JP2005123280A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサ部表面のP型半導体領域と素子分離層下のP型ウエル領域とをオーバーラップさせたセンサ構造を採ると、当該P型ウエル領域が信号電荷蓄積領域の体積を減少させるため、その体積の減少分だけセンサ部の飽和信号電荷量が減少する。
【解決手段】センサ表面にP型半導体領域34を有するHADセンサ構造を採る固体撮像素子において、フォトダイオード21と素子分離層35との境目近傍に第2の半導体領域37を形成し、当該半導体領域37の作用により、フォトダイオード21と素子分離層35との間で発生する暗電流や当該暗電流に起因する白点欠陥を抑制することで、N型半導体領域(信号電荷蓄積領域)33の体積の減少を少なくして、フォトダイオード21の飽和信号電荷量の減少を最低限に抑える。
【選択図】図4
【解決手段】センサ表面にP型半導体領域34を有するHADセンサ構造を採る固体撮像素子において、フォトダイオード21と素子分離層35との境目近傍に第2の半導体領域37を形成し、当該半導体領域37の作用により、フォトダイオード21と素子分離層35との間で発生する暗電流や当該暗電流に起因する白点欠陥を抑制することで、N型半導体領域(信号電荷蓄積領域)33の体積の減少を少なくして、フォトダイオード21の飽和信号電荷量の減少を最低限に抑える。
【選択図】図4
Description
本発明は、固体撮像素子に関し、特に光電変換を行うセンサ部が、当該センサ部と素子分離層との間で発生する暗電流を抑制するセンサ構造を有する固体撮像素子に関する。
固体撮像素子、例えばMOS型あるいはCMOS型固体撮像素子では、光電変換を行うセンサ部(画素)の各々が、選択酸化による素子分離層、いわゆるLOCOS(local oxidation of silicon)層によってXYマトリクス状に画素分離(素子分離)されて形成される。具体的には、例えばN型のシリコン半導体基板にP型のウエル領域を形成した後、選択酸化による素子分離層(LOCOS層)を形成し、次いで薄い絶縁膜(例えば、SiO2 膜)を介して上記P型のウエル領域の表面にN型不純物をイオン注入して信号電荷蓄積領域を形成することによってセンサ部が作成される。
また、センサ部の表面、即ち信号電荷蓄積領域と絶縁膜との界面に、P型半導体領域を形成することによってセンサ表面から発生する暗電流を低減するセンサ構造(いわゆる、HAD(Hole Accumulated Diode)センサ構造)が一般的に採られている。この種の固体撮像素子では、センサ部の形成に際して、素子分離層上で位置合わせしたフォトレジスト層で他の領域を保護してN型不純物をイオン注入するために、素子分離層の端部にPN接合が現れる。素子分離層の端部には、応力で転位等の結晶欠陥の発生があることが知られている。したがって、PN接合に逆バイアスをかけることで発生した空乏層が、この結晶欠陥のある素子分離層の端部の領域にくると、その電界によってリーク電流が増加する。
センサ部において、このリーク電流が増加すると、光が入射していない状態でも電荷が発生し、これが暗電流となる。この暗電流は結晶欠陥によって発生しているために、各センサ部によって発生量が異なり、この暗電流の発生量の違いが画質上のむらとなって現れたり、白点欠陥となって現れたりする。このため、従来は、シリコン半導体基板に形成されたP型ウエル領域と素子分離層との間に第2のP型ウエル領域を形成するとともに、この素子分離層の下の第2のP型ウエル領域とセンサ部表面のP型半導体領域とをある程度オーバーラップさせていた(例えば、特許文献1参照)。
このように、センサ部表面のP型半導体領域と素子分離層の下のP型ウエル領域(第2のP型ウエル領域)とをオーバーラップさせたセンサ構造を採ることにより、センサ部と素子分離層との間で発生する暗電流や当該暗電流に起因する白点欠陥を抑制することができる。また、P型半導体領域とP型ウエル領域とのオーバーラップ量を多く設定する程、暗電流や白点欠陥の抑制効果は大きい。
しかしながら、センサ部表面のP型半導体領域と素子分離層の下の第2のP型ウエル領域とをオーバーラップさせたセンサ構造を採ると、当該P型ウエル領域がセンサ部の信号電荷蓄積領域ともオーバーラップすることになるため、そのオーバーラップ部分が信号電荷蓄積領域の体積を減少させることになる。信号電荷蓄積領域の体積が減少すると、その体積の減少分だけセンサ部の飽和信号電荷量が減少することになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、センサ部と素子分離層との間で発生する暗電流や当該暗電流に起因する白点欠陥を抑制しながら、センサ部の飽和信号電荷量の減少を最低限に抑えることが可能な固体撮像素子を提供することにある。
本発明による固体撮像素子は、第1導電型の第1のウエル領域上に形成された第2導電型の半導体領域と当該第2導電型の半導体領域上に形成された第1導電型の第1の半導体領域とを有する複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部の相互間の素子分離を行う素子分離層と、前記第1のウエル領域と前記素子分離層との間に形成された第1導電型の第2のウエル領域と、前記センサ部と前記素子分離層との境目近傍に形成された第1導電型の第2の半導体領域とを備えた構成となっている。
上記構成の固体撮像素子において、第1のウエル領域とのその上に形成された半導体領域とにより、PN接合型のセンサ部が形成される。このセンサ部において、第1の半導体領域は、センサ表面から発生する電荷(例えば、正孔)を蓄積することによって暗電流を低減する。第2のウエル領域は、センサ部のPN接合の位置を深くする。これにより、空乏層の広がり深さが深くなるため、センサ部における光電変換効率が増加する。第2の半導体領域は、センサ部のPN接合を、転位等の結晶欠陥が存在する素子分離層の端部から隔離し、PN接合にバイアスをかけたときに、空乏層を素子分離層の端部から離れた位置に発生させる。これにより、素子分離層の端部付近でのリーク電流の発生が抑制され、暗電流が低減する。すなわち、素子分離層の下の第2のウエル領域を第1の半導体領域とオーバーラップさせて形成しなくても、第2の半導体領域の作用によってセンサ部と素子分離層との間で発生する暗電流を低減できる。
本発明によれば、センサ部と前記素子分離層との境目近傍に形成した第2の半導体領域により、素子分離層の下の第2のウエル領域を第1の半導体領域とオーバーラップさせて形成しなくても暗電流を低減できるため、センサ部と素子分離層との間で発生する暗電流や当該暗電流に起因する白点欠陥を抑制でき、しかも上記オーバーラップに起因する信号電荷蓄積領域の体積の減少も少ないため、センサ部の飽和信号電荷量の減少を最低限に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体撮像素子、例えばCMOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型固体撮像素子の構成の概略を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るX−Yアドレス型固体撮像素子は、光電変換素子を含む画素(センサ部)が行列状に2次元配置されてなる撮像部11と、撮像部11の各画素を行単位で選択する垂直走査回路12と、撮像部11から行単位で読み出される各画素の信号に対してCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)処理などの信号処理を行う信号処理回路13と、この信号処理回路13から出力される1行分の画素信号を順次画素単位で選択する水平走査回路14と、この水平走査回路15によって選択された画素信号を順次出力する水平出力回路15とを有する構成となっている。
図2は、X−Yアドレス型固体撮像素子が例えばCMOSイメージセンサであるときの画素16の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。図2から明らかなように、画素16は、光電変換素子として例えばフォトダイオード(PD)21を有し、この1個のフォトダイオード21に対して、転送トランジスタ22、増幅トランジスタ23、アドレストランジスタ24およびリセットトランジスタ25の4個のトランジスタを能動素子として有する回路構成となっている。
フォトダイオード21はそのアノードが接地され、入射光をその光量に応じた量の電荷(ここでは、電子)に光電変換する。転送トランジスタ22は、フォトダイオード21のカソードとフローティングディフュージョン部FDとの間に接続され、転送配線26を通してそのゲートに転送パルスが与えられることで、フォトダイオード21で光電変換された電子をフローティングディフュージョン部FDに転送する。
フローティングディフュージョン部FDには増幅トランジスタ23のゲートが接続されている。この増幅トランジスタ23はアドレストランジスタ24を介して垂直信号線27に接続されている。そして、アドレス配線28を通して選択パルスがアドレストランジスタ25のゲートに与えられ、当該アドレストランジスタ25がオンすると、増幅トランジスタ23はフローティングディフュージョン部FDの電位を増幅してその電位に応じた電圧を垂直信号線27に出力する。垂直信号線27は、各画素から出力された電圧を信号処理回路13(図1参照)に伝送する。
リセットトランジスタ25は、電源Vddとフローティングディフュージョン部FDとの間に接続され、リセット配線29を通してそのゲートにリセットパルスが与えられることによってオン状態となり、フローティングディフュージョン部FDの電位を電源Vddの電位にリセットする。これらの動作は、転送トランジスタ22、アドレストランジスタ24およびリセットトランジスタ25の各ゲートが接続される各配線26,28,29が行単位で配線されていることから、1行分の各画素について同時に行われる。
図3は、画素16のフォトダイオード(PD)21、フローティングディフュージョン部FDおよび転送トランジスタ22のゲート部(読み出しゲート部)の構成例を示す平面パターン図である。また、図4に図3のX−X′矢視断面を示す。ここでは、半導体の導電型について、第1導電型をP型、第2導電型をN型の場合を例に挙げて説明するが、その逆であっても良いことは勿論である。
図4において、本実施形態に係る固体撮像素子では、N型シリコン基板31と、当該シリコン基板31上に形成されたP型ウエル領域32の構造を採用した構成となっている。センサ部であるフォトダイオード21は、P型ウエル領域32と、当該P型ウエル領域32の上に形成されたN型半導体領域(N層)33とによるPNダイオードによって形成されている。N型半導体領域33は、光電変換して得られる信号電荷(ここでは、電子)を蓄積する信号電荷蓄積領域となる。
フォトダイオード21は、N型半導体領域33と基板表面との界面に、第1のP型半導体領域(P層)34を有するHADセンサ構造を採っている。第1のP型半導体領域34は、センサ表面から発生する正孔を蓄積し、当該正孔に起因する暗電流を低減する作用をなす。フォトダイオード21の各々は、選択酸化による素子分離層(例えば、LOCOS層)35によって画素分離が図られている。
ここで、第1のP型ウエル領域32は、N型半導体領域33に適正な信号電荷量を蓄積し、過剰な信号電荷をN型シリコン基板31へオーバーフローするためのオーバーフローバリアとして機能する。この第1のP型ウエル領域32と素子分離層35との間には、第2のP型ウエル領域36が形成されている。この第2のP型ウエル領域36は、フォトダイオード21のPN接合の位置を深くする作用をなす。PN接合の位置が深くなることにより、空乏層の広がり深さが深くなるため、フォトダイオード21における光電変換効率が増加する。
フォトダイオード21はさらに、当該フォトダイオード21と素子分離層35との境目近傍に第2のP型半導体領域37を有している。この第2のP型半導体領域37は次のような作用をなす。すなわち、フォトダイオード21の形成に当たって、素子分離層35上に位置合わせしたフォトレジスト層で他の領域を保護してN型不純物をイオン注入してN型半導体領域33を形成する際に、素子分離層35の端部にPN接合が現れる。素子分離層35の端部には応力で転位等の結晶欠陥の発生があるため、PN接合に逆バイアスをかけることで発生した空乏層が、この結晶欠陥がある素子分離層35の領域にくると、その電界によって暗電流の発生原因となるリーク電流が増加する。
これに対して、第2のP型半導体領域37は、フォトダイオード21のPN接合を、転位等の結晶欠陥が存在する素子分離層35の端部から隔離し、PN接合にバイアスをかけたときに、空乏層を素子分離層35の端部から離れた位置に発生させる。これにより、素子分離層35の端部付近でのリーク電流の発生が抑制されるため暗電流が低減する。すなわち、従来技術のように、素子分離層35の下の第2のP型ウエル領域36を第1のP型半導体領域34とオーバーラップさせて形成しなくても、第2のP型半導体領域37の作用によってフォトダイオード21と素子分離層35との間で発生するリーク電流、ひいては暗電流を低減できる。
この第2のP型半導体領域37を形成するに当たっては、図3に示すように、フォトダイオード21で光電変換された信号電荷をフローティングディフュージョン部FDに転送する読み出しゲート部38から所定の距離d、例えば0.3μm程度の距離だけ離して形成するのが好ましい。このように、第2のP型半導体領域37を読み出しゲート部38から所定の距離dだけ離して形成することにより、P型不純物をイオン注入することによる読み出しゲート部38への影響を最小限に抑えることができるため、当該読み出しゲート部38に印加する転送パルスの電圧を上げなくてもフォトダイオード21からフローティングディフュージョン部FDへの信号電荷の転送を確実に行うことができる。
上述したように、フォトダイオード21と素子分離層35との境目近傍に第2の半導体領域37を形成することにより、フォトダイオード21のPN接合を、転位等の結晶欠陥が存在する素子分離層35の端部から隔離し、PN接合にバイアスをかけたときに、空乏層を素子分離層35の端部から離れた位置に発生させることができるために、素子分離層35の下の第2のP型ウエル領域36を第1のP型半導体領域34とオーバーラップさせて形成しなくても、フォトダイオード21と素子分離層35との間で発生する暗電流や当該暗電流に起因する白点欠陥を抑制できる。しかも、上記オーバーラップに起因するN型半導体領域(信号電荷蓄積領域)33の体積の減少も少ないため、フォトダイオード21の飽和信号電荷量の減少を最低限に抑えることができる。
第2の半導体領域37を設けないとき(従来技術)に第2のP型ウエル領域36がフォトダイオード21へ張り出していた(オーバーラップした)張り出し量に比べて、第2のP型ウエル領域36のフォトダイオード21への張り出し量が小さくても、具体的には図4に示すように、第2のP型ウエル領域36がフォトダイオード21へ全く張り出していなくても、原理的に、第2の半導体領域37による上記の作用効果を得ることができる。
ただし、図4では、素子分離層35の下の第2のP型ウエル領域36を、素子分離層35の端部よりもフォトダイオード21に張り出さない形で示しているが、当該第2のP型ウエル領域36の不純物濃度が濃いと横方向の拡散量が増えるため必然的にフォトダイオード21側に張り出してN型半導体領域33および第1のP型半導体領域34とオーバーラップし、信号電荷蓄積領域であるN型半導体領域33の体積を減少させ、飽和信号量を減少させることになる。
そこで、第2のP型ウエル領域36の不純物濃度を、当該第2のP型ウエル領域36を設けないとき(従来技術)の不純物濃度よりも薄くする。これにより、第2のP型ウエル領域36の不純物横方向の拡散量を減らすことができるため、当該第2のP型ウエル領域36のフォトダイオード21への張り出し量を抑え、N型半導体領域33の体積の減少を抑えることができる。また、第2のP型ウエル領域36が拡散によってたとえフォトダイオード21へ張り出したとしても、第2のP型ウエル領域36の不純物濃度が薄いことにより、当該第2のP型ウエル領域36の張り出し部分によるN型半導体領域33の体積は実質的にないものと考えることができるため、フォトダイオード21の飽和信号電荷量の減少を最低限に抑えることができる。
また、半導体領域37による上記作用、即ちPN接合にバイアスをかけたときに、空乏層を素子分離層35の端部から離れた位置に発生させる作用を、従来技術の場合のように素子分離層35の下の第2のP型ウエル領域36に持たせるのではなく、第2のP型ウエル領域36とは別に形成する第2の半導体領域37に持たせることにより、当該第2の半導体領域37を読み出しゲート部38から離して形成することができるため、フォトダイオード21からフローティングディフュージョン部FDへの信号電荷の読み出し動作(転送動作)に対するP型不純物のイオン注入による影響を最小限に抑えることができる。
なお、上記実施形態では、CMOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型固体撮像素子のセンサ部に適用した場合を例に挙げて説明したが、この適用例に限られるものではなく、本発明はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代表さる電荷転送型固体撮像素子のセンサ部にも同様に適用可能である。
本発明に係る固体撮像素子は、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラなどのカメラモジュールの撮像デバイスとして、さらにはカメラ機能を搭載した携帯電話機に代表される携帯端末装置の撮像デバイスとして用いることができる。
11…撮像部、12…垂直走査回路、13…信号処理回路、14…水平走査回路、15…水平出力回路、16…画素、21…フォトダイオード、22…転送トランジスタ、23…増幅トランジスタ、24…アドレストランジスタ、25…リセットトランジスタ、31…N型シリコン基板、32…第1のP型ウエル領域、33…N型半導体領域(信号電荷蓄積領域)、34…第1のP型半導体領域(正孔蓄積領域)、35…素子分離層、36…第2のP型ウエル領域、37…第2のP型半導体領域、38…読み出しゲート部
Claims (4)
- 第1導電型の第1のウエル領域上に形成された第2導電型の半導体領域と当該第2導電型の半導体領域上に形成された第1導電型の第1の半導体領域とを有する複数のセンサ部と、
前記複数のセンサ部の相互間の素子分離を行う素子分離層と、
前記第1のウエル領域と前記素子分離層との間に形成された第1導電型の第2のウエル領域と、
前記センサ部と前記素子分離層との境目近傍に形成された第1導電型の第2の半導体領域と
を備えたことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記第2のウエル領域は、前記センサ部への張り出し量が前記第2の半導体領域を設けないときの張り出し量よりも小さい
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。 - 前記第2のウエル領域は、その不純物濃度が前記第2の半導体領域を設けないときの不純物濃度よりも薄い
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。 - 前記第2の半導体領域は、前記センサ部から信号電荷を読み出す読み出しゲート部から離れて形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
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