JP2005030592A - 密封ハウジングカバー - Google Patents

Abstract

【課題】 それぞれの用途に対して、密封ハウジングカバーの材料をその取り付け直前に選択できるようにすること、再利用を容易にすること、密封ハウジングカバーの個々の部品の製造を互いに独立して行えるようにすることが可能な密封ハウジングカバーを提供する。
【解決手段】 本発明の密封ハウジングカバーは、密封すべきシャフト（３）が貫通する貫通口（２）を有し、別個に製造された金属材料製の補強フランジ（４）と、少なくとも１つのシール（６）を有するとともに別個に製造されたポリマー材料製のシールフランジ（５）を有するものにおいて、規定通りに使用する際、補強フランジ（４）とシールフランジ（５）が、摩擦による結合、形状による結合、材料による結合のいずれか１以上によって互いに連結されていることを特徴とする。
【選択図】 図２

Description

本発明は、密封すべきシャフトが貫通する貫通口を有する密封ハウジングカバーに関する。より詳細には、本発明は、別個に製造された金属材料製の補強フランジと、少なくとも１つのシールを備える別個に製造されたポリマー材料製のシールフランジとを有する密封ハウジングカバーに関する。

密封を必要とするシャフトが貫通する貫通口を有する密封ハウジングカバーは公知である（例えば特許文献１参照）。この密封ハウジングカバーは、例えば自動車エンジンのクランクケースのハウジング開口部を密封するのに利用されている。この密封ハウジングカバーは、クランクケースを介するクランクシャフト貫通部を密封する。この密封ハウジングカバーは、金属又はプラスチックからなるシールフランジを備え、この密封ハウジングカバーには、金属材料からなる支持材が組み込まれている。そしてこのシールフランジは、ハウジングとクランクシャフトを密封するシールを保持している。クランクシャフトの密封は、動的シールをもたらすシャフトシールによって行われ、クランクケースが複数の部分からなる場合、複数の部分間の密封は静的シールによって行われる。動的シールも静的シールもともにシールフランジに固定されている。

プラスチック材料のみからなる密封ハウジングカバーは、プラスチック材料の強度が小さいため、ハウジング部品が受容でき、伝達できる静的な力及び動的な力はわずかである。ハウジングにおいてシールフランジを固定するための貫通口領域では、固定エレメントによって生じる圧力、力を、補強材、例えばインサート材を介して、シールフランジを通過させなければならない。

金属のみからなる密封ハウジングカバーは、プラスチック製の密封ハウジングカバーよりも重く、シールエレメントの固定にコストがかかる。薄い金属板を打ち抜いた支持材の場合、材料をわずかしか利用できない。

プラスチック材で取り囲まれている金属製支持材を備える密封ハウジングカバーは、まず支持材を製造し、続く加工工程でプラスチックを被覆しなければならないために、製造にコストがかかる。完成した密封ハウジングカバーでは、支持材とプラスチックが分離不能な状態で結合されている。
独国特許第19928647C1号公報

本発明は、密封すべきシャフトが貫通する貫通口を有する密封ハウジングカバーであって、別個に製造された金属材料の補強フランジと、少なくとも１つのシールを備える別個に製造されたポリマー材料製のシールフランジとを有する密封ハウジングカバーを改良して、それぞれの用途に対して、密封ハウジングカバーの材料をその取り付け直前に選択できるようにすること、再利用を容易にすること、密封ハウジングカバーの個々の部品の製造を互いに独立して行えるようにすることを課題とする。

上記課題は、本願請求項１の諸特徴によって解決する。すなわち、上記課題は、密封すべきシャフトが貫通する貫通口を有する密封ハウジングカバーであって、別個に製造された金属材料製の補強フランジと、少なくとも１つのシールを有するとともに別個に製造されたポリマー材料製のシールフランジを備えているものにおいて、規定通りに使用する際、補強フランジとシールフランジが、摩擦による結合、形状による結合、材料による結合のいずれか１以上によって互いに連結されている密封ハウジングカバーによって解決される。有利な発展形を従属請求項に記載した。

上記課題を解決するために、密封すべきシャフトが貫通する貫通口を密封ハウジングカバーであって、別個に製造された金属材料製の補強フランジと、別個に製造されて少なくとも１つのシールを備えるポリマー材料製のシールフランジとが設けられている密封ハウジングカバーにおいて、この密封ハウジングカバーが規定通りに使用される場合、補強フランジとシールフランジが、部材間に生じる摩擦力や力による結合及び／又は、２つの部材の相補的な形状による結合、プレスばめ及び／又は、留め部材や接着剤などの材料による結合、接着剤による結合によって互いに連結されている密封ハウジングカバーを提供する。

金属製の補強フランジは、固定エレメント、例えばねじによって、ハウジング又はハウジング部品と結合される。この補強フランジは、密封ハウジングカバーに作用する力を受容する。シールフランジには、ハウジングを密封する静的シールエレメントと、シャフトを密封する動的シールエレメントが固定されている。もう１つの実施形態では、この静的シールエレメントが補強フランジに取り付けられ、動的シールエレメントがシールフランジに固定されている。このシールフランジは、力の伝達を行わないので、軽量材料から形成することができる。補強フランジとシールフランジは互いに結合されるが、その際、シールフランジと補強フランジの組立を取り付け直前に行うことができる。これにより、それぞれの用途に最適な、さまざまなシールフランジと補強フランジを使用することができ、例えばハウジングと同じ膨張係数を有する補強フランジを選択することが可能となる。補強フランジとシールフランジは、使用後再び互いに分離することができ、これにより密封ハウジングカバーの再利用が容易となる。

補強フランジを、アルミニウム又は他の軽金属から形成することが好ましい。アルミニウム製の補強フランジは、大きな強度を持ちながら軽量である。アルミニウム製の補強フランジは、ダイカスト法で製造できるので、複雑な形状であっても、わずかな工程数とわずかな製造コストで製造することができる。

１つの実施形態では、密封ハウジングカバーのシールフランジをポリアミド（PA）製とすることができる。ポリアミドは、耐磨耗性であり、耐衝撃性を有する。

もう１つの実施形態では、シールフランジをポリフェニレンスルフィド（PPS）製とすることができる。ポリフェニレンスルフィドは、高い強度と高い耐化学薬品性を示し、とくに鉱物性潤滑剤及び合成潤滑剤を使用する際に有利である。

さらにもう１つの実施形態では、シールフランジをポリフタルアミド（PPA）製とすることができる。ポリフタルアミドは、耐熱性のプラスチックであり、そのため密封ハウジングカバーを高温下で使用することが可能となる。

１つの有利な実施形態では、シールフランジを、少なくとも１つの、スナップ固定部及び／又はかしめ固定部によって、補強フランジと結合することができる。どちらの固定方法とも、容易に接続可能であり、かつ破壊することなく分離可能な結合を可能とする。

シールを、ポリマー材料製のシールスリーブによって形成することが好ましい。このシールスリーブによって、密封すべきシャフトに対する密封ハウジングカバーの動的シールを確実にもたらすことが可能となる。シールスリーブは、密封すべきシャフトに対して大きな接触面を有し、圧力が小さい。この構成によって、摩擦による熱の負荷が小さくなる。

シールスリーブを、PTFEコンパウンドから形成することが好ましい。この構成によって、シールスリーブは、大部分の密封すべき媒体に対する耐性を有する。そのほかPTFE材料は、良好な温度特性と良好な滑動挙動、すぐれた緊急時特性を有する。PTFE製のシールスリーブはほとんど磨耗することがない。

シールスリーブのシャフトに対向する側に少なくとも１つの還流溝を設けて、密封すべき媒体を、密封すべき空間の方向に還流させることが好ましい。この還流溝によって、シールリングの動的シール特性が改善され、シールスリーブはつねに十分に潤滑される。潤滑剤は密封すべき媒体から形成され、この還流溝によってつねに取り替えることができる。

１つの有利な実施形態では、シールが、シールスリーブと、シールスリーブの周囲環境側に前置されているシールリップとを有する。前置されているシールリップ、前置シールは、周囲環境からシールスリーブに汚染物粒子が侵入するのを防止する。この前置されているシールリップを、例えば不織布又はフェルトから形成することができる。

シールフランジが、少なくとも軸方向でハウジングに向く側に、ポリマー材料製の静的シールを備えていることが好ましい。この静的シールによって、ハウジングに対する密封ハウジングカバーの密封が確実に行われる。

１つの有利な実施形態では、静的シールとシールフランジが、材料による結合及び／又は形状による結合によって互いに連結されている。静的シールとシールフランジの形状による結合又は摩擦による結合を実施する形態では、静的シールとシールフランジの両者の部品の位置のずれが生じない結合が可能である。両者の部品を接着することによって、結合の強度を高めることができる。粘着性のシール材料を使用することができる。

１つの実施形態では、シールスリーブを、周囲環境に向かって湾曲する形状とすることができる。この形状によって、取り付け装置を利用することなく、シールリングを簡単に取り付けることが可能となる。

もう１つの実施形態では、シールスリーブを、密封すべき空間に向かって湾曲する形状とすることができる。この取り付け配置によって、シールスリーブが周囲環境の方向を向く配置よりも、媒体側の圧力を高くすることが可能となる。

１つの有利な実施形態では、密封ハウジングカバーにセンサー装置を組み込むことができる。センサー装置によって、シャフトの回転数、回転の滑らかさ、回転角度を検知し、密封ハウジングカバーへ組み込むことによって、必要とされる取り付け空間を非常に小さく抑え、センサーに簡単に手が届くようにすることができる。

１つの実施形態では、センサーを密封ハウジングカバーから破壊することなく取り外すことができる。この構成により、センサーを別個に交換することができ、あるいは取り外し後のセンサーを再使用することができる。

１つの有利な実施形態では、使用期間終了時に、補強フランジとシールフランジの結合を分離することができ、両者のフランジを別々に使用し、及び／又は廃棄することができる。この構成によりコストのかかる複合材の廃棄が防止される。

本発明は、密封すべきシャフト（３）が貫通する貫通口（２）を有する密封ハウジングカバー（１）に関する。この密封ハウジングカバーは、別個に製造された金属材料製の補強フランジ（４）と、少なくとも１つのシール（６）を有するとともに別個に製造されたポリマー材料製のシールフランジ（５）を有する。規定通りに使用する際、補強フランジ（４）とシールフランジ（５）が、摩擦による結合、形状による結合、材料による結合のいずれか１以上によって互いに連結されている。この構成によって、それぞれの用途に対して、密封ハウジングカバーの材料をその取り付け直前に選択できるようにすること、再利用を容易にすること、密封ハウジングカバーの個々の部品の製造を互いに独立して行えるようにすることが可能となる。

本発明による密封ハウジングカバーのいくつかの実施例を、図１〜１２を参照して以下に詳しく説明する。これらの図はいずれも略図である。

図１〜１２は、自動車エンジンのハウジング11に対して使用される密封ハウジングカバー１の実施例を示す。これらの実施例では、クランクシャフトとして形成されているシャフト３がハウジング11を貫通する。密封ハウジングカバー１には、ハウジング11から突き出るシャフト３が貫通する、シャフト３用の貫通口２が設けられ、軽合金のダイカストによる補強フランジ４と、ポリマー材料製のシールフランジ５とが含まれ、シールフランジには、その内周側にシャフト３に対向するシール６を、その外周側にハウジング11に対向する静的シール12が固定されている。シールフランジ５の外側輪郭には穴部13の形態の切欠が設けられ、この穴部を介して静的シール12がさらに形状による結合又は摩擦による結合により、かつ位置のずれが生じない状態で、シールフランジ５と結合されている。

図１に示す密封ハウジングカバー１は、軽合金のダイカストによる補強フランジ４と、ポリマー材料製のシールフランジ５を有する。このシールフランジ５は、シール６と静的シール12とを備え、シール６は、PTFE製のシールスリーブ８と、シールスリーブ８の周囲環境32側に前置されているシールリップ10から構成されている。シールスリーブ８とシールリップ10は、シールフランジ５のシャフト３に対向する側に固定され、シールスリーブ８はシールフランジ５の切欠30に、シールリップ10はシールフランジ５のセンタリングカラー31にそれぞれ固定されている。シールリップ10は、センタリングカラー31によって、半径方向、軸方向の位置を調節されて取り付けられている。シールスリーブ８のシャフト３に対向する側には、還流溝９が設けられている。

図２は密封ハウジングカバー１の斜視図であるが、この図は、補強フランジ４とシールフランジ５が結合されていない状態を示している。補強フランジ４の外側周縁には、貫通孔14が外周上に配分されて設けられ、この貫通孔は補強フランジ４をハウジング11に固定するのに利用される。例えばねじである固定エレメントを貫通孔14に貫通させて、補強フランジ４とハウジング11を脱着可能に固定することができる。補強フランジ４の底部領域には、シールフランジ５のスナップ固定エレメント７を嵌め込むための穿孔15が設けられている。このスナップ固定エレメント７は、シールフランジ５の底部領域に形成され、シールフランジ５を補強フランジ４と、脱落することがないように、かつ取り外し可能な状態で結合する。シールフランジ５の貫通口２には、PTFEコンパウンド製のシールスリーブ８が固定され、密封ハウジングカバー１をシャフト３に対して密封している。シールスリーブ８は、シールスリーブ８の周囲環境32側に前置されている不織布製のシールリップ10によって保護されている。この図には、２つの部材の形状が互いに相補的であることによって結合をもたらす形状による結合を利用する場合を示すが、この結合に加えて、又はこの結合に換えて、２つのシールフランジを、互いの部材間に生じる摩擦力、力によって、及び/又は留め具や接着剤を使用して結合することができる。

図３に示す密封ハウジングカバー１は、センサー27と測定値供給子16を備えているセンサー装置26を有する。測定値供給子16は、車輪17の軸方向アーム22の外周側を取り囲むように固定されている。測定値供給子16とセンサー27は共働して、シャフト３の回転に関わる信号を生成する。車輪17はシャフト３と、互いに回転しないように結合されている。センサー27は、補強フランジ４の切欠19に固定されている。この図に示す実施例では、シールフランジ５に対するシャフト３の密封は、DIN 3760/3761に記載の幾何学的な寸法を有するラジアルシール18によってもたらされる。

図４に示す密封ハウジングカバー１の場合、シール６は、シールスリーブ８と、シールスリーブ８の周囲環境32側に前置されているシールリップ10とを備え、このシールスリーブは、シャフトに対向する側に還流溝９を有する。シールフランジ５に静的シール12が取り付けられていることによって、ハウジング11に対するシールフランジ５の密封がもたらされる。この図に示す実施例では、シールスリーブ８、シールリップ10、静的シール12は、一様な材料から、かつ一体的に形成されている。

図５は、センサー装置26を有する密封ハウジングカバー１を示し、センサー装置は、センサー27と、このセンサー27と共働する測定値供給子16を備え、測定値供給子16は、車輪17の半径方向外側に位置する軸方向アーム22の外周側を取り囲むように固定されている。車輪17はシャフト３に圧力ばめ又は圧着されている。センサー27は、補強フランジ４の切欠19に固定されている。半径方向でシャフト３とは反対側に向き、車輪17の軸方向に延伸する半径方向内側に位置するアームの外周面は、シール６に対する接触摺動面28として機能し、シール６は、還流溝９を持つシールスリーブ８と、シールリップ10から構成されている。シールスリーブ８とシールリップ10は、半径方向においてシールフランジ５と固定されている。

図６に示す密封ハウジングカバー１では、シール６を形成するシールスリーブ８が、周囲環境32側に向かって湾曲し、シャフト３に対向する側に還流溝９を備えている。シールスリーブ８は、シールフランジ５の切欠30に固定されている。シールスリーブ８の自由端部には、前置シール20が形成されている。シールスリーブ８の自由端部は、リング状空隙21によって保護されているが、このリング状空隙は、シャフト３と車輪17の軸方向フランジ又は軸方向アーム22によって形成されている。密封ハウジングカバー１には、センサー27と測定値供給子16を備えるセンサー装置26が組み込まれている。測定値供給子16とセンサー27は共働して、シャフト３の回転に関わる信号を生成する。センサー27は補強フランジ４の切欠19に固定され、測定値供給子16は車輪17の軸方向フランジ22の外周側に固定されている。車輪17は、シャフト３と、互いに回転しないように結合されている。測定値供給子16は、汚れが侵入しないように、測定値供給子16に固定され、周囲の側を取り囲む半径方向カラー23によって保護されている。静的シール12の変形を制限するために、補強フランジ４には、スペーサーリブ24が取り付けられ、及び／又はスペーサーリブ24が成形されている。スペーサーリブ24は、密封ハウジングカバー１をハウジング11に固定する際に支持し、これにより静的シール12の変形が制限される。

図７に示す密封ハウジングカバー１では、シール６を形成するシールスリーブ８が、周囲環境32側に向かって湾曲し、シャフト３に対向する側に還流溝９を備えている。シールスリーブ８の自由端部には、前置シール20が形成されている。シールスリーブ８は、半径方向においてシールフランジ５に固定されている。シールスリーブ８の自由端部は、リング状空隙21によって保護されているが、このリング状空隙は、シャフト３と車輪17の軸方向フランジ又は軸方向アーム22とによって形成されている。シールスリーブ８は、シールフランジ５の周囲環境32に対向する側に固定されている。密封ハウジングカバー１には、センサー27と、このセンサー27と共働する測定値供給子16を備えるセンサー装置26が組み込まれている。センサー27は補強フランジ４の切欠19に固定され、測定値供給子16は車輪の軸方向フランジ22の周方向に配分されている切り込みによって形成されている。車輪17はシャフト３と、互いに回転しないように結合されている。静的シール12の変形を制限するために、補強フランジ４にはスペーサーリブ24が取り付けられ、及び／又はスペーサーリブ24が成形されている。スペーサーリブ24は、密封ハウジングカバー１をハウジング11に固定する際に支持し、これにより静的シール12の変形が制限される。

図８は、密封ハウジングカバー１における潤滑剤受皿25の接続領域を示す。シール６はシールスリーブ８を備え、シールスリーブ８は、シャフト３に対向する側に還流溝９を、シールスリーブ８の周囲環境32側に前置されているシールリップ10を有する。シールスリーブ８は、シールフランジ５の切込30に、シールリップ10はシールフランジ５のセンタリングカラー31にそれぞれ固定されている。シールリップ10は、センタリングカラー31によって、半径方向、軸方向の位置を調節されて取り付けられている。シールフランジ５の底部領域では、静的シール12が面29を形成し、この面29は潤滑剤受皿25に対して密封ハウジングカバー１を密封するように機能している。

図９に示す密封ハウジングカバー１では、シール６が、シャフトに対向する側に還流溝９を有するシールスリーブ８と、シールスリーブ８の周囲環境32側に前置されているシールリップ10とを備えている。シールスリーブ８はシールフランジ５の切欠30に、シールリップ10はシールフランジ５のセンタリングカラー31にそれぞれ固定されている。密封ハウジングカバー１にはセンサー装置26が組み込まれ、センサー装置26は、補強フランジ４の切欠19に固定されているセンサー27と、車輪17の軸方向フランジ22の外周側に固定されている測定値供給子16とを備えている。車輪17はシャフト３と互いに回転しないように結合されている。静的シール12の変形を制限するために、補強フランジ４にはスペーサーリブ24が取り付けられ、及び／又はスペーサーリブ24が成形されている。スペーサーリブ24は、密封ハウジングカバー１をハウジング11に固定する際に支持し、これにより静的シール12の変形が制限される。

図１０は、補強フランジ４とシールフランジ５が接続状態にあるとき、スナップ固定エレメントによる７による、そのスナップ固定部を示す詳細図である。この結合部は、補強フランジ４に設けられた穿孔15と、シールフランジ５に成形されたスナップ固定エレメント７から構成され、接続の際には、シールフランジ５のスナップ固定エレメント７が、補強フランジ４の穿孔15に嵌め込まれる。

図１１は、補強フランジ４とシールフランジ５が接続状態にあるとき、スナップ固定エレメントによる７による、そのスナップ固定部を示す詳細図である。この結合部は、補強フランジ４に設けられた穿孔15と、シールフランジ５に成形されたスナップ固定エレメント７から構成され、接続の際には、シールフランジ５のスナップ固定エレメント７が、補強フランジ４の穿孔15に嵌め込まれる。この図に示す実施例では、スナップ固定エレメント７の先端部付近の内側にアンダーカット部32が設けられ、これによってスナップ固定エレメント７はより柔軟に形成される。

図１２は、補強フランジ４とシールフランジ５が接続状態にあるとき、そのかしめ固定部を示す詳細図である。この図に示す結合部は、補強フランジ４に設けられた穿孔15と、シールフランジ５に成形された概略管形状の突起34から構成され、接続後、この管形状の突起を変形させ、補強フランジ４の穿孔15の中でかしめる。このとき管形状の突起34の自由端部、先端部は、もともとの直径よりも大きくなる。

本発明の、動的シールを構成するシールスリーブを備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 本発明の密封ハウジングカバーの斜視図である。 本発明の、動的シールを構成するラジアルシールを備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 本発明の、動的シールを構成する一体形かつ一様な材料からなる静的シール領域かつ動的シール領域を備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 本発明の、センサー装置を備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 本発明の、周囲環境の方向に湾曲しているシールスリーブを備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 本発明の、センサー装置を備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 本発明の密封ハウジングカバーの潤滑剤受皿の接続領域を示す図である。 センサー装置を備えている密封ハウジングカバーの縦断面図である。 シールフランジを補強フランジと結合するスナップ固定部を詳細に示す図である。 シールフランジを補強フランジと結合するスナップ固定部を詳細に示す図である。 シールフランジを補強フランジと結合するかしめ固定部を詳細に示す図である。

符号の説明

１ 密封ハウジングカバー
２ 貫通口
３ シャフト
４ 補強フランジ
５ シールフランジ
６ シール
７ スナップ固定エレメント
８ シールスリーブ
９ 還流溝
１０ シールリップ
１１ ハウジング
１２ 静的シール
１３ 穴部
１４ 貫通孔
１５ 穿孔
１６ 測定値供給子
１７ 車輪
１８ ラジアルシール
１９ 切欠
２０ 前置シール
２１ リング状空隙
２２ 軸方向アーム
２３ 半径方向カラー
２４ スペーサリブ
２５ 潤滑剤受皿
２６ センサー装置
２７ センサー
２８ 接触摺動面
３０ 切欠
３１ センタリングカラー
３２ 周囲環境
３３ 密封すべき空間

Claims (17)

1. 密封すべきシャフト（３）が貫通する貫通口（２）を有する密封ハウジングカバー（１）であって、別個に製造された金属材料製の補強フランジ（４）と、少なくとも１つのシール（６）を有するとともに別個に製造されたポリマー材料製のシールフランジ（５）を備えているものにおいて、
   規定通りに使用する際、前記補強フランジ（４）と前記シールフランジ（５）が、摩擦による結合、形状による結合、材料による結合のいずれか１以上によって互いに連結されている密封ハウジングカバー。
2. 前記補強フランジ（４）が軽金属製である請求項１に記載の密封ハウジングカバー。
3. 前記シールフランジ（５）がポリアミド（PA）製である請求項１又は２に記載の密封ハウジングカバー。
4. 前記シールフランジ（５）がポリフェニレンスルフィド（PPS）製である請求項１又は２に記載の密封ハウジングカバー。
5. 前記シールフランジ（５）がポリフタルアミド（PPA）製である請求項１又は２に記載の密封ハウジングカバー。
6. 前記シールフランジ（５）が、少なくとも１つの、スナップ固定部（７）及び／又はかしめ固定部（34）によって、前記補強フランジ（４）と結合されている請求項１〜５のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
7. 前記シール（６）がポリマー材料製のシールスリーブ（８）により形成されている請求項１〜６のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
8. 前記シールスリーブ（８）がPTFEコンパウンド製である請求項７に記載の密封ハウジングカバー。
9. 前記シールスリーブ（８）が、その半径方向でシャフト（３）に対向する側に、少なくとも１つの還流溝（９）を有し、密封すべき媒体を、密封すべき空間（33）の方向に還流させる請求項７又は８に記載の密封ハウジングカバー。
10. 前記シール（６）が、シールスリーブ（８）と、このシールスリーブ（８）の周囲環境（32）側に前置されているシールリップ（10）とを有する請求項１〜９のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
11. 前記シールフランジ（５）が、少なくとも軸方向でハウジング（11）に対向する側に、ポリマー材料製の静的シール（12）を有する請求項１〜１０のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
12. 前記静的シール（12）と前記シールフランジ（５）が、材料による結合及び／又は形状による結合によって互いに連結されている請求項１１に記載の密封ハウジングカバー。
13. 前記シールスリーブ（８）が周囲環境（32）側に向かって湾曲している請求項８〜１２のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
14. 前記シールスリーブ（８）が密封すべき空間（33）側に向かって湾曲している請求項８〜１２のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
15. 前記密封ハウジングカバー（１）にセンサー装置（26）が組み込まれている請求項１〜１４のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。
16. 前記センサー（27）を破壊することなく、前記密封ハウジングカバー（１）から取り外すことができる請求項１５に記載の密封ハウジングカバー。
17. 使用期間終了時に、前記補強フランジ（４）と前記シールフランジ（５）の結合が分離可能であり、前記補強フランジ（４）と前記シールフランジ（５）の双方を別々に使用することができ、及び／又は廃棄することができる請求項１〜１６のいずれか１項に記載の密封ハウジングカバー。

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