JP2005038654A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行う。
【解決手段】第1のコイル組合せの状態Aか第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択する切替え手段9と、インバータ部3の入力電流を検出する入力電流検出手段12と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段14と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段17と、これらを制御し前記判別基準手段17の判別基準に基づき前記入力電流検出手段12とコイル電流検出手段14の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段16とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段17は複数の判別基準17a、17bを有し、前記制御手段16は前記切替え手段9の状態に連動して判別基準17a、17bを切替える。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のコイル組合せの状態Aか第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択する切替え手段9と、インバータ部3の入力電流を検出する入力電流検出手段12と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段14と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段17と、これらを制御し前記判別基準手段17の判別基準に基づき前記入力電流検出手段12とコイル電流検出手段14の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段16とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段17は複数の判別基準17a、17bを有し、前記制御手段16は前記切替え手段9の状態に連動して判別基準17a、17bを切替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱調理器における負荷の加熱適否の判別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱調理器は、高周波電流を流すコイルの近傍に配した金属負荷(鍋)に渦電流を発生させ、そのジュール熱によって負荷自体が自己発熱することで効率よく加熱することができる。近年、ガスコンロや電熱ヒータによる調理器具に対して、安全性や温度制御性に優れている点等により、これらから誘導加熱調理器への置き換えが進んでいる。
【0003】
高周波電流を流す手段は、いわゆる共振型インバータと呼ばれ、金属負荷を含めたコイルのインダクタンスと共振コンデンサを接続し、スイッチング素子を20〜40kHz程度の周波数でオンオフする構成が一般的である。共振型インバータには電圧共振型と電流共振型があり、前者は100V電源用、後者は200V電源用として適用されることが多い。
【0004】
当初の誘導加熱調理器は鉄などの磁性金属のみが加熱できるだけであったが、近年は非磁性ステンレスなども加熱できるようになっている。さらに、加熱できないとされてきたアルミニウム負荷を加熱できるような構成のものも提案されている。
【0005】
共振型インバータを使用した誘導加熱調理器においては、金属負荷とコイルで決まるインダクタンス(等価インダクタンス)と、さらに発熱に寄与する抵抗分(等価抵抗)が発熱のし易さに影響することが分っている。つまり、鉄や磁性ステンレスなどの磁性金属では電力を投入し易く、非磁性ステンレスやアルミ、銅などの非磁性金属は電力を投入し難い。後者が電力を投入され難いのは、等価抵抗が低く、負荷金属部に誘起される渦電流がジュール熱になり難いためである。
【0006】
特許文献1に開示された技術は、前記問題に対処するもので、負荷の種類によりコイルの巻数等を変更して、負荷とコイルとの結合度を高くし、前記等価抵抗を上昇させることで熱効率を上げ、非磁性金属の負荷でも加熱可能とすることを狙ったものである。
【0007】
一方、特許文献2に開示された技術は、入力電圧を検出する入力電圧検出手段と入力電流を検出する入力電流検出手段とコイルの電流を検出するコイル電流検出手段とを設け、これらの出力の組合せにより負荷の加熱適否を判別するものである。
【0008】
前記二者の技術を組み合わせることによって、負荷の種類によりコイルの巻数等を変更して加熱する誘導加熱調理器において、負荷の加熱適否の判別をすることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−224767号公報
【特許文献2】
特開2001−6867号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、特許文献1と特許文献2に開示された技術を組み合わせることによって、負荷の種類によりコイルの巻数等を変更して加熱する誘導加熱調理器において、負荷の加熱適否を一応判別することができる。
【0011】
しかしながら、コイルの巻数等を変更することによって、共振条件が変化し、加熱に適した負荷か否かを判別するために必要な条件が多岐にわたるので、前記組合せ技術はこれに対応するに不充分であった。
【0012】
本発明は前記不具合を解決するものであり、加熱ムラを低減しつつ、非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行うことを目的とする。
【0013】
また、素子等に過負荷がかかる状態を回避もしくは短時間に抑え、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないことを目的とする。
【0014】
さらに、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル、第二のコイル、第三のコイルと、前記第一のコイルと第三のコイルを組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイルと第二のコイルと第三のコイルを組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段と、前記高周波電流を流すためのインバータ部と、このインバータ部の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段と、これらを制御し前記判別基準手段の判別基準に基づき前記入力電流検出手段とコイル電流検出手段の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段は複数の判別基準を有し、前記制御手段は前記切替え手段の状態に連動して判別基準を切替えるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述のように、それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル、第二のコイル、第三のコイルと、前記第一のコイルと第三のコイルを組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイルと第二のコイルと第三のコイルを組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段と、前記高周波電流を流すためのインバータ部と、このインバータ部の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段と、これらを制御し前記判別基準手段の判別基準に基づき前記入力電流検出手段とコイル電流検出手段の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段は複数の判別基準を有し、前記制御手段は前記切替え手段の状態に連動して判別基準を切替えるものである。
【0017】
これにより、加熱ムラを低減しつつ、非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行うことができる。
【0018】
また、前記切替え手段の状態は一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止するものなので、素子等に過負荷がかかる状態を回避もしくは短時間に抑え、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないことができる。
【0019】
さらに、通電開始の初期段階において第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができる。
【0020】
さらに、通電開始の初期段階において第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に従って説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施例の誘導加熱調理器の要部回路ブロック図、図2は本発明の一実施例におけるコイルの接続状態を示す図、図3は負荷とコイルを合わせた等価抵抗と等価インダクタンス変化例を示した図、図4は負荷加熱時の駆動周波数と入力電力の関係を示す図、図5は負荷加熱時の入力電流とコイル電流の特性例を示す図、図6は図5に示した加熱適否判別基準を実現する手段を示す図、図7は本発明の一実施例における状態Aと状態Bの切替え手順を時系列で示した図である。
【0023】
尚、図2以降においては、図1の実施例と共通する構成の一部を省略すると共に、重複する説明を省略する。各実施例の図における同一符号は、同一物又は相当物を示す。また、同種の物が二つ以上あり、これらを判別して説明した方が分り易い場合は、数字の符号にa、bの英字の接尾辞を付けている。
【0024】
図1において、1は交流電源である。2は直流電源回路で、交流電源1を整流して直流化し、直流電源を出力する。3はインバータ部で、直流電源回路2の出力に接続され、高周波電流を流すために以下に示す符号4、5、6、7、8で構成される。
【0025】
4はスイッチング素子で、二つを直列接続し、両端は直流電源回路2の出力端子(図の+端子および−端子)に接続され、二つのスイッチング素子4が交互にオンオフすることによりハーフブリッジ型共振インバータ手段となり、後記共振コンデンサ5と後記第一のコイル6、第三のコイル7、第二のコイル8に高周波電流を流す。
【0026】
5は共振コンデンサで、一端は二つのスイッチング素子4の中点に接続され、他端は後記第一のコイル6の一端に接続される。
【0027】
6、7、8は第一のコイル、第三のコイル、第二のコイルで、直列に接続され、高周波電流が流れることにより近傍に配された負荷(図示せず)を加熱する。これらの構造については後述する。
【0028】
9は切替え手段で、C接点のスイッチで形成され、コモン端子は直流電源回路2の−端子に接続され、他の端子には第二のコイル8の一端と接続され、さらに残りの端子には第二のコイル8の他端と接続され、前記第一のコイル6と第三のコイル7を組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイル6と第二のコイル8と第三のコイル7を組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す。
【0029】
つまり、切替え手段9の状態により、第一のコイル6と第三のコイル7を直列接続した状態と、第一のコイル6と第三のコイル7と第二のコイル8を直列接続した状態とを選択することができる。
【0030】
10はドライブ手段で、入力は後記制御手段16に接続され、二つの出力はそれぞれ二つのスイッチング素子4のゲート端子に接続され、二つのスイッチング素子4にドライブ信号を出力して駆動する。
【0031】
11は電源電圧検出手段で、交流電源1の両端に接続され、交流電源1の電圧を検出し、検出結果の信号を後記制御手段16に出力する。12は入力電流検出手段で、交流電源1と直流電源回路2との間に配置されたカレントトランス13により、インバータ部3の入力電流を検出し、検出結果の信号を後記制御手段16に出力する。
【0032】
14はコイル電流検出手段で、二つのスイッチング素子4の中点と共振コンデンサ5との間に配置されたカレントトランス15により、高周波電流を検出し、検出結果の信号を後記制御手段16に出力する。
【0033】
16は制御手段で、切替え手段9、ドライブ手段10、電源電圧検出手段11、入力電流検出手段12、コイル電流検出手段14、後記判別基準切替え手段18に接続され、ドライブ手段10に対して駆動周波数や駆動デューティを設定し、ドライブ手段10を介してスイッチング素子4を駆動する。また、制御手段16は電源電圧検出手段11、入力電流検出手段12、コイル電流検出手段14からそれぞれの信号を入力して、負荷の状態を判別し、負荷の状態に適したスイッチング素子4駆動状態を設定する。
【0034】
17は判別基準手段で、複数の判別基準、本実施例では二つの判別基準17a、17bを有している。
【0035】
18は判別基準切替え手段で、C接点のスイッチで形成され、コモン端子は制御手段16に接続され、他の端子には判別基準手段17内の判別基準17aと接続され、さらに残りの端子には判別基準手段17内の判別基準17bと接続され、制御手段16の指令により切替え手段9の切替えに同期して切替えを行い、判別基準17aか17bのいずれかを制御手段16に接続する。
【0036】
次に、図2に従って、第一、第二、第三のコイル6、8、7のコイル組合せの状態について説明する。
【0037】
図2において、第一、第二、第三のコイル6、8、7はそれぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配されている。図2(a)は前記第一のコイル6と第三のコイル7を組合せとする第1のコイル組合せの状態Aを示すもので、切替え手段9により、インバータスイッチング部に第一のコイル6と第三のコイル7が直列接続され、どのコイルも同一方向に高周波電流が流れるように設定している。
【0038】
尚、図は各コイルの断面を表しており、コイルを表す円の中に黒丸の付いたものは紙面の表面側に向かって高周波電流が流れ、×印の付いたものは紙面の裏側に向かって高周波電流が流れ、印のないものは電流が流れていないことを示している。
【0039】
図2(b)は第一のコイル6と第二のコイル8と第三のコイル7を組合せとする第2のコイル組合せの状態Bを示すもので、切替え手段9により、インバータスイッチング部に第一のコイル6と第二のコイル8と第三のコイル7が直列接続され、どのコイルも同一方向に高周波電流が流れるように設定している。
【0040】
以上のように、切替え手段9の切替えにより、前記第1のコイル組合せの状態(図2(a))と第2のコイル組合せの状態(図2(b))を切替えることが可能であり、且つ、どのコイルにも同一方向に高周波電流を流すものである。
【0041】
以下、図2(a)、図2(b)のコイル組合せの状態をそれぞれ状態A、状態Bと呼ぶ。
【0042】
尚、図2においては、各コイルの接続状態を切替える構成のみ説明しているが、各コイルの接続状態の切替えとともに共振コンデンサ5の静電容量も切替える構成としてもよい。
【0043】
図3は、状態Aおよび状態Bにおいて、負荷をコイル近傍に配置した場合の、負荷とコイルを合わせた等価抵抗と等価インダクタンスの変化例を示したものである。
【0044】
図中、Xは鉄などの磁性負荷、Yはアルミなどの非磁性負荷である。
【0045】
負荷は同一のコイル電流を流す場合、等価抵抗が高いほど発熱し易くなる。しかし、同時に等価インダクタンスが大きくなると、インバータ部3で必要とする電圧を高くする必要があるとともに、等価抵抗自体による電流制限が働いたり、共振周波数が下がり過ぎてしまい、法規上の問題が生じる。
【0046】
状態Aにおける負荷Xと負荷Yの等価抵抗と等価インダクタンスを比較すると、次記のようになる。ここで、RxAは状態Aにおける負荷Xの等価抵抗、RyAは同じく負荷Yの等価抵抗、LxAは状態Aにおける負荷Xの等価インダクタンス、LyAは同じく負荷Yの等価インダクタンスである。
【0047】
等価抵抗については、RxA>RyA
等価インダクタンスについては、LxA>LyA
であり、負荷Xは加熱に適している状態であるが、負荷Yは等価抵抗、等価インダクタンスとも低いため、スイッチング素子4に過電流が流れたり、共振コンデンサ5に過負荷がかかる可能性がある。従って、状態Aにおいては、負荷Xは加熱できるが、負荷Yは加熱できないと判断することになる。
【0048】
しかし、状態Bにおいては、図に示すように、負荷Yの等価抵抗、等価インダクタンスは大きくなり、状態Aにおける負荷Xの等価抵抗、等価インダクタンスに近づくので、加熱に適した状態に近づく。但し、共振コンデンサ5の静電容量と等価インダクタンスで決まる共振周波数は負荷Xと負荷Yとでは大きく異なるため、駆動周波数の変更が必要となる。
【0049】
図4は状態Aにおける負荷X、および状態Bにおける負荷Yの場合の駆動周波数と入力電力の関係を示したものである。上記のように、負荷Xと負荷Yの共振周波数が異なるが、最大の入力電力を得ることができる周波数はインバータの駆動周波数と共振周波数(破線部)が一致した点である。
【0050】
本図で明らかなように、コイルと負荷(および共振コンデンサ)の組合せにより、適切な駆動周波数が異なる。
【0051】
また、組合せにより等価抵抗も異なることから入力電力に対するインバータの電流すなわちコイル電流も異なった特性を示す。これについては次に説明する。
【0052】
図5(a)、(b)は状態A、状態Bにおいて、負荷Xと負荷Yを加熱しようとした場合の入力電流とコイル電流の特性例である。
【0053】
状態A(図5(a))においては、負荷Xは入力電流が高くなってもコイル電流は極端に高くはならない。しかし、負荷Yは入力電流が低い状態であってもコイル電流は高い値を示し、入力電流が高くなるとコイル電流は急激に上昇する。この理由は、負荷Yが低い等価抵抗、低い等価インダクタンスだからである。
【0054】
コイル電流が高い値になると、インバータ部3の回路素子等に過負荷が加わり、破壊もしくは信頼性の低下につながる。そこで、入力電流とコイル電流の特性において、加熱適否の判別閾値すなわち判別領域を設定し、インバータ部3の回路素子等に過負荷が加わることを防止する。
【0055】
図における破線が判別閾値であり、この判別閾値を境に加熱適の領域すなわちOK領域と、加熱不適の領域すなわちNG領域とを設定し、加熱適否判別基準を設ける。これは図5(b)においても同様である。
【0056】
状態B(図5(b))においては、負荷Xは高い等価抵抗、高い等価インダクタンスのために、スイッチング素子4の駆動に対して、ほとんど電流が流れない状態となる。しかし、負荷Yは状態Aに比べて等価抵抗、等価インダクタンスとも高くなるため、加熱に適した範囲内すなわちOK領域内に入る。
【0057】
そこで、インバータ部3の回路素子等に過負荷を加えないとともに、電流自体が流れ難い状態を継続しないようにするために、図の破線のような加熱適否の判別閾値を設定する。
【0058】
図6は図5に示した加熱適否判別基準を実現する手段を示す図であり、図6(a)、(b)はそれぞれ図5(a)、(b)に対応している。
【0059】
図6に示すものは、横軸は入力電流、縦軸はコイル電流をアドレスとして加熱適否の判別基準をメモリで実現したものである。入力電流、コイル電流それぞれの値で決定するアドレスのメモリに加熱適否のフラグ(図中では「0」は加熱不適、「1」は加熱適を示す。)を設定しておくことにより、入力電流検出手段12で検出した入力電流と、コイル電流検出手段14で検出した高周波電流すなわちコイル電流から、直ちに加熱適否の情報を得ることができる。
【0060】
尚、必要に応じて、電源電圧検出手段11で検出した電源電圧値によって補正を加え、一層精度の高い判別を行うこともできる。
【0061】
また、状態Aと状態Bでは加熱適否の判別基準は異なるため、それぞれに対応した判別基準17a(図6(a))、17b(図6(b))をメモリで実現している。
【0062】
これら判別基準17a、17bの切替えは、図1における切替え手段9の切替えと同期して判別基準切替え手段18で行う。
【0063】
このような構成とすることにより、コイル組合せの状態によって加熱適否の判別基準を個別に用意することが実現できるので、適切かつ迅速な判別を行うことができる。
【0064】
図7は本実施例における状態Aと状態Bの切替え手順を時系列で示したもので、本図における状態Aもしくは状態Bは、加熱しようとする負荷とは直接関係なく、制御手段16が設定する共振回路の組合せである。従って、状態Bに適した負荷が配置されている場合でも状態Aを設定することができ、また、その逆も可能である。
【0065】
図7(1)は、状態Aで通電開始した場合において、状態Aに適した負荷、つまり鉄などの磁性負荷を加熱する場合の動作を示す。
【0066】
動作A0は通電初期段階における加熱適否の判別中を示し、動作A1は制御手段16の設定する目標電力に応じた通電制御中を示す。
【0067】
図7(2)は、状態A、磁性負荷において、加熱中に負荷を取り去った場合の動作を示す。時刻Tで負荷を取り去ると、動作A1から動作A2に切り替わる。動作A2は負荷が無い状態やコイルから大きく離れた状態を検知して、所定の時間毎に動作A0を所定時間の間繰り返す。
【0068】
具体的には、一旦通電を停止し、所定の時間が経過した後に動作A0を行い、加熱適と判別した場合は動作A1に移行し、加熱不適と判別した場合は再度通電を停止し、所定の時間が経過した後に動作A0を行うという動作を繰り返す。
【0069】
ここで、動作A2の期間は期限Tmを設けるものとする。これは、負荷が取り去られた状態が、調理を中止したからなのか、もしくは鍋あおりなどの調理方法によるものなのかを判定するためである。
【0070】
図7(3)は、状態Aの通電開始時の動作A0において加熱不適と判別した場合であり、その後、制御手段16は状態Aから状態Bに切替える。つまり、切替え手段9および判別基準切替え手段18を状態B用に変更する。
【0071】
そして、動作B0において加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合は引き続き動作B1を行う。動作B1は状態Bにおいて制御手段16の設定する目標電力に応じた通電制御中を示す。
【0072】
時刻T2で負荷を取り去ると、動作は動作B1から動作B2に切り替わる。動作B2は動作A2とほぼ同様の処理を行うもので、所定の時間毎に動作B0を所定時間Tm2の間繰り返す。
【0073】
上記図7(1)から同図(3)に示す動作については、状態Aと状態Bが逆になってもよい。これは、要するに状態Aと状態Bのどちらを優先とするかである。
【0074】
図7(4)は、状態Aと状態Bのどちらにも設定しうる負荷の場合であり、さらには、どちらの状態においても加熱適と加熱不適の境界線上にある場合を想定している。
【0075】
状態Aで通電開始後、動作A0において加熱不適と判別し、制御手段16は状態Aから状態Bに切替え、動作B0を実行する。動作B0において一旦加熱適と判別し、動作B1に移行後、動作B1中に加熱不適判別となり、動作B2に移行する。動作B2においても加熱不適となったときには、制御手段16は状態Bから状態Aに切り替えて動作A0から再度通電を試みる。
【0076】
この例では、状態Aと状態Bとの切り替えを繰り返すことになり、実質的には調理に適用できる通電電力を得られない恐れがある。
【0077】
具体的に例を挙げれば、状態Aで加熱中に負荷を状態Bに適した負荷と交換する場合や、一つの加熱部に複数の材質の負荷を混在した場合などがあり、(4)の動作、または動作Aと状態Bとが逆になった動作が発生しやすい。
【0078】
この動作が発生した場合には、第一のコイル6、第二のコイル8、第三のコイル7や共振コンデンサ5はもとより、スイッチング素子4などに過負荷がかかり、これらの素子の故障や、ひいては製品の動作不能を引き起こす恐れがある。
【0079】
図7(5)は、図7(4)の動作を改善した第1の例であり、状態Aと状態Bの切り替え回数を通電初期段階の1回のみに制限したものである。つまり、状態Aから状態Bへの切り替えは1回しか行われず、通電中に加熱不適の判別が発生した場合においても、状態の切り替えは行わず、且つ、状態設定した判別基準において加熱適否を判別するのみとする。これにより、状態を切り替えての判別の繰り返しは生ずることがなく、速やかに通電を停止することができ、素子への過負荷も防ぐことができるものである。
【0080】
図7(6)は、図7(4)の動作を改善した第2の例であり、状態Aと状態Bの切り替え回数は所定の回数までとするとともに、一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止するものである。
【0081】
本例では、所定の切り替え回数は3回とし、一旦切替えた後の再度の切替えを禁止する所定の時間は状態BについてはTsに設定した場合である。
【0082】
この方法は、加熱中に加熱不適に近い状態が発生した場合、それぞれの状態に適した通電制限をかけることができるため、どちらの状態においても素子への過負荷を防ぐことができる。さらに、状態Aと状態B間の切替えまでに所定の時間Tsが必要となるため、(4)の動作のような頻繁な切替え動作を行うことが無くなり、切替え回数の制限に達した場合以降は状態の切替えを行わないので、素子への過負荷を防ぐことができる。
【0083】
(5)および(6)の動作においては、加熱に適していない状態が継続することなく、所定の時間で停止しうるので、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないという利点がある。
【0084】
尚、以上の説明において、判別基準手段17の有する判別基準数を二つとしたが、これに限るものではなく、三つ以上としてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の誘導加熱調理器によれば、それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル、第二のコイル、第三のコイルと、前記第一のコイルと第三のコイルを組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイルと第二のコイルと第三のコイルを組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段と、前記高周波電流を流すためのインバータ部と、このインバータ部の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段と、これらを制御し前記判別基準手段の判別基準に基づき前記入力電流検出手段とコイル電流検出手段の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段は複数の判別基準を有し、前記制御手段は前記切替え手段の状態に連動して判別基準を切替えるものである。
【0086】
これにより、加熱ムラを低減しつつ、非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行うことができるという効果を奏する。
【0087】
また、前記切替え手段の状態は一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止するものなので、素子等に過負荷がかかる状態を回避もしくは短時間に抑え、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないことができるという効果を奏する。
【0088】
さらに、通電開始の初期段階において第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができるという効果を奏する。
【0089】
さらに、通電開始の初期段階において第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘導加熱調理器の要部回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例におけるコイルの接続状態を示す図であり、同図(a)は状態Aを示し、同図(b)は状態Bを示す。
【図3】負荷とコイルを合わせた等価抵抗と等価インダクタンス変化例を示した図である。
【図4】負荷加熱時の駆動周波数と入力電力の関係を示す図である。
【図5】負荷加熱時の入力電流とコイル電流の特性例を示す図であり、同図(a)は状態Aの場合を示し、同図(b)は状態Bの場合を示す。
【図6】図5に示した加熱適否判別基準を実現する手段を示す図であり、同図(a)は状態Aの場合を示し、同図(b)は状態Bの場合を示す。
【図7】本発明の一実施例における状態Aと状態Bの切替え手順を時系列で示した図である。
【符号の説明】
3 インバータ部
6 第一のコイル
7 第三のコイル
8 第二のコイル
9 切替え手段
12 入力電流検出手段
14 コイル電流検出手段
16 制御手段
17 判別基準手段
17a、17b 判別基準
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱調理器における負荷の加熱適否の判別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱調理器は、高周波電流を流すコイルの近傍に配した金属負荷(鍋)に渦電流を発生させ、そのジュール熱によって負荷自体が自己発熱することで効率よく加熱することができる。近年、ガスコンロや電熱ヒータによる調理器具に対して、安全性や温度制御性に優れている点等により、これらから誘導加熱調理器への置き換えが進んでいる。
【0003】
高周波電流を流す手段は、いわゆる共振型インバータと呼ばれ、金属負荷を含めたコイルのインダクタンスと共振コンデンサを接続し、スイッチング素子を20〜40kHz程度の周波数でオンオフする構成が一般的である。共振型インバータには電圧共振型と電流共振型があり、前者は100V電源用、後者は200V電源用として適用されることが多い。
【0004】
当初の誘導加熱調理器は鉄などの磁性金属のみが加熱できるだけであったが、近年は非磁性ステンレスなども加熱できるようになっている。さらに、加熱できないとされてきたアルミニウム負荷を加熱できるような構成のものも提案されている。
【0005】
共振型インバータを使用した誘導加熱調理器においては、金属負荷とコイルで決まるインダクタンス(等価インダクタンス)と、さらに発熱に寄与する抵抗分(等価抵抗)が発熱のし易さに影響することが分っている。つまり、鉄や磁性ステンレスなどの磁性金属では電力を投入し易く、非磁性ステンレスやアルミ、銅などの非磁性金属は電力を投入し難い。後者が電力を投入され難いのは、等価抵抗が低く、負荷金属部に誘起される渦電流がジュール熱になり難いためである。
【0006】
特許文献1に開示された技術は、前記問題に対処するもので、負荷の種類によりコイルの巻数等を変更して、負荷とコイルとの結合度を高くし、前記等価抵抗を上昇させることで熱効率を上げ、非磁性金属の負荷でも加熱可能とすることを狙ったものである。
【0007】
一方、特許文献2に開示された技術は、入力電圧を検出する入力電圧検出手段と入力電流を検出する入力電流検出手段とコイルの電流を検出するコイル電流検出手段とを設け、これらの出力の組合せにより負荷の加熱適否を判別するものである。
【0008】
前記二者の技術を組み合わせることによって、負荷の種類によりコイルの巻数等を変更して加熱する誘導加熱調理器において、負荷の加熱適否の判別をすることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−224767号公報
【特許文献2】
特開2001−6867号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、特許文献1と特許文献2に開示された技術を組み合わせることによって、負荷の種類によりコイルの巻数等を変更して加熱する誘導加熱調理器において、負荷の加熱適否を一応判別することができる。
【0011】
しかしながら、コイルの巻数等を変更することによって、共振条件が変化し、加熱に適した負荷か否かを判別するために必要な条件が多岐にわたるので、前記組合せ技術はこれに対応するに不充分であった。
【0012】
本発明は前記不具合を解決するものであり、加熱ムラを低減しつつ、非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行うことを目的とする。
【0013】
また、素子等に過負荷がかかる状態を回避もしくは短時間に抑え、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないことを目的とする。
【0014】
さらに、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル、第二のコイル、第三のコイルと、前記第一のコイルと第三のコイルを組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイルと第二のコイルと第三のコイルを組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段と、前記高周波電流を流すためのインバータ部と、このインバータ部の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段と、これらを制御し前記判別基準手段の判別基準に基づき前記入力電流検出手段とコイル電流検出手段の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段は複数の判別基準を有し、前記制御手段は前記切替え手段の状態に連動して判別基準を切替えるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述のように、それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル、第二のコイル、第三のコイルと、前記第一のコイルと第三のコイルを組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイルと第二のコイルと第三のコイルを組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段と、前記高周波電流を流すためのインバータ部と、このインバータ部の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段と、これらを制御し前記判別基準手段の判別基準に基づき前記入力電流検出手段とコイル電流検出手段の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段は複数の判別基準を有し、前記制御手段は前記切替え手段の状態に連動して判別基準を切替えるものである。
【0017】
これにより、加熱ムラを低減しつつ、非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行うことができる。
【0018】
また、前記切替え手段の状態は一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止するものなので、素子等に過負荷がかかる状態を回避もしくは短時間に抑え、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないことができる。
【0019】
さらに、通電開始の初期段階において第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができる。
【0020】
さらに、通電開始の初期段階において第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に従って説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施例の誘導加熱調理器の要部回路ブロック図、図2は本発明の一実施例におけるコイルの接続状態を示す図、図3は負荷とコイルを合わせた等価抵抗と等価インダクタンス変化例を示した図、図4は負荷加熱時の駆動周波数と入力電力の関係を示す図、図5は負荷加熱時の入力電流とコイル電流の特性例を示す図、図6は図5に示した加熱適否判別基準を実現する手段を示す図、図7は本発明の一実施例における状態Aと状態Bの切替え手順を時系列で示した図である。
【0023】
尚、図2以降においては、図1の実施例と共通する構成の一部を省略すると共に、重複する説明を省略する。各実施例の図における同一符号は、同一物又は相当物を示す。また、同種の物が二つ以上あり、これらを判別して説明した方が分り易い場合は、数字の符号にa、bの英字の接尾辞を付けている。
【0024】
図1において、1は交流電源である。2は直流電源回路で、交流電源1を整流して直流化し、直流電源を出力する。3はインバータ部で、直流電源回路2の出力に接続され、高周波電流を流すために以下に示す符号4、5、6、7、8で構成される。
【0025】
4はスイッチング素子で、二つを直列接続し、両端は直流電源回路2の出力端子(図の+端子および−端子)に接続され、二つのスイッチング素子4が交互にオンオフすることによりハーフブリッジ型共振インバータ手段となり、後記共振コンデンサ5と後記第一のコイル6、第三のコイル7、第二のコイル8に高周波電流を流す。
【0026】
5は共振コンデンサで、一端は二つのスイッチング素子4の中点に接続され、他端は後記第一のコイル6の一端に接続される。
【0027】
6、7、8は第一のコイル、第三のコイル、第二のコイルで、直列に接続され、高周波電流が流れることにより近傍に配された負荷(図示せず)を加熱する。これらの構造については後述する。
【0028】
9は切替え手段で、C接点のスイッチで形成され、コモン端子は直流電源回路2の−端子に接続され、他の端子には第二のコイル8の一端と接続され、さらに残りの端子には第二のコイル8の他端と接続され、前記第一のコイル6と第三のコイル7を組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイル6と第二のコイル8と第三のコイル7を組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す。
【0029】
つまり、切替え手段9の状態により、第一のコイル6と第三のコイル7を直列接続した状態と、第一のコイル6と第三のコイル7と第二のコイル8を直列接続した状態とを選択することができる。
【0030】
10はドライブ手段で、入力は後記制御手段16に接続され、二つの出力はそれぞれ二つのスイッチング素子4のゲート端子に接続され、二つのスイッチング素子4にドライブ信号を出力して駆動する。
【0031】
11は電源電圧検出手段で、交流電源1の両端に接続され、交流電源1の電圧を検出し、検出結果の信号を後記制御手段16に出力する。12は入力電流検出手段で、交流電源1と直流電源回路2との間に配置されたカレントトランス13により、インバータ部3の入力電流を検出し、検出結果の信号を後記制御手段16に出力する。
【0032】
14はコイル電流検出手段で、二つのスイッチング素子4の中点と共振コンデンサ5との間に配置されたカレントトランス15により、高周波電流を検出し、検出結果の信号を後記制御手段16に出力する。
【0033】
16は制御手段で、切替え手段9、ドライブ手段10、電源電圧検出手段11、入力電流検出手段12、コイル電流検出手段14、後記判別基準切替え手段18に接続され、ドライブ手段10に対して駆動周波数や駆動デューティを設定し、ドライブ手段10を介してスイッチング素子4を駆動する。また、制御手段16は電源電圧検出手段11、入力電流検出手段12、コイル電流検出手段14からそれぞれの信号を入力して、負荷の状態を判別し、負荷の状態に適したスイッチング素子4駆動状態を設定する。
【0034】
17は判別基準手段で、複数の判別基準、本実施例では二つの判別基準17a、17bを有している。
【0035】
18は判別基準切替え手段で、C接点のスイッチで形成され、コモン端子は制御手段16に接続され、他の端子には判別基準手段17内の判別基準17aと接続され、さらに残りの端子には判別基準手段17内の判別基準17bと接続され、制御手段16の指令により切替え手段9の切替えに同期して切替えを行い、判別基準17aか17bのいずれかを制御手段16に接続する。
【0036】
次に、図2に従って、第一、第二、第三のコイル6、8、7のコイル組合せの状態について説明する。
【0037】
図2において、第一、第二、第三のコイル6、8、7はそれぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配されている。図2(a)は前記第一のコイル6と第三のコイル7を組合せとする第1のコイル組合せの状態Aを示すもので、切替え手段9により、インバータスイッチング部に第一のコイル6と第三のコイル7が直列接続され、どのコイルも同一方向に高周波電流が流れるように設定している。
【0038】
尚、図は各コイルの断面を表しており、コイルを表す円の中に黒丸の付いたものは紙面の表面側に向かって高周波電流が流れ、×印の付いたものは紙面の裏側に向かって高周波電流が流れ、印のないものは電流が流れていないことを示している。
【0039】
図2(b)は第一のコイル6と第二のコイル8と第三のコイル7を組合せとする第2のコイル組合せの状態Bを示すもので、切替え手段9により、インバータスイッチング部に第一のコイル6と第二のコイル8と第三のコイル7が直列接続され、どのコイルも同一方向に高周波電流が流れるように設定している。
【0040】
以上のように、切替え手段9の切替えにより、前記第1のコイル組合せの状態(図2(a))と第2のコイル組合せの状態(図2(b))を切替えることが可能であり、且つ、どのコイルにも同一方向に高周波電流を流すものである。
【0041】
以下、図2(a)、図2(b)のコイル組合せの状態をそれぞれ状態A、状態Bと呼ぶ。
【0042】
尚、図2においては、各コイルの接続状態を切替える構成のみ説明しているが、各コイルの接続状態の切替えとともに共振コンデンサ5の静電容量も切替える構成としてもよい。
【0043】
図3は、状態Aおよび状態Bにおいて、負荷をコイル近傍に配置した場合の、負荷とコイルを合わせた等価抵抗と等価インダクタンスの変化例を示したものである。
【0044】
図中、Xは鉄などの磁性負荷、Yはアルミなどの非磁性負荷である。
【0045】
負荷は同一のコイル電流を流す場合、等価抵抗が高いほど発熱し易くなる。しかし、同時に等価インダクタンスが大きくなると、インバータ部3で必要とする電圧を高くする必要があるとともに、等価抵抗自体による電流制限が働いたり、共振周波数が下がり過ぎてしまい、法規上の問題が生じる。
【0046】
状態Aにおける負荷Xと負荷Yの等価抵抗と等価インダクタンスを比較すると、次記のようになる。ここで、RxAは状態Aにおける負荷Xの等価抵抗、RyAは同じく負荷Yの等価抵抗、LxAは状態Aにおける負荷Xの等価インダクタンス、LyAは同じく負荷Yの等価インダクタンスである。
【0047】
等価抵抗については、RxA>RyA
等価インダクタンスについては、LxA>LyA
であり、負荷Xは加熱に適している状態であるが、負荷Yは等価抵抗、等価インダクタンスとも低いため、スイッチング素子4に過電流が流れたり、共振コンデンサ5に過負荷がかかる可能性がある。従って、状態Aにおいては、負荷Xは加熱できるが、負荷Yは加熱できないと判断することになる。
【0048】
しかし、状態Bにおいては、図に示すように、負荷Yの等価抵抗、等価インダクタンスは大きくなり、状態Aにおける負荷Xの等価抵抗、等価インダクタンスに近づくので、加熱に適した状態に近づく。但し、共振コンデンサ5の静電容量と等価インダクタンスで決まる共振周波数は負荷Xと負荷Yとでは大きく異なるため、駆動周波数の変更が必要となる。
【0049】
図4は状態Aにおける負荷X、および状態Bにおける負荷Yの場合の駆動周波数と入力電力の関係を示したものである。上記のように、負荷Xと負荷Yの共振周波数が異なるが、最大の入力電力を得ることができる周波数はインバータの駆動周波数と共振周波数(破線部)が一致した点である。
【0050】
本図で明らかなように、コイルと負荷(および共振コンデンサ)の組合せにより、適切な駆動周波数が異なる。
【0051】
また、組合せにより等価抵抗も異なることから入力電力に対するインバータの電流すなわちコイル電流も異なった特性を示す。これについては次に説明する。
【0052】
図5(a)、(b)は状態A、状態Bにおいて、負荷Xと負荷Yを加熱しようとした場合の入力電流とコイル電流の特性例である。
【0053】
状態A(図5(a))においては、負荷Xは入力電流が高くなってもコイル電流は極端に高くはならない。しかし、負荷Yは入力電流が低い状態であってもコイル電流は高い値を示し、入力電流が高くなるとコイル電流は急激に上昇する。この理由は、負荷Yが低い等価抵抗、低い等価インダクタンスだからである。
【0054】
コイル電流が高い値になると、インバータ部3の回路素子等に過負荷が加わり、破壊もしくは信頼性の低下につながる。そこで、入力電流とコイル電流の特性において、加熱適否の判別閾値すなわち判別領域を設定し、インバータ部3の回路素子等に過負荷が加わることを防止する。
【0055】
図における破線が判別閾値であり、この判別閾値を境に加熱適の領域すなわちOK領域と、加熱不適の領域すなわちNG領域とを設定し、加熱適否判別基準を設ける。これは図5(b)においても同様である。
【0056】
状態B(図5(b))においては、負荷Xは高い等価抵抗、高い等価インダクタンスのために、スイッチング素子4の駆動に対して、ほとんど電流が流れない状態となる。しかし、負荷Yは状態Aに比べて等価抵抗、等価インダクタンスとも高くなるため、加熱に適した範囲内すなわちOK領域内に入る。
【0057】
そこで、インバータ部3の回路素子等に過負荷を加えないとともに、電流自体が流れ難い状態を継続しないようにするために、図の破線のような加熱適否の判別閾値を設定する。
【0058】
図6は図5に示した加熱適否判別基準を実現する手段を示す図であり、図6(a)、(b)はそれぞれ図5(a)、(b)に対応している。
【0059】
図6に示すものは、横軸は入力電流、縦軸はコイル電流をアドレスとして加熱適否の判別基準をメモリで実現したものである。入力電流、コイル電流それぞれの値で決定するアドレスのメモリに加熱適否のフラグ(図中では「0」は加熱不適、「1」は加熱適を示す。)を設定しておくことにより、入力電流検出手段12で検出した入力電流と、コイル電流検出手段14で検出した高周波電流すなわちコイル電流から、直ちに加熱適否の情報を得ることができる。
【0060】
尚、必要に応じて、電源電圧検出手段11で検出した電源電圧値によって補正を加え、一層精度の高い判別を行うこともできる。
【0061】
また、状態Aと状態Bでは加熱適否の判別基準は異なるため、それぞれに対応した判別基準17a(図6(a))、17b(図6(b))をメモリで実現している。
【0062】
これら判別基準17a、17bの切替えは、図1における切替え手段9の切替えと同期して判別基準切替え手段18で行う。
【0063】
このような構成とすることにより、コイル組合せの状態によって加熱適否の判別基準を個別に用意することが実現できるので、適切かつ迅速な判別を行うことができる。
【0064】
図7は本実施例における状態Aと状態Bの切替え手順を時系列で示したもので、本図における状態Aもしくは状態Bは、加熱しようとする負荷とは直接関係なく、制御手段16が設定する共振回路の組合せである。従って、状態Bに適した負荷が配置されている場合でも状態Aを設定することができ、また、その逆も可能である。
【0065】
図7(1)は、状態Aで通電開始した場合において、状態Aに適した負荷、つまり鉄などの磁性負荷を加熱する場合の動作を示す。
【0066】
動作A0は通電初期段階における加熱適否の判別中を示し、動作A1は制御手段16の設定する目標電力に応じた通電制御中を示す。
【0067】
図7(2)は、状態A、磁性負荷において、加熱中に負荷を取り去った場合の動作を示す。時刻Tで負荷を取り去ると、動作A1から動作A2に切り替わる。動作A2は負荷が無い状態やコイルから大きく離れた状態を検知して、所定の時間毎に動作A0を所定時間の間繰り返す。
【0068】
具体的には、一旦通電を停止し、所定の時間が経過した後に動作A0を行い、加熱適と判別した場合は動作A1に移行し、加熱不適と判別した場合は再度通電を停止し、所定の時間が経過した後に動作A0を行うという動作を繰り返す。
【0069】
ここで、動作A2の期間は期限Tmを設けるものとする。これは、負荷が取り去られた状態が、調理を中止したからなのか、もしくは鍋あおりなどの調理方法によるものなのかを判定するためである。
【0070】
図7(3)は、状態Aの通電開始時の動作A0において加熱不適と判別した場合であり、その後、制御手段16は状態Aから状態Bに切替える。つまり、切替え手段9および判別基準切替え手段18を状態B用に変更する。
【0071】
そして、動作B0において加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合は引き続き動作B1を行う。動作B1は状態Bにおいて制御手段16の設定する目標電力に応じた通電制御中を示す。
【0072】
時刻T2で負荷を取り去ると、動作は動作B1から動作B2に切り替わる。動作B2は動作A2とほぼ同様の処理を行うもので、所定の時間毎に動作B0を所定時間Tm2の間繰り返す。
【0073】
上記図7(1)から同図(3)に示す動作については、状態Aと状態Bが逆になってもよい。これは、要するに状態Aと状態Bのどちらを優先とするかである。
【0074】
図7(4)は、状態Aと状態Bのどちらにも設定しうる負荷の場合であり、さらには、どちらの状態においても加熱適と加熱不適の境界線上にある場合を想定している。
【0075】
状態Aで通電開始後、動作A0において加熱不適と判別し、制御手段16は状態Aから状態Bに切替え、動作B0を実行する。動作B0において一旦加熱適と判別し、動作B1に移行後、動作B1中に加熱不適判別となり、動作B2に移行する。動作B2においても加熱不適となったときには、制御手段16は状態Bから状態Aに切り替えて動作A0から再度通電を試みる。
【0076】
この例では、状態Aと状態Bとの切り替えを繰り返すことになり、実質的には調理に適用できる通電電力を得られない恐れがある。
【0077】
具体的に例を挙げれば、状態Aで加熱中に負荷を状態Bに適した負荷と交換する場合や、一つの加熱部に複数の材質の負荷を混在した場合などがあり、(4)の動作、または動作Aと状態Bとが逆になった動作が発生しやすい。
【0078】
この動作が発生した場合には、第一のコイル6、第二のコイル8、第三のコイル7や共振コンデンサ5はもとより、スイッチング素子4などに過負荷がかかり、これらの素子の故障や、ひいては製品の動作不能を引き起こす恐れがある。
【0079】
図7(5)は、図7(4)の動作を改善した第1の例であり、状態Aと状態Bの切り替え回数を通電初期段階の1回のみに制限したものである。つまり、状態Aから状態Bへの切り替えは1回しか行われず、通電中に加熱不適の判別が発生した場合においても、状態の切り替えは行わず、且つ、状態設定した判別基準において加熱適否を判別するのみとする。これにより、状態を切り替えての判別の繰り返しは生ずることがなく、速やかに通電を停止することができ、素子への過負荷も防ぐことができるものである。
【0080】
図7(6)は、図7(4)の動作を改善した第2の例であり、状態Aと状態Bの切り替え回数は所定の回数までとするとともに、一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止するものである。
【0081】
本例では、所定の切り替え回数は3回とし、一旦切替えた後の再度の切替えを禁止する所定の時間は状態BについてはTsに設定した場合である。
【0082】
この方法は、加熱中に加熱不適に近い状態が発生した場合、それぞれの状態に適した通電制限をかけることができるため、どちらの状態においても素子への過負荷を防ぐことができる。さらに、状態Aと状態B間の切替えまでに所定の時間Tsが必要となるため、(4)の動作のような頻繁な切替え動作を行うことが無くなり、切替え回数の制限に達した場合以降は状態の切替えを行わないので、素子への過負荷を防ぐことができる。
【0083】
(5)および(6)の動作においては、加熱に適していない状態が継続することなく、所定の時間で停止しうるので、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないという利点がある。
【0084】
尚、以上の説明において、判別基準手段17の有する判別基準数を二つとしたが、これに限るものではなく、三つ以上としてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の誘導加熱調理器によれば、それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル、第二のコイル、第三のコイルと、前記第一のコイルと第三のコイルを組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイルと第二のコイルと第三のコイルを組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段と、前記高周波電流を流すためのインバータ部と、このインバータ部の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段と、これらを制御し前記判別基準手段の判別基準に基づき前記入力電流検出手段とコイル電流検出手段の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段とを設けた誘導加熱調理器において、前記判別基準手段は複数の判別基準を有し、前記制御手段は前記切替え手段の状態に連動して判別基準を切替えるものである。
【0086】
これにより、加熱ムラを低減しつつ、非磁性負荷を加熱可能とし、且つ素子耐圧を高くせずにすみ、さらにコイルの切替えによる負荷の加熱適否の判別における多岐にわたる条件に対応し、最適な加熱適否の判別を行うことができるという効果を奏する。
【0087】
また、前記切替え手段の状態は一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止するものなので、素子等に過負荷がかかる状態を回避もしくは短時間に抑え、信頼性が高く、調理に不適な状態を長時間継続させないことができるという効果を奏する。
【0088】
さらに、通電開始の初期段階において第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができるという効果を奏する。
【0089】
さらに、通電開始の初期段階において第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段の状態で負荷の加熱適否の判別を行うものなので、負荷の種類に応じて最適な状態で加熱適否の判別を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘導加熱調理器の要部回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例におけるコイルの接続状態を示す図であり、同図(a)は状態Aを示し、同図(b)は状態Bを示す。
【図3】負荷とコイルを合わせた等価抵抗と等価インダクタンス変化例を示した図である。
【図4】負荷加熱時の駆動周波数と入力電力の関係を示す図である。
【図5】負荷加熱時の入力電流とコイル電流の特性例を示す図であり、同図(a)は状態Aの場合を示し、同図(b)は状態Bの場合を示す。
【図6】図5に示した加熱適否判別基準を実現する手段を示す図であり、同図(a)は状態Aの場合を示し、同図(b)は状態Bの場合を示す。
【図7】本発明の一実施例における状態Aと状態Bの切替え手順を時系列で示した図である。
【符号の説明】
3 インバータ部
6 第一のコイル
7 第三のコイル
8 第二のコイル
9 切替え手段
12 入力電流検出手段
14 コイル電流検出手段
16 制御手段
17 判別基準手段
17a、17b 判別基準
Claims (4)
- それぞれ巻径が異なり中心側から外周に向って同心円状に配した第一のコイル(6)、第二のコイル(8)、第三のコイル(7)と、前記第一のコイル(6)と第三のコイル(7)を組合せとする第1のコイル組合せの状態Aか第一のコイル(6)と第二のコイル(8)と第三のコイル(7)を組合せとする第2のコイル組合せの状態Bのいずれかを選択し全て同一方向に高周波電流を流す切替え手段(9)と、前記高周波電流を流すためのインバータ部(3)と、このインバータ部(3)の入力電流を検出する入力電流検出手段(12)と、前記高周波電流を検出するコイル電流検出手段(14)と、負荷の加熱適否の判別基準となる判別基準手段(17)と、これらを制御し前記判別基準手段(17)の判別基準に基づき前記入力電流検出手段(12)とコイル電流検出手段(14)の出力から負荷の加熱適否を判別する制御手段(16)とを設けた誘導加熱調理器において、
前記判別基準手段(17)は複数の判別基準(17a)、(17b)を有し、前記制御手段(16)は前記切替え手段(9)の状態に連動して判別基準(17a)、(17b)を切替えることを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記切替え手段(9)の状態は一旦切替えた後は所定の時間は再度の切替えを禁止することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
- 通電開始の初期段階において第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段(9)の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段(9)の状態で負荷の加熱適否の判別を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の誘導加熱調理器。
- 通電開始の初期段階において第2のコイル組合せの状態Bとなる切替え手段(9)の状態で負荷の加熱適否の判別を行い、加熱適と判別した場合には引き続き通電を継続し、加熱不適と判別した場合には次に第1のコイル組合せの状態Aとなる切替え手段(9)の状態で負荷の加熱適否の判別を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の誘導加熱調理器。
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-
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