JP2005262197A - 冷却水処理装置及び冷却水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却水ライン中の流速が遅い箇所でもスケール成長が確実に防止される冷却水処理装置と冷却水処理方法を提供する。
【解決手段】電解装置1は、内部が隔膜6によって陽極室2と陰極室3とに区画されており、陽極室2内に陽極4が設置され、陰極室3内に陰極5が設置されている。冷却水又は補給水が配管1aから配管1bを介して陽極室2に導入され、配管1aから配管1cを介して陰極室3に導入され、配管1dを介して陽極室2から流出する。陰極室3で生成したアルカリ水の一部は配管1eを介して系外へ排出される。陽極4及び陰極5には、電源10から電流制御装置11を介して電圧が付加される。陽極室2を通過した水は、pHが低下すると共に、Caイオン、Mgイオン等の金属イオン濃度が低減されているので循環水系でのスケール発生が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】電解装置1は、内部が隔膜6によって陽極室2と陰極室3とに区画されており、陽極室2内に陽極4が設置され、陰極室3内に陰極5が設置されている。冷却水又は補給水が配管1aから配管1bを介して陽極室2に導入され、配管1aから配管1cを介して陰極室3に導入され、配管1dを介して陽極室2から流出する。陰極室3で生成したアルカリ水の一部は配管1eを介して系外へ排出される。陽極4及び陰極5には、電源10から電流制御装置11を介して電圧が付加される。陽極室2を通過した水は、pHが低下すると共に、Caイオン、Mgイオン等の金属イオン濃度が低減されているので循環水系でのスケール発生が防止される。
【選択図】図1
Description
本発明は冷却水系におけるスケール付着を防止するための冷却水処理装置及び冷却水処理方法に関する。
冷却水系では、熱交換器で冷却を行って昇温した冷却水(循環水)を冷却塔に送って、一部を蒸発させることにより冷却し、冷却した冷却水を熱交換器に循環させて冷却を繰り返している。このような冷却水系では、循環水は冷却塔における蒸発により濃縮される。冷却水系の補給水または濃縮された循環水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の硬度成分その他のスケール成分は、熱交換器の伝熱面で析出してスケール化し、熱伝導率の低下などを引き起こすことが知られている。
スケールを防止するための方法として、リン酸等の薬剤を添加する方法が知られているが、薬剤コストがかかる。薬剤を用いることが不要な冷却水の水処理方法として、特開2003−190988号公報には、冷却水系の補給水または循環水を、極性が変わるバイポーラ電極を有する電解装置に通水し、補給水または循環水に含まれるスケール成分を微小な結晶として析出させることにより、冷却水系におけるスケール付着、特に伝熱面におけるスケール付着を防止する方法が記載されている。
この電解装置においては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の陽イオンは導電性粒子の陰極側に集まり、炭酸イオン、シリカなどは陽極側に集まる。陰極付近が高pHのため、陰極付近でスケールが析出する。正負の極性を逆に変換すると陰極は陽極となり、電極表面のpHが低下する。このため、析出したスケールは電極近傍で溶解して溶液中へ流れ出る。この結果、非常に微細な結晶を得ることができる。その後はこの微細結晶が核となって結晶が析出する。極性を変換しながら電解を継続することにより、被処理水中のスケール成分は結晶となって循環水中に析出し、循環水のスケール傾向が低減され、伝熱面等へのスケール付着が防止される。
特開2003−190988号公報
上記特開2003−190988号公報の電解装置を備えた冷却水系において、電解装置で生じた微粒子を含んだ冷却水は熱交換部やクーリングタワーへ送り込まれ、その部位において溶解度が過飽和状態になる。過飽和状態において新たに結晶核を生成するために必要なエネルギーと既に存在する結晶を元に結晶成長するために必要なエネルギーでは既に存在する結晶を元に成長する方がはるかに必要なエネルギーが小さいので、流れてきたスケール成分の微粒子が大きく成長する。
この循環水は、スケール成分が過飽和状態となる程に多量に溶解しているので、上記のスケール成分の微粒子は循環冷却水ラインを流れる間に成長し粗大化する。粗大化したスケール成分の粒子は循環冷却水ライン中の流速が遅い箇所、例えばクーリングタワーの充填材上や熱交換部にスラッジ状に堆積し、これがスケールへと成長する。
本発明は、冷却水ライン中の流速が遅い箇所でもスケール成長が確実に防止される冷却水処理装置と冷却水処理方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の冷却水処理装置は、陽極と陰極との間に冷却水系の補給水又は冷却水が通水される電解装置を備えてなる冷却水処理装置において、該電解装置は、該陰極で生成するアルカリ水の少なくとも一部を系外に排出するためのアルカリ水排出手段を有することを特徴とするものである。
本発明(請求項4)の冷却水処理方法は、陽極と陰極との間に冷却水系の補給水又は冷却水を通水して電解処理する冷却水処理方法において、該陰極で生成するアルカリ水の少なくとも一部を系外に排出することを特徴とするものである。
本発明の冷却水系としては、開放式又は密閉式循環冷却水系や、一過式冷却水系、密閉式冷却水系等が挙げられる。以下の説明では循環式冷却水系を例にとって説明するが何ら、これに限定されるものではない。
かかる本発明の冷却水処理装置及び冷却水処理方法によると、冷却水(循環冷却水系の補給水又は冷却水(この場合は循環水))は、陽極及び陰極において、各々、以下のように電解される。
陽極:2H2O→O2+4H++4e−
陰極:4H2O+4e−→4OH−+2H2
この反応により陽極近傍の水は酸性になり、陰極近傍の水はアルカリ性となる。
陽極:2H2O→O2+4H++4e−
陰極:4H2O+4e−→4OH−+2H2
この反応により陽極近傍の水は酸性になり、陰極近傍の水はアルカリ性となる。
本発明では陰極で生成したアルカリ水の少なくとも一部を系外へ排出することにより、陽極で生成したH+は中和されずに循環冷却水系に供給される。このため、循環冷却水系に供給されたこのH+により、循環冷却水系内の冷却水のpHは低下し、循環冷却水系のスケール生成傾向が低減される。
また、前述した通り、陰極近傍の水はアルカリ性となるため、陰極近傍で炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが生成し、これらがスケール微粒子となって析出することからもスケール化傾向が低減される。
本発明において、陰極で生成するアルカリ水を系外へ排出する手段は特に限定されるものではないが、陽極と陰極とを多孔質膜又はイオン交換膜等からなる隔膜で陽極室と陰極室とに隔てて、陰極室からアルカリ水を抜き取るようにしても良いし(請求項2及び請求項5)、透水性を有する多孔体で陰極を構成し、この多孔質陰極を透過した透過水をアルカリ水として排出するようにしても良い(請求項3及び請求項7)。
特に、陰極を多孔体とした場合、陰極と水との接触面積が大きく、この陰極表面及び陰極中に水中の溶存スケール成分が、陽極・陰極間を詰まらせることなく、効率的に析出し、前述した水のスケール生成傾向低減効果がより一層顕著となる。更に、陰極の多孔体を透過した透過水をアルカリ水として排出することにより、陰極近傍1mm程度の距離範囲内で形成される高アルカリ水のみを抜き取ることが可能であり、効率的である。
本発明の冷却水処理方法においては、隔膜によって隔てられた陽極室と陰極室を有する電解装置を用い、陽極室からの流出流量aと陰極室からの流出流量bとの比a/bを70/30〜98/2とすることが好ましい(請求項6)。
また、冷却水のランジェリア指数が正、好ましくは0.2〜1.5特に0.5〜1.2となるように電解処理条件及び/又はアルカリ水の系外への排出量を制御することにより、防食性を保持したまま、循環冷却水系におけるスケール防止を図ることが可能となる(請求項8)。
この電解装置において、陰極室からの水をブロー水の一部として排出することにより、冷却水系でのスケール発生を十分に防止することができる。また、この電解装置において、間欠的に転極を行って陽極室及び陰極室内の電極を洗浄するようにしても良い。
本発明の冷却水処理装置及び冷却水処理方法によると、循環冷却水等の冷却水中のpHを低下させることができ、その結果冷却循環水のスケール化傾向を下げることができるため、熱交換部や冷却塔等にスケールが析出しなくなる。なお、この循環冷却水中のpHは極端には低下しないので、腐食が生じることはない。
本発明によれば、薬品を使用せずに循環冷却水等の冷却水中のスケール成分を一定濃度で運転することができるため、ランジェリア指数を任意に設定・管理することにより、高濃縮運転時においても、スケールの析出防止と共に腐食の低減が可能となる。特に、硬度が高い地方においても高濃縮運転が可能となり、より一層の節水に繋がる。
以下、図面を参照して本発明の冷却水処理装置及び冷却水処理方法について説明する。図1は実施の形態に係る循環冷却水処理装置の電解装置の概略的な縦断面図、図2は図1のII-II線断面図である。
この電解装置1は、内部が隔膜6によって陽極室2と陰極室3とに区画されており、陽極室2内に陽極4が設置され、陰極室3内に陰極5が設置されている。
循環冷却水又は補給水が配管1aから配管1bを介して陽極室2に導入され、配管1aから配管1cを介して陰極室3に導入され、配管1dを介して陽極室2から流出する。このように、循環冷却水又は補給水は上向流通水することが好ましい。これは電気分解により気泡が発生するためである。
陰極室3にはアルカリ水の少なくとも一部を系外に排出するためのブロー用配管1eが設けられている。配管1b及び1cにはそれぞれ陽極室用バルブ7と陰極室用バルブ8とが設けられており、配管1eにはブローバルブ9が設けられている。これらのバルブ7,8,9は制御装置12によって制御される。なお、循環冷却水系配管(図示せず)にpH測定器13が設けられ、その検出値がバルブ制御装置12に入力されている。
陽極4及び陰極5には、電源10から電流制御装置11を介して電圧が付加される。
このように構成された電解装置1の該陽極室2に循環冷却水又は補給水が通水される。バルブ7,8,9の開度を制御することにより、陽極室2及び陰極室3の通水量及びブローアウト水量を制御する。
陽極室2を通過した水は、pHが低下すると共に、電気泳動によりCaイオン、Mgイオン等の金属イオン濃度が低減されているので、循環水系でのスケール発生が防止される。
この配管1dを流れる陽極室からの流出流量aと、配管1eを流れる陰極室3からの流出流量bとの比a/bは70/30〜98/2とすることが好ましい。
また、配管1eからのブローアウト水量は、冷却水系全体のブロー量の100%以下、特に50%以下とすることが好ましい。
上記の通り、冷却水又は補給水が陽極室2を通過することにより、pHが酸性となり、また、Caイオン、Mgイオン等の金属イオン濃度が低下するが、pH測定装置13で検出される水のpHが7〜9特に7.8〜8.2となり、冷却水系の冷却水のランジェリア指数が正、好ましくは0.2〜1.5とりわけ0.5〜1.2となるように、電解処理条件及び/又はブローアウト水量を制御することが好ましい。
電解装置2の通水量は0.001〜2m/sec程度が好ましい。
電解の電流密度は0.02〜2A/dm2程度が好ましく、電極への印加電圧は40V以下が好ましい。
隔膜6としては、耐酸性及び耐アルカリ性に優れた材料よりなるものが好ましい。隔膜6の孔径は、10μm以下では浸透圧が生じるところから、0.1〜2mm程度が好ましい。陽極室2は陰極室3よりも容積が大きいことが好ましい。
本発明においては、特に電解装置の陰極として、透水性の多孔体を用いることにより、前述の如く、陽極・陰極間を詰まらせずに効率的にスケール析出が可能であるという効果の他、この多孔体を透過した透過水を取り出すことにより効率的に高アルカリ水を排出できるという効果が奏され、好ましい。
この場合、陰極として用いる多孔体の好ましい態様としては、空隙率:50〜97%で、孔径:100〜2,000μmであり、その材質としては炭素、金属、金属酸化物等の導電性材料の1種又は2種以上よりなるものが挙げられる。
電解装置の陰極としてこのような多孔質電極を用いた場合、電解装置の運転条件としては、電極間距離:10mm、電流密度:0.1〜2A/dm2で、電極への印加電圧は2〜30Vとすることが好ましい。
このような多孔質電極は導電性で、かつ好ましくは空隙率50〜97%の多孔質であるため、この多孔質電極を用いて析出表面を増大させることで、電極表面だけでなく電極内部にまで積極的にスケールを析出することができる。さらに、多孔質電極を通してアルカリ水を引き抜くことにより、陰極内部での析出をより一層促進させることができると共に、これを系外に排出することにより本発明の効果をより顕著に達成することができる。
電解装置の陽極と陰極とは図1,2に示す如く、隔膜で隔てることにより、電解効率を高めることができるが、一方で、隔膜にスケールが析出しやすいという問題がある。従って、本発明で用いる電解装置は、必ずしも隔膜を設けたものに限らず、隔膜のないものであっても良い。
以下に、本発明に好適な、陰極として多孔質電極を用いた電解装置について図3,4を参照して説明する。図3,4は、実施の形態に係る冷却水処理装置の電解装置の概略的な断面図であり、図3は無隔膜型電解装置を示し、図4は隔膜型電解装置を示す。図3,4において、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図3の無隔膜電解装置20は、ケース内に陽極(不溶性金属電極)21A,21Bと陰極(多孔質電極)22A,22Bとが間隔をあけて交互に2対配置され、各々、陽極21A、陰極22Aとの間に電解室23Aが形成され、陽極21B、陰極22Bとの間に電解室23Bが形成され、陰極22Aと22Bとの間にアルカリ水室24が形成されている。陽極21A,21Bと陰極22A,22Bとの間には直流電圧が印加される。
冷却水系の補給水又は冷却水は、電解室23A,23Bに連続的に導入され、この電解室23A,23Bの流出水は循環冷却水系等の冷却水系へ送給される。前述の反応式に従って、陽極21A,21B近傍では酸性水が生成し、陰極22A,22B近傍では水酸化物イオンが発生してアルカリ性になるため、重炭酸イオンが炭酸イオンに解離して、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのスケールとなって析出が促進される。
この陰極22A,22Bでは、その多孔質による広い接触面積で上記反応が効率的に進行する。そして、この陰極22A,22B近傍で生成し、電解室23A,23Bから陰極22A,22Bの多孔体を透過したアルカリ水をアルカリ水室24を介して引き抜くことにより、陰極表面近傍の水を更新して、より一層この析出を促進することができる。そして、このアルカリ水室24のアルカリ水をブローアウトすることにより、電解装置20から循環冷却水系へ送給する水のpHを低下させ、良好なスケール防止効果を得ることができる。このブロー水量は前述の如く、陽極室からの流出水量/陰極室からの流出水量を70/30〜98/2とする。
また、電解装置から循環冷却水系に送給される電解処理水は、冷却水系の冷却水のpHが7〜9特に7.8〜8.2となり、ランジェリア指数が正、好ましくは0.2〜1.5とりわけ0.5〜1.2となるように、電解処理条件及び/又はアルカリ水の系外への排出量を制御することが好ましい。
図4の隔膜型電解装置20Aは、陽極21Aと陰極22Aとの間の電解室23Aと、陽極21Bと陰極22Bとの間の電解室23B内に、各々、隔膜25A,25Bが設けられている点が図3の無隔膜型電解装置20と異なり、その他の構成は同様とされている。なお、この隔膜型電解装置20Aにおいて、被処理水(冷却水系の補給水又は冷却水)は、電解室23A,23Bのうち、隔膜25A,25Bで仕切られた陽極21A,21B側の室側へ導入し、また、循環冷却水系へ戻す電解処理水も、この陽極21A,21B側の室から抜き出すことが好ましい。
この電解装置20Aであっても、図3の電解装置20と同様に電解が進行し、冷却水のpH低下等により良好なスケール防止効果を得ることができる。この電解に当たり、陽極21A,21Bと陰極22A,22Bとの間に各々隔膜25A,25Bが設けられているため、電解効率が高い。
この隔膜25A,25Bとしても、前述の図1の電解装置1の隔膜6と同様、耐酸性及び耐アルカリ性に優れた材料よりなるものが好ましく、その孔径が10μm以下では浸透圧が生じるところから、0.1〜2mm程度が好ましい。
陰極として、図3,4に示す如く、多孔質電極を用いた場合、転極を行うことも可能であるが、電解を継続することにより、規定量のスケールがこの多孔質電極に析出して効率が低下した際には、酸洗浄を施してスケールを溶解除去することにより繰り返し使用することが好ましい。
なお、図1〜4には、本発明に好適な電解装置の一例を示すものであって、本発明で用いる電解装置は何ら図示のものに限定されるものではなく、例えば、隔膜によって陽極室と陰極室とが隔てられている図1、図2及び図4の装置にあっては、補給水又は冷却水は陽極室のみに導入されてもよいし、陰極室に流出用配管を、ブロー用配管とは別に設け、陰極室からの流出水と陽極室からの流出水とを合流させてから循環冷却水系へ返送するようにしてもよい。
また、このような電解装置を循環冷却水系の冷却水の循環ラインに設置する場合、その設置箇所には特に制限はないが、後述の図6に示すように、冷却塔の貯水槽内の水をポンプで抜き出して貯水槽に戻す循環ラインを設け、この循環ラインに電解装置を設置することが好ましい。
実施例1
300RT(冷凍トン)の冷却水系の循環冷却水ラインに図1,2に示す電解装置を図6の通りに組み込んだ。冷却水系の条件は表1の通りである。
300RT(冷凍トン)の冷却水系の循環冷却水ラインに図1,2に示す電解装置を図6の通りに組み込んだ。冷却水系の条件は表1の通りである。
電解装置1の運転条件は表2の通りとした。
循環冷却水のカルシウム硬度、Mアルカリ度、pH及びLTD(Leaving Temperature Difference:熱交換器の被冷却媒体出口温度と冷却水出口温度との差)の経時変化を図5に示す。なお、全実験期間を通じて循環水のランジェリア指数は0.5〜0.7の範囲で推移した。
比較例1
実施例1の循環冷却水系において、電解装置への通電を停止した他は同様にして運転を行った。このときの循環冷却水の水質の経時変化を図5に併せて示す。なお、全実験期間を通じて循環水のランジェリア指数は1.3〜1.7の範囲で推移した。
実施例1の循環冷却水系において、電解装置への通電を停止した他は同様にして運転を行った。このときの循環冷却水の水質の経時変化を図5に併せて示す。なお、全実験期間を通じて循環水のランジェリア指数は1.3〜1.7の範囲で推移した。
図5より明らかな通り、実施例1ではpHおよびMアルカリ度の低下した電解酸性水を冷却水として用いることにより、冷却水系へのスケール析出が抑制され、長時間にわたる運転が可能となった。それに対して比較例1では、熱交換器においてスケールが生成したためLTDは徐々に上昇した。なお、実施例1では従来の電解装置で必要だったスラッジ処理が不要となった。
実施例2
図3に示す電解装置20を、図6に示す開放循環冷却水系に設置して処理を行った。図6において、30は冷却塔であり、下部の貯水槽31の冷却水がポンプP1を有する循環配管32より熱交換器33に送給され、戻り水が配管34より戻される。貯水槽31には、槽内の水をポンプP2を備える配管35より抜き出して、電解装置20で電解処理し、処理水を配管36より貯水槽31に戻す循環ラインが設けられている。なお、貯水槽31には、図示しない補給水配管より補給水が補給され、また、図示しないブロー配管より、ブロー水が系外へ排出される。
図3に示す電解装置20を、図6に示す開放循環冷却水系に設置して処理を行った。図6において、30は冷却塔であり、下部の貯水槽31の冷却水がポンプP1を有する循環配管32より熱交換器33に送給され、戻り水が配管34より戻される。貯水槽31には、槽内の水をポンプP2を備える配管35より抜き出して、電解装置20で電解処理し、処理水を配管36より貯水槽31に戻す循環ラインが設けられている。なお、貯水槽31には、図示しない補給水配管より補給水が補給され、また、図示しないブロー配管より、ブロー水が系外へ排出される。
この冷却水系では、厚木市水5倍濃縮で300冷凍トンの運転を行った場合、補給水カルシウム硬度が40mg−CaCO3/Lであるから5倍濃縮理論カルシウム硬度は200mg−CaCO3/Lとなるが、電解装置20において、循環水の炭酸カルシウムスケール析出速度が15g−CaCO3/m3/hrとなるように、かつ多孔質陰極背面のアルカリ水室から排出する水量を電解室流出水の1/50となるよう運転条件を設定したところ、循環水中のMアルカリ度は100mg−CaCO3/L前後で安定運転が可能となり、開放点検時の熱交換器33へのスケール付着は見られなかった。
このような電解処理を施していない系では、スケールの析出しない限界の循環水中カルシウム硬度は120mg−CaCO3/L程度であることから、循環水のカルシウム硬度が100mg−CaCO3/Lを超えないように電解処理20を運転させることが望ましい。
この運転条件で運転を継続し、熱交換器33へのスケール析出速度を調べたところ、表3に示す結果が得られた。
なお、電解装置として、図3に示す電解装置20の代りに、図4に示す電解装置20Aを設け、多孔質陰極背面のアルカリ水室から排出する水量を電解室流出水量の1/20とした以外は同じ条件で処理した場合も、同様の結果が得られた。
比較例2
実施例2において、ポンプP2を停止して、循環水の電解処理を行わないこと以外は同様にして運転を行った。その結果、濃縮倍数による理論カルシウム硬度は200mg−CaCO3/Lであるが、循環水中のカルシウム硬度は120mg−CaCO3/Lまで低下して安定し、残りの80mg−CaCO3/L分は熱交換器及び冷却塔へ析出していた。
実施例2において、ポンプP2を停止して、循環水の電解処理を行わないこと以外は同様にして運転を行った。その結果、濃縮倍数による理論カルシウム硬度は200mg−CaCO3/Lであるが、循環水中のカルシウム硬度は120mg−CaCO3/Lまで低下して安定し、残りの80mg−CaCO3/L分は熱交換器及び冷却塔へ析出していた。
この運転条件で運転を継続し、熱交換器33へのスケール析出速度を調べたところ、表3に示す結果が得られた。
1 電解装置
2 陽極室
3 陰極室
4 陽極
5 陰極
6 隔膜
20,20A 電解装置
21A,22B 陽極
22A,22B 陰極
23A,23B 電解室
24 アルカリ水室
25A,25B 隔膜
30 冷却塔
31 貯水槽
33 熱交換器
2 陽極室
3 陰極室
4 陽極
5 陰極
6 隔膜
20,20A 電解装置
21A,22B 陽極
22A,22B 陰極
23A,23B 電解室
24 アルカリ水室
25A,25B 隔膜
30 冷却塔
31 貯水槽
33 熱交換器
Claims (8)
- 陽極と陰極との間に冷却水系の補給水又は冷却水が通水される電解装置を備えてなる冷却水処理装置において、
該電解装置は、該陰極で生成するアルカリ水の少なくとも一部を系外に排出するためのアルカリ水排出手段を有することを特徴とする冷却水処理装置。 - 請求項1に記載の冷却水処理装置において、該電解装置は、該陽極を有する陽極室と、該陰極を有する陰極室と、該陽極室と該陰極室とを隔てる隔膜とを備え、該陰極室に該アルカリ水排出手段を有することを特徴とする冷却水処理装置。
- 請求項1又は2に記載の冷却水処理装置において、該陰極は透水性を有する多孔体からなり、該アルカリ水排出手段は該多孔体を透過した透過水の少なくとも一部を排出するものであることを特徴とする冷却水処理装置。
- 陽極と陰極との間に冷却水系の補給水又は冷却水を通水して電解処理する冷却水処理方法において、
該陰極で生成するアルカリ水の少なくとも一部を系外に排出することを特徴とする冷却水処理方法。 - 請求項4に記載の冷却水処理方法において、該陽極を有する陽極室と該陰極を有する陰極室とが隔膜によって隔てられており、該陰極室からアルカリ水の少なくとも一部を系外に排出することを特徴とする冷却水処理方法。
- 請求項5に記載の冷却水処理方法において、該陽極室からの流出流量aと該陰極室からの流出流量bとの比a/bを70/30〜98/2とすることを特徴とする冷却水処理方法。
- 請求項4ないし6のいずれか1項に記載の冷却水処理方法において、該陰極は透水性を有する多孔体からなり、該多孔体を透過した透過水の少なくとも一部をアルカリ水として系外へ排出することを特徴とする冷却水処理方法。
- 請求項4ないし7のいずれか1項に記載の冷却水処理方法において、冷却水のランジェリア指数が正となるように電解処理条件及び/又はアルカリ水の系外への排出量を制御することを特徴とする冷却水処理方法。
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JP (1) | JP2005262197A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101905927A (zh) * | 2010-08-23 | 2010-12-08 | 林夏斌 | 一种输水管道水质处理装置 |
WO2013123037A1 (en) * | 2012-02-13 | 2013-08-22 | United Technologies Corporation | Heat exchange system configured with a membrane contractor |
-
2004
- 2004-07-05 JP JP2004198277A patent/JP2005262197A/ja active Pending
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