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JP2005257719A - 導波路作製方法 - Google Patents

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悠介 那須
Masaki Kamitoku
正樹 神徳
Yoshinori Hibino
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Abstract

【課題】 フェムト秒レーザ光を用いてPLCへの導波路描画を可能とし、屈折率変化量及び屈折率変化領域サイズ・形状の調整が高精度に行える導波路作製方法を提供する。
【解決手段】 フェムト秒レーザ光4を基板2中に集光し、基板2を3次元的もしくは2次元的に走査することで、前記フェムト秒レーザ光4の集光点の軌跡に沿って屈折率変化を誘起する。これにより、光導波路の作製を行う。ここで、基板2および集光点のどちらか或いは両方を走査し光導波路を作製する際、集光点の走査を複数回行い、且つ、集光点位置をずらしながら導波路を形成し、屈折率変化量調整や屈折率変化領域のサイズおよび形状の制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導波路の作製方法に関するものであり、透明材料であるPLC用ガラスに対し、フェムト秒レーザ光を照射することにより屈折率誘起を生じさせて、良好な導波路を作製することができるように工夫したものである。
従来から、フェムト秒レーザ光を透明な材料(本明細書においては、所定のレーザ光に対して透明な材料を称するにあたり、単に「透明材料」と適宜に称する。)に集光すると、集光点のみに多光子吸収を生じさせることで、透明材料内部で改質や加工などの処理を行うことができるという現象が知られている。こうした現象を利用して、フェムト秒レーザ光による、透明なガラス材料内部における屈折率の変化、結晶析出、マイクロボイドの生成等が可能である。
特に、バルクガラス内部での屈折率変化を利用してフェムト秒レーザ光による導波路描画が行われている。例えば平尾等による「光導波路及びその作製方法」(特開平9−311237号)では、フェムト秒レーザ光をガラス試料中に集光照射することで屈折率変化を誘起する。フェムト秒レーザ光照射に対し試料を相対的に移動することで、連続した屈折率変化領域が形成され、光の導波路が作製できる。試料の移動方法をいろいろ変えることで、3次元導波路のような複雑な導波路が形成できる。このような導波路描画(以降フェムト秒レーザ光をガラス中に集光し、導波路を描画する方法を単に導波路描画方法と呼ぶ)はこれまで、石英ガラス、カルコゲナイドガラスなどのバルクガラスを照射対象として用いられている。これらのバルクガラスは主に溶融法を用いて作製されたガラスが用いられている。
一方、シリコン基板あるいは石英基板上に形成した石英系ガラス光導波路によって構成されたプレーナ光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)[Takahashi,“Planar Iightwave circuit dcvices for optical communication;present and future ”, Proccedings of SPIE, vol. 5246, pp, 520-531 ]の研究開発が盛んに行われている。そこでは、アレイ導波路型波長合分波器(AWG)やマッハツェンダ干渉計、方向性結合器、TOスイッチなどの機能素子が開発され、それらの高性能化を目指すと共に、それらを更に組み合わせることで様々な高機能デバイスが実現されている。これらのPLCは火炎堆積法により堆積されたPLC用ガラスを用いて構成されており、堆積やエッチングを繰り返し行うことで実現される。このような方法で作製された光回路は、高性能・高機能な光回路を大量生産できるため、現在多く用いられている。
このようなPLCへ、フェムト秒レーザ光による導波路描画を応用することは、高性能・高機能な光回路が実現でき、産業的にとても有意義である。技術的に確立されたPLC回路に導波路描画をすることで、従来からあるバルクガラスへの導波路描画に比べ、回路規模や応用・性能面で優れた光回路が実現できる。しかしながら、従来からある導波路描画技術ではPLCへの導波路描画はきわめて困難である。
なぜなら、PLCを構成する火炎堆積法により堆積されたガラス薄膜(以降、PLCを構成する火炎堆積法により堆積されたガラス薄膜を、バルクガラスと区別するため、単にPLC用ガラスと呼ぶ)の屈折率誘起は極めて困難であり、且つ作製トレランスがとても低いことが挙げられる。
図2に従来の導波路描画技術を用いて、バルクガラスとPLCガラスに導波路描画する際の照射条件の比較を示す。フェムト秒レーザ光の照射パワーに対し、夫々のガラスに対して生じる変化を示している。照射パワーが低い場合何も生じないが、ある程度の大きさになると屈折率変化が生じるため導波路の形成が可能となる。更に高いパワーで照射すると光学損傷が生じるため導波路描画ができなくなる。この3段階の変化を図2に示している。
この図2から、石英のバルクガラスに比べ、PLC用ガラスにおいて屈折率変化を誘起できる条件は極めて狭く、導波路描画が困難であることが分かる。なぜなら、ガラスは構造的に自由度の高い原子構造であるため、その製法によっても特性は大きく異なるからである。
従来のフェムト秒レーザ光による導波路描画に使用されてきたバルクガラスは、おもに溶融法により作製されており、ガラスとしては緻密なものであり、添加物が少ない。そのため、レーザ光照射による損傷に対しても耐性が大きく、容易に導波路描画が可能である。
一方、火炎堆積法で堆積されたPLC用ガラスは、PLCの作製上、多くの添加物が混入されているのみならず、ガラスとしては疎な構造である。したがって、PLC用ガラスはレーザ光照射による光損傷を受けやすく、屈折率変化の誘起が格段に困難であるため、従来の導波路描画方法では導波路の作製はきわめて困難である。
PLCへの導波路描画が困難である第2の原因としては、PLCに必要とされる光導波路は、導波路サイズのみならず、導波路屈折率、偏波依存ロスなど多くの要素を制御しなければならないことが挙げられる。とくに、導波路のコア形状を矩形で且つ、コアサイズを5μm〜10μm、コアとクラッドの屈折率差を10-3〜10-2程度にしなければならない。
フェムト秒レーザ光による導波路描画は、大きく分けて、レーザ光の照射方向に対し垂直に描画する方法と平行に描画する方法の2つがあるが、PLCへの導波路描画は前者の方法を用いなければならない。この場合、フェムト秒レーザ光により描画できる導波路は、従来方法では楕円形状となってしまう。したがって、従来のフェムト秒レーザ光による導波路描画方法では、PLCに必要とされる矩形で且つ、コアサイズが5μm〜10μm、コアとクラッドの屈折率差が10-3〜10-2程度という導波路の描画ができない。
したがって、従来では、光通信や光計測などの分野に応用が有望なPLCに対して、フェムト秒レーザ光を利用して導波路描画をする技術は、有効な実現策として開発されるに至っていない。
特開平9−311237号公報 Takahashi,"Planar Iightwave circuit dcvices for optical communication;present and future ", Proccedings of SPIE, vol. 5246, pp, 520-531
PLCの導波路の全体もしくは一部を、フェムト秒レーザ光により作製する際の課題を2つ以下に述べる。
(1)従来の導波路描画方法では、屈折率変化の誘起が困難なPLC用ガラス薄膜への導波路描画は、極めて困難であり、且つ作製トレランスがとても低い。
(2)従来の導波路描画方法では、矩形で且つ、コアサイズを5μm〜10μm、コアとクラッドの屈折率差を10-3〜10-2程度の導波路を描画することは極めて困難である。
本発明では、以上2つの問題を解決することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成は、フェムト秒レーザ光を基板中に集光し、前記フェムト秒レーザ光の集光点付近において屈折率変化を誘起しながら、前記基板と前記集光点の位置を相対的に走査し光導波路を作製する方法において、
集光点の走査により誘起された屈折率変化領域が重なるように前記集光点を複数回走査し、走査毎に集光点位置を前記フェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動することで導波路を描画することを特徴とする。
また本発明は、上記の導波路作製方法において、火炎堆積法で石英系ガラス膜を基板へ堆積する工程と、前記フェムト秒レーザ光の集光用レンズとして、NA(開口数)が0.3以上0.5以下のレンズを用いて導波路を描画する工程を含むことを特徴とする。
また本発明は、走査毎に集光点位置をフェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動する際、その移動量を一度の走査で生じる屈折率変化領域の移動方向の幅の40%以下にすることを特徴とする。
本発明では、フェムト秒レーザ光を用いて光導波路を作製する際に、フェムト秒レーザ光の集光点の走査により誘起された屈折率変化領域が重なるように、集光点を複数回走査しているため、PLC(プレーナ光回路)に対しても対称性の良い導波路を作製することができる。
また本発明では、NAが0.3以上0.5以下の集光用レンズを用いてフェムト秒レーザ光を集光しているため、レーザ照射による損傷を生じることなく、光導波路を作製することができる。
更に本発明では、フェムト秒レーザ光の移動量を、一度の走査で生じる屈折率変化領域の移動方向の幅の40%以下にするため、光学損傷を生じることなく、屈折率変化領域の重なり量を最適な状態とすることができる。
本発明を実施するための最良の形態では、導波路の作製において、図1の様な光学系を用いる。即ち、1は走査用ステージ、2は基板、3は集光用レンズ(低NAレンズ)、4は超短パルスレーザ光(フェムト秒レーザ光)である。フェムト秒レーザ光とは、パルス発振するレーザ素子から発生するレーザ光であり、パルス幅がフェムト秒程度の短パルスを発生することができる。このため、ピークパワー強度が大きく、物質の改変に利用できる。
走査ステージ1を移動させることにより、基板2と、超短パルスレーザ光4を集光用レンズ3で集光してなる集光点の位置を、相対的に走査し光導波路を作製する際に、集光点の走査により誘起された屈折率変化領域が重なるように前記集光点を複数回走査し、且つ、図5に示すように、走査毎に集光点位置をフェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動することで導波路を描画する。
これにより、PLCガラス膜での屈折率変化の誘起を可能とし、且つ、コア形状が矩形で対称性良い導波路が得られる。同時に、コアサイズを、レーザ光走査毎の移動の全移動量により簡易に制御可能となり、屈折率を、レーザ光走査毎の移動量により簡易に制御可能となる。なお図5において、5は屈折率変化領域を示す。
また本発明の導波路作製方法においては、火炎堆積法で石英系ガラス膜を基板へ堆積する工程、フェムト秒レーザ光の集光用レンズ3としてNA(Numerical Aperture:開口数)が0.3以上0.5以下のレンズを用いて導波路を描画する工程を含む。
PLC用ガラスにおいて屈折率変化を誘起するためには、フェムト秒レーザ光の集光用レンズとして低NAレンズを用いる必要がある。従来のバルクガラスにおける導波路描画方法では、図3に示すように、高NAレンズ3aを用いて基板2aに対する照射パワーを大きくすることで、通信波長帯用の大きさの円形導波路(屈折率変化領域5a)が得られる。しかしながら、集光点におけるピークパワー強度が大きくなるためPLC用ガラスではレーザ光照射による損傷が生じてしまう。
本発明では低NAレンズを用い、集光点のピークパワーを比較的低くすることでレーザ光照射による損傷を避けることが第一の特徴である。レンズのワーキングディスタンスも長く取ることができ、基板の深いところにも導波路を描画することが可能である。但し、単に低NAのレンズを用いるだけで、PLCガラスの屈折率変化の誘起ができ、且つ、導波路描画が可能となるわけではない。
図4に示すように、低NAレンズ3で誘起した屈折率変化領域5はレーザ光の入射方向に縦長となる。そこで、請求項1に記載した様に、レーザ光の入射方向と基板面に垂直な方向に一定量ずらした場所に、再度フェムト秒レーザ光を照射する。これを繰り返すことで、矩形のコアが得られる(図5、図6参照)。高NAレンズを用いた方法に比べ、より大きなコアが得やすく、特に通信波長帯に最適なコアが得られる。ここで、用いる低NAレンズ3としては実効的なNAとして0.3以上0.5以下が必要である。
全走査量と照射位置のずらし量を調整することで、コアサイズおよびコアの屈折率が夫々独立に制御できる。図6では、形成するコアの一端から順次コアを拡大する方法を示しているが、走査順序を中央から両端へ片側ずつ、或いは、両端から中央へなど、走査する順番は特に問わない。また、図7に示すように、走査毎の移動量を変化させることでコアの屈折率分布を制御することも可能である。また、図8に示すように、走査毎のレーザ光照射パワーを変化させることで、コア内の屈折率分布を制御することも可能である。
このような方法により、PLC用ガラスの屈折率変化の誘起が容易となる。導波路を描画する際に複数回の走査で描画することは、単に導波路の形状・サイズ・屈折率の制御性を向上させるためだけではない。複数回の照射で屈折率の上昇を行うことでレーザ光照射による損傷を回避できる。一度に上昇する屈折率変化を少なくし、複数回照射することで、最終的に屈折率を10-3〜10-2程度得ることができる。
したがって、複数回走査する際、同じ場所に照射しないことも重要である。単に同じ場所を複数回照射しても、光損傷は生じてしまう。なぜなら、集光点の中心は光強度がその周辺よりも数倍大きく、屈折率変化の原因が多光子吸収過程によるものであるため、この中心での光損傷の生じ易さは、その周辺部と比べ指数関数的に増大されるからである。
したがって、導波路描画を複数回のレーザ光走査で行う際、走査位置をフェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動することで、PLCガラスの屈折率変化の誘起がより容易となり、導波路の作製トレランスの向上に繋がる。本発明の方法を用いることで、PLC用ガラスにおける導波路の描画条件が拡大し、導波路の実現可能な屈折率範囲・サイズ範囲が広がる。
以上の方法は特に火炎堆積法で堆積したPLC用ガラスにおいて特に有効であるが、これ以外のガラスにおいても有効である。通常のバルクガラスでも矩形の導波路が得られるほか、コアサイズ・屈折率などの制御性が向上する。
ここで本発明の実施例1を説明する。実施例1では、繰り返し周波数1kHz,波長775nm,パルス幅150fsのパルスをPLCガラス薄膜に集光した(NA=0.3〜0.4)。照射対象としては、PLC用ガラスであり、火炎堆積法で基板上に堆積したボロン・リン共添加ガラスである。
高NAレンズを用いて一度のみ走査することで導波路を描画する方法は、従来から報告されている。従来ある方法では、集光点で光パルスが高いピークパワーとなるため、レーザ光損傷が生じやすく、導波路の作製は困難である。
本発明による方法では、比較的NAの低いレンズを用いるため、光学損傷を避けることができる。検討では、PLCへの導波路描画に必要な、波長1.5μm用のシングルモード導波路の作製を行った。複数回走査して導波路を形成する。一度の走査で形成できるコア形状は高さ8.5μm、幅2μm程度とした。また、照射スピード、10[μm/s]、全走査回数20回、走査毎の移動量0.4μmで導波路を作製した。
作製したコアの屈折率分布形状を図9に示す。縦軸および横軸の座標ゼロにおける屈折率の断面プロファイルも同時に示す。良好な矩形導波路が得られていることが分かる。また、コアの屈折率は照射パワーにより制御でき、照射パワーを大きくすることで、コアの屈折率が大きくなる(図10参照)。
照射条件を最適化し、光学損傷を回避することで、対称性の良い矩形導波路(縦横比=1.01)が得られた。照射量197μWのとき、得られた屈折率変化量は約4×10-3、コアサイズは8.5×8.6μm2であった。波長1.5μm光を入射し、伝搬光のニアフィールドパターン測定を行った。フィールドパターンを図11に示す。縦軸および横軸の座標ゼロにおける強度の断面プロファイルも同時に示す。対称性の良好なガウシアン形状が得られており、波長1.5μm帯でのシングルモード動作を確認した。
照射パワーにより、コアの屈折率変化を制御できるため、伝搬光のモードフィールド径も制御可能であった(図12参照)。
次に本発明の実施例2を説明する。即ち、フェムト秒レーザ光の集光用レンズのNAに関する実施例を以下に述べる。使用したレーザ光は、繰り返し周波数1kHz,波長775nm,パルス幅150fsのフェムト秒レーザ光である。前述したようにPLC用ガラスに導波路を描画する際、実用的な見地から、導波路は矩形で、コアサイズは5μm〜10μm、コアとクラッドの屈折率差は10-3〜10-2程度でなければならない。
まず、異なるNAレンズを用いて屈折率変化の誘起できる条件を検討した。検討した結果を図13に示す。NAにより、屈折率変化が誘起できるレーザ光の強度範囲が変化することがわかる。強度範囲が広いほど、導波路の作製トレランスは高い。範囲が狭すぎると、レーザ光のパワー揺らぎなどにより、光学損傷の原因となる。NA0.5以上のレンズを用いた場合、屈折率変化の誘起できる条件がほとんど無く、実質的に導波路の描画は極めて困難である。したがって、実用的にはNA0.5以下のレンズを用いて導波路を作製しなければならない。このように、PLCガラスでは、低NAのレンズを用いることで集光点のピークパワーを下げなければ導波路描画が困難であることが分かる。
次に、描画できる導波路のコアサイズに関して検討した。同様に異なるNAのレンズを用いて描画できる導波路の最大サイズおよび最小サイズを調べた。但し、最小サイズに関しては、顕微鏡等で観察できるものとした。また、コアサイズの最大値は光学損傷が発生する条件で制限される。照射パワーを大きくするとコアサイズの大きさも大きくなるが、照射パワーを大きくしすぎると、光学損傷が生じた。この条件で作製できるコアサイズを最大値とした。これらを図14に示す。PLCガラス膜へ描画する導波路に必要なサイズ制限は、5μm〜10μmである。これを満たすNAは図14から、0.25〜0.5程度であることが分かる。このNAの範囲では、屈折率変化量も10-3〜10-2程度得られていた。
以上2つの検討より、PLCガラス膜に描画できるフェムト秒レーザ光集光用レンズとしては、NA0.25〜0.5程度であることが分かる。但し、作製トレランス、光学系の構築し易さなど、実用上の観点から、最も導波路描画に適した集光用レンズのNAは0.3〜0.5程度であった。
次に本発明の実施例3を説明する。導波路を描画する際に複数回レーザ光走査を行い、走査毎にレーザ光の入射方向と導波路描画方向に垂直な方向にレーザ光走査位置を移動させる。実施例3では、この移動量に関する検討を行った。使用したレーザ光は、繰り返し周波数1kHz,波長775nm,パルス幅150fsのフェムト秒レーザ光である。
一度レーザ光を走査して作製できる導波路状の屈折率変化は断面が楕円状となり、レーザ光の入射方向が長く、レーザ光の入射方向に垂直な方向が短い。この楕円状の屈折率変化領域において、レーザ光の入射方向に垂直な方向の幅を“屈折率変化領域の幅”と呼ぶ。この屈折率変化領域の幅は照射パワーやレンズNAにより変化する。導波路描画時にレーザ光走査毎に移動する量(以後「レーザ光走査毎の移動量」と呼ぶ)は、この屈折率変化領域の幅を考慮して設定する必要がある。屈折率変化領域の幅に対し、レーザ光走査毎の移動量が大きすぎると導波路の損失が増大する。逆に小さすぎると、同じ場所にレーザ光照射が多くされ、損傷の原因となる。
そこで、レーザ光走査毎の屈折率変化領域の重なり量(レーザ光走査毎の移動量と屈折率変化領域の幅の比)に対する導波路の損失を測定した(図15参照)。重なり量が100%近い付近では、レーザ光照射による損傷が生じたため、導波路が作製できなかった。また、重なり量が0%付近では導波路の損失が大きすぎ、測定できなかった。描画導波路が実用的に使用できるのは、損失が1dB/cm以下程度である。したがって、重なり度がおよそ40%以上で、光学損傷が生じない程度に設定する必要があることが分かる。つまり、走査毎に集光点位置をフェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動する際、その移動量を一度の走査で生じる屈折率変化領域の幅の40%以下にすることが望ましいことが分かった。
本発明は、光通信、光計測および光情報処理で用いられる導波路型光素子および光導波路の作製方法に利用可能である。
導波路作製に用いる光学系を示す構成図である。 従来のフェムト秒レーザ光による導波路描画技術を用いて、バルクガラスとPLC用ガラスに導波路を描画した際の作製トレランスを比較して示す特性図である。 高NAレンズによりフェムト秒レーザ光パルスを集光して作製した屈折率変化領域を示す概念図である。 低NAレンズによりフェムト秒レーザ光パルスを集光し、1度のみレーザ光走査して作製した屈折率変化領域を示す概念図である。 低NAレンズによりフェムト秒レーザ光パルスを集光し、複数回レーザ光走査し、且つ、照射位置をずらして作製した屈折率変化領域を示す概念図である。 低NAレンズを用いて導波路を作製する際の走査位置の全移動量と一度の移動量の関係を示す説明図である。 一度の移動量を変化させて導波路のコアの屈折率分布を制御する方法を示す説明図である。 走査毎の照射量を変化させて導波路のコアの屈折率分布を制御する方法を示す説明図である。 PLCガラス内に作製した導波路の屈折率分布測定結果を示す特性図である。 フェムト秒レーザ光の照射パワーに対するコアの屈折率変化量の変化を示す特性図である。 PLC用ガラス内に作製した導波路を伝搬する波長1.5μmの光のニアフィールドパターンを示す特性図である。 照射パワーを変化させ作製した導波路を伝搬する波長1.5μmの光のモードフィールド径を示す特性図である。 PLC用ガラス膜において屈折率変化の誘起がレーザ光パワー範囲のレンズNA依存性を示す特性図である。 PLC用ガラス膜において実現可能なコアサイズの最大値・最小値のレンズNA依存性を示す特性図である。 描画導波路の導波路損失の重なり量(レーザ光走査毎の移動量と屈折率変化領域の幅の比)依存性を示す特性図である。
符号の説明
1 走査用ステージ
2,2a 基板
3 集光用レンズ(低NAレンズ)
3a 高NAレンズ
4 超短パルスレーザ光
5,5a 屈折率変化領域

Claims (3)

  1. フェムト秒レーザ光を基板中に集光し、前記フェムト秒レーザ光の集光点付近において屈折率変化を誘起しながら、前記基板と前記集光点の位置を相対的に走査し光導波路を作製する方法において、
    集光点の走査により誘起された屈折率変化領域が重なるように前記集光点を複数回走査し、走査毎に集光点位置を前記フェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動することで導波路を描画することを特徴とする導波路作製方法。
  2. 請求項1の導波路作製方法において、
    火炎堆積法で石英系ガラス膜を基板へ堆積する工程と、
    前記フェムト秒レーザ光の集光用レンズとして、NA(開口数)が0.3以上0.5以下のレンズを用いて導波路を描画する工程を含むことを特徴とする導波路作製方法。
  3. 走査毎に集光点位置をフェムト秒レーザ光の入射方向および導波路の描画方向に垂直な方向に移動する際、その移動量を一度の走査で生じる屈折率変化領域の移動方向の幅の40%以下にすることを特徴とする請求項1あるいは請求項2の導波路作製方法。
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