JP2005107383A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度を保ちつつ読み取り解像度を向上できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】対向基板として機能する光センサアレイ基板23に光センサ44を設ける。光センサアレイ基板23をTFTアレイ基板22に対向させて貼り合わせて液晶セル21とする。光センサアレイ基板23の表面から光センサ44までの距離を小さくできる。光センサアレイ基板23内での反射光L2の拡散を防止できる。この光センサ44による読み取り解像度を向上できる。光センサアレイ基板23のガラス基板41を研磨しない。光センサアレイ基板23の機械的強度には問題がない。
【選択図】図1
【解決手段】対向基板として機能する光センサアレイ基板23に光センサ44を設ける。光センサアレイ基板23をTFTアレイ基板22に対向させて貼り合わせて液晶セル21とする。光センサアレイ基板23の表面から光センサ44までの距離を小さくできる。光センサアレイ基板23内での反射光L2の拡散を防止できる。この光センサ44による読み取り解像度を向上できる。光センサアレイ基板23のガラス基板41を研磨しない。光センサアレイ基板23の機械的強度には問題がない。
【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチ素子および光電変換素子を備えた液晶表示装置に関する。
近年、平面ディスプレイの発展は目覚しく、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよび有機発光ディスプレイなどが、パソコン、テレビジョンセットあるいは携帯電話などに実用化され急激に市場を伸ばしている。これらパソコンおよび携帯電話機などはモバイルユースとして今後ますます情報端末の機能を拡大することは明らかである。
ところが、この種の平面ディスプレイは、機能的には単なる表示装置に過ぎない。現在、カメラ機能を有する液晶表示装置を備えた携帯電話機によって、画像を取り込んで送信することが可能であるが、このカメラ機能を有する携帯電話機では、例えば議事録などを入力して送信することはできないため、現在でもファクシミリが使用されている。このため、この携帯電話機などに用いられている液晶表示装置中に、光入力機能を有する新たな平面ディスプレイの開発が望まれている。
そして、この種の液晶表示装置である液晶セルとしては、アレイ基板の透明基板としてのガラス基板の同一平面上に、MOSトランジスタである薄膜トランジスタ(TFT)としての液晶表示用のスイッチ素子と、フォトダイオードとしての光電変換素子である光入力機能用の光センサとのそれぞれが互いに電気的に接続された状態で設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、この種の液晶セルについてより詳細に説明すると、図7に示すように、この液晶セルのアレイ基板1は、矩形平板状で透光性を有し厚さが0.7mm程度である矩形平板状のガラス基板2を備えている。このガラス基板2上には、薄膜トランジスタ(TFT)である液晶表示用のスイッチ素子3および画素補助容量4が1画素内にそれぞれ配置されている。さらに、このガラス基板2上には、光入力機能用である光電変換素子としての光センサ5と、この光センサ5から信号を蓄積するセンサ補助容量6とが電気的に並列に接続された状態で配置されている。なお、このセンサ補助容量6は、光センサ5の光感度が充分でない場合に設けられるものであり、この光センサ5の光感度が高ければ必ずしも必要ではない。
また、これら光センサ5およびセンサ補助容量6には、このセンサ補助容量6に蓄積された信号電荷を表示状態において読み出す読み出しスイッチ7が接続されている。この読み出しスイッチ7は、nチャネル型のTFTにて構成されている。そして、これらスイッチ素子3、画素補助容量4、光センサ5、センサ補助容量6および読み出しスイッチ7は、ガラス基板2上の同一平面状に形成されて、光電変換素子としての光入力機能素子8を構成する。ここで、この光入力機能素子8の光センサ5は、PIN型のポリシリコンにて構成され、逆バイアスに電圧が印加されている。
さらに、図8に示すように、アレイ側のガラス基板2上には、1画素構成要素としてスイッチ素子3、光センサ5および画素透明電極(ITO)としての画素電極9のそれぞれが配置されている。ここで、この画素電極9は、図示しないパシベーション膜を介してガラス基板2上に設けられている。また、この画素電極9以外のガラス基板2上には、絶縁性を有する保護膜としてのオーバーコート層11が積層されている。さらに、光センサ5上に位置するオーバーコート層11上には、遮光膜としての光遮蔽層12が設けられている。この光遮蔽層12は、この光遮蔽層12に対向して配設されたバックライト13からの光L1が光センサ5へと直接入射するのを防ぐ。
また、この光遮蔽層12に対向する側である液晶セルの対向側には、矩形平板状の対向基板14が配置されている。この対向基板14は、厚さが0.7mmであるガラス基板15を備えている。そして、光遮蔽層12に対向した側であるガラス基板15上には、カラーフィルタ16が設けられている。また、このカラーフィルタ16上の全面には、透明電極膜としてのITO膜である対向電極17が積層されている。ここで、この対向電極17が形成された側であるガラス基板15の反対側にバックライト13が設置されている。そして、アレイ基板1のガラス基板2と対向基板14のガラス基板15とを互いに向かい合わせて対向させた状態で、これらガラス基板2,15の間には、液晶18が介挿されて封止されている。さらに、ガラス基板2のアレイ側の表面とガラス基板15の対向側の表面とのそれぞれには、図示しない偏光板がそれぞれ設置されている。
ここで、液晶セルは、撮像モードと表示モードとに分けて使用される。すなわち、この液晶セルが撮像モードである場合には、バックライト13から出射された光L1を被写体Sに照射させて反射させる。すると、この被写体Sにて反射された反射光L2は、アレイ側の偏光板およびガラス基板2を透過した後に光センサ5に入射する。このとき、この反射光L2の光センサ5への入射により光信号電荷が発生し、この光信号電荷はセンサ補助容量6に蓄積される。一方、液晶セルが表示モードの場合には、センサ補助容量6に蓄積した光信号電荷を読み出しスイッチ7にて読み出して、この光信号電荷が発生した光センサ5と同じ画素内の画素電極9に、この光信号電荷を供給して画像として表示させる。
特開平7−28095号公報(第2−3頁、図4)
しかしながら、上記液晶セルでは、アレイ側のガラス基板2が0.7mmと厚いため、この液晶セルによる被写体Sの読み取り解像度が余り良くない。さらに、このガラス基板2が厚い場合には、図9に示すように、このガラス基板2による光の回析効果によって、バックライト13から照射されて被写体Sにて反射された反射光L2がガラス基板2内で拡散してしまうこともあり、本来、所定の光センサ5に入射すべき反射光L2が、この所定の光センサ5が設けられた画素に近接する画素の光センサ5に入射してしまうからである。
したがって、このガラス基板2を研磨して薄くすることによって、このガラス基板2による光の拡散を抑えることが考えられる。このとき、液晶セルの読み取り解像度として太さ何mmの線を読み取れるかで定義すると、80μmピッチで画素配列が構成された液晶セルのガラス基板2の厚さが0.7mmである場合には、500μmの線しか解像できないが、このガラス基板2の厚さを0.1mmまで薄くした場合には、80μmの線まで解像でき、名刺の文字を読み取ることが可能となる。
ところが、このガラス基板2を研磨して薄くした場合には、このガラス基板2の機械的強度が下がってしまう。したがって、このガラス基板2を研磨する過程でしばしば割れを起こし量産に耐えられない。このため、このガラス基板2の厚さとして0.3mmは必要である。さらに、このガラス基板2上の各画素内にスイッチ素子3と光センサ5とのそれぞれを設置させているため、このガラス基板2上の各画素の構造が複雑となり欠陥が生じ易く、製造歩留まりが余り良くないという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、機械的強度を保ちつつ読み取り解像度を向上できる液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の透光性基板、およびこの第1の透光性基板の一主面に形成されたスイッチ素子を備えた第1のアレイ基板と、この第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面に一主面を対向して設けられた第2の透光性基板、およびこの第2の透光性基板に形成された光電変換素子を備えた第2のアレイ基板と、この第2のアレイ基板の第2の透光性基板および前記第1のアレイ基板の第1の透光性基板の間に介挿された液晶とを具備したものである。
そして、第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面にスイッチ素子を形成した。また、第2の透光性基板に光電変換素子が形成された第2のアレイ基板の第2の透光性基板の一主面に第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面を対向して設けた。さらに、この第2のアレイ基板の第2の透光性基板と第1のアレイ基板の第1の透光性基板との間に液晶を介挿させた。この結果、光電変換素子を第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面に形成する場合に比べ、第2のアレイ基板の第2の透光性基板から光電変換素子までの距離が小さくなる。よって、第2の透光性基板を薄くすることなく、この第2の透光性基板での光の拡散による光電変換素子の読み取り解像度の低下を防止できるから、この光電変換素子の読み取り解像度が向上する。
また、本発明は、第1の透光性基板、およびこの第1の透光性基板の一主面に形成されたスイッチ素子を備えた第1のアレイ基板と、この第1のアレイ基板の一主面に対向して設けられた対向基板と、この対向基板に対向して設けられた第2の透光性基板、およびこの第2の透光性基板に形成された光電変換素子を備えた第2のアレイ基板と、前記対向基板および前記第1のアレイ基板の第1の透光性基板の間に介挿された液晶とを具備したものである。
そして、第1の透光性基板の一主面にスイッチ素子が形成された第1のアレイ基板の一主面に対向基板を対向して設けた。また、第2のアレイ基板の光電変換素子が形成された第2の透光性基板の一主面に対向基板を対向して設けた。さらに、この対向基板と第1のアレイ基板の第1の透光性基板との間に液晶を介挿させた。この結果、光電変換素子を第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面に形成する場合に比べ、第2のアレイ基板の第2の透光性基板から光電変換素子までの距離が小さくなる。よって、第2の透光性基板を薄くすることなく、この第2の透光性基板での光の拡散による光電変換素子の読み取り解像度の低下を防止できるから、この光電変換素子の読み取り解像度が向上する。
本発明によれば、第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面に第2の透光性基板の一主面を対向して設けた第2のアレイ基板の第2の透光性基板に光電変換素子を形成したため、この第2の透光性基板から光電変換素子までの距離が小さくなるから、この第2の透光性基板での光の拡散による光電変換素子の読み取り解像度の低下を防止できるため、この光電変換素子の読み取り解像度を向上できる。
また、本発明によれば、対向基板に第2の透光性基板の一主面を対向して設けた第2のアレイ基板の第2の透光性基板に光電変換素子を形成したため、この第2の透光性基板から光電変換素子までの距離が小さくなるから、この第2の透光性基板での光の拡散による光電変換素子の読み取り解像度の低下を防止できるため、この光電変換素子の読み取り解像度を向上できる。
以下、本発明の液晶表示装置の第1の実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
図1ないし図4において、20は液晶表示装置で、この液晶表示装置20は、いわゆるCOA(Colour filter On Arrray)方式である。また、この液晶表示装置20は、光入力機能を有する光入力型である2階建てである。また、この液晶表示装置20は、液晶セル21を備えており、この液晶セル21は、図1に示すように、液晶駆動用のTFT(Thin Film Transistor)アレイ基板22と、対向基板として機能する光入力機能を有する光センサアレイ基板23とにより構成されている。ここで、この光センサアレイ基板23には、TFTアレイ基板22と同一の画素数および画素サイズを有する図示しない光センサアレイ郡が形成されている。
そして、図1に示すように、TFTアレイ基板22は、第1のアレイ基板であり、略透明な矩形平板状の絶縁基板としての第1の透光性基板であるガラス基板24を備えている。このガラス基板24の一主面である表面上には、アンダーコート膜25が積層されている。このアンダーコート膜25上には、1画素26を構成する要素としてスイッチ素子であるTFT素子としての薄膜トランジスタ27と、画素補助容量(Cs)28とが並列に配置されている。
ここで、この薄膜トランジスタ27は、多結晶半導体であるポリシリコンにて構成されている。なお、この薄膜トランジスタ27をアモルファスシリコンにて形成しても何ら影響はない。また、この薄膜トランジスタ27は、図示しないドレイン電極を備えており、画素補助容量28に対して電気的に接続されている。さらに、この画素補助容量28は、金属で構成された図示しない補助容量電極および信号電極を備えている。そして、この画素補助容量28は、補助容量電極が金属で構成されているため光を透過させない不透過である。
また、これら薄膜トランジスタ27および画素補助容量28を含むアンダーコート膜25上には、酸化膜にて構成されたオーバーコート層29が施されて積層されている。このオーバーコート層29上には、カラーフィルタ31が島状に積層されている。このカラーフィルタ31は、オーバーコート層29上に直接設けられている。
ここで、このカラーフィルタ31およびオーバーコート層29には、薄膜トランジスタ27の図示しないソース電極に連通したコンタクトホール32が開口されて形成されている。そして、コンタクトホール32には、薄膜トランジスタ27のソース電極に電気的に接続された金属配線33が設けられている。さらに、この金属配線33が設けられたコンタクトホール32を含むカラーフィルタ31上には、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極にて構成された画素電極34が積層されて設けられている。この画素電極34は、金属配線33を介して薄膜トランジスタ27のソース電極に電気的に接続されている。
一方、光センサアレイ基板23は、第2のアレイ基板であり、略透明な矩形平板状の絶縁基板としての第2の透光性基板であるガラス基板41を備えている。このガラス基板41は、TFTアレイ基板22に対して、いわゆる対向基板として機能する。また、このガラス基板41の一主面である表面上には、モリブデン(Mo)膜にて構成された光遮断層としての遮光膜である光遮蔽膜42が島状に積層されて成膜されている。この光遮蔽膜42は、約1000Åの厚さを有しており、TFTアレイ基板22と光センサアレイ基板23とを対向させて、対応する画素同士で位置合わせした状態で取り付けた際に、このTFTアレイ基板22の各画素補助容量28に対向する位置、すなわちこれら各画素補助容量28の上方に位置するように設置されている。
また、この光遮蔽膜42を含むガラス基板41上の全面には、アンダーコート層43が積層されて成膜されている。このアンダーコート層43上には、島状の光電変換素子としてのPIN型の光センサ44が設けられている。この光センサ44は、光センサアレイ基板23の裏面側から入射するが直接、この光センサ44に入射することによる誤作動を防止するために、光遮光膜42の上方に位置するように設けられている。したがって、この光センサ44は、TFTアレイ基板22に光センサアレイ基板23を対向させて取り付けた際に、このTFTアレイ基板22の各画素補助容量28および薄膜トランジスタ27のそれぞれに対向する位置、すなわち上方に位置するように設置されており、この光センサ44による開口率の低下を防止する。
さらに、この光センサ44を含むアンダーコート層43上の全面には、酸化シリコン膜にて構成されたオーバーコート層45が積層されて成膜されている。このオーバーコート層45は、約1μmの厚さであり、保護膜として設けられている。また、光センサアレイ基板23のガラス基板41の他主面である裏面には、ITO透明電極にて構成された対向電極46が積層されて成膜されている。この対向電極46は、スパッタ法にてガラス基板41の裏面に形成されている。
ここで、液晶セル21が完成した後において、光センサアレイ基板23の光センサ44を形成する工程中にガラス基板41の裏面に形成された傷が問題になる場合がある。この場合には、光センサアレイ基板23のオーバーコート層45の表面にレジストなどにて図示しない防護膜を積層させてから、ガラス基板41の裏面を軽く機械研磨した後に、防護膜を除去し、光センサアレイ基板23を洗浄してから、ガラス基板41の裏面に対向電極46を形成する。なお、このガラス基板41の裏面を、薬品による化学研磨にて研磨すると、このガラス基板41の裏面に形成された傷がかえって深く成りかねないので好ましくない。また、このガラス基板41の裏面に対向電極46を形成するスパッタ工程において、オーバーコート層45の表面に傷が極力形成されないように、このガラス基板41を搬送する治具や、このガラス基板41が設置されるステージの構成を工夫した。
そして、この光センサアレイ基板23は、この光センサアレイ基板23の対向電極46が形成された側を、TFTアレイ基板22の画素電極34が形成された側に対向させて各画素を位置合わせした状態で、このTFTアレイ基板22に貼り合わされている。さらに、これら光センサアレイ基板23とTFTアレイ基板22との間には、光変調層として液晶47が注入されて介挿されて封止されている。また、これら光センサアレイ基板23のオーバーコート層45上、およびTFTアレイ基板22のガラス基板24の裏面のそれぞれには、矩形平板状の偏光板48,49が対向されて貼り付けられて液晶セル21が構成されている。
したがって、この液晶セル21は、光センサ44で得られた画像信号を表示させることができる。なお、この液晶セル21を製造する工程においても、光センサアレイ基板23を搬送するときには、この光センサアレイ基板23のオーバーコート層45の表面を下側に向けて搬送される。このため、この液晶セル21を製造する工程においても、オーバーコート層45に傷が形成されないようにする必要がある。
また、この液晶セル21の裏面側には、この液晶セル21のTFTアレイ基板22の裏面に取り付けられた偏光板49に対向して、面状光源としての面光源装置であるバックライト36が設置されている。このバックライト36は、液晶セル21のTFTアレイ基板22の裏面側に向けて面状の光を照射させて透過させる。
次に、光センサアレイ基板の具体的構成を図2および図3を参照してより詳細に説明する。
まず、光センサアレイ基板23は、図2に示すように、PIN型の光センサ44と、スイッチ素子としてのTFT素子であるNチャネル型の薄膜トランジスタ51を備えている。ここで、この薄膜トランジスタ51としては、LDD(lightly Doped Drain)構造が採用されており、トップゲート構造を有する光センサ駆動用である。なお、この薄膜トランジスタ51と光センサ44とにより光入力機能素子50が構成されている。
そして、この光センサアレイ基板23のガラス基板41上に形成された光遮蔽膜42は、光センサ44を完全に覆うように形成されて設置されている。また、この光遮蔽膜42を含むガラス基板41上には、アンダーコート層43として、窒化シリコン膜52および酸化シリコン膜53のそれぞれが連続して積層されて成膜されている。さらに、この酸化シリコン膜53上には、島状のポリシリコン膜54が積層されて成膜されている。
このポリシリコン膜54は、多結晶半導体としてのポリシリコンにて構成されている。また、このポリシリコン膜54は、光遮蔽膜42に対向し、この光遮蔽膜42の上方に位置するように設けられている。また、このポリシリコン膜54は、厚さ約500Åの非晶質半導体としてのアモルファスシリコン膜をエキシマレーザアニールして形成されている。さらに、このポリシリコン膜54は、図示しないイオンドープ装置によりP(リン)イオンやB(ボロン)イオンがドーピングされて打ち込まれることによってN型やP型とされている。
具体的に、このポリシリコン膜54は、薄膜トランジスタ51を構成するI型のチャネル領域55と、このチャネル領域55の両側に位置するN+型のソース電極56およびN+型のドレイン電極57とを備えている。なお、このドレイン電極57には、正の電圧が印加される。さらに、これらチャネル領域55とソース電極56およびドレイン電極57とのそれぞれの間には、N−型のLDD領域58,59が形成されている。
また、ポリシリコン膜54は、P+型領域61、光電変換層としてのI型領域62およびN+型領域63のそれぞれを備えており、これらP+型領域61、I型領域62およびN+型領域63によってPIN構造の光センサ44が構成される。ここで、I型領域62は、ゲート領域として機能する活性層である。また、P+型領域61およびN+型領域63は、I型領域62の両側に連続して設けられている。また、N+型領域63は、薄膜トランジスタ51のソース電極56と共通であり、電気的に周囲から遮断されて絶縁された、いわゆるフローティング状態となっている。また、P+型領域61は、アースとして設置されている。ここで、光センサ44による光電変換は、I型領域62にてなされ、このI型領域62にて発生した光信号としての電子が薄膜トランジスタ51を通して読み出されるように構成されている。
ここで、この光センサ44の設置面積は、図3に示すように、薄膜トランジスタ51の設置面積に比べて圧倒的に大きい。これは、ポリシリコン膜54の厚さが約500Åと薄く青色の絶対感度が低いので感度を上げる手段として面積効果を図ったものである。また、これら光センサ44および薄膜トランジスタ51のそれぞれは、光センサアレイ基板23のガラス基板41上の同一平面状に設けられている。
さらに、これら薄膜トランジスタ51のチャネル領域55、ソース電極56およびドレイン電極57と、光センサ44のP+型領域61、I型領域62およびN+型領域63とのそれぞれを含む酸化シリコン膜53上には、ゲート絶縁膜64が積層されて成膜されている。このゲート絶縁膜64は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法にて形成されたテトラエトキシシラン(Tetraethoxysilane:TEOS)膜により構成されている。
さらに、このゲート絶縁膜64上には、ゲート電極65が積層されて成膜されている。このゲート電極65は、スパッタ法にて形成されたMoW(モリブデン−タングステン)金属膜により構成されている。また、このゲート電極65は、薄膜トランジスタ51のチャネル領域55に対向しており、このチャネル領域55の上方に形成されている。ここで、このゲート電極65は、約5μmの幅寸法を有している。
また、このゲート電極65を含むゲート絶縁膜64上には、厚さが約0.5μmの絶縁性を有する酸化シリコン膜である層間膜としての層間絶縁膜66が積層されて成膜されている。さらに、この層間絶縁膜66およびゲート絶縁膜64には、これら層間絶縁膜66およびゲート絶縁膜64のそれぞれを貫通した一対のコンタクトホール67,68が開口されて形成されている。ここで、一方のコンタクトホール67は、薄膜トランジスタ51のドレイン電極57に連通して開口している。また、他方のコンタクトホール68は、光センサ44のP+型領域61に連通して開口している。
そして、これらコンタクトホール67,68を含む層間絶縁膜66上には、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)およびモリブデン(Mo)の3層構造にて構成された一対の取り出し電極71,72のそれぞれが積層されて設けられている。ここで、これら取り出し電極71,72は、パターニングされて互いに絶縁されている。そして、一方の取り出し電極71は、一方のコンタクトホール67を介して薄膜トランジスタ51のドレイン電極57に電気的に接続されて導通されている。また、他方の取り出し電極72は、他方のコンタクトホール68を介して光センサ44のP+型領域61に電気的に接続されて導通されている。
さらに、これら取り出し電極71,72を含む層間絶縁膜66上の全面には、厚さが約1μmの酸化シリコン膜にて構成されたオーバーコート層45が積層されて成膜されている。したがって、このオーバーコート層45の表面から、光センサ44の表面までの厚さは約1.5μm程度となっている。
次に、光センサアレイ基板の回路配列を図4を参照してより詳細に説明する。
まず、光センサアレイ基板23のガラス基板41上には、複数本のゲート線74と信号線75とのそれぞれが格子状に配置されている。なお、これら各ゲート線74は、ガラス基板41の幅方向に沿って配線されている。また、これら各信号線75は、ガラス基板41の長手方向である高さ方向に沿って配線されている。さらに、これら各信号線75のそれぞれに沿って複数本のアース線76が配置されている。これら各アース線76は、ガラス基板41の高さ方向に沿って配線されている。
また、これら各ゲート線74と信号線75とにより区切られた領域のそれぞれが各1画素26となる。これら各1画素26には、1個の画素構成要素として光センサ44および薄膜トランジスタ51とがそれぞれ形成されている。ここで、各信号線75は、薄膜トランジスタ51のドレイン電極57に電気的に接続されている。また、各ゲート線74は、薄膜トランジスタ51のゲート電極65に電気的に接続されている。さらに、各アース線76は、光センサ44のP+型領域61に電気的に接続されている。
そして、この光センサ44のN+型領域63は、薄膜トランジスタ51のソース電極56に対して電気的にフローティングの状態で接続されている。よって、この光センサ44は、この光センサ44内で発生した電子が光信号となり、薄膜トランジスタ51を介してゲート線74および信号線75のそれぞれに適当な電圧を印加することによって、この光信号が読み出されるように構成されている。
次に、上記第1の実施の形態の液晶セルの動作について説明する。
まず、液晶セル21を撮像モードとした場合には、図1に示すように、バックライト36から出射された光L1が液晶セル21のTFTアレイ基板22および光センサアレイ基板23のそれぞれへと入射して透過した後、この液晶セル21の表面に対向して位置する被写体Sにて反射されて反射光L2となり、この反射光L2が光センサ44に入射する。
このとき、この光センサ44への反射光L2の入射により、この光センサ44のI型領域62に光信号が発生する。そして、このI型領域62にて発生した光信号は、図4に示す回路網によって、順次外部回路へと読み出されて信号電荷として蓄積される。
次いで、液晶セル21を表示モードとした場合には、この液晶セル21の外部に蓄積された信号電荷を、TFTアレイ基板22の相対する薄膜トランジスタ27へと読み出させて画像を表示させる。
これにより、光センサアレイ基板23の光センサ44とTFTアレイ基板22の薄膜トランジスタ27とによって、1対1の撮像表示が可能となる。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、対向基板として機能する光センサアレイ基板23に光センサ44を設けて、この光センサアレイ基板23をTFTアレイ基板22に対向させて貼り合わせて液晶セル21とした。この結果、従来は一般的に少なくとも0.1mmで有った偏光板49から光センサ44までの距離を、偏光板49、オーバーコート層45および層間絶縁膜66それぞれの厚さの合計である約1.5μm程度にできる。
したがって、光センサアレイ基板23の表面から光センサ44までの距離を小さくできるので、この光センサアレイ基板23内での反射光L2の拡散を実質的に全く防止できる。このため、この反射光L2が本来入射すべき光センサ44が位置する画素の隣の画素の光センサ44に入射してしまうことを無くすことができる。よって、この光センサアレイ基板23のガラス基板41などでの反射光L2の拡散による光センサ44の読み取り解像度の低下を防止できるから、この光センサ44による読み取り解像度を向上できる。ここで、80μmピッチで画素配列された液晶セル21とした場合には、80μmの線まで解像できたので、限界解像度を得ることができた。
また、光センサアレイ基板23のガラス基板41は、研磨などされていないので、このガラス基板41の厚さは、元々の0.7mmのままであるので、この光センサアレイ基板23の機械的強度には全く問題が生じない。
さらに、液晶セル21の製造歩留的な観点からすれば、従来に比べ必ずしも不利ではない。すなわち、従来は対向基板のガラス基板を研磨する工程が必須であり、このガラス基板の厚さを0.7mmから0.1mmにするためには、深い機械研磨が必要であった。このため、このガラス基板を研磨する工程で、このガラス基板が割れたり欠けたりするなどの不良が多発する可能性が高かった。
これに対し、液晶セル21の対向基板として機能する光センサアレイ基板23に光センサ44を設けた場合には、この光センサアレイ基板23のガラス基板41の裏面に形成されたキズを取り除くために、このガラス基板41の裏面を機械研磨する場合があるが、この場合には、このガラス基板41の裏面を軽く浅く研磨すれば足りるので、このガラス基板41の機械的強度に影響を与えるものではない。
したがって、液晶セル21の対向基板として機能する光センサアレイ基板23に光センサ44を設けた場合には、TFTアレイ基板22と合わせると、実質的に2枚のアレイ基板を使用することと同じとなるが、TFTアレイ基板22に液晶表示駆動用の薄膜トランジスタ27および光センサ44および光センサ駆動用の薄膜トランジスタ51のそれぞれを形成する場合に比べ、TFTアレイ基板22の構成を簡略にできるとともに、これらTFTアレイ基板22および光センサアレイ基板23のそれぞれとして良品を使用できるので、最終歩留を向上できる。
ここで、仮に、カラーフィルタ31を光センサアレイ基板23のガラス基板41の裏面に形成した場合には、カラーフィルタ31の材料が有機顔料であるため耐熱性が問題となる。したがって、この光センサアレイ基板23のガラス基板41上に光センサ44を形成した後にカラーフィルタ31を形成する必要がある。この場合、このカラーフィルタ31を光センサアレイ基板23の対向電極46上に形成する場合には、R(赤)、G(緑)、B(青)および黒のパターンのそれぞれをリソグラフィにて形成する必要があるため、結果として計4回ほど、光センサアレイ基板23のオーバーコート層45の表面を図示しない基板ステージ上に接触させて設置させなければならない。
特に、このオーバーコート層45にベーク時の温度むらによる色むらができないように、このオーバーコート層45を図示しないベークステージに密着させる必要がある。このとき、このベークステージに対する擦れなどによりオーバーコート層45の表面に傷が形成されてしまう可能性が高い。したがって、液晶駆動用の薄膜トランジスタ27が形成されたTFTアレイ基板22のオーバーコート層29上にカラーフィルタ31を設けて、液晶セル21をCOA方式にした。この結果、このカラーフィルタ31を形成する際にTFTアレイ基板22のオーバーコート層29などが傷つくおそれがなくなるので、このTFTアレイ基板22の歩留まりを向上できるとともに、カラーフィルタ31の形成工程を容易にできるから、液晶セル21の製造性を向上できる。
さらに、TFTアレイ基板22と光センサアレイ基板23とを対向させて、これらTFTアレイ基板22および光センサアレイ基板23それぞれの各画素を位置合わせてして取り付けた際に、このTFTアレイ基板22の各画素補助容量28および薄膜トランジスタ27のそれぞれに対向する位置に光センサ44を設置したため、これら光センサ44による各画素電極34の開口率の低下を防止できる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図5および図6を参照して説明する。
この図5および図6に示す液晶セル21は、基本的には図1ないし図4に示す液晶セル21と同様であるが、TFTアレイ基板22と光センサアレイ基板23との間に対向基板81を介挿させて、この対向基板81上にカラーフィルタ31および対向電極46のそれぞれを形成したものである。したがって、この液晶セル21は、TFTアレイ基板22および対向基板81にて構成されている。
そして、この対向基板81は、略透明な矩形平板状の絶縁基板としての透光性基板であるガラス基板82を備えている。このガラス基板82は、厚さが約0.7mmであり、このガラス基板82の一主面である裏面上には、複数のカラーフィルタ31がマトリクス状に形成されている。これら各カラーフィルタ31は、対向基板81をTFTアレイ基板22と光センサアレイ基板23との間に介挿させて、これらTFTアレイ基板22および光センサアレイ基板23それぞれの各画素に対して位置合わせして取り付けた際に、光センサアレイ基板23の光センサ44とTFTアレイ基板22の薄膜トランジスタ27および画素補助容量28との間に対向して位置するように設けられている。
また、これら各カラーフィルタ31を含むガラス基板82上の全面には、対向電極46が積層されて成膜されている。そして、この対向電極46とTFTアレイ基板22の画素電極34を含むオーバーコート層29との間には、液晶47が介挿されて封止されている。さらに、対向基板81のガラス基板82の他主面である表面は、光センサアレイ基板23のガラス基板41の裏面に対向させて、これら対向基板81および光センサアレイ基板23それぞれの各画素位置がずれないように図示しない合わせマーカを見ながら、屈折率が各ガラス基板41,82に近い特性を有する透明接着剤にて貼り合わされている。
このとき、TFTアレイ基板22と対向基板81とにより構成された液晶セル21の重量が大きく問題がある場合には、対向基板81のガラス基板82の表面および光センサアレイ基板23のガラス基板41の裏面のそれぞれを研磨してから、これらガラス基板41,82を貼り合わせれば良い。具体的には、これらガラス基板41,82のそれぞれの厚さを0.7mmから0.3mmへと研磨してから貼り合わせれば良い。
したがって、光センサアレイ基板23に光センサ44を設け、TFTアレイ基板22の表面に対向させて貼り合わされた対向基板81の表面に光センサアレイ基板23を貼り合わせたことにより、従来は一般的に少なくとも0.1mmで有った偏光板49から光センサ44までの距離を、約1μm程度にできるので、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、対向基板81のガラス基板82および光センサアレイ基板23のガラス基板41のそれぞれの厚さを0.4mmとして、これらガラス基板41,82の厚さの合計を0.8mmとしたため、これら対向基板81および光センサアレイ基板23の機械的強度には問題が生じない。
さらに、液晶セル21および光センサアレイ基板23の製造的な観点からすれば、これら液晶セル21および光センサアレイ基板23のそれぞれとして良品同士を貼り合わせることができるから、歩留まりを向上でき、これら液晶セル21および光センサアレイ基板23を別々に製造することによる製造工程の増加というデメリットを凌駕できる。
なお、上記各実施の形態では、光センサアレイ基板23の薄膜トランジスタ51および光センサ44の構成材料として、ポリシリコンを用いたが、必ずしもポリシリコンに限る必要はなく、全てがアモルファスシリコンであってもよいし、これらポリシリコンとアモルファスシリコンとの組み合わせであってもよい。
さらに、光センサアレイ基板23のガラス基板41の表面側に光センサ44を設けたが、この光センサ44を光センサアレイ基板23のガラス基板41の裏面側に設けても、この光センサ44をTFTアレイ基板22のガラス基板24上に形成する場合に比べ、光センサアレイ基板23の表面、すなわち偏光板49から光センサ44までの距離を小さくできるので、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
20 液晶表示装置
22 第1のアレイ基板としてのTFTアレイ基板
23 第2のアレイ基板としての光センサアレイ基板
24 第1の透光性基板としてのガラス基板
27 スイッチ素子としての薄膜トランジスタ
28 画素補助容量
31 カラーフィルタ
41 第2の透光性基板としてのガラス基板
44 光電変換素子としての光センサ
47 液晶
81 対向基板
22 第1のアレイ基板としてのTFTアレイ基板
23 第2のアレイ基板としての光センサアレイ基板
24 第1の透光性基板としてのガラス基板
27 スイッチ素子としての薄膜トランジスタ
28 画素補助容量
31 カラーフィルタ
41 第2の透光性基板としてのガラス基板
44 光電変換素子としての光センサ
47 液晶
81 対向基板
Claims (5)
- 第1の透光性基板、およびこの第1の透光性基板の一主面に形成されたスイッチ素子を備えた第1のアレイ基板と、
この第1のアレイ基板の第1の透光性基板の一主面に一主面を対向して設けられた第2の透光性基板、およびこの第2の透光性基板に形成された光電変換素子を備えた第2のアレイ基板と、
この第2のアレイ基板の第2の透光性基板および前記第1のアレイ基板の第1の透光性基板の間に介挿された液晶と
を具備したことを特徴とした液晶表示装置。 - 第1の透光性基板、およびこの第1の透光性基板の一主面に形成されたスイッチ素子を備えた第1のアレイ基板と、
この第1のアレイ基板の一主面に対向して設けられた対向基板と、
この対向基板に対向して設けられた第2の透光性基板、およびこの第2の透光性基板に形成された光電変換素子を備えた第2のアレイ基板と、
前記対向基板および前記第1のアレイ基板の第1の透光性基板の間に介挿された液晶と
を具備したことを特徴とした液晶表示装置。 - 第1のアレイ基板は、第1の透光性基板の一主面に設けられたカラーフィルタを備えた
ことを特徴とした請求項1または2記載の液晶表示装置。 - 光電変換素子は、スイッチ素子に対向して設けられた
ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載の液晶表示装置。 - 第1のアレイ基板は、第1の透光性基板の一主面に形成された画素補助容量を備え、
光電変換素子は、前記画素補助容量に対向して設けられた
ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか記載の液晶表示装置。
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