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JP2005268725A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法 Download PDF

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JP2005268725A JP2004083095A JP2004083095A JP2005268725A JP 2005268725 A JP2005268725 A JP 2005268725A JP 2004083095 A JP2004083095 A JP 2004083095A JP 2004083095 A JP2004083095 A JP 2004083095A JP 2005268725 A JP2005268725 A JP 2005268725A
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Abstract

【課題】 製造工程における研磨またはドライエッチングの際に発生したダメージによる悪影響を解消すると共に、ウェットエッチングによるパターニングが難しいという問題を解決することができ、信頼性を向上させることができる半導体素子を提供する。
【解決手段】 p型半導体よりなる基板10の一面側に、p側コンタクト層21、p型クラッド層22、活性層30、n型クラッド層41およびn側コンタクト層42が順に積層されている。p側コンタクト層21は、ドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。p側コンタクト層21のダメージ回復面61に、p側電極71が設けられている。ドライエッチングで発生したダメージによる悪影響が防止され、p側コンタクト層21とp側電極71との導通性が高くなり、信頼性が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体素子およびその製造方法に関する。
GaN,AlGaN混晶あるいはGaInN混晶などの窒化物系III−V族化合物半導体は、直接遷移の半導体材料であると共に、禁制帯幅が0.8〜6.2eVにわたっているという特徴を有している。したがって、これらの窒化物系III−V族化合物半導体は、紫外領域から赤外領域までの発光を得ることができ、半導体レーザあるいは発光ダイオードなどの半導体発光素子を構成する材料として実用化されている。また、窒化物系III−V族化合物半導体は、飽和電子速度および破壊電界が大きいことから、電界効果トランジスタ,高電界・高温における高周波トランジスタなどの電子素子を構成する材料としても注目されている。
窒化物系III−V族化合物半導体は、一般に、化学的に安定な材料である。そのため、ウェットエッチングによる加工が、他の半導体材料に比較して困難な場合が多い。例えば、シリコン(Si)あるいはゲルマニウム(Ge)などの元素半導体、GaAsなどのヒ素系化合物半導体、InPなどのリン系化合物半導体、ZnSeあるいはZnSなどのセレンあるいは硫黄系化合物半導体の場合には、室温付近で適度なエッチング速度、均一性および選択比などを得られる酸またはアルカリが各々開発されている。これに対して、窒化物系III−V族化合物半導体の場合、室温付近で適当な酸またはアルカリはなく、塩素(Cl2 )または塩化ホウ素(BCl3 )などの塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)などのドライエッチングが主として採用されてきた。更に、構造や目的により、アルゴン(Ar)などを用いたイオンミリングなどの物理エッチングも行われる場合があった。
なお、例えば特許文献1にも記載されているように、高温での特定の条件においては、窒化物系III−V族化合物半導体のウェットエッチングも可能である。例えば、リン酸(H3 PO4 )またはそれを脱水した五酸化二リン(P2 5 )の400℃程度での溶融液を用いた液相エッチング、または塩酸(HCl)を用いた700℃程度の気相エッチングなどが挙げられる。また、水酸化カリウム(KOH)などの強アルカリも、高温下ではウェットエッチングが可能である。
特開平9−330916号公報
しかしながら、特許文献1に記載された窒化物系III−V族化合物半導体のウェットエッチング方法では、溶液等が高温なので、エッチング速度、均一性あるいは再現性などの制御が難しく、また、高温のため特別な装置を必要とする。更に、マスク材料との選択比を得られないため適切なマスク材料を得にくい。400℃以上の温度ではフォトレジストマスクが使えないのは当然であるが、酸化シリコン(SiO2 )のような化学的に安定と思われる酸化膜マスクであっても、化学的に極めて安定な窒化物系III−V族化合物半導体がエッチングされるような条件では同様にエッチングされてしまい、またはマスクにサイドエッチングが発生してしまうおそれがある。加えて、3B族元素によるエッチング速度の選択比をとることも難しい。このように、特許文献1記載のウェットエッチング方法は、段差構造などのパターニングには限界があった。
また、水酸化カリウムなどのアルカリについては、条件によっては、室温付近で最表面の原子層オーダーのエッチングが可能である。しかし、この方法は極めて微量のエッチングしかできないので、電極コンタクト面などに対する表面処理には有効であるが、パターニングに用いることは困難であった。
一方、ドライエッチングまたは物理エッチングでは、エッチングされた表面にダメージが発生してしまうという問題があった。また、基板の裏側を研磨などにより薄膜化する場合にも、研磨された表面にダメージが生じてしまっていた。このようなダメージは、深さによってはpn接合に達し、素子に損傷を与えるおそれがあった。
特に、p型の窒化物系III−V族化合物半導体の場合には、研磨またはドライエッチング等によりダメージを受けた部分がn型ないし高抵抗層となってしまい、電極の形成が困難となる場合が多かった。また、例えばGaN系材料は、一般にn型よりもp型のほうが得にくい。このようなことから、従来のGaN系半導体レーザでは、基板上にn型半導体層およびp型半導体層を基板側から順に形成した構造とし、結晶成長の最表面がp型半導体層となるようにしている。
図25は、このような従来の半導体レーザの製造工程の一例を表すものである。まず、図25(A)に示したように、基板110上にn側コンタクト層142、n型クラッド層141、活性層130、p型クラッド層122およびp側コンタクト層121を基板110側から順に形成する。次いで、図25(B)に示したように、ドライエッチングによりp側コンタクト層121、p型クラッド層122、活性層130、n型クラッド層141およびn側コンタクト層142の一部を選択的に除去し、n側コンタクト層142を露出させる。続いて、同じく図25(B)に示したように、ドライエッチングによりp型クラッド層122およびp側コンタクト層121を選択的に除去して細い帯状とし、突条構造(リッジ)150を形成する。そののち、n側コンタクト層142の露出面にn側電極172を設け、突条構造150の上面にp側電極171を設ける。このようにすれば、p側コンタクト層121のp側電極171が設けられる部分が、ドライエッチングによりダメージを受けることを防止することができる。
しかし、このような従来構造では、GaN系材料はn型よりもp型のほうが抵抗率が高いので、突条構造150の幅またはp側電極171の幅が狭い場合、動作電圧の上昇に対する影響が大きくなってしまうという問題があった。
すなわち、p型GaNまたはAlGaN混晶のキャリア濃度は、Na≒1×1017(cm-3)〜1×1018(cm-3)であり、p側コンタクト層142と、このp側コンタクト層142に接してパラジウム(Pd)層またはニッケル(Ni)層を有するp側電極171との接触抵抗Rcは、10-3(Ωcm-2)ないし10-4(Ωcm-2)程度と、GaAs系またはInP系のp側コンタクト層に比べて抵抗率が著しく高くなる。よって、ストライプ幅が例えば1μmないし2μmと狭い場合、動作電圧は、p側コンタクト層121のシート抵抗および接触抵抗により、+1Vないし+2V程度になってしまうこともある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、製造工程における研磨またはドライエッチングの際に発生したダメージによる悪影響を解消すると共に、ウェットエッチングによるパターニングが難しいという問題を解決することができ、信頼性を向上させることができる半導体素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明による半導体素子は、基板と、3B族元素のうちの少なくとも1種と5B族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含む窒化物系III−V族化合物半導体により構成され、基板に形成された半導体層と、基板または半導体層を研磨またはドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面を有する被加工層とを備えたものである。なお、ここでは、「ドライエッチング」は、RIEなどの、化学エッチングと物理エッチングとが合わさったエッチング、およびイオンミリングなどの物理エッチングを含み、一方、「ウェットエッチング」は、熱平衡における化学エッチングをいい、気体中でエッチングする気相エッチングおよび液体中でエッチングする液相エッチングの両方を含むものとする。
本発明による半導体素子の製造方法は、基板に、3B族元素のうちの少なくとも1種と5B族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含む窒化物系III−V族化合物半導体よりなる半導体層を形成する工程と、基板または半導体層を研磨またはドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面を有する被加工層を形成する工程とを含むものである。
本発明の半導体素子、または本発明による半導体素子の製造方法によれば、基板または半導体層を研磨またはドライエッチングで加工したのち、ダメージを受けた部分をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面を有する被加工層を形成するようにしたので、研磨またはドライエッチングで発生したダメージによる悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。また、半導体層に対して段差構造などのパターニングを良好に行うことができ、ウェットエッチングによるパターニングが困難であるという問題を解決することができる。更に、研磨により基板の薄膜化を行ったのちにウェットエッチングを行うことにより、ウェットエッチングのみによる場合に比べて短時間で薄膜化を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの共振器方向に対して垂直方向の断面構成を表すものである。この半導体レーザは、p型半導体よりなる基板10の一面側に、基板10側から順に積層されたp型半導体層20,活性層30およびn型半導体層40を有している。基板10,p型半導体層20,活性層30およびn型半導体層40は、短周期型周期律表における3B族元素のうちの少なくとも1種と短周期型周期律表における5B族元素のうちの少なくとも窒素とを含む窒化物系III−V族化合物半導体によりそれぞれ構成されている。窒化物系III−V族化合物半導体としては、例えばGaN,InNもしくはAlNまたはこれらの混晶、および、GaInNAsまたはGaInNPなどのV族混晶が挙げられる。
基板10は、例えば、厚みが400μm程度であり、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型GaNにより構成されている。
p型半導体層20は、例えば、基板10の側から順に積層されたp側コンタクト層21およびp型クラッド層22を有している。p側コンタクト層21は、例えば、厚みが3μm程度であり、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型GaNにより構成されている。p型クラッド層22は、例えば、厚みが600nm程度であり、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型AlGaN混晶により構成されている。
活性層30は、例えば、厚みが3nm程度であり、組成の異なるGax In1-x N(但し、x≧0)混晶層を積層した多重量子井戸構造を有している。
n型半導体層40は、例えば、活性層30の側から順に積層されたn型クラッド層41およびn側コンタクト層42を有している。n型クラッド層41は、例えば、厚みが600nm程度であり、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型AlGaN混晶により構成されている。n側コンタクト層42は、例えば、厚みが200nm程度であり、n型不純物としてケイ素を添加したn型GaNにより構成されている。なお、n型クラッド層41の一部およびn側コンタクト層42は、共振器方向に延長された突条構造50をなしており、電流狭窄を行うようになっている。突条構造50の幅は、例えば1μmないし数μmである。
また、この半導体レーザでは、p側コンタクト層21が、後述するように、ドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、この半導体レーザでは、ドライエッチングでp側コンタクト層21に発生したダメージによる悪影響を防止し、信頼性を向上させることができるようになっている。
p側コンタクト層21に形成されたダメージ回復面61には、p側電極71が形成されている。p側電極71は、例えば、第1層にパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)よりなる層を有し、パラジウム(Pd)/白金 (Pt)/金(Au)、または、ニッケル(Ni)/白金(Pt)/金(Au)がp側コンタクト層21側からこの順に積層された構造を有している。なお、白金(Pt)層は必ずしも含まれていなくてもよく、省略することが可能である。
n側コンタクト層42における突条構造50の上面には、n側電極72が形成されている。n側電極72は、例えば、第1層にチタン(Ti)よりなる層を有し、チタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)がn側コンタクト層42側からこの順に積層された構造を有している。なお、白金(Pt)層は必ずしも含まれていなくてもよく、省略することが可能である。
更に、この半導体レーザでは、共振器方向において対向する一対の側面が共振器端面となっており、一対の共振器端面には図示しない一対の反射鏡膜がそれぞれ形成されている。これら一対の反射鏡膜のうち一方は低反射率となるように、他方は高反射率となるように反射率がそれぞれ調整されている。これにより、活性層30において発生した光は一対の反射鏡膜の間を往復して増幅され、低反射率の反射鏡膜からレーザビームとして出射するようになっている。
この半導体レーザは、例えば、次のようにして製造することができる。なお、ここでは複数の半導体レーザを製造する場合を例に挙げて説明する。
図2および図3は、その製造工程を1つの半導体レーザ形成領域について表すものである。まず、例えば、複数の半導体レーザ形成領域を有すると共に、p型半導体、例えばp型GaNよりなる基板10を用意する。次いで、この基板10に、図2(A)に示したように、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により、p型GaNよりなるp側コンタクト層21,p型AlGaN混晶よりなるp型クラッド層22,GaInN混晶よりなる活性層30、n型AlGaN混晶よりなるn型クラッド層41およびn型GaNよりなるn側コンタクト層42を順次成長させる。
続いて、図2(B)に示したように、例えば蒸着法またはスパッタ法を用いて、n側コンタクト層42の上に、二酸化ケイ素などの絶縁材料またはフォトレジストよりなる周期的なストライプ状のマスク81を形成する。このとき、例えば半導体レーザの幅を400μmとする場合、マスク81を200μmの幅、400μmの間隔(ピッチ)で形成する。
そののち、図2(C)に示したように、このマスク81を利用して、例えば塩素または塩化ホウ素などの塩素系ガスを用いたRIEなどのドライエッチングにより、例えば1μmないし3μm程度のエッチング量でエッチングし、n側コンタクト層42,n型クラッド層41,活性層30,p型クラッド層22およびp側コンタクト層21の一部を選択的に除去し、p側コンタクト層21を表面に露出させる。このとき、露出したp側コンタクト層21の表面はドライエッチングによりダメージを受け、n型ないし高抵抗のダメージ層82となっている。そののち、図3(A)に示したように、マスク81を除去する。
マスク81を除去したのち、図3(B)に示したように、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、p側コンタクト層21の表面にダメージ回復面61が形成される。このとき、ウェットエッチング方法としては、例えば、リン酸を用いた350℃ないし400℃程度の液相エッチング、または塩酸を用いた700℃程度の気相エッチングなどを用いることができる。
ウェットエッチングのエッチング量は、例えば0.01μm以上とすることが好ましい。例えば水酸化カリウムを用いて室温付近で行うエッチングのような、表面状態の改質や、エッチング量が例えば1nm以下という原子層オーダーのエッチングでは、ダメージ層82を完全に除去することができないからである。更に、エッチング量を例えば0.1μm以上とすれば、ダメージ層82を完全に除去することができるのでより好ましい。エッチング量の制御は、溶液の濃度、温度および浸漬時間などを制御することにより可能である。
なお、ウェットエッチングによるエッチング量を例えば数μmとすることにより、ドライエッチングにより形成された段差の位置も同様に数μm程度ずれる可能性がある。しかしながら、図3(B)に示した工程では、まだ突条構造50(図1参照)などの微細な構造が形成されておらず、また、突条構造50の形成予定位置と段差との距離(図1における距離W0)は例えば10μmないし50μm程度と大きいので、ウェットエッチングによる数μm程度のずれは許容される。
また、ウェットエッチングによりn側コンタクト層42の厚みも減少するので、図2(A)に示した工程においてn側コンタクト層42を厚めに形成しておくようにすれば、n側電極72との電気的接続を良好に行うことができる。
ウェットエッチングによりp側コンタクト層21にダメージ回復面61を形成したのち、図3(C)に示したように、例えば蒸着法を用いてn側コンタクト層42の上に二酸化ケイ素よりなるストライプ状のマスク(図示せず)を形成する。次いで、このマスクを利用してn側コンタクト層42およびn型クラッド層41の一部を選択的にエッチングし、n型クラッド層41の上部およびn側コンタクト層42を細い帯状とし、突条構造50を形成する。
突条構造50を形成するためのエッチング工程は、ダメージ層82を除去してダメージ回復面61を形成するためのウェットエッチングとは別の工程で行うことが好ましい。また、突条構造50を形成するためのエッチング方法としては、ウェットエッチングを用いるのではなく、微細なパターニング、すなわち、0.1μmないし数μm程度の精度を必要とするパターニングが可能な方法を用いることが好ましく、具体的には例えばRIEなどのドライエッチングを用いることが好ましい。
突条構造50を形成したのち、図1に示したように、p側コンタクト層21に形成されたダメージ回復面61に、第1層に例えばパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)よりなる層を有するp側電極71を形成する。具体的には、p側コンタクト層21に形成されたダメージ回復面61に、パラジウム(Pd)/白金 (Pt)/金(Au)、または、ニッケル(Ni)/白金(Pt)/金(Au)を順次蒸着し、p側電極71を形成する。なお、白金(Pt)層は省略してもよい。また、n側コンタクト層42における突条構造50の上面に、第1層に例えばチタン(Ti)よりなる層を有するn側電極72を形成する。具体的には、突条構造50の上面に、例えばチタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)を順次蒸着してn側電極72を形成する。なお、白金(Pt)層は省略してもよい。
n側電極72を形成したのち、基板10を研磨により薄膜化する。次いで、共振器方向に対して垂直に分割する。これにより、一対の共振器端面が形成される。そののち、共振器端面に図示しない反射鏡膜をそれぞれ形成する。更に、各半導体レーザの形成領域に対応させて共振器方向と平行に分割する。以上により、図1に示した半導体レーザが複数完成する。
この半導体レーザでは、n側電極72とp側電極71との間に所定の電圧が印加されると、活性層30に電流が注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、図示しない反射鏡膜により反射され、その間を往復しレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に出射される。ここでは、p側コンタクト層21をドライエッチングで加工することにより発生したダメージ層82がウェットエッチングで除去されることによりダメージ回復面61となっており、このダメージ回復面61にp側電極71が設けられているので、ダメージ層82による悪影響が防止され、p側コンタクト層21とp側電極71との導通性が高くなっている。よって、信頼性が向上する。
また、この半導体レーザでは、突条構造50が、抵抗率または電極との接触抵抗がp型半導体層20よりも低いn型半導体層40に設けられているので、突条構造50の幅が1μmないし2μmと狭い場合でも動作電圧の上昇に対する影響が抑制される。更に、p側コンタクト層21とp側電極71との接触面積が図25に示した従来構造よりも広くなるので、接触抵抗は若干高くても、動作電圧の上昇に対する影響は小さくなる。よって、動作電圧が低くなる。
これに対して、例えば図25に示した従来構造では、幅の狭い突起構造50が、抵抗率または電極との接触抵抗の高いp側コンタクト層121およびp型クラッド層122に設けられており、かつ、狭い面積でp側電極171とp側コンタクト層121とを接触させていたので、動作電圧が極めて高くなってしまっていた。
このように本実施の形態では、n型半導体層40,活性層30およびp型半導体層20をドライエッチングで加工したのち、p側コンタクト層21に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にp側電極71を設けるようにしたので、ダメージ層82による悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。また、n型半導体層40,活性層30およびp型半導体層20に対して段差構造などのパターニングをドライエッチングにより良好に行うことができ、ウェットエッチングによるパターニングが困難であるという問題を解決することができる。
更に、突条構造50を、抵抗率または電極との接触抵抗がp型半導体層20よりも低いn型半導体層40に設けることができるので、突条構造50の幅が1μmないし2μmと狭い場合でも動作電圧の上昇に対する影響を抑制することができる。加えて、p側コンタクト層21とp側電極71との接触面積を従来構造よりも広くすることができるので、接触抵抗は若干高くなっても、動作電圧の上昇に対する影響を小さくすることができる。よって、動作電圧を低くすることができる。
なお、図2および図3では、ドライエッチングの際にp側コンタクト層21を表面に露出させる場合について示したが、ドライエッチングによりp型クラッド層22を表面に露出させ、ウェットエッチングによりp側コンタクト層21を表面に露出させるようにしてもよい。
また、図3(A)および図3(B)では、マスク81を除去したのち基板10,n側コンタクト層21およびn側コンタクト層42の全面にわたって無選択的に、全面ウェットエッチングを行う場合について示したが、必要に応じて、微細なパターニングを伴わないウェットエッチングを行うようにしてもよい。ここで「微細なパターニングを伴わないウェットエッチング」とは、例えば1μm以下のパターニング精度を伴わないウェットエッチングをいう。
(第1の実施の形態の変形例)
図4は、第1の実施の形態の変形例に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、p側コンタクト層21の一部に、GaInN混晶よりなるGaInNコンタクト層21Aが形成されており、このGaInNコンタクト層21Aに形成されたダメージ回復面61に、p側電極71が設けられていることを除いては、第1の実施の形態の半導体レーザと同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
この半導体レーザでは、GaInNコンタクト層21Aを、GaNよりもバンドギャップの小さいGaInN混晶により構成することにより、GaInNコンタクト層21Aとp側電極71との導通性を向上させることができるようになっている。GaInNコンタクト層21Aを構成するGaInN混晶は、マグネシウム(Mg)が添加されていてもよい。また、GaInNコンタクト層21Aを構成するGaInN混晶は、インジウム組成が窒素組成の10%を超えていれば、バンドギャップを小さくして抵抗率を下げることができるので、より好ましい。ただし、インジウム組成は、高すぎると結晶品質が悪化するので、あまり高くなりすぎないようにすることが望ましい。
この半導体レーザは、例えば、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。また、この半導体レーザの作用は、第1の実施の形態と同様である。
このように本変形例では、GaInN混晶よりなるGaInNコンタクト層21Aに形成されたダメージ回復面61に、p側電極71を設けるようにしたので、GaInNコンタクト層21Aとp側電極71との導通を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、基板10の裏側に形成されたダメージ回復面61に、p側電極71が設けられていることを除いては、第1の実施の形態の半導体レーザと同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
この半導体レーザでは、基板10が、後述するように、研磨で加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、この半導体レーザでは、研磨により基板10の裏側に発生したダメージ層82による悪影響を防止し、基板10とp側電極71との導通性を高め、素子の信頼性を向上させることができるようになっている。
この半導体レーザは、例えば、次のようにして製造することができる。なお、ここでは複数の半導体レーザを製造する場合を例に挙げて説明する。
図6は、その製造工程を1つの半導体レーザ形成領域について表すものである。まず、図6(A)に示したように、基板10に、例えばMOCVD法により、p側コンタクト層21,p型クラッド層22,活性層30、n型クラッド層41およびn側コンタクト層42を順次成長させる。
次いで、図6(B)に示したように、基板10の裏側を研磨して薄膜化する。このとき、基板10の裏側には、研磨の機械的損傷により、ダメージ層82が形成される。
続いて、図6(C)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、基板10の裏側にダメージ回復面61が形成される。
そののち、図5に示したように、第1の実施の形態と同様にして突条構造50を形成し、基板10の裏側に形成されたダメージ回復面61にp側電極71を形成し、突条構造50の上面にn側電極72を形成する。n側電極72を形成したのち、共振器方向に対して垂直に分割して、一対の共振器端面を形成し、共振器端面に図示しない反射鏡膜をそれぞれ形成する。更に、各半導体レーザの形成領域に対応させて共振器方向と平行に分割する。以上により、図5に示した半導体レーザが複数完成する。
また、この半導体レーザは、次のようにして製造することもできる。
まず、図6(A)に示した工程により、基板10に、例えばMOCVD法により、p側コンタクト層21,p型クラッド層22,活性層30、n型クラッド層41およびn側コンタクト層42を順次成長させる。
次いで、図6(B)に示した工程により、基板10の裏側を研磨して薄膜化する。このとき、基板10の裏側には、研磨の機械的損傷により、ダメージ層82が形成される。
続いて、図7(A)に示したように、第1の実施の形態と同様にして突条構造50を形成し、突条構造50の上面にn側電極72を形成する。
そののち、図7(B)に示したように、基板10の表側全面に、例えば二酸化ケイ素または窒化ケイ素(SiN)よりなる厚みが数μm程度の保護膜83を形成し、第1の実施の形態と同様にしてウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、基板10の裏側にダメージ回復面61が形成される。このとき、保護膜83が基板10の表側全面に設けられているので、基板10の端を除くほとんどの領域はウェットエッチングにより侵食されず保護される。
基板10の裏側にダメージ回復面61を形成したのち、CF4 またはSF6 などのフッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、保護膜83を除去する。
保護膜83を除去したのち、共振器方向に対して垂直に分割して、一対の共振器端面を形成し、共振器端面に図示しない反射鏡膜をそれぞれ形成する。更に、各半導体レーザの形成領域に対応させて共振器方向と平行に分割する。以上により、図5に示した半導体レーザが複数完成する。
この半導体レーザの作用は、第1の実施の形態と同様である。
このように本実施の形態では、基板10の裏側を研磨で加工したのち、基板10の裏側に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にp側電極71を設けるようにしたので、ダメージ層82による悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。また、研磨により基板10の薄膜化を行ったのちにウェットエッチングを行うことにより、ウェットエッチングのみによる場合に比べて短時間で薄膜化を行うことができる。
なお、本実施の形態では、研磨により基板10の裏側に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去してダメージ回復面61を形成する場合について説明したが、本実施の形態は、研磨などの物理的原因によるダメージ層82に限らず、図6(A)に示した結晶成長工程での熱履歴などにより基板10の裏側に付着した汚れまたは自然酸化膜などについても、同様に適用することができる。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、突条構造50の両側にダメージ回復面61を有していることを除いては、第1の実施の形態の半導体レーザと同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。また、第1の実施の形態と製造工程が重複する部分については、図2および図3を参照して説明する。
この半導体レーザでは、突条構造50の両側にダメージ回復面61を有することにより、横方向の電流広がりを低減し、発光に寄与しない無効電流の増大を抑制することができることができるようになっている。
この半導体レーザは、例えば、次のようにして製造することができる。なお、ここでは複数の半導体レーザを製造する場合を例に挙げて説明する。
まず、図2(A)に示した工程により、基板10に、例えばMOCVD法により、p側コンタクト層21,p型クラッド層22,活性層30、n型クラッド層41およびn側コンタクト層42を順次成長させる。
続いて、図2(B)に示した工程により、例えば蒸着法またはスパッタ法を用いて、n側コンタクト層42の上にマスク81を形成する。
そののち、図2(C)に示した工程により、このマスク81を利用して、例えば塩素または塩化ホウ素などの塩素系ガスを用いたRIEなどのドライエッチングにより、n側コンタクト層42,n型クラッド層41,活性層30,p型クラッド層22およびp側コンタクト層21の一部を選択的に除去し、p側コンタクト層21を表面に露出させる。そののち、図3(A)に示した工程により、マスク81を除去する。
マスク81を除去したのち、図3(B)に示した工程により、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、p側コンタクト層21の表面にダメージ回復面61が形成される。
ウェットエッチングによりp側コンタクト層21にダメージ回復面61を形成したのち、図3(C)に示した工程により、n側コンタクト層42およびn型クラッド層41の一部を選択的にエッチングし、突条構造50を形成する。このとき、突条構造50の両側には、図9(A)に示したように、ドライエッチングによるダメージ層82が形成されている。
ここで、突条構造50の両側におけるn型クラッド層41の厚さd(ダメージ層82の厚さを含まない)は、突条構造50とそれ以外の領域における屈折率差などの光学的特性を考慮して設計され、一般的には、ダメージ層82が活性層30に届かないように、例えばd>0.1μmと厚くされている。しかしながら、本実施の形態では、突条構造50が、移動度の高いn側コンタクト層42およびn型クラッド層41に形成されているので、n側電極72から注入された電流がn型クラッド層41内で横方向に広がりやすく、発光に寄与しない無効電流が増大してしまうおそれがある。よって、電流閉じ込めという点からはdが厚いほど好ましくない。
また、突条構造50の両側のn型クラッド層41に形成されるダメージ層82はn+層となるため、横方向の電流広がりが更に助長され、素子特性を低下させる原因となるおそれがある。
このようなことから、図9(B)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、例えば0.1μmないし0.2μm程度のエッチング量で、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、突条構造50の両側にダメージ回復面61が形成される。よって、横方向の電流広がりを低減し、発光に寄与しない無効電流の増大を抑制することができる。
なお、突条構造50の幅は1μmないし3μm程度であり、設計誤差ΔW=±0.2μm程度であるので、ウェットエッチングにより突条構造50の幅が狭くなっても設計誤差の範囲内に制御可能である。あるいは、このウェットエッチング量を見込んで、ウェットエッチング前の突条構造50の幅を、その分広めに作製するようにしてもよい。
突条構造50の両側にダメージ回復面61を形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、p側コンタクト層21に形成されたダメージ回復面61にp側電極71を形成し、突条構造50の上面にn側電極72を形成する。
n側電極72を形成したのち、基板10を研磨により薄膜化する。次いで、共振器方向に対して垂直に分割する。これにより、一対の共振器端面が形成される。そののち、共振器端面に図示しない反射鏡膜をそれぞれ形成する。更に、各半導体レーザの形成領域に対応させて共振器方向と平行に分割する。以上により、図8に示した半導体レーザが複数完成する。
この半導体レーザでは、n側電極72とp側電極71との間に所定の電圧が印加されると、活性層30に電流が注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、図示しない反射鏡膜により反射され、その間を往復しレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に出射される。ここでは、突条構造50の両側に発生したダメージ層82がウェットエッチングで除去されることによりダメージ回復面61となっているので、横方向の電流広がりが低減され、発光に寄与しない無効電流の増大が抑制されている。よって、信頼性が向上する。
このように本実施の形態では、突条構造50の両側にダメージ回復面61を形成するようにしたので、横方向の電流広がりを低減し、素子の信頼性を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、突条構造50の上面に、ドライエッチングで加工することにより形成されたダメージ層82を有することを除いては、第1の実施の形態の半導体レーザと同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。また、第1の実施の形態と製造工程が重複する部分については、図2および図3を参照して説明する。
この半導体レーザでは、突条構造50の上面に、ドライエッチングで加工することにより意図的にn+化されたダメージ層82が形成されることにより、n側コンタクト層42とn側電極72との導通性をより高めることができるようになっている。ダメージ層82の厚みは特に限定されないが、例えば0.1μm以下とされている。
この半導体レーザは、例えば、次のようにして製造することができる。なお、ここでは複数の半導体レーザを製造する場合を例に挙げて説明する。
まず、図2(A)に示した工程により、基板10に、例えばMOCVD法により、p側コンタクト層21,p型クラッド層22,活性層30、n型クラッド層41およびn側コンタクト層42を順次成長させる。
続いて、図2(B)に示した工程により、例えば蒸着法またはスパッタ法を用いて、n側コンタクト層42の上にマスク81を形成する。
そののち、図2(C)に示した工程により、このマスク81を利用して、例えば塩素または塩化ホウ素などの塩素系ガスを用いたRIEなどのドライエッチングにより、n側コンタクト層42,n型クラッド層41,活性層30,p型クラッド層22およびp側コンタクト層21の一部を選択的に除去し、p側コンタクト層21を表面に露出させる。そののち、図3(A)に示した工程により、マスク81を除去する。
マスク81を除去したのち、図3(B)に示した工程により、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、p側コンタクト層21の表面にダメージ回復面61が形成される。
ウェットエッチングによりp側コンタクト層21にダメージ回復面61を形成したのち、図3(C)に示した工程により、n側コンタクト層42およびn型クラッド層41の一部を選択的にエッチングし、突条構造50を形成する。
突条構造50を形成したのち、図11に示したように、突条構造50の上面に、ドライエッチングで加工することによりダメージ層82を形成する。
突条構造50の上面にダメージ層82を形成したのち、図10に示したように、第1の実施の形態と同様にして、p側コンタクト層21に形成されたダメージ回復面61にp側電極71を形成する。また、同じく図10に示したように、第1の実施の形態と同様にして、突条構造50の上面に形成されたダメージ層82の上にn側電極72を形成する。
n側電極72を形成したのち、基板10を研磨により薄膜化する。次いで、共振器方向に対して垂直に分割する。これにより、一対の共振器端面が形成される。そののち、共振器端面に図示しない反射鏡膜をそれぞれ形成する。更に、各半導体レーザの形成領域に対応させて共振器方向と平行に分割する。以上により、図10に示した半導体レーザが複数完成する。
この半導体レーザの作用は、第1の実施の形態と同様である。
このように本実施の形態では、突条構造50の上面に、ドライエッチングで加工することによりダメージ層82を形成するようにしたので、n側コンタクト層42とn側電極72との導通性をより高めることができる。
(第4の実施の形態の変形例)
図12は、本発明の第4の実施の形態の変形例に係る半導体レーザの突条構造の構成を拡大して表すものである。この半導体レーザは、突条構造50の上面に形成されたダメージ層82が、表面に凹凸構造82Aを有することを除いては、第4の実施の形態の半導体レーザと同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。また、第1の実施の形態と製造工程が重複する部分については、図2および図3を参照して説明する。
この半導体レーザでは、突条構造50の上面に形成されたダメージ層82が、凹凸構造82Aを有することにより、n側コンタクト層42とn側電極72との接触面積を増大して導通性をより高めることができると共に、n側コンタクト層42とn側電極72の密着性を向上させることができるようになっている。
この半導体レーザは、第4の実施の形態と同様にして製造することができる。また、ダメージ層82の凹凸構造82Aは、突条構造50の上面をドライエッチングにより加工する際に、マスクを用いることにより容易に形成することができる。
この半導体レーザの作用は、第1の実施の形態と同様である。
このように本変形例では、突条構造50の上面に形成されたダメージ層82の表面に、凹凸構造82Aを設けるようにしたので、n側コンタクト層42とn側電極72との導通性および密着性をより高めることができる。
(第5の実施の形態)
図13は、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る電界効果トランジスタの構成を表すものである。この電界効果トランジスタは、例えば、厚みが430μm程度であり、絶縁体であるサファイア(Al2 3 )よりなる基板210のc面に、バッファ層211を介してチャネル層212およびゲート絶縁膜213が順に積層された構成を有している。
バッファ層211は、例えば、厚みが2μm程度であり、高抵抗の真性GaNにより構成されている。なお、このバッファ層211は、チャネル層212の構成材料とは異なる導電型を有するGaNにより構成されていてもよい。チャネル層212は、例えば、厚みが500nm程度であり、n型不純物としてケイ素を添加したn型GaNよりなる電子伝導層、または、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型Ganよりなる正孔伝導層である。ゲート絶縁膜213は、例えば、厚みが100nm程度であり、窒化アルミニウム(AlN)により構成された半導体絶縁層または高抵抗層である。
ゲート絶縁膜213の上には、ゲート絶縁膜213の開口213Aを介してチャネル層213と電気的に接続されたソース電極271と、ゲート絶縁膜213の開口213Bを介してチャネル層213と電気的に接続されたドレイン電極272とが設けられている。また、ソース電極271とドレイン電極272との間にゲート電極273が設けられている。ソース電極271およびドレイン電極272は、例えば、第1層にチタン(Ti)よりなる層を有し、チタン(Ti)/アルミニウム(Al)/金(Au)がチャネル層212側からこの順に積層された構造を有している。ゲート電極273は、例えば白金(Pt)により構成されている。
また、この電界効果トランジスタでは、チャネル層212が、後述するように、第1の実施の形態と同様にドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、この電界効果トランジスタでは、ドライエッチングでチャネル層212に発生したダメージによる悪影響を防止し、チャネル層212とソース電極271およびドレイン電極272との導通性を高め、信頼性を向上させることができるようになっている。
この電界効果トランジスタは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、図14(A)に示したように、サファイアよりなる基板210を用意し、この基板210のc面に、例えばMOCVD法により、上述した厚みおよび材料よりなるバッファ層211,チャネル層212およびゲート絶縁膜213をそれぞれ形成する。
次いで、図14(B)に示したように、例えばRIEなどのドライエッチングにより、ゲート絶縁膜213を選択的に除去して開口213A,213Bを形成する。このとき、開口213A,213B内に露出したチャネル層212の表面には、ドライエッチングによりダメージ層82が発生する。
続いて、図14(C)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、チャネル層212の表面にダメージ回復面61が形成される。
そののち、図13に示したように、開口213A内のダメージ回復面61にソース電極271を形成し、開口213B内のダメージ回復面61にドレイン電極272を形成する。また、ゲート絶縁膜213上にゲート電極273を形成する。以上により、図13に示した電界効果トランジスタが完成する。
この電界効果トランジスタでは、ゲート電極273に加える電圧を制御することによりソース電極271とドレイン電極272との間でチャネル層212内を流れる電流が制御される。ここでは、ドライエッチングによりチャネル層212に発生したダメージ層82がウェットエッチングで除去されることによりダメージ回復面61となっており、このダメージ回復面61にソース電極271およびドレイン電極272が設けられているので、ダメージ層82による悪影響が防止され、チャネル層212とソース電極271およびドレイン電極272との導通性が高くなっている。よって、信頼性が向上する。
このように本実施の形態では、ドライエッチングによりチャネル層212に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にソース電極271およびドレイン電極272を設けるようにしたので、ダメージ層82による悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。
(第6の実施の形態)
図13は、本発明の第5の実施の形態の変形例に係るバイポーラトランジスタの構成を表すものである。このバイポーラトランジスタは、基板310に、コレクタ領域311,ベース領域312およびエミッタ領域313が順に積層された縦型のものである。
基板310は、例えば、厚みが430μm程度であり、サファイアにより構成されている。コレクタ領域311,ベース領域312およびエミッタ領域313は、例えばGaNにより構成されており、コレクタ領域311とエミッタ領域313とは同一の導電性を有し、ベース領域312は、コレクタ領域311およびエミッタ領域313とは異なる導電性を有している。
コレクタ領域311にはコレクタ電極371が設けられ、ベース領域312にはベース電極372が設けられ、エミッタ領域313にはエミッタ電極373が設けられている。コレクタ電極371,ベース電極372およびエミッタ電極373は、例えば、p型導電性を有する領域の上に設けられる場合には、第1層にパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)よりなる層を有し、パラジウム(Pd)/白金 (Pt)/金(Au)、または、ニッケル(Ni)/白金(Pt)/金(Au)が順に積層された構造を有し、n型導電性を有する領域上に設けられる場合には、第1層にチタン(Ti)よりなる層を有し、チタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)が順に積層された構造を有している。
また、このバイポーラトランジスタでは、コレクタ領域311およびベース領域312が、後述するように、第1の実施の形態と同様にドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、このバイポーラトランジスタでは、ドライエッチングでコレクタ領域311およびベース領域312に発生したダメージによる悪影響を防止し、コレクタ領域311とコレクタ電極371との導通性、およびベース領域312とべース電極372との導通性を高め、信頼性を向上させることができるようになっている。
このバイポーラトランジスタは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、図16(A)に示したように、上述した材料よりなる基板310を用意し、この基板310上に、例えばMOCVD法により、上述した材料よりなるコレクタ領域311,ベース領域312およびエミッタ領域313をそれぞれ形成する。
次いで、図16(B)に示したように、例えばRIEなどのドライエッチングにより、エミッタ領域313を選択的に除去してベース領域312を表面に露出させる。更に、同じく図16(B)に示したように、エミッタ領域313およびベース領域312を選択的に除去してコレクタ領域311を表面に露出させる。このとき、露出したコレクタ領域311およびベース領域312の表面には、ドライエッチングによりダメージ層82が発生する。
続いて、図16(C)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、コレクタ領域311およびベース領域312の表面にダメージ回復面61が形成される。
そののち、図15に示したように、コレクタ領域311のダメージ回復面61にコレクタ電極371を形成し、ベース領域312のダメージ回復面61にベース電極372を形成する。また、エミッタ領域313上にエミッタ電極373を形成する。以上により、図15に示したバイポーラトランジスタが完成する。
このバイポーラトランジスタでは、ベース領域312とエミッタ領域313との間に流れる電流を制御することによりコレクタ領域311とエミッタ領域313との間を流れる電流が制御される。ここでは、ドライエッチングによりコレクタ領域311およびベース領域312に発生したダメージ層82がウェットエッチングで除去されることによりダメージ回復面61となっており、このダメージ回復面61にコレクタ電極371およびベース電極372が設けられているので、ダメージ層82による悪影響が防止され、コレクタ領域311とコレクタ電極371との導通性、およびベース領域312とベース電極372との導通性が高くなっている。よって、信頼性が向上する。
このように本実施の形態では、ドライエッチングによりコレクタ領域311およびベース領域312に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にコレクタ電極371およびベース電極372を設けるようにしたので、ダメージ層82による悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。また、エミッタ領域313,ベース領域312およびコレクタ領域311に対して段差構造などのパターニングをドライエッチングにより良好に行うことができ、ウェットエッチングによるパターニングが困難であるという問題を解決することができる。
(第7の実施の形態)
図17は、本発明の第7の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、n型半導体よりなる基板410上に、n型半導体層40としてn側コンタクト層42およびn型クラッド層41、活性層30、並びにp型半導体層20としてp型クラッド層22およびp側コンタクト層21を有していることを除いては、第1の実施の形態と同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
基板410は、例えばn型不純物として酸素またはケイ素を添加したn型GaNにより構成されている。n型半導体層40としてのn側コンタクト層42およびn型クラッド層41、活性層30、並びにp型半導体層20としてのp型クラッド層22およびp側コンタクト層21は、第1の実施の形態と同様に構成されている。p型クラッド層22の一部およびp側コンタクト層21は、共振器方向に延長された突条構造50をなしている。
また、この半導体レーザでは、n側コンタクト層42が、後述するように、ドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、この半導体レーザでは、ドライエッチングでn側コンタクト層42に発生したダメージによる悪影響を防止し、信頼性を向上させることができるようになっている。
突条構造50の上面にはp側電極71が設けられ、n側コンタクト層42に形成されたダメージ回復面61には、n側電極72が設けられている。
この半導体レーザは、例えば、次のようにして製造することができる。なお、ここでは複数の半導体レーザを製造する場合を例に挙げて説明する。
まず、図18(A)に示したように、基板410上に、n側コンタクト層42,n型クラッド層41,活性層30,p型クラッド層22およびp側コンタクト層21を順に積層する。
次いで、同じく図18(A)に示したように、図示しないマスクを用いたドライエッチングにより、p側コンタクト層21,p型クラッド層22,活性層30,n型クラッド層41およびn側コンタクト層42の一部を選択的に除去し、n側コンタクト層42を露出させる。このとき、n側コンタクト層442の表面には、ドライエッチングによりダメージ層82が発生する。このダメージ層82は、ドライエッチング条件によりn+層になる場合もあるが高抵抗層となってしまう場合もあり、高抵抗層となってしまった場合にはn側電極72との導通性に影響を及ぼすおそれがある。
そこで、図18(B)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、n側コンタクト層42の表面にダメージ回復面61が形成される。
そののち、図17に示したように、ドライエッチングによりp型クラッド層22およびp側コンタクト層21を選択的に除去して細い帯状とし、突条構造50を形成する。突条構造50を形成したのち、同じく図17に示したように、突条構造50の上にp側電極71を設け、n側コンタクト層42のダメージ回復面61にn側電極72を設ける。n側電極72を形成したのち、基板410を研磨により薄膜化し、分割および反射鏡膜の形成を行う。以上により、図17に示した半導体レーザが複数完成する。
この半導体レーザでは、n側電極72とp側電極71との間に所定の電圧が印加されると、活性層30に電流が注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、図示しない反射鏡膜により反射され、その間を往復しレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に出射される。ここでは、n側コンタクト層42をドライエッチングで加工することにより発生したダメージ層82がウェットエッチングで除去されることによりダメージ回復面61となっており、このダメージ回復面61にn側電極72が設けられているので、ダメージ層82による悪影響が防止され、n側コンタクト層42とn側電極72との導通性が高くなっている。よって、信頼性が向上する。
このように本実施の形態では、p型半導体層20,活性層30およびn型半導体層40をドライエッチングで加工したのち、n側コンタクト層42に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にn側電極72を設けるようにしたので、ダメージ層82による悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。
(第8の実施の形態)
図19は、本発明の第8の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、基板510が絶縁体であるサファイアにより構成されていることを除いては、第1の実施の形態と同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
この半導体レーザでは、第1の実施の形態と同様に、p側コンタクト層21が、ドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、この半導体レーザでは、ドライエッチングでp側コンタクト層21に発生したダメージによる悪影響を防止し、信頼性を向上させることができるようになっている。
この半導体レーザは、絶縁体よりなる基板510を用いることを除いては、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。また、この半導体レーザの作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本実施の形態では、基板510上に、第1の実施の形態と同様に、p型半導体層20、活性層30およびn型半導体層40が基板510側からこの順に形成された場合について説明したが、基板510上に、第7の実施の形態と同様に、n型半導体層40、活性層30およびp型半導体層20が基板510側からこの順に形成された構造としてもよい。その場合は、第7の実施の形態と同様に、n側コンタクト層42を、ドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層とすれば、ドライエッチングでn側コンタクト層42に発生したダメージによる悪影響を防止して信頼性を向上させることができる。
(第9の実施の形態)
図20は、本発明の第9の実施の形態に係る発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)の構成を表すものである。この発光ダイオードは、例えば、p型GaNなどのp型半導体よりなる基板610上に、p型半導体層620,発光層630およびn型半導体層640が順に積層された構成を有している。p型半導体層620上にはp側電極671が設けられ、n型半導体層640上にはn側電極672が設けられている。n側電極672は、透明電極672Aと、パッド電極672Bとを有しており、発光層630で発生した光はn型半導体層640および透明電極672Aを透過して取り出されるようになっている。
この発光ダイオードでは、p型半導体層620が、後述するように、ドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面61を有する被加工層となっている。これにより、この発光ダイオードでは、ドライエッチングでp型半導体層620に発生したダメージによる悪影響を防止し、p型半導体層620とp側電極671との導通性を高め、信頼性を向上させることができるようになっている。
この発光ダイオードは、例えば次のようにして製造することができる。
まず、図21(A)に示したように、基板610に、例えばMOCVD法により、p型半導体層620,発光層630およびn型半導体層640を順次成長させる。
次いで、図21(B)に示したように、マスク81を利用して、例えばRIEなどのドライエッチングにより、n型半導体層640,発光層630およびp型半導体層620の一部を選択的に除去し、p型半導体層620を表面に露出させる。このとき、露出したp型半導体層620の表面には、ドライエッチングによりダメージ層82が発生する。
続いて、マスク81を除去し、図21(C)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、ウェットエッチングを行う。これにより、ダメージ層82が除去され、p型半導体層620の表面にダメージ回復面61が形成される。
そののち、図20に示したように、p型半導体層620に形成されたダメージ回復面61にp側電極671を形成し、n型半導体層640にn側電極672を形成する。以上により、図20に示した発光ダイオードが完成する。
この発光ダイオードでは、n側電極672とp側電極671との間に所定の電圧が印加されると、発光層630に電流が注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、n型半導体層640および透明電極672Aを透過して取り出される。ここでは、p型半導体層620をドライエッチングで加工することにより発生したダメージ層82がウェットエッチングで除去されることによりダメージ回復面61となっており、このダメージ回復面61にp側電極671が設けられているので、ダメージ層82による悪影響が防止され、p型半導体層620とp側電極671との導通性が高くなっている。よって、信頼性が向上する。
このように本実施の形態では、n型半導体層640,発光層630およびp型半導体層620をドライエッチングで加工したのち、p型半導体層620に発生したダメージ層82をウェットエッチングで除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にp側電極671を設けるようにしたので、ダメージ層82による悪影響を防止し、素子の信頼性を向上させることができる。また、n型半導体層640,発光層630およびp型半導体層620に対して段差構造などのパターニングをドライエッチングにより良好に行うことができ、ウェットエッチングによるパターニングが困難であるという問題を解決することができる。
なお、本実施の形態では、n側電極672が透明電極672Aとパッド電極672Bとを有しており、発光層630で発生した光がn型半導体層640および透明電極672Aを透過して取り出される場合について説明したが、図22に示したように、n側電極672を金属電極により構成し、発光層630で発生した光を基板610側から取り出すようにしてもよい。
また、本実施の形態では、p側電極671およびn側電極672が基板610の同一面側に設けられている場合について説明したが、図23に示したように、p側電極671を基板610の裏側に設けるようにしてもよい。あるいは、図24に示したように、n側電極672を金属電極により構成すると共に、p側電極671を透明電極671Aおよびパッド電極671Bにより構成し、発光層630で発生した光を基板610側から取り出すようにしてもよい。これらの場合においても、例えば、研磨などの物理的原因により基板610の裏側に形成されたダメージ層82、または結晶成長工程での熱履歴などにより基板610の裏側に付着した汚れあるいは自然酸化膜などを、ウェットエッチングにより除去することによりダメージ回復面61を形成し、このダメージ回復面61にp側電極671を設けるようにすることができる。これにより、基板610の裏側に発生したダメージ層82などによる悪影響を防止し、基板610とp側電極671との導通性を高め、素子の信頼性を向上させることができる。
更に、本実施の形態では、基板610がp型GaNなどのp型半導体により構成されている場合について説明したが、基板610は、サファイアなどの絶縁体により構成されていてもよい。この場合、図22に示した構成と同様に、n側電極を金属電極により構成し、発光層で発生した光をサファイア基板側から取り出すようにしてもよい。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、第3の実施の形態、第4の実施の形態および第4の実施の形態の変形例は、第1の実施の形態だけでなく、第1の実施の形態の変形例または第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
また、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚さ、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚さとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、第7の実施の形態では、基板410がn型半導体により構成された場合について説明したが、基板410はサファイアなどの絶縁体により構成されていてもよい。
更に、第8の実施の形態では、基板510がサファイアなどの絶縁体により構成されたことを除いては第1の実施の形態と同一の構成を有する場合について説明したが、第2の実施の形態および第4の実施の形態についても、第8の実施の形態と同様に、p型半導体よりなる基板10の代わりに、サファイアなどの絶縁体よりなる基板を有していてもよい。
加えて、例えば、第6の実施の形態では、コレクタ領域311,ベース領域312およびエミッタ領域313がすべてGaNにより構成されたホモバイポーラトランジスタの場合について説明したが、例えばベース領域312がGaNまたはGaInN混晶により構成され、コレクタ領域311およびエミッタ領域313がGaNまたはAlGaN混晶により構成されたヘテロバイポーラトランジスタにも適用可能である。
更にまた、上記実施の形態では、半導体レーザ、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタまたは発光ダイオードの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。
本発明は、半導体レーザおよび発光ダイオードのみならず、フォトディテクタ(Photo Ditector;PD)などの他の光素子にも適用可能である。また、電界効果トランジスタまたはバイポーラトランジスタ以外の電子素子にも適用することができる。更に、これらの光素子または電子素子を用いた集積素子に応用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図1に示した半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。 図2に続く工程を表す断面図である。 第1の実施の形態の変形例に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図5に示した半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。 図5に示した半導体レーザの他の製造方法を工程順に表す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図8に示した半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図10に示した半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。 本発明の第4の実施の形態の変形例に係る半導体レーザの構成を表す一部拡大断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構成を表す断面図である。 図13に示した電界効果トランジスタの製造方法を工程順に表す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係るバイポーラトランジスタの構成を表す断面図である。 図15に示したバイポーラトランジスタの製造方法を工程順に表す断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図17に示した半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。 本発明の第8の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図20(A)は、本発明の第9の実施の形態に係る発光ダイオードを基板の発光層が形成された側から見た構成を表す平面図であり、図20(B)は、図20(A)のXXB−XXB線に沿った断面図である。 図20に示した発光ダイオードの製造方法を工程順に表す断面図である。 図22(A)は、第9の実施の形態の一変形例に係る発光ダイオードを基板の発光層が形成された側から見た構成を表す平面図であり、図22(B)は、図22(A)のXXIIB−XXIIB線に沿った断面図である。 図23(A)は、第9の実施の形態の他の変形例に係る発光ダイオードを基板の発光層が形成された側から見た構成を表す平面図であり、図23(B)は、図23(A)のXXIIIB−XXIIIB線に沿った断面図である。 図24(A)は、第9の実施の形態の更に他の変形例に係る発光ダイオードを基板の発光層が形成された側から見た構成を表す平面図であり、図24(B)は、図24(A)のXXIVB−XXIVB線に沿った断面図であり、図24(C)は、図24(A)および図24(B)に示した発光ダイオードを基板の裏側から見た構成を表す平面図である。 従来の半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。
符号の説明
10,610…基板(p型半導体)、20,620…p型半導体層、21…p側コンタクト層、21A…GaInNコンタクト層、22…p型クラッド層、30…活性層、40,640…n型半導体層、41…n型クラッド層、42…n側コンタクト層、50…突条構造、61…ダメージ回復面、71,671…p側電極、72,672…n側電極、81…マスク、82…ダメージ層、82A…凹凸構造、83…保護膜,210…基板(Al2 3 )、211…バッファ層、212…チャネル層、213…ゲート絶縁膜、271…ソース電極、272…ドレイン電極、273…ゲート電極、310…基板、311…コレクタ領域、312…ベース領域、313…エミッタ領域、371…コレクタ電極、372…ベース電極、373…エミッタ電極、410…基板(n型半導体)、510…基板(絶縁体)、630…発光層、671A,672A…透明電極、671B,672B…パッド電極

Claims (25)

  1. 基板と、
    3B族元素のうちの少なくとも1種と5B族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含む窒化物系III−V族化合物半導体により構成され、前記基板に形成された半導体層と、
    前記基板または前記半導体層を研磨またはドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面を有する被加工層と
    を備えたことを特徴とする半導体素子。
  2. 前記ウェットエッチングがリン酸または塩酸を含むエッチング液またはエッチングガスを用いて行われた
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  3. 前記ウェットエッチングが0.01μm以上のエッチング量で行われた
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  4. 前記半導体層は、前記基板側から順に、第1導電型半導体層、活性層および第2導電型半導体層を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  5. 前記基板はp型半導体により構成され、前記第1導電型半導体層はp側コンタクト層およびp型クラッド層を含み、前記第2導電型半導体層はn型クラッド層およびn側コンタクト層を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体素子。
  6. 前記p側コンタクト層が被加工層であり、前記p側コンタクト層に形成されたダメージ回復面にp側電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載の半導体素子。
  7. 前記基板が被加工層であり、前記基板の裏側に形成されたダメージ回復面にp側電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載の半導体素子。
  8. 前記n型クラッド層および前記n側コンタクト層は電流狭窄のための突条構造をなす
    ことを特徴とする請求項5記載の半導体素子。
  9. 前記n型クラッド層が被加工層であると共に前記突条構造の両側にダメージ回復面を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の半導体素子。
  10. 前記n側コンタクト層は、前記突条構造の上面に、ドライエッチングで加工することにより形成されたダメージ層を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の半導体素子。
  11. 前記ダメージ層は、表面に凹凸構造を有する
    ことを特徴とする請求項10記載の半導体素子。
  12. 前記基板はn型半導体により構成され、前記第1導電型半導体層はn側コンタクト層およびn型クラッド層を含み、前記第2導電型半導体層はp型クラッド層およびp側コンタクト層を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体素子。
  13. 前記n側コンタクト層が被加工層であり、前記n側コンタクト層に形成されたダメージ回復面にn側電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項12記載の半導体素子。
  14. 前記基板が被加工層であり、前記基板の裏側に形成されたダメージ回復面にn側電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項12記載の半導体素子。
  15. 前記基板は絶縁体により構成され、前記第1導電型半導体層はp側コンタクト層およびp型クラッド層を含み、前記第2導電型半導体層はn型クラッド層およびn側コンタクト層を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体素子。
  16. 前記p側コンタクト層が被加工層であり、前記p側コンタクト層に形成されたダメージ回復面にp側電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項15記載の半導体素子。
  17. 前記半導体層は、n型半導体またはp型半導体よりなるチャネル層を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  18. 前記チャネル層が被加工層であり、前記チャネル層に形成されたダメージ回復面に電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項17記載の半導体素子。
  19. 前記半導体層は、n型半導体またはp型半導体よりなるコレクタ領域、ベース領域およびエミッタ領域を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  20. 前記コレクタ領域および前記ベース領域が被加工層であり、前記コレクタ領域および前記ベース領域に形成されたダメージ回復面に電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項19記載の半導体素子。
  21. 前記基板は絶縁体により構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  22. 前記基板は半導体により構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  23. 基板に、3B族元素のうちの少なくとも1種と5B族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含む窒化物系III−V族化合物半導体よりなる半導体層を形成する工程と、
    前記基板または前記半導体層を研磨またはドライエッチングで加工したのちウェットエッチングを行うことにより形成されたダメージ回復面を有する被加工層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  24. 前記ウェットエッチングをリン酸または塩酸を含むエッチング液またはエッチングガスを用いて行う
    ことを特徴とする請求項23記載の半導体素子の製造方法。
  25. 前記ウェットエッチングを0.01μm以上のエッチング量で行う
    ことを特徴とする請求項23記載の半導体素子の製造方法。


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