JP2005110675A - 低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、及び、機能性の低糖及び/又はオリゴ糖 - Google Patents
低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、及び、機能性の低糖及び/又はオリゴ糖 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】機能性食品材料、医薬品用合成原料、医薬品組成物用素材、又は化粧品用素材として有用な低糖及び/又はオリゴ糖を高純度で効率よく製造すること。さらに、分子量制御及び再現性に優れた低糖及び/又はオリゴの製造方法を提供すること。
【解決手段】アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
【選択図】図3
【解決手段】アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
【選択図】図3
Description
本発明は、天然多糖類又は生合成された多糖類から低糖及び/又はオリゴ糖類を製造する方法及びこの製造方法で得られる機能性の低糖及び/又はオリゴ糖に関する。
低糖やオリゴ糖は、甘味性、保湿性、ビフィズス菌増殖性など種々な生理活性を有するため、機能性食品素材として注目されており、現在、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖などが実用に供されている。
一方、低糖やオリゴ糖は、抗腫瘍作用、免疫活性化、コレステロール低減、美白効果など種々の生理活性を有することから、特定保健用食品、化粧品、医薬品などの素材としても注目されている。
これらの低糖やオリゴ糖類は、主として原料である多糖類に酵素または酸を作用させることによって製造されている。
しかし、酵素法では特定の糖を対象とするため、糖ごとに特定の酵素が必要であるため、汎用性に乏しい。また、酸は加水分解後の中和工程や、脱塩工程が必要であり、コスト上昇の原因となっている。
しかし、酵素法では特定の糖を対象とするため、糖ごとに特定の酵素が必要であるため、汎用性に乏しい。また、酸は加水分解後の中和工程や、脱塩工程が必要であり、コスト上昇の原因となっている。
酸加水分解法の一例として、原料であるコーヒーかすを160℃から260℃の温度において、pH0.5〜4で加熱し分解した後、中和することにより重合度1〜10のマンナンオリゴ糖を製造する方法がある(特許文献1参照)。
酸加水分解法では多糖類の側鎖が主鎖よりも早く分解されてしまう(特開昭63−269993号公報)ので、主鎖の分解度を調整するためには、酵素分解法が好ましい。この酵素分解法に用いる酵素としては、グルコマンナンを加水分解する機能を有する市販の酵素が使用できる(特許文献2参照)。
酸加水分解法では多糖類の側鎖が主鎖よりも早く分解されてしまう(特開昭63−269993号公報)ので、主鎖の分解度を調整するためには、酵素分解法が好ましい。この酵素分解法に用いる酵素としては、グルコマンナンを加水分解する機能を有する市販の酵素が使用できる(特許文献2参照)。
一方、加水分解の対象となる多糖類の分子量はいずれも約10万から数100万以上であり、増粘性を有しているものが多い。増粘性を有するこれらの高分子化合物を水溶媒中で加水分解反応を行う場合、多糖類の溶解度が低く、室温では水溶媒中に分散したままで溶解しないため不均一反応となり、反応により生成する低糖及び/又はオリゴ糖の分子量制御と再現性に問題点があった。
本発明が解決しようとする課題は、機能性食品材料、医薬品用合成原料、医薬品組成物用素材、又は化粧品用素材として有用な低糖及び/又はオリゴ糖を高純度で効率よく製造することである。
さらに本発明は、分子量制御及び再現性に優れた低糖及び/又はオリゴの製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、分子量制御及び再現性に優れた低糖及び/又はオリゴの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、加圧容器を使用して、105℃以上の温度において多糖類を加水分解することにより上記課題が達成されることを見いだし、本発明を完成したものである。
上記課題は、具体的に以下の手段により達成された。
(1)アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(2)pH2〜11の水性媒体中で、温度105〜260℃において加水分解する(1)記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(3)アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、二酸化炭素の共存する水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(4)アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、アンモニア水の共存する水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(5)アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナン、グルコマンナン、ヒアルロン酸及びフコイダンなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で30〜100℃にて均一になるまで加熱した後、加水分解する(1)〜(4)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
(6)低糖及び/又はオリゴ糖が分解生成物の30重量%以上を占める(1)〜(5)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(7)低糖及び/又はオリゴ糖が分解生成物の50重量%以上を占める(1)〜(6)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(8)カラギーナン及び/またはフコイダンとして原藻粉末を使用する(1)〜(7)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
(9)低糖及び/又はオリゴ糖を含む分解生成物から低糖及び/又はオリゴ糖を分離する(1)〜(8)記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(10)(1)〜(9)いずれか1つの製造方法により製造された機能性の低糖及び/又はオリゴ糖。
「オリゴ糖」とは、単糖が複数個結合したもので、多糖に対して少糖ともいわれ、分子量が2,000を超えない、構成単糖の数が通常2〜約10のものを指す。「少糖」も「オリゴ糖」と同義とする。
また、「低糖」とは、上記のオリゴ糖以上の分子量を有し、かつ分子量1万以下の領域の分子量を有する糖類をいう。すなわち、低糖は単糖が約10以上結合したもので、その分子量が2,000〜10,000、好ましくは2,000〜5,000の糖類をいう。
上記課題は、具体的に以下の手段により達成された。
(1)アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(2)pH2〜11の水性媒体中で、温度105〜260℃において加水分解する(1)記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(3)アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、二酸化炭素の共存する水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(4)アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、アンモニア水の共存する水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(5)アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナン、グルコマンナン、ヒアルロン酸及びフコイダンなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で30〜100℃にて均一になるまで加熱した後、加水分解する(1)〜(4)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
(6)低糖及び/又はオリゴ糖が分解生成物の30重量%以上を占める(1)〜(5)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(7)低糖及び/又はオリゴ糖が分解生成物の50重量%以上を占める(1)〜(6)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(8)カラギーナン及び/またはフコイダンとして原藻粉末を使用する(1)〜(7)いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
(9)低糖及び/又はオリゴ糖を含む分解生成物から低糖及び/又はオリゴ糖を分離する(1)〜(8)記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、
(10)(1)〜(9)いずれか1つの製造方法により製造された機能性の低糖及び/又はオリゴ糖。
「オリゴ糖」とは、単糖が複数個結合したもので、多糖に対して少糖ともいわれ、分子量が2,000を超えない、構成単糖の数が通常2〜約10のものを指す。「少糖」も「オリゴ糖」と同義とする。
また、「低糖」とは、上記のオリゴ糖以上の分子量を有し、かつ分子量1万以下の領域の分子量を有する糖類をいう。すなわち、低糖は単糖が約10以上結合したもので、その分子量が2,000〜10,000、好ましくは2,000〜5,000の糖類をいう。
本発明の製造方法は、多糖類を水性媒体中で加圧加水分解することにより、機能性食品素材、医薬品用合成原料、医薬品組成物用素材、又は化粧品用素材として有用な低糖及び/又はオリゴ糖を高純度で効率よく製造することができる。本発明の製造方法において、溶存二酸化炭素の雰囲気下、又はアンモニア水中で、加水分解すると、鉱酸触媒を使用した場合と異なり、加水分解後の中和工程や、脱塩工程が不要となる。本発明の製造方法は強い酸性条件を使用しない加水分解反応であるために、反応容器の腐食等を回避できる。
さらに、加水分解の前に多糖類を可溶化することにより、加水分解により製造される低糖及び/又はオリゴ糖の分子量制御が容易となり、再現性良く低糖及び/又はオリゴ糖を製造することができる。
アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法は、以下の態様に大別される。
すなわち、(I)上記アガロース等の多糖類をpH1以上5未満の酸性水性媒体中で温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、(II)上記アガロース等の多糖類をpH5以上9未満の中性水性媒体中で温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、及び(III)上記アガロース等の多糖類をpH9以上13以下のアルカリ性水性媒体中で温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、である。これらの実施態様のうち、(I)及び(III)が好ましく、(I)がより好ましい。
すなわち、(I)上記アガロース等の多糖類をpH1以上5未満の酸性水性媒体中で温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、(II)上記アガロース等の多糖類をpH5以上9未満の中性水性媒体中で温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、及び(III)上記アガロース等の多糖類をpH9以上13以下のアルカリ性水性媒体中で温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、である。これらの実施態様のうち、(I)及び(III)が好ましく、(I)がより好ましい。
以下に本発明の製造方法を適用することのできる反応基質としての多糖類について説明する。本発明の加水分解法が適用できる多糖類は、天然又は生合成した、多くの単糖から構成される平均分子量が10,000を超える糖類をいう。
以下に、本発明の反応基質として用いることのできるアガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランについて説明するが、本発明の多糖類はこれらに限られるものではない。本発明の製造方法を適用する基質としては、上記の1つ又は2つ以上の多糖類を選択することができる。
以下に、本発明の反応基質として用いることのできるアガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランについて説明するが、本発明の多糖類はこれらに限られるものではない。本発明の製造方法を適用する基質としては、上記の1つ又は2つ以上の多糖類を選択することができる。
「アガロース」とは、テングサやオゴノリなどの紅藻類中に存在する多糖類で、ほとんど、D−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースのみからなる。主要基本構造はアガロビオースまたはネオアガロビオースの反復から成っている。
工業的には、テングサを原料として寒天アガロースが製造されており、本発明においても、寒天アガロースが好ましく使用できる。また、加水分解によって、アガロース由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
主要基本構造であるネオアガロビオースとアガロビオースの構造を以下に示す。
工業的には、テングサを原料として寒天アガロースが製造されており、本発明においても、寒天アガロースが好ましく使用できる。また、加水分解によって、アガロース由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
主要基本構造であるネオアガロビオースとアガロビオースの構造を以下に示す。
「アルギン酸」は、褐藻から得られる多糖類であり、D−マンヌロン酸(以下Mと略す)とD−グルロン酸(以下Gと略す)の2種類のウロン酸からなる直鎖状多糖である。更に詳しくは、アルギン酸は、M−M結合からなるMブロック、G−G結合からなるGブロック、MとGがランダムに配列したランダムブロックからなる、ブロックへテロポリマーである。
本発明においては、昆布、わかめがアルギン酸の原料として好ましく使用できる。また、加水分解によって、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸の2種類からなる直鎖状の低糖及び/又はオリゴ糖が主成分として得られる。これら単糖の組み合わせにより、β−(1,4)結合したマンヌロン酸ブロック、α−(1,4)結合したL−グルロン酸ブロック、両者がランダムに配列したランダムブロックからなる低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。以下に各ウロン酸の構造式を示す。
本発明においては、昆布、わかめがアルギン酸の原料として好ましく使用できる。また、加水分解によって、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸の2種類からなる直鎖状の低糖及び/又はオリゴ糖が主成分として得られる。これら単糖の組み合わせにより、β−(1,4)結合したマンヌロン酸ブロック、α−(1,4)結合したL−グルロン酸ブロック、両者がランダムに配列したランダムブロックからなる低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。以下に各ウロン酸の構造式を示す。
「イヌリン」は、β−D−2,1−結合のフルクトフラノース残基よりなるフルクタンで、キク科植物例えばダリア属、タンポポ属、キクイモ、チコリーなどの塊茎に存在する。また、海産緑藻のカサノリ科にはイヌリンをつくる藻がある。
本発明においては、イヌリンの原料として、キクイモを好ましく使用できる。また、加水分解によって、イヌリン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
但し、原料としてキクイモを用いる場合は、原料の分子量が5,000程度の低糖であるため、オリゴ糖のみを得ることができる。
イヌリンの構造を以下に示す。
本発明においては、イヌリンの原料として、キクイモを好ましく使用できる。また、加水分解によって、イヌリン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
但し、原料としてキクイモを用いる場合は、原料の分子量が5,000程度の低糖であるため、オリゴ糖のみを得ることができる。
イヌリンの構造を以下に示す。
「カードラン」は、D−グルコースがC1位とC3位でグルコシド結合した、非イオン性の直鎖状の多糖類(β-1,3グルカン)である。
天然にはごくわずかしか存在しないが、グルコースを原料として微生物の発酵で大量合成されている。以下にカードランの構造式を示す。
天然にはごくわずかしか存在しないが、グルコースを原料として微生物の発酵で大量合成されている。以下にカードランの構造式を示す。
「カラギーナン」は、紅藻類海藻から抽出、精製される多糖であり、主成分は3,6−アンヒドロガラクトースである。更に詳しくは、カラギーナンは、アンヒドロガラクトースとガラクトースの硫酸エステルで構成され、両者の比率や、硫酸エステルの数によって主として、κ(カッパ)タイプ、ι(イオタ)タイプ、λ(ラムダ)タイプに分かれる。下記にそれぞれの構造を示す。本発明においては、カッパ型カラギーナンを好ましく用いることができる。
本発明においては、スギノリ、ツノマタ、キリンサイがカラギーナンの原料として好ましく使用できる。また、加水分解によって、カラギーナン由来の低糖及び/またはオリゴ糖を得ることができる。
3種のカラギーナンの構造を以下に示す。
本発明においては、スギノリ、ツノマタ、キリンサイがカラギーナンの原料として好ましく使用できる。また、加水分解によって、カラギーナン由来の低糖及び/またはオリゴ糖を得ることができる。
3種のカラギーナンの構造を以下に示す。
カラギーナンとして、上記の紅藻類海藻から抽出、精製したカラギーナンを用いることができるが、カラギーナン原藻粉末を用いることもできる。すなわち、未精製の原藻粉末を直接加水分解し、カラギーナン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。カラギーナン原藻粉末を用いる低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法は、カラギーナンの精製工程を省くことができるので好ましい。また、未精製のカラギーナン原藻粉末は、精製したカラギーナンに比べて加水分解反応が生じ難いので、より高温及び/又は高圧にて加水分解することが好ましい。
「キチン」は、N−アセチル−D−グルコサミンがβ−1,4で結合した直鎖分子からなる多糖類である。「キトサン」とは、キチンの脱アセチル化物である。「キチン・キトサン」は、無セキ柱動物、下等植物における主要な構造多糖類であり、カニやエビ等の甲殻を原料として得られる。また、キチン・キトサンを加水分解することにより、キチン・キトサン由来の低糖及び/又はオリゴ糖が得られる。本発明においては、甲殻類の甲殻をキチン・キトサンの原料として好ましく使用できる。
キチン及びキトサンの骨格構造を以下に示す。
キチン及びキトサンの骨格構造を以下に示す。
「グルコマンナン」は、D−グルコースとD−マンノースの2種の糖残基を含む多糖である。本発明において、コンニャクマンナンがグルコマンナンの原料として好ましく使用できる。原料は粉末状で使用することが好ましい。
マンナン系天然多糖類は、木材、種子その他の植物体に広く存在する。コンニャクマンナンの他に、ゾウゲヤシマンナン、サレップマンナン、木材マンナン、海ソウマンナン、酵母マンナンも本発明において原料として使用できる。
グルコマンナンの加水分解によって、マンナン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
グルコマンナンの構造を以下に示す。
マンナン系天然多糖類は、木材、種子その他の植物体に広く存在する。コンニャクマンナンの他に、ゾウゲヤシマンナン、サレップマンナン、木材マンナン、海ソウマンナン、酵母マンナンも本発明において原料として使用できる。
グルコマンナンの加水分解によって、マンナン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
グルコマンナンの構造を以下に示す。
「フコイダン」とは、L−フコースを主構成糖として、硫酸やウロン酸等が結びついた多糖類で、もずくやめかぶ、こんぶなどの海藻類に含まれる成分である。
フコイダンの種類には、コンブ科から抽出された三種類のフコイダン(フコースだけの
F−フコイダン、D−グルクロン酸、D−マンノース及びL−フコースから成るU−フコイダン、D−ガラクトース及びL−フコースから成るG−フコイダン)および、ナガマツモ科のオキナワモズクから抽出されたオキナワモズクフコイダン等が知られている。
フコイダンの加水分解によって、フコイダン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
本発明においては原料としてもずく、及びめかぶが好ましく使用できる。
また、フコイダンとしてもずく、及びめかぶなどから得られる原藻を使用することもできる。
F−フコイダンおよびU−フコイダンの構造を以下に示す。
フコイダンの種類には、コンブ科から抽出された三種類のフコイダン(フコースだけの
F−フコイダン、D−グルクロン酸、D−マンノース及びL−フコースから成るU−フコイダン、D−ガラクトース及びL−フコースから成るG−フコイダン)および、ナガマツモ科のオキナワモズクから抽出されたオキナワモズクフコイダン等が知られている。
フコイダンの加水分解によって、フコイダン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
本発明においては原料としてもずく、及びめかぶが好ましく使用できる。
また、フコイダンとしてもずく、及びめかぶなどから得られる原藻を使用することもできる。
F−フコイダンおよびU−フコイダンの構造を以下に示す。
「ヒアルロン酸」とは、N−アセチル−D−グルコサミンとD−グルクロン酸の2種類の単糖が交互に2糖単位で、直鎖状に連なった原型的なグリコサミノグリカンである。動物諸組織に存在し、ヘソの緒などを原料として得られる。また、本発明においては、鳥の鶏冠又は酵素重合されたヒアルロン酸を原料として好ましく使用することができる。
ヒアルロン酸を加水分解することにより、ヒアルロン酸由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
ヒアルロン酸の構造を以下に示す。
ヒアルロン酸を加水分解することにより、ヒアルロン酸由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
ヒアルロン酸の構造を以下に示す。
「ラミナラン」は、D−グルコースから成る多糖類であり、その構造は、D−グルコースが、β−1,3結合により直鎖状に結合したものとされている。コンブ科の褐藻類中に貯蔵多糖として含まれている。
本発明においては、褐藻類のこんぶがラミナランの原料として好ましく使用できる。また、加水分解によって、ラミナラン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
ラミナランの構造を以下に示す。
本発明においては、褐藻類のこんぶがラミナランの原料として好ましく使用できる。また、加水分解によって、ラミナラン由来の低糖及び/又はオリゴ糖を得ることができる。
ラミナランの構造を以下に示す。
本発明で好ましく用いられる多糖としては、アガロース、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、フコダインおよびラミナランが挙げられる。より好ましく用いられる多糖は、アガロース、イヌリン、カードラン、カラギーナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランを用いることができる。
上記(1)記載の水性媒体中での加水分解反応は、pH1〜13の水性媒体中で実施する。ここでの水素イオン濃度は、加水分解反応前の室温における水素イオン濃度をいう。
反応生成物が中性の場合には、加水分解中の水素イオン濃度はほぼ一定に維持されると考えられる。
また、水性媒体とは、水溶媒を主とし、水に水混和性の有機溶媒が混合された混合溶媒を含む。混合溶媒における混合割合は、水の混合割合が40〜100重量%である。好ましくは、70〜100重量%である。水混和性の有機溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトンが例示できる。
加水分解温度は、105℃以上300℃以下(「105〜300℃」とも記載する。本発明において、以下同じである。)である。
反応生成物が中性の場合には、加水分解中の水素イオン濃度はほぼ一定に維持されると考えられる。
また、水性媒体とは、水溶媒を主とし、水に水混和性の有機溶媒が混合された混合溶媒を含む。混合溶媒における混合割合は、水の混合割合が40〜100重量%である。好ましくは、70〜100重量%である。水混和性の有機溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトンが例示できる。
加水分解温度は、105℃以上300℃以下(「105〜300℃」とも記載する。本発明において、以下同じである。)である。
アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン・キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダン、及びラミナランのそれぞれの多糖類について、好ましい加水分解温度および特に好ましい加水分解温度を表1に示す。
前記の加水分解反応は、0.15〜19.6MPa(1.5〜200kg/cm2)の圧力で実施することが好ましく、0.29〜1.96MPa(3.0〜20kg/cm2)の圧力にすることがより好ましい。
水溶媒のみを用いる加水分解反応の場合の反応圧力は、反応温度での水の蒸気圧に依存する。たとえば反応温度200℃であれば、水の蒸気圧が約1.6MPaとなるので、反応圧力は自動的に約1.6MPaとなる。また、反応容器は、この圧力に十分耐えうる耐圧容器とする必要がある。
なお、二酸化炭素加圧下における反応圧力については後述する。
なお、二酸化炭素加圧下における反応圧力については後述する。
上記の水性媒体での加水分解反応は、室温において水性媒体を塩酸、硫酸等の鉱酸、シュウ酸、酢酸等の有機酸、又は炭酸(二酸化炭素)等により酸性側に、アンモニア水、水酸化ナトリウム、硝子ビーズ等によりアルカリ側に調整した後、多糖類と混合することが好ましい。
加水分解反応前の水性媒体の室温における水素イオン濃度は、1〜13である必要がある。各多糖の加水分解反応における好ましい水素イオン濃度を表2に示す。
加水分解反応前の水性媒体の室温における水素イオン濃度は、1〜13である必要がある。各多糖の加水分解反応における好ましい水素イオン濃度を表2に示す。
上記(2)記載の製造方法においては、pH2〜11の水性媒体中で、温度105〜260℃において多糖類の加水分解を行う。この製造方法は、以下の3態様に大別される。
すなわち、(I)上記アガロース等の多糖類をpH1以上5未満の酸性水性媒体中で温度105〜260℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、(II)上記アガロース等の多糖類をpH5以上9未満の中性水性媒体中で温度105〜260℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、及び(III)上記アガロース等の多糖類をpH9以上13以下のアルカリ性水性媒体中で温度105〜260℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、である。これらの実施態様のうち、(I)及び(III)が好ましく、(I)がより好ましい。
すなわち、(I)上記アガロース等の多糖類をpH1以上5未満の酸性水性媒体中で温度105〜260℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、(II)上記アガロース等の多糖類をpH5以上9未満の中性水性媒体中で温度105〜260℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、及び(III)上記アガロース等の多糖類をpH9以上13以下のアルカリ性水性媒体中で温度105〜260℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法、である。これらの実施態様のうち、(I)及び(III)が好ましく、(I)がより好ましい。
上記(3)記載の水性媒体中での加水分解反応は、二酸化炭素の共存下で行う。二酸化炭素の共存下での加水分解反応には、具体的に以下の操作が例示される。
I.反応装置中に二酸化炭素ボンベ等により二酸化炭素を注入し、指定の水素イオン濃度に調整した水性媒体を用いる加水分解反応、
II.水性媒体を低温に保ち(好ましくは0〜30℃、より好ましくは0〜10℃)、二酸化炭素を溶液中に吹き込み、二酸化炭素を飽和させた水性媒体を用いる加水分解反応、
III.反応開始直前に反応装置に水性媒体とともにドライアイス(固体の二酸化炭素)を適宜投入し、ドライアイス存在下で反応容器を密閉し、二酸化炭素が共存している条件下での加水分解反応、
IV.反応装置に水性媒体と共にあらかじめ冷却したステンレス導管を用いることで反応容器中に液体の二酸化炭素を共存させる条件下での加水分解反応、
V.水性媒体と共に超臨界二酸化炭素を共存させる加水分解反応、
VI.あらかじめ低温下で(好ましくは−20〜30℃、より好ましくは−20〜10℃)二酸化炭素を吸収させたゼオライト・活性炭等の多孔性材料の共存下での加水分解反応、
VII.炭酸カリウムなど二酸化炭素の溶解度が高い固体を溶解した水性媒体条件下での加水分解反応。
I.反応装置中に二酸化炭素ボンベ等により二酸化炭素を注入し、指定の水素イオン濃度に調整した水性媒体を用いる加水分解反応、
II.水性媒体を低温に保ち(好ましくは0〜30℃、より好ましくは0〜10℃)、二酸化炭素を溶液中に吹き込み、二酸化炭素を飽和させた水性媒体を用いる加水分解反応、
III.反応開始直前に反応装置に水性媒体とともにドライアイス(固体の二酸化炭素)を適宜投入し、ドライアイス存在下で反応容器を密閉し、二酸化炭素が共存している条件下での加水分解反応、
IV.反応装置に水性媒体と共にあらかじめ冷却したステンレス導管を用いることで反応容器中に液体の二酸化炭素を共存させる条件下での加水分解反応、
V.水性媒体と共に超臨界二酸化炭素を共存させる加水分解反応、
VI.あらかじめ低温下で(好ましくは−20〜30℃、より好ましくは−20〜10℃)二酸化炭素を吸収させたゼオライト・活性炭等の多孔性材料の共存下での加水分解反応、
VII.炭酸カリウムなど二酸化炭素の溶解度が高い固体を溶解した水性媒体条件下での加水分解反応。
上記(3)記載の加水分解反応の反応温度は、105℃以上300℃以下が好ましく、105〜260℃がより好ましい。前記の加水分解を行うためには、0.15〜19.6MPa(1.5〜200kg/cm2)の圧力にすることが好ましく、0.29〜14.7MPa(3.0〜150kg/cm2)の圧力がより好ましい。
上記II.記載の水性媒体中での加水分解反応は、反応混合物の反応前室温(25℃)におけるpHを2〜6に調整することが好ましく、pHを3〜5に調整することがより好ましい。
二酸化炭素の共存下で行う加水分解において、二酸化炭素の併用量は、水性媒体の総量に対して、重量比で好ましくは0.1〜150重量%であり、より好ましくは0.8〜70重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%である。
加水分解時間は、反応温度との関係で、適宜選択できる。連続的な製造工程では、滞留時間が1〜80分であることが好ましく、また、バッチ式の製造工程では、反応時間が0.5〜4時間であることが好ましい。
二酸化炭素が共存するかどうかを問わず水性媒体中での多糖類の水熱分解に用いる装置は、バッチ式とフロータイプ式に大別できる。
図1にフロータイプ式超臨界二酸化炭素反応装置の一例の概略図を示す。この装置は二酸化炭素が共存する水性媒体中の多糖類の水熱分解に使用することができる。ここに示す概略図中のCO2はサイホン式二酸化炭素ボンベを、H2Oは加水分解用の水容器を示す。連続で反応を行う場合には、この水容器中にあらかじめ原料となる多糖類を入れスラリーポンプにより圧送する。また、図中のInjectorは反応解析などを行う場合の少量注入口である。二酸化炭素と多糖類を含んだ水は、Oven中で混合されて反応を開始する。圧力の制御はBack pressure regulatorが行う。
バッチ式の反応装置(図2)については実施例で説明する。
上記(4)記載の発明は、アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、アンモニア水の共存する水性媒体中で、温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法であり、加水分解温度は105〜260℃がより好ましい。使用するアンモニア水(NH4OH)の濃度は、0.01〜15重量%、好ましくは0.04〜10重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。
低糖及び/又はオリゴ糖を含む分解生成物から低糖及び/又はオリゴ糖を定法により分離することができる。オリゴ糖の分画には、レクチンカラムによる方法、ゲルカラムによる方法、高速液体クロマトグラフィー(HLPC)による分取方法、等が使用できる。これらの方法の詳細は、例えば、日本生化学会編、「複合糖質研究法I−糖タンパク−」(東京化学同人、1985年刊)に記載されている。
また、低糖又はオリゴ糖を含む分解生成物をこれらを溶解する溶媒に溶解した溶液とし、この溶液に非溶媒(沈殿剤)を添加することにより、分子量範囲に応じて、オリゴ糖又は低糖を選択的に沈殿分離することもできる。逆に、分解生成物から目的物を選択的に溶解する溶媒又は混合溶媒により抽出することもできる。例えば、キトサンの分解生成物から低糖及びオリゴ糖を水で抽出することができる(特開平9−031104号公報)。
近年開発され有用な分離方法は、分離膜を使用する分離である。一般にルーズRO膜又はNF膜と呼ばれる膜を使用する(特開2000−281696号公報参照)。
また、サイズ排除クロマトグラム(SCE)による分離も簡便である。SCEについては、実施例で説明する。
また、低糖又はオリゴ糖を含む分解生成物をこれらを溶解する溶媒に溶解した溶液とし、この溶液に非溶媒(沈殿剤)を添加することにより、分子量範囲に応じて、オリゴ糖又は低糖を選択的に沈殿分離することもできる。逆に、分解生成物から目的物を選択的に溶解する溶媒又は混合溶媒により抽出することもできる。例えば、キトサンの分解生成物から低糖及びオリゴ糖を水で抽出することができる(特開平9−031104号公報)。
近年開発され有用な分離方法は、分離膜を使用する分離である。一般にルーズRO膜又はNF膜と呼ばれる膜を使用する(特開2000−281696号公報参照)。
また、サイズ排除クロマトグラム(SCE)による分離も簡便である。SCEについては、実施例で説明する。
上記(1)〜(4)いずれか1つに記載の発明において、105〜300℃で加水分解反応を行う前に、アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナン、グルコマンナン、ヒアルロン酸及びフコイダンよりなる群から選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で30〜100℃にて均一になるまで加熱すること(以下、「可溶化」ともいう。)も好ましい実施態様である。ここで、「均一」とは、目視観察で多糖類が全て溶解していると視認されることをいう。以下、可溶化を行った後、加圧加水分解を行う実施態様を「二段階加水分解」ともいうこととする。
アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナン、グルコマンナン、ヒアルロン酸及びフコイダンよりなる群から選ばれた多糖類は室温で水性媒体中に溶解したときには、完全に溶解しない。加圧加水分解反応前に可溶化することにより、加水分解反応溶液が均一化され、反応により生成する低糖及び/又はオリゴ糖の分子量制御が容易となり、再現性良く低糖及び/又はオリゴ糖を製造することができるので好ましい。
アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナン、グルコマンナン、ヒアルロン酸及びフコイダンよりなる群から選ばれた多糖類は室温で水性媒体中に溶解したときには、完全に溶解しない。加圧加水分解反応前に可溶化することにより、加水分解反応溶液が均一化され、反応により生成する低糖及び/又はオリゴ糖の分子量制御が容易となり、再現性良く低糖及び/又はオリゴ糖を製造することができるので好ましい。
可溶化は、撹拌しながら、所定の温度で加熱することが好ましい。可溶化の加熱温度は、30〜100℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
撹拌の効果は容器の形状、規模、攪拌機の種類や容器内のバッフルの形状等により大きく異なるが、例えば(株)耐圧硝子工業製ハイパークラスターTEM−V1000を使用した場合、撹拌は、100〜3,000rpmであることが好ましく、300〜2,000rpmがより好ましく、400〜1,500rpmがさらに好ましい。
可溶化処理時間は実質的に上述の可溶化が達成されれば特に制限はないが、通常15分〜20時間程度、好ましくは30分〜5時間程度、さらに好ましくは30分〜3時間程度になるよう可溶化の温度と撹拌を調整する。
可溶化はpH1〜13の水性媒体中で行うことが好ましく、pH2〜11の水性媒体中で行うことがより好ましい。また、二酸化炭素の共存する水性媒体中で行うことも好ましい。さらに、アンモニアが共存するアルカリ水溶液で可溶化することもできる。
撹拌の効果は容器の形状、規模、攪拌機の種類や容器内のバッフルの形状等により大きく異なるが、例えば(株)耐圧硝子工業製ハイパークラスターTEM−V1000を使用した場合、撹拌は、100〜3,000rpmであることが好ましく、300〜2,000rpmがより好ましく、400〜1,500rpmがさらに好ましい。
可溶化処理時間は実質的に上述の可溶化が達成されれば特に制限はないが、通常15分〜20時間程度、好ましくは30分〜5時間程度、さらに好ましくは30分〜3時間程度になるよう可溶化の温度と撹拌を調整する。
可溶化はpH1〜13の水性媒体中で行うことが好ましく、pH2〜11の水性媒体中で行うことがより好ましい。また、二酸化炭素の共存する水性媒体中で行うことも好ましい。さらに、アンモニアが共存するアルカリ水溶液で可溶化することもできる。
可溶化後の溶液は、低粘度であり、ゲル状態ではないことが好ましい。多糖類が溶解後も撹拌及び加熱を続けることにより液粘度を下げることができる。
可溶化後の溶液の30℃での粘度は、好ましくは1〜8,000mPa・sであり、より好ましくは10〜5,000mPa・sであり、さらに好ましくは100〜1,000mPa・sである。
溶液全体が均等に撹拌でき、粘度が低いことが好ましい。粘度は目視により評価することができ、例えば、溶液を撹拌したときに生ずる「渦」により評価することができる。ここで、「渦」とは撹拌により生ずる、溶液上端部のロート状の形状をいう。渦が視認できることが好ましく、渦が明確に視認できることがより好ましい。このとき、溶液の粘度が低いので好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
可溶化後の溶液の30℃での粘度は、好ましくは1〜8,000mPa・sであり、より好ましくは10〜5,000mPa・sであり、さらに好ましくは100〜1,000mPa・sである。
溶液全体が均等に撹拌でき、粘度が低いことが好ましい。粘度は目視により評価することができ、例えば、溶液を撹拌したときに生ずる「渦」により評価することができる。ここで、「渦」とは撹拌により生ずる、溶液上端部のロート状の形状をいう。渦が視認できることが好ましく、渦が明確に視認できることがより好ましい。このとき、溶液の粘度が低いので好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(加水分解装置)
加水分解反応装置は、超臨界二酸化炭素反応装置(TSC−WC;(株)耐圧硝子工業製)またはポータブル反応装置(TVS−1;(株)耐圧硝子工業製)を用いて行った。TSC−WCの装置図を図2に示す。
(加水分解装置)
加水分解反応装置は、超臨界二酸化炭素反応装置(TSC−WC;(株)耐圧硝子工業製)またはポータブル反応装置(TVS−1;(株)耐圧硝子工業製)を用いて行った。TSC−WCの装置図を図2に示す。
(TSC−WCを用いた加水分解反応)
TSC−WCを用いた加水分解反応は、
(I)水溶媒のみを用いる高温・高圧下での加水分解反応、
(II)炭酸水を溶媒として用いる高温・高圧下での加水分解反応、又は、
(III)アンモニア水等のアルカリを用い指定の水素イオン濃度に調整した弱アルカリ性水(弱アルカリ性とはpH8〜12をいう。)を溶媒とした、高温・高圧下での加水分解反応、の3通りで行った。
TSC−WCを用いた加水分解反応は、
(I)水溶媒のみを用いる高温・高圧下での加水分解反応、
(II)炭酸水を溶媒として用いる高温・高圧下での加水分解反応、又は、
(III)アンモニア水等のアルカリを用い指定の水素イオン濃度に調整した弱アルカリ性水(弱アルカリ性とはpH8〜12をいう。)を溶媒とした、高温・高圧下での加水分解反応、の3通りで行った。
「炭酸水」とは、二酸化炭素を溶解させた弱酸性水(弱酸性とはpH3〜6をいう。)
ここで、前記(II)の炭酸水は以下の方法で製造した。
図2に示した反応装置中に示したように、サイホン式炭酸ガスボンベから、あらかじめ3℃以下に保った冷却器を経由して、HPLCポンプにより液化二酸化炭素を反応容器に注入した。注入後は約30分間、水溶媒中の二酸化炭素の溶解度が高くなるように撹拌しながら放置した。
反応開始後は、圧力が上昇するため、気化した二酸化炭素を放出し、反応圧力が8.8MPa(90kg/cm2)以下になるように圧力調整を行った。ただし、グルコマンナンの場合には、9.81MPa(100kg/cm2)の一定条件下で反応を行った。
以下、特に記載がないときは、反応温度が200℃以上の場合は前記(I)の方法で、反応温度が200℃未満の場合は前記(II)の方法で加水分解反応を行った。
ここで、前記(II)の炭酸水は以下の方法で製造した。
図2に示した反応装置中に示したように、サイホン式炭酸ガスボンベから、あらかじめ3℃以下に保った冷却器を経由して、HPLCポンプにより液化二酸化炭素を反応容器に注入した。注入後は約30分間、水溶媒中の二酸化炭素の溶解度が高くなるように撹拌しながら放置した。
反応開始後は、圧力が上昇するため、気化した二酸化炭素を放出し、反応圧力が8.8MPa(90kg/cm2)以下になるように圧力調整を行った。ただし、グルコマンナンの場合には、9.81MPa(100kg/cm2)の一定条件下で反応を行った。
以下、特に記載がないときは、反応温度が200℃以上の場合は前記(I)の方法で、反応温度が200℃未満の場合は前記(II)の方法で加水分解反応を行った。
前記(III)の加水分解反応においては、アンモニア水を用いた加水分解反応でのpHは、11に調整した。
(TVS−1を用いた加水分解反応での溶媒調整)
TVS−1を用いた加水分解反応は、
(I)炭酸水を溶媒とした高温・高圧条件下での加水分解反応、
(II)アンモニア水等のアルカリを用い指定の水素イオン濃度に調整した弱アルカリ性水を溶媒とした、高温・高圧下での加水分解反応、
の2通りで行った。
TVS−1を用いた加水分解反応は、
(I)炭酸水を溶媒とした高温・高圧条件下での加水分解反応、
(II)アンモニア水等のアルカリを用い指定の水素イオン濃度に調整した弱アルカリ性水を溶媒とした、高温・高圧下での加水分解反応、
の2通りで行った。
ここで、前記(I)の炭酸水を溶媒とした加水分解反応は、以下の2通りで行った。
(I)−1 予め二酸化炭素を溶解させた弱酸性水(炭酸水)を用いる加水分解反応
ここでの弱酸性水は、200ml三角フラスコ中に水100mLと、ドライアイス約50gを投入し、同時にサイホン式液化二酸化炭素ボンベを用い二酸化炭素を吹き込みながら調整した。この飽和炭酸水の水素イオン濃度は、―0.3℃で3.39、18.4℃では3.84を示した。
(I)−2 上記飽和炭酸水10mlを反応容器に注入し、さらに反応容器中にドライアイス約5gを投入し、ドライアイス存在下で反応容器を密閉する加水分解反応。
以下、特に記載がないときは、(I)−1の方法で加水分解反応を行った。
また、(I)−2の方法で加水分解反応を行っても、同様の結果が得られた。
下記に二酸化炭素の溶解度(100gの水に溶解する二酸化炭素の量(g))を示す。
(I)−1 予め二酸化炭素を溶解させた弱酸性水(炭酸水)を用いる加水分解反応
ここでの弱酸性水は、200ml三角フラスコ中に水100mLと、ドライアイス約50gを投入し、同時にサイホン式液化二酸化炭素ボンベを用い二酸化炭素を吹き込みながら調整した。この飽和炭酸水の水素イオン濃度は、―0.3℃で3.39、18.4℃では3.84を示した。
(I)−2 上記飽和炭酸水10mlを反応容器に注入し、さらに反応容器中にドライアイス約5gを投入し、ドライアイス存在下で反応容器を密閉する加水分解反応。
以下、特に記載がないときは、(I)−1の方法で加水分解反応を行った。
また、(I)−2の方法で加水分解反応を行っても、同様の結果が得られた。
下記に二酸化炭素の溶解度(100gの水に溶解する二酸化炭素の量(g))を示す。
(加水分解反応)
反応時間は反応装置内の温度が指定された反応温度に達した時をもって反応開始時間とした。反応終了後は、TSC−WC装置の場合には空冷冷却で、TVS−1は水冷で室温まで冷却した。冷却後は必要な場合には直ちにpHを測定した。加水分解後の反応溶液は、そのままアスピレーターで減圧下、エバポレータにより水溶媒を完全に除去し蒸発・乾固物とした。以後、この試料を低分子量化の判定試料とした。
反応時間は反応装置内の温度が指定された反応温度に達した時をもって反応開始時間とした。反応終了後は、TSC−WC装置の場合には空冷冷却で、TVS−1は水冷で室温まで冷却した。冷却後は必要な場合には直ちにpHを測定した。加水分解後の反応溶液は、そのままアスピレーターで減圧下、エバポレータにより水溶媒を完全に除去し蒸発・乾固物とした。以後、この試料を低分子量化の判定試料とした。
(低糖及びオリゴ糖の生成の判定)
低糖及びオリゴ糖の生成の判定は、下記の(1)サイズ排除クロマトグラフ(以下SCEと略す)を用いた判定および、(2)アルコール溶液を用いた判定にて行った。
(SCEを用いた判定)
SCE分析の試料は上記の蒸発・乾固物を0.5%超純水溶液に溶かし、平均孔径が0.45μmのフイルターを通したものを使用した。SCEカラムは糖分析用のShodex SUGAR、KS−801およびKS−802を用いて行った。Shodex SUGARカラムは、スチレンージビニルベンゼン共重合体を基本としたイオン交換樹脂の充填カラムであり、単糖類、二糖類、オリゴ糖、低糖、多糖類などの炭水化物の分離に用いられる汎用カラムである。SCEの分析条件を以下に示す。
低糖及びオリゴ糖の生成の判定は、下記の(1)サイズ排除クロマトグラフ(以下SCEと略す)を用いた判定および、(2)アルコール溶液を用いた判定にて行った。
(SCEを用いた判定)
SCE分析の試料は上記の蒸発・乾固物を0.5%超純水溶液に溶かし、平均孔径が0.45μmのフイルターを通したものを使用した。SCEカラムは糖分析用のShodex SUGAR、KS−801およびKS−802を用いて行った。Shodex SUGARカラムは、スチレンージビニルベンゼン共重合体を基本としたイオン交換樹脂の充填カラムであり、単糖類、二糖類、オリゴ糖、低糖、多糖類などの炭水化物の分離に用いられる汎用カラムである。SCEの分析条件を以下に示す。
また、分子量校正用標準試料であるポリエチレングリコール((株)GLサイエンス製)を用いた検量線を作成した。ここでは排除限界が分子量10,000までのカラムを用いているため、ポリエチレングリコールの上限分子量は7,100を用いた。標準ポリエチレングリコールの分子量と溶出時間を以下に示す。
上記の表より、分子量約5,000〜10,000の低糖は8分前後に溶出することが分かる。また、分子量が2,000を超えない8糖程度で構成されたオリゴ糖の溶出時間は約10分であり、2糖が12分から14分前後に溶出することが推測できる。
(アルコール溶液を用いた判定)
加水分解を受けて低分子量化した多糖は、一般的に水溶性の性質を有することから、メタノールやエタノールなど水と任意に混ざりあう低級アルコール等の有機溶媒にも可溶性を示す。これに対し多糖類は、(1)水溶媒に可溶なもの、(2)水溶媒中でゲル化するもの、(3)水溶媒に不溶なもの、に分かれるが、100%アルコール溶媒には溶けない。したがって、有機溶媒として水と任意に混ざり合うアルコール溶媒への糖の溶解度は、糖類の重合度に依存しており、結果として多糖が加水分解を受けて、低分子量化したかどうかの指標のひとつとなる。
すなわち、高濃度のアルコール溶液に可溶であればあるほど、多糖の加水分解生成物は低分子量化していると判断できる。このため低分子量化の判断は、濃度の異なる水−エタノール溶液への可溶化の度合いをもって判断した。判定に用いたエタノール溶液は、重量%で調整した。加水分解により得られた蒸発乾固物は、判定容器である1.5mlマイクロチューブに、電子化学天秤にて10.0mgを正確に秤り取った。さらに、この容器ごとに、純水、10wt%、20wt%、40wt%、60wt%の各エタノール水溶液を、正確に1.00ml添加した。マイクロチューブ容器は、密閉後、超音波洗浄機で5分間加振し、24時間静置した。判定は目視により行い、100%溶けている場合は○印を、50%程度可溶化している場合には△印を、可溶化しない場合には×印とした。50%の可溶化(△印)の判断は、マイクロチューブ内での加水分解物の底からの広がりを目視判断で長さに換算し、同一溶媒中での原料の底からの広がりの長さ、またはゲル状範囲の大きさとの比較により行った。目視により得られた広がりの長さが、原料と比較して、50%前後(+/−20%程度)の場合には△印とした。
加水分解を受けて低分子量化した多糖は、一般的に水溶性の性質を有することから、メタノールやエタノールなど水と任意に混ざりあう低級アルコール等の有機溶媒にも可溶性を示す。これに対し多糖類は、(1)水溶媒に可溶なもの、(2)水溶媒中でゲル化するもの、(3)水溶媒に不溶なもの、に分かれるが、100%アルコール溶媒には溶けない。したがって、有機溶媒として水と任意に混ざり合うアルコール溶媒への糖の溶解度は、糖類の重合度に依存しており、結果として多糖が加水分解を受けて、低分子量化したかどうかの指標のひとつとなる。
すなわち、高濃度のアルコール溶液に可溶であればあるほど、多糖の加水分解生成物は低分子量化していると判断できる。このため低分子量化の判断は、濃度の異なる水−エタノール溶液への可溶化の度合いをもって判断した。判定に用いたエタノール溶液は、重量%で調整した。加水分解により得られた蒸発乾固物は、判定容器である1.5mlマイクロチューブに、電子化学天秤にて10.0mgを正確に秤り取った。さらに、この容器ごとに、純水、10wt%、20wt%、40wt%、60wt%の各エタノール水溶液を、正確に1.00ml添加した。マイクロチューブ容器は、密閉後、超音波洗浄機で5分間加振し、24時間静置した。判定は目視により行い、100%溶けている場合は○印を、50%程度可溶化している場合には△印を、可溶化しない場合には×印とした。50%の可溶化(△印)の判断は、マイクロチューブ内での加水分解物の底からの広がりを目視判断で長さに換算し、同一溶媒中での原料の底からの広がりの長さ、またはゲル状範囲の大きさとの比較により行った。目視により得られた広がりの長さが、原料と比較して、50%前後(+/−20%程度)の場合には△印とした。
<実施例1−1>
(アガロースの加水分解)
原料として、寒天アガロース(培地用寒天;伊那食品工業(株)製)を用いた。TSC−WCにて行った加水分解(実験1〜7)では寒天アガロース1.00gを使用し、60gの水溶媒、又は炭酸水を使用して加水分解を行った。また、TVS−1にて行った加水分解(実験8〜11)では、寒天アガロース0.50gを使用し、10gの水溶媒、又は炭酸水を使用して加水分解を行った。
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験1〜実験11を行った。以下に加水分解生成物について、低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
アガロースの加水分解物の収量をHPLC測定した。加水分解反応終了後、直ちに冷却し、反応溶液に活性炭を加え、100℃で3分間加熱することにより、反応溶液の精製を行った。精製後の反応溶液は、液体窒素により凍結後、真空ポンプにより凍結乾燥を行った。加水分解反応の収量は凍結乾燥後の試料の乾燥重量を測定することで求めた。反応収率は仕込量に対する凍結乾燥物の重量比を割合(%)で表した。低糖又はオリゴ糖の収率(%)は、HPLC分析でのピーク総面積を100とし、それに対する低糖又はオリゴ糖に該当するピーク面積値の割合をそれぞれ求め、さらに凍結乾燥後の収率を掛けて低糖及びオリゴ糖の収率(%)とした。
これらの結果から表6における低糖及びオリゴ糖の生成量を以下の通り表示した。
×:低糖又はオリゴ糖の生成収率が仕込量に対して2%未満
△:低糖又はオリゴ糖の生成収率が仕込量に対して2%以上10%未満
○:低糖又はオリゴ糖の生成収率が仕込量に対して10%以上
なお、以下に示す表においても、×、△、○は同様の意味を表すものとする。
(アガロースの加水分解)
原料として、寒天アガロース(培地用寒天;伊那食品工業(株)製)を用いた。TSC−WCにて行った加水分解(実験1〜7)では寒天アガロース1.00gを使用し、60gの水溶媒、又は炭酸水を使用して加水分解を行った。また、TVS−1にて行った加水分解(実験8〜11)では、寒天アガロース0.50gを使用し、10gの水溶媒、又は炭酸水を使用して加水分解を行った。
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験1〜実験11を行った。以下に加水分解生成物について、低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
アガロースの加水分解物の収量をHPLC測定した。加水分解反応終了後、直ちに冷却し、反応溶液に活性炭を加え、100℃で3分間加熱することにより、反応溶液の精製を行った。精製後の反応溶液は、液体窒素により凍結後、真空ポンプにより凍結乾燥を行った。加水分解反応の収量は凍結乾燥後の試料の乾燥重量を測定することで求めた。反応収率は仕込量に対する凍結乾燥物の重量比を割合(%)で表した。低糖又はオリゴ糖の収率(%)は、HPLC分析でのピーク総面積を100とし、それに対する低糖又はオリゴ糖に該当するピーク面積値の割合をそれぞれ求め、さらに凍結乾燥後の収率を掛けて低糖及びオリゴ糖の収率(%)とした。
これらの結果から表6における低糖及びオリゴ糖の生成量を以下の通り表示した。
×:低糖又はオリゴ糖の生成収率が仕込量に対して2%未満
△:低糖又はオリゴ糖の生成収率が仕込量に対して2%以上10%未満
○:低糖又はオリゴ糖の生成収率が仕込量に対して10%以上
なお、以下に示す表においても、×、△、○は同様の意味を表すものとする。
上記の低糖化およびオリゴ糖の存在は、SCEを用いて判定した。代表的なクロマトグラムを図3および図4に示す。これらは、実験2および実験5における加水分解物のクロマトグラムである。前記の実験は、TSC−WCを用い、二酸化炭素加圧下、以下の条件にて加水分解を行った。
(実験2)130℃、2時間の結果は図3に示し、(実験5)170℃、2時間の結果は図4に示した。
(実験2)130℃、2時間の結果は図3に示し、(実験5)170℃、2時間の結果は図4に示した。
実験2のクロマトグラム(図3)中には、溶出時間9.8分の大きなピークの存在が確認された。このピークは7.3分から13分前後まで連続的に溶出した。このピークは、表5に記載した分子量の検量線から、溶出時間7.3分は分子量10,000前後、13分が分子量440であり、ピークトップの溶出時間(9.8分)から計算された平均分子量が、約3,000から3,500前後であることが分かった。また、13.5分と15.2分のピークは、それぞれ2糖と単糖である。これらの結果から、アガロースの加水分解により低糖及びオリゴ糖が生成したと判定した。
実験5のクロマトグラム(図4)中には、実験2のクロマトグラム中の9.8分に相当するピークトップの溶出時間が10.2分から11分に移動し、さらにこのピーク全体も8.8分から13.0分前後へと溶出時間が後退した。これらのピークは、表5に記載した分子量の検量線から、溶出時間8.8分は分子量7,000前後で、13.0分が3糖程度を、ピークトップの溶出時間から平均分子量が約1,200前後であり、主として6から7糖を中心としたオリゴ糖であることが分かった。また、13.4分と15.0分のピークはそれぞれ、2糖と単糖である。これらの結果から、アガロースの加水分解により低糖及びオリゴ糖が生成したと判定した。
実験5のクロマトグラム(図4)中には、実験2のクロマトグラム中の9.8分に相当するピークトップの溶出時間が10.2分から11分に移動し、さらにこのピーク全体も8.8分から13.0分前後へと溶出時間が後退した。これらのピークは、表5に記載した分子量の検量線から、溶出時間8.8分は分子量7,000前後で、13.0分が3糖程度を、ピークトップの溶出時間から平均分子量が約1,200前後であり、主として6から7糖を中心としたオリゴ糖であることが分かった。また、13.4分と15.0分のピークはそれぞれ、2糖と単糖である。これらの結果から、アガロースの加水分解により低糖及びオリゴ糖が生成したと判定した。
また、アルコール溶液(エタノール溶液)を用いた判定の結果を以下に示す。
原料である寒天アガロースは純水にも溶解しないが、実験2の反応生成物は、純水、10wt%のエタノール溶液に完全に可溶となった。実験2と比較して、加水分解温度がより高く、前記のクロマトグラム上においても、より低糖およびオリゴ糖の生成の進んでいた実験5の反応生成物においては、40wt%のエタノール溶液に対しても完全に可溶となった。このことは、エタノール溶液に対する溶解性が、低糖及びオリゴ糖の生成の指標として用いることができることを示唆するものであり、エタノールを用いた判定により、低糖及びオリゴ糖がどの程度生成しているのかを評価することができる。
以下の実施例1−2〜1−10においても、エタノール溶液を用いた可溶化の判定を用いて、簡便に低糖及びオリゴ糖の生成の判定を行うことができる。
以下の実施例1−2〜1−10においても、エタノール溶液を用いた可溶化の判定を用いて、簡便に低糖及びオリゴ糖の生成の判定を行うことができる。
<実施例1−2>
(アルギン酸の加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験21〜実験29を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに褐藻類のこんぶから抽出したアルギン酸ナトリウム((株)キミカ製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(アルギン酸の加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験21〜実験29を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに褐藻類のこんぶから抽出したアルギン酸ナトリウム((株)キミカ製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
なお、前記実験27’においては、二酸化炭素を共存させずに実験27と同様の実験を行った。
<実施例1−3>
(イヌリンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験31〜実験34を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりにキクイモから抽出したイヌリン(フジ日本精糖(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、オリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(イヌリンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験31〜実験34を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりにキクイモから抽出したイヌリン(フジ日本精糖(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、オリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例1−4>
(カラギーナンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験41〜実験44を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに紅藻類海藻から抽出したκカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(カラギーナンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験41〜実験44を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに紅藻類海藻から抽出したκカラギーナン(中央フーズマテリアル(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例1−5>
(キチン・キトサンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験51〜実験62を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに甲殻類から抽出したキチン・キトサン(脱アセチル化度75.9%;(株)純正化学製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(キチン・キトサンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験51〜実験62を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに甲殻類から抽出したキチン・キトサン(脱アセチル化度75.9%;(株)純正化学製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
上記実験57においては、アンモニア水にてpHを11に合わせた後、水溶媒を用いて加水分解反応を行った。
<実施例1−6>
(グルコマンナンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験71〜実験73を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりにコンニャクイモから抽出したグルコマンナン(清水化学(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(グルコマンナンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験71〜実験73を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりにコンニャクイモから抽出したグルコマンナン(清水化学(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例1−7>
(フコダインの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験81、実験82を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに沖縄もずくから抽出したフコイダン(マンナンフーズ(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(フコダインの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験81、実験82を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりに沖縄もずくから抽出したフコイダン(マンナンフーズ(株)製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例1−8>
(カードランの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験91〜実験93を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりにカードランを用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(カードランの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験91〜実験93を行った。加水分解条件および、アガロースの代わりにカードランを用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例1−9>
(ヒアルロン酸の加水分解)
実施例1−1においてアガロースを使用する代わりにヒアルロン酸を使用する以外は全く同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験101〜実験103を行った。加水分解条件及び、アガロースの代わりにヒアルロン酸((株)資生堂製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
(ヒアルロン酸の加水分解)
実施例1−1においてアガロースを使用する代わりにヒアルロン酸を使用する以外は全く同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。
加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)を変化させ、実験101〜実験103を行った。加水分解条件及び、アガロースの代わりにヒアルロン酸((株)資生堂製)を用いた以外は、実施例1−1と同様に加水分解した。以下に加水分解生成物について、低糖およびオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例1−10>
(ラミナランの加水分解)
実施例1−1においてアガロースを使用する代わりにラミナランを使用する以外は全く同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。
(ラミナランの加水分解)
実施例1−1においてアガロースを使用する代わりにラミナランを使用する以外は全く同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。
(実施例2)
加圧加水分解反応を行う前に多糖類の可溶化を行う二段階加水分解法にて低糖及び/又はオリゴ糖を製造した。
(可溶化反応)
500mlの飽和炭酸水(pH約3.4、0℃)及び試料(多糖類)4gを(株)耐圧硝子工業製ハイパークラスターTEM−V1000に入れ、所定温度まで加熱した後、30分間600rpmにて撹拌した。
加圧加水分解反応を行う前に多糖類の可溶化を行う二段階加水分解法にて低糖及び/又はオリゴ糖を製造した。
(可溶化反応)
500mlの飽和炭酸水(pH約3.4、0℃)及び試料(多糖類)4gを(株)耐圧硝子工業製ハイパークラスターTEM−V1000に入れ、所定温度まで加熱した後、30分間600rpmにて撹拌した。
可溶化の程度は、可溶化状態について目視で評価を行った。
<可溶化状態の評価>
× ・・・ 非可溶:反応開始前での溶液中での多糖類の容積を100としたとき、可溶化量が50未満。
△ ・・・ 可溶化中:約半分程度可溶化。
○ ・・・ 全可溶化:完全に可溶化。
<可溶化状態の評価>
× ・・・ 非可溶:反応開始前での溶液中での多糖類の容積を100としたとき、可溶化量が50未満。
△ ・・・ 可溶化中:約半分程度可溶化。
○ ・・・ 全可溶化:完全に可溶化。
アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナングルコマンナン、ヒアルロン酸、及び、フコイダンの可溶化の試験結果について以下に示す。
(可溶化後の粘度測定)
可溶化後の液粘度は、BUROOKFIELD社製の粘度測定装置(HBDV−II+CP)で測定した。
TVS−1に各多糖類を0.2g及び25mlの飽和炭酸水(pH3.4、0℃)を入れ、80℃で1時間撹拌後、直ちに30℃で粘度測定を行った。尚、80℃で1時間撹拌することにより、アガロース、アルギン酸、カラギーナン、ヒアルロン酸、フコイダンはほぼ均一な溶液となり、カードラン及びグルコマンナン溶液は完全に膨潤し、ほぼ均一となった。また、これとは別に多糖類の標準的な粘度表示に用いるグァーガム1.0%水溶液で測定した粘度は20℃で約8,000mPa・sであった。可溶化後に30℃で測定した粘度の結果を以下に示す。
可溶化後の液粘度は、BUROOKFIELD社製の粘度測定装置(HBDV−II+CP)で測定した。
TVS−1に各多糖類を0.2g及び25mlの飽和炭酸水(pH3.4、0℃)を入れ、80℃で1時間撹拌後、直ちに30℃で粘度測定を行った。尚、80℃で1時間撹拌することにより、アガロース、アルギン酸、カラギーナン、ヒアルロン酸、フコイダンはほぼ均一な溶液となり、カードラン及びグルコマンナン溶液は完全に膨潤し、ほぼ均一となった。また、これとは別に多糖類の標準的な粘度表示に用いるグァーガム1.0%水溶液で測定した粘度は20℃で約8,000mPa・sであった。可溶化後に30℃で測定した粘度の結果を以下に示す。
<実施例2−1>
(グルコマンナンの二段階加水分解)
加水分解はTVS−1を用いて行った。TVS−1にコンニャクイモから抽出したグルコマンナン(清水化学(株)製)0.2g及び25mlの飽和炭酸水(pH3.4、0℃)を入れ、100℃で2時間撹拌後、所定の加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)で加水分解を行った。尚、100℃で2時間撹拌することにより、グルコマンナン溶液は完全に膨潤し、ほぼ均一となった。
反応時間は反応装置内の温度が指定された反応温度に達した時をもって反応開始時間とした。反応終了後は、水冷で室温まで冷却した。
加水分解後の反応溶液はそのままアスピレーターで減圧下、エバポレータにより水性媒体を完全に除去し、蒸発・乾固物とした。以後この試料を低糖及びオリゴ糖の存在を判定する試料とした。
(グルコマンナンの二段階加水分解)
加水分解はTVS−1を用いて行った。TVS−1にコンニャクイモから抽出したグルコマンナン(清水化学(株)製)0.2g及び25mlの飽和炭酸水(pH3.4、0℃)を入れ、100℃で2時間撹拌後、所定の加水分解条件(反応圧力、反応温度、反応時間)で加水分解を行った。尚、100℃で2時間撹拌することにより、グルコマンナン溶液は完全に膨潤し、ほぼ均一となった。
反応時間は反応装置内の温度が指定された反応温度に達した時をもって反応開始時間とした。反応終了後は、水冷で室温まで冷却した。
加水分解後の反応溶液はそのままアスピレーターで減圧下、エバポレータにより水性媒体を完全に除去し、蒸発・乾固物とした。以後この試料を低糖及びオリゴ糖の存在を判定する試料とした。
低糖及びオリゴ糖の生成の判定は、下記のサイズ排除クロマトグラフ(以下SCEと略す)を用いて判定を行った。
(SCEを用いた判定)
SCE分析の試料は上記の蒸発・乾固物を0.5%超純水溶液に溶かし、平均孔径が0.45μmのフイルターを通したものを使用した。SCEカラムは糖分析用のShodex SUGAR、KS−804を用いて行った。SCEの分析条件を以下に示す。
(SCEを用いた判定)
SCE分析の試料は上記の蒸発・乾固物を0.5%超純水溶液に溶かし、平均孔径が0.45μmのフイルターを通したものを使用した。SCEカラムは糖分析用のShodex SUGAR、KS−804を用いて行った。SCEの分析条件を以下に示す。
また、分子量校正用標準試料であるプルラン((株)昭和電工製)を用いた検量線を作成した。標準試料プルランの分子量と溶出時間を以下に示す。
上記の表より、分子量約2,000〜10,000の低糖は14〜16分前後に溶出することが分かる。また、分子量が2,000を超えない8糖程度で構成されたオリゴ糖の溶出時間はそれよりもさらに遅いものであることが推測できる。
以下に、グルコマンナンの加水分解生成物について、低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
以下に、グルコマンナンの加水分解生成物について、低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を示す。
<実施例2−2>
(カラギーナンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度)を変化させ、実験211〜実験216を行った。可溶化条件を40℃で30分間とし、グルコマンナンの代わりにカラギーナン原藻粉末((株)中央フーズマテリアル社製)を用いた以外は実施例2−1と同様にして、カラギーナン原藻粉末の二段階加水分解を行った。低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を以下に示す。
(カラギーナンの加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度)を変化させ、実験211〜実験216を行った。可溶化条件を40℃で30分間とし、グルコマンナンの代わりにカラギーナン原藻粉末((株)中央フーズマテリアル社製)を用いた以外は実施例2−1と同様にして、カラギーナン原藻粉末の二段階加水分解を行った。低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を以下に示す。
<実施例2−3>
(ヒアルロン酸の加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度)を変化させ、実験221〜実験227を行った。可溶化条件を40℃で30分間とし、グルコマンナンの代わりに0.1gの酵素重合で合成した分子量120万のヒアルロン酸(HR−12;(株)資生堂製)を用いた以外は実施例2−1と同様にして、ヒアルロン酸の二段階加水分解を行った。低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を以下に示す。
(ヒアルロン酸の加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度)を変化させ、実験221〜実験227を行った。可溶化条件を40℃で30分間とし、グルコマンナンの代わりに0.1gの酵素重合で合成した分子量120万のヒアルロン酸(HR−12;(株)資生堂製)を用いた以外は実施例2−1と同様にして、ヒアルロン酸の二段階加水分解を行った。低糖及びオリゴ糖の存在を判定した結果を以下に示す。
(実験224)150℃、2時間加水分解後のSCEクロマトグラムを図5に示した。
<実施例2−4>
(アルギン酸の加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度)を変化させ、実験231〜実験234を行った。実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにアルギン酸を使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は40℃で30分間とした。
(アルギン酸の加水分解)
加水分解条件(反応圧力、反応温度)を変化させ、実験231〜実験234を行った。実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにアルギン酸を使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は40℃で30分間とした。
アルギン酸の加水分解での収量を測定した。加水分解反応終了後、直ちに冷却し、反応溶液に活性炭を加え、100℃で3分間加熱することにより、反応溶液の精製を行った。精製後の反応溶液は、液体窒素により凍結後、真空ポンプにより凍結乾燥を行った。加水分解反応の収量は、凍結乾燥後の試料の乾燥重量を測定することにより求めた。また、反応収率は反応前の仕込み量(0.20g)に対する凍結乾燥後の重量比(%)で表した。
その結果、実験233の反応収率は81%であった。また、反応生成物中の低糖の割合は36%であり、オリゴ糖の割合は64%であった。従って、低糖は反応前の仕込量(0.20g)に対して29%(0.058g)、また、オリゴ糖は51%(0.102g)生成したことが判った。
その結果、実験233の反応収率は81%であった。また、反応生成物中の低糖の割合は36%であり、オリゴ糖の割合は64%であった。従って、低糖は反応前の仕込量(0.20g)に対して29%(0.058g)、また、オリゴ糖は51%(0.102g)生成したことが判った。
<実施例2−5>
(アガロースの加水分解)
実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにアガロースを使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は80℃で30分間とした。
(アガロースの加水分解)
実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにアガロースを使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は80℃で30分間とした。
<実施例2−6>
(カードランの加水分解)
実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにカードランを使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は100℃で5時間とした。
(カードランの加水分解)
実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにカードランを使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は100℃で5時間とした。
<実施例2−7>
(フコイダンの加水分解)
実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにフコイダンを使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は80℃で30分間とした。
実施例2−4〜2−7では加水分解条件(反応温度、反応圧力及び反応時間)を変化させて加水分解を行った。また、いずれも可溶化後に反応溶液はほぼ均一であった。
(フコイダンの加水分解)
実施例2−1においてグルコマンナンを使用する代わりにフコイダンを使用する以外は同様にして加水分解を行うことにより、低糖及び/又はオリゴ糖を得た。尚、可溶化条件は80℃で30分間とした。
実施例2−4〜2−7では加水分解条件(反応温度、反応圧力及び反応時間)を変化させて加水分解を行った。また、いずれも可溶化後に反応溶液はほぼ均一であった。
Claims (9)
- アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、
pH1〜13の水性媒体中で、
温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。 - pH2〜11の水性媒体中で、温度105〜260℃において加水分解する請求項1記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
- アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、
二酸化炭素の共存する水性媒体中で、
温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。 - アガロース、アルギン酸、イヌリン、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ヒアルロン酸、フコイダンおよびラミナランよりなる群より選ばれた多糖類を、
アンモニア水の共存する水性媒体中で、
温度105〜300℃において加水分解することを特徴とする低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。 - アガロース、アルギン酸、カードラン、カラギーナン、グルコマンナン、ヒアルロン酸及びフコイダンなる群より選ばれた多糖類を、pH1〜13の水性媒体中で30〜100℃にて均一になるまで加熱した後、加水分解する請求項1〜4いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
- 低糖及び/又はオリゴ糖が分解生成物の30重量%以上を占める請求項1〜5いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
- 低糖及び/又はオリゴ糖を含む分解生成物から低糖及び/又はオリゴ糖を分離する請求項1〜6いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
- カラギーナン及び/またはフコイダンとして原藻粉末を使用する請求項1〜7いずれか1つに記載の低糖及び/又はオリゴ糖の製造方法。
- 請求項1〜8いずれか1つの製造方法により製造された機能性の低糖及び/又はオリゴ糖。
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