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JP2005191299A - 配線基板 - Google Patents

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Toshiya Asano
俊哉 浅野
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】 コア基板とビルドアップ樹脂絶縁層との剥離が生じ難く、高い信頼性を持った配線基板を提供する。
【解決手段】 配線基板1は、導体層60〜63とセラミック誘電体層50〜52とが積層された構造のコア基板2を有する。コア基板2上には、ビルドアップ樹脂絶縁層7,9と導体層8,10とが積層されている。−55℃以上125℃以下の温度範囲におけるコア基板2の線膨張係数をα、ビルドアップ樹脂絶縁層7の線膨張係数をβとしたとき、3≦α≦20、5≦β≦50、および|α−β|≦30(単位:ppm/℃)を満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線基板に関する。特に、セラミック製のコア基板上に樹脂絶縁層と導体層とをビルドアップした配線基板に関する。
従来から、たとえば集積回路チップ搭載用のパッケージ基板としては、大別してオーガニック配線基板とセラミック配線基板がある。近年、オーガニック配線基板の分野においては、コア基板上に樹脂絶縁層と導体層とを、一層ずつ作りこんでいくビルドアップ法が主流になりつつある。ビルドアップ法は、配線のファインピッチ化に有利であるとともに、生産性に優れる。他方、セラミック配線基板には、高周波特性に優れること、放熱性に優れることなど、オーガニック配線基板に比して優位な特徴がある。
昨今は、両者の特徴を生かすことができる構造の配線基板、すなわち、セラミック製のコア基板上に、樹脂絶縁層および導体層をビルドアップ法によって形成した配線基板の開発が進められている(たとえば下記特許文献1)。
特開2001−284805号公報
ところで、多層構造を有する配線基板には、加熱と冷却を繰り返したとき、層間で剥離やクラックが発生しないことが求められる。もちろん、こうした信頼性の問題は、セラミック製のコア基板上に樹脂絶縁層(以下、ビルドアップ樹脂絶縁層ともいう)および導体層を形成した配線基板にも及ぶ。セラミック配線基板では、全ての層を積層したのちに同時焼成するので、層間での剥離の問題は本質的に生じ難い。また、オーガニック配線基板では、コア基板も樹脂製なので、該コア基板とビルドアップ樹脂絶縁層との密着性は、比較的容易に確保できる。
ところが、セラミック製のコア基板上にビルドアップ樹脂絶縁層を形成した配線基板においては、コア基板とビルドアップ樹脂絶縁層との間で剥離が生じやすい。そのため、コア基板とビルドアップ樹脂絶縁層との間の剥離を防止することが、当該製品の信頼性を高める上で急務となっている。
本発明の目的は、セラミック製のコア基板とビルドアップ樹脂絶縁層との剥離が生じ難く、高い信頼性を持った配線基板を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために本発明は、コア基板上に樹脂絶縁層と導体層とを積層した配線基板において、コア基板がセラミックを主体として構成され、−55℃以上125℃以下の温度範囲におけるコア基板の線膨張係数をα、該コア基板に隣接する樹脂絶縁層の線膨張係数をβとしたとき、3≦α≦20、5≦β≦50、および|α−β|≦30(単位:ppm/℃)を満足することを主要な特徴とする。
上記本発明によれば、コア基板の線膨張係数αと、コア基板上の樹脂絶縁層(以下、「ビルドアップ樹脂絶縁層」ともいう)の線膨張係数βとが近接する構成となる。ビルドアップ樹脂絶縁層が剥離する主な原因は、配線基板が加熱および冷却されたときに、コア基板とビルドアップ樹脂絶縁層の線膨張係数の相違に基づいて両者の界面近傍に引張り、圧縮等の応力が生ずることにあると考えられる。本発明者らは、線膨張係数の異なる種々の材料で作った試験品につき、冷熱サイクル試験での剥離の有無を詳細に調べ、線膨張係数が上記関係を満足する場合に、剥離が極めて生じ難いという知見を得た。その結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、コア基板の線膨張係数αと、ビルドアップ樹脂絶縁層の線膨張係数βが上記関係を満足するように、セラミックおよびビルドアップ樹脂絶縁層の組成等を調整する。こうすることにより、コア基板とビルドアップ樹脂絶縁層との剥離が生じ難い、高信頼性を持つ配線基板を容易に製造できる。
一つの好適な態様においては、コア基板は、第1主表面上の一部を覆う表面導体と、第2主表面の一部を覆う裏面導体と、それら表面導体と裏面導体の両者を導通するビア導体とを有し、それら表面導体、裏面導体およびビア導体がCu、Cu合金、Au、Ni、AgおよびAg合金からなる良導性金属群より選択される1種の金属により構成され、セラミックが低温焼成セラミックで構成される。低温焼成セラミックによれば、上記した良導性金属で導体層を構成できるので好適である。
さらに好適な態様において、上記した樹脂絶縁層は、エポキシ系樹脂またはポリイミド系樹脂を主体として構成され、かつ5≦β≦30(単位:ppm/℃)を満足するものとして構成できる。エポキシ系樹脂およびポリイミド系樹脂は、使用実績が十分あり信頼性に優れる。また、材料コストも低廉である。したがって、本発明の配線基板に好適である。また、ガラス繊維やシリカ粉末などの無機フィラーをこれらの樹脂に混入することで、所期の線膨張係数に調整された樹脂組成物を得ることができる。この樹脂組成物から、本発明の配線基板の製造に使用するビルドアップ材を得ることが可能である。
他の1つの好適な態様において、上記した樹脂絶縁層は、液晶ポリマーを主体として構成され、かつ5≦β≦10(単位:ppm/℃)を満足するものとして構成できる。さらに、他の1つの好適な態様において、上記した樹脂絶縁層は、フッ素系樹脂を主体として構成され、かつ10≦β≦20(単位:ppm/℃)を満足するものとして構成できる。これら液晶ポリマーまたはフッ素系樹脂によれば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂で達成困難な低線膨張係数を持つビルドアップ材を、比較的容易に得ることができる。すると、コア基板を構成するセラミックの線膨張係数の低減度合いを小さくできる。このことは、セラミックの組成選択の幅を拡大することにつながり、ひいてはより高い信頼性の製品(配線基板)を実現可能する。
なお、本明細書中では、特に断りが無い限り線膨張係数は−55℃以上125℃以下の温度範囲、かつ基板面内方向の線膨張係数を示すものとする。また、「主体とする」若しくは「主体として含む」とは、質量%で最も多く含有することを意味する。また、コア基板は、ビア導体、面導体などの導体を備え、導体の厚さにより熱膨張係数が若干変わるが、セラミックの体積が圧倒的に大きいため、ここでは、セラミックの線膨張係数をコア基板の線膨張係数とする。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る配線基板1の断面構造を模式的に示すものである。配線基板1は、セラミック誘電体層50,51,52と導体層60,61,62,63とが交互に積層された多層構造を有するコア基板2と、該コア基板2の第1主表面CP側において、該コア基板2上に配置されたビルドアップ配線積層部3とを備えている。ビルドアップ配線積層部3は、ビルドアップ樹脂絶縁層7,9および導体層8,10を備える。
コア基板2には、導体層60〜63を導通する複数のビア導体4が、セラミック誘電体層50〜52の各々を厚さ方向に貫く形で設けられている。これらビア導体4により、層間の電気的接続がなされている。コア基板2の第2主表面DP側の導体層60は、実装用ピン14がロー材16(半田を含む)によりロー付けされ、他の実装基板等との電気的接続のための実装パッドとして利用されている。また、図示するように、コア基板2にはロー材20,20によりチップキャパシタ18等の受動素子が実装されていてもよい。本実施形態では、コア基板2の片面側にのみ樹脂絶縁層および導体層を積層した片面配線板を示すが、コア基板2の両面側に樹脂絶縁層および導体層を積層することも可能である。
第1ビルドアップ樹脂絶縁層7は、コア基板2の第1主表面CPを覆うように配置されており、セラミック誘電体層52に接する部分と、導体層63に接する部分とを持つ。さらにその第1ビルドアップ樹脂絶縁層7の主表面には、導体層8がCuメッキにより形成される。該導体層8と、コア基板2の導体層63とは、ビア34により層間接続がなされている。図1のビア34は、孔内がCuメッキで充填されたフィルドビアを示している。ただし、孔の内壁にのみCuメッキを施したコンフォーマルビアも採用できる。
導体層8の上には、さらに第2ビルドアップ樹脂絶縁層9が設けられている。この第2ビルドアップ樹脂絶縁層9は、第1ビルドアップ樹脂絶縁層7と同じ組成の樹脂組成物で構成できる。第2ビルドアップ樹脂絶縁層9の主表面には、さらにCuメッキによる導体層10が形成されている。この導体層10の一部または全部は、金属端子パッドとして利用されている。第2ビルドアップ樹脂絶縁層9の上下に配された導体層8と導体層10とは、第2ビルドアップ樹脂絶縁層9を上下に貫くフィルドビア34により層間接続がなされている。
また、第2ビルドアップ樹脂絶縁層9は、導体層10が露出するように開口が形成されたソルダーレジスト層SR1で被覆されている。ソルダーレジスト層SR1の開口から露出する導体層10には、Ni/Auメッキが施されるとともに、Sn−Pb共晶半田やSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Sn−Sbなど実質的にPbを含有しない半田による半田バンプ11が設けられる。なお、同様のソルダーレジスト層SR2がコア基板2の第2主表面DP側に形成される。
ビルドアップ樹脂絶縁層7,9およびソルダーレジスト層SR1,SR2は、たとえば以下のようにして製造されたものである。すなわち、感光性樹脂組成物ワニスをフィルム化した感光性接着フィルムをラミネートし、ビア34に対応したパターンを有する透明マスク(たとえばガラスマスクである)を重ねて露光する。ビア34以外のフィルム部分は、この露光により硬化する一方、ビア34の部分は未硬化のまま残留するので、これを溶剤に溶かして除去すれば、所期のパターンにてビア34を簡単に形成することができる(いわゆるフォトビアプロセス)。なお、フォトビアプロセスの代わりにレーザで穿孔するレーザビアプロセスを採用することもできる。
ビルドアップ樹脂絶縁層7,9は、液晶ポリマー、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂およびフッ素系樹脂のグループから選択される1種の樹脂を主体とする樹脂組成物で構成される。こうした樹脂組成物は、基質となる樹脂に、必要に応じて硬化剤、安定剤などの添加剤、フィラーなどを配合したものである。フィラーには、シリカ粉末やガラス繊維等の無機フィラーを例示できる。フィラーの混入量に応じて、線膨張係数が変化する。ビルドアップ樹脂絶縁層7の線膨張係数がコア基板2に近い場合、該ビルドアップ樹脂絶縁層7は、優れた耐剥離性を備えることとなる。すなわち、半田バンプ11を介して実装される集積回路チップ等からの受熱と放熱とが繰り返されたときに、ビルドアップ樹脂絶縁層7とコア基板2との剥離が生じ難い。なお、上記した樹脂組成物は、感光性および熱硬化性のいずれも採用できる。また、予めフィルム化した樹脂組成物をコア基板2等にラミネートする手法と、液状の樹脂組成物をコア基板2等に塗布する手法との、いずれの手法も採用できる。
より好ましくは、コア基板2を構成するセラミック誘電体層50〜52と、ビルドアップ樹脂絶縁層7,9の線膨張係数が、コア基板2の導体層63の線膨張係数に一致ないし近接することである。この構成によれば、ビルドアップ樹脂絶縁層7によりいっそうの耐剥離性を求めることが可能となる。また、コア基板2にビルドアップ樹脂絶縁層7を積層するときの温度(たとえば170℃)で、コア基板2とビルドアップ樹脂絶縁層7との界面に発生する応力をゼロと仮定し、当該配線基板1を−55℃まで冷却したとき上記界面に発生する応力が110MPa以下(好ましくは80MPa以下)であると、耐剥離性に優れるのでよい。
コア基板2を構成するセラミック誘電体層50〜52としては、アルミナ質セラミック、ムライト質セラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化珪素セラミック、炭化珪素セラミック、ガラスセラミック、低温焼成セラミック等、高周波領域においても誘電損失が小さい材質が本発明に好適に使用される。特に、誘電体基板表面の焼き上げ時の表面平滑性に優れる点において、ガラスとガラス以外のセラミックフィラーとの複合材料(以下、これをガラスセラミックという)や高純度アルミナ質セラミックを使用することが望ましい。
セラミック誘電体層50〜52は、−55℃以上125℃以下の温度範囲における線膨張係数が3ppm/℃以上20ppm/℃以下となるように構成されている。コア基板2の導体層60〜63は、セラミック誘電体層50〜52と同時焼成可能な金属で構成される。具体的には、高温での焼成が必要な場合には、W、Moなどの高融点金属が採用される。セラミック誘電体層50〜52が低温焼成セラミックで構成される場合には、Ag、Ag合金(たとえばAg−Pt、Ag−Pd)、Au、Ni、CuおよびCu合金などの良導性金属を採用できる。また、導体層63は、第1主表面CPの一部を覆う形で設けられた表面導体で構成される。同じく導体層60は、第2主表面DPの一部を覆う形で設けられた裏面導体で構成される。
なお、図1に示すコア基板2の導体層60〜63は、一定の面積を有する面導体パターンを含むものを想定しているが、コア基板2に面導体パターンを作りこまないようにすることも可能である。つまり、コア基板2の内部の導体層61,62については、ビア導体4と厚さ方向において重なり合うビアパッドとして設けるか、あるいは全く省略することも可能である。その場合には、上下のビア導体4,4同士が直に接する配置とすることができる。
以下、配線基板1の製造工程について説明する。
まず、コア基板2を作製する。コア基板2はセラミックグリーンシートを用いて製造される。該セラミックグリーンシートは、公知のドクターブレード法により製造することができる。まず、誘電体セラミックからなる原料セラミック粉末(たとえば、ガラスセラミック粉末の場合、ホウケイ酸ガラス粉末と、アルミナ、BaTiO等のセラミックフィラー粉末との混合粉末:平均粒径は0.3μm以上1μm以下程度)に溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、ブロムクロロメタン、エタノール、ブタノール、プロパノール、トルエン、キシレンなど)、結合剤(アクリル系樹脂(たとえば、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート)、セルロースアセテートブチレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなど)、可塑剤(ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、フタル酸エステル、ポリエチレングリコール誘導体、トリクレゾールホスフェートなど)、解膠剤(脂肪酸(グリセリントリオレートなど)、界面活性剤(ベンゼンスルホン酸など)、湿潤剤(アルキルアリルポリエーテルアルコール、ポチエチレングリコールエチルエーテル、ニチルフェニルグリコール、ポリオキシエチレンエステルなど)などの添加剤を配合して混練し、スラリーを作る。このスラリーを、ドクターブレードを用いてPETなどのバックシート上に塗布し、適度に乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを得る。
次に、ビア導体形成用のメタライズペースト(以下、ビア導体用ペーストという)を調製する。使用する金属粉末は、前述した良導性金属とすることができ、平均粒径が2μm以上20μm以下の範囲で調整されたものが好適である。この金属粉末に、ブチルカルビトール等の有機溶剤を、適度な粘度が得られるように配合・調製することによりビア導体用ペーストが得られる。
次に、導体層60〜63の形成に使用するメタライズペースト(以下、導体層用ペーストという)を調製する。使用する金属粉末は、ビア導体用ペーストで用いたものと同種類、かつ平均粒径が0.1μm以上3μm以下と小さく調整されたものが好適である。この金属粉末に、平均粒径500nm以下(望ましくは100nm以下、さらに望ましくは50nm以下)の無機化合物粉末を0.5質量%以上30質量%以下の範囲にて配合し、さらに、エチルセルロース等の有機バインダと、ブチルカルビトール等の有機溶剤を、適度な粘度が得られるように配合・調製することにより導体層用ペーストが得られる。なお、上記の無機化合物粉末には、セラミックグリーンシートの原料セラミック粉末を使用してもよいし、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)および酸化チタン(TiO)の少なくとも1種からなる無機化合物粉末(平均粒径100nm以下、望ましくは50nm以下)を配合して使用してもよい。
ここで、10ppm/℃以上に及ぶ高線膨張係数を持つセラミックの製造方法について、補足的な説明をする。まず、ビルドアップ樹脂絶縁層7に使用される樹脂として、先にいくつか列挙した。それらの樹脂は、フィラー添加によっても線膨張係数を調整できる範囲に制限がある。たとえば、液晶ポリマーやフッ素系樹脂は、低線膨張係数(たとえば10ppm/℃前後あるいはそれ以下)の実現が可能であるが、ポリイミド系樹脂やエポキシ系樹脂では、フィラーを相当量混入しても困難である。
従来のセラミック配線基板を構成するセラミック誘電体は、線膨張係数が10ppm/℃を下回るのが普通である。こうしたセラミック誘電体でコア基板2を構成した場合、コア基板2とビルドアップ樹脂絶縁層7との線膨張係数のマッチングを図るためには、10ppm/℃近傍ないしそれ以下の線膨張係数を実現可能な液晶ポリマーやフッ素系樹脂をビルドアップ材として採用すればよい。ところが、これらの樹脂はエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂に比して高価である。エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂は使用実績が十分ある反面、低線膨張係数の実現が困難であるため、それらをビルドアップ材に使用するには、高線膨張係数を持つセラミックでコア基板2を構成することが必要になってくる。
低温焼成セラミックの線膨張係数は、具体的に次のような措置を講じることにより高めることができる。
(i)高熱膨張ガラス(たとえばBaO−SiO)または高熱膨張の結晶化ガラスに、高熱膨張のフィラー(たとえば石英、フォルステライト)を混合する。
(ii)高熱膨張のSiO(石英)をベースに、アルカリ土類金属の酸化物(BaO、SrO、CaOなど)と低融点の焼結助剤(B、アルカリ金属酸化物、Bi、Vなど)を混合し、仮焼成(たとえば800℃)と本焼成(950℃から1000℃)を行なう。
たとえば、線膨張係数が5ppm/℃〜8ppm/℃のガラスセラミックを得るには、SiOを25質量部、Bを3質量部、Alを3質量部、NaOを1質量部、PbOを16質量部、KOを1質量部、CaOを2質量部の組成を有するガラス粉末とアルミナフィラー50質量部とを混合したセラミック原料粉末を使用することができる。同様に、線膨張係数が8ppm/℃〜12ppm/℃のガラスセラミックを得るには、SiOを45質量部、Alを9質量部、SrOを8質量部、BaOを12質量部の組成を有するガラスセラミック原料粉末を使用することができる。また、VやCoOを加えることもできる。もちろん、これらの組成は一例であり、組成を適宜調整することで、所望の線膨張係数が得られる。
上記(i)(ii)の方法によって組成等を調整することにより、線膨張係数が3ppm/℃以上20ppm/℃以下に調整された種々の低温焼成セラミックを作製でき、本発明の配線基板1に好適に採用できる。なお、コア基板2の第1主表面CPは、シランカップリング剤またはチタネート系カップリング剤を用いて表面処理を施すことが、ビルドアップ樹脂絶縁層7とコア基板2との密着性向上の観点から望ましい。
上記のようにしてコア基板2を作製したのち、公知のビルドアップ法により、板状コア2の第1主表面CP側に、ビルドアップ配線積層部3を形成する。図1の実施形態では、ビルドアップ配線積層部3を樹脂絶縁層7,9と導体層8,10の2層積層構造としているが、1層または3層以上の積層構造を採用することも可能である。ビルドアップ配線積層部3の形成終了後、ソルダーレジスト層SR1,SR2の形成と、半田バンプ11の形成とを順次行なうことにより、図1の配線基板1が得られる。
なお、セラミック誘電体層50,51,52の線膨張係数αと、ビルドアップ樹脂絶縁層7,9の線膨張係数βとの大小関係は、(1)α>βの場合、(2)α<βの場合、のいずれも考え得る。ただし、高線膨張係数のセラミックの生産が比較的困難なことを理由として、(2)のケースが好ましいといえる。なお、α=βの場合も、当然考えられる。
コア基板2上に形成したビルドアップ樹脂絶縁層7の耐剥離性を調べるため、以下の試験を行なった。まず、焼成品の線膨張係数が3ppm/℃から20ppm/℃の範囲となるように、原料粉末の配合比を調整した複数種類の原料粉末に、バインダ(アクリル樹脂)、可塑剤(ジブチルフタレート(DBP))および溶剤(トルエン)を添加し、混練してスラリーを調合した。各スラリーをドクターブレード法により、焼成後の厚さが100μmとなるようにセラミックグリーンシートを作製した。このグリーンシートを所定形状に打ち抜いたシート片を同種のもの同士8枚づつ熱圧着により積層し、950℃で焼成した。こうして作製された焼成品を切断し、35mm×35mm×800μmに成形されたいくつかの種類のセラミック板状体を得た。
次に、これらセラミック板状体に、厚さ45μmのフィルム状に成形した、いくつかの種類のビルドアップ材を貼着することにより、セラミック板状体および/またはビルドアップ材の線膨張係数が相違する複数種類の試験品(No.1〜No.28)を得た。各試験品は、10ピースを1単位として準備した。ビルドアップ材は、線膨張係数20ppm/℃未満とするものについては液晶ポリマーまたはフッ素樹脂を使用し、線膨張係数20ppm/℃以上50ppm/℃以下とするものについてはビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製)を使用した。また、線膨張係数を調整するためのフィラーには、シリカフィラー(龍森社製)を使用した。
上記のごとく作製した各試験品について、表1に、セラミック板状体の線膨張係数α、ビルドアップ材の線膨張係数βおよびそれらの差を示す。なお、セラミック板状体およびビルドアップ材の線膨張係数は、示差膨張式熱機械分析装置(株式会社リガク社製、型式「TMA8140C」)を用い、−55℃から125℃まで昇温条件にて測定した。ビルドアップ材の線膨張係数は、硬化させた後のシート面内方向の値である。
次に、各試験品について熱衝撃試験を行なった。具体的には、−55℃×1分→昇温→125℃×1分→降温を1サイクルとして、500サイクルの冷熱サイクルを全試験品にかけた。その後、目視にて剥離の有無を調べ、剥離の無い試験品を良品、剥離を発見した試験品を不良品とし、各試験品の良否判定を行なった。表1に、同一試験品10ピース中の良品率を記す。
Figure 2005191299
ここで、横軸に|α−β|、縦軸に良品率を取り、表1をプロットしたのが図2の散布図である。この散布図から分かるように、|α−β|=30ppm/℃を境に、良品率が急激に低下している。この結果より、コア基板の線膨張係数をα、樹脂絶縁層の線膨張係数をβとしたとき、3≦α≦20、5≦β≦50、および|α−β|≦30(単位:ppm/℃)を満足するように製造された配線基板であれば、ビルドアップ樹脂絶縁層の耐剥離性に優れ、高信頼性を持つといえる。
本発明にかかる配線基板の断面模式図。 表1をプロットした散布図。
符号の説明
1 配線基板
2 コア基板
7,9 ビルドアップ樹脂絶縁層
8,10 導体層
50,51,52 セラミック誘電体層
60,61,62,63 導体層

Claims (4)

  1. コア基板上に樹脂絶縁層と導体層とを積層した配線基板において、前記コア基板がセラミックを主体として構成され、−55℃以上125℃以下の温度範囲における前記コア基板の線膨張係数をα、該コア基板に隣接する前記樹脂絶縁層の線膨張係数をβとしたとき、3≦α≦20、5≦β≦50、および|α−β|≦30(単位:ppm/℃)を満足することを特徴とする配線基板。
  2. 前記樹脂絶縁層は、エポキシ系樹脂またはポリイミド系樹脂を主体として構成され、かつ5≦β≦30(単位:ppm/℃)を満足する請求項1記載の配線基板。
  3. 前記樹脂絶縁層は、液晶ポリマーを主体として構成され、かつ5≦β≦10(単位:ppm/℃)を満足する請求項1記載の配線基板。
  4. 前記樹脂絶縁層は、フッ素系樹脂を主体として構成され、かつ10≦β≦20(単位:ppm/℃)を満足する請求項1記載の配線基板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007180211A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Ngk Spark Plug Co Ltd 配線基板製造用コア基板、配線基板の製造方法

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JP2007180211A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Ngk Spark Plug Co Ltd 配線基板製造用コア基板、配線基板の製造方法

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