JP2005128292A - 焦点検出装置およびカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体信号に局所的に強いピークが存在する場合や、強いコントラストを有する周期的な信号パターンである場合において、適切に焦点検出することができる焦点検出装置を提供する。
【解決手段】第2の領域におけるコントラスト値NCを算出し(ステップS303)、算出されたコントラスト値NCを所定値Cthと比較する(ステップS304)。NCがCth以上である場合は広い基準領域を焦点検出演算範囲として選択し(ステップS308)、NCがCthより小さい場合は、基準領域のコントラスト値BCと第2の領域のコントラスト値NCとを比較し、基準領域と狭い第2の領域のいずれか一方を焦点検出演算範囲として選択する(ステップS307、S308)。そして、選択したいずれかの領域に対応するイメージセンサアレイからの出力信号列に基づいて、焦点検出演算を行って撮影レンズのデフォーカス量を演算する。
【選択図】図3
【解決手段】第2の領域におけるコントラスト値NCを算出し(ステップS303)、算出されたコントラスト値NCを所定値Cthと比較する(ステップS304)。NCがCth以上である場合は広い基準領域を焦点検出演算範囲として選択し(ステップS308)、NCがCthより小さい場合は、基準領域のコントラスト値BCと第2の領域のコントラスト値NCとを比較し、基準領域と狭い第2の領域のいずれか一方を焦点検出演算範囲として選択する(ステップS307、S308)。そして、選択したいずれかの領域に対応するイメージセンサアレイからの出力信号列に基づいて、焦点検出演算を行って撮影レンズのデフォーカス量を演算する。
【選択図】図3
Description
本発明は、オートフォーカスカメラに用いられる焦点検出装置に関する。
撮影画面内に設けられた焦点検出領域内の被写体像を検出することにより、撮影レンズの焦点調節を行うオートフォーカスカメラが知られている。このようなオートフォーカスカメラにおいて位相差検出方式と呼ばれる方法が用いられている。位相差検出方式では、次のようにして焦点調節が行われる。撮影レンズを通して入射され、撮影画面内の焦点検出領域を通過した光束により、撮影レンズによる撮影光学系とは別の焦点検出光学系を用いて、一対の被写体像を形成する。そして、この一対の被写体像を、一対のイメージセンサアレイによって構成される受光部により、それぞれ電気信号に変換する。こうして得られた被写体像信号のコントラスト(以下、単にコントラストという)に応じたそれぞれの受光部における被写体像の像位置の相対的なずれ量に基づいて、撮影光学系の予定焦点面に対するデフォーカス量を算出する。このようにして算出されるデフォーカス量に応じてフォーカシングレンズを駆動することにより、撮影光学系の合焦を達成する。
焦点検出の対象となる被写体の違いによって、コントラストパターン、すなわち被写体像信号の画素間での変化の様子は、様々に異なる。適切に焦点検出演算を行うためには、このコントラストパターンの違いに応じて、焦点検出領域の範囲を変える必要がある。たとえば、焦点検出領域の広い範囲に渡って分布しているようなコントラストパターンの場合は、それに応じて広い範囲で焦点検出する必要がある。逆に、局所的に強いピークが存在するようなコントラストパターンの場合には、その部分を含む狭い範囲で焦点検出したほうが、ノイズの影響を受けにくく、適切に焦点検出演算を行うことができる。
上記のことから、焦点検出領域に2つの領域(第1の領域と、その第1の領域の一部である第2の領域)を設定し、その両領域におけるコントラストの差に応じて、いずれかの領域を演算範囲として焦点検出を行う焦点検出装置が知られている。この焦点検出装置では、両領域のコントラストに差がほとんどない場合は、狭いほうの第2の領域を用い、差が大きい場合は、第1の領域を用いている。このようにすることで、様々なコントラストパターンの被写体に対して適切に焦点検出演算を行うようにしている(特許文献1)。
位相差検出方式では、全体的に周期的なコントラストパターンを持つ被写体に対して、像位置を正しく検出できずにピントがぼけた状態でも誤って合焦状態と判断してしまう、いわゆる偽合焦という現象が生じる。この偽合焦が生じるような被写体は、通常ユーザが一見して判断できるため、しかるべき処置を取ることで使用時における不都合とはならない。しかし、特許文献1の焦点検出装置では、コントラストの大きい周期的なコントラストパターンを有する被写体が局所的に存在する場合において、この周期的パターンの部分を含む狭い範囲を演算範囲として焦点検出を行うため、偽合焦が起こることがある。このような場合は、偽合焦を生じるような被写体であることがユーザにとって分かりにくいため、使用時において不都合が生じている。
請求項1の発明による焦点検出装置は、複数の光電変換素子からなり、被写体像の光強度に応じた信号列を出力する光電変換素子列と、撮影レンズを通過した光束のうち、撮影画面内に設定された焦点検出領域に対応する範囲の光束による被写体像を光電変換素子列上に結像する焦点検出光学系と、光電変換素子列から出力される信号列に基づいて、焦点検出領域内に設定された第1の領域における被写体像のコントラスト(第1のコントラスト)と、第1の領域内の一部に設定された第2の領域における被写体像のコントラスト(第2のコントラスト)とをそれぞれ算出し、算出された第2のコントラストが所定値以上である場合は第1の領域に対応する光電変換素子列を選択し、所定値より小さい場合は第1のコントラストと第2のコントラストの比較結果に基づいて第1の領域と第2の領域のいずれか一方の領域に対応する光電変換素子列を選択する演算範囲選択手段と、演算範囲選択手段により選択された第1または第2の領域に対応する光電変換素子列より出力される信号列に基づいて、撮影レンズの焦点調節状態を示すデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の焦点検出装置において、第2の領域は、第1のコントラストに基づいて設定されることとするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の焦点検出装置において、第2の領域における被写体像の光強度の最大値と最小値に基づいて、第2のコントラストの所定値を設定するものである。
請求項4の発明によるカメラは、請求項1〜3のいずれかの焦点検出装置を備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の焦点検出装置において、第2の領域は、第1のコントラストに基づいて設定されることとするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の焦点検出装置において、第2の領域における被写体像の光強度の最大値と最小値に基づいて、第2のコントラストの所定値を設定するものである。
請求項4の発明によるカメラは、請求項1〜3のいずれかの焦点検出装置を備えるものである。
本発明によれば、演算範囲選択手段によって、第1の領域における第1のコントラストと、第2の領域における第2のコントラストをそれぞれ算出し、第2のコントラストが所定値以上である場合は第1の領域に対応する光電変換素子列を選択し、所定値より小さい場合は第1のコントラストと第2のコントラストの比較結果に基づいて第1の領域と第2の領域のいずれか一方の領域に対応する光電変換素子列を選択する。そして、選択したいずれかの光電変換素子列からの出力信号列に基づいて、撮影レンズの焦点調節状態を示すデフォーカス量を演算することとした。このようにしたので、被写体像信号に局所的に強いピークが存在する場合には、狭い第2の領域を用いてノイズの影響を受けにくくして適切に焦点検出ができるとともに、強いコントラストを有する周期的な信号パターンである場合には、第1の領域を用いて偽合焦を生じることなく適切に焦点検出することができる。
図1に本発明の一実施形態による焦点検出装置を適用したカメラを示す。この焦点検出装置は、位相差検出方式によって、一眼レフタイプのカメラ100に取り付けられた撮影レンズ1の焦点調節状態を検出するものである。なお、カメラ100は、周知のとおりレリーズ信号に応じて撮影動作部101が動作して、フィルム撮像装置に被写体像を記録するものである。撮影レンズ1を通過した被写体からの光束が焦点検出光学系2に入射されると、その光束のうち撮影画面内に設けられた焦点検出領域に対応する範囲の光束により、一対の被写体像が一対のイメージセンサアレイ3上に結像される。一対のイメージセンサアレイ3はそれぞれ複数の光電変換素子を並べて構成されており、その光電変換素子ごとに被写体像の光強度に応じた信号を演算範囲決定部4へ出力する。
演算範囲決定部4は、イメージセンサアレイ3からの出力信号列により、焦点検出演算を行うための演算範囲を決定する。この演算範囲の決定方法は後で説明する。焦点検出演算部5は、演算範囲決定部4により決定された演算範囲内のイメージセンサアレイ3からの一対の出力信号列によって、一対の被写体像の像ずれ量を算出する。こうして、撮影レンズ1の焦点調節状態を示すデフォーカス量が求められる。
イメージセンサアレイ3は、前述のように複数の光電変換素子を連ねて構成されている。以下の説明では、52個の光電変換素子からなる一対のイメージセンサアレイA列およびB列を例として、その上に結像される一対の被写体像によってイメージセンサアレイA列とB列からそれぞれ出力される信号列をa[i]およびb[i](i=1〜52)と表すこととする。
焦点検出演算部5では、イメージセンサアレイA列およびB列より出力される一対の出力信号列の内の所定範囲のデータを相対的に所定のデータ分Lずつシフトしながら、相関演算を行う。最大シフト数をlmaxとするとLの範囲は−lmaxからlmaxとなる。具体的には、相関量C[L]を式(1)により算出する。
C[L]=Σ|a[i+L]−b[i]| (1)
ただし、L=-lmax,...,-2,-1,0,1,2,...,lmax
C[L]=Σ|a[i+L]−b[i]| (1)
ただし、L=-lmax,...,-2,-1,0,1,2,...,lmax
式(1)において、Σはi=k〜rの総和演算を表し、Lは上述したようにデータ列のシフト量に当たる整数である。総和演算の初項kと最終項rは、たとえば式(2)、(3)に示すように、シフト量Lに依存して変化させる。ここで、k0、r0はシフト量Lが0の時の初項と最終項である。
L≧0の時、
k=k0+INT{−L/2},
r=r0+INT{−L/2} (2)
L<0の時、
k=k0+INT{(−L+1)/2},
r=r0+INT{(−L+1)/2} (3)
L≧0の時、
k=k0+INT{−L/2},
r=r0+INT{−L/2} (2)
L<0の時、
k=k0+INT{(−L+1)/2},
r=r0+INT{(−L+1)/2} (3)
こうして得られる相関量C[L]はシフト量Lに応じた離散的な値であり、検出可能なデフォーカス量の最小単位は、イメージセンサアレイA列、B列の光電変換素子のピッチ幅によって制限されてしまう。そこで、離散的な相関量C[L]に基づいて補間演算を行うことにより、新たに真の極小値Cexを算出し、綿密な焦点検出を行う方法が本出願人によって特開昭60−37513号公報に開示されている。この方法によると、得られた相関量のうちの極小値(相関量C[l]とする)と、その両側のシフト量における相関量C[l+1]、C[l−1]とを用いて、真の極小値Cexとこれを与えるずれ量Lsを式(4)、(5)により算出する。ここで、関数MAX{Ca,Cb}はCaとCbの内の大なる方を選択することを意味する。
Cex=C[l]−|DL| (4)
Ls=l+DL/E (5)
ただし、DL=(C[l−1]−C[l+1])/2,
E=MAX{C[l+1]−C[l],C[l−1]−C[l]}
Cex=C[l]−|DL| (4)
Ls=l+DL/E (5)
ただし、DL=(C[l−1]−C[l+1])/2,
E=MAX{C[l+1]−C[l],C[l−1]−C[l]}
デフォーカス量DFは、式(5)によって表されるずれ量Lsから、式(6)により算出される。ここで、Kfは焦点検出光学系及びイメージセンサアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数である。
DF=Kf×Ls (6)
DF=Kf×Ls (6)
さらに、式(6)によって得られたデフォーカス量が真にデフォーカス量を示しているのか、ノイズなどによる相関量の揺らぎによるものなのかを判定する必要がある。そのため、式(7)に示す条件を満たしたとき、デフォーカス量は信頼ありとする。
E>E1 & Cex/E<G1 (7)
E>E1 & Cex/E<G1 (7)
式(7)におけるE1、G1は所定のしきい値である。数値Eは被写体のコントラストに依存する値であって、相関量の変化の様子を示し、この値が大きいほどコントラストが高く信頼性が高いことになる。以下では、数値Eを情報量と呼ぶ。なお、式(7)の条件判定において、一対のデータの一方に関するコントラストを算出し、それを情報量Eの代わりに用いて、所定のしきい値によりデフォーカス量の信頼性を判定してもよい。
ここで、式(4)により算出される極小値Cexは、一対の被写体像による一対のデータが最も一致したときの差分であるため、本来は0となる。しかしながら、ノイズの影響や、一対の被写体像において視差が生じているために、データに微妙な差が生じ、極小値Cexは通常0にならない。このようなノイズや被写体像の差の影響は、被写体のコントラストが高いほど小さい。このことより、式(7)の判定では、一対のデータの一致度を表す数値として、極小値Cexと情報量Eの比を表すCex/Eを用いている。当然ながら、Cex/Eが0に近いほど、一対のデータの一致度が高く信頼性が高いことになる。
以上説明したような相関演算(式(1)〜(3))、補間演算(式(4)〜(5))およびデフォーカス量演算(式(6))をまとめて、焦点検出演算と呼ぶことにする。この焦点検出演算を行うことで、一対のイメージセンサアレイ3上に結像された一対の被写体像によって、撮影レンズ1の焦点調節状態を示すデフォーカス量が求められる。さらに、求められたデフォーカス量の信頼性が式(7)の条件判定により判定され、その結果、信頼性があるとされた場合はそのデフォーカス量を焦点検出結果とし、信頼性がないとされた場合は焦点検出ができなかったとする。このようにして、焦点検出演算部5の処理が行われる。
さらに本実施形態では、演算範囲決定部4において、上記で説明した焦点検出演算で相関演算を行うときの演算範囲を、被写体像のコントラストに基づいて決定する。このとき、イメージセンサアレイ3からの出力信号列によって被写体像のコントラストを算出し、その算出結果に基づいて式(2)および(3)における初項k0と最終項r0の値を設定することにより、相関演算の演算範囲を決定する。これらの処理の具体的な内容を、図2に示すフローチャートを用いて以下に説明する。図2のフローチャートは、演算範囲決定部4と焦点検出演算部5において実行される処理フローである。
ステップS201では、演算範囲決定部4において、イメージセンサアレイ3からの出力信号列a[i]およびb[i]を入力する。ステップS202では、ステップS201で入力した信号列a[i]、b[i]により、式(2)および(3)における初項k0と最終項r0を定め、相関演算の演算範囲を決定する。なお、このステップS202における処理の詳細内容は、後で図3を用いて説明する。
ステップS203では、焦点検出演算部5において、ステップS202で演算範囲決定部4により決定された演算範囲、すなわち初項k0と最終項r0の値を用いて、上記に説明したような焦点検出演算を行うことにより、デフォーカス量を算出する。ステップS204では、ステップS203で算出されたデフォーカス量の信頼性があるか否かを式(7)を用いて判定する。式(7)を満たさない場合は信頼性がないと判定し、ステップS205へ進む。式(7)を満たす場合は信頼性があると判定し、ステップS206へ進む。
ステップS205では、焦点検出不能として図2の処理を終了する。このとき、撮影レンズ1の焦点調節(オートフォーカス動作)が行われない。一方、ステップS206では、焦点検出可能として図2の処理を終了する。この場合は、ステップS203で算出されたデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ1の焦点調節が行われる。
図2のステップS202における処理の詳細内容を図3のフローチャートに示す。ステップS301では、焦点検出領域内に設定された基準領域(第1の領域)における被写体像のコントラスト値BCを、その基準領域に対応するイメージセンサアレイの出力信号列に基づいて算出する。ここではA列の出力信号列a[i]を用いることとし、基準領域は、A列の52個の光電変換素子の内、中央部の36個に対応しているものとする。コントラスト値BCは式(8)により求められる。
BC=Σ|a[i]−a[i+t]| (8)
ただし、i=9〜44−t
BC=Σ|a[i]−a[i+t]| (8)
ただし、i=9〜44−t
式(8)においてtは整数であり、その値は1から4程度が好ましい。なお、式(8)の演算においてノイズの影響を除去するために、総和演算Σを計算する前の差分の絶対値、すなわち|a[i]−a[i+t]|の値が所定値以下の場合には、その値を0と置き換えて加算するとよい。
ステップS302では、基準領域内から別の領域(第2の領域)を抽出し、基準領域内の一部により狭い領域を設定する。この第2の領域の設定は基準領域のコントラスト分布に基づいて行われ、たとえば次の2つの方法がある。1つ目の方法は、基準領域におけるコントラスト分布の重心位置Jsを算出し、この重心位置Jsを中心とする所定の幅の領域を設定して、それを第2の領域とする方法である。重心位置Jsは式(9)により求められる。ここで、tは式(8)のものと同一である。
Js=Σ{|a[i]−a[i+t]|×i}
/Σ{|a[i]−a[i+t]|} (9)
ただし、i=9〜44−t
Js=Σ{|a[i]−a[i+t]|×i}
/Σ{|a[i]−a[i+t]|} (9)
ただし、i=9〜44−t
式(9)において、Jsは小数点以下を切り捨て、あるいは四捨五入といった処理を行って整数とする。そして、求められた重心位置Jsを中心とする所定範囲、たとえば幅12データの範囲を第2の領域に設定する。このとき、tの値の分だけ中心が広がるため、それに応じて設定する領域をずらす。たとえばtが1である場合は、中心がJsからJs+1の範囲となるので、第2の領域の先頭データ番号Ssと最終データ番号Seは式(10)により定まる。
Ss=Js−5,Se=Js+6 (10)
Ss=Js−5,Se=Js+6 (10)
2つ目の方法は、隣接するデータ、あるいは所定データ分離れたデータ間の差分の絶対値が最大となる部分Mcを検出し、その最大部分Mcを中心とする所定の幅の領域を第2の領域として設定する方法である。最大部分Mcは式(11)により求められる。
Mc=Max{|a[i]−a[i+t]|} (11)
ただし、i=9〜44−t
Mc=Max{|a[i]−a[i+t]|} (11)
ただし、i=9〜44−t
式(11)は、a[i+t]とa[i]の差の絶対値が最大となるiの値を表している。そして、算出された最大部分Mcを中心とする、たとえば幅12データの範囲を第2の領域に設定する。このときも、1つ目の方法と同様にtの値に応じて設定する領域をずらす。たとえばtが1である場合は、中心がMcからMc+1の範囲となるので、第2の領域の先頭データ番号Ssと最終データ番号Seは式(12)により求められる。
Ss=Mc−5,Se=Mc+6 (12)
Ss=Mc−5,Se=Mc+6 (12)
ステップS303では、ステップS302で上記に説明した2つの方法のいずれかを用いて抽出した第2の領域について、式(10)または(12)により求められた先頭データ番号Ssと最終データ番号Seを用いて、コントラスト値NCを式(13)により算出する。
NC=Σ|a[i]−a[i+t]| (13)
ただし、i=Ss〜Se−t
NC=Σ|a[i]−a[i+t]| (13)
ただし、i=Ss〜Se−t
式(13)のtは式(8)のものと同一であり、Σはi=Ss〜Se−tにおける総和演算を表している。この演算においても式(8)と同様に、ノイズの影響を除去するために、総和演算Σを計算する前の差分の絶対値である|a[i]−a[i+t]|の値が所定値以下の場合には、その値を0と置き換えて加算するとよい。なお、ステップS302において、上記の2つの方法以外によって第2の領域を抽出してもよい。その場合にも、抽出した第2の領域の先頭データ番号Ssと最終データ番号Seを用いて、式(13)によりコントラスト値NCを算出できる。
ステップS304では、ステップS303で算出した第2の領域のコントラスト値NCを所定値Cthと比較する。その結果、NCの方がCthより大きい場合には、ステップS308へ進んで基準領域を選択するようにする。そうでない場合は、ステップS305へ進む。
上述の所定値Cthは、第2の領域の被写体像に周期的パターンが存在するか否かを判別するために用いられるしきい値であり、たとえば式(14)に表す値が設定される。ここで、maxとminは、A列の出力信号列のうち第2の領域に対応するもの、すなわちa[i](i=Ss〜Se−t)における、最大値と最小値とをそれぞれ表す。なお、式(14)においてKtは2より大きいことが好ましい。
Cth=Kt×(max−min) (14)
Cth=Kt×(max−min) (14)
ステップS305では、ステップS301で式(8)により計算された基準領域のコントラスト値BCと、ステップS303で式(13)により計算された第2の領域のコントラスト値NCとを比較し、いずれか一方の領域を焦点検出演算範囲として選択する。この選択方法は、両者がほとんど同じ値であれば第2の領域を演算範囲とし、差が大きい場合には基準領域を演算範囲とする。具体的には、式(15)に示す条件の判定を行い、この条件を満たす場合は第2の領域を選択し、そうでなければ基準領域を選択する。ここで、式(15)のKsは実数であり、1から2程度が好ましい。
BC<Ks×NC (15)
BC<Ks×NC (15)
ステップS306では、ステップS305においてどちらの領域が選択されたかを判別し、第2の領域が選択された場合にはステップS307へ進む。ステップS307では、式(2)および(3)の初項k0と最終項r0に、次の式(16)によって表される値を設定して、図3の処理フローを終了する。その後、図2のステップS203へ進む。
k0=Ss,r0=Se (16)
k0=Ss,r0=Se (16)
式(16)において、k0に設定する初項Ssとr0に設定する最終項Seは、ステップS302において式(10)または(12)により求められたものであり、第2の領域が対応するイメージセンサアレイの光電変換素子を特定するためのものである。こうして、ステップS307を実行した場合には、第2の領域に対応する光電変換素子からの信号列に基づいて、図2のステップS203においてデフォーカス量が算出される。
一方、ステップS305において基準領域が選択されたとステップS306で判別した場合には、ステップS308へ進む。ステップS308では、式(2)および(3)の初項k0と最終項r0に、次の式(17)によって表される値を設定して、図3の処理フローを終了する。その後、図2のステップS203へ進む。
k0=9,r0=44 (17)
k0=9,r0=44 (17)
式(17)において、k0に設定する値9とr0に設定する値44は、基準領域が対応するイメージセンサアレイ中央部の36個の光電変換素子を特定するためのものである。こうして、ステップS308を実行した場合には、基準領域に対応する光電変換素子からの信号列に基づいて、図2のステップS203においてデフォーカス量が算出される。
以上説明した処理を適用した例として、図4および5に示す出力信号パターンを持つ被写体像に対して選択される焦点検出演算範囲を説明する。図4は、焦点検出領域内に周期的でない信号コントラストが局所的に存在する場合の例であり、基準領域ce1に対してステップS302で第2の領域ce2が設定されるものとする。この場合、ステップS303で式(13)により算出されるコントラスト値NCは、出力信号の最大値(符号41に示す点の信号レベル)と最小値(符号42に示す点の信号レベル)の差の2倍よりも大きくなることはない。
したがって、式(14)によって表されるしきい値Cthよりもコントラスト値NCは小さくなり、ステップS304が否定判定される。その結果、ステップS305以降の処理によって、第2の領域ce2が焦点検出演算範囲として選択される。このように、図4のような局所的に強いピークが存在するようなコントラストパターンの場合には、その部分を含む狭い第2の領域を用いることにより、ノイズの影響を受けにくくして適切に焦点検出演算を行うことができる。
図5は、焦点検出領域内に周期的な信号コントラストが局所的に存在する場合の例である。ここでも図4のときと同様に、基準領域ce1に対してステップS302で第2の領域ce2が設定されるものとする。この場合、ステップS303で式(13)により算出されるコントラスト値NCは、周期的に変化する信号レベルによって、出力信号の最大値(符号51に示す点の信号レベル)と最小値(符号52に示す点の信号レベル)の差の2倍より大きくなる。
したがって、コントラスト値NCは式(14)によって表されるしきい値Cth以上となり、ステップS304が肯定判定される。その結果、ステップS308によって、基準領域ce1が焦点検出演算範囲として選択される。このように、図5のような強い周期的なコントラストパターンが局所的にある場合には、広い基準領域を用いることにより、偽合焦を生じずに適切に焦点検出演算を行うことができる。
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)基準領域におけるコントラスト値BCを算出し(ステップS301)、さらに第2の領域におけるコントラスト値NCを算出して(ステップS303)、算出されたコントラスト値NCを所定値Cthと比較する(ステップS304)。NCがCth以上である場合は基準領域を焦点検出演算範囲として選択し(ステップS308)、NCがCthより小さい場合は、BCとNCを比較して(ステップS305)、第1の領域と第2の領域のいずれか一方を焦点検出演算範囲として選択する(ステップS307、S308)。そして、選択したいずれかの領域に対応するイメージセンサアレイからの出力信号列に基づいて、焦点検出演算を行って撮影レンズのデフォーカス量を演算する(ステップS203)こととした。このようにしたので、被写体像のコントラストに局所的に強いピークが存在する場合には、第2の領域を用いてノイズの影響を受けにくくして適切に焦点検出ができるとともに、強いコントラストを有する周期的な信号パターンが局所的にある場合には、基準領域を用いて偽合焦を生じることなく適切に焦点検出することができる。
(1)基準領域におけるコントラスト値BCを算出し(ステップS301)、さらに第2の領域におけるコントラスト値NCを算出して(ステップS303)、算出されたコントラスト値NCを所定値Cthと比較する(ステップS304)。NCがCth以上である場合は基準領域を焦点検出演算範囲として選択し(ステップS308)、NCがCthより小さい場合は、BCとNCを比較して(ステップS305)、第1の領域と第2の領域のいずれか一方を焦点検出演算範囲として選択する(ステップS307、S308)。そして、選択したいずれかの領域に対応するイメージセンサアレイからの出力信号列に基づいて、焦点検出演算を行って撮影レンズのデフォーカス量を演算する(ステップS203)こととした。このようにしたので、被写体像のコントラストに局所的に強いピークが存在する場合には、第2の領域を用いてノイズの影響を受けにくくして適切に焦点検出ができるとともに、強いコントラストを有する周期的な信号パターンが局所的にある場合には、基準領域を用いて偽合焦を生じることなく適切に焦点検出することができる。
(2)基準領域内の一部に第2の領域を設定するときに、基準領域のコントラスト分布に基づいて設定する範囲を決めることとした(ステップS302)。このようにしたので、コントラストの強い部分を含むように第2の領域を設定することができ、正しく焦点検出を行うことができる。
(3)第2の領域のコントラスト値NCを所定値Cthと比較するとき、第2の領域に対応するイメージセンサアレイからの出力信号における信号強度の最大値maxと最小値minに基づいて、所定値Cthを設定することとした(ステップS304)。このようにしたので、第2の領域のコントラスト分布に応じて、基準領域と第2の領域のいずれかを適切に焦点検出演算範囲として選択することができる。
なお、上記実施の形態では、第2の領域のコントラスト値NCと比較する所定値Cthを式(14)によって設定することとしたが、あらかじめ適当な固定値をCthとして設定しておくようにしてもよい。また、上記実施の形態で説明した各計算式や計算方法は一例であって、これ以外のものを用いて同様の処理を行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、焦点検出用の一対のイメージセンサアレイを用いて撮影画面内に設定した焦点検出領域に対応する被写体像を検出し、位相差検出方式によって焦点検出を行う例について説明した。しかし、位相差検出方式を用いて焦点検出を行うものである限り、本発明は適用することができる。たとえば、撮像用の撮像素子を用いて焦点検出領域に対応する画素上に結像する被写体像を検出し、位相差検出方式によって焦点検出をするようなものについても適用可能である。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も、本発明の範囲内に含まれる。
1:撮影レンズ
2:焦点検出光学系
3:イメージセンサアレイ
4:演算範囲決定部
5:焦点検出演算部
2:焦点検出光学系
3:イメージセンサアレイ
4:演算範囲決定部
5:焦点検出演算部
Claims (4)
- 複数の光電変換素子からなり、被写体像の光強度に応じた信号列を出力する光電変換素子列と、
撮影レンズを通過した光束のうち、撮影画面内に設定された焦点検出領域に対応する範囲の光束による被写体像を前記光電変換素子列上に結像する焦点検出光学系と、
前記光電変換素子列から出力される信号列に基づいて、前記焦点検出領域内に設定された第1の領域における前記被写体像のコントラスト(第1のコントラスト)と、前記第1の領域内の一部に設定された第2の領域における前記被写体像のコントラスト(第2のコントラスト)とをそれぞれ算出し、算出された第2のコントラストが所定値以上である場合は前記第1の領域に対応する光電変換素子列を選択し、所定値より小さい場合は前記第1のコントラストと前記第2のコントラストの比較結果に基づいて前記第1の領域と第2の領域のいずれか一方の領域に対応する光電変換素子列を選択する演算範囲選択手段と、
前記演算範囲選択手段により選択された第1または第2の領域に対応する光電変換素子列より出力される信号列に基づいて、前記撮影レンズの焦点調節状態を示すデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1の焦点検出装置において、
前記第2の領域は、前記第1のコントラストに基づいて設定されることを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1または2の焦点検出装置において、
前記第2の領域における被写体像の光強度の最大値と最小値に基づいて、前記第2のコントラストの所定値を設定することを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1〜3のいずれかの焦点検出装置を備えたカメラ。
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JP2003364459A JP2005128292A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | 焦点検出装置およびカメラ |
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-
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- 2003-10-24 JP JP2003364459A patent/JP2005128292A/ja active Pending
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