本発明は、複数冊のカットシート冊を収納するためのラップラウンドケースのような紙製収納箱に係わるもので、特に、開封と内容物の取出しおよび廃棄とが容易な紙製収納箱に関するものである。
一般に、紙製収納箱としてのラップラウンドケースは、コピー用紙等のカットシート(平判シート)を包装用紙で包装した冊の、複数冊を、段ボールケースを折り曲げながら箱詰めするので、カットシート冊を取出す際には、紙製収納箱の天面パネルや側面パネル等の、糊付けされて接着された4枚のフラップを剥して紙製収納箱を開き、内容物であるカットシート冊を取り出している。
このような紙製収納箱の開封を容易にするために、パネルやフラップ等にミシン目やジッパー等の切れ目を入れたカートンや、ラップラウンドケースのような紙製収納箱が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来の紙製収納箱において、例えば缶体収納用の紙製収納箱として、一方の側版に把持孔を穿設し、この把持孔から切取り線をほぼV字形に形成し、さらに、この切取り線の一端と連なる切溝を内フラップに穿設し、また、外フラップの一端に切欠きを施し、他端に斜め方向の切取り線を施した開蓋手段を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−217061号公報(第3〜6頁、図1〜図4)
実開平6−87221号公報(第2〜4頁、図1〜図10)
しかしながら、このような従来における紙製収納箱においては、特に、ラップラウンドケースのような場合、製作上、カットシート等の内容物を包むかたちで形成されているために、内容物の取り出し時に、紙製収納箱の内面との摩擦によって内容物を取り出すのが非常に難しく、また、低い位置からの取り出しが一層困難であり、取り扱う者の指や爪を傷付ける等の不都合が見られる。また、ラップラウンドケースでなく、A式段ボール箱のような通常の段ボール箱の場合も内容物がカットシートであれば、箱と内容物の隙間が小さいので、類似の問題がある。
また、開封された紙製収納箱の廃棄の時も、従来の紙製収納箱は、押し潰して畳んだ状態が保持し難く、折り目部分の厚さに基づく段ボールの弾性力によって膨らみ易いために、開封した紙製収納箱の集積や結束が、やり難い等の問題が見られる。
このように、従来の、内容物が段ボールケースの内寸法一杯の、ラップラウンドケースのような紙製収納箱は、側面からだけの開封では、内容物が取り出すのが困難である。また、使用後の解体も、封緘時の糊等の接着剤や止め金具、またはテープ等を剥さなくてはならない等の問題も見られる。さらに、封緘テープが用いられている場合に、カッターのような道具を使用するか、あるいはまた爪で切って開封しなければならず、爪で切って開封する時に指先の怪我につながる恐れがあるし、開封した紙製収納箱の集積や結束が行い難い等の種々の問題が見られる。
従って、本発明の目的は、このような従来における問題を解決するために、ケースの正面パネルまたは背面パネルのいずれか一方と、これら正面パネルまたは背面パネルと隣接する側面パネルに、切込線から成る開封手段を設けることによって、箱を容易に開封できる構成とし、内容物を容易に取り出すことができると共に、ケースを容易に折り畳むことができて、廃棄がし易く、しかも箱の再利用もできる紙製収納箱を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の紙製収納箱は、背面パネルと天面パネルと正面パネルと底面パネルとの四面の連接するパネルを有し、各パネルの両側に設けられた側面フラップにより側面パネルを形成して直方体形状に組み立てられる紙製収納箱において、組立状態で、前記正面パネルまたは背面パネルのいずれかのパネルの面上と、両側面パネルを構成する外フラップまたは内フラップの上方とに、下方から上方に切込線からなる開封手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の紙製収納箱は、前記正面パネルまたは背面パネルの開封手段が、正面パネルまたは背面パネルの中央領域に頂点を有する末広がり形状に配置された切込線によって形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の紙製収納箱は、前記両側面パネルを構成する外フラップまたは内フラップに、さらに、側面パネルの中央領域から下方に切込線からなる開封手段が設けられていることを特徴とする。
さらにまた、本発明の紙製収納箱は、前記開封手段を構成する切込線が、直線状、曲線状または折れ線状で、末広がりに形成されていることを特徴とする。
本発明の紙製収納箱は、前記開封手段が、前記正面パネルまたは背面パネルのうちのいずれかのパネルと側面パネルとのそれぞれのほぼ中央に、頂部が位置するように末広がり形状に設けられたジッパーの切込線であることを特徴とする。
また、本発明の紙製収納箱は、前記正面パネルまたは背面パネルのいずれかのパネルの開封手段を構成する末広がり形状の切込線の頂部に、細長い開口部が設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の紙製収納箱は、前記側面パネルの開封手段を構成する末広がり形状の切込線の頂部に開口部を形成するために、両側面パネルを構成する外フラップおよび/または内フラップの縁部に切欠き部が設けられていることを特徴とする。
さらにまた、本発明の紙製収納箱は、前記開口部が、左右に細長い長方形、鼓形、繭玉形、菱形、楕円形、円形、四角形、台形のいずれかの形状であることを特徴とする。
本発明の紙製収納箱は、両側に側面フラップをそれぞれ有する四つのパネルを連接し、これらパネルの接合部に沿って折り曲げることによって直方体形状に組み立てられる段ボールブランクであって、糊代が、天面パネルまたは底面パネルのいずれか一方の縁辺に沿って設けられることを特徴とする。
また、本発明の紙製収納箱は、ラップラウンドケースであることを特徴とする。
さらに、本発明の紙製収納箱は、カットシートを収納することを特徴とする。
なお、本明細書中において、切込線は、開封時や解体時に切離す線を意味し、折れ線は、開封時や解体時に折り曲げ易くしてある線を意味する。また、紙製収納箱としての「ラップラウンドケース」とは、打抜かれた板状の段ボールブランクの上に、機械的に集積された内容物を載せて、それを包み込んで、継ぎしろとフラップとをホットメルト接着剤等で糊貼りした段ボール箱を言うものであり、さらにまた、「ジッパー」とは、「く」の字形や、「かぎ」形や、「I」の字形、「Y」の字形、または「T」の字形等の切込みが直線状や曲線状に連続して形成された切込線を言うものである。さらにまた、内容物としては、カットシートの他に、ペットボトルやガラスビン、缶等の飲料容器や食品等がある。
以上説明したように、本発明の紙製収納箱は、背面パネルと天面パネルと正面パネルと底面パネルとの四面の連接するパネルを有し、各パネルの両側に設けられた側面フラップにより側面パネルを形成して直方体形状に組み立てられる紙製収納箱において、組立状態で、正面パネルまたは背面パネルのいずれかのパネルの面上と、両側面パネルを構成する外フラップまたは内フラップの上方に、必要に応じて下方にも、側面パネルの中央領域から上方または下方に、好ましくは末広がり形状の、直線状、円弧状または折れ線状の切込線からなる開封手段が設けられ、かつこの末広がり形状の切込線の頂部に、好ましい形態として細長い開口部が設けられているので、紙製収納箱の正面と両側面のパネルを開封することで、開封を容易に行うことができ、内容物の容易な取り出しと、箱の再利用ができ、ケースの解体および廃棄が容易になり、さらにまた古紙として再生利用が可能となる等の効果が得られる。
また、本発明の紙製収納箱は、両側に側面フラップをそれぞれ有する四つのパネルを連接し、これらパネルの接合部に沿って折り曲げることによって直方体形状に組み立てられる段ボールブランクから形成されるものであって、糊代が、天面パネルまたは底面パネルのいずれか一方の縁辺に沿って設けられるので、細長い開口部に指先を掛けて簡単に、しかも良好な状態に開封することができ、解体後の廃棄も容易であり、普通の段ボールケースと同様に簡単に、かつ大量に、しかも安価に製作することができる。
本発明の紙製収納箱は、4面の連接するパネルを有し、各パネルの両側に設けられた側面フラップにより側面パネルを形成して直方体形状に組み立てられ、正面パネルまたは背面パネルのいずれか一つのパネルの面上と、両側面パネルを構成する外フラップまたは内フラップの上方に、さらに、必要に応じて下方にも、側面パネルの中央領域から上方に広がった切込線からなる開封手段が設けられている。
本発明のその他の目的や特徴および利点は、添付図面に示される本発明の紙製収納箱の実施形態についての以下の詳細な説明から明らかである。
図1乃至図4は、本発明の紙製収納箱の実施例1を図示、説明するための概要図で、図1は、本発明の実施例1における紙製収納箱をブランク状態に開いた展開図、図2は、本発明の紙製収納箱に内容物を収納して閉鎖した時の斜視図で、図3乃至図5は、本発明の紙製収納箱を開封した時の状態を順に示す斜視図である。
なお、本発明の紙製収納箱は、4つの主要なパネルから形成される直方体形状のケースとして、以下に図示、説明されるが、本発明は、このような直方体形状に限られるものではなく、これと異なった形状の長方体や、立方体形状等のケースにも適宜に適用できるものであることは勿論である。
図1および図2に示されるように、本発明の紙製収納箱10は、図1の展開状態において、4面の連続する主要なパネルとしての、背面パネル1と天面パネル2と正面パネル3と底面パネル4と、接合部としての糊代5と、これら4つの主要なパネルの両側に設けられた側面パネルとしての内フラップ6、8、11、13と外フラップ7、9、12、14とを有するものである。
このような本発明の紙製収納箱10において、これら背面パネル1と天面パネル2と正面パネル3と底面パネル4と、側面パネルを形成する内フラップ6、8、11、13と外フラップ7、9、12、14とに、開封手段が設けられる。この開封手段は、ミシン目やジッパー、あるいは切込み等によって形成される切込線から成るもので、全体として直線状や円弧等の曲線状または折れ線状に、例えば末広がりのほぼ「八」の字形状に形成されるものである。
本発明の紙製収納箱10において、これら背面パネル1と正面パネル3との内のいずれか1つのパネル、図示の実施例1では正面パネル3、のほぼ中央の領域に細長い開口部19が設けられ、この開口部19の両端に、頂点が位置するように末広がり形状、例えば「八」の字形状の正面ジッパーとしての切込線20が、上方に末広がりに開いたほぼ「八」の字形状に直線状に設けられると共に、隣接の天面パネル2と底面パネル4の側面パネルを形成する外フラップ7、12と外フラップ9、14との外縁側の中央部分に、それぞれ頂点が位置するように、同様に末広がり形状、例えば「八」の字形状に、側面ジッパーとしての切込線21、23と切込線22、24とがそれぞれ円弧状に設けられており、さらに、底面パネル4の端辺に接合部としての糊代5が設けられている。
なお、図示されるように、細長い開口部19は、正面パネル3のほぼ中央に設けられているが、開口部19は、このような中央の位置に限られるものでは無く、上下方向のいずれの位置に設けても良く、従って、開口部19を上方または下方のいずれの位置にも配置できると共に、また、左右の方向にも位置を動かすことができるものである。さらに、開口部19の形状は、図示の細長い溝形の外に、鼓形、繭玉形、菱形、長円形、楕円形、円形、四角形等の他の任意の形状にすることができる。
さらにまた、切込線20は、直線状を成しているが、直線状に限らず円弧などの曲線状でも良く、また、切込線21、22、23、24も、曲線状に限られるものではなく、直線状、曲線状または折れ線状でも良いことは勿論であり、外フラップ7、12、9、14の内の上方の外フラップ7、12、あるいは上下両方の外フラップ7、12、9、14に設けることができるものである。
本発明の紙製収納箱10の図1に示されるような形状のものが、ブランクとして展開した状態のもので、一枚の平らな段ボールや厚紙等から切り出されて作られる。本発明においては、素材として段ボールが使用されるが、素材は、このような段ボールに限られるものではなく、厚紙のような板紙も利用できることは勿論である。ここで、4つの主要なパネルが、背面パネル1、天面パネル2、正面パネル3、底面パネル4の順に連接されているが、接続順序はどのようにでも配置できることは勿論であり、糊代5も天面パネル2や底面パネル4のいずれの縁辺にも設けることができる。
以下に、これら4つの主要なパネルを、背面パネル1、天面パネル2、正面パネル3、底面パネル4として説明するものとする。
本発明の紙製収納箱10は、図示の展開した状態で板状の段ボールから切り出されて、底面パネル4の縁辺に接合部である糊代5が設けられており、この糊代5に糊のような適宜な接着剤35等が塗布されて背面パネル1の縁辺に接合されるように形成されている。従って、糊代5は、底面パネル4の縁辺に沿って、図2に示されるように、下側に設けられるようになる。
このような本発明の紙製収納箱10のブランクを用いて、実際のカットシートの梱包は、一例として次のように行なわれる。
先ず、図1のブランクの状態で、紙製収納箱10の底面パネル4の上に所要の冊数のカットシート冊が置かれる。次いで、正面パネル3、天面パネル2、背面パネル1が、内容物40としてのカットシートの堆積された冊の周りに巻かれ、複数冊のカットシート冊の内容物40の周囲を覆うように取り巻かれる。そして、糊代5の上面に糊などの接着剤35が塗布されて、この糊代5が真っ直ぐに起こされて、背面パネル1の下方位置の縁辺に沿って糊代5部分が押圧されて接着されるようになる。
次いで、両側の側面パネルを形成する内フラップ6、8、11、13が内側に折り曲げられて、その外面の、外フラップ7、9、12、14が重なり合う部分の特定個所(7b、9b、12b、14b)に糊などの接着剤35が塗布され、これら内フラップ6、8、11、13の上に外フラップ7、9、12、14が重なるように折り曲げられて接着剤35によって内フラップ6、8、11、13の上に接合されて、中に内容物40としてのカットシートの冊が複数個、図示の実施例では5冊、が商品として詰められる。
このようにして、商品としての内容物40が詰められた紙製収納箱10は、カットシート冊の周りを背面パネル1、天面パネル2、正面パネル3、底面パネル4で覆い、側面パネルを形成する内フラップ6、8、11、13が内側に折り曲げられ、さらに、外フラップ7、9、12、14が内側に折り曲げられて、内フラップ6、8、11、13の上に相互に重ね合わせられ、重なり合う部分が接着剤35によって接合されて側面部分(側面パネル)が形成される。これによって、商品が詰められた段ボールの紙製収納箱10が、図2に示されるような直方体形状のパッケージとして完成される。
また、このような本発明のラップラウンドケースとしての紙製収納箱10は、図1に示されるような展開状態において、側面パネルの内外フラップ6〜9、11〜14の隣接の側面パネルを形成する内外フラップ間に、段ボールの紙厚さに対応した寸法の隙間26、27、28と隙間29、30、31とがそれぞれ設けられており、組立時に各側面パネルの内外フラップ6〜9、11〜14が好適に折り曲げられて、内フラップ6、8、11、13の上に外フラップ7、9、12、14が重なり合って接着されることができるように形成されている。
さらに、このような本発明の紙製収納箱10において、正面パネル3と、側面パネルを形成する外フラップ7、9、12、14とに、図1に示されるように切れ目としての末広がり形状、例えば「八」の字形状の正面ジッパーとしての切込線20と、側面ジッパーとしての切込線21、22、23、24とがそれぞれ設けられている。
開封手段として、正面パネル3に形成されるジッパーの切込線20は、正面パネル3のほぼ中央に末広がり形状、例えば「八」の字形状の切込線20の頂点が位置するように設けられると共に、この末広がり形状、例えば「八」の字形状のジッパーの切込線20の頂点の位置に、従って、正面パネル3のほぼ中央に、細長い溝形の孔のような開口部19が設けられている。
この細長い開口部19は、紙製収納箱10を開封する際に、指先を差し込んで引っ掛けて正面パネル3のパネル片3a部分を切込線20に沿って上方に引き裂くことによって、開封することができるように形成されているものである。
また、同様に、側面パネルの外フラップ7、9、12、14にも末広がり形状、例えば「八」の字形状のジッパーの切込線21、22、23、24が設けられている。これら切込線21、22、23、24は、図示から明らかなように、末広がり形状、例えば「八」の字形状のジッパーの切込線21、22、23、24の頂点が側面パネルを形成する外フラップ7、9、12、14の外縁側のほぼ中央に位置するように形成されることが好適である。
さらに、これら末広がり形状、例えば「八の字」形状のジッパーの切込線21〜24の頂点の位置に、切欠き部としての窪み部15、16、17、18がそれぞれ設けられて、組立て時に、対応する側面パネルを形成する外フラップ7、12と外フラップ9、14との間に、手の指を掛けることができるような十分な隙間が、それぞれ形成されるようになっている。
これによって、正面パネル3のパネル片3a部分が上方に開かれると共に、外フラップ7、12が切込線21、23に沿って引き裂かれて、天面パネル2も上方に引き裂かれて開かれ、図3に示されるように開かれる。この状態でカットシート冊の取出しが可能となる。続いて、露出したカットシート冊を取出した後、両側の側面パネルを形成する下側の外フラップ9、14の窪み部17、18に手を掛けて下方に押し開くように引き裂けば、外フラップ9、14は、フラップ片9a、14aが切込線22、24に沿って引き裂かれて開かれ、図4に示される如く開封されるようになる。
続いて、この図4に示される状態から、天面パネル2と背面パネル1とを外方に開くと共に、正面パネル3のパネル片3bと外フラップ9、14のフラップ片9a、14aを外方に押し倒すように開くと、図5に示されるように紙製収納箱10を完全に開封して残りのカットシート冊の内容物40を露呈することができるようになる。
なお、末広がり形状、例えば「八」の字形状のジッパーの切込線20、21、22、23、24の端部は、紙製収納箱10の隅部の角部分と、外フラップ7、9、12、14の角部分とから幾分離れた位置に終わっており、これによって紙製収納箱10が落下した時や、押された時に、角部が潰れて、この角部から壊れ易くなるのを防止している。さらにまた、外フラップ7、9、12、14の互いに向き合う縁辺が、組立時に隙間を形成するように外フラップ7、9、12、14の大きさが決められており、これによって、紙製収納箱10が押された時の延びや縮みによって、外フラップ7、9、12、14の縁辺が互いに当接して外方にはじけるのを防止するようにしている。
なお、このようなジッパーの切込線20、21、22、23、24は、「く」の字形、「かぎ」形、「I」の字形、「T」の字形または「Y」の字形の切込み等が連続して直線状あるいは円弧などの曲線または折れ線状に設けられた切込線として形成されるもので、開封時に切込線に沿ってきれいに、かつ裂け易くするために使用されるものである。また、これらの切込線はジッパーに限定されるものではなく、単なるミシン目の切込線とすることも出来る。
さらにまた、外フラップ7、9、12、14は、内フラップ6、8、11、13よりも長く大きく作られており、内フラップ6、8、11、13が短く、小さく作られていて、組立の時に、これら内フラップ6、8、11、13間に隙間が形成されて、指先が差し込みし易いように作られている。
このように構成された本発明の紙製収納箱における実際の使用例に就いて次に説明する。
図3乃至図5は、本発明の紙製収納箱10の開封時の手順を示す説明図である。
先ず、図2に示されるように、閉鎖された紙製収納箱10を開封する場合には、床やテーブル、または台の上に、図2に示される状態に置かれた紙製収納箱10において、正面パネル3のほぼ中央の開口部19部分に指先を押し込んで末広がり形状または「八」の字形状のジッパーの切込線20に沿ってパネル片3a部分の頂部を掴んで上方に引き上げて切断するようにする。
すると、これによって、正面パネル3のパネル片3aと、これに続く上方の天面パネル2とが、図3に示されるように切込線20に沿って切断されて開かれると同時に、側面パネルの外フラップ7、12が切込線21、23に沿って切断されて、外フラップ7、12の、山形三角形状のフラップ片7a、12aが、天面パネル2と接続した状態で上方に向って開かれる。
従って、側面パネルの外フラップ7、12は、略直角三角形状のフラップ片7b、12bが、正面パネル3の側面の内フラップ8、13と背面パネル1の側面の内フラップ6、11との上にそれぞれ接着した状態で残っており、内容物40の上部が露出されるようになる。
続いて、この図3に示される状態から、露出したカットシート冊を取出した後、底面パネル4の両側から直立する外フラップ9、14の中央部分の、「八」の字形状の切込線22、24に沿って、山形三角形状のパネル片9a、14a部分の頂部を掴んで左右に、かつ下方に向って引き下げるように切断する。これによって、両側の外フラップ9、14は、フラップ片9a、14aが切込線22、24に沿って切断されると共に、略直角三角形状のフラップ片9b、14bが内フラップ6、8、11、13に接着した状態で残っており、図4に示される状態に開かれるようになる。
従って、両側の内フラップ6、8、11、13が、完全にフリーとなって、外方に向って開くことができるようになる。
これによって、先に既に切断されて開かれた正面パネル3のパネル片3aと、天面パネル2と、背面パネル1とを図5に示されるように一方の側に1つの連続した条片として一体的に開くことができると共に、正面パネル3のM字形のパネル片3bと、内フラップ8、13とが反対側の方に開くことができ、内容物40全体が図5に示されるように完全に露出されるようになるので、内容物40を簡単に取り出すことができる。このように、上方の内容物(カットシート冊)を取出した後に、全開状態にすると、全開前の状態で下方の内容物の保管が出来ると共に、取出しが容易となる。
内容物40が完全に取り出されて残った紙製収納箱10の残余部材は、簡単に折り畳むことができ、小さく纏めて廃棄することができる。
このように、本発明の紙製収納箱10は、両側に側面パネルとしての内フラップ6、8、11、13と外フラップ7、9、12、14とを有する連接する4つのパネルとしての背面パネル1と天面パネル2と正面パネル3と底面パネル4とを接合部である糊代5によって直方体形状のケースとして組立て、中にカットシート冊のような内容物40を詰めて閉鎖して商品としてのケースを形成する。このようなケース状の本発明の紙製収納箱10を開封する際には、正面パネル3の中央の開口部19に指先を掛けて切込線としてのジッパーの切込線20に沿って上方に引き上げるようにして開封することができ、これに続いて残りのジッパーの切込線21、22、23、24に沿って側面パネルを形成する外フラップ7、9、12、14等も内フラップ6、8、11、13と一緒に分断して開いて、紙製収納箱10を完全に開くことが簡単に、かつ容易に行うことができ、しかも、カットシート冊の内容物40を容易に取り出すことが可能となる。内容物40を取り出した後は、開いた段ボールブランクである紙製収納箱10の空の殻部材を容易に廃棄することができるようになるものであり、単に、紙製収納箱10の正面パネル3と両側面側の側面パネルを形成する外フラップ7、9、12、14とを開封することで、カットシート冊のような内容物40の容易な取り出しと、紙製収納箱10の解体および廃棄等が容易になる等の効果を奏することができる。しかも解体後の紙製収納箱10は、小さく折り畳んで古紙として再生利用することが可能となる。また、紙製収納箱10の下方を開放していない状態では、箱として再利用することも可能である。
なお、本実施例1において、側面パネルを形成する下方の外フラップ9、14の開封用切込線22、24を設けないで、上方の開封用切込線21、23のみを設けることも出来る。この場合は、梱包体の上半分の開封は容易であるが、下半分の開封は容易でない。しかし、内容物のカットシート冊などを一回に取出すのではなく、少しづつ取出して再包装する場合などには、好適である。
図6と図7は、本発明の紙製収納箱の実施例2を図示、説明するための概要図で、図6は、本発明の紙製収納箱をブランク状態に開いた展開図、図7は、図6の本発明の実施例2の紙製収納箱に内容物を収納して閉鎖した時の直方体形状としての紙製収納箱の全体形状を示す斜視図である。
図示されるように、本発明の実施例2においては、紙製収納箱50は、背面パネル51と底面パネル52と正面パネル53と天面パネル54と糊代55と、これらパネルの両側に設けられた側面パネルとしての内フラップ56、58、61、63と、外フラップ57、59、62、64とから形成されており、図示されるような状態に配置、構成されている。
図6に示されるように、本発明の紙製収納箱50は、背面パネル51と底面パネル52と正面パネル53と天面パネル54とが連続した状態で形成され、天面パネル54の端辺に接合部としての糊代55が設けられており、各パネルの側辺に内フラップ56、58、61、63と外フラップ57、59、62、64とが設けられていて、直方体形状に組み立てられるように構成されている。
図7に示されるように、正面パネル53のほぼ中央の領域には、横方向に細長い孔としての開口部69が設けられており、この開口部69の両側から上方に、末広がり形状に延びる「八」の字形状のジッパーの切込線70が正面ジッパーとして設けられていて、開封手段として形成されている。この正面のジッパーの切込線70は、開口部69の両側の端部から上方に末広がりに、ほぼ「八」の字形状に形成されており、端部が、上方の角部から僅かに下方に離れた位置にて紙製収納箱50の側辺の付近に終っている。
なお、この正面側のジッパーの切込線70は、この実施例2においては、ほぼ直線状に形成されているが、直線状の他に、円弧等の曲線状に形成しても良いことは勿論である。また、外フラップ57、59、62、64にも、各フラップの外縁側のほぼ中央に、切欠き部としての窪み部65、66、67、68がそれぞれ設けられており、これら窪み部65、66、67、68に、それぞれ頂点が位置するように同様に末広がり形状、例えば「八」の字形状の、側面ジッパーとしての切込線71、72、73、74がそれぞれ設けられており、各切込線71、72、73、74の端部が、外フラップ57、59、62、64の側辺の付近にて、角部から幾分離れた処に位置されるように終わっている。これら側面ジッパーとしての切込線71、72、73、74は、直線状でも円弧等の曲線状でも、あるいはまた折れ線状でも、いずれの形状でも良く、本実施例では、円弧状に形成されている。
さらに、これら内フラップ56、58、61、63と外フラップ57、59、62、64との間には、素材である段ボールの紙厚さに対応した寸法の隙間76、77、78、79、80、81がそれぞれ設けられていて、組立て時に、内フラップ56、58、61、63と外フラップ57、59、62、64が好適に折り曲げられて重なり合うことができるように形成されている。
これら末広がり形状、例えば「八」の字形状の正面側のジッパーの切込線70と、側面側のジッパーの切込線71、72、73、74は、「く」の字形の切込み等が連続して直線状または円弧等の曲線状あるいは折れ線状に設けられた切込線として形成されるもので、先の実施例1における切込線と同じものであり、開封手段として設けられているものである。
このような、図6に示されるような形状のブランクとして、本発明の実施例2における紙製収納箱50が、図示の展開した状態で、一枚の平らな段ボールや板紙等から切り出されて作られる。
このような本発明の紙製収納箱50において、底面パネル52の上に所要の冊数のカットシート冊が置かれて、一方の側から背面パネル51が起こされ、他方の側から正面パネル53と天面パネル54が起こされて内容物を包むように巻かれて、接合部である糊代55が背面パネル51の上辺に沿って折り曲げられて押圧されて背面パネル51に糊等の接着剤90を介して接着される。これと同時に、内フラップ56、58、61、63が内側に折り曲げられると共に、外フラップ57、59、62、64も内側に折り曲げられて糊等の接着剤90によって内フラップ56、58、61、63の上に接着されて、中に内容物としてのカットシート冊が収納されて詰められた直方体形状のパッケージとして図7に示されるように形成される。
図7に示されるような本発明の紙製収納箱50において、中身のカットシート冊を取り出すには、床やテーブルまたは台の上に置かれた本発明の紙製収納箱50の正面パネル53の開口部69に指先を差し込んで上方に引き裂けば、正面パネル53は、正面側のジッパーの切込線70に沿って引き裂かれる。これに続いて、外フラップ59、64が側面側のジッパーの切込線72、74に沿って引き裂かれて天面パネル54が開かれるようになる。さらにまた、これに続いて、なおも天面パネル54と背面パネル51とを引っ張れば、外フラップ57、62が側面側のジッパーの切込線71、73に沿って引き裂かれて、内容物40が完全に露呈するように紙製収納箱50が開封されるようになる。
このように、本発明の紙製収納箱50が完全に開封されて内容物40が完全に取り出されたならば、紙製収納箱50の開封された残余部材は、簡単に折り畳むことができ、小さく纏めて廃棄処分することができる。
このように、本発明の紙製収納箱50は、両側に側面パネルとしての内フラップ56、58、61、63と外フラップ57、59、62、64とを有する連接する4つのパネルとしての背面パネル51と天面パネル52と正面パネル53と底面パネル54とを接合部である糊代55によって直方体のケース状に組立て、中にカットシート冊のような内容物40を詰めて閉鎖して商品としてのケースを形成するものである。
このような紙製収納箱50を開封する際には、正面パネル53の中央の開口部69に指先を掛けて切込線としての正面側のジッパーの切込線70に沿って上方に引き上げるようにして開封することができ、これに続いて残りの側面側のジッパーの切込線72、74、さらに71、73に沿って側面パネルを形成する外フラップ57、59、62、64も内フラップ56、58、61、63と一緒に分断して開いて、紙製収納箱50を完全に開くことが、簡単に、かつ容易にでき、しかも、カットシート冊の内容物を容易に取り出すことも可能となる。そして、内容物を取り出し後は、開いた段ボールブランクである紙製収納箱50の空の殻部材を容易に廃棄することができるようになるものであり、単に、紙製収納箱50の正面パネル53と両側面側の側面パネルを形成する外フラップ57、59、62、64とを開封することで、カートシート冊のような内容物の容易な取り出しと、紙製収納箱50の解体および廃棄等とが容易になる等の効果を奏することができる。しかも解体後の紙製収納箱50を小さく折り畳んで古紙として再生利用することが可能となる。また、紙製収納箱の下方を開放していない状態では、箱として再利用することも可能である。
このように、本実施例2の紙製収納箱50においても、上記実施例1と同様に、正面パネル53を開封すると共に、天面パネル54を開封して露出した内容物のカットシート冊を取出した後に、側面パネルを形成する残りの下フラップ57、62を開封して紙製収納箱50を完全に開いて、残りの内容物のカットシート冊全体が完全に露出されるようになるので、これによって、露出された残りのカットシート冊を容易に取出しできるようになる。
図8乃至図11は、本発明の紙製収納箱の実施例3を図示、説明するための概要図で、図8は、本発明の実施例3の紙製収納箱をブランク状態に開いた展開図、図9は、図8の本発明の実施例3の紙製収納箱に内容物を収納して閉鎖した時の直方体形状としての紙製収納箱の全体形状を示す斜視図で、図10は、図9の本発明の実施例3の紙製収納箱を開封し始めた時の最初の状態を示す斜視図、図11は、図10の本発明の実施例3の紙製収納箱から内容物を全て取り出して平らに押し潰した状態を示す斜視図である。
図示されるように、本発明の実施例3において、紙製収納箱100は、正面パネル101と天面パネル102と背面パネル103と底面パネル104と糊代105と、これらパネルの両側に設けられた側面パネルとしての内フラップ106、108、111、113と、外フラップ107、109、112、114とから形成されており、図示されるような状態に配置、構成されている。
図8に示されるように、本発明の紙製収納箱100は、正面パネル101と天面パネル102と背面パネル103と底面パネル104とが連続した状態で形成され、底面パネル104の縁辺に接合部としての糊代105が設けられており、各パネルの側辺に内フラップ106、108、111、113と外フラップ107、109、112、114とが設けられている。
図9に示されるように、正面パネル101の縦中心線上の中央領域において、外方側の縁辺の近くには、横方向に細長い変形台形状の孔としての開口部122が設けられている。さらに、この開口部122の両側の端部から上方に、末広がり形状に延びる略「八」の字形状のジッパーが正面ジッパーの切込線124として形成され、開封手段が設けられている。この正面のジッパーの切込線124は、開口部122の両側の端部から上方に末広がりにほぼ「八」の字形状に形成されており、端部が、上方の角部から僅かに下方に離れた位置にて紙製収納箱100の側辺の付近に終わっている。
なお、この正面側の切込線124は、この実施例3においては、ほぼ直線状に形成されているが、直線状の他に、円弧状等の曲線状に形成しても良いことは勿論であり、開口部122の位置も、外方側の縁辺の近くだけではなく、縦中心線に沿って中央部付近にも天面パネル102近くにも配置することが出来るものであり、さらに、左右の方向に対しても、いずれかの内フラップ106、111に近付いた位置に設けることも出来る。
また、内フラップ106、111の外縁側のほぼ中央に、ほぼ三角形状の切欠き部としての窪み部115、116が設けられると共に、背面パネル103側の内フラップ108、113の外縁辺のほぼ中央にもほぼ三角形状の切欠きとしての窪み部117、118が設けられており、これら窪み部115、116、117、118から末広がりの形態として折れ線形の、側面ジッパーとしての切込線125、126、127、128がそれぞれ設けられており、各切込線125、126、127、128の端部が、内フラップ106、111、108、113の側辺のほぼ中央付近に位置されるように終っている。これら側面ジッパーとしての切込線125、126、127、128は、折れ線形の他に、直線状でも円弧等の曲線状でも良く、本実施例では、折れ線形の形状に形成されている。
また、底面パネル104の外フラップ109、114の外縁辺のほぼ中央には、円弧状の切欠きとしての窪み部119、120が設けられている。
さらに、これら内フラップ106、108、111、113と外フラップ107、109、112、114との間には、素材である段ボールの紙厚さに対応した寸法の隙間131、132、133、134、135、136がそれぞれ設けられていて、組立て時に、内フラップ106、108、111、113と外フラップ107、109、112、114が好適に折り曲げられて重なり合うことができるように形成されている。
末広がり形状に延びる略「八」の字形状の正面側の切込線124と、側面側の折れ線形の切込線125、126、127、128は、ミシン目や、「く」の字形等の切込みが連続して直線状または曲線状あるいは折れ線形の形状に設けられた切込線として形成されるもので、先の実施例1および実施例2における切込線と同じものであり、開封手段として設けられているものである。
このような、図8に示されるような形状のブランクとして、本発明の実施例3における紙製収納箱100が、図示の展開した状態で、一枚の平らな段ボールや板紙等から切り出されて作られる。
このような本発明の紙製収納箱100のブランクにおいて、底面パネル104の上に所要の冊数のカットシート冊が内容物140として置かれて、一方の側から背面パネル103が起こされ、続いて天面パネル102と正面パネル101が起こされて内容物140を包むように巻かれて、内容物140が包囲される。そして、接合部である糊代105が正面パネル101の下辺に沿って折り曲げられて押圧されて正面パネル101に糊等の接着剤138を介して接着される。これと同時に、内フラップ106、108、111、113が内側に折り曲げられると共に、外フラップ107、109、112、114も内側に折り曲げられて糊等の接着剤138によって内フラップ106、108、111、113の上に接着されて、中に内容物140としてのカットシート冊が収納されて詰められた直方体形状のパッケージとして図9に示されるような直方体の形状に形成される。
図9に示されるような本発明の紙製収納箱100において、中身のカットケース冊を取り出すには、床やテーブルまたは台の上に置かれた本発明の紙製収納箱100の正面パネル101の開口部122に指先を差し込んで上方に引き裂けば、正面パネル101は、正面側のジッパーの切込線124に沿って引き裂かれる。これに続いて、天面パネル102に接合する外フラップ107、112を引き剥がすことができ、正面パネル101側の内フラップ106、111のジッパーの切込線125、126に沿って引き裂かれると共に、背面パネル103の内フラップ108、113のジッパーの切込線127、128に沿って引き裂かれて、天面パネル102と側面パネルを形成する外フラップ107、112が図10に示されるように開かれるようになる。この状態で、カットシート冊の取出しが可能となる。
これに続いて、露出したカットシート冊を取り出した後、底面パネル104の両側に接合する外フラップ109、114を外側に向って引き剥がすと、正面パネル101の両側に接合する内フラップ106、111と背面パネル103の両側に接合する内フラップ108、113とから引き離されて開かれるようになる。従って、正面パネル101の両側の内フラップ106、111を左右に開いて、正面パネル101の残ったM字形のパネル片101bと一緒に、内フラップ106、111のフラップ片106a、111aを台の上に向って押し倒して平らに開くように置くことができる。
このような状態で、開封された紙製収納箱100からカットシートの内容物140を簡単に取り出すことができるようになる。
こうして、開封された紙製収納箱100から内容物140が全部取り出されたならば、残った空の紙製収納箱100を図11に示されるように平らに押し潰して廃棄することが出来るようになる。
また、本実施例3において、側面パネルを形成する内フラップ106、108、111、113の下方側にも開封手段を設けてもよいことは言うまでもない。
このように、本発明のこの実施例3の紙製収納箱100の正面パネル101と両側面パネル形成する内外フラップ106〜109、111〜114を開くことで、開封が容易に行うことができ、内容物140の容易な取り出しと紙製収納箱100の解体および廃棄が容易になり、さらにまた古紙として再生利用が可能となる等の効果が得られる。
このように、本発明の紙製収納箱10、50、100は、両側に、側面パネルを形成する内フラップ6、8、11、13、56、58、61、63、106、108、111、113と外フラップ7、9、11、13、57、59、62、64、107、109、111、113とを有する連接する4つのパネルとしての背面パネル1、51、103と底面パネル4、52、104と正面パネル3、53、101と天面パネル2、54、102とを接合部である糊代5、55、105によって長方形のケース状に組立て、中にカットシート冊のような内容物40、140を詰めて閉鎖して商品としてのケースを形成することができる。
このような本発明の紙製収納箱10、50、100を開封する際には、正面パネル3、53、101の中央の開口部19、69、122に指先を掛けて切込線としての正面側のジッパーの切込線20、70、124に沿って上方に引き上げるようにして開封することができ、これに続いて残りの側面側のジッパーの切込線21、22、23、24、71、72、73、74、125、126、127、128に沿って側面パネルの外フラップ7、9、12、14、57、59、62、64、107、109、112、114等も内フラップ6、8、11、13、56、58、61、63、106、108、111、113と一緒に分断して開いて、紙製収納箱10、50、100を完全に開くことが、簡単に、かつ容易に行うことができる。しかも、開いた紙製収納箱10、50、100から、カットシート冊の内容物40、140を容易かつ簡単に取り出すことも可能となる。また、側面パネルの開封は、内容物を取り出しながら、上段、下段と段階的に行うことにより、残りの内容物の保管機能を持たせることが出来る。さらに内容物を全て取り出し後は、開いた段ボールブランクである紙製収納箱10、50、100の空の殻部材を容易に廃棄することができるようになるものであり、単に、紙製収納箱10、50、100の正面パネル3、53、103と両側面側の側面パネルの外フラップ7、9、12、14、57、59、62、64、107、109、111、113とを開封することで、カットシート冊のような内容物40、140の容易な取り出しと、紙製収納箱10、50、100の解体および廃棄等が、容易になる等の効果を奏することができ、しかも解体後の紙製収納箱10、50、100を小さく折り畳んでリサイクル処理することができ、古紙として再生利用することが可能となる。また、紙製収納箱の上方のみを開放した状態では、箱として再利用することも可能である。
本発明の紙製収納箱は、4面の連接するパネルと、各パネルの両側に設けられた側面パネルとを有し、正面または背面パネルの面上と両側面パネルの上方とに、末広がり形状の切込線から成る開封手段が設けられているので、紙製収納箱の正面または背面と両側面のパネルを開封することで、内容物の容易な取り出しとケースの解体および廃棄が容易になり、さらにまた古紙としての再生利用が可能となる等の効果が得られ、しかも安価に容易に製作することができる。また、ラップラウンドケースのみでなく、箱を組み立ててから内容物を収納する形式の段ボール箱や厚紙の箱などに適用することが出来る。
本発明の実施例1における紙製収納箱をブランク状態に開いた展開図である。
図1の本発明の実施例1の紙製収納箱に内容物を収納して閉鎖した時の斜視図である。
図2の本発明の実施例1の紙製収納箱を開封し始めた時の最初の状態を示す斜視図である。
本発明の実施例1の紙製収納箱を図3に続いてさらに開いた時の状態を示す斜視図である。
本発明の実施例1の紙製収納箱を図4に続いて完全に開いた時の状態を示す斜視図である。
本発明の実施例2における紙製収納箱をブランク状態に開いた展開図である。
図6の本発明の実施例2における紙製収納箱に内容物を収納して閉鎖した時の斜視図である。
本発明の実施例3における紙製収納箱をブランク状態に開いた展開図である。
図8の本発明の実施例3の紙製収納箱に内容物を収納して閉鎖した時の斜視図である。
図9の本発明の実施例3の紙製収納箱を開封し始めた時の最初の状態を示す斜視図である。
図10の本発明の実施例3の紙製収納箱から内容物を取り出して平らに潰した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 背面パネル
2 天面パネル
3 正面パネル
4 底面パネル
5 糊代
6 内フラップ
7 外フラップ
8 内フラップ
9 外フラップ
10 紙製収納箱
11 内フラップ
12 外フラップ
13 内フラップ
14 外フラップ
15 窪み部
16 窪み部
17 窪み部
18 窪み部
19 開口部
20 切込線
21 切込線
22 切込線
23 切込線
24 切込線
26 隙間
27 隙間
28 隙間
29 隙間
30 隙間
31 隙間
35 接着剤(糊)
40 内容物
50 紙製収納箱
51 背面パネル
52 底面パネル
53 正面パネル
54 天面パネル
55 糊代
56 内フラップ
57 外フラップ
58 内フラップ
59 外フラップ
61 内フラップ
62 外フラップ
63 内フラップ
64 外フラップ
65 窪み部
66 窪み部
67 窪み部
68 窪み部
69 開口部
70 切込線
71 切込線
72 切込線
73 切込線
74 切込線
76 隙間
77 隙間
78 隙間
79 隙間
80 隙間
81 隙間
90 接着剤(糊)
101 正面パネル
102 天面パネル
103 背面パネル
104 底面パネル
105 糊代
106 内フラップ
107 外フラップ
108 内フラップ
109 外フラップ
111 内フラップ
112 外フラップ
113 内フラップ
114 外フラップ
115 窪み部
116 窪み部
117 窪み部
118 窪み部
119 窪み部
120 窪み部
122 開口部
124 切込線
125 切込線
126 切込線
127 切込線
128 切込線
131 隙間
132 隙間
133 隙間
134 隙間
135 隙間
136 隙間
138 接着剤(糊)
140 内容物