JP2005100504A - 相変化型情報記録媒体とその記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の相変化型情報記録媒体は、波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去を行う光記録媒体であり、基板上に少なくとも、反射層、上部保護層、相変化型記録層、下部保護層、接着層および透明基板が順に設けられ、該接着層が紫外線硬化性樹脂からなる。
【選択図】 図2
Description
基板/下部保護層/相変化型記録層/上部保護層/反射層からなる構成の通常の光ディスクでは、下部保護層の膜厚を変化させると、図1に示すように反射率が変化する。この下部保護層の膜厚と反射率の関係を踏まえ、一般的には図1のA点の厚さで光ディスクを作製する。図1中のA点の厚さでは、グルーブよりもランドのほうが変調度を大きく取れ、特性が良好である。ところが、光ディスクでは、グルーブ記録で大きな変調度が取れることが好ましい。グルーブで特性を出すには、図1のBまたはC点の厚さにすることが光学的には好ましい。さらにB点ではトラッキングサーボに関わるプッシュプル信号PPの振幅も大きく取れる。このため同じPPでよければグルーブを浅くすることが出来、このため、同一の変調度を保ったままで反射率が大きくなる。また、反射率が大きくなると、プレーヤーで再生しやすくなる。
本発明によれば、次に示す相変化型情報記録媒体、及び相変化型情報記録媒体の記録再生方法が提供される。
〔1〕 波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去を行う光記録媒体において、基板上に少なくとも、反射層、上部保護層、相変化型記録層、下部保護層、接着層および透明基板が順に設けられ、該接着層が紫外線硬化性樹脂からなることを特徴とする相変化型情報記録媒体。
〔2〕 該下部保護層が厚さ30〜100nmの(ZnS)1−X(SiO2)X(但し、0.1≦X≦0.4)であることを特徴とする請求項1に記載の相変化型情報記録媒体。
〔3〕 該相変化型記録層がSbとTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
〔4〕 該相変化型記録層がGaとSbを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Te、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
〔5〕 該反射層がAgを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
〔6〕 該上部保護層と該反射層との間にバリア層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の相変化型情報記録媒体。
〔7〕 該相変化記録層に隣接して界面層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
〔8〕 該接着層と該透明基板の総厚が0.58〜0.62mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
〔9〕 請求項1〜8のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体に対し、透明基板側から集束光を照射させて、3.5〜40m/secの線速で情報の記録・再生を行なうことを特徴とする相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
また、本発明の請求項2に係わる発明によれば、面内での反射率変動が小さいために、高線速記録が良好に行なえ、コスト的にも優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項3、4に係わる発明によれば、高線速化での、記録感度、消去比の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項5に係わる発明によれば、広範囲での記録線速下で、オーバーライト特性の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項6に係わる発明によれば、保存特性の優れた相変化型情報記録媒体が提供される。
また、本発明の請求項7に係わる発明によれば、高線速下でのオーバーライト特性が優れ、特に2〜10回繰り返し記録した時のジッターを低減することができる。
また、本発明の請求項8に係わる発明によれば、既存のDVDプレーヤーで再生することができる。
本発明の請求項9に係わる発明本によれば、本発明の請求項1〜9のいずれかに係わる発明の相変化型情報記録媒体を用いてDVD1倍〜11倍相当の速度で記録・再生を行なうことができる。
本発明の相変化型情報記録媒体(以下、単に情報記録媒体ともいう。)においては、波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去が行なわれる。
図2は、本発明の情報記録媒体の概略断面図である。但し、図2に示す構成は、一実施形態にすぎず、本発明を限定するものではない。
本発明の情報記録媒体においては、図2に示すように、基板(1)の上に、少なくとも反射層(2)、上部保護層(3)、相変化記録層(4)、下部保護層(5)、接着層(6)、透明基板(7)が順に設けられている。反射層と上部保護層との間にバリア層を設けても構わないし、相変化記録層に隣接して界面層を設けても構わない。記録・再生するには、透明基板(7)側から集束光を照射させる。
これに対し、従来の基板/下部保護層/相変化記録層/上部保護層/反射層という構成では、一般的に用いられる誘電体からなる下部保護層の熱容量が、金属からなる反射層に比べて非常に小さいために、基板に熱が流れ、オーバーライト時に基板変形といった不具合が生じやすい欠点がある。
その材料としては、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。具体的には、ZnSとSiO2との混合物(ZnS)1−X(SiO2)X(但し、0.1≦X≦0.4)が好ましい。
このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
尚、下部保護層(5)と透明基板(7)と接着層の厚さとの合計は1.2mmになるように前記基板(1)の厚さを選択することが好ましい。
例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、およびSb−Te系、Ga−Sb系などの共晶系材料薄膜を挙げることができるが、記録(非晶質化)感度・速度、及び消去比の点で、Sb−Te系、Ga−Sb系共晶材料が好ましい。
これらの記録層材料にはさらなる性能向上、信頼性向上などを目的にAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
相変化記録層(4)の厚さは、とくに限定されないが、10〜30nmであることが好ましい。10nmより薄いとだと、結晶化速度が低下して、高速でのオーバーライト特性が低下する傾向があり、30nmより厚いと記録感度が低下してしまう傾向があるので、好ましくない。
このような反射層(2)は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前述のように、反射層(2)としてはAg合金、上部保護層(3)としてはZnSとSiO2との混合物が最も好ましいが、この2層が隣接した場合、上部保護層(3)中の硫黄が反射層(2)のAgを腐食させる可能性があり、保存信頼性が低下するおそれがある。この不具合をなくすために、反射層(2)にAg系を用いた場合には、バリア層を設けることが好ましい。バリア層は、硫黄を含まず、かつ融点は記録層よりも高い必要があり、具体的にはSiO、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物、あるいは、それらの混合物が挙げられる。これらのバリア層は、レーザー波長での吸収率が小さいことが望まれる。
本発明の情報記録媒体の製造方法の一例は、成膜工程、貼り合わせ工程、初期化工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。
成膜工程では、基板(1)のグルーブが設けられた面に、反射層(2)から順に成膜していく。各層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。
中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
また、貼り合わせ工程を行なう前に初期化させても構わない。初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、オーバーコートを施しても良い。
直径12cm、厚さ0.6mmで表面にピッチ0.74μmの凹凸の案内溝を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上にAg−Pd−Cuからなる反射層(120nm)、(ZnS)80(SiO2)20からなる上部保護層(14nm)、Ge3Ga3In1Sb71Te22からなる相変化記録層(14nm)、(ZnS)80(SiO2)20からなる下部保護層(70nm)の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のマグネトロンスパッタ法で製膜した。次に、基板の下部保護層膜面上に接着層として紫外線硬化樹脂を塗布し、直径12cm、厚さ0.55mmの透明基板を貼り合わせてスピンコートし、透明基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて相変化型情報記録媒体を作成した。次に、日立コンピュータ社製のレーザー初期化装置にてレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。接着層と透明基板の厚さの合計は0.59mmであった。
相変化記録層の材料をGe4Ag1In1Sb70Te24(14nm)とし、下部保護層と記録層の間および記録層と上部保護層の間に界面層としてそれぞれ(ZrO2)75(Y2O3)5(TiO2)20を2nm設けた以外は実施例1と同様にして相変化型情報記録媒体を作成した。
相変化記録層の材料をGe3Ga10Sb87(15nm)とし、下部保護層の厚さを65nmとした以外は実施例1と同様にして相変化型情報記録媒体を作成した。
下部保護層の材料を(ZnS)70(SiO2)30とし、厚さを85nmとした以外は、実施例3と同様にして相変化型情報記録媒体を作成した。
直径12cm、厚さ0.6mmで表面にピッチ0.74μmの凹凸の案内溝を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上に(ZnS)80(SiO2)20からなる下部保護層(70nm)、Ge3Ga3In1Sb71Te22からなる相変化記録層(14nm)、(ZnS)80(SiO2)20からなる上部保護層(14nm)、Ag−Pd−Cuからなる反射層(120nm)の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のマグネトロンスパッタ法で製膜した。次に、反射層面上に紫外線硬化樹脂(大日本インキ製:SD318)を10μmにコートした後、紫外線硬化性樹脂で厚さ0.6mmのダミー基板と貼り合せて相変化型情報記録媒体を作成した。次に、日立コンピュータ社製のレーザー初期化装置にてレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。
レーザー波長 660nm
NA=0.65
線速 8.4m/s、17.5m/s、35m/s
線密度0.267μm/bitでのジッター、変調度、および1000回記録後のジッター、変調度を測定した。
反射層の材料をAg(120nm)とし、反射層と上部保護層の間にバリア層としてSiを2nm設けた以外は実施例1と同様にして実施例5の相変化型情報記録媒体を作成した。また、バリア層を設けない点以外は、実施例1と同様にして、実施例6の情報記録媒体を作製した。
作成された各サンプルについて記録線速を35.0m/secに定めた他は実施例1と同条件で記録し、ジッターおよび変調度を測定した。さらに保存信頼性を調べるために、初期記録した各メディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定した。結果は表2に示すとおりであり、第1反射層にAgを用いた場合、バリア層を設けたサンプルは、保存後のジッター上昇は0.5%ほどであり、光ディスクとしてより優れていることがわかった。
2 反射層
3 上部保護層
4 相変化型記録層
5 下部保護層
6 接着層
7 透明基板
Claims (9)
- 波長660nm±30nmの集束光を用いて光強度の2値以上の変調により、マークの記録・再生・消去を行う光記録媒体において、基板上に少なくとも、反射層、上部保護層、相変化型記録層、下部保護層、接着層および透明基板が順に設けられ、該接着層が紫外線硬化性樹脂からなることを特徴とする相変化型情報記録媒体。
- 該下部保護層が厚さ30〜100nmの(ZnS)1−X(SiO2)X(但し、0.1≦X≦0.4)であることを特徴とする請求項1に記載の相変化型情報記録媒体。
- 該相変化型記録層がSbとTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
- 該相変化型記録層がGaとSbを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Te、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化型情報記録媒体。
- 該反射層がAgを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
- 該上部保護層と該反射層との間にバリア層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の相変化型情報記録媒体。
- 該相変化記録層に隣接して界面層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
- 該接着層と該透明基板の総厚が0.58〜0.62mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の相変化型情報記録媒体に対し、透明基板側から集束光を照射させて、3.5〜40m/secの線速で情報の記録・再生を行なうことを特徴とする相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
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JP2007196523A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Sony Corp | 光記録媒体およびその製造方法 |
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2003
- 2003-09-22 JP JP2003330526A patent/JP2005100504A/ja not_active Withdrawn
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