JP2005125931A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 運転者の要求に的確に対応して、車両の運動特性を制御する車両の制御装置を提供する。
【解決手段】 ECT_ECUは、パワーオンダウンシフト判断されると(S110にてYES)、アクセル開度を検知して(S120)、その時間変化率Aを算出するステップ(S130)と、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値よりも小さいと(S140にてYES)、出力軸の時間変化率と基準変化率とに基づいて路面勾配Bを算出して(S160)、路面勾配Bが勾配しきい値よりも大きいと(S170にてYES)、ダウンシフト後の駆動トルクが、変速前の駆動トルクとの差が解消されるようにスロットル制御を行なうようにエンジンECUに制御信号を出力するステップ(S180)とを含むプログラムを実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ECT_ECUは、パワーオンダウンシフト判断されると(S110にてYES)、アクセル開度を検知して(S120)、その時間変化率Aを算出するステップ(S130)と、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値よりも小さいと(S140にてYES)、出力軸の時間変化率と基準変化率とに基づいて路面勾配Bを算出して(S160)、路面勾配Bが勾配しきい値よりも大きいと(S170にてYES)、ダウンシフト後の駆動トルクが、変速前の駆動トルクとの差が解消されるようにスロットル制御を行なうようにエンジンECUに制御信号を出力するステップ(S180)とを含むプログラムを実行する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両の制御装置に関し、特に、運転者が加速を要求する場合および運転者が加速を要求しない場合のいずれの場合にも的確に対応することができる、車両の制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機は、エンジンとトルクコンバータ等を介して繋がるとともに複数の動力伝達経路を有してなる変速機構を有して構成され、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切り換えを行なう、すなわち自動的に変速比(変速ギヤ段)の切り換えを行なうように構成される。
一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動変速制御が行なわれる。
前進走行ポジションにおいては、スロットル開度(エンジン負荷)と車速とに応じて予め設定された変速パターンを使用して、検出したスロットル開度と車速とに応じて変速ギヤ段を設定し、変速制御を自動的に実行している。なお、通常、この変速パターンは、車速が同じであれば、スロットル開度が小さい程アップシフトされる傾向に、スロットル開度が大きい程ダウンシフトされる傾向に設定されている。
ところで、前進走行ポジションにおいて、たとえば登坂路を第3速で走行中に前方を走行中の車両との距離が大きくなり、追従するために緩やかに加速させたいと運転者が感じる場合がある。このような場合、運転者はゆっくりとアクセルペダルを踏み増しするという運転が一般的に行なわれる。
このような場合、通常の変速パターンでは、車速とスロットル開度によっては、第3速から第2速へのダウンシフト線を通過するため、第2速へのダウンシフトが発生する。このダウンシフトにおいては、運転者がアクセルを踏んでいるので、エンジンのスロットル開度が開いてエンジントルクが上昇するとともにダウンシフトされて急激に大きい(運転者の予測しない)加速度が生じる場合がある。このような場合を含めて、変速前後の変速ショックを防止する(トルク段差を生じさせない)技術が、以下の公報に開示されている。
特開平6−129273号公報(特許文献1:特許第3445291号公報)は、変速前後の変速比の違いによる駆動トルク差を吸収し、変速時のショックを低減させる駆動トルク制御装置を開示する。この駆動トルク制御装置は、エンジントルクを制御する制御手段と、自動変速機を制御する変速機制御手段とを備えた駆動トルク制御装置であって、変速開始直前の駆動トルクと変速終了直後の駆動トルクをほぼ等価に設定する手段と、変速中のトルク変動を抑制する手段とを備える。
駆動トルク制御装置によると、変速前後のギア比およびトルクコンバータの特性より、変速前後の駆動トルクがほぼ等しくなるためのエンジントルクを推定し、このエンジントルクに発生する吸入空気量をエンジンに与える。変速中は、変速指令信号とトルクコンバータの出力側タービン回転により吸入空気量を減少させ、エンジントルク減少を図ることによりイナーシャ変化分による駆動トルク変動を抑制する。また、変速終了前所定期間は、吸入空気量を通常より増加させてエンジン回転の低下速度を緩めエンジントルク上昇を図るとともに、変速終了後所定期間後は、通常の吸入空気量に復帰させて変速後のエンジン回転の落ち込みを防止する。このようにして、変速直前直後のトルクコンバータ出力低下を抑制して、かつ滑らかな変速を実現する。
特開平6−129273号公報(特許第3445291号公報)
しかしながら、上述したように、第3速での登坂路の走行中にゆっくりとアクセルペダルを踏み増ししたときにダウンシフトが発生したときには、特許文献1に開示されたように、変速前後でのトルク段差が少ないように制御されることが好ましい。一方、一律に特許文献1に開示された制御を実行すると、運転者のアクセルの踏み方や路面状態(登坂勾配)によっては、ダウンシフトして強い加速感を感じたいことに対応できない。すなわち、特許文献1に開示された制御を実行すると、運転者の経験上、アクセルを踏んでダウンシフトしたら駆動力が増加するように車両の運動特性が変化することが当然であると考えているのに、そのような運転者の要求を満足できない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、運転者の要求に的確に対応して、車両の運動特性を制御する車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、自動変速機を搭載した車両を制御する。この制御装置は、運転者の操作を検知するための検知手段と、自動変速機の変速前後の駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように車両を制御するための制御手段と、検知手段により検知された運転者の操作に基づいて、制御手段による制御の実行の可否を判断するための判断手段とを含む。
第1の発明によると、自動変速機の変速前後の駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように車両を制御するか否かが、運転者の操作に基づいて判断される。すなわち、運転者の操作が変速前後(特にダウンシフト)におけるトルク段差(すなわち加速度)を容認するようなものであると判断される場合には、駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように制御されない。一方、運転者の操作が変速前後におけるトルク段差を容認しないようなものであると判断される場合には、駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように制御される。このようにすると、たとえば、登坂路等において現在の加速感を維持したいために、少しだけ、あるいは少しずつアクセルペダルを踏み増しした場合には、トルク段差が生じないように、平坦路等において前方車両を追い越したいためにアクセルペダルを踏んだ場合には、トルク段差が生じるように、車両が制御される。そのため、運転者が加速感を得たくない場合にはトルク段差が生じないように、運転者が加速感を得たい場合にはトルク段差が生じるように、車両を制御することができる。その結果、運転者の要求に的確に対応して、車両の運動特性を制御する車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検知手段は、運転者のアクセル操作を検知するための手段を含む。
第2の発明によると、運転者が加速感を得たいか否かを運転者のアクセル操作に基づいて検知することができる。すなわち、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んだ場合、アクセルペダルを素早く踏み込んだ場合などは、加速感を得たいと判断して、制御手段によるトルク段差を解消するような制御を行なわない。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検知手段は、運転者のアクセル操作の時間変化を検知するための手段を含む。
第3の発明によると、運転者が加速感を得たいか否かを運転者のアクセル操作であって、その時間変化に基づいて検知することができる。すなわち、運転者がアクセルペダルを素早く踏み込んだ場合には、加速感を得たいと判断して、制御手段によるトルク段差を解消するような制御を行なわない。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、判断手段は、アクセル操作の時間変化が予め定められた値よりも小さいときに、制御手段による車両の制御の実行を可と判断するための手段を含む。
第4の発明によると、アクセル操作の時間変化が予め定められた値よりも小さいと、運転者が加速感を得たいと感じていないと判断して、制御手段によるトルク段差を解消するように制御を行なう。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、判断手段は、検知手段による運転者の操作に加えて、車両が登坂路の走行中にパワーオンダウンシフトされたことに基づいて、制御手段による車両の制御の実行の可否を判断するための手段を含む。
第5の発明によると、登坂路においてパワーオンダウンシフトが発生した場合において、運転者の操作(たとえばアクセル操作)に基づいて、運転者が変速前後におけるトルク段差を容認すると判断される場合には、駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように制御されず、一方、運転者の操作が変速前後におけるトルク段差を容認しないと判断される場合には、駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように制御される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000により実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。なお、本発明は、歯車式変速機構を有する自動変速機に限定されるものではなく、たとえばベルト式などの無段変速機であって、離散的に有数の変速ギヤ段が設定されたものであってもよい。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、詳しくは、図1に示すECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020により実現される。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサにより検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチと、入力軸側のポンプ羽根車と、出力軸側のタービン羽根車と、ワンウェイクラッチを有しトルク増幅機能を発現するステータとから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検知される。
このような自動変速機300は、その内部に複数の摩擦要素であるクラッチやブレーキを備える。予め定められた作動表に基づいて、摩擦要素であるクラッチ要素(たとえばクラッチC1〜C4)や、ブレーキ要素(たとえばブレーキB1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(たとえばワンウェイクラッチF0〜F3)が、要求された各ギヤ段に対応して、係合および解放されるように油圧回路が制御される。自動変速機300の変速ポジション(シフトポジション)には、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)、前進走行(D)ポジションがある。
これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT_ECU1020とを含む。
ECT_ECU1020には、出力軸回転数センサにて検知された出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサにて検知されたエンジン回転数NEを表わすエンジン回転数信号が入力される。
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して
設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
さらに、ECT_ECU1020は、エンジンECU1010にエンジン制御信号を出力し、エンジンECU1010は、そのエンジン制御信号や他の制御信号に基づいてエンジン100を制御する。特に、ECT_ECU1020は、パワーオンダウンシフト時における変速前後のトルク段差を解消するためのスロットル制御の実行をエンジンECU1020に指示する。ECT_ECU1020は、予め定められた条件が満足されると、スロットル制御を実行する。このとき、ECT_ECU1020は、変速後の目標駆動トルクを算出し(この目標駆動トルクは、変速前の駆動トルクと同じか、変速前の駆動トルクの延長線上にある)、この目標駆動トルクと変速後の変速ギヤ比とに基づいてエンジントルクTEを算出する。ECT_ECU1020は、スロットル制御として、このエンジントルクTEをエンジンECU1010に出力する。エンジンECU1010は、ECT_ECU1020により算出されたエンジントルクTEをエンジン100が出力するようにマップからスロットル開度を算出して、エンジン100のスロットル開度を制御する。
ECT_ECU1020は、トルクコンバータ200のロックアップクラッチ制御信号を出力する。このロックアップクラッチ制御信号に基づいて、ロックアップクラッチの係合圧が制御される。また、ECT_ECU1020は、自動変速機300にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、自動変速機300の油圧回路のリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速ギヤ段(たとえば第1速〜第5速)を構成するように、摩擦係合要素が係合および解放されるように制御される。
また、ECT_ECU1020には、アクセル開度センサ2100から運転者により操作されたアクセルペダルの開度を表わす信号が入力される。また、ECU1000は、各種データやプログラムや変速マップが記憶されたメモリを有する。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000のECT_ECU1020で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略して記載する)100にて、ECT_ECU1020は、車速およびスロットル開度を検知する。このとき、車速は、自動変速機300の出力軸回転数信号に基づいて、スロットル開度はエンジンECU1010から入力されたスロットル開度信号に基づいて検知される。なお、スロットル開度の代わりにアクセル開度であってもよい。
S110にて、ECT_ECU1020は、車速およびスロットル開度と記憶された変速マップとに基づいて、パワーオンダウンシフト判断ありか否かを判断する。この判断は、たとえば、変速マップが図3に示すような場合、ダウンシフト変速線(この場合、3速から2速へのダウンシフト変速線)を交差するようにスロットル開度が変化したときに、パワーオンダウンシフト判断ありと判断される。パワーオンダウンシフト判断ありと判断されると(S110にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S110にてNO)、この処理は終了する。
S120にて、ECT_ECU1020は、アクセル開度センサ2100から入力された信号に基づいて、アクセル開度を検知する。S130にて、ECT_ECU1020は、アクセル開度の時間変化率Aを算出する。S140にて、ECT_ECU1020は、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値よりも小さいか否かを判断する。アクセル開度の時間変化率A<アクセルしきい値であると(S140にてYES)、処理はS150へ移される。もしそうでないと(S140にてNO)、この処理は終了する。
S150にて、ECT_ECU1020は、出力軸回転数を検知する。S160にて、ECT_ECU1020は、出力軸回転数の時間変化率と基準変化率とに基づいて、車両が現在走行中の路面勾配Bを算出する。なお、このような出力軸回転数を用いた路面勾配の算出に代えて、Gセンサを用いて直接的に路面勾配Bを算出してもよいし、ナビゲーション装置からの情報に基づいて路面勾配Bを算出してもよい。
S170にて、ECT_ECU1020は、路面勾配Bが勾配しきい値よりも大きいか否かを判断する。路面勾配B>勾配しきい値であると(S170にてYES)、処理はS180へ移される。もしそうでないと(S170にてNO)、この処理は終了する。
S170にて、ECT_ECU1020は、路面勾配Bが勾配しきい値よりも大きいか否かを判断する。路面勾配B>勾配しきい値であると(S170にてYES)、処理はS180へ移される。もしそうでないと(S170にてNO)、この処理は終了する。
S180にて、ECT_ECU1020は、ダウンシフト後の駆動トルクが、変速前の駆動トルクとの差が小さくなるように、または変速前の駆動トルクの延長線上になるようにスロットル制御信号をエンジンECU1010に出力する。このとき、ECT_ECU1020は、変速後の目標駆動トルクを、変速前の駆動トルクと同じか、変速前の駆動トルクの延長線上にあるように算出し、この目標駆動トルクと変速後の変速ギヤ比とに基づいてエンジントルクTEを算出して、このエンジントルクTEをエンジン100が出力するようなスロットル制御信号をエンジンECU1010に出力する。エンジンECU1010は、ECT_ECU1020から入力されたエンジントルクTEをエンジン100が出力するようにスロットル開度を算出して、エンジン100のスロットル開度を制御する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の動作について説明する。
<運転者が変速前後のトルク段差を許容しない場合>
たとえば、車両が登坂路を第3速で走行中に、運転者がゆっくりとアクセルペダルを踏み増しした場合であって、車速とスロットル開度とに基づいて、図3に示すダウンシフト変速線を交差した場合には、パワーオンダウンシフト判断ありと判断される(S110にてYES)。このとき、運転者は、アクセルペダルをゆっくりと踏み増ししているので、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値よりも小さい(S140にてYES)。
たとえば、車両が登坂路を第3速で走行中に、運転者がゆっくりとアクセルペダルを踏み増しした場合であって、車速とスロットル開度とに基づいて、図3に示すダウンシフト変速線を交差した場合には、パワーオンダウンシフト判断ありと判断される(S110にてYES)。このとき、運転者は、アクセルペダルをゆっくりと踏み増ししているので、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値よりも小さい(S140にてYES)。
また、車両は登坂路を走行中であるので、出力軸回転数の時間変化率と基準変化率とに基づいて算出された路面勾配Bが勾配しきい値よりも大きい(S170にてYES)。このような場合には、変速前後のトルク段差を解消するスロットル制御が行なわれるようにエンジンECU1010に制御信号が出力される(S180)。
このため、登坂中に、運転者がアクセルペダルをゆっくりと踏んだ場合、パワーオンダウンシフト前後のトルク段差を解消するスロットル制御が行なわれる。このとき、図4に実線で示すように、駆動トルクは、変速前の駆動トルクの延長線上にあるので、運転者が大きなトルク段差を感じることがない。
<運転者が変速前後のトルク段差を許容する場合>
たとえば、運転者がアクセルペダルを急に踏んだ場合や、車両が平坦路を走行中の場合であって、車速とスロットル開度とに基づいて、図3に示すダウンシフト変速線を交差した場合には、パワーオンダウンシフト判断ありと判断される(S110にてYES)。このとき、運転者はアクセルペダルを急に踏んでいるので、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値以上である(S140にてNO)。
たとえば、運転者がアクセルペダルを急に踏んだ場合や、車両が平坦路を走行中の場合であって、車速とスロットル開度とに基づいて、図3に示すダウンシフト変速線を交差した場合には、パワーオンダウンシフト判断ありと判断される(S110にてYES)。このとき、運転者はアクセルペダルを急に踏んでいるので、アクセル開度の時間変化率Aがアクセルしきい値以上である(S140にてNO)。
また、車両は登坂路を走行中ではないので、出力軸回転数の時間変化率と基準変化率とに基づいて算出された路面勾配Bが勾配しきい値以下である(S170にてNO)。このような場合には、変速前後のトルク段差を解消するスロットル制御が行なわれない。すなわち、アクセル開度に対応するように、エンジンECU1010はスロットル開度を制御する。
このため、平坦路などや、運転者がアクセルペダルを急に踏んだ場合、パワーオンダウンシフト前後のトルク段差を解消するスロットル制御が行なわれない。このとき、図4に一点鎖線で示すように、駆動トルクは、変速前の駆動トルクの延長線上よりも上にあり、大きな加速度を生じさせる駆動トルクが発生する。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、自動変速機のパワーオンダウンシフト変速の前後における駆動トルクの変動を解消する制御を実行するか否かが、運転者の操作や路面の勾配状態に基づいて判断される。すなわち、登坂路において運転者のアクセル操作が急ではない場合には運転者が現在の加速度を維持したい、すなわち、ダウンシフト前後におけるトルク段差を容認しないと判断される場合には、駆動トルクの変動による変速ショックを防止するように制御される。一方、平坦路や運転者のアクセル操作が急であると、変速前後におけるトルク段差を容認すると判断され、駆動トルクの変動による変速ショックを防止するように制御されない。その結果、運転者が急な加速感を得たくない場合にはトルク段差が生じないように、運転者が十分な加速感を得たい場合にはトルク段差が生じるように、車両を制御することができるので、運転者の要求に的確に対応して、車両の運動特性を制御する車両の制御装置を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、200 トルクコンバータ、300 自動変速機、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、2100 アクセル開度センサ。
Claims (5)
- 自動変速機を搭載した車両の制御装置であって、
運転者の操作を検知するための検知手段と、
前記自動変速機の変速前後の駆動軸トルクの変動による変速ショックを防止するように車両を制御するための制御手段と、
前記検知手段により検知された運転者の操作に基づいて、前記制御手段による制御の実行の可否を判断するための判断手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記検知手段は、前記運転者のアクセル操作を検知するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記検知手段は、前記運転者のアクセル操作の時間変化を検知するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記判断手段は、前記アクセル操作の時間変化が予め定められた値よりも小さいときに、前記制御手段による車両の制御の実行を可と判断するための手段を含む、請求項3に記載の車両の制御装置。
- 前記判断手段は、前記検知手段による運転者の操作に加えて、前記車両が登坂路の走行中にパワーオンダウンシフトされたことに基づいて、前記制御手段による車両の制御の実行の可否を判断するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009518230A (ja) * | 2005-12-09 | 2009-05-07 | ディミトリオス・パナゴポウロス | 加速信号の増幅器‐新規技術の自動車用のオートパイロット |
CN114811031A (zh) * | 2022-04-25 | 2022-07-29 | 中国第一汽车股份有限公司 | 一种提升车辆加速动力响应的控制方法 |
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- 2003-10-23 JP JP2003363657A patent/JP2005125931A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070109 |