信号減衰器の減衰率を信号強度に対して必要以上に大きくしてしまった場合、磁気共鳴信号の振幅が小さい状態にあっては、磁気共鳴信号がA/D変換器の量子化レベル以下となってしまうため、所謂、桁落ちと同様の現象となり、再構成されたデータは精細さを欠くことになる。このことは前述した通りである。
これを改善するために、前述した従来技術の項で説明した、図9〜11に示す手法が提案されていたのである。しかしながら、これとて前述したように、収集データのリード方向の各点における最適なダイナミックレンジの確保や装置規模の点で不満が残っていた。
そこで、本実施形態における受信部8は、リード方向の各点を含めた全サンプリングポイント点で磁気共鳴信号を最適なダイナミックレンジで収集できるように構成する。
具体的には、受信部8は、図2に示す様に,2つのA/D変換器20A、20Bと、2つの信号減衰器(ATT)21A、21Bと、減衰率制御器22と、閾値設定器23と、収集データ処理器24とを備える。このうち、減衰率制御器22、閾値設定器23、及び収集データ処理器24はデジタル信号プロセッサ(DSP)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はCPU(中央演算処理装置)の機能として構成される。
磁気共鳴信号は、第1の信号減衰器(ATT1)20Aを介して第1のA/D変換器(A/D1)21Aに至り、このA/D変換器21Aの出力データがデータ処理器24に送られるように構成されている。また、同一の磁気共鳴信号が信号減衰器(ATT2)20Bを介して第2のA/D変換器(A/D2)21Bに至り、このA/D変換器21Bの出力データがデータ処理器24に送られるように構成されている。両方の信号減衰器20A,20Bの減衰率は外部からの制御信号に応じて変更可能になっている。
第1のA/D変換器21Aの出力信号は閾値設定器23にも至るように接続されている。これにより、閾値設定器23は、一方のA/D変換されたデータ(収集データ)の振幅に応じた閾値を設定する。この閾値を表す信号が減衰率制御器22に送られる。そこで、減衰率制御器22は、指令された閾値に応じた制御信号を信号減衰器20A、20Bの一方ずつに順に送り、その減衰率を制御する。収集データ処理器35で処理された収集データは計算機システム10に送られる。
次に、この受信部8の動作を説明する。
まず初めに、データ収集に先立って、0エンコードにおける信号レベルを確認するための“プリスキャン”が行われる。これにより、A/D変換器(A/D1)21A、あるいは、A/D変換器(A/D2)21Bの量子化最大レベルを超えない信号減衰率AT0が検出される。
この信号減衰率AT0と、第1のA/D変換器(A/D1)21Aの量子化分解能に応じて、第1の信号減衰器(ATT1)20Aの信号減衰率に初期減衰率AT1(AT1<AT0)が設定される。例えば、初期減衰率AT1は、AT0の1/16程度の値に設定される。同時に、初期減衰率AT1よりも大きな減衰率AT2(AT1<AT2<AT0:例えばAT0に対して1/8の大きさの減衰率)が設定される。
これらの設定終了後、信号収集の開始とともに、図3に示す位相エンコード方向の1エンコードラインの信号が収集開始される。1エンコードライン内の磁気共鳴信号の振幅は、最初は非常に小さく、エンコードライン中央部に至るにしたがってデータの振幅が大きくなる。したがって、図6(a)に示すように、第1のA/D変換器(A/D1)21Aの出力のうち、最初の数ポイントは高分解能に検出される。しかし、AT1<AT0と設定したため、その残りの信号値に対してはオーバーフローを起こす。
このため、収集データ処理器24は、第1のA/D変換器(A/D1)の出力がオーバーフローするか、あるいは、下記で示す閾値の設定値を超えたら、図6(b)に示すように、第2のA/D変換器(A/D2)21Bからの出力が有効であると判断し、その出力を採用する。これにより、収集データ列に不連続が生じないように収集処理が行われる。
同時に、第1のA/D変換器(A/D1)21Aの出力が閾値の設定値を超えた場合、閾値設定器23及び減衰率制御器22により、第1の信号減衰器(ATT1)20Aの減衰率は切り替えられ、新たに設定される減衰率AT3は、AT2<AT3<AT0となるように選ばれる。
さらに、第2のA/D変換器(A/D2)21Bからの出力によってデータ収集を続けると、そのA/D変換器(A/D2)21Bがオーバーフローする場合があるため、今度は再度、図6(c)に示すように、減衰率をAT3に設定した第1のA/D変換器(A/D1)21Aからのデータを有効とするようにデータ収集が行われる。
この第1のA/D変換器(A/D1)21Aに入力される信号は、既に上記の手順によって減衰率AT3に更新されているため、第2のA/D変換器(A/D2)21Bがオーバーフローした値より大きな振幅値のデータまで扱うことができる。
このような基本動作を繰り返し、さらに第2の信号減衰器(ATT2)20Bの減衰率をAT3<AT4<AT0に設定することで、常に最適な信号減衰率をリード方向の全サンプリング点で得て、かかる全サンプリング点で最適なダイナミックレンジを確保することができる。当然に、振幅がピークを迎えた後、信号の振幅は小さくなる。このため、上記とは逆の手順によって第1及び第2の信号減衰器20A,20Bの減衰率が切り替えられる。リード方向の1ラインのデータについてサンプリングが終ると、次のリード方向の1ラインのデータについて同様のサンプリングが実行される。
図4には、収集データ処理器24によって実行されるデータ有効化の制御処理の概要を示す。つまり、収集データ処理器24は、第1又は第2のA/D変換器21A又は21Bから送られてくるデータがその時点で閾値設定器23により設定されている閾値に到達又はこれを超えたか否かを判断する(ステップS1)。この判断でYESとなるときには、有効とするデータの入力先を他方のA/D変換器の出力側に切り換える(ステップS2)。反対にNOの判断のときは、有効とするデータの入力先をそれまでのA/D変換器の出力側に維持する(ステップS2)。この処理は、データ収集の間、微小な一定時間毎に繰り返される。
このように信号減衰器及びA/D変換器の対で組を構成した2組を交互に切り替えながらデータ収集することで、信号減衰器の切り替え時間がサンプリング速度に対して遅く、過渡応答の影響が無視できない場合でも、リード方向及び位相エンコード方向のデータの連続性を保持しながら高精度にデータ収集を行うことができる。
収集データ処理部24は、サンプリング毎の信号減衰率に応じて、及び/又は、2組のデータ収集系(各組は信号減衰器及びA/D変換器から成る:ATT1−A/D1及びATT2−A/D2)の違いから生じるゲイン・位相を補正して信号の復元処理を行うようになっている。
この場合、位相補正については更に、図5に示す変形例に係る構成を採用してもよい。図5に示すように、上述した2組のデータ収集系に、第3の信号減衰器(ATT0)20C及び第3のA/D変換器(A/D0)21Cから成る第3のデータ収集系を併設する。この第3のデータ収集系により、プリスキャンを通して設定した信号減衰率AT0:一定の元でデータを収集し、このデータを、補正すべき振幅・位相値の基準として使用する。この際、第3のA/D変換器(A/D0)21Cで収集されるデータは、図6(b)に示すように、第1及び第2のA/D変換器(A/D1,2)21B,21Cで収集されるデータに比べて(図6(a)参照)、ダイナミックレンジが小さいものの、連続性が保たれているため、基準値としての役割を果たすことができる。
さらに、前述した第1の実施形態にあっては、2系統のデータ収集系(信号減衰器、A/D変換器)を切り替えながらデータ収集を行うことで、信号減衰器の切替応答性がサンプリング速度に対して遅く、過渡応答の影響が無視できない場合であっても、2組のデータ収集系を切り替えながらデータを収集することで、データの連続性を保持しながら且つ高精度にデータ収集を行うことができる。
(第2の実施形態)
図7及び8を参照して、本発明に係る第2の実施形態を説明する。この実施形態で説明する磁気共鳴イメージング装置は、その全体は図1に記載のものと同一又は同等に構成されるが、その受信部の構成が異なる。
第1の実施形態に係る受信部8は、収集信号に対してA/D変換器のダイナミックレンジを最適にする構成を採用しているが、本第2の実施形態に係る受信部はダイナミックレンジを擬似的に増大させることを目的としている。
図7には、本第2実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置に独特の受信部18の構成を示す。
この受信部30は、図7に示すように、第1及び第2の信号減衰器(ATT1,2)31A,31B、第1及び第2のA/D変換器(A/D1,2)32A,32B、サンプル・ホールド(S/H)回路33、2入力の減算器34、及び収集データ処理器35を備える。このように2つのA/D変換器とサンプル・ホールド回路を利用して、ダイナミックレンジの改善を図るようにする。
具体的な構成としては、磁気共鳴信号が第1の信号減衰器(ATT1)31Aと減算器34の一方の入力端に送られるように構成されている。第1の信号減衰器(ATT1)31Aの出力端はサンプル・ホールド(S/H)回路33を介して第1のA/D変換器(A/D1)32Aに至る。この変換器32Aの出力端は収集データ処理器35に至る。
サンプル・ホールド(S/H)回路33の出力端は、減算器34の別の入力端にも接続されている。この減算器34の出力端は、第2の信号減衰器(ATT2)31B及び第2のA/D変換器(A/D2)32Bを順に介して収集データ処理器35に至る。サンプル・ホールド(S/H)回路33のサンプル・ホールド用のトリガ信号は、収集データ処理器35から与えられる。この収集データ処理器35で処理された収集データは計算機システム10に送られる。収集データ処理器35は、DSP、FPGA、又はCPUにより構成される。
データ収集に先立って,0エンコードにおける信号レベルを確認するためのプリスキャンが行われ,第1のA/D変換器(A/D1)32Aの量子化最大レベルを超えない、第1の信号減衰器(ATT1)31Aの減衰率AT1が検出される。この減衰率AT1は、この第1の信号減衰器(ATT1)31Aに設定される。
磁気共鳴信号は、最初に、第1の信号減衰器(ATT1)31Aで減衰率AT1の振幅減衰を受けた後、サンプル・ホールド(S/H)回路33によりサンプル・ホールド処理される。この処理により一時的に保持された信号がA/D変換器(A/D1)32AでA/D変換され、デジタル量の収集データとして収集データ処理器35に送られる。
一方、サンプル・ホールド(S/H)回路33により一時的に保持された信号は減算器34に送られて、生の磁気共鳴信号との差分処理に付される。この差分結果は、第2の信号減衰器(ATT2)31Bに送られる。
この第2の信号減衰器(ATT2)31Bの減衰率AT2は、第2のA/D変換器(A/D2)32Bのダイナミックレンジを有効に使用可能な値に予め設定されている。このとき、AT2<AT1であり、特に、AT2=AT1/N(N:サンプリング毎の信号振幅値を考慮して決定される係数)に設定される
このため、上述の差分結果の信号は、この第2の信号減衰器(ATT2)31Bの減衰率AT2により減衰処理を受けた後、第2のA/D変換器32Bで消失又は飽和すること無く、確実にA/D変換される。この変換データは収集データ処理器35に送られる。
このため、上述の差分結果の信号は、この第2の信号減衰器(ATT2)31Bの減衰率AT2により減衰処理を受けた後、第2のA/D変換器32Bで消失又は飽和すること無く、確実にA/D変換される。この変換データは収集データ処理器35に送られる。
このため、収集データ処理器35は、第1のA/D変換器(A/D1)32Aから出力された収集データと、第2のA/D変換器(A/D2)32Bから出力された収集データに減衰率AT2を考慮して補正したデータとを相互に加算して、最終的な各サンプル点の収集データが生成される。この差分を利用した各サンプル点の収集は、各位相エンコードラインに沿った各サンプル点について実行される。
このように、第1のA/D変換器(A/D1)32Aそれ自体は、通常のダイナミックレンジしか有していないが、その変換結果をサンプル・ホールドした信号値との差分を第2のA/D変換器(A/D2)32Bでサンプリングし、その値をデータ処理部で加算処理することで、ダイナミックレンジを擬似的に大幅に増大することができる。
このような構成の受信部30で収集されるデータの様子を、図8に示す。同図(a)は第1のA/D変換器(A/D1)32Aによるデータサンプリングを模式的に示し、同図(b)は第2のA/D変換器(A/D2)32Bに拠るそれを模式的に示している。第2のA/D変換器(A/D2)32Bにより、第1のそれよりも、細かく量子化(高量子化)されている。
この結果、低量子化分解能のA/D変換器を用いながら、差分を利用することで、ダイナミックレンジを擬似的に大幅に広げて、高速且つ高精度にデータ収集することができる。このため、高精細な画像を再構成することができる。また、低量子化分解能のA/D変換器で高速且つ高精度にデータ収集することが可能となるため、価格的な点でも有利である。
なお、サンプル・ホールド(S/H)回路33によりサンプル・ホールドするタイミングを、第1のA/D変換器(A/D1)32Aの信号値が予め設定された閾値を越えることに応じて、収集データ処理器35から発生させるトリガ信号によって行うことも考えられる。このような構成とした場合には、第1のA/D変換器(A/D1)32Aの量子化レベルを低く設定することができる。
なお、上述した各実施形態に係る受信部の構成は、磁気共鳴装置としての磁気共鳴スペクトロスコピー装置にも適用することができる。
1 静磁場磁石
2 傾斜磁場コイル
3 高周波プローブ
5 傾斜磁場電源
7 送信部
8 受信部
9 シーケンス制御部
10 計算機システム
20A〜20C 信号減衰器(振幅調整器)
21A〜21C A/D変換器
22 減衰率制御器(切替手段)
23 閾値設定器(切替手段)
24 収集データ処理器
30 受信部
31A〜31B 信号減衰器(振幅調整器)
32A〜32B A/D変換器
33 サンプル・ホールド回路
34 減算器
35 収集データ処理器
13 画像再構成装置
2 傾斜磁場コイル
3 高周波プローブ
5 傾斜磁場電源
7 送信部
8 受信部
9 シーケンス制御部
10 計算機システム
20A〜20C 信号減衰器(振幅調整器)
21A〜21C A/D変換器
22 減衰率制御器(切替手段)
23 閾値設定器(切替手段)
24 収集データ処理器
30 受信部
31A〜31B 信号減衰器(振幅調整器)
32A〜32B A/D変換器
33 サンプル・ホールド回路
34 減算器
35 収集データ処理器
13 画像再構成装置
Claims (8)
- 一様な静磁場中に配置された被検体に高周波磁場及び傾斜磁場を印加して収集した当該被検体からのアナログ量の磁気共鳴信号を受信する受信部を備えた磁気共鳴装置において、
前記受信部に、
それぞれが前記磁気共鳴信号を受けて当該磁気共鳴信号の振幅を、調整可能なゲインで各別を調整する2つの振幅調整器と、
この2つの振幅調整器により各別に振幅調整された前記磁気共鳴信号をデジタル量の信号に各別に変換する2つのA/D変換器と、
前記磁気共鳴信号の信号値に応じて前記2つの振幅調整器のゲインを切り替える切替手段と備えたことを特徴とする磁気共鳴装置。 - 前記切替手段は、前記2つの振幅調整器それぞれのゲインを前記磁気共鳴信号の信号値に応じて交互に切り替える手段であることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴装置。
- 前記2つの振幅調整器それぞれのゲインをデータ収集時に先立って行われるプリスキャンの情報によって決定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴装置。
- 前記2つのA/D変換器により変換された2つの信号の何れかを選択的に有効として認識して収集する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記磁気共鳴信号を受信し且つ一定のゲインにより当該磁気共鳴信号の振幅を調整する第3の振幅調整器と、この第3の振幅調整器により振幅調整された前記磁気共鳴信号をデジタル量の信号に変換する第3のA/D変換器と、この第3のA/D変換器により変換された信号を基準信号として用いて前記2つのA/D変換器により変換された信号を補正する手段とを備え、前記第3の振幅調整器のゲインをデータ収集時に先立って行われるプリスキャンの情報によって決定するようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 一様な静磁場中に配置された被検体に高周波磁場及び傾斜磁場を印加して収集した当該被検体からのアナログ量の磁気共鳴信号を受信する受信部を備えた磁気共鳴装置において、
前記受信部に、
前記磁気共鳴信号の振幅を調整する第1の振幅調整器と、この第1の振幅調整器により振幅調整された信号をサンプル・ホールドするサンプル・ホールド手段と、このサンプル・ホールド手段によりサンプル・ホールドされた信号をデジタル量に変換する第1のA/D変換器と、
前記磁気共鳴信号と前記サンプル・ホールド回路によりサンプル・ホールドされた信号との差分を演算する減算器と、この減算器により演算された差分信号の振幅を調整する第2の振幅調整器と、この第2の振幅調整器により振幅調整された信号をデジタル量に変換する第2のA/D変換器と、
前記第1及び第2のA/D変換器により変換されたデジタル量の信号を相互に加算する加算手段と、を備えたことを特徴とする磁気共鳴装置。 - 前記第1のA/D変換器の量子化分解能は、前記第2のA/D変換器の量子化分解能と等しいか又はそれよりも高いことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴装置。
- 前記磁気共鳴装置は前記被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置である請求項1〜7の何れか一項に記載の磁気共鳴装置。
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