JP2005139467A - 接着性エチレン系共重合体樹脂組成物およびその組成物を用いた積層体 - Google Patents
接着性エチレン系共重合体樹脂組成物およびその組成物を用いた積層体 Download PDFInfo
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Abstract
【効果】 上記組成物は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂およびエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂に対して、高温雰囲気下でも良好な接着力を保持する積層体を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
[I]シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)とを含むオレフィン重合用触媒を用いて調
製された、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]、
および
エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされた変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]
から選ばれた少なくとも1種の成分50〜95重量%と、
[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]4〜40重量%と、
[III] 周期律表第IV族の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒を用いて調製されたエチレン単独重合体[C1]、
同触媒を用いて調製されたエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]、
エチレン単独重合体[C1]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたエチレン単独重合体の変性物[C3]、および
エチレン・α- オレフィン共重合体[C2]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]から選ばれた少なくとも1種の成分1〜30重量%と
からなるとともに、変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]、エチレン単独重合体の変性物[C3]およびエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]の少なくとも1種の成分を含有している組成物であり、
エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、
(i)密度(d)が0.850〜0.895g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.01〜200g/10分の範囲にあり、
エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]は、
(i)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.1〜50g/10分の範囲にあり、
(ii)酢酸ビニル含有量が5〜40重量%であり、
エチレン単独重合体[C1]およびエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]は、
(i)密度(d)が0.900〜0.970g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.01〜100g/10分の範囲にあり、
(iii) X線回折法により測定した結晶化度が30%以上であり、
かつ、
この組成物は、
(i)密度(d)が0.870〜0.900g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.1〜100g/10分の範囲にあり、
(iii) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(iv)組成物全体に対するグラフト量が0.0001〜5重量%である
ことを特徴としている。
上記未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]としては、
(i)エチレン含有量が35〜98重量%の範囲にあり、
(ii)密度(d)が0.850〜0.980g/cm3 の範囲にあり、
(iii) 190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2 )が0.01〜200g/10分の範囲にあり、
(iv)190℃におけるメルトテンション(MT(g))とメルトフローレート(MFR2 )とが
MT>1.55×MFR2 -1.09
で示される関係を満たし、
(v)190℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10)と、190℃、
2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2 )との比(MFR10/MFR2 )が7〜50の範囲にあり、
(vi)下記式
B=POE/2PO・PE
[式中、PE は、共重合体中のエチレン単位の含有モル分率を示し、PO は、共重合体中のα- オレフィン単位の含有モル分率を示し、POEは、共重合体中の全ダイアド連鎖に対するエチレン・α- オレフィン連鎖の割合を示す]
から求められる共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すB値が0.9〜2の範囲にあり、
(vii) X線回折法により測定した結晶化度が30%以下である
エチレン・α- オレフィン共重合体が好ましい。
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂から選ばれた樹脂と、上記本発明に係る第2の接着性エチレン系共重合体樹脂組成物と、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)とを、この順序で、互いに溶融した状態で接触させた後、冷却して成形された3層構造の積層体、またはこの3層構造を含む4層以上の層構造を有する積層体であることを特徴としている。
本発明に係る第1の接着性エチレン系共重合体樹脂組成物は、
[I]特定のオレフィン重合用触媒を用いて調製された長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]に、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされた変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]、または
未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]および変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]と、
[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]と
を特定割合で含有している。
[I]上記長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]および変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]から選ばれた少なくとも1種の成分と、
[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]と、
[III] 周期律表第IV族の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒を用いて調製されたエチレン単独重合体[C1]、
同触媒を用いて調製されたエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]、
エチレン単独重合体[C1]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたエチレン単独重合体の変性物[C3]、および
エチレン・α- オレフィン共重合体[C2]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]
から選ばれた少なくとも1種の成分と
を特定割合で含有し、かつ、変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]、エチレン単独重合体の変性物[C3]およびエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]の少なくとも1種の成分を含有している。
未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]
本発明で用いられる未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、特定のオレフィン重合用触媒(いわゆるメタロセン系触媒の1種)を用いて調製されたエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなる長鎖分岐型のランダム共重合体である。
(i)エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]の密度(d)は、0.850〜0.895g/cm3 、好ましくは0.855〜0.890g/cm3 、より好ましくは0.860〜0.890g/cm3 の範囲にある。
(ii)エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]のメルトフローレート(MFRまたはMFR2 と表示する場合がある)は、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜20g/10分の範囲にある。
(iii)エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、190℃におけるメルトテンシ
ョン(MT(g))とメルトフローレート(MFR2(g/10分))とが、
MT>1.55×MFR2 -1.09
好ましくは MT>1.56×MFR2 -1.09
より好ましくは MT>1.57×MFR2 -1.09
で示される関係を満たしていることが望ましい。
(iv)エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、190℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10)と、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2 )との比(MFR10/MFR2 )が7〜50、好ましくは7〜45の範囲にあることが望ましい。
ン共重合体は、流動性が極めて良好である。
(v)エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、下記式から求められる共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すB値が0.9〜2の範囲にあることが望ましい。
[式中、PE は、共重合体中のエチレン単位の含有モル分率を示し、PO は、共重合体中のα- オレフィン単位の含有モル分率を示し、POEは、共重合体中の全ダイアド連鎖に対するエチレン・α- オレフィン連鎖の割合を示す。]
上記B値は、共重合体鎖中における各モノマー成分の分布状態を表す指標であり、G.J.Ray(Macromolecules,10,773(1977))、J.C.Randall(Macromolecules,15,353,(1982)、J.Polymer Science,Polymer Physics Ed.,11,275(1973))、K.Kimura(Polymer,25,441(1984))らの報告に基づいて、上記定義のPE 、PO およびPOEを求めることによって算出
される。上記B値が大きい程、ブロック的な連鎖が少なく、エチレンおよびα‐オレフィンの分布が一様であり、組成分布が狭い共重合体であることを示している。
z、フィルター幅1500Hz、パルス繰り返し時間4.2秒、パルス幅7μ秒、積算回数2000〜5000回の測定条件の下で測定し、このスペクトルからPE、PO、POEを求め、上記式より算出した。
(vi)X線回折法により測定した結晶化度が30%以下であることが望ましい。
(vii) エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]のGPCで測定した分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が1.5〜4、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあることが望ましい。
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはO-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
(viii)さらに、エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、分子中に存在する不飽和結合の数が炭素原子数1000個当り0.5個以下であり、かつ、共重合体1分子当り1個以下であることが望ましい。
(a)特定のインデニル基およびその置換体から選ばれた2個の基が炭素含有基またはケイ素含有基を介して結合した二座配位子を有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物、
(b)有機アルミニウムオキシ化合物、
必要に応じて
(c)担体、
(d)有機アルミニウム化合物
から形成されるオレフィン重合触媒(いわゆるメタロセン系触媒の1種)の存在下に、エチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.850〜0.895g/cm3 となるように共重合させることによって製造することができる。
(a)特定のインデニル基およびその置換体から選ばれた2個の基が低級アルキレン基を介して結合した二座配位子を有する周期律表第IVB族の遷移金属の化合物は、具体的には、下記式(I)で表わされる遷移金属化合物である。
上記一般式(I)において、Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
Kは、遷移金属原子に配位する配位子を示し、インデニル基およびその部分水添加物、
ならびに置換インデニル基およびその部分水添加物から選ばれる、同一または異なる2個の基が低級アルキレン基などの炭素含有基またはジアルキルシリレンなどのケイ素含有基を介して結合した2座配位子である。
ンデニル基、2-メチル-4- フェナントリルインデニル基、2-エチル-4- フェニルインデニル基、2-エチル-4- ナフチルインデニル基、2-エチル-4- アントラセニルインデニル基、2-エチル-4- フェナントリルインデニル基、2-プロピル-4- フェニルインデニル基、2-プロピル-4- ナフチルイデニル基、2-プロピル-4- アントラセニルインデニル基、2-プロピル-4- フェナントリルインデニル基などが挙げられる。
炭素原子数が1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示することができ、より具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のアラルキル基を例示することができる。
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rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドSO2Me、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドOSO2Me、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}チタニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ハフニウムジクロリドなどが挙げられる。本発明では、上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属置き換えた遷移金属化合物を用いることができる。
未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]の調製で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミノオキサンであってもよく、また特開平2−276807号公報で開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
また、この有機アルミニウム化合物として、一般式
(i-C4H9)xAly(C5H10)z
(x、y、zは正の数であり、z≧2xである)
で表わされるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
アルミノオキサンの製造の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。
担体(c)は、無機あるいは有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固体が使用される。
らの中でSiO2 およびAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
a2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al( NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差
し支えない。
数2〜14のα- オレフィンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体を例示することができる。
Ra nAlX3-n ・・・(II)
(式中、Ra は炭素原子数1〜12の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜3である。)
上記一般式(II)において、R1 は炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドなど。
Ra nAlY3-n ・・・(III)
(式(III) 中、Ra は上記一般式(II)中のRa と同様の炭化水素基を示し、Yは−ORb 基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg
)AlRh 2 基を示し、
nは1〜2であり、
Rb 、Rc 、Rd およびRh は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
Re は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、
Rf およびRg は、メチル基、エチル基などである。)
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が用いられる。
(1)Ra nAl(ORb)3-nで表わされる化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
(2)Ra nAl(OSiRc 3)3-n で表わされる化合物、たとえばEt2Al(OSiM
e3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSiEt3)など。
(3)Ra nAl(OAlRd 2)3-n で表わされる化合物、たとえばEt2AlOAlEt2
、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など。
(4)Ra nAl(NRe 2)3-n で表わされる化合物、たとえばMe2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2AlNHEt 、Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2AlN
(SiMe3)2 など。
(5)Ra nAl(SiRf 3)3-n で表わされる化合物、たとえば(iso-Bu)2AlSi
Me3 など。
(6)Ra nAl(N(Rg)AlRh 2)3-n で表わされる化合物、たとえばEt2AlN(Me)AlEt2 、(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
加圧条件下であり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方式においても行なうことができる。
変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]
本発明で用いられる変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]は、上述したエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]に、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされている。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などが挙げられる。
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル等の不飽和カルボン酸のエステル;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N- モノエチルアミド、マレイン酸-N,N- ジエチルアミド、マレイン酸-N- モノブチルアミド、マレイン酸-N,N- ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸-N- モノブチルアミド、フマル酸-N,N-ジブチルアミド等の不飽和カルボン
酸のアミド;
マレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド等の不飽和カルボン酸のイミド;
アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等の不飽和カルボン酸の金属塩などが挙げられる。これらの中では、無水マレイン酸、または無水ハイミック酸TMが最も好ましい。
トなどが用いられる。これらのうちではジクミルペルオキシド、ジ-t- ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
また、上記反応に際し、スチレンのような他のモノマーを共存させてもよい。
上記のようにして調製された変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]中における不飽和カルボン酸またはその誘導体から誘導されるグラフト基のグラフト量は、通常は0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.5重量%の範囲内にある。グラフト量は、本発明に係る接着性エチレン系共重合体樹脂組成物全体に対して0.0001〜5重量%の範囲内になるように調製するのが好ましい。工業的製造上からは、予めグラフト量0.01〜6重量%の変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]を製造しておき、次に、未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]に、この変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]を混合してグラフト量を調製する方法が、この組成物中におけるグラフト量を適当な調製が容易に行なえるため好ましい。また、目的とする接着性エチレン系共重合体樹脂組成物に対してグラフト量が上記のような範囲になるような所定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体をエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]に配合してグラフト変性を行なうこともできる。
エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]
本発明で用いられるエチレン・酢酸ビニル共重合体[B]は、下記のような特性を有している。
(i)エチレン・酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM D1238-65T、190℃、2.16kg荷重)は、0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜30g/10分の範囲にある。
(ii)エチレン・酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%の範囲にある。
エチレン単独重合体[C1]およびエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]
本発明で用いられるエチレン単独重合体[C1]、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]は、密度が0.900〜0.970g/cm3 、好ましくは0.910〜0.970g/cm3 の範囲にあり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR;ASTM D1238-65T)が0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、さらに好ましくは0.1〜30g/10分の範囲にあることが望ましい。
ち炭素原子数3〜10のα- オレフィンを用いることが特に好ましい。
エチレン単独重合体[C1]の変性物[C3]およびエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]の変性物[C4]
本発明で用いられるエチレン単独重合体の変性物[C3]またはエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]は、上述したエチレン単独重合体[C1]またはエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされている。
また、上記反応に際し、スチレンのような他のモノマーを共存させてもよい。グラフト変性は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の温度で、3分〜10時間、好ましくは3分〜6時間反応させることにより行なわれる。
接着性エチレン系共重合体樹脂組成物
本発明に係る第1の接着性エチレン系共重合体樹脂組成物は、
[I]変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]、または
未変性の長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]および変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]50〜95重量%、好ましくは65〜90重量%と、
[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%と
を含有している。ただし、成分[A1]、[A2]および[B]の合計量は、100重量%とする。
(i)密度(d)が、好ましくは0.870〜0.900g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましくは0.5〜50g/10分の範囲にあり、(iii) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(iv)組成物全体に対するグラフト量が0.0001〜5重量%である
ことが望ましい。
[I]未変性の長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]および変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]から選ばれた少なくとも1種の成分50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%、より好ましくは60〜90重量%と、
[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]4〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは7〜30重量%と、
[III] エチレン単独重合体[C1]、エチレン・α- オレフィン共重合体[C2]、エチレン単独重合体の変性物[C3]、およびエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]から選ばれた少なくとも1種の成分1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%と
からなるとともに、変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]、エチレン単独重合体の変性物[C3]およびエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]の少なくとも1種の成分を含有している。ただし、成分[A1]、[A2]、[B]、[C1]、[C2]、[C3]および[C4]の合計量は、100重量%とする。
(i)密度(d)が、好ましくは0.870〜0.900g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましくは0.5〜50g/10分の範囲にあり、(iii) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(iv)組成物全体に対するグラフト量が0.0001〜5重量%であることが望ましい。
積層体
本発明に係る積層体は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂から選ばれた樹脂と、上述した本発明に係る第1または第2の接着性エチレン系共重合体樹脂組成物と、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)とを、この順序で、互いに溶融した状態で接触させた後、冷却して成形された3層構造の積層体、またはこの3層構造を含む4層以上の層構造を有する積層体である。
ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- メタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- エタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- ブタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- ヘプタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- フェニル- メタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル-2,2- プロパン(ビスフェノールA)、4,4'- ジヒドロキシ-3,3- ジメチル- ジフェニル-2,2- プロパン、4,4'- ジヒドロキシ-ジクロロ- ジフェニル-2,2- プロパン、4,4'- ジヒド
ロキシ- ジフェニル-1,1-シクロへキサン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- メチル-
フェニル- メタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル- エチル- フェニル- メタン、4,4'- ジヒドロキシ- ジフェニル-2,2,2- トリクロロ-1,1- エタン、2,2'- ジヒドロキシジフェニル、2,6-ジヒドロキシナフタレン、4,4'- ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジクロロジフェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-2,5'-ジエトキシフェニルエーテルなどが挙げれる。
(ビスフェノールA)を用いたポリカーボネートが機械的性能と透明性に優れている点で好ましい。
(i) ポリエステル樹脂層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、EVOH層とからなる3層構造の積層体。
(ii)ポリエステル樹脂層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、EVOH層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、ポリエステル樹脂層とからなる5層構造の積層体。
(iii) ポリエステル樹脂層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、EVOH層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、ポリエチレン層とからなる5層構造の積層体。
(iv)ポリエステル樹脂層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、EVOH層と、ポリアミド層と、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層と、ポリエチレン層とからなる6層構造の積層体。
(v) 上記(i)〜(iv) の積層体において、ポリエステル樹脂層の代わりにポリカーボネート樹脂層またはポリ塩化ビニリデン樹脂層が積層されている積層体。
(vi)その他、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニリデン樹脂からなる層/接着性エチレン系共重合体樹脂組成物層/EVOH層を構成要素の一部として含む多層積層体が挙げられる。
本発明に係る積層体において、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリ塩化ビニリデン樹脂からなる層の厚さが0.02〜5mmの範囲にあり、接着性エチレン系共重合体樹脂組成物からなる層の厚さが0.01〜1mmの範囲にあり、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)からなる層の厚さが0.01〜1mmの範囲にあることが望ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
内容積200リットルの連続反応装置を用いて、滞留時間1時間、重合温度80℃、重合圧力5.6kg/cm2-G の条件下で、エチレンと1-オクテンとの共重合を行なった。その際の、ヘキサン、1-オクテン、エチレンおよび水素の供給量は、それぞれ95.5リットル/時間、4.5リットル/時間、3.4リットル/時間、10Nリットル/時間であった。
得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PEO)は、エチレン含有量が85.2重量%であり、密度が0.870g/cm3 であり、MFRが5.8g/10分であり、MTが0.76gであり、MFR10/MFR2 が8.2であり、B値が1.00であり、結晶化度が0%であり、分子中に存在する不飽和結合の数が共重合体1分子当り1個以下であった。
反応溶媒としてトルエンを用い、トルエン5.7リットル当たり825gの上記製造例1で得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PEO)を160℃で溶解させた。
上記製造例1で得られたPEO 75重量部と、変性例1で得られたMAH−PEO 5重量部と、酢酸ビニル含有量25重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体[三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名 エバフレックスP−2505、MFR2.5g/10分
]20重量部とをタンブラーで混合し、200℃に設定した40mmφの一軸押出機(ダルメージスクリュー)で混練造粒し、接着性樹脂組成物(I)を得た。
と、ポリエチレンテレフタレート樹脂[PET;三井ペット(株)製、商品名 J125
]を用いて、下記の条件で3層共押出フィルムを成形した。
<成形条件>
・シート構成および各層の膜厚
PET/(I)/EVOH=80/30/40(μm)
・押出機
ダイ径40mmφ:成形温度270℃ (PET用)
ダイ径40mmφ:成形温度240℃ ((I)用)
ダイ径40mmφ:成形温度220℃ (EVOH用)
・ダイス 270℃
・成形速度 5m/分
上記のようにして得られた3層共押出フィルムのPET層と接着性樹脂組成物(I)層との間の層間接着力、およびEVOH層と接着性樹脂組成物(I)層との間の層間接着力を剥離雰囲気温度23℃および60℃で測定した。
[実施例2]
実施例1で用いた接着性樹脂組成物(I)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂[EVOH;(株)クラレ製、商品名 エバールEP−F101A、エチレン含有量
32モル%]と、ポリカーボネート樹脂[PC;帝人化成(株)製、商品名 テイジンパ
ンライト L−1250]を用いて、下記の条件で3層共押出フィルムを成形した。
<成形条件>
・シート構成および各層の膜厚
PC/(I)/EVOH=80/30/40(μm)
・押出機
ダイ径40mmφ:成形温度270℃ (PC用)
ダイ径40mmφ:成形温度240℃ ((I)用)
ダイ径40mmφ:成形温度220℃ (EVOH用)
・ダイス 270℃
・成形速度 5m/分
上記のようにして得られた3層共押出フィルムのPC層と接着性樹脂組成物(I)層との間の層間接着力、およびEVOH層と接着性樹脂組成物(I)層との間の層間接着力を剥離雰囲気温度23℃および60℃で測定した。
[実施例3]
実施例1で用いた接着性樹脂組成物(I)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂[EVOH;(株)クラレ製、商品名 エバールEP−F101A、エチレン含有量
32モル%]と、ポリ塩化ビニリデン樹脂[PVDC;米国ダウ・ケミカル社製、商品名
サラン(SARAN)X05253−16]を用いて、下記の条件で3層共押出フィル
ムを成形した。
<成形条件>
・シート構成および各層の膜厚
PVDC/(I)/EVOH=40/30/80(μm)
・押出機
ダイ径40mmφ:成形温度200℃ (PVDC用)
ダイ径40mmφ:成形温度240℃ ((I)用)
ダイ径40mmφ:成形温度220℃ (EVOH用)
・ダイス 220℃
・成形速度 5m/分
上記のようにして得られた3層共押出フィルムのPVDC層と接着性樹脂組成物(I)層との間の層間接着力、およびEVOH層と接着性樹脂組成物(I)層との間の層間接着力を剥離雰囲気温度23℃および60℃で測定した。
[変性例2]
塩化マグネシウム担持型チタン系触媒とトリエチルアルミニウムとからなる触媒を用いて調製したエチレン・1-ブテン共重合体(以下、PEB(a)と略す場合がある;エチレン含有量 92重量%、密度 0.920g/cm3 、MFR2.2g/10分)100重量部と、無水マレイン酸0.9重量部と、過酸化物[日本油脂(株)製、商品名パーヘキシン−25B]0.08重量部とをヘンシェルミキサーで混合した。
この変性エチレン・1-ブテン共重合体(MAH−PEB(a))について無水マレイン酸のグラフト量を測定したところ、変性エチレン・1-ブテン共重合体100g当たり0.8gに相当する無水マレイン酸がグラフト重合していることがわかった。この変性エチレン・1-ブテン共重合体(MAH−PEB(a))は、密度が0.922g/cm3 であり、MFRが0.3g/10分であり、X線回折法により測定した結晶化度が40%であった。
上記製造例1で得られたPEO 65重量部と、変性例2で得られたMAH−PEB(
a)15重量部と、酢酸ビニル含有量25重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体[三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名 エバフレックスP−2505、MFR2.5g
/10分]20重量部とをタンブラーで混合し、200℃に設定した40mmφの一軸押出機(ダルメージスクリュー)で混練造粒し、接着性樹脂組成物(II)を得た。
得られた3層共押出フィルムのPET層と接着性樹脂組成物(II)層との間の層間接着力、およびEVOH層と接着性樹脂組成物(II)層との間の層間接着力を剥離雰囲気温度23℃および60℃で測定した。
[比較例1]
実施例4において、エチレン・1-オクテン共重合体(PEO)の代わりに従来から公知のバナジウム系チーグラー触媒を用いて調製したエチレン・1-ブテン共重合体(PEB(b))を用いた以外は、実施例4と同様にして、接着性樹脂組成物(III) を得た。
) を用いた以外は、実施例4と同様の条件で3層共押出フィルムを成形した。
得られた3層共押出フィルムのPET層と接着性樹脂組成物(III) 層との間の層間接着力、およびEVOH層と接着性樹脂組成物(III) 層との間の層間接着力を剥離雰囲気温度23℃および60℃で測定した。
Claims (3)
- [I]シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)とを含むオレフィン重合用触媒を用いて調製された、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]、
および
エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされた変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]
から選ばれた少なくとも1種の成分50〜95重量%と、
[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]4〜40重量%と、
[III] 周期律表第IV族の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒を用いて調製されたエチレン単独重合体[C1]、
同触媒を用いて調製されたエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]、
エチレン単独重合体[C1]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたエチレン単独重合体の変性物[C3]、および
エチレン・α- オレフィン共重合体[C2]に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]
から選ばれた少なくとも1種の成分1〜30重量%と
からなるとともに、変性エチレン・α- オレフィン共重合体[A2]、エチレン単独重合体の変性物[C3]およびエチレン・α- オレフィン共重合体の変性物[C4]の少なくとも1種の成分を含有している組成物であり、
エチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、
(i)密度(d)が0.850〜0.895g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.01〜200g/10分の範囲にあり、
エチレン・酢酸ビニル共重合体[B]は、
(i)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.1〜50g/10分の範囲にあり、
(ii)酢酸ビニル含有量が5〜40重量%であり、
エチレン単独重合体[C1]およびエチレン・α- オレフィン共重合体[C2]は、
(i)密度(d)が0.900〜0.970g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.01〜100g/10分の範囲にあり、
(iii) X線回折法により測定した結晶化度が30%以上であり、
かつ、
この組成物は、
(i)密度(d)が0.870〜0.900g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.1〜100g/10分の範囲にあり、
(iii) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(iv)組成物全体に対するグラフト量が0.0001〜5重量%である
ことを特徴とする接着性エチレン系共重合体樹脂組成物。 - 前記未変性のエチレン・α- オレフィン共重合体[A1]は、
(i)エチレン含有量が35〜98重量%の範囲にあり、
(ii)密度(d)が0.850〜0.895g/cm3 の範囲にあり、
(iii) 190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2 )が0.01〜200g/10分の範囲にあり、
(iv)190℃におけるメルトテンション(MT(g))とメルトフローレート(MFR2 )とが
MT>1.55×MFR2 -1.09
で示される関係を満たし、
(v)190℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10)と、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2 )との比(MFR10/MFR2 )が7〜50の範囲にあり、
(vi)下記式
B=POE/2PO・PE
[式中、PE は、共重合体中のエチレン単位の含有モル分率を示し、PO は、共重合体中のα- オレフィン単位の含有モル分率を示し、POEは、共重合体中の全ダイアド連鎖に対するエチレン・α- オレフィン連鎖の割合を示す]
から求められる共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すB値が0.9〜2の範囲にあり、
(vii) X線回折法により測定した結晶化度が30%以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の接着性エチレン系共重合体樹脂組成物。 - ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂から選ばれた樹脂と、請求項1に記載の接着性エチレン系共重合体樹脂組成物と、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)とを、この順序で、互いに溶融した状態で接触させた後、冷却して成形された3層構造の積層体、またはこの3層構造を含む4層以上の層構造を有する積層体であることを特徴とする積層体。
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