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JP2005151135A - 画像境界の判定装置および判定方法、並びにそれを用いた画像信号の処理装置および処理方法 - Google Patents

画像境界の判定装置および判定方法、並びにそれを用いた画像信号の処理装置および処理方法 Download PDF

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JP2005151135A JP2003385227A JP2003385227A JP2005151135A JP 2005151135 A JP2005151135 A JP 2005151135A JP 2003385227 A JP2003385227 A JP 2003385227A JP 2003385227 A JP2003385227 A JP 2003385227A JP 2005151135 A JP2005151135 A JP 2005151135A
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Abstract

【課題】レターボックス信号であるインタレース信号をプログレッシブ信号に変換したとき、画像の上境界、下境界におけるフリッカーの発生を防止する。
【解決手段】上下境界判定部113は、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かの判定、この補間画素位置Pに対して上方向、下方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かの判定等に基づいて、補間画素位置Pが、画像の上境界、下境界に位置する画素位置であるか否かを判定する。補間演算回路115は、補間画素位置Pが画像の上境界、下境界に位置する画素位置であるとき、それぞれ、補間画素位置Pに対応するライン位置から所定方向(下方向、上方向)に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データを生成する。無画部(黒または暗いグレー)のラインの画素データの影響を排除でき、補間画素位置Pが暗くなるということがなく、境界におけるフリッカーの発生が防止される。
【選択図】 図2



Description

この発明は、画像境界の判定装置および判定方法、並びにそれを用いた画像信号の処理装置および処理方法に関する。
詳しくは、この発明は、注目画素位置が動き領域か静止領域かを判定し、またこの注目画素位置に対して所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを判定し、注目画素位置が動き領域であり、かつ隣接画素位置が静止領域であるとき、この注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定することによって、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか否かを良好に判定できるようにした画像境界の判定装置および判定方法に係るものである。
また、この発明は、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する際に、補間画素位置が画像の所定方向(上方向または下方向)の境界に位置する画素位置であるとき、補間画素位置に対応するライン位置から所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて補間画素位置の画素データを生成することによって、境界おけるフリッカーの発生を低減できるようにした画像信号の処理装置および処理方法に関する。
テレビやビデオ等の多くの画像信号はインタレース方式の画像信号(インタレース信号)である。これに対して、コンピュータの画像信号は、プログレッシブ方式の画像信号(プログレッシブ信号)である。したがって例えば、コンピュータの画像とテレビの画像をコンピュータディスプレイの画面上に表示するためには、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換しなければならない。
また、インタレース信号は、1フレームの信号を構成する各ラインの信号を交互に奇数フィールドの信号および偶数フィールドの信号としていることから、画像中に細い横線があるとちらつきが生じてしまう。しかし、プログレッシブ信号では、そのようなことがなく、画像中に細い横線があっても、きれいに表示される。そのため、最近では、家庭用のテレビ受信機でも、内部でインタレース信号からプログレッシブ信号に変換し、プログレッシブ方式で画像を表示するものもある。
インタレース信号は、図9に示すように、互いにずれた1ラインおきのライン信号を持つ奇数、偶数の2つのフィールドで一枚のフレームが構成されている。このインタレース信号をプログレッシブ信号に変換する、いわゆるIP(インタレース−プログレッシブ)変換を行う場合、画素データのない各ラインについて補間データ(画素データ)を生成することが行われる。
このIP変換は、一般的には、動き検出処理を行って動き領域と静止領域に分け、図10に示すように、動き領域については同一フィールド内の前後のラインの画素データから補間データを生成し、静止領域については、前後のフィールドの同じラインの画素データから補間データを生成する(特許文献1参照)。
なお、動き検出処理では、例えば、図10に示すように、補間画素位置Pが1フィールド前のフィールドにあるとき、この補間画素位置Pに対応した現フィールドの画素d0のデータおよび2フィールド(1フレーム)前の画素d1のデータの差分絶対値をフレーム動き情報として求め、この差分絶対値としきい値を比較し、当該補間画素位置Pが動き領域か静止領域かを判定している。
特開2002−185933号公報
従来、16:9画像を4:3画面に表示する方式として、レターボックス方式が知られている。このレターボックス方式は、16:9画像の幅を4:3画面と揃え、画面の上下部分を使わない方式である。図11は、レターボックス方式の表示に対応した画像信号(以下、適宜、「レターボックス信号」という)による画像が、ディスプレイの画面上に表示された状態を示している。この図11で、ハッチングを施していない部分が画像が存在する主画部であり、ハッチングを施している上下部分が画像が存在しない無画部である。無画部は、通常黒または暗いグレーで表示される。
このレターボックス信号についてもインタレース信号からプログレッシブ信号に変換し、ディスプレイにプログレッシブ方式で画像を表示することが考えられる。この場合、上述したように、動き領域については同一フィールド内の前後のラインの画素データから補間データを生成し、静止領域については、前後のフィールドの同じラインの画素データから補間データを生成する場合には、画像の上境界および画像の下境界で、フリッカーが発生することがあり、画質が低下するという問題点がある。
ここで、フリッカーの発生原理を、図12を用いて説明する。この図12は、レターボックス信号の画像上境界付近を拡大して示したものであり、横軸は時間方向、縦軸は垂直方向に対応している。
1フィールド前のフィールドに存在する補間画素位置Pが動き領域と判定されるときは、この補間画素位置Pが存在するラインの前後のラインの画素C,Mのデータの平均値が、補間画素位置Pの画素データDipとされる。また、補間画素位置Pが静止領域と判定されるときは、この補間画素位置Pに対応する現フィールド、2フィールド前のラインの画素d0,d1のデータの平均値が、補間画素位置Pの画素データDipとされる。
上述したように、無画部は黒または暗いグレーで表示される。補間画素位置Pが動き領域と判定されたとき、補間画素位置Pの画素データDipは上述したように無画部の画素Cのデータと主画部の画素Mのデータとの平均値となるから、補間画素位置Pはかなり暗くなる。一方、補間画素位置Pが静止領域と判定されたとき、補間画素位置Pの画素データDipは上述したように主画部の画素d0,d1のデータの平均値となるから、補間画素位置Pは特に暗くはならない。
したがって、画像上境界に位置する補間画素位置Pにおける動き領域か静止領域かの判定が各フィールドでばらつく場合には、この補間画素位置Pの明るさが大きく変化することから、この画像上境界にフリッカーが発生する。なお、画像下境界におけるフリッカーの発生原理についても同様である。
この発明の目的は、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか否かを良好に判定することにある。また、この発明の目的は、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する際に、画像の上境界、下境界におけるフリッカーの発生を防止することにある。
この発明に係る画像境界判定装置は、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する画像境界判定装置において、注目画素位置が動き領域か静止領域かを、この注目画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第1の動き・静止判定手段と、注目画素位置に対して所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを、この隣接画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第2の動き・静止判定手段と、第1の動き・静止判定手段で注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ第2の動き・静止判定手段で隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する境界判定手段とを備えるものである。
また、この発明に係る画像境界判定方法は、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する画像境界判定方法において、注目画素位置が動き領域か静止領域かを、この注目画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第1の動き・静止判定ステップと、注目画素位置に対して所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを、この隣接画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第2の動き・静止判定ステップと、第1の動き・静止判定ステップで注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ第2の動き・静止判定ステップで隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する境界判定ステップとを備えるものである。
この発明においては、注目画素位置が動き領域か静止領域かが、この注目画素位置に対応した時間方向(フィールド方向またはフレーム方向)の所定の時間位置の画素データを用いて判定される。例えば、所定時間位置に係る2つの画素データの差分絶対値が求められ、この差分絶対値がしきい値と比較されることで、当該所定の時間位置における判定結果が得られる。この場合、時間方向の複数の時間位置に対応した画素データを用い、この複数の時間位置における複数の判定結果を得、この複数の判定結果のうちいずれかが動き領域であることを示すとき当該注目画素位置が動き領域であると判定することで、この注目画素位置が動き領域であるとの判定の精度を高めることができる。
また、注目画素位置に対して所定方向(上方向、下方向、右方向、左方向など)に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かが、この隣接画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定される。例えば、所定の時間位置に係る2つの画素位置に係る差分絶対値が求められ、この差分絶対値がしきい値と比較されることで、当該所定の時間位置における判定結果が得られる。この場合、時間方向の複数の時間位置に対応した画素データを用い、この複数の時間位置における複数の判定結果を得、この複数の判定結果の全てが静止領域であることを示すとき隣接画素位置が静止領域であると判定することで、この隣接画素位置が静止領域であるとの判定の精度を高めることができる。
そして、注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定される。
なお、注目画素位置の、所定方向とは直交する方向の周辺に存在する所定数の画素位置がそれぞれ動き領域か静止領域かを、この所定数の画素位置にそれぞれ対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第3の動き・静止判定手段をさらに備え、境界判定手段は、第1の動き・静止判定手段で注目画素位置が動き領域であると判定されるか、あるいは第3の動き・静止判定手段で所定数の画素位置のうちいずれかが動き領域であると判定され、かつ第2の動き・静止判定手段で隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定するようにしてもよい。第3の動き・静止判定手段で所定数の画素位置が全て動き領域であることを確認することで、注目画素位置が動き領域であることをより確かなものとでき、これにより注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるとの判定の精度をより高めることができる。
また、隣接画素位置の、所定方向とは直交する方向の周辺に存在する所定数の画素位置がそれぞれ動き領域か静止領域かを、この所定数の画素位置にそれぞれ対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第4の動き・静止判定手段をさらに備え、境界判定手段は、第1の動き・静止判定手段で注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ第2の動き・静止判定手段で隣接画素位置が静止領域であると判定され、さらに第4の動き・静止判定手段で所定数の画素位置が全て静止領域であると判定されるとき、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定するようにしてもよい。第4の動き・静止判定手段で所定数の画素位置が全て静止領域であることを確認することで、隣接画素位置が静止領域であることをより確かなものとでき、これにより注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるとの判定の精度をより高めることができる。
この発明に係る画像信号処理装置は、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する画像信号処理装置であって、補間画素位置が画像のライン方向に直交する上方向または下方向である所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する境界判定部と、この境界判定部の判定結果に基づいて、補間画素位置の画素データを生成する画素データ生成部とを備え、画素データ生成部は、境界判定部で補間画素位置が境界に位置する画素位置であると判定される場合、補間画素位置に対応するライン位置から所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置の画素データを生成するものである。
また、この発明に係る画像信号処理方法は、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する画像信号処理方法であって、補間画素位置が画像のライン方向に直交する上方向または下方向である所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する境界判定ステップと、この境界判定ステップの判定結果に基づいて、補間画素位置の画素データを生成する画素データ生成ステップとを備え、画素データ生成ステップでは、境界判定ステップで補間画素位置が境界に位置する画素位置であると判定される場合、補間画素位置に対応するライン位置から所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置の画素データを生成するものである。
この発明においては、インタレース信号がプログレッシブ信号に変換される。インタレース信号の補間画素位置が、画像のライン方向に直交する上方向または下方向である所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定される。この判定は、例えば、上述した画像境界判定装置によって行われる。この場合、補間画素位置が注目画素位置となる。
この判定結果に基づいて、補間画素位置の画素データが生成される。すなわち、補間画素位置が境界に位置する画素位置であると判定される場合、補間画素位置に対応するライン位置から所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置の画素データが生成される。
例えば、インタレース信号がレターボックス信号である場合、補間画素位置が画像上境界または画像下境界に位置する画素位置にあるとき、補間画素位置に対して所定方向側に位置する無画部(黒または暗いグレー)のラインの画素データを用いて補間画素位置の画素データを生成するとすれば、この補間画素位置はかなり暗くなり、この境界にフリッカーが発生し、画質が低下する。
しかし、この発明では、補間画素位置が境界に位置する画素位置であると判定される場合、補間画素位置に対応するライン位置から所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて補間画素位置の画素データを生成するものであり、無画部のラインの画素データの影響を排除でき、補間画素位置が暗くなるということがなく、上述した境界におけるフリッカーの発生を防止でき、画質を向上できる。
例えば、補間画素位置の画素データは、補間画素位置に対応した所定方向とは逆の方向に隣接するラインの画素の第1の画素データ、補間画素位置に対応した前のフィールドの画素の第2の画素データおよび補間画素位置に対応した後のフィールドの画素の第3の画素データのうち、中央値の画素データとされる。これは、メディアンフィルタと言われている方法である。この方法により、補間画素位置が動き領域であっても静止領域であっても、補間画素位置の画素データとして自然な値が得られる。
なお、補間画素位置が境界に位置する画素位置でないと判定される場合、この補間画素位置の画素データは、例えばこの補間画素位置が動き領域か静止領域かの判定結果に基づいて生成される。すなわち、補間画素位置の画素データは、補間画素位置が動き領域と判定されるとき、この補間画素位置に対して少なくとも上ラインまたは下ラインの画素データを用いて生成され、補間画素位置が静止領域と判定されるとき、補間画素位置に対して少なくとも前のフィールドまたは後のフィールドの画素データを用いて生成される。
この発明によれば、注目画素位置が動き領域か静止領域かを判定し、またこの注目画素位置に対して所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを判定し、注目画素位置が動き領域であり、かつ隣接画素位置が静止領域であるとき、この注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定するものであり、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか否かを良好に判定できる。
また、この発明によれば、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する際に、補間画素位置が画像の所定方向(上方向または下方向)の境界に位置する画素位置であるとき、補間画素位置に対応するライン位置から所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて補間画素位置の画素データを生成するものであり、境界におけるフリッカーの発生を低減でき、画質の向上を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての画像表示装置100の構成を示している。
この画像表示装置100は、インタレース信号である画像信号V0を入力する入力端子101と、この画像信号V0をインタレース信号からプログレッシブ信号である画像信号Vpに変換するIP変換部102とを有している。このIP変換部102には、メモリ(記憶素子)103が接続されている。
このIP変換部102は、画像信号V0の補間画素位置が画像のライン方向に直交する上方向または下方向である所定方向の境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果、および当該補間画素位置が動き領域か静止領域かの判定結果に基づいて、当該補間画素位置の画素データを生成し、画像信号V0を画像信号Vpに変換する。メモリ103は、IP変換部102で使用する所定フィールド分の画素データを記憶できる記憶容量を有している。
また、画像表示装置100は、ディスプレイとしてのPDP(Plasma Display Panel)106と、IP変換部102で得られる画像信号Vpに基づいてPDP106を駆動し、このPDP106の画面上に画像信号Vpによる画像を表示するパネルドライバ105とを有している。
図1に示す画像表示装置100の動作を説明する。入力端子101にはインタレース信号としての画像信号V0が供給され、この画像信号V0はIP変換部102に供給される。このIP変換部102では、インタレース信号である画像信号V0が、プログレッシブ信号である画像信号Vpに変換される。そして、IP変換部102で得られる画像信号Vpは、パネルドライバ105に供給される。パネルドライバ105は、画像信号Vpに基づいてPDP106を駆動する。これにより、PDP106の画面上には、画像信号Vpによる画像が表示される。
次に、IP変換部102の詳細を説明する。図2は、IP変換部102の構成を示している。
このIP変換部102は、現フィールドの画像信号V0をメモリ103に書き込むための書き込み処理部111と、このメモリ103から過去所定フィールドの画像信号を読み出すための読み出し処理部112とを有している。
また、IP変換部102は、第1、第2の動き・静止判定手段および境界判定手段を構成する上下境界判定部113を有している。この上下境界判定部113は、注目画素位置としての補間画素位置Pが、画像(例えばレターボックス信号による主画部(図11参照))の上境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGUおよび画像の下境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGDを取得する。
この上下境界判定部113は、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かを、この補間画素位置に対応した、メモリ103から読み出し処理部112で読み出された時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて、判定する。この場合、所定の時間位置に係る2つの画素データの差分絶対値が求められ、この差分絶対値がしきい値と比較されることで、当該所定の時間位置における判定結果が得られる。
すなわち、上下境界判定部113は、図3に示すように、補間画素位置Pに対応した現フィールドの画素d0のデータおよび2フィールド前の画素d1のデータの差分絶対値D01を求め、そしてこの差分絶対値D01を予め定められた所定のしきい値THと比較して、補間画素位置Pに対応した時間位置t1における判定結果RS1を得る。この場合、D01≧THであるときは動き領域と判定し、D01<THであるときは静止領域と判定する。
この判定結果RS1をそのまま最終的な判定結果とすることもできるが、本実施の形態において、上下境界判定部113は、さらに時間位置t2〜tmにおける判定結果RS2〜RSmをさらに得、これら判定結果RS1〜RSmに基づいて補間画素位置Pが動き領域であるか静止領域であるかの最終的な判定結果RSpを得る。この場合、判定結果RSpは、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RS1〜RSmの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
この判定結果RSpは、以下の論理式で表すことができる。ただし、判定結果RS1〜RSm,RSpは、それぞれ、静止領域を示すとき「1」であり、動き領域を示すとき「0」であるとする。この式で、「==」は論理等号を表し、「&&」は論理積を表す。
RSp==RS1 && RS2 && RS3 &&・・・&& RSm ・・・(1)
ここで、時間位置t2における判定結果RS2は、補間画素位置Pに対応した2フィールド前の画素d1のデータおよび4フィールド前の画素d2のデータの差分絶対値D12を求め、そしてこの差分絶対値D12を予め定められた所定のしきい値THと比較することで得られる。同様に、時間位置t3における判定結果RS3は、補間画素位置Pに対応した4フィールド前の画素d2のデータおよび6フィールド前の画素d3のデータの差分絶対値D23を求め、そしてこの差分絶対値D23を予め定められた所定のしきい値THと比較することで得られる。以下、時間位置t4〜tmにおける判定結果RS4〜RSmも、同様にして得られる。
なお、上述した判定結果RS1〜RSmのうち、判定結果RS2〜RSmは、1フレーム前の上下境界の判定処理で判定結果RS1〜RSm-1として使用されている。したがって、上下境界判定部113は、1フレーム前の上下境界の判定処理で使用された判定結果RS1〜RSm-1をメモリ(図示せず)に記憶しておくことで、それを判定結果RS1〜RSmとして用いることができる。この場合、上下境界判定部113は、判定結果RS1だけを取得すれば、補間画素位置Pが動き領域であるか静止領域であるかの最終的な判定結果RSpを得ることができる。
また、上下境界判定部113は、補間画素位置Pに対して上方向、下方向に隣接する隣接画素位置Pu,Pdが動き領域か静止領域かを、この隣接画素位置Pu,Pdに対応した、時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する。この場合、所定の時間位置に係る2つの画素データの差分絶対値が求められ、この差分絶対値がしきい値と比較されることで、当該所定の時間位置における判定結果が得られる。
すなわち、上下境界判定部113は、上方向に隣接する隣接画素位置Puに関しては、図3に示すように、この隣接画素位置Puに対応した1フィールド前の画素e0のデータおよび3フィールド前の画素e1のデータの差分絶対値E01を求め、そしてこの差分絶対値E01を予め定められた所定のしきい値THと比較して、隣接画素位置Puに対応した時間位置t1における判定結果RSu1を得る。この場合、E01≧THであるときは動き領域と判定し、E01<THであるときは静止領域と判定する。
この判定結果RSu1をそのまま最終的な判定結果とすることもできるが、本実施の形態において、上下境界判定部113は、さらに時間位置t2〜tmにおける判定結果RSu2〜RSumをさらに得、これら判定結果RSu1〜RSumに基づいて隣接画素位置Puが動き領域であるか静止領域であるかの最終的な判定結果RSupを得る。この場合、判定結果RSupは、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RSu1〜RSumの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
この判定結果RSupは、以下の論理式で表すことができる。ただし、判定結果RSu1〜RSum,RSupは、それぞれ、静止領域を示すとき「1」であり、動き領域を示すとき「0」であるとする。この式で、「==」は論理等号を表し、「&&」は論理積を表す。
RSup==RSu1 && RSu2 && RSu3 &&・・・&& RSum ・・・(2)
ここで、時間位置t2における判定結果RSu2は、隣接画素位置Puに対応した3フィールド前の画素e1のデータおよび5フィールド前の画素e2のデータの差分絶対値E12を求め、そしてこの差分絶対値E12を予め定められた所定のしきい値THと比較することで得られる。同様に、時間位置t3における判定結果RSu3は、隣接画位置Puに対応した5フィールド前の画素e2のデータおよび7フィールド前の画素e3のデータの差分絶対値E23を求め、そしてこの差分絶対値E23を予め定められた所定のしきい値THと比較することで得られる。以下、時間位置t4〜tmにおける判定結果RSu4〜RSumも、同様にして得られる。
なお、上述した判定結果RSu1〜RSumは、前のフィールドの補間画素位置P′の上下境界の判定処理で判定結果RS1〜RSmとして使用されている。そのため、上下境界判定部113は、補間画素位置P′の上下境界の判定処理で使用された判定結果RS1〜RSmをメモリ(図示せず)に記憶しておくことで、それを判定結果RSu1〜RSumとして用いることができる。
また、上下境界判定部113は、下方向に隣接する隣接画素位置Pdに関しては、図3に示すように、この隣接画素位置Pdに対応した1フィールド前の画素f0のデータおよび3フィールド前の画素f1のデータの差分絶対値F01を求め、そしてこの差分絶対値F01を予め定められた所定のしきい値THと比較して、隣接画素位置Pdに対応した時間位置t1における判定結果RSd1を得る。この場合、F01≧THであるときは動き領域と判定し、F01<THであるときは静止領域と判定する。
この判定結果RSd1をそのまま最終的な判定結果とすることもできるが、本実施の形態において、上下境界判定部113は、さらに時間位置t2〜tmにおける判定結果RSd2〜RSdmをさらに得、これら判定結果RSd1〜RSdmに基づいて隣接画素位置Pdが動き領域であるか静止領域であるかの最終的な判定結果RSdpを得る。この場合、判定結果RSdpは、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RSd1〜RSdmの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
この判定結果RSdpは、以下の論理式で表すことができる。ただし、判定結果RSd1〜RSdm,RSdpは、それぞれ、静止領域を示すとき「1」であり、動き領域を示すとき「0」であるとする。この式で、「==」は論理等号を表し、「&&」は論理積を表す。
RSdp==RSd1 && RSd2 && RSd3 &&・・・&& RSdm ・・・(3)
ここで、時間位置t2における判定結果RSd2は、隣接画素位置Pdに対応した3フィールド前の画素f1のデータおよび5フィールド前の画素f2のデータの差分絶対値F12を求め、そしてこの差分絶対値F12を予め定められた所定のしきい値THと比較することで得られる。同様に、時間位置t3における判定結果RSd3は、隣接画位置Pdに対応した5フィールド前の画素f2のデータおよび7フィールド前の画素f3のデータの差分絶対値F23を求め、そしてこの差分絶対値F23を予め定められた所定のしきい値THと比較することで得られる。以下、時間位置t4〜tmにおける判定結果RSd4〜RSdmも、同様にして得られる。
なお、上述した判定結果RSd1〜RSdmは、前のフィールドの補間画素位置P″の上下境界の判定処理で判定結果RS1〜RSmとして使用されている。そのため、上下境界判定部113は、補間画素位置P″の上下境界の判定処理で使用された判定結果RS1〜RSmをメモリ(図示せず)に記憶しておくことで、それを判定結果RSd1〜RSdmとして用いることができる。
上述したmは2以上の任意の数であり、mが大きくなる程判定精度を高めることができる。しかし、mがおおきくなる程、対象画素位置が動き領域から静止領域に変化したとき、静止領域であるとの判定結果を得るまでの時間が長くなり、応答性が悪くなる。
上下境界判定部113は、上述した補間画素位置Pが動き領域か静止領域かの判定結果RSpおよび上方向に隣接する隣接画素位置Puが動き領域か静止領域かの判定結果RSupに基づいて、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であるか否かを判定できる。この場合、判定結果RSpが動き領域であることを示し、判定結果RSupが静止領域であることを示すとき、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であると判定する。
また、上下境界判定部113は、上述した補間画素位置Pが動き領域か静止領域かの判定結果RSpおよび下方向に隣接する隣接画素位置Pdが動き領域か静止領域かの判定結果RSdpに基づいて、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であるか否かを判定できる。この場合、判定結果RSpが動き領域であることを示し、判定結果RSupが静止領域であることを示すとき、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であると判定する。
本実施の形態において、上下境界判定部113は、補間画素位置Pが動き領域であるとの判定をより確かなものとするために、補間画素位置Pと同様に、この補間画素位置Pの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nの画素位置(G,I,F,J等)が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSp1〜RSpnを、さらに取得する。この判定結果RSp1〜RSpnの取得方法は、上述した補間画素位置Pにおける判定結果RSpの取得方法と同様であるので、ここではその説明は省略する。
また、本実施の形態において、上下境界判定部113は、上方向の隣接画素位置Puが静止領域であるとの判定をより確かなものとするために、隣接画素位置Puと同様に、この隣接画素位置Puの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nUの画素位置(B,D,A,E等)が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSup1〜RSupnUを、さらに取得する。この判定結果RSup1〜RSupnUの取得方法は、上述した補間画素位置Puにおける判定結果RSupの取得方法と同様であるので、ここではその説明は省略する。
また、本実施の形態において、上下境界判定部113は、下方向の隣接画素位置Pdが静止領域であるとの判定をより確かなものとするために、隣接画素位置Pdと同様に、この隣接画素位置Pdの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nDの画素位置(L,N,K,O等)が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSdp1〜RSdpnDを、さらに取得する。この判定結果RSdp1〜RSdpnDの取得方法は、上述した補間画素位置Pdにおける判定結果RSdpの取得方法と同様であるので、ここではその説明は省略する。
結局、本実施の形態において、上下境界判定部113は、補間画素位置Pの判定結果RSp、この補間画素値Pの周辺に存在する所定数nの画素位置の判定結果RSp1〜RSpn、隣接画素位置Puの判定結果RSupおよびこの隣接画素位置Puの周辺に存在する所定数nUの画素位置の判定結果RSup1〜RSupnUに基づいて、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGUを得る。この場合、判定結果RSp,RSp1〜RSpnの少なくともいずれかが動き領域であることを示し、判定結果RSup,RSup1〜RSupnUの全てが静止領域であることを示すときは補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であると判定し、それ以外のときは補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置でないと判定する。
また、本実施の形態において、上下境界判定部113は、補間画素位置Pの判定結果RSp、この補間画素値Pの周辺に存在する所定数nの画素位置の判定結果RSp1〜RSpn、隣接画素位置Pdの判定結果RSdpおよびこの隣接画素位置Pdの周辺に存在する所定数nDの画素位置の判定結果RSdp1〜RSdpnDに基づいて、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGDを得る。この場合、判定結果RSp,RSp1〜RSpnの少なくともいずれかが動き領域であることを示し、判定結果RSdp,RSdp1〜RSdpnDの全てが静止領域であることを示すときは補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であると判定し、それ以外のときは補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置でないと判定する。
なお、上述したn,nU,nDはそれぞれ1以上の任意の数であり、それぞれ、同じ数であっても異なる数であってもよい。
また、図2に示すIP変換部102は、動き・静止判定部114を有している。この動き・静止判定部114は、現フィールドの画像信号V0と2フィールド前の画像信号V2とを用いて、1フィールド前のフィールドに存在する補間画素位置Pが動き領域か静止領域かを判定する。すなわち、動き・静止判定部114は、図3に示すように、補間画素位置Pに対応した現フィールドの画素d0のデータおよび2フィールド前の画素d1のデータの差分絶対値D01を求め、この差分絶対値D01を予め定められた所定のしきい値THと比較して、判定結果JGMを得る。この場合、D01≧THであるときは動き領域と判定し、D01<THであるときは静止領域と判定する。
なお、この判定結果JGMは、上述した上下境界判定部113における、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かの判定結果RS1と同じものである。したがって、この判定結果JGMに関しては、動き・静止判定部114を設けずに、上下境界判定部113で得られる判定結果RS1を用いるようにしてもよい。
また、IP変換部102は、動き適応補間演算回路115を有している。この補間演算回路115は、上下境界判定部113で得られた判定結果JGU,JGDおよび動き・静止判定部114で得られた判定結果JGMに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。
補間演算回路115は、判定結果JGUが補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置でないことを示し、かつ判定結果JGDが補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置でないことを示すときは、判定結果JGMに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。
すなわち、補間演算回路115は、判定結果JGMが動き領域を示すときは、補間画素位置Pに対して少なくとも上ラインまたは下ラインの画素データを用いて画素データDipを生成し、判定結果JGMが静止領域を示すときは、補間画素位置Pに対して少なくとも前のフィールドまたは後のフィールドの画素データを用いて画素データDipを生成する。
例えば、補間演算回路115は、判定結果JGMが動き領域を示すときは、図5Aに示すように、補間画素位置Pが存在するラインの前後のラインの画素e0,f0のデータの平均値を画素データDipとし、一方判定結果JGMが静止領域を示すときは、図5Aに示すように、補間画素位置Pに対応する現フィールド、2フィールド前のラインの画素d0,d1のデータの平均値を画素データDipとする。
また、補間演算回路115は、判定結果JGUが、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であることを示すときは、補間画素位置Pに対応するライン位置から下方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。
例えば、補間演算回路115は、図5Bに示すように、補間画素位置Pに対応した、下方向に隣接するラインの画素f0の第1の画素データ、補間画素位置Pに対応した前のフィールドの画素d1の第2の画素データおよび補間画素位置Pに対応した後のフィールドの画素d0の第3の画素データのうち、中央値の画素データを補間画素位置Pの画素データDipとする。このように中央値を採る方法は、メディアンフィルタと言われている方法である。この方法により、補間画素位置Pが動き領域であっても静止領域であっても、画素データDipとして自然な値を得ることができる。
なおこの場合、補間画素位置Pの画素データDipとして、第1〜第3の画素データの平均値等を求めてもよい。また、画素d0,d1の画素データの平均値、あるいは画素f0の画素データを補間画素位置Pの画素データDipとしてもよい。
また、補間演算回路115は、判定結果JGDが補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であることを示すときは、補間画素位置Pに対応するライン位置から上方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。
例えば、補間演算回路115は、図5Cに示すように、補間画素位置Pに対応した、上方向に隣接するラインの画素e0の第1の画素データ、補間画素位置Pに対応した前のフィールドの画素d1の第2の画素データおよび補間画素位置Pに対応した後のフィールドの画素d0の第3の画素データのうち、中央値の画素データを補間画素位置Pの画素データDipとする。この場合も、上述したようにメディアンフィルタと言われている方法であり、補間画素位置Pが動き領域であっても静止領域であっても、画素データDipとして自然な値を得ることができる。
なおこの場合も、補間画素位置Pの画素データDipとして、第1〜第3の画素データの平均値等を求めてもよい。また、画素d0,d1の画素データの平均値、あるいは画素e0の画素データを補間画素位置Pの画素データDipとしてもよい。
この補間演算回路115は、垂直方向の各補間ライン上の各補間画素位置Pで、上述したように判定結果JGU,JGD,JGMに基づいて画素データDipを生成し、各補間ラインの信号を順次生成していく。
また、IP変換部102は、読み出し処理部112によりメモリ103から読み出される1フィールド前の画像信号V1の各ラインの信号と、補間演算回路115で生成される各補間ラインの信号とを交互に取り出してプログレッシブ信号である画像信号Vpを得る出力ライン選択回路116とを有している。
図2に示すIP変換部102の動作を説明する。
インタレース信号としての画像信号(現フィールドの画像信号)V0は、書き込み処理部111を介してメモリ103に供給されて書き込まれる。そして、このメモリ103から読み出し処理部112により、上下境界判定部113、動き・静止判定部114および動き適応補間演算回路115で使用される、過去の所定フィールドの画像信号が読み出される。
上下境界判定部113では、現フィールドの画像信号V0および過去の所定フィールドの画像信号に基づいて、1フィールド前のフィールドに存在する補間画素位置Pが、画像の上境界に位置する画素位置であるか否かの判定、および画像の下境界に位置する画素位置であるか否かの判定が行われる。
この場合、上下界判定部113では、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かが判定され、判定結果RSpが得られる。この判定結果RSpは、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RS1〜RSmの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
また、上下境界判定部113では、補間画素位置Pに対して上方向、下方向に隣接する隣接画素位置Pu,Pdが動き領域か静止領域かが判定され、判定結果RSup,RSdpが得られる。これら判定結果RSup,RSdpは、それぞれ、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RSu1〜RSum,RSd1〜RSdmの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
また、上下境界判定部113では、補間画素位置Pが動き領域であるとの判定をより確かなものとするために、補間画素位置Pと同様に、この補間画素位置Pの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nの画素位置が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSp1〜RSpnが得られる。同様に、上下境界判定部113では、隣接画素位置Pu,Pdが静止領域であるとの判定をより確かなものとするために、隣接画素位置Pu,Pdと同様に、この隣接画素位置Pu,Pdの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nU,nDの画素位置が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSup1〜RSupnU,RSdp1〜RSdpnDが得られる。
そして、上下境界判定部113では、補間画素位置Pの判定結果RSp、この補間画素値Pの周辺に存在する所定数nの画素位置の判定結果RSp1〜RSpn、隣接画素位置Puの判定結果RSupおよびこの隣接画素位置Puの周辺に存在する所定数nUの画素位置の判定結果Sup1〜RSupnUに基づいて、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGUが得られる。この場合、判定結果RSp,RSp1〜RSpnの少なくともいずれかが動き領域であることを示し、判定結果RSup,RSup1〜RSupnUの全てが静止領域であることを示すときは補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であると判定され、それ以外のときは補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置でないと判定される。
また、上下境界判定部113では、補間画素位置Pの判定結果RSp、この補間画素値Pの周辺に存在する所定数nの画素位置の判定結果RSp1〜RSpn、隣接画素位置Pdの判定結果RSdpおよびこの隣接画素位置Pdの周辺に存在する所定数nDの画素位置の判定結果Sdp1〜RSdpnDに基づいて、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGDが得られる。この場合、判定結果RSp,RSp1〜RSpnの少なくともいずれかが動き領域であることを示し、判定結果RSdp,RSdp1〜RSdpnDの全てが静止領域であることを示すときは補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であると判定され、それ以外のときは補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置でないと判定される。
動き・静止判定部114では、現フィールドの画像信号V0および2フィールド前の画像信号V2に基づいて、1フィールド前のフィールドに存在する補間画素位置Pが動き領域か静止領域かが判定され、判定結果JGMが得られる。
上下境界判定部113で得られる判定結果JGU,JGDおよび動き・静止判定部114で得られる判定結果JGMは動き適応補間演算回路115に供給される。また、この補間演算回路115には、現フィールドの画像信号V0と、メモリ103から読み出される1フィールド前の画像信号V1および2フィールド前の画像信号V2が供給される。この補間演算回路115では、判定結果JGU,JGD,JGMに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipが生成される。
補間演算回路115では、判定結果JGUが、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置でないことを示し、かつ判定結果JGDが補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置でないことを示すときは、判定結果JGMに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipが生成される。
この場合、補間演算回路115では、判定結果JGMが動き領域を示すときは、補間画素位置Pに対して少なくとも上ラインまたは下ラインの画素データを用いて画素データDipが生成され、判定結果JGMが静止領域を示すときは、補間画素位置Pに対して少なくとも前のフィールドまたは後のフィールドの画素データを用いて画素データDipが生成される。例えば、補間演算回路115では、判定結果JGMが動き領域を示すときは、補間画素位置Pが存在するラインの前後のラインの画素e0,f0のデータの平均値が画素データDipとされ、一方判定結果JGMが静止領域を示すときは、補間画素位置Pに対応する現フィールド、2フィールド前のラインの画素d0,d1のデータの平均値が画素データDipとされる(図5A参照)。
また、補間演算回路115では、判定結果JGUが、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であることを示すときは、補間画素位置Pに対応するライン位置から下方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipが生成される。例えば、補間演算回路115では、補間画素位置Pに対応した、下方向に隣接するラインの画素f0の第1の画素データ、補間画素位置Pに対応した前のフィールドの画素d1の第2の画素データおよび補間画素位置Pに対応した後のフィールドの画素d0の第3の画素データのうち、中央値の画素データが補間画素位置Pの画素データDipとされる(図5B参照)。
また、補間演算回路115では、判定結果JGDが、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であることを示すときは、補間画素位置Pに対応するライン位置から上方向に位置するラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipが生成される。例えば、補間演算回路115では、補間画素位置Pに対応した、上方向に隣接するラインの画素e0の第1の画素データ、補間画素位置Pに対応した前のフィールドの画素d1の第2の画素データおよび補間画素位置Pに対応した後のフィールドの画素d0の第3の画素データのうち、中央値の画素データが補間画素位置Pの画素データDipとされる(図5C参照)。
この補間演算回路115では、垂直方向の各補間ライン上の各補間位置で上述したように画素データDipが生成され、各補間ラインの信号が順次生成されていく。このように補間演算回路115で生成される各補間ラインの信号は出力ライン選択回路116に供給される。また、この出力ライン選択回路116には、メモリ103から読み出される1フィールド前の画像信号V1の各ラインの信号が供給される。出力ライン選択回路116では、1フィールド前の画像信号V1の各ラインの信号と、それに対応した各補間ラインの信号とが交互に取り出されてライン数が倍とされ、プログレッシブ信号である画像信号Vpが得られる。この画像信号VpがIP変換部102の出力信号となる。
図2に示すIP変換部102における上下境界判定部113によれば、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かを判定し、またこの補間画素位置Pに対して上方向、下方向に隣接する隣接画素位置Pu,Pdが動き領域か静止領域かを判定し、補間画素位置Pが動き領域であり、かつ隣接画素位置Pu,Pdが静止領域であるとき、この補間画素位置Pが画像の上方向、下方向の境界に位置する画素位置であると判定するものであり、補間画素位置Pが画像の上方向、下方向の境界に位置する画素位置であるか否かを良好に判定できる。
またこの場合、上下境界判定部113によれば、注目画素位置Pに対応した時間方向の複数の時間位置t1〜tmにおける判定結果RS1〜RSmを得、それらの判定結果に基づいて、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かの判定結果RSpを得るものであり(図3参照)、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かの判定精度を高めることができる。同様に、上下境界判定部113によれば、隣接画素位置Pu,Pdに対応した時間方向に複数の時間位置t1〜tmにおける判定結果RSu1〜RSum,RSd1〜RSdmを得、それらの判定結果に基づいて、隣接画素位置Pu,Pdが動き領域か静止領域かの判定結果RSup,RSdpを得るものであり(図3参照)、隣接画素位置Pu,Pdが動き領域か静止領域かの判定精度を高めることができる。
またこの場合、上下境界判定部113によれば、補間画素位置Pと同様に、この補間画素位置Pの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nの画素位置が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSp1〜RSpnを得、さらに隣接画素位置Pu,Pdと同様に、この隣接画素位置Pu,Pdの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nU,nDの画素位置が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSup1〜RSupnU,RSdp1〜RSdpnDを得、これらをも用いて判定結果JGU,JGDを得るものであり(図4参照)、補間画素位置Pが動き領域であるとの判定をより確かなものとでき、また隣接画素位置Pu,Pdが静止領域であるとの判定をより確かなものとでき、判定結果JGU,JGDの精度をより高めることができる。
また、図2に示すIP変換部102における動き適応補間演算回路115によれば、判定結果JGU,JGDが、補間画素位置Pが画像の上境界、下境界に位置する画素位置であることを示すときは、それぞれ、補間画素位置Pに対応するライン位置から所定方向(下方向、上方向)に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipを生成するものであり、例えばインタレース信号がレターボックス信号である場合、補間画素位置Pに対して所定方向側に位置する無画部(黒または暗いグレー)のラインの画素データの影響を排除でき、補間画素位置Pが暗くなるということがなく、上述した境界におけるフリッカーの発生を防止でき、画質を向上できる。
この場合、補間演算回路115によれば、補間画素位置Pに対応した所定方向とは逆の方向に隣接するラインの画素f0,e0の第1の画素データ、補間画素位置Pに対応した前のフィールドの画素d1の第2の画素データおよび補間画素位置Pに対応した後のフィールドの画素d0の第3の画素データのうち、中央値の画素データを当該補間画素位置Pの画素データDipとするものであり(図5B,C参照)、補間画素位置Pが動き領域であっても静止領域であっても、この補間画素位置Pの画素データDipとして自然な値を得ることができる。
なお、図2のIP変換部102における処理を、例えば図6に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。
まず、この画像信号処理装置300について説明する。この画像信号処理装置300は、装置全体の動作を制御するCPU301と、このCPU301の動作プログラム等が格納されたROM(read only memory)302と、CPU301の作業領域を構成するRAM(random access memory)303とを有している。これらCPU301、ROM302およびRAM303は、それぞれバス304に接続されている。
また、画像信号処理装置300は、ハードディスクドライブ(HDD)305と、リムーバブルディスク306を取り扱うドライブ307とを有している。これらHDD305およびドライブ307は、それぞれバス304に接続されている。
また、画像信号処理装置300は、インターネット等の通信網308に有線または無線で接続する通信部309を有している。この通信部309は、インタフェース310を介してバス304に接続されている。
また、画像信号処理装置300は、ユーザインタフェース部を備えている。このユーザインタフェース部は、リモコン送信機311からのリモコン信号RMを受信する受信部312と、LCD(liquid crystal display)等からなるディスプレイ314とを有している。受信部312はインタフェース313を介してバス304に接続され、同様にディスプレイ314はインタフェース315を介してバス304に接続されている。
また、画像信号処理装置300は、インタレース信号としての画像信号V0を入力するための入力端子316と、プログレッシブ信号としての画像信号Vpを出力するための出力端子318とを有している。入力端子316はインタフェース317を介してバス304に接続され、同様に出力端子318はインタフェース319を介してバス304に接続されている。
ここで、上述したようにROM302に動作プログラム等を予め格納しておく代わりに、例えばインターネットなどの通信網308より通信部309を介してダウンロードし、HDD305、RAM303等に蓄積して使用することもできる。また、この動作プログラム等をリムーバブルディスク306で提供するようにしてもよい。
また、処理すべき画像信号V0を入力端子316より入力する代わりに、予めHDD305に記録しておき、あるいはインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードし、さらにはリムーバブルディスク306で供給するようにしてもよい。また、処理後の画像信号Vpを出力端子318に出力する代わり、あるいはそれと並行してディスプレイ314に供給して画像表示をしたり、さらにはHDD305に格納したり、通信部309を介してインターネットなどの通信網308に送出したり、またリムーバブルディスク306に記録するようにしてもよい。
図7のフローチャートを参照して、画像信号処理装置300における、IP変換の処理手順を説明する。
まず、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、インタレース信号としての画像信号V0を1フレーム分あるいは1フィールド分入力する。この画像信号V0が入力端子316より入力される場合には、この画像信号V0をRAM303に一時的に格納する。また、この画像信号V0がHDD305に記録されている場合には、このHDD305からこの画像信号V0を読み出し、RAM303に一時的に格納する。さらに、この画像信号V0がリムーバブルディスク306で供給される場合には、ドライブ307でそのリムーバブルディスク306からこの画像信号V0を読み出し、RAM303に一時的に格納する。
次に、ステップST3で、画像信号V0の全フレームまたは全フィールドの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST4で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST5に進む。
このステップST5では、現フィールドの画像信号V0と2フィールド前の画像信号V2とを用いて、1フィールド前のフィールドに存在する補間画素位置Pが動き領域か静止領域かを判定し、判定結果JGMを得る。
次に、ステップST6で、現フィールドの画像信号V0および過去の所定フィールドの画像信号に基づいて、補間画素位置Pが、画像の上境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGU、および画像の下境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGDを得る。
このステップST6の上下境界の判定処理では、図8のフローチャートで示す処理手順で、判定結果JGU,JGDを得る。すなわち、ステップST11で処理を開始し、ステップST12で、補間画素位置Pが動き領域か静止領域かを示す判定結果RSpを得る。この場合、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RS1〜RSmを求め、この判定結果RS1〜RSmに基づいて判定結果RSpを取得することで、その精度を高める。判定結果RSpは、判定結果RS1〜RSmの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
次に、ステップST13で、ステップST12における処理と同様にして、補間画素位置Pの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nの画素位置が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSp1〜RSpnを得る。
次に、ステップST14で、補間画素位置Pに対して所定方向(上方向、下方向)に隣接する隣接画素位置Pu,Pdが動き領域か静止領域かを示す判定結果RSup,RSdpを得る。この場合、連続したm個の時間位置t1〜tmにおける判定結果RSu1〜RSum,RSd1〜RSdmに基づいて判定結果を取得することで、その精度を高める。判定結果RSup,RSdpは、それぞれ、判定結果RSu1〜RSum,RSd1〜RSdmの全てが静止領域であるとの判定であるときは静止領域を示すものとされ、それ以外のときは動き領域を示すものとされる。
次に、ステップST15で、ステップST14における処理と同様にして、隣接画素位置Pu,Pdの、上下方向とは直交するライン方向の周辺に存在する所定数nU,nDの画素位置が動き領域か静止領域かを示す判定結果RSup1〜RSupnU,RSdp1〜RSdpnDを得る。
次に、ステップST16で、ステップST12で得られた補間画素位置Pの判定結果RSp、ステップST13で得られた補間画素値Pの周辺に存在する所定数nの画素位置の判定結果RSp1〜RSpn、ステップST14で得られた隣接画素位置Puの判定結果RSupおよびステップST15で得られた隣接画素位置Puの周辺に存在する所定数nUの画素位置の判定結果RSup1〜RSupnUに基づいて、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGUを得る。この場合、判定結果RSp,RSp1〜RSpnの少なくともいずれかが動き領域であることを示し、判定結果RSup,RSup1〜RSupnUの全てが静止領域であることを示すときは補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であると判定し、それ以外のときは補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置でないと判定する。
また、このステップST16で、ステップST12で得られた補間画素位置Pの判定結果RSp、ステップST13で得られた補間画素値Pの周辺に存在する所定数nの画素位置の判定結果RSp1〜RSpn、ステップST14で得られた隣接画素位置Pdの判定結果RSdpおよびステップST15で得られた隣接画素位置Pdの周辺に存在する所定数nDの画素位置の判定結果RSdp1〜RSdpnDに基づいて、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であるか否かの判定結果JGUを得る。この場合、判定結果RSp,RSp1〜RSpnの少なくともいずれかが動き領域であることを示し、判定結果RSdp,RSdp1〜RSdpnDの全てが静止領域であることを示すときは補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であると判定し、それ以外のときは補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置でないと判定する。
このステップST16の処理の後に、ステップST17で、上下境界の判定処理を終了する。なお、ステップST12〜ステップST15の処理の順は、図8のフローチャートに示す順でなくともよい。
図7に戻って、ステップST6の処理の後に、ステップST7に進む。なお、ステップST5,ST6の処理順は、図8に示す順の逆であってもよい。ステップST7では、ステップST5で得られた判定結果JGMおよびステップST6で得られた判定結果JGU,JGDに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。
この場合、判定結果JGUが、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置でないことを示し、かつ判定結果JGDが、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置でないことを示すときは、判定結果JGMに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。すなわち、判定結果JGMが動き領域を示すときは、補間画素位置Pに対して少なくとも上ラインまたは下ラインの画素データを用いて画素データDipを生成し、判定結果JGMが静止領域を示すときは、補間画素位置Pに対して少なくとも前のフィールドまたは後のフィールドの画素データを用いて画素データDipを生成する。
また、判定結果JGUが、補間画素位置Pが画像上境界に位置する画素位置であることを示すときは、補間画素位置Pに対応するライン位置から下方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipを生成し、判定結果JGDが、補間画素位置Pが画像下境界に位置する画素位置であることを示すときは、補間画素位置Pに対応するライン位置から上方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、補間画素位置Pの画素データDipを生成する。
次に、ステップST8で、1フィールド前の画像信号V1について、全ての補間ラインにおける補間データDipを生成する処理が終了したか否かを判定する。処理が終了していないときは、ステップST5に戻り、次の補間画素位置の処理に移る。ステップST8で処理が終了したときは、ステップST9に進む。このステップST9では、ステップST2で入力された画像信号V0に対応した、プログレッシブ信号としての画像信号Vpを出力する。この場合、画像信号V1の各ラインの信号と、それに対応した各補間ラインの信号とを、RAM303から交互に読み出すことで、ライン数が倍とされた、プログレッシブ信号である画像信号Vpを得る。
この場合の出力には、画像信号Vpを出力端子318に出力すること、画像信号VpをHDD305に記録すること、画像信号Vpをドライブ307でリムーバブルディスク306に記録すること、画像信号Vpをディスプレイ314に供給してそれによる画像を表示すること、画像信号Vpを通信部309を介してネットワーク308に送出すること等が含まれる。
このステップST9の処理の後に、ステップST2に戻り、インタレース信号としての画像信号V0の次の1フレーム分あるいは1フィールド分を入力する処理を行って、上述したと同様の処理を繰り返す。
このように、図7に示すフローチャートに沿って処理をすることで、インタレース信号としての画像信号V0を処理して、プログレッシブ信号としての画像信号Vpを得ることができる。
なお、上述実施の形態においては、インタレース信号の補間画素位置Pが画像の上境界または下境界にあるか否かを判定し、その判定結果JGU,JGDに基づいて、補間画素位置Pの画素データDipを生成するものを示したが、この発明に係る画像境界の判定装置および判定方法によれば画像の上境界および下境界を良好に検出できるので、例えば有効画像範囲やレターボックス信号であるか否かの自動検出にも応用可能である。レターボックス信号の検出の場合には、画面の所定位置に上境界、下境界があることが検出されれば、レターボックス信号であると判定できる。
また、上述実施の形態においては、インタレース信号の補間画素位置Pが画像の上境界または下境界にあるか否かを判定するものを示したが、この発明に係る画像境界の判定装置および判定方法は、プログレッシブ信号をも含めて、任意の画素位置が、画像の所定方向、つまり上方向、下方向、右方向、左方向等の境界に位置する画素位置であるか否かを良好に判定できる。
また、上述実施の形態において、メモリ103はIP変換部102の外部に設けたものであるが、このメモリ103をIP変換部102の内部に設けるようにしてもよい。
この発明は、注目画素位置が動き領域か静止領域かを判定し、またこの注目画素位置に対して所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを判定し、注目画素位置が動き領域であり、かつ隣接画素位置が静止領域であるとき、この注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定することで、注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか否かを良好に判定でき、例えばインタレース信号をプログレッシブ信号に変換する際に、補間画素位置が画像の上境界または下境界に位置する画素位置であるかを判定し、その判定結果に基づいて補間画素位置の画素データを生成し、レターボックス信号における主画部の上境界、下境界におけるフリッカーの発生を防止する用途等に適用できる。
実施の形態としての画像表示装置の構成を示すブロック図である。 IP変換部の構成を示すブロック図である。 補間画素位置が動き領域か静止領域かを判定する処理を説明するための図である。 上下境界の判定処理を説明するための図である。 補間画素データの生成処理を説明するための図である。 ソフトウェアで実現するための画像信号処理装置の構成を示すブロック図である。 IP変換処理の手順を示すフローチャートである。 上下境界の判定処理の手順を示すフローチャートである。 インタレース信号を説明するための図である。 一般的なIP変換の処理を説明するための図である。 レターボックス信号による画像がディスプレイの画面上に表示された状態を示す図である。 レターボックス信号の画像上境界付近を拡大して示した図である。
符号の説明
100・・・画像表示装置、101・・・入力端子、102・・・IP変換部、103,105・・・パネルドライバ、106・・・PDP、111・・・書き込み処理部、112・・・読み出し処理部、113・・・上下境界判定部、114・・・動き・静止判定部、115・・・動き適応補間演算回路、116・・・出力ライン選択回路

Claims (11)

  1. 注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する画像境界判定装置において、
    上記注目画素位置が動き領域か静止領域かを、該注目画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第1の動き・静止判定手段と、
    上記注目画素位置に対して上記所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを、該隣接画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第2の動き・静止判定手段と、
    上記第1の動き・静止判定手段で上記注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ上記第2の動き・静止判定手段で上記隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、上記注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する境界判定手段と
    を備えることを特徴とする画像境界判定装置。
  2. 上記第1の動き・静止判定手段は、時間方向の複数の時間位置に対応した画素データを用い、該複数の時間位置における複数の判定結果を得、該複数の判定結果のうち少なくともいずれかが動き領域であることを示すとき、上記注目画素位置が動き領域であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像境界判定装置。
  3. 上記第2の動き・静止判定手段は、時間方向の複数の時間位置に対応した画素データを用い、該複数の時間位置における複数の判定結果を得、該複数の判定結果の全てが静止領域であることを示すとき、上記隣接画素位置が静止領域であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像境界判定装置。
  4. 上記注目画素位置の、上記所定方向とは直交する方向の周辺に存在する所定数の画素位置がそれぞれ動き領域か静止領域かを、該所定数の画素位置にそれぞれ対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第3の動き・静止判定手段をさらに備え、
    上記境界判定手段は、上記第1の動き・静止判定手段で上記注目画素位置が動き領域であると判定されるか、あるいは上記第3の動き・静止判定手段で上記所定数の画素位置のうちいずれかが動き領域であると判定され、かつ上記第2の動き・静止判定手段で上記隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、上記注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像境界判定装置。
  5. 上記隣接画素位置の、上記所定方向とは直交する方向の周辺に存在する所定数の画素位置がそれぞれ動き領域か静止領域かを、該所定数の画素位置にそれぞれ対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第4の動き・静止判定手段をさらに備え、
    上記境界判定手段は、上記第1の動き・静止判定手段で上記注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ上記第2の動き・静止判定手段で上記隣接画素位置が静止領域であると判定され、さらに上記第4の動き・静止判定手段で上記所定数の画素位置が全て静止領域であると判定されるとき、上記注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像境界判定装置。
  6. 注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する画像境界判定方法において、
    上記注目画素位置が動き領域か静止領域かを、該注目画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第1の動き・静止判定ステップと、
    上記注目画素位置に対して上記所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを、該隣接画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第2の動き・静止判定ステップと、
    上記第1の動き・静止判定ステップで上記注目画素位置が動き領域であると判定され、かつ上記第2の動き・静止判定ステップで上記隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、上記注目画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する境界判定ステップと
    を備えることを特徴とする画像境界判定方法。
  7. インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する画像信号処理装置であって、
    補間画素位置が画像のライン方向に直交する上方向または下方向である所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する境界判定部と、
    上記境界判定部の判定結果に基づいて、上記補間画素位置の画素データを生成する画素データ生成部とを備え、
    上記画素データ生成部は、
    上記境界判定部で上記補間画素位置が上記境界に位置する画素位置であると判定される場合、上記補間画素位置に対応するライン位置から上記所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、上記補間画素位置の画素データを生成する
    ことを特徴とする画像信号処理装置。
  8. 上記画素データ生成部は、
    上記補間画素位置に対応した、上記所定方向とは逆の方向に、上記補間画素位置に対応するラインに隣接するラインの画素の第1の画素データ、上記補間画素位置に対応した前のフィールドの画素の第2の画素データおよび上記補間画素位置に対応した後のフィールドの画素の第3の画素データのうち、中央値の画素データを上記補間画素位置の画素データとする
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像信号処理装置。
  9. 上記補間画素位置が動き領域か静止領域かを判定する動き・静止判定部をさらに備え、
    上記画素データ生成部は、
    上記境界判定部で上記補間画素位置が上記境界に位置する画素位置でないと判定される場合、上記動き・静止判定部で上記補間画素位置が動き領域と判定されるとき、上記補間画素位置に対して少なくとも上ラインまたは下ラインの画素データを用いて上記補間画素位置の画素データを生成し、上記動き・静止判定部で上記補間画素位置が静止領域と判定されるとき、上記補間画素位置に対して少なくとも前のフィールドまたは後のフィールドの画素データを用いて上記補間画素位置の画素データを生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像信号処理装置。
  10. 上記境界判定部は、
    上記補間画素位置が動き領域か静止領域かを、該補間画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第1の動き・静止判定手段と、
    上記補間画素位置に対して上記所定方向に隣接する隣接画素位置が動き領域か静止領域かを、該隣接画素位置に対応した時間方向の所定の時間位置の画素データを用いて判定する第2の動き・静止判定手段と、
    上記第1の動き・静止判定手段で上記補間画素位置が動き領域であると判定され、かつ上記第2の動き・静止判定手段で上記隣接画素位置が静止領域であると判定されるとき、上記補間画素位置が画像の所定方向の境界に位置する画素位置であると判定する境界判定手段とを有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像信号処理装置。
  11. インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する画像信号処理方法であって、
    補間画素位置が画像のライン方向に直交する上方向または下方向である所定方向の境界に位置する画素位置であるか判定する境界判定ステップと、
    上記境界判定ステップの判定結果に基づいて、上記補間画素位置の画素データを生成する画素データ生成ステップとを備え、
    上記画素データ生成ステップでは、
    上記境界判定ステップで上記補間画素位置が上記境界に位置する画素位置であると判定される場合、上記補間画素位置に対応するライン位置から上記所定方向とは逆の方向に位置する所定ラインの画素データを用いて、上記補間画素位置の画素データを生成する
    ことを特徴とする画像信号処理方法。
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