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JP2005179420A - 粘着体、部材の固定方法、及び、部材の除去方法、並びに、電線束が固定された車両からの電線束の除去方法 - Google Patents

粘着体、部材の固定方法、及び、部材の除去方法、並びに、電線束が固定された車両からの電線束の除去方法 Download PDF

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Masayuki Kondo
昌幸 近藤
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Yazaki Corp
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Abstract

【課題】所定の位置に固定して利用するワイヤーハーネスなどの部材を、必要に応じて容易に除去できるように固定できる粘着体、固定方法及び除去方法を提供する。
【解決手段】発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体。
【選択図】図1

Description

本発明は、部材を所定の位置に固定する粘着テープ、粘着シートなどの粘着体に関し、さらに詳しくは、固定後の部材除去を容易に行うことができる粘着体に関する。
自動車などの車両では多数本の電線からなるワイヤーハーネスをそのボディの所定の位置に固定する場合、所定の位置に係止した樹脂製のクランプをワイヤーハーネスに粘着テープや結束バンドを用いて取り付ける。
ところが、修理、あるいは、廃棄の場合などにこのワイヤーハーネスをボディからはずす場合にはクランプをはずすことなくワイヤーハーネス自体を引っ張って車両から取り外す。
このとき、電線の断線、特にコネクタとの接続部での断線や、コネクタ破損が生じ、再利用ができなくなってしまう。
ここで、特開2000−115966公報(特許文献1)では、自動車解体時にワイヤーハーネスを引っ張ることによりクランプ自体が容易に破壊されてワイヤーハーネスを取り出せるワイヤーハーネス固定用のクランプについて提案されている。
このクランプでは、ワイヤーハーネスの係止面に対して垂直方向に引張荷重を与える場合には効果が得られる。しかし、このような係止面に対して垂直な引張操作が可能な箇所にワイヤーハーネスが係止されていることはまれで、通常のワイヤーハーネスが配索されているような狭い、手の届かない箇所でこのクランプにより係止されている場合には、ワイヤーハーネスの長手方向にしか荷重を加えることができず、このときはクランプの破壊が困難で、結局、電線の断線を防止することはできない。
このように所定の位置に固定して利用するワイヤーハーネスなどの部材を、必要に応じて容易に除去できる方法が求められていた。
特開2000−115966公報
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、所定の位置に固定して利用するワイヤーハーネスなどの部材を、必要に応じて容易に除去できるように固定できる粘着体、固定方法及び除去方法を提供することを目的とする。
本発明の粘着体は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体である。
本発明の部材の固定方法は上記課題を解決するため、請求項5に記載の通り、発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体を用いて、固定すべき部材を該粘着層に粘着させ、該部材、または、該部材及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させ、該部材を粘着体を介して所定の位置に固定させる部材の固定方法である。
また、本発明の部材の除去方法は上記課題を解決するため、請求項7に記載の通り、発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体を用いて、固定すべき部材を該粘着層に粘着させ、該部材、または、該部材及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させることにより、粘着体を介して所定の位置に固定させた部材の除去方法であって、上記発泡材を発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに部材を除去する部材の除去方法である。
さらに、本発明に係る車両からの電線束の除去方法は請求項8に記載の通り、発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体を用いて、電線束を該粘着層に粘着させ、該電線束、または、該電線束及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させることにより、粘着体を介して車両の所定の位置に固定させた電線束の除去方法であって、上記発泡材を発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに電線束を除去する車両からの電線束の除去方法である。
本発明の粘着体によれば、部材の所定位置の固定に際して、固定すべき部材を該粘着層に粘着させ、該部材、または、該部材及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させることで、該部材を粘着体を介して容易に所定の位置に固定させることができ、かつ、必要に応じた部材の除去の際には発泡材を発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに部材を除去することにより、極めて容易に除去することができる。このような粘着体では、粘着層の粘着材は加圧しなければベース層の他方の面に到達しないので、加圧前の取り扱いが極めて容易である。
本発明の部材の固定方法によれば、部材の所定位置の固定に際して、固定すべき部材を該粘着層に粘着させ、該部材、または、該部材及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させることで、該部材を粘着体を介して容易に所定の位置に固定させることができ、かつ、その後の必要に応じた部材の除去の際には発泡材を発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに部材を除去することにより、極めて容易に除去することができる。
本発明の部材の除去方法によれば、発泡材を発泡させることにより、所定の位置から粘着体とともに部材を極めて容易に除去することができる。このとき、粘着体のベース層の他方側へ透過した粘着剤の量は少ないので、除去後の所定の位置への粘着剤の残留量も少なく、そのためリサイクルの粘着材の影響は極めて少ない。
本発明の車両からの電線束の除去方法によって、車両用電線束(ワイヤーハーネス)の固定に応用した場合には、発泡剤として加熱発泡材を用いた場合には、電線束除去の際には粘着体だけあるいは粘着剤とその付近のみを加熱しても良いが、ワイヤーハーネスが固定された部材あるいは車両全体を恒温槽などで加熱することにより、手や治具の届かない箇所に固定された電線束の場合であっても容易かつ迅速にその除去作業を行うことができる。
さらに、このとき、粘着体のベース層の固定箇所側へ透過した粘着剤の量は少ないので、除去後の所定の位置への粘着剤の残留量も少なく、そのため車両ボディのリサイクルに際して、粘着材の影響も極めて少ない。
さらに従来は車体からの除去を容易な状態に保つために、ワイヤーハーネスを車体に固定するためのクランプの使用可能数が限られていたため、クランプとクランプとの間のワイヤーハーネスの自由箇所が車体の振動に伴ってばたつき、車両ボディや他の部材に当たって異音が生じるなどの問題があったが、本発明の粘着体を用いた場合には、容易に除去できるので、ワイヤーハーネスを、ばたつく箇所なしに車両のボディに固定することが可能であり、このとき、上記のような異音問題が発生しない。
本発明において、ベース層は、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が反対面に透過するようなもの(多孔質)であること、テープ・シートの基材として充分な強度があることが必要である。このようなものとして不織布、織布などが挙げられる。ベース層を形成する素材としては、ワイヤーハーネス分野への応用を前提とした場合、自動車の場合に想定されるワイヤーハーネスの使用環境温度の上限レベルに耐えられるものであることが必要である。ここで例えば自動車技術ハンドブック・第3巻、試験・評価編(社団法人自動車技術会)の4章「強度・耐久信頼性試験」に記載されているようにエンジンの近くや直射日光が当たる場所は100℃以上になることが想定されるため、ワイヤーハーネスの使用環境温度の上限レベルとしては温度的余裕を考慮して120℃での耐熱性を必要とすると、ポリプロピレン等であることが望ましい。
本発明においてベース層に配する発泡材としては、光(可視光あるいは紫外線など)によって発泡するもの、あるいは、熱(あるいは赤外線)により発泡するものが一般的であるが、発泡作業が容易である点で熱発泡材であることが望ましい。
熱発泡材としてはワイヤーハーネス用途への応用を想定した場合、上記のようなワイヤーハーネスの使用環境温度の上限レベルでは発泡が生じないことが必要で、このような熱発泡剤としては具体的にはアゾジカルボンアミド(ADCA)系やジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)系等の上記環境温度より高い温度で発泡が促進される発泡剤が挙げられる。
本発明において発泡材を配したベース層としては不織布の繊維表面に発泡性樹脂を配してなる発泡性不織布であることが望ましい。このような発泡性不織布の製造方法としては例えば特開平11−50370号公報により提案されているものが知られている。すなわち熱膨張体を含有する熱可塑性樹脂の水系エマルジョンを不織布に含浸させた後、該熱膨張体の膨張温度以下の温度にて乾燥させて得る方法である。
本発明の粘着体は、貼着加圧前の粘着層の、ベース層側面とは異なる面が剥離可能な離型層により保護されていることが望ましい。このような保護により取り扱いが容易となるとともに例えばロール状に巻き取ることが可能となる。このような離型層は使用直前に剥がすことができる、通常の離型フィルム、離型紙などの一般的なものを用いることができる。
本発明の粘着体において、粘着層を形成する粘着剤としては、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、そこで充分な粘着性を発現できるものである必要がある。このため、粘着剤の粘度は100000cPs以上200000cPs以下であることがのぞましい。
また、用いる粘着剤の種類としては、ワイヤーハーネス分野への応用を想定した場合、電線被覆(ポリオレフィン)及びポリプロピレン系不織布に対して強い粘着力が得られるのでアクリル系粘着剤であることが望ましい。
ここで本発明の具体例について図面を用いて説明する。図1(a)には本発明に係る粘着体の断面のモデル図を示す。この例では粘着テープであるが、粘着シートであっても良い。
この粘着テープは、特開平11−50370号公報により提案されている方法で発泡材(永和化成工業社製熱発泡剤(200℃で発泡が生じるもの)を繊維の周囲に配したベース層(ユニセル社製不織布)1の一方の面に粘着剤(クラリアント社製アクリル系粘着剤)からなる粘着層2を配した粘着体であって、粘着層2の、ベース層1側面とは異なる面が剥離可能な離型層(林紙工社製離型紙)3により保護されている粘着体である。
使用に当たって、まず上記の粘着体から離型層3を剥離する(図1(b)参照)。
ついで、粘着層2に被固定部材であるワイヤーハーネス(電線束)(部材4)を粘着させると共に、粘着体のベース層側面を車両(この例では自動車)の固定箇所5に当てながら、部材4を押圧し加圧することにより(図1(c)参照)、粘着層2の粘着剤の一部をベース層1の他方の面、すなわち固定箇所5側に到達させる(図1(d)参照)。この部材4の押圧の際には、押圧用の治具(離型性を有するものが望ましい)などを用いて圧力が均一に加わるように行っても良く、また、そのとき、部材4のみならず、部材4の周囲の粘着層2を同時に押圧してもよい。
このように固定箇所5側に到達した粘着材により粘着体は所定の固定箇所5(この例では自動車ボディパネル)に粘着固定され、結果として部材4は部材を粘着体を介して所定の位置に固定される。
その後、部材4を固定箇所5より除去する必要が生じた場合には、部材上記発泡材をこの例では加熱して発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに部材を除去する。
すなわち、図1(e)では加熱により発泡剤を有するベース層付近が発泡により部材固定用材としての強度を失った状態を示す。このとき、図1(f)に示すように部材4は所定の位置(固定箇所5)から粘着体とともに容易に、すなわち低加重で剥離・除去することが可能となる。
ここで、比較のために、ベース層に発泡材を配しない以外は同様にして作製した粘着体と比較したところ、加熱後(この場合でも発泡剤がないため発泡しない)の剥離に必要な力は、本発明に係る上記粘着体を用いた場合に比べ遙かに大きかった。
本発明は部材の固定において、容易に実施することができ、かつ、その後の部材の除去も容易であり、リサイクルなど分解を必要とする分野、部品交換や修理などで部材の除去が必要なあらゆる分野に応用可能であるが、特にリサイクルが前提となっている自動車などの車両の電線束の固定などに特に好適である。
本発明に係る粘着体を用いた部材の固定作業、除去作業をモデル的に示した断面図である。(a)離型層付きの粘着体を示す図である。(b)離型層を剥離した状態を示す図である。(c)部材を粘着層に粘着させた粘着体を、固定箇所に粘着させている様子を示す図である。(d)(c)の部分拡大図(粘着剤の、ベース層の透過をイメージ的に示す図)である。(e)部材除去のため粘着体の発泡材を発泡させている状態を示す図である。(f)部材除去の様子を示す図である。
符号の説明
1 ベース層
2 粘着層
3 離型層
4 部材
5 固定箇所

Claims (9)

  1. 発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となることを特徴とする粘着体。
  2. 貼着加圧前の粘着層の、ベース層側面とは異なる面が剥離可能な離型層により保護されていることを特徴とする請求項1に記載の粘着体。
  3. 上記粘着剤の粘度が100000cPs以上200000cPs以下のアクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着体。
  4. 上記発泡材を配したベース層が不織布の繊維表面に発泡性樹脂を配してなる発泡性不織布からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粘着体。
  5. 発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体を用いて、固定すべき部材を該粘着層に粘着させ、該部材、または、該部材及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させ、該部材を粘着体を介して所定の位置に固定させることを特徴とする部材の固定方法。
  6. 発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体を用いて、固定すべき部材を該粘着層に粘着させ、該部材、または、該部材及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させることにより、粘着体を介して所定の位置に固定させた部材の除去方法であって、上記発泡材を発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに部材を除去することを特徴とする部材の除去方法。
  7. 上記発泡材を配したベース層が不織布の繊維表面に発泡性樹脂を配してなる発泡性不織布からなることを特徴とする請求項6に記載の部材の除去方法。
  8. 発泡材を配したベース層の一方の面に粘着剤からなる粘着層を配した粘着体であって、貼着加圧時に粘着層の粘着剤の一部が該ベース層を透過してベース層の他方の面に到達し、該他方の面も貼着可能となる粘着体を用いて、電線束を該粘着層に粘着させ、該電線束、または、該電線束及び粘着層を加圧することにより粘着層の粘着剤の一部をベース層の他方の面に到達させることにより、粘着体を介して車両の所定の位置に固定させた電線束の除去方法であって、上記発泡材を発泡させたのち、所定の位置から粘着体とともに電線束を除去することを特徴とする車両からの電線束の除去方法。
  9. 上記発泡材を配したベース層が不織布の繊維表面に発泡性樹脂を配してなる発泡性不織布からなることを特徴とする請求項8に記載の車両からの電線束の除去方法。
JP2003419348A 2003-12-17 2003-12-17 粘着体、部材の固定方法、及び、部材の除去方法、並びに、電線束が固定された車両からの電線束の除去方法 Abandoned JP2005179420A (ja)

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