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JP2005109322A - レーザーダイシング装置 - Google Patents

レーザーダイシング装置 Download PDF

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康之 酒谷
Masayuki Azuma
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Abstract

【課題】ウェーハ内部の多層改質層形成や、ダイアタッチテープの切断等の様々な加工に対応できる応用性に富んだレーザーダイシング装置を提供すること。
【解決手段】レーザーダイシング装置10のレーザーヘッド20には、複数のレーザー発振器21、22と、発振されたレーザー光L1、L2を個々に集光する集光手段23、23と、レーザー光L1、L2を1つの光軸に集める光路集結手段24とを設け、同一光軸上で異なる位置に集光点P1、P2を有する複数のレーザー光L1、L2で、ウェーハ内部の多層改質領域形成や、ウェーハ内部の改質領域形成とダイアタッチテープDТの切断とを同時に行う複合加工等、様々な加工に対応できるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置や電子部品等のチップを製造するダイシング装置に関するもので、特にレーザー光を利用したダイシング装置に関する。
従来、表面に半導体装置や電子部品等が形成されたウェーハを個々のチップに分割するには、ダイシングブレードと呼ばれる砥石でウェーハに研削溝を入れてウェーハをカットするダイシング装置が用いられていた。ダイシングブレードは、微細なダイヤモンド砥粒をNiで電着したもので、厚さ30μm程度の極薄のものが用いられる。
このダイシングブレードを30,000〜60,000rpmで高速回転させてウェーハに切込み、ウェーハを完全切断(フルカット)又は不完全切断(ハーフカット或いはセミフルカット)していた。ハーフカットはウェーハに厚さの半分程度切り込む方法で、セミフルカットは10μm程度の肉厚を残して研削溝を形成する方法のことである。
ところで、このダイシングブレードによる研削加工の場合、ウェーハが高脆性材料であるため脆性モード加工となり、ウェーハの表面や裏面にチッピングが生じ、このチッピングが分割されたチップの性能を低下させる要因になっていた。
ダイシング工程におけるこのチッピングの問題を解決する手段として、従来のダイシングブレードによる切断に替えて、ウェーハの内部に集光点を合わせたレーザー光を入射し、ウェーハ内部に多光子吸収による改質領域を形成して個々のチップに分割するレーザ加工方法に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照。)。
特開2002−192367号公報 特開2002−192368号公報 特開2002−192369号公報 特開2002−192370号公報 特開2002−192371号公報 特開2002−205180号公報
しかし、上記の特許文献1〜6で提案されているレーザー加工装置は、単一のレーザー光を用いた単一照射方式によってウェーハを割断するもので、チッピングの問題は解決されるが、様々な加工に対する応用性に乏しかった。
例えば、厚いウェーハの場合で、ウェーハ内部に改質層を複数層形成する時には、レーザー光を複数回スキャンさせて照射しなければならないため時間が掛かるという問題があった。
また、ウェーハの裏面にダイボンディング用のダイアタッチテープが貼付されている場合、ダイアタッチテープを別の工程で切断しなければウェーハを個々のチップに分割することが出来ない等の問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ウェーハ内部の多層改質層形成や、ダイアタッチテープの切断等の様々な加工に対応できる応用性に富んだレーザーダイシング装置を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、請求項1に記載のレーザーダイシング装置は、ウェーハの表面からレーザー光を入射して前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザーダイシング装置において、前記ウェーハに向けてレーザー光を照射するレーザーヘッドが設けられ、該レーザーヘッドは、複数のレーザー発振器と、発振された複数のレーザー光を個々に集光する複数の集光手段と、前記複数のレーザー光を1つの光軸に集める光路集結手段と、を有していることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、レーザーダイシング装置のレーザーヘッドには、同一光軸上で異なる位置に集光点を有する複数のレーザー光が設けられているので、ウェーハ内部の多層改質層形成や、ウェーハ内部の改質層形成とダイアタッチテープの切断とを同時に行う複合加工等、様々な加工に対応することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1のレーザーダイシング装置において、前記レーザーヘッドには、前記複数のレーザー光の光軸上における集光点の位置を個々に調節する集光点位置調節手段が設けられていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、複数のレーザー光の光軸上における集光点の位置が個々に調節できるので、夫々のレーザー光を各々有効なポイントに集光させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2のレーザーダイシング装置において、前記集光点位置調節手段は、前記複数の集光手段を夫々の光軸上で微小移動させる駆動手段であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3のレーザーダイシング装置において、前記駆動手段は、少なくとも1個の圧電素子を含むことを特徴としている。
請求項3及び請求項4の発明によれば、簡単な構造で容易に集光点の位置を調節することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3、又は4のうちいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置において、前記複数のレーザー光が同種のレーザー光であることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、ウェーハ内部の多層改質層形成を同時に容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、3、又は4のうちいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置において、前記複数のレーザー光のうち少なくとも1つのレーザー光が他のレーザー光とは異種のレーザー光であることを特徴としている。
請求項6の発明によれば、複数のレーザー光の夫々で異種の加工を同時に行うことができる。
以上説明したように本発明のレーザーダイシング装置は、複数のレーザー発振器を有し、光路集結手段で複数のレーザー光を1つの光軸に集めるとともに、複数の集光手段で複数のレーザー光を個々に集光するので、ウェーハ内部の多層改質層形成や、ウェーハ内部の改質層形成とダイアタッチテープの切断とを同時に行う複合加工等、様々な加工に対応することができる。
また、複数のレーザー光の光軸上における集光点の位置が個々に調節でき、また、複数のレーザー光に同種又は異種のレーザー光を用いることができるので、様々な加工に対する対応幅が広く、また容易に対応できる。
以下添付図面に従って本発明に係るレーザーダイシング装置の好ましい実施の形態について詳説する。尚、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
図1は、本発明に係るレーザーダイシング装置の概略構成図である。レーザーダイシング装置10では、ウェーハは図5に示すように、一方の面に粘着材を有するダイシングシートSに貼付され、このダイシングシートSを介してフレームFと一体化された状態で搬入され、レーザーダイシング装置10内を搬送される。
レーザーダイシング装置10は、図1に示すように、ウェーハ移動部11、レーザーヘッド20、図示しない制御部等から構成されている。
ウェーハ移動部11は、レーザーダイシング装置10の本体ベース16に設けられたXYテーブル12、XYテーブル12に載置されたZθテーブル15、Zθテーブル15に取り付けられダイシングシートSを介してフレームFにマウントされたウェーハWを吸着保持する吸着ステージ13、同じくZθテーブル15に取り付けられフレームFを吸着保持するフレームチャック14等からなっている。
このウェーハ移動部11によって、ウェーハWがダイシングシートSを介してフレームFにマウントされた状態で図のXYZθ方向に精密に移動される。
レーザーヘッド20は、レーザー光L1及びL2を発振する2個のレーザー発振器21、22、集光レンズ(集光手段)23、23、集光レンズ23、23、を夫々の光軸上で微小移動させる駆動手段(集光点位置調節手段)26、26、レーザー光L1及びL2の光軸を1つに集める光路集結手段24を構成するハーフミラー24Aとミラー24B、及び対物レンズ25等で構成されている。
レーザーヘッド20では、レーザー発振器21から発振されたレーザー光L1は集光レンズ23、ハーフミラー24A、対物レンズ25等の光学系を経てウェーハWの内部に集光される。
また、レーザー発振器22から発振されたレーザー光L2は集光レンズ23、ミラー24B、ハーフミラー24Aを経てレーザー光L1の光軸に合致された後、対物レンズ25を経由してレーザー光L1と同じ光軸上でウェーハWの内部に集光される。
レーザー光L1の集光点P1、及びレーザー光L2の集光点P2の光軸上の位置は、夫々駆動手段26によって集光レンズ23を光軸上で微小移動させることにより独立して調整される。
レーザー発振器21及び22から発振されるレーザー光L1及びL2は、例えば、集光点P1、P2におけるピークパワー密度が1×108 ( W/c m2 )以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で、ダイシングシートに対して透過性を有するレーザー光が用いられる。
ダイシングシートに対して透過性を有するレーザー光を用いるのは、例えば、ウェーハWの裏面側からレーザー光を照射する場合等の変形例にも対応できるからである。
レーザーダイシング装置10はこの他に、図示しないウェーハカセットエレベータ、ウェーハ搬送手段、操作板、及び表示灯等から構成されている。
ウェーハカセットエレベータは、ウェーハが格納されたカセットを上下移動して搬送位置に位置決めする。搬送手段はカセットと吸着ステージ13との間でウェーハを搬送する。
操作板には、レーザーダイシング装置10の各部を操作するスイッチ類や表示装置が取付けられている。表示灯は、レーザーダイシング装置10の加工中、加工終了、非常停止等の稼動状況を表示する。
図2は、集光レンズ23をその光軸上で微小移動する駆動手段26の細部を説明する概念図である。駆動手段26は、集光レンズ23を保持するレンズフレーム26A、レンズフレーム26Aの上面に取り付けられレンズフレーム26Aを光軸方向に微小移動させる圧電素子26B等からなっている。
電圧印加によって伸縮する圧電素子26Bは中空の円筒形状で、上端がレーザーヘッド本体20Aに固定され、下端で集光レンズ23を保持するレンズフレーム26Aと接合されている。この圧電素子の伸縮によって集光レンズ23、23が光軸方向に微小送りされて、レーザー光L1及びL2の集光点P1及びP2の光軸方向位置が夫々独立して精密に位置決めされるようになっている。
図3は、ウェーハ内部の集光点近傍に形成される改質領域を説明する概念図である。図3に示すように、ウェーハWが図の白抜き矢印方向に加工送りされると、ウェーハWの内部に入射されたレーザー光L1によって集光点P1に改質領域R1が形成され、またレーザー光L2の集光点P2に改質領域R2が形成されて、ウェーハ内部に上下2層の改質領域が同時に形成される。
このようにウェーハWは内部に上下2層の改質領域R1、R2が形成されているので、厚さが厚くても改質領域R1、R2を起点として自然に、或いは僅かな外力を加えることによって改質領域R1、R2に沿って割断される。この場合、ウェーハWは表面や裏面にはチッピングが発生せずに容易にチップに分割される。
また、ウェーハWは、図5に示すように、裏面にダイシングシートSが貼られダイシング用のフレームFにマウントされているので、個々のチップに分割されても個々のチップが1個1個バラバラになることがない。
ウェーハWには、裏面にAu等の金属膜が形成されている品種がある。このような品種の場合、ウェーハ基材に改質層を形成するだけではウェーハWを良好に割断することができない。
このようなウェーハWをダイシングする場合は、レーザー光L1にはウェーハ基材に改質領域を形成するのに適したレーザーを用い、レーザー光L2にはウェーハ裏面の金属膜を溶融するのに適したレーザーを用い、レーザー光L1でウェーハ内部に改質領域を形成し、レーザー光L2でウェーハ裏面の金属膜を溶融する。
また、ウェーハWには、ダイシング工程に先立ってダイボンディング工程で用いるダイアタッチテープが裏面に貼付されているものがある。図4は、そのようなウェーハWをレーザーダイシングする状態を表わす概念図である。
図4に示すように、ウェーハWは裏面にダイアタッチテープDТが貼付されており、ダイアタッチテープDТごとダイシングシートSに貼付されてフレームFにマウントされている。ダイシング工程ではウェーハWを切断するとともに、ダイアタッチテープDТをも切断しなければならない。
この場合、レーザー光L1にはウェーハ基材に改質層を形成するのに適したレーザーを用い、レーザー光L2にはウェーハ裏面に貼付されたダイアタッチテープDТを溶融するのに適したレーザーを用い、レーザー光L1でウェーハ内部に改質層を形成し、同時にレーザー光L2でウェーハ裏面のダイアタッチテープDТを溶融する。
次に、本発明に係るレーザーダイシング装置10の作用について、ウェーハW内部に改質領域R1、R2を2層形成する例で説明する。ダイシングに当たって、最初に吸着ステージ13に載置されたウェーハWは、図示しないCCDカメラで表面の回路パターンやアライメントマークが撮影され、画像処理装置を有するアライメント手段によってアライメントされる。
次に、レーザー発振器21及び22からレーザー光L1及びL2が出射される。レーザー光L1は集光レンズ23、ハーフミラー24A、対物レンズ25等の光学系を経由してウェーハWの上面に照射され、レーザー光L2は集光レンズ23、ミラー24B、ハーフミラー24A、対物レンズ25等の光学系を経由してウェーハWの上面に照射される。
照射されるレーザー光L1及びL2の集光点P1及びP2のZ方向位置は、夫々の集光レンズ23を駆動手段26で位置調整することによって、ウェーハ内部の所定位置に夫々独立して正確に設定される。
この状態でXYテーブル12がダイシング方向であるX方向に加工送りされる。これによりウェーハ内部に多光子吸収による2層の改質領域R1、及びR2が同時に1ライン形成される。
1ラインのレーザーダイシングが行われると、XYテーブル12がY方向に1ピッチ割り出し送りされ、次のラインも同様にレーザーダイシングされる。
全てのラインがレーザーダイシングされると、Zθテーブル15が90°回転され、先程のラインと直交するラインも同様にして全てレーザーダイシングされ、ウェーハWは個々のチップに分割されて1枚のウェーハWのレーザーダイシングが完了する。
このように、レーザー光L1及びL2によってウェーハWの内部に2層の改質領域R1、及びR2が同時形成されるため、厚いウェーハWであっても、短時間で安定して割断され、チッピング等のほとんど生じない高品質なダイシングが行われる。
なお、前述の実施の形態では、集光レンズ23の駆動手段26に圧電素子26Bを用いたが、本発明はこれに限らず、その他の既知のリニアアクチュエーターを用いることができる。
また、複数のレーザー光L1及びL2を1つの光軸に集める光路集結手段24としてミラー24B、及びハーフミラー24Aを用いたが、プリズム等その他の光学部材を用いて複数のレーザー光の光路を1つの光軸に集めるようにしてもよい。
本発明に係るレーザーダイシング装置の概略構成図 集光レンズの駆動手段の構成を表わす断面図 ウェーハ内部に2層の改質領域が形成される状態を表わす概念図 ダイアタッチテープ付のウェーハをダイシングする場合の概念図 フレームにマウントされたウェーハを表わす斜視図
符号の説明
10…レーザーダイシング装置、20…レーザーヘッド、21、22…レーザー発振器、23…集光レンズ(集光手段)、24…光路集結手段、26…駆動手段(集光点位置調整手段)、26B…圧電素子、F…フレーム、L1、L2…レーザー光、P1、P2…集光点、R1、R2…改質領域、S…ダイシングシート、W…ウェーハ

Claims (6)

  1. ウェーハの表面からレーザー光を入射して前記ウェーハの内部に改質領域を形成し、前記ウェーハを個々のチップに分割するレーザーダイシング装置において、
    前記ウェーハに向けてレーザー光を照射するレーザーヘッドが設けられ、
    該レーザーヘッドは、
    複数のレーザー発振器と、
    発振された複数のレーザー光を個々に集光する複数の集光手段と、
    前記複数のレーザー光を1つの光軸に集める光路集結手段と、を有していることを特徴とするレーザーダイシング装置。
  2. 前記レーザーヘッドには、前記複数のレーザー光の光軸上における集光点の位置を個々に調節する集光点位置調節手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイシング装置。
  3. 前記集光点位置調節手段は、前記複数の集光手段を夫々の光軸上で微小移動させる駆動手段であることを特徴とする、請求項2に記載のレーザーダイシング装置。
  4. 前記駆動手段は、少なくとも1個の圧電素子を含むことを特徴とする、請求項3に記載のレーザーダイシング装置。
  5. 前記複数のレーザー光が同種のレーザー光である、請求項1、2、3、又は4のうちいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置。
  6. 前記複数のレーザー光のうち少なくとも1つのレーザー光が他のレーザー光とは異種のレーザー光である、請求項1、2、3、又は4のうちいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置。
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