JP2005014728A - Cast suspension member structure - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造によって形成されると共に、サスペンションフロントクロスメンバ、サスペンションリヤクロスメンバ、及び一対のサスペンションサイドメンバを含んで構成された鋳造サスペンションメンバ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、サスペンションアームやステアリングギヤボックスを支持するための部材としてサスペンションメンバが配設されている。一般にはサスペンションメンバは鋼板をプレス成形することによって製作されるが、昨今では軽量化の観点からサスペンションメンバをアルミニウム合金等を使って鋳造で製作することに対するニーズが高まっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−298121号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鋳造サスペンションメンバ構造を採用した場合、サスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを両立させることが非常に難しい。
【0005】
というのも、鋼板をプレス成形することにより製作されたサスペンションメンバであれば、サスペンションアームからの入力に対する剛性を確保できる形状とした上で、前面衝突時に変形させたい部位に所定形状のビード等を設定することにより、狙った変形モードをある程度実現することができる。これに対し、アルミ合金等を使った鋳造製のサスペンションメンバの場合、本来的にプレス成形品のサスペンションメンバよりも疲労強度が低いという特性があるため、前面衝突時に積極的に変形する構造を採用し難い。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、サスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを両立させることができる鋳造サスペンションメンバ構造を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、鋳造によって形成されると共に、略車両幅方向を長手方向として配置されるサスペンションフロントクロスメンバ及びサスペンションリヤクロスメンバと、略車両前後方向を長手方向として配置される一対のサスペンションサイドメンバとを含んで構成された鋳造サスペンションメンバ構造であって、前記サスペンションサイドメンバにはその長手方向に沿って高剛性部が設定されており、前記サスペンションリヤクロスメンバと前記サスペンションサイドメンバとが交差する部位には低剛性部が設定されている、ことを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、鋳造によって形成されると共に、略車両幅方向を長手方向として配置されるサスペンションフロントクロスメンバ及びサスペンションリヤクロスメンバと、略車両前後方向を長手方向として配置される一対のサスペンションサイドメンバとを含んで構成され、フロント側及びリヤ側にそれぞれ設定された複数の取付点でボディー側に取り付けられる鋳造サスペンションメンバ構造であって、前記サスペンションサイドメンバにはその長手方向に沿って高剛性部が設定されており、前記サスペンションリヤクロスメンバと前記サスペンションサイドメンバとが交差する部位でリヤ側取付点の前方側には低剛性部が設定されている、ことを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記高剛性部はフロント側取付点とリヤ側取付点とを結ぶように設定されており、前記低剛性部は前記高剛性部において前記リヤ側取付点の前方側の所定範囲に位置する部分と接続されている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記高剛性部は、車両前後方向に沿って延在する第1補強リブと、一端が第1補強リブに接続されて車両幅方向内側へ延びる一又は二以上の第2補強リブとによって構成されており、さらに、前記第2補強リブは、前記低剛性部と重ならない範囲で設定されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、サスペンションメンバは鋳造によって形成されると共に、略車両幅方向を長手方向として配置されるサスペンションフロントクロスメンバ及びサスペンションリヤクロスメンバと、略車両前後方向を長手方向として配置される一対のサスペンションサイドメンバとを含んで構成されている。
【0012】
ここで、本発明では、サスペンションサイドメンバにはその長手方向に沿って高剛性部が設定されているため、サスペンションアームからの入力に対してはこの高剛性部で支持することができる。従って、サスペンションアームからの入力に対する剛性を確保することができる。
【0013】
さらに、本発明では、サスペンションリヤクロスメンバとサスペンションサイドメンバとが交差する部位には低剛性部が設定されているため、前面衝突時にはこの低剛性部によって変形ストロークが確保される。従って、前面衝突時のエネルギー吸収性能を確保することができる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、サスペンションメンバは鋳造によって形成されると共に、略車両幅方向を長手方向として配置されるサスペンションフロントクロスメンバ及びサスペンションリヤクロスメンバと、略車両前後方向を長手方向として配置される一対のサスペンションサイドメンバとを含んで構成されており、更にフロント側及びリヤ側にそれぞれ設定された複数の取付点でボディー側に取り付けられている。
【0015】
ここで、本発明では、サスペンションサイドメンバにはその長手方向に沿って高剛性部が設定されているため、サスペンションアームからの入力に対してはこの高剛性部で支持することができる。従って、サスペンションアームからの入力に対する剛性を確保することができる。
【0016】
さらに、本発明では、サスペンションリヤクロスメンバとサスペンションサイドメンバとが交差する部位でリヤ側取付点の前方側には低剛性部が設定されているため、前面衝突時にはこの低剛性部によって変形ストロークが確保される。従って、前面衝突時のエネルギー吸収性能を確保することができる。
【0017】
請求項3記載の本発明によれば、高剛性部はフロント側取付点とリヤ側取付点とを結ぶように設定されており、低剛性部は高剛性部においてリヤ側取付点の前方側の所定範囲に位置する部分と接続されているため、前面衝突時の衝突荷重がサスペンションメンバに入力されると、高剛性部における低剛性部との接続部分には、低剛性部へ押し込まれる(入り込む)ような荷重が作用する。従って、低剛性部自体が変形するのみならず、低剛性部の変形に伴って高剛性部における低剛性部との接続部分が低剛性部側へ引き込まれて変形する。すなわち、本発明では、高剛性部と低剛性部との協働作用が得られる。
【0018】
請求項4記載の本発明によれば、高剛性部は、車両前後方向に沿って延在する第1補強リブと、一端が第1補強リブに接続されて車両幅方向内側へ延びる一又は二以上の第2補強リブとによって構成されているため、第2補強リブによって第1補強リブが補強される。従って、通常走行時のサスペンションアームからの入力に対する剛性を高めることができる。
【0019】
さらに、上記第2補強リブは低剛性部と重ならない範囲で設定されているため、前面衝突時には低剛性部の変形を阻害しない。また、第1補強リブ自体も第2補強リブによる支持力が得られない範囲では、変形し易くなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明が適用された第1実施形態に係るフロントサスペンションメンバ10について説明する。
【0021】
図3には本実施形態に係るフロントサスペンションメンバ10の全体構成を示す斜視図が示されており、又図2には当該フロントサスペンションメンバ10の全体構成を示す平面図が示されている。さらに、図1には当該フロントサスペンションメンバ10の要部を示す拡大平面図等が示されている。
【0022】
図3及び図2に示されるように、フロントサスペンションメンバ10は、車両幅方向に沿って前後に平行に配置された一対のフロントサスペンションフロントクロスメンバ12及びフロントサスペンションリヤクロスメンバ14と、車両前後方向に沿って左右に平行に配置された一対のフロントサスペンションサイドメンバ16、18とを含んで構成されており、全体としては平面視で井型形状に形成されている。また、このフロントサスペンションメンバ10は、アルミニウム合金を用いた鋳造(アルミダイキャスト)によって構成されている。
【0023】
上述したフロントサスペンションメンバ10におけるフロントサスペンションフロントクロスメンバ12の前面の両サイドには、図示しないステアリングギヤボックスを取り付けるためのギヤボックス取付部42が一体に形成されており、かかるギヤボックス取付部42に形成されたボルト挿通孔43に図示しないボルトが挿入されてナットに締結されることにより、ステアリングギヤボックスが固定されるようになっている。
【0024】
また、フロントサスペンションメンバ10における一対のフロントサイド部には、図示しない左右一対のフロントサスペンションアームの内側の端部を揺動可能に取り付けるための前側取付ベース24及び後側取付ベース26が前後に平行に一体に形成されている。かかる前側取付ベース24及び後側取付ベース26には同軸上にボルト挿通孔28が形成されており、両者の間にフロントサスペンションアームの内側の端部に圧入されたブッシュが挿入配置された状態でボルト挿通孔28内へボルトが挿入されてナットに締結されることにより、左右一対のフロントサスペンションアームが揺動可能に軸支されるようになっている。
【0025】
ここで、図1等に示されるように、本実施形態では、上述したフロントサスペンションメンバ10におけるフロントサスペンションサイドメンバ16、18の外縁部に、車両前後方向に沿って延在する帯状の第1補強リブ50が一体に形成されている。各第1補強リブ50はフロントサスペンションメンバ10の四隅に設けられたフロント側取付部52とリヤ側取付部54とを前後に結ぶように立設されている。
【0026】
さらに、上記第1補強リブ50の内側には、車両幅方向に沿って複数の直角三角形状の第2補強リブ56が立設されている。これらの第2補強リブ56は車両前後方向に沿って所定の間隔で配置されており、外側の端部は第1補強リブ50に直交した状態で接続されている。
【0027】
また、上述したフロントサスペンションメンバ10におけるリヤ側取付部54の前方側には、所定の範囲(図1(A)に斜線で示した三角形状の範囲)に亘って薄肉部58が形成されている。薄肉部58の板厚t(図1(C)参照)は、フロントサスペンションメンバ10の一般部60の板厚よりも薄く設定されている。従って、薄肉部58の面剛性は一般部60の面剛性よりも意図的に低く設定されている。なお、上述した第2補強リブ56は、この薄肉部58の形成範囲に重ならないように設定されている。
【0028】
さらに、上記薄肉部58における第1補強リブ50の後端側の内側には、平面視で細長い長円形状とされかつ上方側へ向けて凸となる断面ハット形状とされたクラッシュビード62が形成されている。クラッシュビード62は第1補強リブ50の後端側に対して略平行に形成されている。このクラッシュビード62を形成したことにより、当該クラッシュビード62の形成部位の剛性は車両前後方向に対しては高くなり(変形しにくくなり)、車両幅方向に対しては低いものとなっている(変形し易いものとなっている)。
【0029】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0030】
フロントサスペンションメンバ10における一対のフロントサスペンションサイドメンバ16、18の外縁部には左右一対の第1補強リブ50が略車両前後方向に沿って立設されているため、フロントサスペンションメンバ10の車両前後方向に対する剛性は通常よりも高くなっている。さらに、第1補強リブ50には車両幅方向に延びる複数の第2補強リブ56が接続されることにより、支持剛性が高められている。これにより、フロントサスペンションメンバ10の車両前後方向に対する剛性は充分に確保される。従って、通常走行時において図示しないサスペンションアームからフロントサスペンションメンバ10に荷重F(図1(A)参照)が入力されても、フロントサスペンションメンバ10が変形したり、割れ等の破損が生じることはない。
【0031】
一方、前面衝突時には、フロントサスペンションメンバ10の一対のフロントサスペンションサイドメンバ16、18には車両後方側への衝突荷重が入力される。ここで、本実施形態では、リヤ側取付部54の前方側に薄肉部58を形成したので、車両幅方向に対する剛性は一般部60よりも低くなっている。さらに、薄肉部58の形成範囲内には第1補強リブ50の後端側に対して略平行にクラッシュビード62が形成されているので、車両幅方向には変形し易くなっている。加えて、前述した第2補強リブ56は薄肉部58と重ならない範囲で設けられているため、第1補強リブ50の後端側は前端側に比べて車両幅方向へ変形し易くなっている。これらのことから、衝突荷重が入力されると、図1(B)に示されるように、第1補強リブ50の後端側(最後尾に配置された第2補強リブ56とリヤ側取付部54との間の部分)が車両幅方向内側へ圧縮塑性変形する。つまり、第1補強リブ50の後端側がクラッシュビード62をビード幅方向へ押し潰しながら薄肉部58の内方へと侵入するようにして変形が進む。上記作用から、本実施形態によれば、前面衝突時のフロントサスペンションメンバ10の変形ストロークを充分に確保することができる。
【0032】
上記の如く、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、フロントサスペンションサイドメンバ16、18にその長手方向に沿って第1補強リブ50を設定すると共に、フロントサスペンションリヤクロスメンバ14とフロントサスペンションサイドメンバ16、18とが交差する部位(リヤ側取付部54の前方側)に薄肉部58及びクラッシュビード62を設定したので、フロントサスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを両立させることができる。
【0033】
また、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、第1補強リブ50はフロント側取付部52とリヤ側取付部54とを結ぶように設定されており、薄肉部58は第1補強リブ50においてリヤ側取付部54の前方側の所定範囲に位置する部分と接続されているため、前面衝突時の衝突荷重がフロントサスペンションメンバ10に入力されると、薄肉部58及びクラッシュビード62自体が変形するのみならず、薄肉部58及びクラッシュビード62の変形に伴って第1補強リブ50における薄肉部58との接続部分を薄肉部58側へ引き込む作用をする。すなわち、本実施形態では、第1補強リブ50と薄肉部58との協働作用の結果、第1補強リブ50を効果的かつ迅速に車両幅方向内側へ変形させることができる。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時のエネルギー吸収性能を向上させることができる。
【0034】
さらに、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、略車両前後方向に沿って延在する第1補強リブ50を設けるだけでなく、これと直交するかたちで車両幅方向に延びる複数の第2補強リブ56の端部を第1補強リブ50に繋いだので、第1補強リブ50を複数の第2補強リブ56によって補強することができる。従って、通常走行時のフロントサスペンションアームからの入力に対する剛性を高めることができる。加えて、第2補強リブ56は薄肉部58と重ならない範囲で設定されているため、前面衝突時に第2補強リブ56によって薄肉部58の変形が阻害されることはない。また、第1補強リブ50自体も第2補強リブ56による支持力が得られない範囲では、変形し易くなる。これらの結果、本実施形態によれば、フロントサスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを、より高い精度で両立させることができる。
【0035】
また、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、フロントサスペンションメンバ10のリヤ側取付部54の前方側(即ち、フロントサスペンションメンバ10の周縁部ではない所)にクラッシュビード62を設けるため、フロントサスペンションメンバ10の疲労強度を損なう不利が生じない。つまり、先行技術文献として挙げた特許文献1に開示された構成の場合、サスペンションメンバの周縁部に複数の切欠を設定するようになっているが、このように周縁部に切欠を設定すると、通常走行時に切欠に応力集中が起こり、疲労破壊する可能性がある。しかし、本実施形態の場合には、そのような不利は無い。
【0036】
〔第2実施形態〕
以下、図4〜図6を用いて、本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造の第2実施形態(クラッシュビードの幾つかのバリエーション)について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0037】
図4(A)、(B)に示される実施形態では、フロントサスペンションメンバ10のリヤ側取付部54の前方側に、平面視で略正三角形状に形成された幅広のクラッシュビード70が形成されている。クラッシュビード70の一辺は、第1補強リブ50に対して略平行に配置されている。
【0038】
なお、クラッシュビード70以外の構成(第1補強リブ50、第2補強リブ56の設定及び薄肉部58の設定等)は、前述した第1実施形態と同様である(この点は、後述する図5及び図6の実施形態についても同様)。
【0039】
図5(A)、(B)に示される実施形態では、フロントサスペンションメンバ10のリヤ側取付部54の前方側に、第1実施形態のクラッシュビード62と平面形状が略同様の開口(穴)72が形成されている。
【0040】
図6(A)、(B)に示される実施形態では、第1実施形態のクラッシュビード62よりも幅が狭くより細長い一対のクラッシュビード74が車両幅方向に並設されている。
【0041】
上述した図4、図5、図6のいずれの構成を採っても、前述した第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0042】
〔実施形態の補足説明〕
上述した各実施形態では、フロントサスペンションメンバ10に対して本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造を適用したが、これに限らず、リヤサスペンションメンバに本発明を適用することも可能である。
【0043】
また、上述した各実施形態では、高剛性部として第1補強リブ50及び第2補強リブ56を設定する構成を採用したが、これに限らず、リブ以外の構成(例えば、板厚を厚くする等)を採ってもよい。
【0044】
さらに、上述した各実施形態では、低剛性部として薄肉部58とクラッシュビード62、70、74又は開口72とを併用したが、これに限らず、いずれか一方のみで低剛性部を構成してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、鋳造によって形成されると共に、略車両幅方向を長手方向として配置されるサスペンションフロントクロスメンバ及びサスペンションリヤクロスメンバと、略車両前後方向を長手方向として配置される一対のサスペンションサイドメンバとを含んで構成されたものにおいて、サスペンションサイドメンバにその長手方向に沿って高剛性部を設定すると共に、サスペンションリヤクロスメンバとサスペンションサイドメンバとが交差する部位に低剛性部を設定したので、サスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを両立させることができるという優れた効果を有する。
【0046】
請求項2記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、鋳造によって形成されると共に、略車両幅方向を長手方向として配置されるサスペンションフロントクロスメンバ及びサスペンションリヤクロスメンバと、略車両前後方向を長手方向として配置される一対のサスペンションサイドメンバとを含んで構成され、フロント側及びリヤ側にそれぞれ設定された複数の取付点でボディー側に取り付けられるものにおいて、サスペンションサイドメンバにその長手方向に沿って高剛性部を設定すると共に、サスペンションリヤクロスメンバとサスペンションサイドメンバとが交差する部位でリヤ側取付点の前方側に低剛性部を設定したので、サスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを両立させることができるという優れた効果を有する。
【0047】
請求項3記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、高剛性部はフロント側取付点とリヤ側取付点とを結ぶように設定されており、低剛性部を高剛性部においてリヤ側取付点の前方側の所定範囲に位置する部分と接続したので、前面衝突時には高剛性部と低剛性部との協働作用によって両者を変形させることができ、その結果、前面衝突時のエネルギー吸収性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0048】
請求項4記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配置において、高剛性部は車両前後方向に沿って延在する第1補強リブと、一端が第1補強リブに接続されて車両幅方向内側へ延びる一又は二以上の第2補強リブとによって構成されており、さらに、第2補強リブを低剛性部と重ならない範囲で設定したので、サスペンションアームからの入力に対する剛性確保と前面衝突時のエネルギー吸収性能の確保とを、より高い精度で両立させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造の要部を通常走行時の状態で示す拡大平面図、(B)当該鋳造サスペンションメンバ構造の要部を前面衝突時の状態で示す拡大平面図、(C)はクラッシュビードの断面形状を示すC−C線断面図である。
【図2】第1実施形態に係るフロントサスペンションメンバの全体構成を示す平面図である。
【図3】第1実施形態に係るフロントサスペンションメンバの全体構成を示す斜視図である。
【図4】第2実施形態に係り、(A)はクラッシュビードの一つ目の変形例の要部を示す拡大平面図、(B)は当該クラッシュビードの断面形状を示すB−B線断面図である。
【図5】第2実施形態に係り、(A)はクラッシュビードの二つ目の変形例の要部を示す拡大平面図、(B)は開口の断面形状を示すB−B線断面図である。
【図6】第2実施形態に係り、(A)はクラッシュビードの三つ目の変形例の要部を示す拡大平面図、(B)は当該クラッシュビードの断面形状を示すB−B線断面図である。
【符号の説明】
10 フロントサスペンションメンバ
12 フロントサスペンションフロントクロスメンバ
14 フロントサスペンションリヤクロスメンバ
16 フロントサスペンションサイドメンバ
18 フロントサスペンションサイドメンバ
50 第1補強リブ(高剛性部)
52 フロント側取付部(フロント側取付点)
54 リヤ側取付部(リヤ側取付点)
56 第2補強リブ(高剛性部)
58 薄肉部(低剛性部)
62 クラッシュビード(低剛性部)
70 クラッシュビード(低剛性部)
72 開口(低剛性部)
74 クラッシュビード(低剛性部)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cast suspension member structure that is formed by casting and includes a suspension front cross member, a suspension rear cross member, and a pair of suspension side members.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a suspension member is provided as a member for supporting a suspension arm and a steering gear box. In general, the suspension member is manufactured by press-molding a steel plate. Recently, however, there is an increasing need for manufacturing the suspension member by casting using an aluminum alloy or the like from the viewpoint of weight reduction.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-6-298121 [0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when the cast suspension member structure is adopted, it is very difficult to achieve both ensuring of rigidity with respect to input from the suspension arm and ensuring of energy absorption performance at the time of frontal collision.
[0005]
This is because a suspension member manufactured by press-molding a steel plate should have a shape that can secure rigidity against input from the suspension arm, and a bead or the like having a predetermined shape is formed on a portion that is to be deformed at the time of a frontal collision. By setting, the targeted deformation mode can be realized to some extent. In contrast, cast suspension members made of aluminum alloy, etc., have inherently lower fatigue strength than press-formed suspension members, so a structure that positively deforms when a frontal collision occurs is adopted. It is hard to do.
[0006]
An object of the present invention is to obtain a cast suspension member structure that can achieve both of ensuring rigidity with respect to input from a suspension arm and ensuring energy absorption performance at the time of a frontal collision in consideration of the above facts.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The cast suspension member structure according to the first aspect of the present invention is formed by casting, and has a suspension front cross member and a suspension rear cross member that are arranged with the vehicle width direction as a longitudinal direction, and a vehicle longitudinal direction that is substantially longitudinal. The suspension suspension member is configured to include a pair of suspension side members arranged in a direction, and the suspension side member is provided with a highly rigid portion along a longitudinal direction thereof, and the suspension rear cross A low-rigidity portion is set at a portion where the member and the suspension side member intersect with each other.
[0008]
The cast suspension member structure according to the second aspect of the present invention is formed by casting, and has a suspension front cross member and a suspension rear cross member that are arranged with the vehicle width direction as a longitudinal direction, and a vehicle longitudinal direction that is substantially longitudinal. A cast suspension member structure including a pair of suspension side members arranged as directions and attached to the body side at a plurality of attachment points respectively set on the front side and the rear side. A high-rigidity portion is set along the longitudinal direction, and a low-rigidity portion is set on the front side of the rear-side attachment point at a portion where the suspension rear cross member and the suspension side member intersect. It is characterized by that.
[0009]
A cast suspension member structure according to a third aspect of the present invention is the cast suspension member structure according to the first or second aspect, wherein the high-rigidity portion is set so as to connect a front side attachment point and a rear side attachment point. The low-rigidity part is connected to a part of the high-rigidity part that is located in a predetermined range on the front side of the rear-side attachment point.
[0010]
The cast suspension member structure according to a fourth aspect of the present invention is the cast suspension member structure according to any one of the first to third aspects, wherein the high-rigidity portion extends in the vehicle front-rear direction. And one or more second reinforcing ribs, one end of which is connected to the first reinforcing rib and extends inward in the vehicle width direction, and the second reinforcing rib does not overlap the low-rigidity portion. It is characterized by being set in a range.
[0011]
According to the first aspect of the present invention, the suspension member is formed by casting, and the suspension front cross member and the suspension rear cross member are disposed with the vehicle width direction as the longitudinal direction, and the vehicle longitudinal direction is the longitudinal direction. And a pair of suspension side members arranged as described above.
[0012]
Here, in the present invention, the suspension side member is provided with a highly rigid portion along the longitudinal direction thereof, so that it is possible to support the input from the suspension arm with this highly rigid portion. Therefore, the rigidity with respect to the input from the suspension arm can be ensured.
[0013]
Furthermore, in the present invention, since a low rigidity portion is set at a portion where the suspension rear cross member and the suspension side member intersect, a deformation stroke is secured by the low rigidity portion at the time of a frontal collision. Therefore, the energy absorption performance at the time of a frontal collision can be ensured.
[0014]
According to the second aspect of the present invention, the suspension member is formed by casting, and the suspension front cross member and the suspension rear cross member are disposed with the vehicle width direction as the longitudinal direction, and the vehicle longitudinal direction is the longitudinal direction. And a pair of suspension side members arranged as shown in FIG. 1, and are attached to the body side at a plurality of attachment points respectively set on the front side and the rear side.
[0015]
Here, in the present invention, the suspension side member is provided with a highly rigid portion along the longitudinal direction thereof, so that it is possible to support the input from the suspension arm with this highly rigid portion. Therefore, the rigidity with respect to the input from the suspension arm can be ensured.
[0016]
Furthermore, in the present invention, since a low-rigidity portion is set in front of the rear attachment point at the intersection of the suspension rear cross member and the suspension side member, a deformation stroke is caused by the low-rigidity portion at the time of a frontal collision. Secured. Therefore, the energy absorption performance at the time of a frontal collision can be ensured.
[0017]
According to the third aspect of the present invention, the high-rigidity portion is set so as to connect the front-side attachment point and the rear-side attachment point, and the low-rigidity portion is located on the front side of the rear-side attachment point in the high-rigidity portion. Since it is connected to the part located in the predetermined range, when the collision load at the time of frontal collision is input to the suspension member, it is pushed into the connection part of the high rigidity part with the low rigidity part. ) Is applied. Therefore, not only the low-rigidity part itself is deformed, but also the connection part of the high-rigidity part with the low-rigidity part is drawn into the low-rigidity part side and deformed with the deformation of the low-rigidity part. That is, in the present invention, a cooperative action between the high rigidity portion and the low rigidity portion is obtained.
[0018]
According to the fourth aspect of the present invention, the high-rigidity part includes one or two first reinforcing ribs extending along the vehicle front-rear direction and one end connected to the first reinforcing rib and extending inward in the vehicle width direction. Since it is comprised with the above 2nd reinforcement rib, a 1st reinforcement rib is reinforced with a 2nd reinforcement rib. Therefore, the rigidity with respect to the input from the suspension arm during normal traveling can be increased.
[0019]
Furthermore, since the second reinforcing rib is set in a range that does not overlap the low-rigidity portion, it does not hinder the deformation of the low-rigidity portion at the time of a frontal collision. Further, the first reinforcing rib itself is easily deformed in a range where the supporting force by the second reinforcing rib cannot be obtained.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[First Embodiment]
Hereinafter, the
[0021]
FIG. 3 is a perspective view showing the overall configuration of the
[0022]
As shown in FIGS. 3 and 2, the
[0023]
A gear
[0024]
A front mounting
[0025]
Here, as shown in FIG. 1 and the like, in the present embodiment, a belt-like first reinforcement extending along the vehicle front-rear direction on the outer edge portions of the front
[0026]
Further, a plurality of right-angled triangular second reinforcing
[0027]
In addition, a
[0028]
Further, a
[0029]
Next, the operation and effect of this embodiment will be described.
[0030]
Since the pair of left and right first reinforcing
[0031]
On the other hand, during a frontal collision, a collision load on the vehicle rear side is input to the pair of front
[0032]
As described above, in the cast suspension member structure according to the present embodiment, the front
[0033]
Further, in the cast suspension member structure according to the present embodiment, the first reinforcing
[0034]
Furthermore, in the cast suspension member structure according to the present embodiment, a plurality of second reinforcements extending in the vehicle width direction are provided in addition to the
[0035]
Further, in the cast suspension member structure according to the present embodiment, the
[0036]
[Second Embodiment]
Hereinafter, a second embodiment (several variations of the crash bead) of the cast suspension member structure according to the present invention will be described with reference to FIGS. In addition, about the same component as 1st Embodiment mentioned above, the same number is attached | subjected and the description is abbreviate | omitted.
[0037]
In the embodiment shown in FIGS. 4A and 4B, a
[0038]
The configuration other than the crash bead 70 (setting of the first reinforcing
[0039]
In the embodiment shown in FIGS. 5A and 5B, an opening (hole) having a plane shape substantially the same as that of the
[0040]
In the embodiment shown in FIGS. 6A and 6B, a pair of
[0041]
Regardless of the configuration shown in FIGS. 4, 5, or 6, the same operations and effects as those of the first embodiment described above can be obtained.
[0042]
[Supplementary explanation of the embodiment]
In each of the embodiments described above, the cast suspension member structure according to the present invention is applied to the
[0043]
Moreover, in each embodiment mentioned above, although the structure which sets the
[0044]
Furthermore, in each embodiment mentioned above, although the
[0045]
【The invention's effect】
As described above, the cast suspension member structure according to the first aspect of the present invention is formed by casting, and has a suspension front cross member and a suspension rear cross member that are arranged with the vehicle width direction as a longitudinal direction. A structure including a pair of suspension side members arranged substantially in the longitudinal direction of the vehicle, the suspension side member is provided with a highly rigid portion along the longitudinal direction, and the suspension rear cross member and the suspension Since the low-rigidity portion is set at the portion where the side member intersects, it has an excellent effect that it is possible to achieve both of ensuring rigidity with respect to the input from the suspension arm and ensuring energy absorption performance at the time of frontal collision.
[0046]
The cast suspension member structure according to the second aspect of the present invention is formed by casting, and has a suspension front cross member and a suspension rear cross member that are arranged with the vehicle width direction as a longitudinal direction, and a vehicle longitudinal direction that is substantially longitudinal. And a pair of suspension side members arranged as directions, and attached to the body side at a plurality of attachment points set on the front side and the rear side, respectively, along the longitudinal direction of the suspension side member In addition to setting a high-rigidity part, a low-rigidity part was set in front of the rear mounting point at the intersection of the suspension rear cross member and suspension side member. Ensuring energy absorption performance It has an excellent effect that it is possible to achieve both.
[0047]
The cast suspension member structure according to the present invention described in claim 3 is the invention according to claim 1 or 2, wherein the high-rigidity portion is set so as to connect the front-side attachment point and the rear-side attachment point, Since the low-rigidity part is connected to the part of the high-rigidity part that is located in a predetermined range in front of the rear mounting point, both can be deformed by the cooperative action of the high-rigidity part and the low-rigidity part during a frontal collision. As a result, the energy absorption performance at the time of frontal collision can be improved.
[0048]
The cast suspension member structure according to a fourth aspect of the present invention is the arrangement according to any one of the first to third aspects, wherein the high-rigidity portion extends along the vehicle front-rear direction, Since one end is connected to the first reinforcing rib and is configured by one or more second reinforcing ribs extending inward in the vehicle width direction, and further, the second reinforcing rib is set within a range not overlapping the low-rigidity portion. In addition, it has an excellent effect that it is possible to achieve both higher rigidity with respect to ensuring rigidity with respect to input from the suspension arm and ensuring energy absorption performance at the time of frontal collision.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is an enlarged plan view showing a main part of a cast suspension member structure according to a first embodiment in a state of normal running, and FIG. 1B is a state of the main part of the cast suspension member structure in a frontal collision. (C) is CC sectional view taken on the line which shows the cross-sectional shape of a crush bead.
FIG. 2 is a plan view showing an overall configuration of a front suspension member according to the first embodiment.
FIG. 3 is a perspective view showing an overall configuration of a front suspension member according to the first embodiment.
4A is an enlarged plan view showing a main part of a first modified example of a crash bead according to the second embodiment, and FIG. 4B is a cross-sectional view taken along line BB showing a cross-sectional shape of the crash bead; FIG.
5A is an enlarged plan view showing a main part of a second modified example of the crash bead, and FIG. 5B is a sectional view taken along line BB showing the sectional shape of the opening according to the second embodiment. is there.
6A is an enlarged plan view showing a main part of a third modified example of the crash bead according to the second embodiment, and FIG. 6B is a cross-sectional view taken along the line BB showing the cross-sectional shape of the crash bead. FIG.
[Explanation of symbols]
10
52 Front side mounting part (Front side mounting point)
54 Rear side mounting part (Rear side mounting point)
56 Second reinforcement rib (high rigidity part)
58 Thin part (low rigidity part)
62 Crash beads (low rigidity part)
70 Crash beads (low rigidity part)
72 Opening (low rigidity part)
74 Crash beads (low rigidity part)
Claims (4)
前記サスペンションサイドメンバにはその長手方向に沿って高剛性部が設定されており、
前記サスペンションリヤクロスメンバと前記サスペンションサイドメンバとが交差する部位には低剛性部が設定されている、
ことを特徴とする鋳造サスペンションメンバ構造。A suspension front cross member and a suspension rear cross member that are formed by casting and are arranged with the vehicle width direction as a longitudinal direction, and a pair of suspension side members that are arranged with a vehicle longitudinal direction as a longitudinal direction. Cast suspension member structure,
The suspension side member is set with a highly rigid portion along its longitudinal direction,
A low-rigidity portion is set at a portion where the suspension rear cross member and the suspension side member intersect.
A cast suspension member structure characterized by that.
前記サスペンションサイドメンバにはその長手方向に沿って高剛性部が設定されており、
前記サスペンションリヤクロスメンバと前記サスペンションサイドメンバとが交差する部位でリヤ側取付点の前方側には低剛性部が設定されている、
ことを特徴とする鋳造サスペンションメンバ構造。A suspension front cross member and a suspension rear cross member that are formed by casting and are arranged with the vehicle width direction as a longitudinal direction, and a pair of suspension side members that are arranged with a vehicle longitudinal direction as a longitudinal direction. A cast suspension member structure that is attached to the body side at a plurality of attachment points set on the front side and the rear side,
The suspension side member is set with a highly rigid portion along its longitudinal direction,
A low-rigidity portion is set on the front side of the rear-side attachment point at a portion where the suspension rear cross member and the suspension side member intersect.
A cast suspension member structure characterized by that.
前記低剛性部は前記高剛性部において前記リヤ側取付点の前方側の所定範囲に位置する部分と接続されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鋳造サスペンションメンバ構造。The high-rigidity part is set so as to connect a front side attachment point and a rear side attachment point,
The low-rigidity part is connected to a portion located in a predetermined range on the front side of the rear-side attachment point in the high-rigidity part.
3. The cast suspension member structure according to claim 1, wherein the suspension member structure is a cast suspension member structure.
さらに、前記第2補強リブは、前記低剛性部と重ならない範囲で設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鋳造サスペンションメンバ構造。The high-rigidity portion is configured by a first reinforcing rib extending along the vehicle front-rear direction, and one or more second reinforcing ribs having one end connected to the first reinforcing rib and extending inward in the vehicle width direction. And
Furthermore, the second reinforcing rib is set in a range that does not overlap the low rigidity portion.
The cast suspension member structure according to any one of claims 1 to 3, wherein the cast suspension member structure is provided.
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