JP2005033036A - 半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる波長の光を発するモノリシック2波長半導体レーザを基板から分割する工程におけるダメージを防止し、高い歩留まりが得られる半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板(101)上に第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザ(120)と、第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザ(140)とを備えたモノリシック半導体レーザ素子を形成し、半導体基板(101)をへき開してレーザ素子が複数個整列されたレーザバーを形成し、へき開して半導体レーザ素子を素子毎に分割する方法において、半導体レーザ素子間を分離するV字形状の溝部(139)の底部の幅を第1の半導体レーザと第2の半導体レーザとを電気的に分離する溝の底部の幅よりも狭く形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】半導体基板(101)上に第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザ(120)と、第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザ(140)とを備えたモノリシック半導体レーザ素子を形成し、半導体基板(101)をへき開してレーザ素子が複数個整列されたレーザバーを形成し、へき開して半導体レーザ素子を素子毎に分割する方法において、半導体レーザ素子間を分離するV字形状の溝部(139)の底部の幅を第1の半導体レーザと第2の半導体レーザとを電気的に分離する溝の底部の幅よりも狭く形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体素子及び半導体装置の製造方法、特に互いに発振波長が異なる2つの半導体レーザからなるモノリシック構造を持つ2波長型の半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法に関する。
近年、ビデオプレーヤーをはじめとする様々な分野で、大記憶容量を特長とする光情報記録再生用DVDドライブが急速に普及している。また、従来利用されてきたCD、CD−R、CD−RWの読み出しも同じ機器で行えることが強く要望されている。このため、DVDやCDの記録・再生用に用いられる光ピックアップの光源として、DVD用の650nm帯の赤色半導体レーザの他にCD用の780nm帯の赤外半導体レーザが併用されている。DVD等の記録・再生装置はパソコンなどの情報処理機器の小型化に伴い、その小型化及び薄型化を進展させる必要がある。これを実現するためには、光ピックアップの小型化及び薄型化が必要不可欠となる。光ピックアップの小型化及び薄型化には、光学部品を減らして装置を簡素化することが有効であり、その一つとして、赤色半導体レーザと赤外半導体レーザを集積化することが挙げられる。この従来例として、赤色半導体レーザと赤外半導体レーザを同一の半導体基板上に集積化させたモノリシック半導体レーザが、例えば下記特許文献1で提案されている。これにより、半導体レーザ自体を一つの部品に集約できるだけでなく、コリメータレンズやビームスプリッタ等の光学部品を赤色半導体レーザと赤外半導体レーザとで共通化でき、装置の小型化・薄型化に有効である。このモノリシック半導体レーザの作製プロセスにおいて、第1の波長を有する発光素子と第2の波長を有する発光素子を電気的に分離する素子分離工程は重要であり、その製造方法については、下記特許文献2や下記特許文献3などで提案されている。
このうち、下記特許文献3に記載された従来の技術における製造方法を図5A〜Hに示す。図5Aに示すように、有機金属気相エピタキシャル成長(以下、MOVPE法という)法によって、GaAsからなるn型基板301上に、GaAsからなるn型バッファ層302、AlGaAsからなるn型クラッド層303、活性層(発振波長が780nmの多重量子井戸構造)304、AlGaAsからなるp型クラッド層305、GaAsからなるp型キャップ層306を順に積層する。次に、図5Bに示すように、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域308上を覆うレジスト膜(図示せず)を形成し、そのレジスト膜をマスクに用いた硫酸系の無選択エッチング及びフッ酸(HF)系のAlGaAs選択エッチングなどのウエットエッチングによって、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域308を除くその他のp型キャップ層306からn型クラッド層303までを除去して、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域307上に上記p型キャップ層306、p型クラッド層305、活性層304及びn型クラッド層303を積層して成る第1の積層体307を形成する。次いで、図5Cに示すように、MOVPE法によって、n型バッファ層302上に上記第1の積層体307を覆うように、InGaPからなるn型バッファ層332、AlGaInPからなるn型クラッド層333、活性層(発振波長が650nmの多重量子井戸構造)334、AlGaInPからなるp型クラッド層335、GaAsからなるp型キャップ層336を順に積層する。次に、図5Dに示すように、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域337上を覆うレジスト膜(図示せず)を形成する。そのレジスト膜をマスクに用いた硫酸系のキャップ層エッチング及びリン酸塩酸系の4元系化合物半導体の選択エッチング、塩酸系の分離エッチングなどのウエットエッチングによって、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域337を除くその他の部分のp型キャップ層336からn型バッファ層332までを除去して、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域338上に上記n型バッファ層332、n型クラッド層333、活性層334、p型クラッド層335及びp型キャップ層336を積層してなる第2の積層体337を形成する。その結果、第1の積層体307と第2の積層体337とに分離形成される。次に、図5Eに示すように、第1、第2の積層体307、337上に、電流注入領域となる部分を覆う絶縁膜309を形成した後、その絶縁膜309をマスクに用いたエッチングによって、ゲインガイド型の電流狭窄構造となるストライプ構造を形成するために、p型キャップ層306、336の表面からp型クラッド層305、335の途中の深さまでリッジ状に加工する。次に、図5Fに示すように、例えばGaAsからなるn型電流ブロック層310を化合物半導体層上に選択成長させて、p型クラッド層305、335の途中の深さまでのリッジ状にエッチングした部分を埋め込む。その後、上記絶縁膜309をエッチングによって除去する。次いで、図5Gに示すように、第1、第2の積層体307、337の上面に形成されたn型電流ブロック層310を覆うレジスト膜(図示せず)を形成した後、そのレジスト膜をマスクに用いたエッチングによって、第1、第2の積層体307、337の上面のみに上記n型電流ブロック層310を残して、その他の部分のn型層310を除去する。その後、図5Hに示すように、上記レジスト膜を除去する。さらに上記p型キャップ層306、336に接続するp型電極312、313を例えばTi/Pt/Auの積層体で形成するとともに、n型基板301に接続するn型電極314を例えばAuGe/Ni/Auの積層体で形成する。
このようにして形成された半導体レーザ素子を基板から取り出すためにへき開加工が行われる。へき開加工とは、半導体レーザ素子を作製する際に、複数の半導体レーザ素子を一つの基板上同時に形成した後に、個々の半導体レーザ素子に分割する作業のことであり、例えば下記特許文献4等にその工程の詳細について示されている。
以下に図を用いてへき開加工工程について説明する。図6A−Cは、半導体レーザ素子のへき開加工を説明するための工程図である。ここで半導体レーザ素子は一つの積層体のみを有しており、基板表面に素子間を分離するための溝は設けられていない、すわわち、素子分離部も積層された半導体層で覆われている。まず、図6Aに示すようにGaAs基板に活性層を含む複数の半導体層401が積層された半導体レーザが形成されている。さらに、半導体レーザに対して、半導体層401が形成された側の表面に、半導体レーザの共振器長方向(図中のX方向)に沿って、半導体レーザの間隔ごとに複数のへき開用溝部402が等しい間隔をあけて相互に平行に形成される。次に、半導体レーザを、図中Y方向が長手方向となる長方形に切り出すための短い複数のスクライブ傷403が図中のX方向に沿った側縁に等しい間隔をあけて形成される。続いて、図6Bに示すように、各スクライブ傷403を起点として、Y方向に、へき開(一次へき開)されることにより、整列された複数の前記半導体レーザを含む複数のレーザバー404が得られる。この時のへき開面がレーザの共振器端面となる。次に、共振器端面を誘電体膜等でコーティングした後、図6Cに示されるように、各レーザバー404が、へき開用溝部402に沿ってへき開(二次へき開)されることにより、複数の半導体レーザ素子405が得られる。へき開用溝部402は、例えば、スクライバ等におけるダイヤモンド針によって機械的に形成されたスクライブ傷(溝)である。この場合には、機械的に形成されたへき開用溝部402から半導体層401内部に向かってマイクロクラックが生じており、このマイクロクラックが生じているところでは結晶強度が低くなっている。そこで、裏面電極406側からレーザバー404上に形成されたへき開用溝部402に荷重を加えることにより、へき開用溝部402から半導体層401内に形成された結晶強度の低いマイクロクラック部分に沿って容易にへき開される。具体的には、例えば、半導体層401が形成された側を支持体上に載置し、レーザバー404の裏面電極406側に保護シートをかぶせて、その上からローラー等を転動させるかプレス台で押さえてすべらせるかして、比較的低い荷重を加えればよい。
特開平11−186651号公報
特開2001−244572号公報
特開2001−244569号公報
特開2001−127369号公報
しかし、第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザとそれとは異なる第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザを有した半導体レーザ素子において、図5D〜Hに示したように、素子分離用の溝と同時に第1の半導体レーザと第2の半導体レーザをそれぞれ分離するために溝が形成されており、これらを電気的に分離するために後者の溝の底部は一定以上の間隔をあけて形成されている。この場合、いくつかの問題がある。まず、素子分離溝の底部は一般的に数〜数十μm程度であるから、このような狭い領域に直接スクライブ傷をつけること自体が加工精度上非常に困難である。また、素子分離部が基板までエッチングされた状態では、直接基板にスクライブ傷をつけることになるが、これでは基板の結晶強度が非常に弱くなってしまい、1次へき開時に各素子が分離されてしまう可能性が高く、レーザの共振器端面への反射膜コーティングが行えないこととなる。これらはすべて歩留の低下につながる。また、へき開精度を向上させるには分離部にスクライブ溝をエッチングによって作製することで可能である。しかしながら、素子分離工程を行った後にこのような対策を行うことは、工程数が増えるだけでなく、凹凸のある平坦面に精度よく行う必要があり、技術的に困難である。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、2つの素子間を電気的に分離しつつへき開に適した分割用溝を形成するための半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、半導体基板上に第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザと前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザとを備えたモノリシック半導体レーザ素子を形成する工程と、
前記半導体基板をへき開して前記モノリシック半導体レーザ素子が複数個整列されたレーザバーを形成する工程と、
前記レーザバーをへき開して前記モノリシック半導体レーザ素子を素子毎に分割して得る工程を含む半導体レーザ素子の製造方法であって、
前記レーザバーは前記モノリシック半導体レーザ素子間を分離するV字形状の溝部でへき開され、前記V字形状の溝の底部の幅は前記第1の半導体レーザと前記第2の半導体レーザとを分離する溝の底部の幅よりも狭いことを特徴とする。
前記半導体基板をへき開して前記モノリシック半導体レーザ素子が複数個整列されたレーザバーを形成する工程と、
前記レーザバーをへき開して前記モノリシック半導体レーザ素子を素子毎に分割して得る工程を含む半導体レーザ素子の製造方法であって、
前記レーザバーは前記モノリシック半導体レーザ素子間を分離するV字形状の溝部でへき開され、前記V字形状の溝の底部の幅は前記第1の半導体レーザと前記第2の半導体レーザとを分離する溝の底部の幅よりも狭いことを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に半導体層を積層して第1の積層体を形成する工程と、
第1の所定の領域に前記第1の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第1の積層体を除去する工程と、
前記半導体基板及び前記第1の積層体の上に半導体層を積層して第2の積層体を形成する工程と、
第2の所定の領域に前記第2の積層体を残して、前記半導体基板及び前記第1の積層体の上に形成されている前記第1の積層体を除去しつつ、前記第2の積層体と分離するための溝を第1の積層体の両側に形成し、前記分離溝の一方の底部の幅が他方の分離溝の底部の幅よりも狭くなるように加工する工程と、
前記半導体基板をへき開して前記第1の積層体及び前記第2の積層体を含む半導体素子を得る工程を備え、
前記一方の分離溝は前記第1の積層体と前記第2の積層体を含む半導体素子を素子毎に分割するための溝であり、
前記他方の分離溝は前記第1の積層体と前記第2の積層体とを電気的に分離するための溝であることを特徴とする。
第1の所定の領域に前記第1の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第1の積層体を除去する工程と、
前記半導体基板及び前記第1の積層体の上に半導体層を積層して第2の積層体を形成する工程と、
第2の所定の領域に前記第2の積層体を残して、前記半導体基板及び前記第1の積層体の上に形成されている前記第1の積層体を除去しつつ、前記第2の積層体と分離するための溝を第1の積層体の両側に形成し、前記分離溝の一方の底部の幅が他方の分離溝の底部の幅よりも狭くなるように加工する工程と、
前記半導体基板をへき開して前記第1の積層体及び前記第2の積層体を含む半導体素子を得る工程を備え、
前記一方の分離溝は前記第1の積層体と前記第2の積層体を含む半導体素子を素子毎に分割するための溝であり、
前記他方の分離溝は前記第1の積層体と前記第2の積層体とを電気的に分離するための溝であることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、モノリシック2波長半導体レーザ素子のように内部の各素子を溝分離したデバイスを基板から取り出すにあたって、各素子の電気的な分離特性に影響を与えることがなく、簡便なへき開工程をそのまま用いることができるため、コストの低減及び歩留まりの向上に対して非常に有効であり、また高信頼性のデバイスを製造できる。
本発明は、モノリシック半導体レーザ素子間を分離するV字形状の溝部でへき開され、V字形状溝の底部の幅は第1の半導体レーザと第2の半導体レーザとを電気的に分離する溝の底部の幅よりも狭い。このようにすると、チップをへき開する際に、上記のようにV字形状溝の底部に圧力が集中するように荷重をかけても後者の溝で破断が起こることなく、歩留まりが向上する。さらに、溝の形状を応力集中が起こりやすい形状にしているため、比較的軽度の荷重でへき開が行え、過度の応力集中によるレーザ特性への悪影響が大幅に低減される。前記において、V字形状溝の底部の幅は、第1の半導体レーザと第2の半導体レーザとを電気的に分離する溝の底部の幅よりも40〜100%狭いことが好ましい。さらにV字形状溝の底部の幅は0〜1μmの範囲が好ましい。
前記1の積層体と前記第2の積層体を含む半導体素子を素子毎に分割するための溝の底部は前記半導体基板表面に達していることが好ましい。
前記第1の積層体は第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザの一部又は全部をなし、前記第2の積層体は前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザの一部又は全部をなすことが好ましい。
前記V字形状の溝の側面の少なくとも一方は前記半導体基板の(111)面と略平行であることが好ましい。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。図1Aに示すようにMOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法のようなエピタキシャル成長法によって、n型GaAs基板101上にn型バッファ層102、n型クラッド層103、GaAs系材料からなる発振波長が780nmの多重量子井戸構造の活性層104、p型クラッド層105、p型キャップ層106を順に積層して第1の半導体レーザ120の一部となる第1の積層体107を形成する。
上記n型クラッド層103は例えば、n型AlGaAs層もしくはn型AlGaInP層で形成し、上記p型クラッド層105例えば、p型AlGaAs層もしくはp型AlGaInP層で形成し、上記p型キャップ層はp型GaAs層もしくはp型AlGaAs層で形成する。なお、活性層104と各クラッド層103,105との間にガイド層を設けてもよい。
次に、図1Bに示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて、第1の半導体レーザ120が形成されるべき領域108上をレジスト膜(図示せず)で覆い、そのレジスト膜をマスクに用いてn型クラッド層103までエッチングする。上記エッチングは、n型クラッド層、p型クラッド層をAlGaAs層で形成した場合は、硫酸系のエッチャントとフッ酸系のエッチャントを用いることでエッチングが可能であり、AlGaInP層で形成した場合は、硫酸系のエッチャントと塩酸系のエッチャントを用いることでエッチングが可能である。その結果、第1の半導体レーザ120が形成されるべき領域108上に、n型クラッド層103、活性層104、p型クラッド層105、p型キャップ層106を順に積層した第1の積層体107が残され、積層体107の側面として(111)面が露出する。上記したウエットエッチングは基板の面方位によりエッチング速度が異なる異方性エッチであり、最もエッチング速度の遅い(111)面が優先的に露出するためである。
次に、図1Cに示すように、MOVPE法などのエピタキシャル成長法によって、n型バッファ層102上に、n型バッファ層(図示せず)、n型クラッド層133、GaInP系材料からなる発振波長が650nmの多重量子井戸構造の活性層134、p型クラッド層135、p型キャップ層136を順に積層して第2の積層体137を形成する。上記n型クラッド層133は例えばn型AlGaInP層で形成し、上記p型クラッド層135は例えばp型AlGaInP層で形成し、p型キャップ層136は例えばp型GaInP層で形成する。
次に図2Aに示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて、第2の半導体レーザ240が形成されるべき領域にある138の上の第2の積層体がレジスト膜(図示せず)で覆われるようにした後、第1の積層体107上及び領域138以外にある第2の積層体137を第1の積層体107の最表面が露出するまでエッチングする。この工程において、第2の積層体137と第1の積層体107とを分離するための溝を第1の積層体107の両側にエッチングして形成し、分離溝の一方の底部の幅が他方の溝の底部の幅よりも狭くなるように加工する。底部の幅が狭い方の溝139は第1の積層体107と第2の積層体137とを含む素子チップをへき開するためのものであり、V字形状になっている。また、溝139の底部はn型バッファ層102あるいはn型GaAs基板(101)に達している。上記のエッチングは、塩酸系のエッチャントと硫酸系のエッチャントを用いて行い、異方性エッチングになっている。
上記のようにフォトリソグラフィー技術を用いることにより、溝の幅及び基板内での位置を精度よく決めることができる。また、異方性ウエットエッチングを用いて溝の側面に(111)面が露出するようにすると、基板内部に終端するV字形状にできるため、溝の深さは、その開口幅に対応した深さになる。すなわち、深さの制御も精度よく行える。例えば、第1の積層体107、第2の積層体137の膜厚が3μmとした場合、積層体107のp型キャップ層106の側面部より約8μmの距離をあけて第2の積層体137上にマスクを形成して、上記の薬液によりウエットエッチすることで、溝の底部が0〜1μm以下の幅に収まる。
次に図2Bに示すように、第1、第2の積層体107、137上に、電流注入領域となる部分を覆う絶縁膜109を形成し、その絶縁膜109をマスクに用いたエッチングによって、電流狭窄構造となるストライプ構造を形成するために、例えば、p型キャップ層106、136の表面からp型クラッド層105、135の一部をウエットエッチングにより(111)面を持つ傾斜を有したリッジストライプ状に加工する。
次に、図2Cに示すように、絶縁膜109をマスクに用いてMOCVD法などによる選択成長によって、第1、第2の積層体107、137が露出している部分上にn型電流ブロック層110を選択成長させて電流狭窄層を形成する。その後、上記絶縁膜109をエッチングによって除去し(図示せず)、p型コンタクト層111を形成する。
次に、図3Aに示すように、第1と第2の積層体上に形成したn型電流ブロック層110、p型コンタクト層111上にリソグラフィー技術によりレジストを覆い、分離溝上に形成されたn型電流ブロック層110、p型コンタクト層111をエッチングして、第1の積層体を含む第1の半導体レーザ子120と第2の積層体を含む第2の半導体レーザ140とを電気的に分離する。なお、上記したように第1の半導体レーザ120が発するレーザ光波長は780nm帯の光であり、第2の半導体レーザ140が発するレーザ光波長は650nm帯の光である。また、1は半導体発光素子である。
その後、図3Bに示したように、上記p型コンタクト層111に接続するp型電極112、113、n型基板に接続するn型電極114を接続する。上記電極は、p型電極112、113を例えばCr/Pt/Auなどの積層体、n型電極114を例えばAuGe/Ni/Cr/Pt/Auなどの積層体で形成する。
次に上記素子チップのへき開方法について説明する。まず、図4Aに示すようにGaAs基板101上に図3Bに示した第1の半導体レーザ120と第2の半導体レーザ140とからなるモノリシック2波長半導体レーザが形成されている。さらに、モノリシック2波長半導体レーザに対して、半導体層201が形成された側の表面に、モノリシック2波長半導体レーザの共振器長方向(図中のX方向)に沿って、モノリシック2波長半導体レーザの間隔ごとに複数のへき開用溝部202が等しい間隔をあけて相互に平行に形成されている。このへき開用溝部は図5に示したV字形状の素子分離用溝139である。次に、モノリシック2波長半導体レーザを、図中Y方向が長手方向となる長方形に切り出しための短い複数のスクライブ傷203がモノリシック2波長半導体レーザの共振器長方向に沿った側縁に等しい間隔をあけて形成される。
次いで、図4Bに示すように、各スクライブ傷203を起点として、Y方向に、へき開(一次へき開)されることにより、整列された複数の半導体レーザを含む複数のレーザバー204が得られる。この時のへき開面がレーザの共振器端面となる。
次に、共振器端面を誘電体膜等でコーティングした後、図4Cに示されるように、裏面電極206(図3Bのn型電極114に相当)側からレーザバー204に荷重をかけて、各レーザバーがへき開用溝部202に沿ってへき開(二次へき開)されることにより、複数のモノリシック2波長半導体レーザ素子205が得られる。
図2Aで説明したように、チップをへき開して分離する溝底部の幅が、チップ内の素子を電気的に分離する溝底部の幅よりも狭くなるようにしてあるので、上記のように溝の底部に圧力が集中するように荷重をかけても後者の溝で破断が起こることなく、2次へき開工程においての歩留まり低下の心配がない。さらに、溝の形状を応力集中が起こりやすい形状にしているため、比較的軽度の荷重でへき開が行え、過度の応力集中によるレーザ特性への悪影響が大幅に低減される。特に底部の幅が0μm以上、1μm以下であれば、へき開しやすく、上記の効果がより顕著となる。
また、本実施形態によれば、素子分離用溝、チップへき開用の分離溝ともにその位置、幅、深さは上記したように公知の技術を用いて制御性よく高精度を保って加工できる。これらの溝は同時に形成できるため工程数が増加することもないのでコストの増加を防げる。なお、半導体レーザの構造は本実施形態に示した構造に特に限定されるものではなく、例えば、電流ブロック層が2層になっていてもよい。また、本実施形態では、モノリシック2波長半導体レーザ素子について説明したが、例えば、異なる波長の光を発するLED(Light Emitting Device)であってもよいし、異なる波長の光を受光する半導体受光素子あるいは半導体発光素子と半導体受光素子とが同じ基板上に形成された受発光素子であっても、上記の実施形態と同様の効果が得られる。また、異なる種類のHBT(Hetero Bipolar Transistor)が複数形成された半導体装置の製造に用いてもよい。その場合、上記のように1次へき開を行うことなく、直接V溝部でへき開して素子分割してもよい。
101,301 n型GaAs基板
102,302 n型バッファ層
103,303 n型クラッド層
104,304 多重量子井戸構造活性層(発振波長780nm)
105,305 p型クラッド層
106,306 p型キャップ層
107,307 第1の積層体
108,308 第1の半導体レーザの形成領域
109,309 絶縁膜
110,310 n型電流ブロック層
111,311 p型コンタクト層
112,113、312、313 p型電極
114,314 n型電極
120,320 第1の半導体レーザ
133,333 n型クラッド層
134,334 多重量子井戸構造活性層(発振波長650nm)
135,335 p型クラッド層
136,336 p型キャップ層
137,337 第2の積層体
138,338 第2の半導体レーザの形成領域
139 V字形状の素子分離用溝
140,340 第2の半導体レーザ
201,401 半導体層
202,402 へき開用溝部
203,403 スクライブ傷
204,404 レーザバー
205 モノリシック2波長半導体レーザ素子
206,406 裏面電極
332 n型バッファ層
405 半導体レーザ素子
102,302 n型バッファ層
103,303 n型クラッド層
104,304 多重量子井戸構造活性層(発振波長780nm)
105,305 p型クラッド層
106,306 p型キャップ層
107,307 第1の積層体
108,308 第1の半導体レーザの形成領域
109,309 絶縁膜
110,310 n型電流ブロック層
111,311 p型コンタクト層
112,113、312、313 p型電極
114,314 n型電極
120,320 第1の半導体レーザ
133,333 n型クラッド層
134,334 多重量子井戸構造活性層(発振波長650nm)
135,335 p型クラッド層
136,336 p型キャップ層
137,337 第2の積層体
138,338 第2の半導体レーザの形成領域
139 V字形状の素子分離用溝
140,340 第2の半導体レーザ
201,401 半導体層
202,402 へき開用溝部
203,403 スクライブ傷
204,404 レーザバー
205 モノリシック2波長半導体レーザ素子
206,406 裏面電極
332 n型バッファ層
405 半導体レーザ素子
Claims (10)
- 半導体基板上に第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザと前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザとを備えたモノリシック半導体レーザ素子を形成する工程と、
前記半導体基板をへき開して前記モノリシック半導体レーザ素子が複数個整列されたレーザバーを形成する工程と、
前記レーザバーをへき開して前記モノリシック半導体レーザ素子を素子毎に分割して得る工程を含む半導体レーザ素子の製造方法であって、
前記レーザバーは前記モノリシック半導体レーザ素子間を分離するV字形状の溝部でへき開され、前記V字形状の溝の底部の幅は前記第1の半導体レーザと前記第2の半導体レーザとを分離する溝の底部の幅よりも狭いことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。 - 前記V字形状の溝の側面の少なくとも一方は前記半導体基板の(111)面と略平行である請求項1に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記V字形状の溝の底部は前記半導体基板表面に達している請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記V字形状の溝の底部の幅は0μm以上、1μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 半導体基板上に半導体層を積層して第1の積層体を形成する工程と、
第1の所定の領域に前記第1の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第1の積層体を除去する工程と、
前記半導体基板及び前記第1の積層体の上に半導体層を積層して第2の積層体を形成する工程と、
第2の所定の領域に前記第2の積層体を残して、前記半導体基板及び前記第1の積層体の上に形成されている前記第1の積層体を除去しつつ、前記第2の積層体と分離するための溝を第1の積層体の両側に形成し、前記分離溝の一方の底部の幅が他方の分離溝の底部の幅よりも狭くなるように加工する工程と、
前記半導体基板をへき開して前記第1の積層体及び前記第2の積層体を含む半導体素子を得る工程を備え、
前記一方の分離溝は前記第1の積層体と前記第2の積層体を含む半導体素子を素子毎に分割するための溝であり、
前記他方の分離溝は前記第1の積層体と前記第2の積層体とを電気的に分離するための溝であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記1の積層体と前記第2の積層体を含む半導体素子を素子毎に分割するための溝の底部は前記半導体基板表面に達している請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の積層体は第1の波長のレーザ光を発する第1の半導体レーザの一部又は全部をなし、
前記第2の積層体は前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光を発する第2の半導体レーザの一部又は全部を構成する請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記分離溝のうち少なくとも底部の幅の狭い方はV字形状の溝である請求項5〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記V字形状の溝の側面の少なくとも一つは前記半導体基板の(111)面と略平行である請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記V字形状の溝の底部の幅は0μm以上、1μm以下である請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
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JP2003271536A JP2005033036A (ja) | 2003-07-07 | 2003-07-07 | 半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法 |
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JP2003271536A JP2005033036A (ja) | 2003-07-07 | 2003-07-07 | 半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法 |
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JP2003271536A Withdrawn JP2005033036A (ja) | 2003-07-07 | 2003-07-07 | 半導体レーザ素子の製造方法及び半導体装置の製造方法 |
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JP2007048813A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザ装置およびその製造方法 |
-
2003
- 2003-07-07 JP JP2003271536A patent/JP2005033036A/ja not_active Withdrawn
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