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JP2005114710A - 転がり軸受ユニットの荷重測定装置 - Google Patents

転がり軸受ユニットの荷重測定装置 Download PDF

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JP2005114710A JP2004091831A JP2004091831A JP2005114710A JP 2005114710 A JP2005114710 A JP 2005114710A JP 2004091831 A JP2004091831 A JP 2004091831A JP 2004091831 A JP2004091831 A JP 2004091831A JP 2005114710 A JP2005114710 A JP 2005114710A
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Tomoyuki Yanagisawa
知之 柳沢
Takeshi Takizawa
岳史 滝澤
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NSK Ltd
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】 複列に配置された転動体9a、9bの間隔に拘らず、これら各転動体9a、9bの公転速度を測定可能にして、外輪1とハブ2bとに加わる荷重を測定できる構造を実現する。
【解決手段】 上記各転動体9a、9bを保持した保持器29a、29bのリム部28、28の軸方向寸法を大きくする。そして、これら各リム部28、28の互いに対向する面に、それぞれ公転速度検出用エンコーダ25a、25bを設ける。そして、単一のセンサユニット21に保持した公転速度検出用センサ23a、23aの検出部を、上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面に近接対向させる。この構成により、上記各転動体9a、9bの公転速度を測定可能にして、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、例えば自動車、鉄道車両、各種搬送車等の移動体の車輪を支持する為の転がり軸受ユニットの改良に関し、この転がり軸受ユニットに負荷される荷重(ラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)を測定し、上記移動体の運行の安定性確保を図る為に利用する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更にはビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)等の車両用走行状態安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行状態安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等の信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、ラジアル荷重を測定自在な、荷重測定装置付転がり軸受ユニットが記載されている。この従来の第1例の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、ラジアル荷重を測定するもので、図29に示す様に構成している。懸架装置に支持される外輪1の内径側に、車輪を結合固定するハブ2を支持している。このハブ2は、車輪を固定する為の回転側フランジ3をその外(軸方向に関して外とは、車両への組み付け状態で幅方向外側となる側で、各図の左側。本明細書全体で同じ。)端部に有するハブ本体4と、このハブ本体4の内(軸方向に関して内とは、車両への組み付け状態で幅方向中央側となる側で、各図の右側。本明細書全体で同じ。)端部に外嵌されてナット5により抑え付けられた内輪6とを備える。そして、上記外輪1の内周面に形成した複列の外輪軌道7、7と、上記ハブ2の外周面に形成した複列の内輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体9a、9bを配置して、上記外輪1の内径側での上記ハブ2の回転を自在としている。
上記外輪1の軸方向中間部で複列の外輪軌道7、7の間部分に、この外輪1を直径方向に貫通する取付孔10を、この外輪1の上端部にほぼ鉛直方向に形成している。そして、この取付孔10内に、荷重測定用のセンサである、円杆状(棒状)の変位センサ11を装着している。この変位センサ11は非接触式で、先端面(下端面)に設けた検出面は、ハブ2の軸方向中間部に外嵌固定したセンサリング12の外周面に近接対向させている。上記変位センサ11は、上記検出面と上記センサリング12の外周面との距離が変化した場合に、その変化量に対応した信号を出力する。
上述の様に構成する従来の荷重測定装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記変位センサ11の検出信号に基づいて、転がり軸受ユニットに加わる荷重を求める事ができる。即ち、車両の懸架装置に支持した上記外輪1は、この車両の重量により下方に押されるのに対して、車輪を支持固定したハブ2は、そのままの位置に止まろうとする。この為、上記重量が嵩む程、上記外輪1やハブ2、並びに転動体9a、9bの弾性変形に基づいて、これら外輪1の中心とハブ2の中心とのずれが大きくなる。そして、この外輪1の上端部に設けた、上記変位センサ11の検出面と上記センサリング12の外周面との距離は、上記重量が嵩む程短くなる。そこで、上記変位センサ11の検出信号を制御器に送れば、予め実験等により求めた関係式或はマップ等から、当該変位センサ11を組み込んだ転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を求める事ができる。この様にして求めた、各転がり軸受ユニットに加わる荷重に基づいて、ABSを適正に制御する他、積載状態の不良を運転者に知らせる。
尚、図29に示した従来構造は、上記転がり軸受ユニットに加わる荷重に加えて、上記ハブ2の回転速度も検出自在としている。この為に、前記内輪6の内端部に回転速度検出用エンコーダ13を外嵌固定すると共に、上記外輪1の内端開口部に被着したカバー14に回転速度検出用センサ15を支持している。そして、この回転速度検出用センサ15の検知部を、上記回転速度検出用エンコーダ13の被検出部に、測定隙間を介して対向させている。
上述の様な回転速度検出装置を組み込んだ転がり軸受ユニットの使用時、車輪を固定したハブ2と共に上記回転速度検出用エンコーダ13が回転し、この回転速度検出用エンコーダ13の被検知部が上記回転速度検出用センサ15の検知部の近傍を走行すると、この回転速度検出用センサ15の出力が変化する。この様にして回転速度検出用センサ15の出力が変化する周波数は、上記車輪の回転数に比例する。従って、この回転速度検出用センサ15の出力信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
上述の様な従来構造の第1例の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を測定する為のものであるが、転がり軸受ユニットに加わるアキシアル荷重を測定する構造も、特許文献2等に記載されて、従来から知られている。図30は、この特許文献2に記載された、アキシアル荷重を測定する為の荷重測定装置付転がり軸受ユニットを示している。この従来構造の第2例の場合、ハブ2aの外端部外周面に、車輪を支持する為の回転側フランジ3aを固設している。又、外輪1aの外周面に、この外輪1aを懸架装置を構成するナックル16に支持固定する為の、固定側フランジ17を固設している。そして、上記外輪1aの内周面に形成した複列の外輪軌道7、7と、上記ハブ2aの外周面に形成した複列の内輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体9a、9bを転動自在に設ける事により、上記外輪1aの内径側に上記ハブ2aを回転自在に支持している。
更に、上記固定側フランジ17の内側面複数個所で、この固定側フランジ17を上記ナックル16に結合する為のボルト18を螺合する為のねじ孔19を囲む部分に、それぞれ荷重センサ20を添設している。上記外輪1aを上記ナックル16に支持固定した状態でこれら各荷重センサ20は、このナックル16の外側面と上記固定側フランジ17の内側面との間で挟持される。
この様な従来構造の第2例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、図示しない車輪と上記ナックル16との間にアキシアル荷重が加わると、上記ナックル16の外側面と上記固定側フランジ17の内側面とが、上記各荷重センサ20を、軸方向両面から強く押し付け合う。従って、これら各荷重センサ20の測定値を合計する事で、上記車輪と上記ナックル16との間に加わるアキシアル荷重を求める事ができる。又、図示はしないが、特許文献3には、一部の剛性を低くした外輪相当部材の振動周波数から転動体の公転速度を求め、更に、転がり軸受に加わるアキシアル荷重を測定する方法が記載されている。
前述の図29に示した従来構造の第1例の場合、変位センサ11により、外輪1とハブ2との径方向に関する変位を測定する事で、転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する。但し、この径方向に関する変位量は僅かである為、この荷重を精度良く求める為には、上記変位センサ11として、高精度のものを使用する必要がある。高精度の非接触式センサは高価である為、荷重測定装置付転がり軸受ユニット全体としてコストが嵩む事が避けられない。
又、上述の図30に示した従来構造の第2例の場合、ナックル16に対し外輪1aを支持固定する為のボルト18と同数だけ、荷重センサ20を設ける必要がある。この為、荷重センサ20自体が高価である事と相まって、転がり軸受ユニットの荷重測定装置全体としてのコストが相当に嵩む事が避けられない。又、特許文献3に記載された方法は、外輪相当部材の一部の剛性を低くする必要があり、この外輪相当部材の耐久性確保が難しくなる可能性がある。更に、転動体の公転速度の測定精度を十分に確保できず、従って、転がり軸受ユニットに加わる荷重を正確に求める事が難しいものと考えられる。
この様な事情に鑑みて本発明者等は先に、複列アンギュラ型玉軸受である転がり軸受ユニットを構成する1対の列の転動体(玉)の公転速度に基づいて、この転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はアキシアル荷重を測定する、転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関する発明を行なった(特願2003−171715号、172483号)。図31は、この先発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置を示している。この先発明に係る構造の場合、外輪1の軸方向中間部で複列の外輪軌道7、7の間部分に形成した取付孔10aにセンサユニット21を挿通し、このセンサユニット21の先端部22を、上記外輪1の内周面から突出させている。この先端部22には、1対の公転速度検出用センサ23a、23bと、1個の回転速度検出用センサ15aとを設けている。
そして、このうちの各公転速度検出用センサ23a、23bの検出部を、複列に配置された各転動体9a、9bを回転自在に保持した各保持器24a、24bに設けた、公転速度検出用エンコーダ25a、25bに近接対向させて、各転動体9a、9bの公転速度を検出自在としている。又、上記回転速度検出用センサ15aの検出部を、ハブ2の中間部に外嵌固定した回転速度検出用エンコーダ26に近接対向させて、このハブ2の回転速度を検出自在としている。この様な構成を有する先発明に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置によれば、上記ハブ2の回転速度の変動に拘らず、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わる荷重(ラジアル荷重及びスラスト荷重)を求められる。
この様な先発明に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置により、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わる荷重を求めるべく、上記各列の転動体9a、9bの公転速度を検出する為には、上記各公転速度検出用センサ23a、23bの検出部を上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bに近接対向させる必要がある。図31に示した先発明に係る構造の場合、上記各公転速度検出用センサ23a、23bを回転速度検出用センサ15aと共にホルダ27に包埋支持して単一のセンサユニット21を構成し、このセンサユニット21の先端部22を、上記1対の保持器24a、24b同士の間に挿入している。
一方、車輪を支持する為の転がり軸受ユニットには、仕様が異なる各種のものが存在し、複列に設けられた転動体9a、9b同士の間隔、延てはこれら各列の転動体9a、9bを保持した1対の保持器24a、24b同士の間隔も各種異なる。例えば、比較的大型の自動車用の転がり軸受ユニットの場合、この間隔は大きく、小型の自動車用の転がり軸受ユニットの場合にはこの間隔が狭くなる。これに対して、上記センサユニット21に必要な大きさは、大型自動車用の場合と小型自動車用の場合とであまり変わらない。
従って、大型自動車用の転がり軸受ユニットで1対の保持器24a、24b同士の間隔が広い(例えば20mm以上である)場合、単にこれら両保持器24a、24b同士の間にセンサユニット21の先端部22を挿入しただけでは、1対の公転速度検出用センサ23a、23bの検出部と1対の公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面との距離を適正にできない場合が生じる。具体的には、これら各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面と上記各公転速度検出用センサ23a、23bの検出部との距離が大き過ぎて、上記各列の転動体9a、9bの公転速度検出の信頼性が損なわれる可能性がある。この場合に、外輪1の軸方向に関する上記センサユニット21の幅寸法を大きくして、このセンサユニット21に保持した1対の公転速度検出用センサ23a、23bの検出部の間隔を大きくする事も考えられる。但し、この場合には、上記センサユニット21を挿通すべく、上記外輪1に形成する取付孔10aを大きくする必要が生じ、この外輪1の強度を確保する面から不利になる為、好ましくない。
反対に、小型自動車用の転がり軸受ユニットで1対の保持器24a、24b同士の間隔が狭い(例えば11mm以下である)場合、図31に示した先発明に係る構造のままでは、これら両保持器24a、24b同士の間にセンサユニット21の先端部22を挿入できない可能性がある。この場合に、公転速度検出用エンコーダの被検出面を外周面とし、この被検出面と公転速度検出用センサの検出部とを径方向(ラジアル方向)に対向させる事も考えられる。但し、この様な構造を採用した場合には、公転速度検出用センサの配置が難しくなる等、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の設計の自由度が限定される為、好ましくない。
特開2001−21577号公報 特開平3−209016号公報 特公昭62−3365号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、1対の保持器同士の間隔に拘らず、複列に配置された転動体の公転速度を検出自在として、外輪とハブとの間に加わる荷重を測定できる転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は何れも、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、1対の保持器と、1対の公転速度検出用センサと、演算器とを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない。
又、上記ハブは、上記外輪の内径側にこの外輪と同心に配置されて、使用時に回転するもので、外周面に複列の内輪軌道を有する。
又、上記各転動体は、これら各内輪軌道と上記各外輪軌道との間に複列に分けて各列毎にそれぞれ複数個ずつ、これら各列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられている。
又、上記各保持器は、上記各列の転動体を転動自在に保持する為のものである。
又、上記各公転速度検出用センサは、上記各保持器の回転速度として上記各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する。
又、上記演算器は、上記各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて、上記外輪と上記ハブとの間に加わる荷重を算出する。
そして、請求項1、2に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、何れも、上記1対の公転速度検出用センサは、単一のセンサユニットに保持されている。そして、このセンサユニットは、上記外輪の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道同士の間部分に、この外輪の径方向にこの外輪を貫通する状態で設けられた、単一の取付孔に挿入されている。
又、請求項1に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記各保持器は、それぞれのリム部をこのセンサユニット側に位置させた状態で設けられており、これら各保持器のリム部のうちの少なくとも一方のリム部は、上記センサユニットに向けて軸方向に、本来このリム部に必要とされる長さ以上に延長している。そして、上記各保持器のリム部のうちで互いに対向する軸方向端面に、上記センサユニットに対向する軸方向片側面である被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた公転速度検出用エンコーダを設け、これら各公転速度検出用エンコーダの被検出面と上記各公転速度検出用センサの検出部との距離を、適正値に規制している。
一方、請求項2に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記各保持器は、それぞれのリム部をこのセンサユニット側に位置させた状態で設けられており、これら各保持器のリム部のうちで互いに対向する軸方向端面に、上記センサユニットに対向する軸方向片側面である被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた公転速度検出用エンコーダを設けている。そして、これら各公転速度検出用エンコーダのうちの少なくとも一方の公転速度検出用エンコーダの軸方向に関する厚さ寸法を、本来このエンコーダに必要とされる厚さ寸法よりも大きくする事により、これら各公転速度検出用エンコーダの被検出面と上記各公転速度検出用センサの検出部との距離を、適正値に規制にしている。
又、請求項3に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記1対の公転速度検出用センサは、互いに独立した1対のセンサユニットに保持されている。又、これら各センサユニットは、上記外輪の一部でこの外輪の軸方向に離隔した2個所位置にそれぞれこの外輪の径方向にこの外輪を貫通する状態で設けられた、1対の取付孔に挿入されている。そして、上記各保持器のリム部の軸方向端面に設けた公転速度検出用エンコーダの軸方向片側面で特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた被検出面と、上記各センサユニットに保持された上記各公転速度検出用センサの検出部との距離を、適正値に規制している。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、接触角の方向が互いに異なる1対の列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する事により、上記転がり軸受ユニットに負荷される荷重を測定できる。即ち、複列アンギュラ型の玉軸受や複列円すいころ軸受の如き転がり軸受ユニットに荷重が負荷されると、転動体(玉)の接触角が変化し、この転動体の公転速度が変化する。そこで、この公転速度を、保持器の回転速度として検出すれば、外輪とハブとの間に作用する荷重を求められる。
更に、本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、1対の保持器同士の間隔に拘らず、複列に配置された転動体の公転速度を検出できる。従って転がり軸受ユニットの仕様に拘らず、上記外輪と上記ハブとの間に加わる荷重を測定できる。
請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項4〜6に記載した様な構造を採用できる。
このうちの請求項4に記載した構造の場合には、1対の取付孔を、外輪の軸方向中間部で1対の外輪軌道の間部分に設ける。そして、1対の保持器のリム部に設けられた1対の公転速度検出用エンコーダの被検出面を、互いに対向する側に配置する。
この様に構成すれば、大型の転がり軸受ユニットの様に、1対の保持器のリム部同士の間隔が広い場合でも、これら各保持器の回転速度として、複列の転動体の公転速度を検出できる。
又、請求項5に記載した構造の場合には、1対の取付孔を、外輪の軸方向両端部で1対の外輪軌道とこの外輪の軸方向両端面との間部分に設ける。そして、1対の保持器のリム部に設けられた1対の公転速度検出用エンコーダの被検出面を、互いに反対側に配置する。 この様に構成すれば、小型の転がり軸受ユニットの様に、1対の保持器同士の間隔が狭い場合でも、これら各保持器の回転速度として、複列の転動体の公転速度を検出できる。
又、請求項6に記載した構造の場合には、1対の取付孔を、外輪の軸方向中間部で1対の外輪軌道の間部分と、この外輪の軸方向一端部で一方の外輪軌道とこの外輪の軸方向一端面との間部分とに設ける。そして、1対の保持器のリム部に設けられた1対の公転速度検出用エンコーダの被検出面を、軸方向に関して互いに同じ側に配置する。
この様な構造は、比較的小型の転がり軸受ユニットで、複列に配置された転動体同士の、軸方向に関する間隔が、1個の公転速度検出用センサのみを配置できる程度に狭い場合に有効である。即ち、両列の転動体同士の間部分の空間も利用しつつ、上記両保持器の回転速度として、複列の転動体の公転速度を検出できる。
又、請求項3〜6に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した様に、1対の取付孔を互いに平行に形成する。又、これら両取付孔にそれぞれ挿入される、互いに平行に設けられた1対のセンサユニットの基端部同士を、外輪の外径側に設けられた連結部により互いに一体的に連結する。
この様に構成すれば、上記外輪に対する上記両センサユニットの取付作業性が向上する。
又、好ましくは、請求項8に記載した様に、各転動体として玉を使用し、外輪の内周面に形成された複列アンギュラ型の外輪軌道と、ハブの外周面に形成された複列アンギュラ型の内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた玉に、背面組み合わせ型の接触角を付与する。
この様に構成すれば、剛性の高い転がり軸受ユニットで、上記荷重を十分な精度で測定できる。
又、好ましくは、請求項9、10に記載した様に、ハブの一部にこのハブと同心に設けられた回転速度検出用エンコーダの被検出面に、外輪の一部に支持された回転速度検出用センサの検出部を対向させる事で、上記ハブの回転速度を検出自在とする。
そして、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との和と、上記ハブの回転速度との比に基づいて、上記外輪と上記ハブとの間に加わるラジアル荷重を算出する(請求項9に記載した発明の場合)。或は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との差と、上記ハブの回転速度との比に基づいて、上記外輪と上記ハブとの間に加わるアキシアル荷重を算出する(請求項10に記載した発明の場合)。
この様に構成すれば、上記ハブの回転速度の変動に拘らず、転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重及びスラスト荷重)を、正確に求められる。尚、1対の列の転動体の公転速度の比に基づいて上記アキシアル荷重を算出すれば(請求項11に記載した発明の場合)、上記ハブの回転速度を求めなくても、この回転速度変化に拘らず、上記アキシアル荷重を正確に求められる。
図1〜4は、請求項1、8〜11に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例は、自動車の駆動輪(FR車、RR車、MR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重及びアキシアル荷重)を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に本発明を適用した場合に就いて示している。懸架装置に支持される外輪1の内径側に、車輪を結合固定するハブ2bを支持している。このハブ2bは、車輪を固定する為の回転側フランジ3をその軸方向外端部に有するハブ本体4aと、このハブ本体4aの軸方向内端部に外嵌された内輪6とを備える。上記ハブ本体4aの中心部には、図示しない等速ジョイントに付属のスプライン軸を挿通する為のスプライン孔31を形成している。上記内輪6の内端面は、上記ハブ2bを等速ジョイントに結合固定した状態で、この等速ジョイントのハウジングの外端面に当接して、上記ハブ本体4aからの抜け止めを図られる。
この様なハブ2bの外周面に形成した複列アンギュラ型の内輪軌道8、8と、上記外輪1の内周面に形成した複列アンギュラ型の外輪軌道7、7との間に、それぞれ転動体(玉)9a、9bを複列(2列)に分けて、各列毎にそれぞれ複数個ずつ、保持器29a、29bにより保持した状態で転動自在に設ける事により、上記外輪1の内径側に上記ハブ2bを、回転自在に支持している。この状態で上記各列の転動体9a、9bには、互いに逆方向で、且つ、同じ大きさの接触角αa 、αb (図4)が付与されて、背面組み合わせ型の、複列アンギュラ型玉軸受を構成する。上記各列の転動体9a、9bには、使用時に加わるアキシアル荷重によって喪失する事がない程度に十分な予圧を付与している。この様な転がり軸受ユニットの使用時には、上記外輪1を懸架装置に支持固定し、上記ハブ2bの回転側フランジ3に制動用のディスクと車輪のホイールとを支持固定する。
上述の様な転がり軸受ユニットを構成する上記外輪1の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道7、7の間部分に単一の取付孔10aを、この外輪1を径方向に貫通する状態で形成している。そして、この取付孔10aに単一のセンサユニット21を、上記外輪1の径方向外方から内方に挿通し、このセンサユニット21の先端部22を、上記外輪1の内周面から突出させている。この先端部22には、1対の公転速度検出用センサ23a、23bと、1個の回転速度検出用センサ15aとを設けている。
このうちの各公転速度検出用センサ23a、23bは、上記複列に配置された転動体9a、9bの公転速度を測定する為のもので、上記先端部22のうち、上記ハブ2bの軸方向(図1〜2の左右方向)に関する両側面に、それぞれの検出面を配置している。本実施例の場合、上記各公転速度検出用センサ23a、23bは、上記複列に配置された各転動体9a、9bの公転速度を、前記各保持器29a、29bの回転速度として検出する。この為に本実施例の場合には、これら各保持器29a、29bを構成するリム部28、28を、互いに対向する側に配置している。そして、これら各リム部28、28の互いに対向する面に、それぞれが円輪状である公転速度検出用エンコーダ25a、25bを、全周に亙り添着支持している。これら各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面の特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させて、上記各保持器29a、29bの回転速度を上記各公転速度検出用センサ23a、23bにより検出自在としている。
この為に、これら各公転速度検出用センサ23a、23bの検出面を、上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面である、互いに対向する面に近接対向させている。尚、これら各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面と上記各公転速度検出用センサ23a、23bの検出面との距離(測定隙間)は、上記各保持器29a、29bのポケットの内面と上記各転動体9a、9bの転動面との間の隙間であるポケット隙間よりも大きく、2mm以下とする事が好ましい。上記測定隙間がポケット隙間以下になると、上記各保持器29a、29bがこのポケット隙間分変位した場合に、上記被検出面と上記検出面とが擦れ合う可能性を生じる為、好ましくない。反対に、上記測定隙間が2mmを越えると、上記各公転速度検出用センサ23a、23bにより上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの回転を正確に測定する事が難しくなる。
上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面と上記各公転速度検出用センサ23a、23bの検出面との距離(測定隙間)を上述の様な適正範囲に規制する為に本実施例の場合には、上記各保持器29a、29bのリム部28、28を、前記センサユニット21に向けて軸方向に延長している。即ち、これら各リム部28、28の軸方向寸法を、上記各保持器29a、29bの強度確保の為に必要とする以上に大きくしている。従って上記1対のリム部28、28同士の間隔D28は、前述の図31に示した様な、一般的な保持器24a、24bをそのまま本実施例の転がり軸受ユニットに組み込む場合に比べて短くなっている。従って本実施例の場合、前記各内輪軌道8、8同士の間隔並びに前記各外輪軌道7、7同士の間隔が、上記図31に示した先発明に係る構造の場合に比べて広いにも拘らず、上記1対のリム部28、28同士の間隔D28は、この先発明に係る構造の場合とほぼ同じとなっている。従って、上記各内輪軌道8、8同士の間隔並びに上記各外輪軌道7、7同士の間隔が大きいにも拘らず、上記各保持器29a、29bの回転速度、延ては上記各転動体9a、9bの公転速度検出の信頼性を確保できる。又、前記取付孔10aの内径を大きくする必要がないので、前記外輪1の強度低下を抑えられる。
一方、前記回転速度検出用センサ15aは、前記ハブ2bの回転速度を測定する為のもので、上記先端部22の先端面、即ち、上記外輪1の径方向内端面に、その検出面を配置している。又、上記ハブ2bの中間部で前記複列の内輪軌道8、8同士の間に、円筒状の回転速度検出用エンコーダ26を外嵌固定している。上記回転速度検出用センサ15aの検出面は、この回転速度検出用エンコーダ26の被検出面である、外周面に対向させている。この回転速度検出用エンコーダ26の被検出面の特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させて、上記ハブ2bの回転速度を上記回転速度検出用センサ15aにより検出自在としている。上記回転速度検出用エンコーダ26の外周面と上記回転速度検出用センサ15aの検出面との間の測定隙間に関しても、2mm以下に抑える。
尚、上記各エンコーダ25a、25b、26としては、従来からABSやTCSの制御用の信号を得るべく、車輪の回転速度を検出する為に利用していた各種構造のものを使用できる。例えば、上記各エンコーダ25a、25b、26として、図3に示す様に、被検出面(側面又は外周面)にN極とS極とを交互に且つ等間隔に配置した、多極磁石製のものが、好ましく使用できる。但し、単なる磁性材製のエンコーダも使用可能である。上記各エンコーダ25a、25b、26として何れの構造を使用した場合でも、各回転速度検出用センサの出力信号は、回転速度に比例した周波数で変化する。
本実施例の場合には、上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bとして、被検出面である軸方向側面にS極とN極とを交互に且つ等間隔で配置した、円輪状の永久磁石を使用している。この様な各公転速度検出用エンコーダ25a、25bは、別途造られた上記各保持器29a、29bのリム部28、28の側面に接着により結合固定したり、或はこれら各保持器29a、29bを射出成形する際にキャビティ内に上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bをセットしておく事で、インサート成形する。又、2色成形したり、上記各保持器29a、29bを構成する合成樹脂等に磁性粉を混入し、着磁させても良い。何れの方法を採用するかは、コスト及び要求される結合強度等に応じて選択する。
又、何れも回転速度を検出するセンサである、上記各公転速度検出用センサ23a、23b及び上記回転速度検出用センサ15aとしては、磁気式の回転速度検出用センサが、好ましく使用できる。又、この磁気式の回転速度検出用センサとしては、ホール素子、ホールIC、磁気抵抗素子(MR素子、GMR素子)、MI素子等の磁気検出素子を組み込んだアクティブ型のものが、好ましく使用できる。又、この様な磁気検出素子は、ICパッケージ化する事が好ましいが、この場合のICパッケージは、SMTでもリード型でも良い。この様な磁気検出素子を組み込んだアクティブ型の回転速度検出用センサを構成するには、例えば、この磁気検出素子の一側面を、直接又は磁性材製のステータを介して永久磁石の着磁方向一端面に突き当て(磁性材製のエンコーダを使用する場合)、上記磁気検出素子の他側面を、直接又は磁性材製のステータを介して、上記各エンコーダ25a、25b、26の被検出面に対向させる。尚、本実施例の場合、永久磁石製のエンコーダを使用するので、センサ側の永久磁石は不要である。
上述の様な各センサ23a、23b、15aを組み込んだセンサユニット21を含んで構成する、本実施例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、上記各センサ23a、23b、15aの検出信号は、ケーブル30を通じて図示しない演算器に入力する。そして、この演算器が、上記各センサ23a、23b、15aから送り込まれる検出信号に基づいて、前記外輪1と前記ハブ2bとの間に加わるラジアル荷重とアキシアル荷重とのうちの一方又は双方の荷重を算出する。例えば、このラジアル荷重を求める場合に上記演算器は、上記各公転速度検出用センサ23a、23bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の和を求め、この和と、上記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2の回転速度との比に基づいて、上記ラジアル荷重を算出する。又、上記アキシアル荷重は、上記各公転速度検出用センサ23a、23bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の差を求め、この差と、上記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2bの回転速度との比に基づいて算出する。この点に就いて、図4を参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、アキシアル荷重Fa が加わらない状態での、上記各列の転動体9a、9bの接触角αa 、αb が互いに同じであるとして行なう。
図4は、前述の図1に示した車輪支持用の転がり軸受ユニットを模式化し、荷重の作用状態を示したものである。複列の内輪軌道8、8と複列の外輪軌道7、7との間に複列に配置された転動体9a、9bには予圧F0 、F0 を付与している。又、使用時に上記転がり軸受ユニットには、車体の重量等により、ラジアル荷重Fr が加わる。更に、旋回走行時に加わる遠心力等により、アキシアル荷重Fa が加わる。これら予圧F0 、F0 、ラジアル荷重Fr 、アキシアル荷重Fa は、何れも上記各転動体9a、9bの接触角α(αa 、αb )に影響を及ぼす。そして、この接触角αa 、αb が変化すると、これら各転動体9a、9bの公転速度nc が変化する。これら各転動体9a、9bのピッチ円直径をDとし、これら各転動体9a、9bの直径をdとし、上記各内輪軌道8、8を設けたハブ2bの回転速度をni とし、上記各外輪軌道7、7を設けた外輪1の回転速度をno とすると、上記公転速度nc は、次の(1)式で表される。
c ={1−(d・cos α/D)・(ni /2)}+{1+(d・cos α/D)・(n o /2)} −−− (1)
この(1)式から明らかな通り、上記各転動体9a、9bの公転速度nc は、これら各転動体9a、9bの接触角α(αa 、αb )の変化に応じて変化するが、上述した様にこの接触角αa 、αb は、上記ラジアル荷重Fr 及び上記アキシアル荷重Fa に応じて変化する。従って上記公転速度nc は、これらラジアル荷重Fr 及びアキシアル荷重Fa に応じて変化する。本実施例の場合、上記ハブ2bが回転し、上記外輪1が回転しない為、具体的には、上記ラジアル荷重Fr に関しては、大きくなる程上記公転速度nc が遅くなる。又、アキシアル荷重Fa に関しては、このアキシアル荷重Fa を支承する列の公転速度が速くなり、このアキシアル荷重Fa を支承しない列の公転速度が遅くなる。従って、この公転速度nc に基づいて、上記ラジアル荷重Fr 及びアキシアル荷重Fa を求められる事になる。
但し、上記公転速度nc の変化に結び付く上記接触角αは、上記ラジアル荷重Fr と上記アキシアル荷重Fa とが互いに関連しつつ変化するだけでなく、上記予圧F0 、F0 によっても変化する。又、上記公転速度nc は、上記ハブ2bの回転速度ni に比例して変化する。この為、これらラジアル荷重Fr 、上記アキシアル荷重Fa 、予圧F0 、F0 、ハブ2bの回転速度ni を総て関連させて考えなければ、上記公転速度nc を正確に求める事はできない。このうちの予圧F0 、F0 は、運転状態に応じて変化するものではないので、初期設定等によりその影響を排除する事は容易である。これに対して上記ラジアル荷重Fr 、アキシアル荷重Fa 、ハブ2bの回転速度ni は、運転状態に応じて絶えず変化するので、初期設定等によりその影響を排除する事はできない。
この様な事情に鑑みて本実施例の場合には、前述した様に、ラジアル荷重Fr を求める場合には、前記各公転速度検出用センサ23a、23bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の和を求める事で、上記アキシアル荷重Fa の影響を少なくしている。又、アキシアル荷重Fa を求める場合には、上記各列の転動体9a、9bの公転速度の差を求める事で、上記ラジアル荷重Fr の影響を少なくしている。更に、何れの場合でも、上記和又は差と、前記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2bの回転速度ni との比に基づいて上記ラジアル荷重Fr 又は上記アキシアル荷重Fa を算出する事により、上記ハブ2bの回転速度ni の影響を排除している。但し、上記アキシアル荷重Fa を、上記各列の転動体9a、9bの公転速度の比に基づいて算出する場合には、上記ハブ2bの回転速度Ni は、必ずしも必要ではない。
尚、上記各公転速度検出用センサ23a、23bの信号に基づいて上記ラジアル荷重Fr とアキシアル荷重Fa とのうちの一方又は双方の荷重を算出する方法は、他にも各種存在するが、この様な方法に就いては、前述の特願2003−171715号、172483号に詳しく説明されているし、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい説明は省略する。
尚、上述の実施例1の場合、1対の保持器29a、29bのリム部28、28の軸方向寸法を大きくする事で、これら各リム部28、28の側面に設ける1対の公転速度検出用エンコーダ25a、25bの被検出面同士の間隔を適切に規制している。これに対して、図示は省略するが、請求項2に記載した様に、各公転速度検出用エンコーダの軸方向に関する厚さ寸法を大きくする事により、これら各公転速度検出用エンコーダの被検出面同士の間隔を適正にする事もできる。
更には、リム部28、28の軸方向寸法を大きくする場合でも、各公転速度検出用エンコーダの軸方向に関する厚さ寸法を大きくする場合でも、何れか一方のリム部28又はエンコーダの軸方向寸法のみを大きくする事もできる。この場合には、他方の軸方向寸法は通常値のままとする。又、この他方の側にセンサを近づけるべく、センサの取付孔の位置を規制する。
図5〜6は、請求項3、4、8に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、1対の公転速度検出用センサ23a、23bは、互いに独立した1対のセンサユニット32a、32bの先端部34a、34b内に保持されている。これら各センサユニット32a、32bを装着する為に、外輪1の軸方向中間部で1対の外輪軌道7、7の間部分の軸方向に離隔した2個所位置に1対の取付孔33a、33bを、それぞれ上記外輪1の径方向に、この外輪1を貫通する状態で設けている。上記各センサユニット32a、32bは上記1対の取付孔33a、33bに、上記外輪1の外径側から内径側に向け挿入されており、それぞれの先端部34a、34bを、上記外輪1の中間部内周面から突出させている。そして、これら各先端部34a、34bに保持した上記各公転速度検出用センサ23a、23bの検出部を、各保持器24a、24bのリム部の軸方向端面に設けた公転速度検出用エンコーダ25a、25bの軸方向片側面である被検出面に、測定隙間を介して対向させている。この測定隙間は、ポケット隙間よりも大きく、2mm以下としている。
上述の様に本実施例の場合、1対の公転速度検出用センサ23a、23bを互いに独立した1対のセンサユニット32a、32bに保持し、これら各センサユニット32a、32bを互いに独立した1対の取付孔33a、33bに挿入している。従って、上記各保持器24a、24bは、特にリム部の軸方向寸法が大きくない、通常のものを使用する。そして、上記測定隙間を適正に規制している。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様である。
図7〜8は、請求項3、5、8に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、自動車の従動輪(FR車、RR車、MR車の前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に本発明を適用した場合に就いて示している。本実施例の場合、ハブ2cを構成するハブ本体4bに内輪6を結合固定する為に、このハブ本体4bの内端部に形成した円筒部35を径方向外方に塑性変形して成るかしめ部36により、上記内輪6の内端面を抑え付けている。転がり軸受ユニットのその他の構成に関しては、前述の図29に示した従来構造、並びに、図31に示した先発明に係る構造と同様である。
特に、本実施例の場合には、上述した実施例2と同様に、1対の公転速度検出用センサ23a、23bを、互いに独立した1対のセンサユニット32a、32bの先端部34a、34b内に保持している。そして、上記各センサユニット32a、32bを装着する為に、外輪1の軸方向両端部で1対の外輪軌道7、7とこの外輪1の軸方向両端面との間部分に1対の取付孔33a、33bを、それぞれ上記外輪1の径方向に、この外輪1を貫通する状態で設けている。上記各センサユニット32a、32bは上記1対の取付孔33a、33bに、上記外輪1の外径側から内径側に向け挿入されており、それぞれの先端部34a、34bを、上記外輪1の両端部内周面から突出させている。
上記各センサユニット32a、32bを、上述の様に上記外輪1の両端部に配置する事に合わせて、本実施例の場合には、各転動体9a、9bを保持する為の保持器38a、38bのリム部37a、37bを、互いに反対側に配置している。又、これら各リム部37a、37bの、互いに反対側に位置する片側面に、それぞれ公転速度検出用エンコーダ25a、25bを設けている。そして、上記各先端部34a、34bに保持した上記各公転速度検出用センサ23a、23bの検出部を、上記各公転速度検出用エンコーダ25a、25bの軸方向片側面である被検出面に、測定隙間を介して対向させている。この測定隙間は、ポケット隙間よりも大きく、2mm以下としている。
上述の様に本実施例の場合、1対の公転速度検出用センサ23a、23bを互いに独立した1対のセンサユニット32a、32bに保持し、複列に配置した上記各転動体9a、9bを保持した1対の保持器38a、38bを軸方向両側から挟む状態で設けた、互いに独立した1対の取付孔33a、33bに挿入している。従って、上記複列に配置した上記各転動体9a、9b同士の間にセンサユニットを進入させられる程の空間が存在しなくても、上記各保持器38a、38bの回転速度、延ては上記各転動体9a、9bの公転速度を検出できる。
図9は、請求項3、4、8に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例は、前述の図5〜6に示した実施例2の構造を、従動輪用に変更すると共に、ハブ2の回転速度を検出自在としたものである。本実施例の場合には、従動輪用である為、このハブ2の中心部には、上記実施例2の様なスプライン孔は設けていない。又、上記ハブ2の回転速度を検出する為に、このハブ2の軸方向内端寄り部分に設けた内輪6に、回転速度検出用エンコーダ13aを構成する、略円筒状の芯金39の基端部(軸方向外端部、図9の左端部)を外嵌固定している。そして、この芯金39の先端部(軸方向内端部、図9の右端部)内周面に全周に亙って設けた永久磁石40の内周面に、S極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。一方、外輪1の内端開口部を塞いだカバー41に支持した回転速度検出用センサ15bの検出部を、上記永久磁石40の内周面に近接対向させて、上記ハブ2の回転速度を検出自在としている。その他の構成及び作用は、上記実施例2と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図10は、請求項3、4、8に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合には、前述の図1、2に示した実施例1の場合と同様に、ハブ2の中間部外周面に回転速度検出用エンコーダ26を外嵌固定している。又、本実施例の場合には、1対のセンサユニット32a´、32bのうち、軸方向外側のセンサユニット32a´の先端部34a´に、公転速度検出用センサ23aと回転速度検出用センサ15aとを保持している。そして、このうちの回転速度検出用センサ15aの検出部を上記回転速度検出用エンコーダ26の外周面に対向させる事により、上記ハブ2の回転速度を検出自在としている。尚、この回転速度検出用エンコーダ26は、その内径側に磁性材製のバックヨークを設ける事で着磁強度が向上し、しかも上記ハブ2に対する圧入の容易化を図れる。但し、着磁強度確保の面からのみ見た場合には、上記ハブ2が磁性材製であれば、上記バックヨークを省略する事もできる。省略する場合には、上記回転速度検出用エンコーダ26を着磁する際に着磁用の(ダミーの)バックヨークを設置し、着磁後にこのバックヨークを外してから、上記回転速度検出用エンコーダ26を上記ハブ2に外嵌しても良い。又、着磁作業は、このハブ2に外嵌する以前に行なっても、或は外嵌後に行なっても良い。外嵌後に行なう場合、上記ダミーのバックヨークは不要である。その他の構成及び作用は、上記実施例4と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図11は、請求項3、4、8に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例は、上述した実施例5と、軸方向に関する内外を逆に構成している。即ち、本実施例の場合には、1対のセンサユニット32a、32b´のうち、軸方向内側のセンサユニット32b´の先端部34b´に、公転速度検出用センサ23bと回転速度検出用センサ15aとを保持している。その他の構成及び作用は、上記実施例5と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図12は、請求項3、6、8に対応する、本発明の実施例7を示している。本実施例の場合には、1対の取付孔33a、33bを、外輪1の軸方向中間部で1対の外輪軌道7、7の間部分と、この外輪1の軸方向内端部で軸方向内方の外輪軌道7とこの外輪1の軸方向内端面との間部分に設けている。又、各列の転動体9a、9bを保持した保持器24a、24bのリム部44、44を、何れも軸方向内側に位置させている。そして、これら各リム部44、44の軸方向内側面に、それぞれ公転速度検出用エンコーダ25a、25bを添設している。又、ハブ2の中間部外周面に、回転速度検出用エンコーダ26を外嵌固定している。
そして、1対の外輪軌道7、7の間部分に形成した取付孔33aに挿入したセンサユニット32a´の先端部34a´に保持した公転速度検出用センサ23aの検出部を上記公転速度検出用エンコーダ25aの軸方向内側面に、同じく回転速度検出用センサ15aの検出部を上記回転速度検出用エンコーダ26の外周面に、それぞれ対向させている。又、軸方向内端部の取付孔33bに挿入したセンサユニット32bの先端部34bに保持した公転速度検出用センサ23bの検出部を、上記公転速度検出用エンコーダ25bの軸方向内側面に対向させている。取付孔33a、33bの形成位置、及び公転速度検出用エンコーダ25a、25bの設置位置以外の構成及び作用は、前述の図10に示した実施例5と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図13は、請求項3、6、8に対応する、本発明の実施例8を示している。本実施例は、上述した実施例7と、軸方向に関する内外を逆に構成している。即ち、本実施例の場合には、各列の転動体9a、9bを保持した保持器24a、24bのリム部44、44を、何れも軸方向外側に位置させて、これら各リム部44、44の軸方向外側面に、それぞれ公転速度検出用エンコーダ25a、25bを添設している。そして、1対の外輪軌道7、7の間部分に形成した取付孔33bに挿入したセンサユニット32b´の先端部34b´に保持した公転速度検出用センサ23bの検出部を上記公転速度検出用エンコーダ25bの軸方向外側面に、同じく回転速度検出用センサ15aの検出部を回転速度検出用エンコーダ26の外周面に、それぞれ対向させている。又、軸方向外端部の取付孔33aに挿入したセンサユニット32aの先端部34aに保持した公転速度検出用センサ23aの検出部を、上記公転速度検出用エンコーダ25aの軸方向外側面に対向させている。取付孔33a、33bの形成位置、及び公転速度検出用エンコーダ25a、25bの設置位置以外の構成及び作用は、上述の図11に示した実施例6と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図14は、請求項3、6、8に対応する、本発明の実施例9を示している。本実施例の場合には、ハブ2の回転速度を検出する為の回転速度検出用エンコーダ26aを、このハブ2を構成する内輪6の内端部に外嵌固定している。そして、取付孔33bに挿入したセンサユニット32b´の先端部34b´に保持した回転速度検出用センサ15aの検出部を、上記回転速度検出用エンコーダ26aの外周面に対向させている。これら回転速度検出用センサ15a及び回転速度検出用エンコーダ26aの設置位置以外の構成及び作用は、前述の図12に示した実施例7と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図15は、請求項3、6、8に対応する、本発明の実施例10を示している。本実施例の場合には、ハブ2の回転速度を検出する為の回転速度検出用エンコーダ26aを、このハブ2の中間部外寄り部分に外嵌固定している。そして、取付孔33aに挿入したセンサユニット32a´の先端部34a´に保持した回転速度検出用センサ15aの検出部を上記回転速度検出用エンコーダ26aの外周面に対向させている。これら回転速度検出用センサ15a及び回転速度検出用エンコーダ26aの設置位置以外の構成及び作用は、前述の図13に示した実施例8と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図16は、請求項3、5、8に対応する、本発明の実施例11を示している。本実施例の場合には、前述の図7〜8に示した実施例3の構造に加えて、ハブ2の回転速度を検出自在としたものである。この為に本実施例の場合には、このハブ2の軸方向内端寄り部分に設けた内輪6に、回転速度検出用エンコーダ13aを構成する、略円筒状の芯金39の基端部(図16の左端部)を外嵌固定している。そして、外輪1の内端開口部を塞いだカバー41に支持した回転速度検出用センサ15bの検出部を、上記芯金39の先端部(図16の右端部)内周面に全周に亙って設けた永久磁石40の内周面に近接対向させて、上記ハブ2の回転速度を検出自在としている。その他の構成及び作用は、上記実施例3と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図17は、請求項3、5、8に対応する、本発明の実施例12を示している。本実施例の場合には、ハブ2の回転速度を検出する為の回転速度検出用エンコーダ26aを、このハブ2を構成する内輪6の内端部に外嵌固定している。そして、取付孔33bに挿入したセンサユニット32b´の先端部34b´に保持した回転速度検出用センサ15aの検出部を、上記回転速度検出用エンコーダ26aの外周面に対向させている。これら回転速度検出用センサ15a及び回転速度検出用エンコーダ26aの設置位置以外の構成及び作用は、上述の実施例11と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図18は、請求項3、5、8に対応する、本発明の実施例13を示している。本実施例の場合には、ハブ2の回転速度を検出する為の回転速度検出用エンコーダ26aを、このハブ2の中間部外寄り部分に外嵌固定している。そして、取付孔33aに挿入したセンサユニット32a´の先端部34a´に保持した回転速度検出用センサ15aの検出部を、上記回転速度検出用エンコーダ26aの外周面に対向させている。これら回転速度検出用センサ15a及び回転速度検出用エンコーダ26aの設置位置以外の構成及び作用は、上述の実施例12と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図19は、請求項3、4、7、8に対応する、本発明の実施例14を示している。本実施例の場合には、1対の取付孔33a、33bが互いに平行に形成されている。そして、これら両取付孔33a、33bにそれぞれ挿入される、互いに平行に設けられた1対のセンサユニット32a、32bの基端部同士が、外輪1の外径側に設けられた連結部42により、互いに一体的に連結されている。又、上記両センサユニット32a、32bの先端部34a、34bに保持した公転速度検出用センサ23a、23bの検出信号を送る為のケーブル43を1本にまとめて、上記連結部42から導出している。
上述の様に構成する本実施例の場合、上記外輪1に対する上記両センサユニット32a、32bの取付作業性が向上する。又、上記連結部42内に、上記公転速度検出用センサ23a、23bの検出信号中に含まれるノイズを除去する回路や、これら両センサ23a、23bの検出信号を多重化して上記ケーブル43を構成する導線の本数を低減する為の信号処理回路、更には、上記検出信号を無線により車体側に送る為のワイヤレス送信手段を組み込む事も可能になる。勿論、上記ケーブル43を1本(多芯ケーブル)する事による、コスト削減、配線の単純化も可能になる。その他の部分の構成及び作用は、前述の図9に示した実施例4と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図20は、請求項3、4、7、8に対応する、本発明の実施例15を示している。本実施例は、前述の図10に示した実施例5の構造を構成するセンサユニット32a´、32bの基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は上述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例5と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図21は、請求項3、4、7、8に対応する、本発明の実施例16を示している。本実施例は、前述の図11に示した実施例6の構造を構成するセンサユニット32a、32b´の基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は上述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例6と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図22は、請求項3、6、7、8に対応する、本発明の実施例17を示している。本実施例は、前述の図12に示した実施例7の構造を構成するセンサユニット32a´、32bの基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例7と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図23は、請求項3、6、7、8に対応する、本発明の実施例18を示している。本実施例は、前述の図13に示した実施例8の構造を構成するセンサユニット32a、32b´の基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例8と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図24は、請求項3、6、7、8に対応する、本発明の実施例19を示している。本実施例は、前述の図14に示した実施例9の構造を構成するセンサユニット32a、32b´の基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例9と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図25は、請求項3、6、7、8に対応する、本発明の実施例20を示している。本実施例は、前述の図15に示した実施例10の構造を構成するセンサユニット32a´、32bの基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例10と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図26は、請求項3、5、7、8に対応する、本発明の実施例21を示している。本実施例は、前述の図16に示した実施例11の構造を構成するセンサユニット32a、32bの基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例11と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図27は、請求項3、5、7、8に対応する、本発明の実施例22を示している。本実施例は、前述の図17に示した実施例12の構造を構成するセンサユニット32a、32b´の基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例12と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図28は、請求項3、5、7、8に対応する、本発明の実施例23を示している。本実施例は、前述の図18に示した実施例13の構造を構成するセンサユニット32a´、32bの基端部同士を連結部42により連結して、当該構造を請求項7を満たす構造としたものである。この連結部42を設ける事による作用・効果は前述の図19に示した実施例14と、他の部分の構成及び作用は上記実施例13と、それぞれ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明は、各実施例に示した様な、自動車の車輪を支持する転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に限らず、工作機械、産業機械等、各種回転機械装置に作用する荷重を求める為に利用できる。
又、何れの実施例の場合でも、センサユニットを取付孔に挿通した部分にはOリング等のシール材を設け、この部分の防水並びに防塵を図る事が好ましいが、このシール材の取付部位は特に問わない。取付孔の内周面とセンサユニットの外周面との間で径方向に圧縮する構造でも、外輪の外周面とセンサユニットの基端部に設けたフランジ部(連結部を含む)との間で軸方向に圧縮する構造でも、更には、上記取付孔の開口部に形成した擂鉢状の面取り部と、上記センサユニットの外周面及びフランジ部との間で3方から挟持する構造でも良い。この3方から挟持する構造を採用すれば、Oリングを設置する為に要する各部の加工が容易になり、又、設置スペースの節約も図れる。
又、何れの実施例の場合も、センサユニットの固定方法は特に限定しない。図示しないねじで固定したり、或は接着剤等で固定したり、更には、図示しない弾性部材を使用するクリップオンタイプ等で固定する事もできる。又、上記センサユニットを、上記外輪に対し斜めに(外輪の中心軸に直角に交わる仮想平面に対し傾斜する状態で)設けても良い。この様な構造は、センサユニットと上記外輪の外周面に設けた、この外輪を懸架装置に支持する為のフランジ部とが干渉する場合等、このセンサユニットの設置部分が限られている場合に有効である。
更に、回転速度検出用エンコーダの被検出面と回転速度検出用センサの検出部とは、図示の様にラジアル方向に対向させる他、アキシアル方向に対向させる事もできる。
又、各実施例は、各転動体を玉とした、複列アンギュラ型の玉軸受ユニットに適用した場合に就いて説明したが、各転動体を円すいころとした、複列円すい転がり軸受ユニットに適用する事もできる。この様な複列円すい転がり軸受ユニットの場合にも、負荷される荷重に基づいて各円すいころの公転速度が変化する為、これら各円すいころの公転速度に基づいて外輪とハブに作用する荷重を求められる。
本発明の実施例1を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 図1のA部拡大図。 保持器及び転動体と、公転速度検出用エンコーダと、公転速度検出用センサとを取り出して図2の上方から見た状態で示す模式図。 回転速度に基づいて荷重を測定できる理由を説明する為の、転がり軸受ユニットの模式図。 本発明の実施例2を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 図5のB部拡大図。 本発明の実施例3を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 図7のC部拡大図。 本発明の実施例4を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例5を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例6を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例7を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例8を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例9を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例10を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例11を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例12を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例13を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例14を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例15を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例16を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例17を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例18を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例19を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例20を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例21を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例22を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 同実施例23を示す、転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。 従来から知られている、ラジアル荷重測定用のセンサを組み込んだ転がり軸受ユニットの断面図。 従来から知られている、アキシアル荷重測定用のセンサを組み込んだ転がり軸受ユニットの断面図。 先発明に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置の断面図。
符号の説明
1、1a 外輪
2、2a、2b、2c ハブ
3、3a 回転側フランジ
4、4a、4b ハブ本体
5 ナット
6 内輪
7 外輪軌道
8 内輪軌道
9a、9b 転動体
10、10a 取付孔
11 変位センサ
12 センサリング
13、13a 回転速度検出用エンコーダ
14 カバー
15、15a、15b 回転速度検出用センサ
16 ナックル
17 固定側フランジ
18 ボルト
19 ねじ孔
20 荷重センサ
21 センサユニット
22 先端部
23a、23b 公転速度検出用センサ
24a、24b 保持器
25a、25b 公転速度検出用エンコーダ
26、26a 回転速度検出用エンコーダ
27 ホルダ
28 リム部
29a、29b 保持器
30 ケーブル
31 スプライン孔
32a、32b、32a´、32b´ センサユニット
33a、33b 取付孔
34a、34b、34a´、34b´ 先端部
35 円筒部
36 かしめ部
37a、37b リム部
38a、38b 保持器
39 芯金
40 永久磁石
41 カバー
42 連結部
43 ケーブル
44 リム部

Claims (11)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に配置されて使用時に回転する、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、これら各内輪軌道と上記各外輪軌道との間に複列に分けて各列毎にそれぞれ複数個ずつ、これら各列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、これら各列の転動体を転動自在に保持する為の1対の保持器と、これら各保持器の回転速度としてこれら各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する、1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記外輪と上記ハブとの間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記1対の公転速度検出用センサは、単一のセンサユニットに保持されており、このセンサユニットは、上記外輪の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道同士の間部分にこの外輪の径方向にこの外輪を貫通する状態で設けられた単一の取付孔に挿入されており、上記各保持器は、それぞれのリム部をこのセンサユニット側に位置させた状態で設けられており、これら各保持器のリム部のうちの少なくとも一方のリム部は、上記センサユニットに向けて軸方向に延長しており、上記各保持器のリム部のうちで互いに対向する軸方向端面に、上記センサユニットに対向する軸方向片側面である被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた公転速度検出用エンコーダを設け、これら各公転速度検出用エンコーダの被検出面と上記各公転速度検出用センサの検出部との距離を適正値に規制した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  2. 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に配置されて使用時に回転する、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、これら各内輪軌道と上記各外輪軌道との間に複列に分けて各列毎にそれぞれ複数個ずつ、これら各列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、これら各列の転動体を転動自在に保持する為の1対の保持器と、これら各保持器の回転速度としてこれら各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する、1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記外輪と上記ハブとの間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記1対の公転速度検出用センサは、単一のセンサユニットに保持されており、このセンサユニットは、上記外輪の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道同士の間部分にこの外輪の径方向にこの外輪を貫通する状態で設けられた単一の取付孔に挿入されており、上記各保持器は、それぞれのリム部をこのセンサユニット側に位置させた状態で設けられており、これら各保持器のリム部のうちで互いに対向する軸方向端面に、上記センサユニットに対向する軸方向片側面である被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた公転速度検出用エンコーダを設け、これら各公転速度検出用エンコーダのうちの少なくとも一方の公転速度検出用エンコーダの軸方向に関する厚さ寸法を大きくする事により、これら各公転速度検出用エンコーダの被検出面と上記各公転速度検出用センサの検出部との距離を適正値に規制した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  3. 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に配置されて使用時に回転する、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、これら各内輪軌道と上記各外輪軌道との間に複列に分けて各列毎にそれぞれ複数個ずつ、これら各列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けられた転動体と、これら各列の転動体を転動自在に保持する為の1対の保持器と、これら各保持器の回転速度としてこれら各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する、1対の公転速度検出用センサと、これら各公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記外輪と上記ハブとの間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記1対の公転速度検出用センサは、互いに独立した1対のセンサユニットに保持されており、これら各センサユニットは、上記外輪の一部でこの外輪の軸方向に離隔した2個所位置にそれぞれこの外輪の径方向にこの外輪を貫通する状態で設けられた、1対の取付孔に挿入されており、上記各保持器のリム部の軸方向端面に設けた公転速度検出用エンコーダの軸方向片側面で特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた被検出面と、上記各センサユニットに保持された上記各公転速度検出用センサの検出部との距離を適正値に規制した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  4. 1対の取付孔が、外輪の軸方向中間部で1対の外輪軌道の間部分に設けられており、1対の保持器のリム部に設けられた1対の公転速度検出用エンコーダの被検出面が互いに対向する側に配置されている、請求項3に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  5. 1対の取付孔が、外輪の軸方向両端部で1対の外輪軌道とこの外輪の軸方向両端面との間部分に設けられており、1対の保持器のリム部に設けられた1対の公転速度検出用エンコーダの被検出面が互いに反対側に配置されている、請求項3に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  6. 1対の取付孔が、外輪の軸方向中間部で1対の外輪軌道の間部分と、この外輪の軸方向一端部で一方の外輪軌道とこの外輪の軸方向一端面との間部分とに設けられており、1対の保持器のリム部に設けられた1対の公転速度検出用エンコーダの被検出面が、軸方向に関して互いに同じ側に配置されている、請求項3に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  7. 1対の取付孔が互いに平行に形成されており、これら両取付孔にそれぞれ挿入される、互いに平行に設けられた1対のセンサユニットの基端部同士が、外輪の外径側に設けられた連結部により互いに一体的に連結されている、請求項3〜6の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  8. 各転動体が玉であり、外輪の内周面に形成された複列アンギュラ型の外輪軌道と、ハブの外周面に形成された複列アンギュラ型の内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた玉に、背面組み合わせ型の接触角が付与されている、請求項1〜7の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  9. ハブの一部にこのハブと同心に設けられた回転速度検出用エンコーダの被検出面に、外輪の一部に支持された回転速度検出用センサの検出部を対向させる事で、上記ハブの回転速度を検出自在とし、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との和と、上記ハブの回転速度との比に基づいて、上記外輪と上記ハブとの間に加わるラジアル荷重を算出する、請求項1〜8の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  10. ハブの一部にこのハブと同心に設けられた回転速度検出用エンコーダの被検出面に、外輪の一部に支持された回転速度検出用センサの検出部を対向させる事で、上記ハブの回転速度を検出自在とし、演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との差と、上記ハブの回転速度との比に基づいて、外輪と上記ハブとの間に加わるアキシアル荷重を算出する、請求項1〜8の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  11. 演算器は、一方の列の転動体の公転速度と他方の列の転動体の公転速度との比に基づいて、外輪とハブとの間に加わるアキシアル荷重を算出する、請求項1〜8の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
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