JP2005156298A - 輪重・横圧測定装置 - Google Patents
輪重・横圧測定装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005156298A JP2005156298A JP2003393874A JP2003393874A JP2005156298A JP 2005156298 A JP2005156298 A JP 2005156298A JP 2003393874 A JP2003393874 A JP 2003393874A JP 2003393874 A JP2003393874 A JP 2003393874A JP 2005156298 A JP2005156298 A JP 2005156298A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- strain
- lateral pressure
- wheel load
- strain sensor
- data
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
- Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
Abstract
【課題】 常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる輪重・横圧測定装置を提供する。
【解決手段】 レールに生じたひずみを電気信号に変換するひずみ検出部3、ひずみ検出部3からの電気信号に基づいて少なくともひずみに関するデータを演算し、演算したデータに対応する信号を作成するデータ演算部5、データ演算部5で作成した信号を、無線アンテナ9を介して無線通信により送信する無線通信部7、電池または自家発電手段からなる電源11を有し、少なくともひずみ検出部3、データ演算部5及び無線通信部11が半導体プロセスにより形成された半導体ひずみセンサ1を備えた構成とする。レールに取り付ける半導体ひずみセンサ1を小型化でき、また、半導体ひずみセンサ1が無線で信号つまりデータを送信できるため、半導体ひずみセンサ1が車両などの走行に影響せず、さらに、半導体ひずみセンサ毎にワイヤーで接続された受信側の機器を設置する必要などがない。このため、常時半導体ひずみセンサ1を取り付けた状態にでき、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 レールに生じたひずみを電気信号に変換するひずみ検出部3、ひずみ検出部3からの電気信号に基づいて少なくともひずみに関するデータを演算し、演算したデータに対応する信号を作成するデータ演算部5、データ演算部5で作成した信号を、無線アンテナ9を介して無線通信により送信する無線通信部7、電池または自家発電手段からなる電源11を有し、少なくともひずみ検出部3、データ演算部5及び無線通信部11が半導体プロセスにより形成された半導体ひずみセンサ1を備えた構成とする。レールに取り付ける半導体ひずみセンサ1を小型化でき、また、半導体ひずみセンサ1が無線で信号つまりデータを送信できるため、半導体ひずみセンサ1が車両などの走行に影響せず、さらに、半導体ひずみセンサ毎にワイヤーで接続された受信側の機器を設置する必要などがない。このため、常時半導体ひずみセンサ1を取り付けた状態にでき、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両などの走行によりレールにかかった輪重や横圧を測定する輪重・横圧測定装置に関する。
鉄道車両などが走行することによりレールにかかった輪重や横圧の測定をレール側で行う輪重・横圧測定装置として、ひずみゲージを用いた装置やロードセルを用いた装置などが用いられている。ひずみゲージを用いた装置では、レールに直接ひずみゲージからなるひずみ検出部を貼り付け、車輪がレールに生じさせるせん断ひずみによりひずみ検出部で生じた電気信号を、ケーブルを介して軌道脇などに設置されたコンピュータなどに送り、このコンピュータでひずみ検出部で生じた電気信号を輪重値に変換している。一方、ロードセルを用いた輪重・横圧測定装置では、レールの横にロードセルを配置して、ロードセル上を車輪が通ったときに検出した輪重に応じた信号を、ケーブルを介して軌道脇などに設置されたコンピュータなどに送り、このコンピュータで輪重値を演算することで直接輪重置を測定している(例えば、特許文献1参照)。
また、車体側でレールにかかった輪重や横圧の測定を行う輪重・横圧測定装置としては、車両の車軸や車輪にひずみゲージからなるひずみ検出部を直接貼り付け、車軸や車輪に生じるひずみを検出することによって間接的にレールにかかった輪重値などを求めている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、長時間に渡って車輪に生じるひずみ量の検出を行う際に、スリップリングを用いると、このスリップリングの機械的な摩擦により測定能力が低下してしまうという問題を排除するため、車輪に横圧センサや輪重センサを取り付け、これらのセンサの出力信号をテレメータで送信することが提案されている。
ところで、車両の車軸や車輪にひずみ検出部を直接貼り付けた輪重・横圧測定装置では、例えば時速60km前後の速度で走行を行う車両の車輪にひずみ検出部が配置されている場合、周期5〜7Hz程度の繰り返し変形がひずみ検出部に加わる上、車軸とひずみ検出部の取り付け位置との距離、ひずみ検出部の質量、さらに、車輪回転角速度の二乗に比例した遠心力などがひずみ検出部に加わる。このため、ひずみ検出部は、準静的な環境で使われる場合に比べて大きなダメージを蓄積する。したがって、高速回転体である車輪や車軸にひずみ検出部を配置する輪重・横圧測定装置は、長時間の使用には適しておらず、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定することは難しい。
一方、軌道を形成しているレールにひずみ検出部やロードセルを取り付ける輪重・横圧測定装置では、車輪や車軸にひずみ検出部を取り付けた場合に発生する問題は解消される。しかし、軌道を形成しているレールにひずみ検出部やロードセルを取り付ける輪重・横圧測定装置では、車両運行中にレールにかかっている動的輪重や横圧値を得るためには、数十〜数百kmに及ぶ長さのレールに沿って複数のひずみ検出部やロードセルを設置する必要がある。このとき、レールに沿って複数のひずみ検出部やロードセルを設置するのに伴い、ひずみ検出部やロードセルからの電気信号をコンピュータで読み込める状態にするためのA/D変換器や増幅器などが必要な場合には、それらの機器を設置したひずみ検出部やロードセル毎に設置することになる上、ひずみ検出部やロードセルからの電気信号に基づいて輪重や横圧を演算処理するためのコンピュータもひずみ検出部やロードセル毎に設けることになる。
このため、レールにひずみ検出部やロードセルを取り付ける輪重・横圧測定装置では、一つ一つがいずれも数cmから数m程度の大きさを有する要素で構成された大型の装置を軌道近傍に複数設置しなければならなくなる上、装置を構成する要素同士がケーブルなどによって連結されていることから、装置の設置に要する空間は、軌道近傍に装置を設置するための空間を確保することが難しい程大きなものとなってしまう場合が生じる。加えて、このような大型の装置を軌道近傍に設置した場合、車両通行の妨げとなることも懸念される。このように、レールにひずみ検出部やロードセルを取り付ける輪重・横圧測定装置でも、常時レールに設置した状態にすることは難しく、試験軌道などでの輪重や横圧の測定、または、実際に運行されている路線の限られた箇所での一時的な測定などに用いられているだけである。したがって、常時レールに設置しておくことができ、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる輪重・横圧測定装置が望まれている。
本発明の課題は、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる輪重・横圧測定装置を提供することにある。
本発明の輪重・横圧測定装置は、軌道を形成するレールに生じたひずみを電気信号に変換するひずみ検出部と、このひずみ検出部からの電気信号に基づいて少なくともひずみに関するデータを演算し、この演算したデータに対応する信号を作成するデータ演算部と、このデータ演算部で作成した信号を、無線アンテナを介して無線通信により送信する無線通信部と、電池または自家発電手段からなる電源とを有するひずみセンサを備えた構成とすることにより上記課題を解決する。
このような構成とすれば、ひずみセンサは、無線通信部を有しており、演算したデータに対応する信号を、レールにかかった輪重及び横圧の少なくとも一方を演算するための信号として無線通信により送信する。このため、ひずみセンサで得たデータを処理するコンピュータなどの機器を、ワイヤーなどを介してひずみセンサ毎に接続する必要がなくなる上、このようなコンピュータなどの機器を軌道近傍に設置する必要もなくなる。このように、輪重・横圧測定装置を構成する要素のうち、ひずみセンサのみをレールに取り付けるだけで済むため、輪重・横圧測定装置の設置のために空間を確保する必要はなくなり、輪重・横圧測定装置を常時レールに設置した状態にでき、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる。
さらに、ひずみセンサは、少なくともひずみ検出部、データ演算部及び無線通信部が半導体プロセスにより形成された半導体ひずみセンサである構成とする。このような構成とすれば、ひずみ検出部、データ演算部及び無線通信部が半導体プロセスにより形成されているため、ひずみセンサは、直接軌道を形成するレールに取り付けても車両の走行の支障にならない大きさに小型化できる。
また、データ演算部は、ひずみ検出部からの電気信号に基づいてひずみに関するデータを演算し、この演算したひずみに関するデータに対応する信号を作成し、無線通信部は、無線アンテナ介してひずみに関するデータに対応する信号を送信する構成とする。これにより、データ演算部がひずみに関するデータの演算や、この演算したひずみに関するデータに対応する信号の作成を行うだけで済むため、ひずみセンサでの電力消費量を低減できる。
また、データ演算部は、ひずみ検出部からの電気信号に基づいてひずみに関するデータを演算し、さらに、この演算したひずみに関するデータに基づいて輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータを演算し、この演算した輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータに対応する信号を作成し、無線通信部は、無線アンテナ介して輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータに対応する信号を送信する構成とする。これにより、ひずみセンサからのデータを受信する機器側で輪重や横圧などを演算する必要がなくなるため、ひずみセンサからのデータを受信する機器側でのデータ処理が軽減され、ひずみセンサからのデータを受信する機器側で受信できるひずみセンサの数やデータの数などを増やすことができる。
さらに、ひずみセンサは、少なくともひずみ検出部、データ演算部、及び無線通信部が第1の樹脂層で覆われて一体に形成されている構成とする。このような構成とすれば、第1の樹脂層で覆うことにより、ひずみセンサを構成する要素が雨や雪、紫外線、埃、車両の走行などにより飛んでくる鉄粉や錆粉、石などにより破損するのを防ぎ、使用寿命を長くできる。
このとき、ひずみ検出部を除き、少なくともデータ演算部及び無線通信部は、第1の樹脂層よりもヤング率が低い第2の樹脂層で覆われ、この第2の樹脂層の上から第1の樹脂層で覆われている構成とする。これにより、第1の樹脂層よりもヤング率が低い第2の樹脂層が、第1の樹脂層を介してレールに生じたひずみがひずみ検出部以外の例えば半導体プロセスにより形成されたデータ演算部や無線通信部などに伝わり、データ演算部や無線通信部などの要素の動作に影響するのを抑制し、測定精度の低下を抑制できる。
また、ひずみセンサは、無線アンテナとしてアンテナコイルを備え、自家発電手段は、アンテナコイルを含み、磁力線の変化による電磁誘導によりアンテナコイルで生じた起電力から電力を得る構成とする。このような構成とすれば、電源が電池である場合に比べて電池を交換するといった作業をなくすことができ、輪重・横圧測定装置の保守点検作業を簡素化できる。
さらに、ひずみ検出部の温度を検出する温度検出部と、温度に対するひずみ量の関係のデータを格納した記憶手段とを有し、データ演算部は、温度検出部で検出した温度と記憶手段に格納した温度に対するひずみ量の関係のデータに基づいてひずみに関するデータを補正する構成とすれば、ひずみ量の測定精度を向上でき、これにより、輪重・横圧測定装置の測定精度を向上できる。
また、温度検出部は、p−n接合ダイオードにより形成された構成とすれば、温度検出部も半導体プロセスで形成でき、半導体プロセスで形成したひずみ検出部と一体に形成することが可能となる。
さらに、ひずみセンサを取り付けたレールを走行する車両に設けられ、ひずみセンサからの信号を受信する受信側データ処理装置を備え、この受信側データ処理装置は、ひずみセンサから無線送信された信号を受信する受信側の無線通信部と、この受信側の無線通信部で受信した信号に基づいてこの受信側データ処理装置を設けた車両の動作を制御するための制御信号を作成する演算処理部とを有し、この演算処理部で作成した制御信号を、受信側データ処理装置を設けた車両の動作を制御する機器に出力する構成とする。このような構成とすれば、車両が走行しているレール部分の輪重や横圧の情報をリアルタイムで車両の走行状態の調整、例えば速度や台車の空気ばねの調整に利用できるため、車両の走行安全性を向上できる。
また、基地局として設置され、ひずみセンサからの信号を受信する受信側データ処理装置を備え、この受信側データ処理装置は、ひずみセンサから無線送信された信号を受信する受信側の無線通信部と、この受信側の無線通信部で受信したひずみセンサからの信号に基づいて必要なデータを演算する演算処理部とを有し、ひずみセンサの無線通信部は、他のひずみセンサの無線通信部を中継して無線通信を行うマルチホップ通信によりアドホックネットワークを形成する構成とする。このような構成とすれば、地上に固定して設けた基地局でレールにかかった輪重や横圧を管理する場合、マルチホップ通信により基地局となる受信側データ処理装置を含むアドホックネットワークを形成することで、ひずみセンサ単体での電波の送信範囲よりも長い距離でひずみに関するデータに対応する信号の送信が行える。このため、基地局の設置間隔を大きくでき、基地局の設置数を低減できる。
さらに、受信側データ処理装置は、ひずみセンサからのひずみに関するデータに対応する信号を受信し、この受信した信号に基づいて輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータを演算する構成とする。これにより、ひずみセンサは、ひずみに関連するデータのみを演算すればよくなるため、ひずみセンサでの電力消費量を低減できる。
さらに、ひずみセンサは、データ演算部で演算しデータの値が予め設定した値以上のときにのみ受信側データ処理装置に対して信号を送信する構成とする。これにより、ひずみセンサでの信号の送信頻度を低減し、ひずみセンサにも受けた電源の電力消費を抑えることができる。
また、ひずみセンサは、データ演算部で演算したデータに対応する信号を送信するとき、ひずみセンサ固有の識別情報に対応する信号も送信する構成とする。これにより、信号を送信したひずみセンサの位置を特定できる。
さらに、ひずみセンサは、車両が軌道を通行していないときに零点を補正する構成とすれば、輪重・横圧測定装置の測定精度を向上できる。
本発明によれば、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の第1の実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサの概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサの概略構成を示す図であり、(a)は第1樹脂層や第2樹脂層を取り除いた状態で示す斜視図、(b)は第1樹脂層や第2樹脂層を有する状態を示す断面図である。図3は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える受信側データ処理装置の概略構成を示すブロック図である。図4は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の概略構成を示す図であり、半導体ひずみセンサをレールに取り付け、受信側データ処理装置を車両に設置した状態を模式的に示す側面図である。図5は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのレールへの取り付け位置を示すレールの断面図である。図6は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのレールへの取り付け位置を説明する側面図である。図7は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのレールへの取り付け位置を説明する斜視図である。図8は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサ及び受信側データ処理装置の概略構成及び動作を示すフロー図である。
以下、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の第1の実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサの概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサの概略構成を示す図であり、(a)は第1樹脂層や第2樹脂層を取り除いた状態で示す斜視図、(b)は第1樹脂層や第2樹脂層を有する状態を示す断面図である。図3は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える受信側データ処理装置の概略構成を示すブロック図である。図4は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の概略構成を示す図であり、半導体ひずみセンサをレールに取り付け、受信側データ処理装置を車両に設置した状態を模式的に示す側面図である。図5は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのレールへの取り付け位置を示すレールの断面図である。図6は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのレールへの取り付け位置を説明する側面図である。図7は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのレールへの取り付け位置を説明する斜視図である。図8は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサ及び受信側データ処理装置の概略構成及び動作を示すフロー図である。
本実施形態の輪重・横圧測定装置は、図1に示すように、鉄道などの軌道を形成するレールのひずみ量を検出し、検出したひずみ量のデータに対応する信号を作成して無線通信により送信する半導体ひずみセンサ1を備えている。半導体ひずみセンサ1は、ひずみゲージからなるひずみ検出部3、ひずみに関するデータの演算や信号を作成するデータ演算部となるCPU(Central Processing Unit)5、CPU5で作成した信号を無線通信により送信するための無線通信部を形成する無線送受信機7及び無線アンテナであるアンテナコイル9、そしてアンテナコイル9と共に電源となる自家発電手段を構成する自家発電部11などを有している。さらに、本実施形態の輪重・横圧測定装置は、ひずみ検出部3とCPU5との間にひずみ検出部3側から電気的に順次接続された増幅器13、A/D変換器15、CPU5に各々接続された温度検出部17、記憶手段となるメモリ19なども有している。
ひずみ検出部3は、半導体プロセスにより形成されたひずみゲージであり、ひずみを検出する対象物となる軌道を形成するレールで生じたひずみにより、ひずみ検出部3がひずむことによって、そのひずみ量に応じてひずみ検出部3の電気抵抗が変化し、この電気抵抗の変化によって電圧や電流量が変化するものである。つまり、ひずみ検出部3は、レールのひずみに応じて電圧や電流量が変化することから、この電圧や電流量をレールのひずみに対応する電気信号とし、レールに生じたひずみを電気信号に変換するものである。増幅器13は、ひずみ検出部3からの電気信号、つまり、電流量を増幅するための回路であり、A/D変換器15は、増幅器13から送られてきたアナログ電流値をデジタル値に変換するための回路である。
CPU5は、入出力信号の処理や制御を行うものであり、A/D変換器15から送られてきた入力信号つまりデジタル値に基づいて、ひずみに関するデータとしてひずみ量を演算し、演算したひずみ量に対応する出力信号を作成する。無線送受信機7は、CPU5に電気的に接続され、アンテナコイル9と共に外部との情報のやり取りを無線形式で行うための無線通信部を形成している。無線送受信機7は、CPU5で作成された信号を、アンテナコイル9を介して無線方式で外部へ発信し、また、外部より送られてきた無線電波を、アンテナコイル9を介して受信するための回路である。自家発電部11は、CPU5及びアンテナコイル9に各々電気的に接続され、アンテナコイル9と共に電源を形成しており、磁力線の変化による電磁誘導によりアンテナコイル9で生じた起電力から電力を得て、CPU5を介して半導体ひずみセンサ1全体に駆動電力を供給するための回路である。
温度検出部17は、p−n接合ダイオードにより形成されたものであり、ひずみ検出部3の温度を測定するものである。記憶手段となるメモリ19は、半導体ひずみセンサ1固有の識別情報として半導体ひずみセンサ1個々に割り当てられたID番号、CPU5がひずみ量の演算や信号作成処理を行うためのプログラム、さらに、温度に対するひずみ量の関係のデータなどを記憶、格納するものである。
このような半導体ひずみセンサ1では、ひずみ検出部3、CPU5、無線送受信機7、アンテナコイル9、自家発電部11、増幅器13、A/D変換器15、温度検出部17、そして、メモリ19は、図2(a)に示すように、いずれも基板1a上に設けられた半導体デバイスや回路などであり、いずれの要素も半導体プロセスにより形成されたものである。また、本実施形態では、ひずみ検出部3及び温度検出部17を除いて、CPU5、無線送受信機7、アンテナコイル9、自家発電部11、増幅器13、A/D変換器15、そして、メモリ19は、1つの基板1a上に一体に半導体プロセスにより形成されている。ひずみ検出部3及び温度検出部17は、基板1aとは別個に、ひずみ検出部3及び温度検出部17のみを一体として半導体プロセスにより形成されている。
さらに、本実施形態の半導体ひずみセンサ1は、図2(b)に示すように、第1樹脂層21により樹脂封止され、第1樹脂層21に覆われた状態となっている。これは、鉄道などの軌道に用いられるレールは、野外に曝された状態である場合が多く、車両の走行によって飛ぶ鉄粉や錆粉、バラスト用の石などが当たって半導体ひずみセンサ1が破損したり、雨や雪もしくは紫外線などに曝されることによりにより半導体ひずみセンサ1が劣化したり、破損したりするのを防ぐためである。つまり、第1樹脂層21は、半導体ひずみセンサ1を保護するために設けられている。
このように第1樹脂層21で半導体ひずみセンサ1を樹脂封止するとき、ひずみ検出部3は、直接またはレールのひずみを吸収し難い接着層などを介してレール23に取り付けられるよう、ひずみ検出部3の取り付け面が第1樹脂層21の一面に露出した状態となっている。そして、ひずみ検出部3は、直接またはレールのひずみを吸収し難い接着層などを介してレール23に接触させた状態で取り付けられている。これにより、ひずみ検出部3がレール23のひずみ量を検出するとき、外乱因子の影響を低減でき、測定精度が向上する。
本実施形態では、温度検出部17は、ひずみ検出部3と共に半導体プロセスにより一体に形成されているため、ひずみ検出部3と同様に、ひずみ検出部3の取り付け面に連なる面が第1樹脂層21の一面に露出した状態となっており、直接または接着層を介してレール23に接触した状態で取り付けられている。このように温度検出部17をひずみ検出部3と同じ状態でレール23に取り付けることより、ひずみ検出部3が受ける温度をより正確に検出できる。温度検出部17によって検出した温度は、ひずみ検出部3によって検出されたひずみ量の補正に用いられることから、輪重や横圧の測定精度を向上する上で、ひずみ検出部3と温度検出部17を同じ環境でできるだけ近くに配置することで、ひずみ検出部3が受ける温度をできるだけ正確に検出できるようにすることが望ましい。また、温度検出部17を配置する位置は、ひずみ検出部3が受ける温度をできるだけ正確に検出する上で、ひずみ検出部3との温度差が±5℃以下である場所が望ましい。
ところで、第1樹脂層21内において、基板1aは、第1樹脂層21よりもヤング率の低いゲル状の第2樹脂層25によって周り全体を囲まれ、その外側全体が第1樹脂層21によって覆われた状態となっている。本実施形態では、半導体ひずみセンサ1は、第1樹脂層21によって覆われて各構成要素が一体化された状態でレール23に取り付けられている。このため、レール23に車両の走行によってひずみが生じた場合、ひずみ検出部3だけではなく、半導体ひずみセンサ1全体がレール23のひずみの影響を受ける。このとき、レール23のひずみの影響を受けて、CPU5、無線送受信機7、アンテナコイル9、自家発電部11、増幅器13、A/D変換器15、そして、メモリ19などを構成する半導体チップや回路にひずみが加わると、半導体デバイスや回路などの抵抗値が変化し、検出したひずみ量や半導体ひずみセンサ1の動作に影響を及ぼす。
したがって、基板1a、つまり、基板1a上に設けられたCPU5、無線送受信機7、アンテナコイル9、自家発電部11、増幅器13、A/D変換器15、そして、メモリ19などが、第1樹脂層21よりもヤング率の低いゲル状の第2樹脂層25によって覆われていることによって、半導体デバイスや回路などに加わるひずみを低減することができ、レール23のひずみが、検出したひずみ量や半導体ひずみセンサ1の動作に影響を及ぼすのを抑えることができる。
なお、CPU5、無線送受信機7、アンテナコイル9、自家発電部11、増幅器13、A/D変換器15、そして、メモリ19など全ての要素がゲル状の第2樹脂層25に覆われている必要はない。例えば、基板1a上にこれらの要素が一体的に設けられていない場合、ひずみの影響が少ないアンテナコイル9のような無線アンテナなどは、ゲル状の第2樹脂層25に覆われている必要はない。アンテナコイル9のような無線アンテナは、第1樹脂層21の表面に配置した方が感度を向上できる。
また、ゲル状の第2樹脂層25の粘性が低く、流動性を有する場合には、第1樹脂層21からの第2樹脂層25を形成しているゲル状の樹脂材料の漏れを防ぐため、本実施形態のように第2樹脂層25の周囲全体を第1樹脂層21で覆う必要がある。第2樹脂層25が固体として十分自立できるだけの高い粘性を有する場合には、第2樹脂層25の周囲を第1樹脂層21で覆う必要はなく、第2樹脂層25が直接レール23に接した状態で取り付けることもできる。この場合、第1樹脂層21による樹脂封止は、第2樹脂層25の上方部分を行うのみで済むため、生産性が向上する。
さらに、CPU5、無線送受信機7、自家発電部11、増幅器13、A/D変換器15、そして、メモリ19がレール23のひずみの影響を受けなければよいため、基板1aと、ひずみ検出部3及び温度検出部17とを別個に第1樹脂層21で覆った場合などは、基板1aをゲル状の第2樹脂層25で覆わずに、基板1aをレール23から離して設置したり、基板1aを第1樹脂層21よりもヤング率が低い接着剤でレール23に貼り付ける構成などにすることもできる。
本実施形態の輪重・横圧測定装置では、半導体ひずみセンサ1からの信号を受信して輪重や横圧などを演算する受信側データ処理装置を備えており、この受信側データ処理装置は、レール上を走行する鉄道車両に設置されている。このような本実施形態の輪重・横圧測定装置が備える受信側データ処理装置27は、図3に示すように、半導体ひずみセンサ1から無線送信されたひずみに関するデータに対応する信号を受信する受信側の無線通信部を形成する無線アンテナ29及び無線送受信機31、無線送受信機31からの受信信号からレール23にかかった輪重及び横圧の少なくとも一方を演算する演算処理部33、そして、演算処理部33で演算したデータを記憶するための情報記憶部35などを有している。
無線送受信機31は、レール23に設置された半導体記ひずみセンサ1より送られてきたひずみ量に対応する信号を、無線アンテナ29を介して受信するものである。演算処理部33は、無線送受信機31が受信したひずみ量に対応する信号に基づいて演算処理を行い、輪重や横圧を算出するものである。情報記憶部35は、演算処理部33から送られてきた信号やデータ、または、無線送受信機31が受信した信号やデータなどを保存しておくものであり、例えばハードディスク装置や光ディスク装置などといった情報記憶装置によって形成されている。
このような本実施形態の輪重・横圧測定装置が備える受信側データ処理装置27は、図3及び図4に示すように、例えば鉄道車両といった軌道を形成するレール23上を走行する車両37に搭載されている。車両37は、レール23上を回転する車輪39、車輪39を支持する台車41、台車41と車両本体43間に発生する変位位相差を解消する空気ばね45、空気ばね45や車両の速度を調整する走行制御装置47、そして、車両本体43の客室内の空調を調節する空調調節装置49などを備えている。受信側データ処理装置27は、このような車両37の車両本体43に設置されており、受信側データ処理装置27の演算処理部33が、車両37の走行制御装置47や空調調節装置49などと電気的に接続されている。
受信側データ処理装置27の演算処理部33は、CPUやマイクロコンピュータなどで形成されており、演算処理により求めた輪重や横圧のデータに基づいて車両37の空気ばね45や車両の速度を調整するための制御信号や、車両本体43の客室内の空調を調節するための制御信号などを作成し、車両37の走行制御装置47や空調調整装置49へと出力する。
なお、受信側データ処理装置27は、車両37を介して車両37の電源となる電源51から電力供給を受けている。また、受信側データ処理装置27は、必ずしも車両本体43に設置する必要はない。例えば、受信側データ処理装置27は、車両37の台車41などに設置することもできる。受信側データ処理装置27を車両37の台車41に設置した場合、半導体ひずみセンサ1から受信側データ処理装置27までの距離が短くなることから、安定した情報の送受信を行うことができる。ただし、受信側データ処理装置27を車両37の台車41や床下に設置する場合、ノイズの送受信への影響を低減するため、車両37のインバータやモータなどからできるだけ離れた位置に設置することが望ましい。
このような構成の輪重・横圧測定装置の設置方法や動作、本発明の特徴部などについて説明する。なお、本実施形態では、鉄道車両の軌道を形成するレールの輪重や横圧を測定する場合を例として説明する。軌道は、図4に示すように、木製やコンクリート製の枕木53の上に平行に敷設された2本のレール23などで形成されており、輪重・横圧測定装置の半導体ひずみセンサ1は、この軌道を形成する各レール23の側面に貼り付けられる。半導体ひずみセンサ1は、レール23に生じるせん断ひずみを測定するためのものであり、レール23の長手方向に生じる曲げの影響を打ち消すため、図5に示すように、1本のレール23に対し、レール23の両側面の対向する位置に一対で取り付けられる。
半導体ひずみセンサ1のレール23の長手方向つまり延在方向での設置間隔は、図4に示すように、このレール上を走行する車両の長さよりも長くなると、一つの半導体ひずみセンサ1が一つの車両37の一方のレール23側にある全ての車輪がこのレール23に生じさせるひずみ量の総和を検出することになる。このような状態で検出されたひずみ量から、一つ一つの車輪に対する輪重や横圧を算出することは難しい。したがって、半導体ひずみセンサ1のレール23の延在方向での設置間隔は、その軌道を走行する車両37一両分の長さ以下にする必要がある。例えば、レール23で形成された軌道を走行する車両37が20000mmであれば、半導体ひずみセンサ1のレール23の延在方向での設置間隔は、20000mm以内とする。
また、鉄道の軌道における枕木53が設置される一般的な間隔は、600mm前後である。枕木53上では、レール23が枕木53に固定されているため、レール23は拘束されて変形し難い状態となっている。したがって、車輪がレール23に生じさせたひずみは、隣り合う2本の枕木53間つまり600mm前後程度の範囲にしか生じす、このことからも、車両37一両分の長さ以上、例えば20000mm以上の取り付け間隔で半導体ひずみセンサ1を取り付けると、必要な測定精度を得難い。
ところで、レール23上を走行する車両37の動的な輪重や横圧値の変化を詳細に測定するためには、半導体ひずみセンサ1の取付け間隔を可能な限り狭くすることが考えられる。しかし、取り付ける半導体ひずみセンサ1の個数が多くなると設置費用が増し、また、取り扱う情報量も膨大となる。一方で、前述のようにレール23は枕木53上に固定されており、枕木53上ではレール23の変形は拘束されることから、レール23は、隣り合う2本の枕木53間の中間部分において最大の変形量を示す。そして、輪重や横圧の測定精度を向上するためには、レール23の最も変形量の大きな箇所に前記半導体ひずみセンサ1を貼り付けることが必要であるため、半導体ひずみセンサ1は、図4及び図6に示すように、枕木53と枕木53の概ね中間地点に設置することが望ましい。
さらに、車両の脱線事故の防止を目的とする場合などには、車両37の左右の車輪における輪重値や横圧値のアンバランスを監視する必要がある。このため、本実施形態に例示する鉄道のように平行な2本のレール23が軌道を形成している場合、半導体ひずみセンサ1は、図7に示すように、平行な2本のレール23の側面の、これら2本のレール23に直交する同じ仮想線A−A上に配置することが望ましい。
このように半導体ひずみセンサ1をレール23に取り付けた輪重・横圧測定装置では、車両37がレール23上を通過することによってレール23に発生するひずみは、半導体ひずみセンサ1のひずみ検出部3によって、レール23に発生したひずみ量に応じた電流値に変換される。この電流値がレール23に発生したひずみ量に対応する電気信号となり、図8に示すように、増幅器13で増幅され、A/D変換器15によってアナログ値からデジタル値に変換され、CPU5へと送られる。CPU5では、入力されてきた電気信号つまり電流値に基づいてひずみ量を演算し、さらに、メモリ19に予め記録されているプログラムを用いて算出したひずみ量に基づいて輪重値や横圧値を演算する。
このとき、本実施形態の半導体ひずみセンサ1は、温度検出部17を備え、また、メモリ19に温度に対する半導体ひずみセンサ1で検出したひずみ量の関係のデータを格納しており、CPU5は、ひずみ検出部3からの電流値に基づいてひずみ量を演算するとき、温度検出部17で検出された温度に基づいて、ひずみ量の補正を行う。そして、CPU5は、補正されたひずみ量に基づいて輪重値や横圧値を演算する。
さらに、CPU5は、演算した輪重値や横圧値に対応する信号を作成し、CPU5で作成された信号は、無線送受信機7、そしてアンテナコイル9を介して、車両37に設置された受信側データ処理装置27へと送信される。このように半導体ひずみセンサ1で算出され、車両37に搭載された受信側データ処理装置27送信された輪重や横圧のデータに対応する信号は、無線アンテナ29と無線送受信機31を介して演算処理部33へ送られる。演算処理部33では、送られてきた信号、つまり輪重や横圧のデータに基づいて動的輪重・横圧値のアンバランスや、車両37の乗客数を推定し、車両37の走行制御装置47や空調調節装置49へと制御信号を発信する。
走行制御装置47は、図4及び図8に示すように、受信した制御信号により車両37の速度調節や台車41の空気ばね45の調節などを行い、車両走行の最適化を行う。また、空調調節装置49は、演算処理部33から送られてきた制御信号をもとに、車両37の客室内の空調の調節を行う。例えば、輪重や横圧のデータから乗客数が多いと判断される車両37では、冷房を強くするといったように、車両37の客室内の環境の最適化を行う。さらに、演算処理部33から出力される制御信号は、情報記憶部35に送られて保存されることで、輪重や横圧のデータの管理を行うことができる。
なお、本実施形態の半導体ひずみセンサ1は、演算した輪重値や横圧値に対応する信号を送信するとき、信号を送信した半導体ひずみセンサ1を識別するための固有の識別情報として各半導体ひずみセンサ1に割り当てられたID番号に対応する信号も送信する。また、半導体ひずみセンサ1を長期使用する際には、経時劣化によりひずみ計のゼロ点がずれてしまう。このため、本実施形態の半導体ひずみセンサ1は、この半導体ひずみセンサ1上を車両37が通行していないときにゼロ点補正を行っている。
ここで、本実施形態のように、半導体ひずみセンサ1で、ひずみ検出部3で検出したひずみ量から輪重値や横圧値を算出し、この算出した輪重値や横圧値といったデータ車両37に搭載した受信側データ処理装置27へ送信する場合、車両37に搭載した受信側データ処理装置27でひずみ量に基づいて輪重値や横圧値を演算する必要がなくなるため、受信側データ処理装置27の演算処理部33への負荷を低減できる。そして、受信側データ処理装置27の演算処理部33への負荷を低減できることにより、受信側データ処理装置27は、受信側データ処理装置27でひずみ量に基づいて輪重値や横圧値を演算する場合に比べて、同時により多数の半導体ひずみセンサ1からのデータを処理することが可能になる。
これに対して、ひずみ量の輪重値や横圧値への変換を半導体ひずみセンサ1で、のCPU5では行わず、CPU5で算出したひずみのデータを受信側データ処理装置27へ送信し、受信側データ処理装置27の演算処理部33で半導体ひずみセンサ1からのひずみのデータに基づいて輪重値や横圧値を演算する構成にすることもできる。この場合、半導体ひずみセンサ1のCPU5で輪重値や横圧値を算出しなくて済む分、半導体ひずみセンサ1のCPU5への負荷が低減するため、自家発電部や電池といったような供給電力量が限られている電源を備えた半導体ひずみセンサ1の電力消費量を低減できる。
また、輪重・横圧測定装置は、半導体ひずみセンサ1が、車両37が通過する際のひずみ量または動的輪重値や横圧値のデータに対応する信号を常時送信する構成、また、半導体ひずみセンサ1で検出したひずみ量または輪重値や横圧値が予め設定した値以上のときにのみ、半導体ひずみセンサ1がひずみ量または動的輪重値や横圧値のデータに対応する信号を送信する構成などにすることができる。
半導体ひずみセンサ1が、車両37が通過する際のひずみ量または動的輪重値や横圧値のデータに対応する信号を常時送信し、車両37に設置された受信側データ処理装置27がその半導体ひずみセンサ1からの信号を受信する場合、車両37は、得られたひずみ量または輪重値や横圧値のデータに基づいて走行制御や空調の調節を連続的に行うことができる。
一方、半導体ひずみセンサ1で検出したひずみ量または輪重値や横圧値が予め設定した値以上のときにのみ、半導体ひずみセンサ1がひずみ量または動的輪重値や横圧値のデータに対応する信号を送信する場合、例えば、半導体ひずみセンサ1がCPU5を用いて輪重値と横圧値の比で表される脱線係数を算出し、その値が脱線の危険性を示唆する予め設定した値以上になったとき、輪重や横圧のデータに対応する信号や、さらには危険信号などを受信側データ処理装置27に送信する。このように、半導体ひずみセンサ1で得たデータが予め設定以上になったときにのみ半導体ひずみセンサ1が信号を送信する構成とすれば、信号つまり無線電波の発信回数を減らせることから、自家発電部や電池といったような供給電力量が限られている電源を備えた半導体ひずみセンサ1の電力消費量を低減できる。
なお、半導体ひずみセンサ1が常時信号を送信するか、特定の条件のときにのみ信号を送信するかは、輪重・横圧測定装置の用途などに応じて選択する。
このような本実施形態の輪重・横圧測定装置では、半導体ひずみセンサ1は、無線送受信機7やアンテナコイル9で形成された無線通信部を有しており、外部とのデータの送受信を無線形式で行っている。また、半導体ひずみセンサ1の駆動電力は、半導体ひずみセンサ1に設けられたアンテナコイル9と自家発電部11を電源として供給されている。このため、半導体ひずみセンサ毎に電源やコンピュータなどの機器をケーブルで接続したり、これらの機器を軌道近傍に設置する必要がなくなる。このように、レール23に、半導体ひずみセンサ1のみを取り付けるだけで済むため、軌道近傍に輪重・横圧測定装置の設置のための空間を確保する必要はなくなり、輪重・横圧測定装置を常時レールに設置した状態にでき、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる。
さらに、半導体ひずみセンサ1を構成するひずみ検出部3、CPU5、無線送受信機7などが半導体プロセスにより形成されているため、半導体ひずみセンサ1は、設置面積も数十mm2から数十cm2程度の場所に設置できる程度の大きさに小型化できる。このため、レール23の側面に貼り付けた場合であっても、レール23の肩部からはみ出さないほどに小さくでき、半導体ひずみセンサ1を常時レールに設置したとしても車両の走行に支障を来たすことが確実になくなる。
さらに、本実施形態では、半導体ひずみセンサ1は、ひずみ検出部3と温度検出部19、また、増幅器13、A/D変換器15、CPU5、自家発電部11、メモリ19、無線送受信機7、そしてアンテナコイル9は、各々一体に半導体プロセスを用いて作製されているため、コストの低減、また、量産のための生産性の向上などが可能となる。
加えて、半導体ひずみセンサ1は、ひずみ検出部3、増幅器13、A/D変換器15、CPU5、自家発電部11、温度検出部17、メモリ19、無線送受信部7、アンテナコイル9を第1樹脂層21で封入した一体型のセンサとしてレール23に直接単独で貼り付けられるため、外部の機器との配線などが必要ない。このため、半導体ひずみセンサ1は、レール23との間や、他の半導体ひずみセンサ1との間で共通のアースを有することになり、電気的グラウンドレベルの相違による電流の流れ込みやノイズの発生を防止することができ、測定値の信頼性を向上できる。
さらに、本実施形態の輪重・横圧測定装置では、半導体ひずみセンサ1は、ひずみ検出部3、そしてCPU5などが設けられた基板1aなどが第1樹脂層21で覆われて一体に形成されている。このため、半導体ひずみセンサ1を構成するひずみ検出部3やCPU5などの半導体チップや回路が雨や雪、紫外線、埃、車両の走行などにより飛んでくる鉄粉や錆粉、石などが当たって破損するのを防ぐことができ、また、レールへの取り付けも容易にできる。
加えて、本実施形態では、半導体ひずみセンサ1は、ひずみ検出部3や温度検出部17を除き、CPU5などが設けられた基板1aは、第1樹脂層21よりもヤング率が低い第2樹脂層25で覆われ、この第2樹脂層25の上から第1樹脂層21で覆われている。このため、レール23に生じたひずみが第1樹脂層21に伝わって第1樹脂層21にひずみが生じても、第2樹脂層25がひずみを吸収するため、CPU5などが設けられた基板1aにひずみが伝わって基板1aに設けられたCPU5などの動作に影響するのを抑制し、測定精度の低下を抑制できる。
さらに、本実施形態の輪重・横圧測定装置では、半導体ひずみセンサ1は、無線通信部を形成する無線アンテナとしてアンテナコイル9を備え、自家発電部11は、アンテナコイル9における磁力線の変化による電磁誘導による起電力を半導体ひずみセンサ1の駆動電力にしている。したがって、電源が電池である場合に比べて電池を交換するといった作業をなくすことができ、輪重・横圧測定装置の保守点検作業を簡素化できる。ただし、半導体ひずみセンサ1に設ける電源は、電磁誘導による起電力を利用した自家発電手段に限らず、その他の自家発電手段や、半導体ひずみセンサ1での電力消費量の状況によっては、小型のボタン電池のような1次電池や2次電池、さらに、自家発電手段と2次電池を組み合わせた構成などにもすることができる。
例えば、半導体ひずみセンサ1は、直接レール23に取り付けられていることから、自家発電手段として、発電方法に振動発電を用いたものを用いることもできる。この場合、車両37通過時に、レール23に生じる振動によって半導体ひずみセンサ1の駆動に必要な電力を発電することができる。また、電源を電池とした場合、定期的な電池の交換または半導体ひずみセンサ1自体の取替えを必要とするが、自家発電部11とアンテナコイル9などで構成された電源に比べて多くの電力量を安定して供給できる。さらに、自家発電部11を構成する回路が不要になる上、無線アンテナはアンテナコイル9である必要がなくなるため、構成を簡素化できる。
ところで、レール23は、夏場と冬場とでは数十度以上もの温度差のある過酷な環境下に置かれている。一般に、ひずみ検出3となるひずみゲージとして用いられているのは金属抵抗や半導体抵抗であるが、得られるひずみ量の測定値は温度変化の影響を強く受ける。これに対して、本実施形態では、半導体ひずみセンサ1は、内部に温度検出部17を有しており、温度検出部17により得られたひずみ検出部3の温度に基づいてCPU5がメモリ19に予め記憶されていた温度に対するひずみ量の関係のデータから、ひずみ量を補正して算出する。このため、得られたひずみ量が環境温度に左右され難いため、このひずみ量に基づいて算出される輪重や横圧の測定精度を向上できる。
加えて、本実施形態では、温度検出部17は、p−n接合ダイオードにより形成されているため、温度検出部をひずみ検出部と共に半導体プロセスによって一体に形成することが可能となる。
さらに、本実施形態では、半導体ひずみセンサ1を取り付けたレール23を走行する車両37に、半導体ひずみセンサ1からの信号を受信する受側データ処理手段27が搭載されている。このように、受信側データ処理装置27は、車両37に内蔵されているため、風雨や紫外線にさらされず温度の変化も小さく、環境の影響を受けずに安定した動作を行うことができる。加えて、受信側データ処理装置27自体が車両37と共に移動することで、レール23の長さが数十キロメートル以上にも及ぶ場合であっても、受信側データ処理装置27をレールに沿って多数配置する必要が無く、受信側データ処理装置の設置コストを低減できる。
さらに、車両37内に受信側データ処理装置27が設置されていることで、半導体ひずみセンサ1によって得られたひずみ、また、輪重や横圧に関するデータを、これらの情報を必要とする車両37ヘ送信する距離を短くできる。このため、レール23に生じたひずみ量を一旦有線方式で外部に取り出し、車両37へ情報を戻す方法に比べると、データ伝達の際に発生するタイムラグも小さい上、外乱の影響も小さくなる。
さらに、本実施形態では、受信側データ処理装置27は、演算処理部33で作成した制御信号を、受信側データ処理装置27を設けた車両37の動作を制御する機器、つまり走行制御装置47などに出力する。このため、車両37が走行しているレール23部分の輪重や横圧の情報をリアルタイムで車両37の走行状態の調整、例えば速度や台車41の空気ばね45の調整に利用できるため、車両の走行安全性を向上できる。
さらに、半導体ひずみセンサ1をレール23に沿って複数配置した後に半導体ひずみセンサ1の管理を行う際、半導体ひずみセンサ1とその配置場所との対応関係を明確にすることが必要となる。これに対して、本実施形態では、半導体ひずみセンサ1は、CPU5で演算したデータに対応する信号を送信するとき、半導体ひずみセンサ1固有の識別情報であるID番号に対応する信号も送信している。半導体ひずみセンサ1は、レール23に沿って一次元的に設置されているため、このようにすれば、無作為に半導体ひずみセンサ1をレール23に貼り付けた後であっても、車両37に搭載された受信側データ処理装置27がレール23に沿って移動し、半導体ひずみセンサ1が有する固有のID番号を読み取ることで半導体ひずみセンサ1の並びを得ることができる。このとき、半導体ひずみセンサ1の取付け間隔を一定にしておけば、半導体ひずみセンサ1の位置情報も得ることができ、半導体ひずみセンサ1の貼り付け位置の特定に費やす労力、時間を減少させることができる。
加えて、本実施形態では、半導体ひずみセンサ1は、この半導体ひずみセンサ1が貼り付けられたレール23上を車両37が通行していないときに零点を補正している。したがって、半導体ひずみセンサ1の長期使用による経時劣化で零点がずれても、零点を補正できるため、輪重や横圧の測定精度を向上できる。
また、本実施形態では、図5に示すように、レール23の両側面に半導体ひずみセンサ1を設置しているが、半導体ひずみセンサ1は、必ずしもレール23の両側面に一対として設置する必要は無い。つまり、目的とする精度以上で輪重値や横圧値を検出することができれば、レールの片側の側面だけに設置することもできる。さらに、輪重を測定するための十分なひずみ量が得られる場所であれば、レール23の側面に限らず、図9に示すようにレール23の下面や、図10に示すようにレール23の肩部の下面などに設置することもできる。レ−ル23の下面や肩部の下面に半導体ひずみセンサ1を設置した場合、半導体ひずみセンサ1が風雨に曝され難くなる。また、レール23の下面に半導体ひずみセンサ1を取り付けた場合には、車両37が通過したときに飛ばす砂利、鉄粉、錆粉などの衝突から半導体ひずみセンサ1を保護することができ、半導体ひずみセンサ1の高寿命化に繋がる。
ただし、本発明者らが行った有限要素法解析によると、レール上を車両が走行する際、レールの側面において大きなひずみが発生することが明らかになっている。このことから、輪重や横圧の測定精度を向上するためには、レールの側面に半導体ひずみセンサを設置することが望ましい。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の第2の実施形態について図11乃至図13を参照して説明する。図11は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の概略構成を示す図であり、輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサをレールに取り付け、受信側データ処理装置を基地局として地上に設置した状態を模式的に示す側面図である。図12は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える受信側データ処理装置の概略構成を示すブロック図である。図13は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサ及び受信側データ処理装置の動作を示すフロー図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
以下、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の第2の実施形態について図11乃至図13を参照して説明する。図11は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置の概略構成を示す図であり、輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサをレールに取り付け、受信側データ処理装置を基地局として地上に設置した状態を模式的に示す側面図である。図12は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える受信側データ処理装置の概略構成を示すブロック図である。図13は、本発明を適用してなる輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサ及び受信側データ処理装置の動作を示すフロー図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態の輪重・横圧測定装置が第1の実施形態と相違する点は、受信側データ処理装置が基地局として地上に設置されており、レールに設置された複数の半導体ひずみセンサがマルチホップ通信を行うことにある。すなわち、本実施形態の輪重・横圧測定装置は、図11に示すように、地上、例えば駅や軌道を形成するレール脇など、設置スペースが確保できる場所に基地局として受信側データ処理装置55が設置されている。受信側データ処理装置55は、図12に示すように、第1の実施形態の受信側データ処理装置とほぼ同じ構成であり、無線アンテナ29、無線送受信機31、演算処理部33、そして情報記憶部35などを有している。
また、本実施形態の輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサ1は、第1の実施形態と同じ構成のものであるが、各半導体ひずみセンサ1の無線送受信機31を介して、半導体ひずみセンサ1相互間の無線通信、つまりマルチホップ通信が可能になっている。そして、このような半導体ひずみセンサ1が、図11及び図13に示すように、枕木53の上に敷設されたレール23の側面にせん断ひずみを測定するためにレール23に沿って複数貼り付けられている。このとき、半導体ひずみセンサ1は、各々に固有のIDにより、レール23の側面に設置された位置が基地局となる受信側データ処理装置55から遠い側から順に、半導体ひずみセンサ1a、半導体ひずみセンサ1b、半導体ひずみセンサ1c、そして基地局となる受信側データ処理装置55に最も近い位置に設置されたものが半導体ひずみセンサ1zというように区別されるものとする。
このような半導体ひずみセンサ1aから半導体ひずみセンサ1zは、相互間のマルチホップ通信が可能であることから、アドホックネットワークを形成することができる。アドホックネットワークとは、本願発明の輪重・横圧測定装置が備える半導体ひずみセンサのような無線デバイスを備えた端末を相互に接続する形態のマルチホップ通信によって、アクセスポイントといった通信のための中継基地局なしに形成できるネットワークである。このようなアドホックネットワークを、無線デバイスを備えた端末に相当する複数の半導体ひずみセンサ1で形成することにより、他の半導体ひずみセンサ1を中継することで半導体ひずみセンサ1の通信エリアを拡大できる。
このような本実施形態の輪重・横圧測定装置では、図13に示すように、半導体ひずみセンサ1aは、検出した輪重や横圧のデータを、より基地局となる受信側データ処理装置55に近い側に隣接している半導体ひずみセンサ1bに無線形式で伝達する。半導体ひずみセンサ1bは、半導体ひずみセンサ1aから送られてきた輪重や横圧のデータなどに対応する信号を受信し、この導体ひずみセンサ1aから送られてきた信号を、半導体ひずみセンサ1aと同様に、より基地局となる受信側データ処理装置55に近い側に隣接している半導体ひずみセンサ1cに無線形式で伝達する。このように、半導体ひずみセンサ1aからの輪重や横圧のデータなどに対応する信号は、マルチホップ通信により基地局となる受信側データ処理装置55方向に半導体ひずみセンサ1aから半導体ひずみセンサ1zへ順次伝達される。
そして、基地局となる受信側データ処理装置55に最も近い場所に配置されている半導体ひずみセンサ1zは、伝達されてきた信号を基地局となる受信側データ処理装置55に送信する。基地局となる受信側データ処理装置55は、半導体ひずみセンサ1zから送られてきた信号を、無線アンテナ29を介して無線送受信機31で受信し、演算処理部33で必要な処理を行った後、情報記憶部35に記憶する。
このように、本実施形態の輪重・横圧測定装置でも、複数の半導体ひずみセンサ1相互間のマルチホップ通信によってアドホックネットワークを形成することにより、基地局となる受信側データ処理装置55によって一括した情報管理を行うことができる。したがって、受信設備となる機器などを各半導体ひずみセンサ1a−1zの各々の近くに設置する必要がないことなどから、常時レールにかかっている輪重や横圧を測定できる。
さらに、複数の半導体ひずみセンサ1相互間のマルチホップ通信によってアドホックネットワークを形成することにより、半導体ひずみセンサ1が単体で送ることのできる電波の範囲よりも長い距離における通信つまり情報伝達を行うことができ、これにより、地上に設置する基地局の数を低減することができる。
加えて、複数の半導体ひずみセンサ1間のネットワークを有線方式により形成して情報伝達を行う場合、半導体ひずみセンサ1のいずれか一つが破損した場合、または半導体ひずみセンサ1間を結ぶ配線に障害が生じた場合、ネットワーク全体がダウンしてしまう可能性がある。しかし、本実施形態の輪重・横圧測定装置では、それぞれの半導体ひずみセンサ1単体の無線伝達有効範囲内に他の複数の半導体ひずみセンサ1が設置されていれば、配線の切断などの支障がなくなる上、半導体ひずみセンサの破損などが生じた場合でも、支障が生じていない半導体ひずみセンサ1単体の無線伝達有効範囲内に設置された他の半導体ひずみセンサ1で代用することができる。このため、ネットワーク自体がダウンし難い。さらに、複数の半導体ひずみセンサ1間を結ぶ配線を必要としないことから、半導体ひずみセンサ1の取り付けや取り替えも容易になる。
なお、半導体ひずみセンサ1取り付け後の位置情報の特定には、必ずしも第1の実施形態のようにレール23に沿って受信側データ処理装置を移動させる必要は無く、本実施形態で示したマルチホップ通信を用いて半導体ひずみセンサ1a−1zの固有のIDつまり識別情報を伝達して各半導体ひずみセンサ1a−1zの位置情報の特定を行うこともできる。
また、第1及び第2の実施形態では、半導体ひずみセンサ1、受信側データ処理装置27、55は、各々無線送受信機7、31を有しており、データなどに対応する信号の半導体ひずみセンサ1と受信側データ処理装置27、55との間での送受信が可能となっている。しかし、半導体ひずみセンサ1は、信号の送信のみを行う無線通信部を、受信側データ処理装置27、55は、信号の受信のみを行う無線通信部を有する構成にすることもできる。
また、本発明の輪重・横圧測定装置は、第1及び第2の実施形態の半導体ひずみセンサ1に示したすべての要素を備えている必要は無く、ひずみの検出、信号の作成、外部への信号の無線送信という一連の作業ができれば様々な構成で形成することができる。また、半導体ひずみセンサが輪重値や横圧値を演算する場合には、半導体ひずみセンサからの信号を受信する機器が、輪重・横圧測定装置を構成する要素である必要はない。
また、本発明の輪重・横圧測定装置は、第1及び第2の実施形態に例示したような鉄道に限らず、レールを有する様々な交通機関、例えば、レールとコンクリート軌道を併用したリニアモーター式の交通機関、コンクリート製軌道を備えたモノレールのような交通機関、さらに、交通機関だけでなく、移動用のレールを備えた大型クレーン、造船所等の船用レール、ロケット発射場のロケット搬送用レールやロケット発射台の旋回塔レールなどの重量管理などを必要とするレールを備えた機器及び設備に用いることができる。
1 半導体ひずみセンサ
3 ひずみ検出部
5 CPU
7 無線送受信機
9 アンテナコイル
11 自家発電部
13 増幅器
15 A/D変換器
17 温度検出部
19 メモリ
3 ひずみ検出部
5 CPU
7 無線送受信機
9 アンテナコイル
11 自家発電部
13 増幅器
15 A/D変換器
17 温度検出部
19 メモリ
Claims (15)
- レールに生じたひずみを電気信号に変換するひずみ検出部と、該ひずみ検出部からの電気信号に基づいて少なくともひずみに関するデータを演算し、該演算したデータに対応する信号を作成するデータ演算部と、該データ演算部で作成した信号を、無線アンテナを介して無線通信により送信する無線通信部と、電池または自家発電手段からなる電源とを有するひずみセンサを備えた輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサは、少なくとも前記ひずみ検出部、前記データ演算部及び前記無線通信部が半導体プロセスにより形成された半導体ひずみセンサであることを特徴とする請求項1に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記データ演算部は、前記ひずみ検出部からの電気信号に基づいてひずみに関するデータを演算し、該演算したひずみに関するデータに対応する信号を作成し、前記無線通信部は、前記無線アンテナを介してひずみに関するデータに対応する信号を送信してなることを特徴とする請求項1または2に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記データ演算部は、前記ひずみ検出部からの電気信号に基づいてひずみに関するデータを演算し、さらに、該演算したひずみに関するデータに基づいて輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータを演算し、該演算した輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータに対応する信号を作成し、前記無線通信部は、前記無線アンテナを介して輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータに対応する信号を送信してなることを特徴とする請求項1または2に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサは、少なくとも前記ひずみ検出部、前記データ演算部、及び前記無線通信部が第1の樹脂層で覆われて一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみ検出部を除き、少なくとも前記データ演算部及び前記無線通信部は、前記第1の樹脂層よりもヤング率が低い第2の樹脂層で覆われ、該第2の樹脂層の上から前記第1の樹脂層で覆われていることを特徴とする請求項5に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサは、前記無線アンテナとしてアンテナコイルを備え、自家発電手段は、前記アンテナコイルを含み、磁力線の変化による電磁誘導により前記アンテナコイルで生じた起電力から電力を得ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみ検出部の温度を検出する温度検出部と、温度に対する前記ひずみセンサで検出したひずみ量の関係のデータを格納した記憶手段とを有し、前記データ演算部は、前記温度検出部で検出した温度と前記記憶手段に格納した温度に対するひずみ量の関係のデータに基づいてひずみに関するデータを補正してなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記温度検出部は、p−n接合ダイオードにより形成されたことを特徴とする請求項8に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサを取り付けたレールを走行する車両に設けられ、前記ひずみセンサからの信号を受信する受信側データ処理装置を備え、該受信側データ処理装置は、前記ひずみセンサから無線送信された信号を受信する受信側の無線通信部と、該受信側の無線通信部で受信した信号に基づいて該受信側データ処理装置を設けた車両の動作を制御するための制御信号を作成する演算処理部とを有し、該演算処理部で作成した制御信号を、前記受信側データ処理装置を設けた車両の動作を制御する機器に出力してなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 基地局として設置され、前記ひずみセンサからの信号を受信する受信側データ処理装置を備え、該受信側データ処理装置は、前記ひずみセンサから無線送信された信号を受信する受信側の無線通信部と、該受信側の無線通信部で受信した前記ひずみセンサからの信号に基づいて必要なデータを演算する演算処理部とを有し、前記ひずみセンサの無線通信部は、他のひずみセンサの無線通信部を中継して無線通信を行うマルチホップ通信によりアドホックネットワークを形成してなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記受信側データ処理装置は、前記ひずみセンサからのひずみに関するデータに対応する信号を受信し、該受信した信号に基づいて輪重及び横圧の少なくとも一方に関するデータを演算してなることを特徴とする請求項9または11に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサは、前記データ演算部で演算しデータの値が予め設定した値以上のときにのみ前記受信側データ処理装置に対して信号を送信してなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサは、前記データ演算部で演算したデータに対応する信号を送信するとき、前記ひずみセンサ固有の識別情報に対応する信号も送信してなることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
- 前記ひずみセンサは、車両が軌道を走行していないときに零点を補正してなることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の輪重・横圧測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393874A JP2005156298A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 輪重・横圧測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393874A JP2005156298A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 輪重・横圧測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005156298A true JP2005156298A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34720113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003393874A Pending JP2005156298A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 輪重・横圧測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005156298A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010109787A1 (ja) * | 2009-03-27 | 2010-09-30 | パナソニック株式会社 | 物理量センサ |
JP2011179817A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Taiheiyo Cement Corp | ひずみ計測装置及びひずみ計測システム |
KR101135850B1 (ko) * | 2009-12-24 | 2012-04-16 | 한국수력원자력 주식회사 | 핫 셀 내 고방사선용 원격무선계량저울장치 |
WO2012075730A1 (zh) * | 2010-12-08 | 2012-06-14 | 中山市永衡日用制品有限公司 | 一种具备自发电系统的电子秤 |
JP2012533740A (ja) * | 2009-07-22 | 2012-12-27 | キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト | 力センサを有する電気機械結合ユニット |
EP2862778A1 (en) | 2013-10-15 | 2015-04-22 | Bayern Engineering GmbH & Co. KG | Method for generating measurement results from sensor signals |
JP2016194447A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | 大日本印刷株式会社 | 構造物監視センサ装置、構造物監視システム、並びに監視サーバ |
WO2016199286A1 (ja) * | 2015-06-12 | 2016-12-15 | 株式会社日立製作所 | ひずみ検出システム、および取り付け方法 |
JP2018146516A (ja) * | 2017-03-08 | 2018-09-20 | 株式会社イシダ | 電子秤及び店舗管理システム |
WO2018211836A1 (ja) * | 2017-05-16 | 2018-11-22 | Cach株式会社 | 遠隔状態監視システム及び監視方法 |
JP2018193849A (ja) * | 2017-05-16 | 2018-12-06 | Cach株式会社 | 遠隔状態監視システム及び監視方法 |
JP2020038232A (ja) * | 2019-12-11 | 2020-03-12 | 東海旅客鉄道株式会社 | 鉄構造物の応力監視装置 |
CN118424137A (zh) * | 2024-07-04 | 2024-08-02 | 成都正扬博创电子技术有限公司 | 一种人影火箭发射轨道变形检测装置、方法及介质 |
-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003393874A patent/JP2005156298A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010230490A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Panasonic Corp | 物理量センサ |
WO2010109787A1 (ja) * | 2009-03-27 | 2010-09-30 | パナソニック株式会社 | 物理量センサ |
JP2012533740A (ja) * | 2009-07-22 | 2012-12-27 | キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト | 力センサを有する電気機械結合ユニット |
KR101135850B1 (ko) * | 2009-12-24 | 2012-04-16 | 한국수력원자력 주식회사 | 핫 셀 내 고방사선용 원격무선계량저울장치 |
JP2011179817A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Taiheiyo Cement Corp | ひずみ計測装置及びひずみ計測システム |
WO2012075730A1 (zh) * | 2010-12-08 | 2012-06-14 | 中山市永衡日用制品有限公司 | 一种具备自发电系统的电子秤 |
JP2016540964A (ja) * | 2013-10-15 | 2016-12-28 | バイエルン エンジニアリング ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー | センサ信号から測定結果を取得する方法 |
EP2862778A1 (en) | 2013-10-15 | 2015-04-22 | Bayern Engineering GmbH & Co. KG | Method for generating measurement results from sensor signals |
WO2015055347A1 (en) | 2013-10-15 | 2015-04-23 | Bayern Engineering Gmbh & Co. Kg | Method for generating measurement results from sensor signals |
JP2016194447A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | 大日本印刷株式会社 | 構造物監視センサ装置、構造物監視システム、並びに監視サーバ |
WO2016199286A1 (ja) * | 2015-06-12 | 2016-12-15 | 株式会社日立製作所 | ひずみ検出システム、および取り付け方法 |
JP2018146516A (ja) * | 2017-03-08 | 2018-09-20 | 株式会社イシダ | 電子秤及び店舗管理システム |
WO2018211836A1 (ja) * | 2017-05-16 | 2018-11-22 | Cach株式会社 | 遠隔状態監視システム及び監視方法 |
JP2018193849A (ja) * | 2017-05-16 | 2018-12-06 | Cach株式会社 | 遠隔状態監視システム及び監視方法 |
CN110832879A (zh) * | 2017-05-16 | 2020-02-21 | Cach株式会社 | 远程状态监视系统及监视方法 |
CN110832879B (zh) * | 2017-05-16 | 2020-12-18 | Cach株式会社 | 远程状态监视系统及监视方法 |
JP2020038232A (ja) * | 2019-12-11 | 2020-03-12 | 東海旅客鉄道株式会社 | 鉄構造物の応力監視装置 |
CN118424137A (zh) * | 2024-07-04 | 2024-08-02 | 成都正扬博创电子技术有限公司 | 一种人影火箭发射轨道变形检测装置、方法及介质 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005156298A (ja) | 輪重・横圧測定装置 | |
RU2643746C2 (ru) | Способ формирования результатов измерений на основании сигналов датчиков | |
US11926357B2 (en) | Transport and rail infrastructure monitoring system | |
WO2006085804A1 (en) | Line inspection | |
CN108225513A (zh) | 一种货运列车车载计重系统及计重方法 | |
GB2514143A (en) | Sensing device method and system | |
WO2017163819A1 (ja) | 鉄道用異常診断システムおよびデータ収集装置 | |
JP2007327788A (ja) | 輪重・横圧センサとその測定方法及び輪重・横圧測定装置とその測定方法並びに脱線係数測定装置とその測定方法 | |
JP2017215663A (ja) | 構造物点検方法 | |
JP2008285118A (ja) | 鉄道設備の異常診断計測システム | |
JP6124528B2 (ja) | 電車線路用監視システム | |
KR101262762B1 (ko) | 열차의 위치 오차 보정 장치 및 방법 | |
RU2671796C1 (ru) | Система распределенного контроля железнодорожного пути для высокоскоростного движения | |
KR100711737B1 (ko) | 활선조건에서의 전차선로 및 판토그래프 상태 측정 시스템 | |
RU2381935C1 (ru) | Устройство для мониторинга состояния букс колесных пар вагонов движущегося поезда | |
JP2023115020A (ja) | 情報発信システム | |
JP4920538B2 (ja) | 三軸加速度センサとpicマイクロコンピュータを内蔵した完全独立型の無線・光通信併用方式三次元センシングストーン | |
Tam et al. | Fiber bragg grating sensors for railway systems | |
KR100942261B1 (ko) | 전기철도의 집전성능정보 전송용 광케이블 절연 애관 | |
WO2009142533A1 (ru) | Весы для взвешивания подвижных железнодорожных объектов в движении и статике с применением рельсовой подкладки | |
RU2384444C1 (ru) | Устройство для мониторинга состояния букс колесных пар вагонов движущегося поезда | |
KR101049038B1 (ko) | 고속 열차의 대차 불안정 감지센서 모듈 | |
KR102728783B1 (ko) | 철도 레일 상태 원격 모니터링 시스템 | |
JP7517513B2 (ja) | 製鉄所設備用測定システム、コークス炉、およびコークス製造方法 | |
CN113581247B (zh) | 轨道车辆的计轴装置和系统 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050728 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071030 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080304 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |