JP2005035840A - 封着材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鉛を含有せず、低温での封着が可能であると共に、優れた低膨張性と流動性とを有利に実現する封着材料を、提供すること。
【解決手段】 無鉛低融点ガラス粉末の50〜95体積%と、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の5〜50体積%とを混合せしめて、封着材料を構成した。
【選択図】 なし
【解決手段】 無鉛低融点ガラス粉末の50〜95体積%と、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の5〜50体積%とを混合せしめて、封着材料を構成した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、封着材料に係り、特に、ブラウン管(CRT)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)等の電子部品の封着に有利に用いられる封着材料に関するものである。
従来より、CRT、PDP、VFD等の電子部品を気密に封着するために、ガラスを主な構成成分とする封着材料が、用いられてきている。そして、そのような封着材料としては、被封着物に対して悪影響が惹起されないように、出来るだけ低い温度で封着を行なうことが出来るものが望ましい。このため、鉛を含有するガラス、例えば、PbO−B2O3系ガラス等を構成成分とする封着材料が、広く用いられてきているのであるが、近年においては、環境への配慮から、鉛を含まない封着材料の開発が求められている。
一方、封着材料には、主成分として、低融点のガラスが用いられることとなるのであるが、かかる低融点ガラスは、封着対象となるガラス等の被封着物よりも熱膨張が大きいところから、一般に、熱膨張係数の低いフィラーを添加して、その熱膨張を調整することが行なわれている。そして、そのような低膨張フィラーとしては、例えば、コーディエライト、ジルコン、チタン酸鉛等が用いられているのである。
ところが、鉛を含まないリン酸塩系ガラスやビスマス系ガラス等の無鉛低融点ガラスにあっては、従来の鉛ガラスに比べて熱膨張が更に大きく、このため、上述せる如き低膨張フィラーを添加しても、封着材料の熱膨張係数を、所期の値に制御することが出来なくなる等といった問題があった。更に、SnO−P2O5系ガラスやSnO−B2O3−P2O5系ガラス等のリン酸塩系ガラスは、コーディエライト等のフィラーと反応し易く、封着時において、流動性が損なわれるといった問題も内在している。
なお、特許文献1〜3には、鉛を含まないリン酸塩系ガラスやビスマス系ガラスを用いて、これに、コーディエライト、ジルコン等のフィラーを添加してなる封着材料が、明らかにされている。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、鉛を含有せず、低温での封着が可能であると共に、優れた低膨張性と流動性とを有利に実現する封着材料を、提供することにある。
そこで、本発明者は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、無鉛低融点ガラス粉末に、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末を加えると、封着材料の熱膨張が有利に低下せしめられると共に、流動性も改善され得ることを見出したのである。
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その第一の態様とするところは、無鉛低融点ガラス粉末の50〜95体積%と、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の5〜50体積%とを含むことを特徴とする封着材料にある。
また、本発明に従う封着材料における第二の態様にあっては、前記リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末として、その平均粒子径が5μm以上であるものが有利に用いられることとなる。
さらに、本発明に従う封着材料の第三の態様によれば、前記リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末は、リン酸タングステン酸ジルコニウム原料の100重量部に対して、MgO、ZnO、CuO、Fe2O3、Cr2O3、MnO2 、及びNiOからなる群より選ばれた少なくとも1種以上を、反応促進剤として0.05〜5重量部の割合において配合してなる原料組成物を焼成して得られたものである。
加えて、本発明の第四の態様においては、前記無鉛低融点ガラス粉末として、リン酸塩系ガラス粉末が、有利に用いられている。
そして、本発明の先述した第一の態様によれば、主成分たるガラス粉末として、鉛を含まない無鉛低融点ガラス粉末が採用されていると共に、フィラーとして、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末が用いられているところから、封着材料の無鉛化が有利に図られ、これにより、作業環境の改善や地球環境の保護が効果的に実現され得るのである。
しかも、無鉛低融点ガラス粉末とリン酸タングステン酸ジルコニウム粉末とが組み合わされ、所定の割合となるように含有せしめられているところから、封着材料の熱膨張係数を有利に低減することが可能となり、以て、封着材料の熱膨張係数を被封着物に応じて容易に制御することが出来るようになる。また、封着時においては、良好なる流動性が有利に実現されることとなる。
また、本発明の第二、第三の態様においては、それぞれ、特定のリン酸タングステン酸ジルコニウム粉末が採用されていることによって、何れも、封着時の流動性がより一層向上せしめられ得るのである。
さらに、本発明の第四の態様においては、所定の無鉛低融点ガラス粉末が採用されているところから、封着時の流動性がより一層向上せしめられると共に、封着温度の低温化も更に有利に実現されることとなる。
ところで、本発明に従う封着材料は、無鉛低融点ガラス粉末を主たる構成成分とし、この無鉛低融点ガラス粉末に対して、フィラーとして、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末を、所定の割合となるように添加したところに、大きな特徴を有している。
そこにおいて、本発明に採用される無鉛低融点ガラス粉末としては、PbO等の鉛成分を含まず、一般に、600℃程度以下の低い温度で溶融するものであれば、その組成等は特に限定されるものではなく、従来より、無鉛低融点ガラスとして知られている各種ガラス粉末が、適宜に選択されて用いられることとなる。そして、かかる無鉛低融点ガラスの具体例としては、例えば、SnO−P2O5系ガラスやSnO−B2O3−P2O5系ガラス等のリン酸塩系ガラス、Bi2O3−B2O3系ガラス等のビスマス系ガラスを挙げることが出来る。なお、上例の中でも、特に、リン酸塩系ガラスにあっては、低融点で耐候性が良好であると共に、リン酸タングステン酸ジルコニウムとの反応性が低く、流動性がより一層高度に確保され得るところから、より一層好適に採用され得るのである。この理由は未だ充分に明らかにされてはいないものの、リン酸塩系ガラス及びリン酸タングステン酸ジルコニウムの何れにも、共通してP2O5成分が存在していることにより、互いの反応性が低くなり、また、界面での濡れ性が良くなることに起因するものと推測されている。
また、上述せる如き無鉛低融点ガラスは、粉末状態で用いられることとなる。本発明において、無鉛低融点ガラスの粒子径は、特に制限されるものではなく、従来と同様な粒子径のものが採用され得るのである。
そして、かかる無鉛低融点ガラスの粉末が、主成分として用いられて、本発明に従う封着材料が調製される。この際、無鉛低融点ガラス粉末の含有量としては、封着材料(100体積%)中に、50〜95体積%となる割合が採用されることとなる。何故なら、かかる無鉛低融点ガラス粉末の含有量が50体積%に満たない場合には、封着時の流動性が悪くなるからであり、また、95体積%を超える場合には、無鉛低融点ガラスの熱膨張係数を有効に低下せしめることが出来ず、封着材料の熱膨張係数を調整することが実質的に困難となるからである。なお、本発明による効果をより一層有利に実現するためには、上記した範囲の中でも、60〜85体積%となる割合が好適に採用される。
一方、主として、上記無鉛低融点ガラス粉末の熱膨張係数等を調整するためのフィラーとして、本発明においては、リン酸タングステン酸ジルコニウムの粉末が採用されることとなる。
ここにおいて、リン酸タングステン酸ジルコニウムは、2ZrO2・WO3・P2O5乃至はZr2(WO4)(PO4)2の組成式で表わされるセラミックスである。そして、このリン酸タングステン酸ジルコニウム粉末が、無鉛低融点ガラスと組み合わされて用いられることにより、封着材料の熱膨張係数が有利に低減されて、封着材料の熱膨張係数の調整を容易に行なうことが出来るようになると共に、封着時の流動性の悪化も効果的に抑制され得て、封着を有利に実施することが可能となる。また、かかるリン酸タングステン酸ジルコニウムは、封着材料として一部用途では使うことの出来ないβ−ユークリプタイトのようにアルカリ成分を本質的に含有しないため、広範囲の用途に使用出来るといった利点をも有しているのである。
また、リン酸タングステン酸ジルコニウムの粉末としては、その平均粒子径が小さくなり過ぎると、無鉛低融点ガラスとの反応により、流動性の改善効果が良好に発揮され難くなる傾向があるところから、5μm以上であることが望ましい。また、上限としては、特に制限されるものではないものの、封着時におけるマイクロクラックの発生等による信頼性低下を回避し得るように、一般に、30μm以下とされることが望ましい。
なお、上述せる如きリン酸タングステン酸ジルコニウムの粉末は、例えば、原料として、リン酸ジルコニル[2ZrO2・P2O5 ]と酸化タングステン[WO3 ]とを用い、それらを、2ZrO2・WO3・P2O5の組成になるように混合せしめて、原料組成物とし、それを通常のセラミックフィラーの製造法と同様にして焼成した後、粉砕することによって、得られるものである。この際、上記原料組成物中に、反応促進剤として、MgO、ZnO、CuO、Fe2O3、Cr2O3、MnO2 、及びNiOからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の酸化物を添加することが望ましく、これにより、反応時の粒成長が促進されて、得られるリン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の平均粒子径を大きくすることが出来る。
ここにおいて、かかる反応促進剤は、リン酸タングステン酸ジルコニウム組成を与える原料の100重量部に対して、0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部となる割合において添加されることが望ましい。これは、上記範囲より少ない場合には、反応促進剤の充分な添加効果が得られないからであり、また、逆に上記範囲より多い場合には、リン酸タングステン酸ジルコニウム自体の熱膨張係数が大きくなって、封着材料の熱膨張係数を有利に低減することが困難となるからである。なお、上記の反応促進剤は、リン酸タングステン酸ジルコニウムの合成段階において、リン酸タングステン酸ジルコニウム中のP2O5と低融点の液相を形成し、反応を促進しているものと考えられている。
また、本発明に従う封着材料における、上記リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の配合量としては、封着材料(100体積%)中に、5〜50体積%となる割合が採用されることとなる。何故なら、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の含有量が5体積%に満たない場合には、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の添加による効果が充分に得られず、封着材料の熱膨張係数の調整効果が実質的に殆んどなく、封着材料の熱膨張が大きくなるからであり、また、50体積%より多くなると、封着時の流動性が悪く、封着が困難となる傾向が見られるからである。なお、本発明による効果を更に有利に発揮するためには、上記した範囲の中でも、15〜40体積%となる割合が、より一層好適に採用されることとなる。
かくして、無鉛低融点ガラス粉末に対して、上記したリン酸タングステン酸ジルコニウムの粉末を、所定の割合において配合、混合せしめることによって、本発明に従う封着材料が得られることとなる。なお、本発明に従う封着材料には、更に必要に応じて、従来から知られているコーディエライト、β−石英、ジルコン、SnO2−TiO2固溶体等のセラミックフィラーを添加して、リン酸タングステン酸ジルコニウムと併用することも可能である。但し、それらのセラミックフィラーは、本発明の効果を阻害しない量的範囲において、通常、5〜20体積%程度の含有割合となるようにして、添加されるものである。
そして、本発明に従う封着材料は、従来と同様にして適用されるものであって、例えば、封着温度以下の温度で分解するバインダーや有機溶剤等にてペースト化されて、ガラスやセラミックス、金属等からなる被封着物に対して塗布される。次いで、無鉛低融点ガラス粉末が被封着物の接着表面を濡らすのに充分な条件で焼成されることにより、具体的には、通常、400〜550℃程度の温度と5〜60分程度の時間で、被封着物の封着が行なわれることとなる。
このように、本発明に従う封着材料を用いて封着を行なえば、優れた低熱膨張性と流動性が共に有利に実現されることとなる。また、封着材料の無鉛化が実現され得るところから、作業環境の改善や地球環境の保護も可能となる特徴を発揮する。
かくして、本発明に従う封着材料は、CRT、PDP、VFD等の封着に、好適に用いられることとなるのである。
以下に、本発明の実施例を含む幾つかの実験例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実験例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、封着材料の構成成分である無鉛低融点ガラス粉末とフィラーとを、以下のようにして準備した。
−無鉛低融点ガラス粉末の調製−
下記の表1に示される組成となるように、各種原料を秤量して調合し、原料組成物とした。そして、その調合した原料組成物を、石英ルツボ中に入れ、1100℃で、2時間溶融した後、かかる溶融物を、スチールテーブル上に注ぎ、ローラーを用いてフレーク状ガラスとした。次いで、ボールミルにて、平均粒子径が10μmとなるまで乾式粉砕を行なうことにより、リン酸塩系及びビスマス系の無鉛低融点ガラス粉末を得た。なお、原料としては、P2O5源にリン酸水素アンモニウム、また、BaO源に炭酸バリウムを用いる以外は、全て酸化物を用いた。
下記の表1に示される組成となるように、各種原料を秤量して調合し、原料組成物とした。そして、その調合した原料組成物を、石英ルツボ中に入れ、1100℃で、2時間溶融した後、かかる溶融物を、スチールテーブル上に注ぎ、ローラーを用いてフレーク状ガラスとした。次いで、ボールミルにて、平均粒子径が10μmとなるまで乾式粉砕を行なうことにより、リン酸塩系及びビスマス系の無鉛低融点ガラス粉末を得た。なお、原料としては、P2O5源にリン酸水素アンモニウム、また、BaO源に炭酸バリウムを用いる以外は、全て酸化物を用いた。
−リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の調製−
原料として、リン酸ジルコニル[2ZrO2・P2O5 ]と酸化タングステン[WO3 ]とを、2ZrO2・WO3・P2O5の組成になるように秤量して配合し、その100重量部に対して、更に、下記表2に示される各種酸化物を、反応促進剤として、所定の添加量となるように添加(外添)し、湿式ボールミルで混合した。そして、その得られたスラリーを、プラスチック製バットに入れて、乾燥機で一昼夜乾燥した。次いで、その乾燥物を、乳鉢で解砕し、1200℃で2時間焼成した。焼成後、所定の粒度となるようにボールミルにて乾式粉砕を行ない、200メッシュの篩を通過させることにより、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末を得た。
原料として、リン酸ジルコニル[2ZrO2・P2O5 ]と酸化タングステン[WO3 ]とを、2ZrO2・WO3・P2O5の組成になるように秤量して配合し、その100重量部に対して、更に、下記表2に示される各種酸化物を、反応促進剤として、所定の添加量となるように添加(外添)し、湿式ボールミルで混合した。そして、その得られたスラリーを、プラスチック製バットに入れて、乾燥機で一昼夜乾燥した。次いで、その乾燥物を、乳鉢で解砕し、1200℃で2時間焼成した。焼成後、所定の粒度となるようにボールミルにて乾式粉砕を行ない、200メッシュの篩を通過させることにより、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末を得た。
−コーディエライト粉末・ジルコン粉末の調製−
また、比較のために、コーディエライト[2MgO・2Al2O3・5SiO2 ]とジルコン[ZrO2・SiO2]とを、常法に従って、作製した。即ち、原料となる酸化物を、それぞれ、湿式ボールミルで混合した後、乾燥・焼成し、次いで、所定の粒度となるように乾式粉砕して、200メッシュの篩を通過させることにより、それぞれ、コーディエライト及びジルコンの粉末を得た。
また、比較のために、コーディエライト[2MgO・2Al2O3・5SiO2 ]とジルコン[ZrO2・SiO2]とを、常法に従って、作製した。即ち、原料となる酸化物を、それぞれ、湿式ボールミルで混合した後、乾燥・焼成し、次いで、所定の粒度となるように乾式粉砕して、200メッシュの篩を通過させることにより、それぞれ、コーディエライト及びジルコンの粉末を得た。
そして、上記で得られたフィラー粉末の平均粒子径を測定すると共に、フィラー単体の熱膨張係数を、以下のようにして測定し、その得られた結果を、それぞれ、下記表2に示した。即ち、先ず、各フィラー粉末をそれぞれプレス成形し、所定の温度(リン酸タングステン酸ジルコニウム:1200℃、コーディエライト:1350℃、ジルコン:1400℃)で、それぞれ2時間焼成して、焼結体を作製した。そして、その得られた焼結体から、3×4×20mmの大きさのブロックを切り出して、試験片とし、この試験片の熱膨張係数を、TMA(熱機械分析装置)を用いて測定した。なお、測定温度範囲は25〜250℃、昇温速度は5℃/分とした。
また、下記表3に示される配合割合(体積比率)となるように、上記で得られた無鉛低融点ガラス粉末と各種フィラー粉末とを秤量し、ナイロンボール入りのロッキングミキサーで混合することにより、実験例1〜17に係る各種の封着材料を調製した。なお、実験例16,17に係る封着材料には、フィラーを何等含有せしめなかった。
そして、かかる得られた実験例1〜17に係る封着材料を用いて、その流動径と熱膨張係数を、以下のようにして測定し、その得られた結果を、下記表3に併せ示した。
−流動径の測定−
実験例1〜17に係る封着材料を、それぞれ、直径15mm×高さ5mmの円柱状に金型プレス成形した。次いで、この成形体を、板ガラス上に置いて、電気炉で、下記表3に示される各温度で10分間保持して焼成した。この焼成によって、成形体は流動した。そして、流動後の焼成物の直径を測定することにより、流動径を求めた。
実験例1〜17に係る封着材料を、それぞれ、直径15mm×高さ5mmの円柱状に金型プレス成形した。次いで、この成形体を、板ガラス上に置いて、電気炉で、下記表3に示される各温度で10分間保持して焼成した。この焼成によって、成形体は流動した。そして、流動後の焼成物の直径を測定することにより、流動径を求めた。
−熱膨張係数の測定−
前記流動径の測定の場合と同様に、実験例1〜17に係る封着材料を、それぞれ、適当な大きさに成形し、この成形体を、下記表3に示される各焼成温度で10分間保持して、流動させた。そして、その流動後の焼結体から、3×4×20mmの試験片を切り出して、この試験片の熱膨張係数を、TMA(熱機械分析装置)を用いて求めた。なお、測定温度範囲は25〜250℃、昇温速度は5℃/分とした。
前記流動径の測定の場合と同様に、実験例1〜17に係る封着材料を、それぞれ、適当な大きさに成形し、この成形体を、下記表3に示される各焼成温度で10分間保持して、流動させた。そして、その流動後の焼結体から、3×4×20mmの試験片を切り出して、この試験片の熱膨張係数を、TMA(熱機械分析装置)を用いて求めた。なお、測定温度範囲は25〜250℃、昇温速度は5℃/分とした。
かかる表3に示される結果からも明らかなように、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末が添加された実験例1〜12に係る封着材料にあっては、熱膨張係数が60×10-7〜105×10-7/℃と所期の値に制御され、また、流動径が20mm以上となっており、低膨張性と流動性が共に有利に実現されていることが、分かる。中でも、特に、反応促進剤を添加して、平均粒子径を5μm以上としたリン酸タングステン酸ジルコニウム粉末を用いた場合、実験例1と実験例4及び7〜11とを比較すると明らかなように、流動径の増加が確認され、流動性が更に向上せしめられていることが、認められる。
これに対して、コーディエライト粉末を使用した実験例13,14にあっては、流動径が20mm以下と小さく、その流動性が低いところから、封着材料として使用し難いものであることが、分かる。また、ジルコンを用いた実験例15にあっては、熱膨張係数が大きく、流動径が小さい結果となった。更に、フィラーを含まない、無鉛低融点ガラスのみからなる実験例16,17の封着材料にあっては、流動性は良好であるものの、熱膨張係数が大きな値となっている。
Claims (4)
- 無鉛低融点ガラス粉末の50〜95体積%と、リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の5〜50体積%とを含むことを特徴とする封着材料。
- 前記リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末の平均粒子径が、5μm以上である請求項1に記載の封着材料。
- 前記リン酸タングステン酸ジルコニウム粉末が、リン酸タングステン酸ジルコニウム原料の100重量部に対して、MgO、ZnO、CuO、Fe2O3、Cr2O3、MnO2 、及びNiOからなる群より選ばれた少なくとも1種以上を、反応促進剤として0.05〜5重量部の割合において配合してなる原料組成物を焼成して得られたものである請求項1又は請求項2に記載の封着材料。
- 前記無鉛低融点ガラス粉末が、リン酸塩系ガラス粉末である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の封着材料。
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