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JP2005100504A - 相変化型情報記録媒体とその記録再生方法 - Google Patents

相変化型情報記録媒体とその記録再生方法 Download PDF

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JP2005100504A JP2003330526A JP2003330526A JP2005100504A JP 2005100504 A JP2005100504 A JP 2005100504A JP 2003330526 A JP2003330526 A JP 2003330526A JP 2003330526 A JP2003330526 A JP 2003330526A JP 2005100504 A JP2005100504 A JP 2005100504A
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Abstract

【課題】 本発明は、DVD+RW、DVD−RWなどの光ディスクにおいて高速記録でも優れたオーバーライト特性を有する相変化型光ディスクとその記録再生方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の相変化型情報記録媒体は、波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去を行う光記録媒体であり、基板上に少なくとも、反射層、上部保護層、相変化型記録層、下部保護層、接着層および透明基板が順に設けられ、該接着層が紫外線硬化性樹脂からなる。
【選択図】 図2

Description

本発明はDVD+RW、DVD−RWなどの書き換え型光記録媒体に関し、特に、高速記録が可能で、優れたオーバーライト特性を有する相変化型光ディスクとその記録再生方法に関するものである。
CD−RWなどの相変化型光ディスク(相変化型情報記録媒体)は、一般的にプラスチックの基板の上に、相変化型材料からなる記録層を設け、その上に、記録層の光吸収率を向上させ、かつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とするものであり、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録、再生を行なうものである。
上記記録層を構成する相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間を相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものである。相変化型情報記録媒体は、この性質を情報の記録と再生に応用したものである。
上記記録層には、光照射によって加熱されると酸化され、蒸散し或いは変形するという問題がある。この酸化、蒸散、変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層の間に下部保護層(下部誘電体層ともいう)、および記録層と反射層の間に上部保護層(上部誘電体層ともいう)が設けられている。さらに、これらの保護層は、その厚さを調節することによって、記録媒体の光学特性の調節機能も有する。また下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つ。
一方、コンピューター等で扱う情報量が増加したことによって、DVD−RAM、DVD+RWのような、信号記録容量が増大し、信号情報が高密度化されている光ディスクが開発されている。これらの光ディスクにおいては、大きい情報を単時間に転送すること、すなわち転送速度を向上させるために光ディスク使用線速の高速化が重要な開発課題である。具体的には、DVDの線速は1倍速で3.5m/secであるから、たとえば10倍速では35m/secという高速でオーバーライト可能な書き換え型光ディスクを開発しなければならない。
高線速度でのオーバーライト特性を良好にするやり方として、例えば、特開2002−293029号公報(特許文献1)、特開2002−264514号公報(特許文献2)などに開示されている発明がある。これらは、記録層材料に工夫を凝らしており、Sb−Te共晶系材料をベースとして、結晶化速度が速く、かつ保存特性も良好な材料が用いられている。しかしながら、高速下でのオーバーライト特性と保存特性とはトレードオフの関係にあり、記録層材料のみで両特性を満足させるには限度がある。例えば、特許文献2の実施例での記録線速は7m/sec、特許文献1では16m/secであり、20m/sec以上での記録を可能にすることは開示されていない。
しかも、20m/sec以上の速度で記録する場合、記録層材料側で結晶化速度(オーバーライト特性)と保存特性を両立させようとしても、下記のような新たな課題が出てくる。
基板/下部保護層/相変化型記録層/上部保護層/反射層からなる構成の通常の光ディスクでは、下部保護層の膜厚を変化させると、図1に示すように反射率が変化する。この下部保護層の膜厚と反射率の関係を踏まえ、一般的には図1のA点の厚さで光ディスクを作製する。図1中のA点の厚さでは、グルーブよりもランドのほうが変調度を大きく取れ、特性が良好である。ところが、光ディスクでは、グルーブ記録で大きな変調度が取れることが好ましい。グルーブで特性を出すには、図1のBまたはC点の厚さにすることが光学的には好ましい。さらにB点ではトラッキングサーボに関わるプッシュプル信号PPの振幅も大きく取れる。このため同じPPでよければグルーブを浅くすることが出来、このため、同一の変調度を保ったままで反射率が大きくなる。また、反射率が大きくなると、プレーヤーで再生しやすくなる。
しかし、C点は保護層の厚さがとても厚いために材料費が高い上に、成膜時の熱の害が大きく、基板が変形しやすいので製造が困難である。また、保護層が厚くなると、膜厚ばらつきが大きくなるために、面内での反射率変動が大きくなり、高速でのフォーカシングが不安定になってしまう。一方、B点は初回記録時の特性は上記したように良好であるが、下部保護層が薄いために、記録層とプラスチック基板の距離が近くなりすぎ、記録時に高温になるとオーバーライトで基板が熱変形し、すぐに記録再生不能になってしまう問題点がある。高速での記録では特に、非晶質マークを形成するのに高いレーザーパワーが必要とされるため、熱による基板変形という問題は大きな課題であった。
特開2002−293029号公報 特開2002−264514号公報 特開2001―184725号公報
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、DVD+RW、DVD−RWなどの光ディスクにおいて高速記録でも優れたオーバーライト特性を有する相変化型光ディスクとその記録再生方法を提供することにある。
本発明者は、前記従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、前記課題に合致する相変化型情報記録媒体とその製造方法を見出した。
本発明によれば、次に示す相変化型情報記録媒体、及び相変化型情報記録媒体の記録再生方法が提供される。
〔1〕 波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去を行う光記録媒体において、基板上に少なくとも、反射層、上部保護層、相変化型記録層、下部保護層、接着層および透明基板が順に設けられ、該接着層が紫外線硬化性樹脂からなることを特徴とする相変化型情報記録媒体。
〔2〕 該下部保護層が厚さ30〜100nmの(ZnS)1−X(SiO(但し、0.1≦X≦0.4)であることを特徴とする請求項1に記載の相変化型情報記録媒体。
〔3〕 該相変化型記録層がSbとTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
〔4〕 該相変化型記録層がGaとSbを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Te、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
〔5〕 該反射層がAgを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
〔6〕 該上部保護層と該反射層との間にバリア層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の相変化型情報記録媒体。
〔7〕 該相変化記録層に隣接して界面層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
〔8〕 該接着層と該透明基板の総厚が0.58〜0.62mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
〔9〕 請求項1〜8のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体に対し、透明基板側から集束光を照射させて、3.5〜40m/secの線速で情報の記録・再生を行なうことを特徴とする相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
本発明の請求項1に係わる発明によれば、高線速下でもオーバーライト特性の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項2に係わる発明によれば、面内での反射率変動が小さいために、高線速記録が良好に行なえ、コスト的にも優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項3、4に係わる発明によれば、高線速化での、記録感度、消去比の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項5に係わる発明によれば、広範囲での記録線速下で、オーバーライト特性の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項6に係わる発明によれば、保存特性の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項7に係わる発明によれば、高線速下でのオーバーライト特性が優れ、特に2〜10回繰り返し記録した時のジッターを低減することができる。
また、本発明の請求項8に係わる発明によれば、既存のDVDプレーヤーで再生することができる。
本発明の請求項9に係わる発明本によれば、本発明の請求項1〜9のいずれかに係わる発明の相変化型情報記録媒体を用いてDVD1倍〜11倍相当の速度で記録・再生を行なうことができる。
以下、本発明に係わる相変化型情報記録媒体について詳細に説明する。
本発明の相変化型情報記録媒体(以下、単に情報記録媒体ともいう。)においては、波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去が行なわれる。
次に、図2に基づいて、本発明の情報記録媒体の構成について説明する。
図2は、本発明の情報記録媒体の概略断面図である。但し、図2に示す構成は、一実施形態にすぎず、本発明を限定するものではない。
本発明の情報記録媒体においては、図2に示すように、基板(1)の上に、少なくとも反射層(2)、上部保護層(3)、相変化記録層(4)、下部保護層(5)、接着層(6)、透明基板(7)が順に設けられている。反射層と上部保護層との間にバリア層を設けても構わないし、相変化記録層に隣接して界面層を設けても構わない。記録・再生するには、透明基板(7)側から集束光を照射させる。
本発明においては、後述するように接着層(6)が紫外線硬化性樹脂からなる。接着層(6)に紫外線硬化性樹脂のような材料を用いることで、下部保護層が100nm以下の薄い場合でも、高速記録でも熱が基板に流れる量が減り、優れたオーバーライト特性を示す。また、反射層には、基板への熱不可を解消するために、AgやAlなどの金属材料を用いることが好ましい。
これに対し、従来の基板/下部保護層/相変化記録層/上部保護層/反射層という構成では、一般的に用いられる誘電体からなる下部保護層の熱容量が、金属からなる反射層に比べて非常に小さいために、基板に熱が流れ、オーバーライト時に基板変形といった不具合が生じやすい欠点がある。
尚、本発明における基板(1)/反射層(2)/上部保護層(3)/相変化記録層/下部保護層(5)/光透過層という構成の光情報媒体は、例えば特許文献3などに開示されているが、これはレンズの高NA化による球面収差低減のためのもので、光透過層の厚さが0.1mm〜0.2mmである。これに対し、本発明はオーバーライト特性の向上を目的としており、DVDとの互換性が得られるために、接着層と該透明基板の総厚ははるかに厚く設定され、具体的には0.58〜0.62mmであることが好ましい。
前記透明基板(7)は、記録再生のために照射する光を十分透過するものであることが必要であり、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
その材料としては、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
上記透明基板(7)を構成する樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中では、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
本発明における接着層(6)は紫外線硬化性樹脂からなる。紫外線硬化性樹脂は、記録再生のために照射する光の波長における光吸収が小さい上に、成形性、コストの点で好適である。硬化後の硬度が大きい方が好ましく、オーバーライトでの記録・再生特性が良好となる。硬化後の樹脂の硬度はJIS鉛筆硬度試験でB以上であることが好ましい。
透明基板(7)と接着層(6)の総厚は0.58〜0.62mmであることが好ましい。この範囲外であると、現行のDVDとの互換性をとるのが難しくなってしまう。
下部保護層(5)は、相変化記録層(4)との劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有する機能を有し、下部保護層(5)を構成する材質としては、SiO、SiO、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrOなどの金属酸化物、Si、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In、TaSなどの硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンドライクカーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。具体的には、ZnSとSiOとの混合物(ZnS)1−X(SiO(但し、0.1≦X≦0.4)が好ましい。
このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
下部保護層(5)の厚さは、特に限定されないが30〜100nmであることが好ましい。30nm未満であると、記録時の熱によって、透明基板(7)が変形してしまう恐れがある。100nmより厚いと、反射率変動が大きくなってジッターが増加したり、量産性に問題が生じてくる傾向がある。これらの範囲で、最適な反射率になるように、膜厚の設計を行なう。
尚、下部保護層(5)と透明基板(7)と接着層の厚さとの合計は1.2mmになるように前記基板(1)の厚さを選択することが好ましい。
相変化記録層(4)は、光照射による加熱と冷却によって、結晶と非晶質の間を層変化する材料から構成され、その材料は特に限定的ではなく、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、およびSb−Te系、Ga−Sb系などの共晶系材料薄膜を挙げることができるが、記録(非晶質化)感度・速度、及び消去比の点で、Sb−Te系、Ga−Sb系共晶材料が好ましい。
これらの記録層材料にはさらなる性能向上、信頼性向上などを目的にAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
相変化記録層(4)は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
相変化記録層(4)の厚さは、とくに限定されないが、10〜30nmであることが好ましい。10nmより薄いとだと、結晶化速度が低下して、高速でのオーバーライト特性が低下する傾向があり、30nmより厚いと記録感度が低下してしまう傾向があるので、好ましくない。
上部保護層(3)は、前記下部保護層(5)と同様に、相変化記録層(4)との劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有し、下部保護層(5)と同様に構成される。
上部保護層(3)の膜厚は、5〜40nmであることが好ましい。5nm未満になると記録感度が低下し、40nmより厚くなると放熱効果が得られなくなる傾向がある。
反射層(2)は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化しやすくするなどの機能を有するものであり、そのために通常熱伝導率の高い金属が用いられ、たとえば、Au、Ag、Cu、W、Al、Taなど、またはそれらの合金などを用いることができる。また、添加元素としては、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Nd、Znなどが使用される。中でもAg系材料は、とりわけ熱伝導率が大きく、急冷効果が高いかめに、反射層(2)に用いる材料として好ましい。
このような反射層(2)は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
反射層(2)の膜厚は、30〜200nmが好ましく、好適には80〜150nmである。30nm未満になると放熱効果が不十分で、オーバーライト特性も悪くなり、200nmより厚くなると感度の低下を生じる傾向があるので、好ましくない。
本発明の情報記録媒体においては、上部保護層(3)と反射層(2)との間にバリア層を設けていても構わない。
前述のように、反射層(2)としてはAg合金、上部保護層(3)としてはZnSとSiOとの混合物が最も好ましいが、この2層が隣接した場合、上部保護層(3)中の硫黄が反射層(2)のAgを腐食させる可能性があり、保存信頼性が低下するおそれがある。この不具合をなくすために、反射層(2)にAg系を用いた場合には、バリア層を設けることが好ましい。バリア層は、硫黄を含まず、かつ融点は記録層よりも高い必要があり、具体的にはSiO、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrOなどの金属酸化物、Si、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In、TaSなどの硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrCなどの炭化物、あるいは、それらの混合物が挙げられる。これらのバリア層は、レーザー波長での吸収率が小さいことが望まれる。
バリア層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。バリア層の膜厚は、2〜10nmであることが好ましい。2nm未満になると、Agの腐食を防止する効果が得られなくなり、保存信頼性が低下する。10nmより厚くなると、放熱効果が得られなくなる傾向がある。
また、相変化型記録層(4)と下部保護層(5)の間及び/又は相変化型記録層(4)と上部保護層(3)との間に界面層を設けると更にオーバーライト記録初期(2〜10回程度)に見られるジッターを低減することが出来る。数千から数万回のオーバーライト記録によって生じる膜質劣化によるジッター上昇を低減する効果もある。界面層に用いる材料としては、たとえば、Si−N、Al−N、Ti−N、Ta−N、Zr−N、Ge−Nなどの窒化物、SiCなどの炭化物、あるいはZr−O、Ti−O、Si−O、Al−O、Ta−Oなどの酸化物などが挙げられる。これらは単体でもよいし、これらの混合物でもよい。これらの中でも、Ge−N、Zr−O、Ti−Oが特に好ましい。界面層の役割は明らかではないが、核形成促進効果など、何らかの結晶成長促進効果によると推測される。
界面層の厚さは、1nmより薄いと効果が明確でないため、1nm以上が好ましい。通常は2〜5nm程度あれば十分な効果が得られる。これより厚くても効果が得られるが、反射率や吸収率が大きく変化して記録、消去性能に影響を与えるため、厚くとも20nm以下とすることが好ましい。
基板(1)の材料としては、透明基板(7)と同様の材料を用いても良いが、記録再生光に対して不透明な材料を用いても良く、前記透明基板(7)とは、材質、溝形状が異なっても良い。基板(1)の情報層を形成する面には、必要に応じて、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状または同心円状の溝などであって、通常グルーブ部およびランド部と称される凹凸パターンが形成されていてもよく、これは通常射出成形法またはフォトポリマー法などによって成型される。
以下、本発明の相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の情報記録媒体の製造方法の一例は、成膜工程、貼り合わせ工程、初期化工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。
成膜工程では、基板(1)のグルーブが設けられた面に、反射層(2)から順に成膜していく。各層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。
中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
貼り合わせ工程では、基板(1)の膜面側と、透明基板(7)とを貼り合わせる。例えば、どちらか一方の面、あるいは両面に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、基板を貼り合わせて加圧、密着させた上で、透明基板側から紫外線を照射して樹脂を硬化させたり、基板(1)の膜面側の内周部に紫外線硬化性樹脂を塗布し、その上に透明基板(7)を乗せ、回転させて樹脂を振りきった後に透明基板側から紫外線を照射して樹脂を硬化させることができる。
初期化工程では、透明基板側からレーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層(4)を結晶化させる。
また、貼り合わせ工程を行なう前に初期化させても構わない。初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、オーバーコートを施しても良い。
本発明の相変化型情報記録媒体においては、再生信号の反射率は18%以上で、かつ変調度60%以上に構成すると、再生専用型DVDの信号規格の一部を満足させることができ、記録型ディスクであるにもかかわらず、記録後に再生専用型プレーヤーで再生することができるようになる。反射率が30%以上であると、感度が低下し、高速で良好に記録できなくなるおそれがあるので、反射率は18〜30%の範囲であることが好ましい。
本発明の相変化型情報記録媒体の記録再生方法においては、本発明の相変化型情報記録媒体に対し、透明基板側から集束光を照射させて、3.5〜40m/secの線速(DVD1倍〜11倍相当の線速度)で情報の記録・再生を行なう。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
[実施例1]
直径12cm、厚さ0.6mmで表面にピッチ0.74μmの凹凸の案内溝を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上にAg−Pd−Cuからなる反射層(120nm)、(ZnS)80(SiO20からなる上部保護層(14nm)、GeGaInSb71Te22からなる相変化記録層(14nm)、(ZnS)80(SiO20からなる下部保護層(70nm)の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のマグネトロンスパッタ法で製膜した。次に、基板の下部保護層膜面上に接着層として紫外線硬化樹脂を塗布し、直径12cm、厚さ0.55mmの透明基板を貼り合わせてスピンコートし、透明基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて相変化型情報記録媒体を作成した。次に、日立コンピュータ社製のレーザー初期化装置にてレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。接着層と透明基板の厚さの合計は0.59mmであった。
[実施例2]
相変化記録層の材料をGeAgInSb70Te24(14nm)とし、下部保護層と記録層の間および記録層と上部保護層の間に界面層としてそれぞれ(ZrO75(Y(TiO20を2nm設けた以外は実施例1と同様にして相変化型情報記録媒体を作成した。
[実施例3]
相変化記録層の材料をGeGa10Sb87(15nm)とし、下部保護層の厚さを65nmとした以外は実施例1と同様にして相変化型情報記録媒体を作成した。
[実施例4]
下部保護層の材料を(ZnS)70(SiO30とし、厚さを85nmとした以外は、実施例3と同様にして相変化型情報記録媒体を作成した。
[比較例1]
直径12cm、厚さ0.6mmで表面にピッチ0.74μmの凹凸の案内溝を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上に(ZnS)80(SiO20からなる下部保護層(70nm)、GeGaInSb71Te22からなる相変化記録層(14nm)、(ZnS)80(SiO20からなる上部保護層(14nm)、Ag−Pd−Cuからなる反射層(120nm)の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のマグネトロンスパッタ法で製膜した。次に、反射層面上に紫外線硬化樹脂(大日本インキ製:SD318)を10μmにコートした後、紫外線硬化性樹脂で厚さ0.6mmのダミー基板と貼り合せて相変化型情報記録媒体を作成した。次に、日立コンピュータ社製のレーザー初期化装置にてレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。
実施例1〜4、比較例1において作成された各情報記録媒体について下記条件で記録した。各情報記録媒体について、基板の凹凸に対して、レーザー光入射側から見て近くなる方向に凸形状に出っ張っている側に記録した。
レーザー波長 660nm
NA=0.65
線速 8.4m/s、17.5m/s、35m/s
線密度0.267μm/bitでのジッター、変調度、および1000回記録後のジッター、変調度を測定した。
各情報記録媒体における未記録部の反射率は、全て18〜30%の範囲であった。各情報記録媒体の結果を表1に示す。表1からわかるように、本発明による情報記録媒体は高線速下においても、ジッターと変調度が良好であり、オーバライトも可能で、その再生信号のジッターと変調度も特性も良好であった。これに対し、比較例1の情報記録媒体では、オーバーライト後のジッターと変調度が実施例に劣り、特に高線速下で、オーバーライトが不可能であった。
また、接着層と透明基板との総厚が、0.58〜0.62mmのときに高線速下でもオーバーライト特性が優れることがわかった。
Figure 2005100504
[実施例5、6]
反射層の材料をAg(120nm)とし、反射層と上部保護層の間にバリア層としてSiを2nm設けた以外は実施例1と同様にして実施例5の相変化型情報記録媒体を作成した。また、バリア層を設けない点以外は、実施例1と同様にして、実施例6の情報記録媒体を作製した。
作成された各サンプルについて記録線速を35.0m/secに定めた他は実施例1と同条件で記録し、ジッターおよび変調度を測定した。さらに保存信頼性を調べるために、初期記録した各メディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定した。結果は表2に示すとおりであり、第1反射層にAgを用いた場合、バリア層を設けたサンプルは、保存後のジッター上昇は0.5%ほどであり、光ディスクとしてより優れていることがわかった。
Figure 2005100504
下部保護層の厚さと光ディスクの反射率の関係を示す説明図である。 本発明の相変化型情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 反射層
3 上部保護層
4 相変化型記録層
5 下部保護層
6 接着層
7 透明基板

Claims (9)

  1. 波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去を行う光記録媒体において、基板上に少なくとも、反射層、上部保護層、相変化型記録層、下部保護層、接着層および透明基板が順に設けられ、該接着層が紫外線硬化性樹脂からなることを特徴とする相変化型情報記録媒体。
  2. 該下部保護層が厚さ30〜100nmの(ZnS)1−X(SiO(但し、0.1≦X≦0.4)であることを特徴とする請求項1に記載の相変化型情報記録媒体。
  3. 該相変化型記録層がSbとTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
  4. 該相変化型記録層がGaとSbを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Te、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
  5. 該反射層がAgを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
  6. 該上部保護層と該反射層との間にバリア層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の相変化型情報記録媒体。
  7. 該相変化記録層に隣接して界面層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
  8. 該接着層と該透明基板の総厚が0.58〜0.62mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体に対し、透明基板側から集束光を照射させて、3.5〜40m/secの線速で情報の記録・再生を行なうことを特徴とする相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
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