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JP2005012196A - 歪みシリコン基板ウエハの製造方法 - Google Patents

歪みシリコン基板ウエハの製造方法 Download PDF

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JP2005012196A
JP2005012196A JP2004152843A JP2004152843A JP2005012196A JP 2005012196 A JP2005012196 A JP 2005012196A JP 2004152843 A JP2004152843 A JP 2004152843A JP 2004152843 A JP2004152843 A JP 2004152843A JP 2005012196 A JP2005012196 A JP 2005012196A
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Koji Sensai
宏治 泉妻
Masato Igarashi
昌人 五十嵐
Hisatsugu Kurita
久嗣 栗田
Takeshi Senda
剛士 仙田
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

【課題】 より転位が少なく、かつ歪み緩和されたSiGe層を有する歪みシリコン基板ウエハを製造する製造方法を提供する。
【解決手段】 島状シリコン層2、歪み緩和層3、格子歪みを有するシリコン層4が単結晶シリコン基板上にこの順序で形成されている歪みシリコン基板ウエハの製造方法において、単結晶シリコン基板上に、厚さ10nm〜400nm、幅10〜1000nm島状シリコン層2を形成する工程と、前記島状シリコン層上に、厚さ10〜200nmの歪み緩和層3をエピタキシャル成長させる工程と、前記歪み緩和層の上に、厚さ10〜50nmの歪みシリコン層4を形成する工程とを含むことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、歪みシリコン基板ウエハの製造方法に関し、より詳細には、従来よりも貫通転位及び欠陥密度が低い歪みシリコン基板ウエハを製造する方法に関する。
近年、高速かつ低消費電力の半導体デバイスに対する要望が益々強くなってきているが、デバイスの大幅なスケールレダクション、即ち、素子寸法の大幅縮小化、微細化によるデバイス性能の更なる向上は、既に、物理的に限界が見え始めてきている。
このため、高速、低消費電力デバイスを形成するための基板として歪みシリコン層を有する半導体基板が注目されるようになり、特に、シリコン基板上に、シリコン・ゲルマニウム層(以下、SiGe層という)層を介して、シリコンをエピタキシャル成長させた歪みシリコン層(以下、歪みSi層という)をチャンネル領域に用いた高速デバイスが提案、注目されている。
この歪みSi層は、シリコンに比べ格子定数が大きいSiGe層により引っ張り歪みが生じている。この歪みによりSiのバンド構造が変化し、縮退が解けてキャリア移動度が高まる。
従って、この歪みSi層をチャンネル領域に用いることにより、バルクSiを用いた際の1.5倍以上のキャリア高速化が可能となる。
良質な歪みSi層を得るためにはシリコン基板上に良質なSiGe層、即ち貫通転位、欠陥密度が低く歪み緩和され、平滑な表面を有するSiGe層をエピタキシャル成長させることが必要である。
しかし、SiとGeの間には格子定数に約4.2%の差異があるため、通常状態でそのままエピタキシャル成長させた場合は、勿論、例えエピタキシャル前にSi表面を酸化したり、更に高温アニールしても、エピタキシャル成長中に貫通転位や積層欠陥が多発し、良好なエピタキシャル成長膜を得ることはできなかった。
この問題を改善する試みも提案されており、例えば、SiGe層における厚さ方向にGe濃度の勾配をつけてエピタキシャル成長させ、格子定数差異による歪みの大きさを転位発生の許容限度内に緩和する方法が提案されている。
また、同様な発想からの提案として、特許文献1及び2には、SiGe層を多段層に形成し、各段層のGe濃度を段階的変化させて格子不整合による転位の多発を抑制する発明が開示されている。
しかしながら、このような方法によってもGe濃度比を0.3以上にしようとすると、濃度勾配が急峻となってやはり転位発生を充分に満足する程度には抑制できない。
これを回避するように形成した歪緩和SiGe層の厚さ(臨界膜厚)は約3μmに達し、このために、生産効率が悪いだけでなく、SiGe層表面にクロスハッチ模様の凹凸が形成されてしまうというたな不都合をも招来する。
特開2003−78116号公報(請求項1) 特開2003−78118号公報(第4頁第5欄20行〜第6欄第28行)
上述したとおり、従来の技術では、例えSiGe層のエピタキシャル前にシリコン基板表面を酸化したり、更に高温アニールしても、エピタキシャル成長中に積層欠陥の発生を抑制することができなかった。
更に、Ge濃度に傾斜をつけてエピタキシャル成長させたとしても、貫通転位が発生し、また、SiGe層表面にクロスハッチ模様の凹凸が形成されてしまう不都合を回避することができない。
このように現在も、上述した歪みシリコン基板ウエハの製造方法において、エピタキシャル成長中の積層欠陥及び貫通転位の発生を防ぐ有効な手段の出現が強く求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも貫通転位及び欠陥密度が低い歪みシリコン基板ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる歪みシリコン基板ウエハの製造方法は、島状シリコン層、歪み緩和層、格子歪みを有するシリコン層が単結晶シリコン基板上にこの順序で形成されている歪みシリコン基板ウエハの製造方法において、単結晶シリコン基板上に、厚さ10nm〜400nm、幅10〜1000nm島状シリコン層を形成する工程と、前記島状シリコン層上に、厚さ10〜200nmの歪み緩和層をエピタキシャル成長させる工程と、前記歪み緩和層の上に、厚さ10〜50nmの歪みシリコン層を形成する工程とを含むことを特徴としている。
また、上記目的を達成するためになされた本発明にかかる歪みシリコン基板ウエハの製造方法は、島状シリコン層、歪み緩和層、格子歪みを有するシリコン層が単結晶シリコン基板上にこの順序で形成されている歪みシリコン基板ウエハの製造方法において、単結晶シリコン基板上に、厚さ10nm〜400nm、幅10〜1000nm島状シリコン層を形成する工程と、前記島状シリコン層上に、厚さ10〜1000nmの第一の歪み緩和層をエピタキシャル成長させる工程と、前記第一の歪み緩和層上に、厚さ10〜1000nmの第二の歪み緩和層をエピタキシャル成長させる工程と、前記第二の歪み緩和層の上に、厚さ3〜30nmの歪みシリコン層を形成する工程とを含むことを特徴としている。
本発明にかかる歪みシリコン基板ウエハの製造方法は、単結晶シリコン基板上に、厚さ10nm〜400nm、幅10〜1000nm島状シリコン層を形成し、該島状シリコン層上に、歪み緩和層(第一の歪み緩和層、第二の歪み緩和層)をエピタキシャル成長させる点が構成上の特徴である。
これにより、良質な歪みSi層を得るための基礎となる歪み緩和層を、貫通転位や欠陥がほとんどなく、歪み緩和された好適状態にエピタキシャル成長させることができる。
尚、島状シリコンの厚さが10nm未満の場合には、島状シリコン層から貫通転位が発生しないため、その上にエピタキシャル成長する層の歪み緩和が充分でなくなり、また島状シリコンの厚さが400nmを超えるとその上の歪み緩和層が多結晶化するので、好ましくない。
したがって、島状シリコン層の厚さが10nm〜400nmであることが望ましい。
また、島状シリコン層の幅が10nm未満の場合には歪み緩和層をエピタキシャル成長する時に、隣接する島状シリコン同士が結合してしまい、歪み緩和が充分にできなくなり、また幅が1000nmを超えると島状シリコンから発生する貫通転位密度が小さくなり、歪み緩和が充分でなくなり、好ましくない。
したがって、島状シリコン層の幅が10〜1000nmであることが望ましい。
ここで、前記島状シリコン層が100〜1000nmの間隔をもって形成されていることが望ましい。
このように、島状シリコン層が隣接する島状シリコン層と間隔をもって形成されているため、隣接する島状シリコン同士が結合することにならず、貫通転位や積層欠陥の上方層への伝播が阻止され、かつその表面上に好適な歪み緩和層を形成することができる。
尚、島状シリコン層が、単結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであることが望ましい。
また、前記歪み緩和層としては、シリコン・ゲルマニウムをエピタキシャル成長させた層のほか、炭化珪素をエピタキシャル成長させた層、窒化珪素をエピタキシャル成長させた層のいずれであっても良い。
同様に、前記第一の歪み緩和層が、ゲルマニウム濃度が傾斜してエピタキシャル成長させたシリコン・ゲルマニウム層であって、第二の歪み緩和層が、ゲルマニウム濃度を一定にしてエピタキシャル成長させたシリコン・ゲルマニウム層、炭素濃度を一定にしてエピタキシャル成長させた炭化珪素層、窒素濃度を一定にしてエピタキシャル成長させた窒化珪素層のいずれかの層であっても良い。
本発明によれば、より転位が少なく、かつ歪み緩和された歪み緩和層を有する歪みシリコン基板ウエハを製造する製造方法を得ることができる。
以下に、本発明にかかる歪みシリコン基板ウエハの製造方法について、本発明の方法で得られる歪みシリコン基板ウエハの概略断面図である図1に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態にあっては歪み緩和層としてSiGe層を形成する場合について説明する。
本発明の方法において用いられる単結晶シリコン基板としては、例えば、チョクラルスキー法(CZ)で引き上げられた単結晶インゴットから切り出されたP型ボロンドープ基板で、方位(100)、抵抗率0.1Ωcm以上、初期酸素濃度15×1017atoms/cm3以下等の仕様のSiプライム基板が好適に用いられる。勿論、CZ以外の基板、例えば、FZ基板等も用いることができる。
次いで、図1からもわかるように、本発明の方法では、前記シリコン基板1の面上に特定厚さ、即ち、貫通転位や積層欠陥を上方他層へ伝播させず、かつ、その上面でSiGeエピタキシャル成長が可能な特定厚さの島状シリコン層2を形成する。
具体的には、該島状シリコン層2の厚さt1は、通常10〜400nm程度、特に好ましくは100〜300nmに形成されている。
また、該島状シリコン層2の幅Lは、通常10〜1000nm程度、特に好ましくは100〜300nmに形成されている。
更に、ここで、前記島状シリコン層が100〜1000nmの間隔をもって形成されていることが望ましい。
この特定寸法の島状シリコン層2を前記シリコン基板1上に形成し、この島状シリコン層2の表面上に、歪み緩和層としてのSiGe層3をエピタキシャル成長させると、該エピタキシャル成長中に発生した転位等の結晶欠陥はSiGe層3の成長方向に伝播するよりも、島状シリコン層2とSiGe層3の界面に沿って伝播するかあるいは島状シリコン層2中を伝播する。
これは、後者の伝播の方が成長方向への伝播よりもエネルギー的に安定であるためであると考えられる。
前記島状シリコン層2の形成手段はCVD法によることが好ましいが、上記厚さの均質な島状シリコン層2を形成できる手段であれば必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、蒸着やその他のPVD法を用いて差し支えない。
特に、シリコン層を島状に形成するためには、CVD法であれば、シリコンの過飽和度が高い気体がシリコン層2の成長速度が10μm/分のように速い状況で、気相中にシリコン核を形成させたあと、この核がシリコン基板に付着して、さらに島状に成長させることが望ましい。
また、本発明の方法では、シリコン基板1の表面に直接島状シリコン層2を形成させる替わりに、シリコン基板1上に厚さ10nm以下の薄膜酸化層を形成し、該形成された薄膜酸化層上に前記島状シリコン層2を形成しても良く、安定化および金属汚染低減化を図ることができるため、好ましい。
次いで、該島状シリコン層2上にSiGe層3を、10〜200nm、より好適には50〜150nmの厚さt2にエピタキシャル成長させる。
このSiGe層3が10nm未満の場合には、Si層4に与える歪みが不充分となり、また200nmを超えても、望ましい歪み量はあまり変わらないため、該島状シリコン層2上に形成されるSiGe層3の厚さt2は、10〜200nmであることが望ましい。
また、形成されるSiG層3のGe原子濃度比は、0.3またはそれ以上、特に、0.5〜0.7であることがその層上に成長させるSi層の適度な歪み形成(最終的にはそこに形成されるデバイスのキャリア移動度等の性能に関係する)の観点から好ましい。
上記SiGe層3のエピタキシャル成長は、例えば、ランプ加熱によるCVD法、超高真空中でのCVD法(UHV−CVD)等の気相エピタキシャル成長法や分子線エピタキシャル成長法(MBE)等で行うことができる。
成長条件は、成長させるべきSiGe層3のSi:Ge組成比や、膜厚、用いる成長方法、装置等により夫々異なり適宜設定されるが、例えば、ランプ加熱によるCVD法の場合の一例を示すと、組成がGe=0.3の場合、下記のようになる。
キャリアガス:H2、原料ガス:SiH4、GeH4、チャンバ圧:10〜100Torr、温度:650〜680℃、成長速度10〜50nm/分。
そして、前記SiGe層3の表面部を高温水素熱処理(H2気流中850〜1200℃、圧力10〜760Torr程度)して平滑化することが好ましい。
このようにして得られたSiGe層3の表面上に、例えば、CVD法等により単結晶Si層を成長させる。
このようにして形成される単結晶Si層は、その下層のSiGe層3と格子定数が異なるため歪みSi層4となる。この歪みSi層はデバイス活性領域となるので10〜50nmの厚さt3に形成されるのが好ましい。
上記CVD法による単結晶Siの成長条件の一例を示すと次の通りである。
キャリアガス:H2、原料ガス:SiH2Cl2又はSiH4、チャンバ圧:10〜760Torr、温度:650〜1000℃。
上記実施形態にあっては、歪み緩和層として、SiGe層を形成した場合について説明したが、本発明では、特にこれに限定されるものではなく、炭化珪素、窒化珪素のいずれかをエピタキシャル成長させた層であっても良い。
前記炭化珪素層、窒化珪素層は、SiGe層3と同様に、10〜200nm、より好適には50〜150nmの厚さに形成される。
形成される炭化珪素層のC(炭素)原子濃度比は、0.02以下、特に0.01〜0.02であることがその層上に成長させるSi層の適度な歪み形成(最終的にはそこに形成されるデバイスのキャリア移動度等の性能に関係する)の観点から好ましい。
また同様に、窒化珪素層は、N(窒素)原子濃度比は、0.1またはそれ以上、特に0.3〜0.5であることが好ましい。
上記炭化珪素層、窒化珪素層のエピタキシャル成長は、例えば、ランプ加熱によるCVD法、超高真空中でのCVD法(UHV−CVD)等の気相エピタキシャル成長法や分子線エピタキシャル成長法(MBE)等で行うことができる。
成長条件は、成長させるべき炭化珪素層のSi:Cの組成比、窒化珪素層のSi:Nの組成比や、膜厚、用いる成長方法、装置等により夫々異なり適宜設定される。
次に、第二の実施形態について、図3に基づいて説明する。なお、第一の実施形態では島状シリコン層上にゲルマニウム濃度が一定のSiGe層をエピタキシャル成長させるのに対し、この第二の実施形態は、ゲルマニウム濃度が傾斜したSiGe層をエピタキシャル成長させ、さらにゲルマニウム濃度が一定のSiGe層をエピタキシャル成長させる点において異なる。したがって、第二実施形態の説明において、第一の実施形態と同一部分についてはその説明を省略する。
まず、前記第一の実施形態と同様にして、島状シリコン層2を形成する。この島状シリコン層2上に、厚さ10〜1000nmの第一の歪み緩和層5をエピタキシャル成長させる。この第一の歪み緩和層5は、ゲルマニウム濃度が傾斜してエピタキシャル成長させたSiGe層であって、SiGe層5を、10〜1000nm、より好適には50〜500nmの厚さt4にエピタキシャル成長させる。
このSiGe層5が10nm未満の場合には、SiGe層の緩和が不十分となり、また1000nmを超えた場合には、SiGe層の面粗さRmsが5nmを超えてしまうため、該島状シリコン層2上に形成されるSiGe層5の厚さt4は、10〜1000nmであることが望ましい。
また、形成されるSiGe層5のGe原子濃度比は、0.1またはそれ以上、特に、0.1〜0.5であることが、SiGe層の緩和率の観点から好ましい。
また、このSiGe層5のGe濃度が傾斜して、最終的にこのSiGe層5上にエピタキシャル成長させる第二の歪み緩和層6であるSiGe層のGe濃度と一致するように形成される。
次いで、SiGe層5上にSiGe層6を、10〜1000nm、より好適には100〜500nmの厚さt5にエピタキシャル成長させる。
このSiGe層6が10nm未満の場合には、Si層4に与える歪みが不充分となり、また1000nmを超えても、望ましい歪み量はあまり変わらないため、SiGe層6の厚さt5は、10〜1000nmであることが望ましい。
また、このSiG層6のGe濃度はSiGe層5と異なり一定であり、Ge原子濃度比は、0.1またはそれ以上、特に、0.1〜0.5であることがその層上に成長させるSi層の適度な歪み形成(最終的にはそこに形成されるデバイスのキャリア移動度等の性能に関係する)の観点から好ましい。
上記SiGe層5、6のエピタキシャル成長は、例えば、ランプ加熱によるCVD法、超高真空中でのCVD法(UHV−CVD)等の気相エピタキシャル成長法や分子線エピタキシャル成長法(MBE)等で行うことができる。
成長条件は、成長させるべきSiGe層5,6のSi:Ge組成比や、膜厚、用いる成長方法、装置等により夫々異なり適宜設定されるが、例えば、ランプ加熱によるCVD法の場合の一例を示すと、組成がGe=0.3の場合、下記のようになる。なお、原料ガスの割合を変えることにより、Ge濃度が傾斜するSiGe層5を得ることができる。
キャリアガス:H2、原料ガス:SiH4、GeH4、チャンバ圧:10〜100Torr、温度:650〜680℃、成長速度10〜50nm/分。
そして、前記SiGe層6の表面部を高温水素熱処理(H2気流中850〜1200℃、圧力10〜760Torr程度)して平滑化することが好ましい。
このようにして得られたSiGe層6の表面上に、例えば、CVD法等により単結晶Si層4を成長させる。
このようにして形成される単結晶Si層4は、その下層のSiGe層6と格子定数が異なるため歪みSi層4となる。この歪みSi層はデバイス活性領域となるので5〜30nmの厚さt6に形成されるのが好ましい。
上記CVD法による単結晶Siの成長条件の一例を示すと次の通りである。
キャリアガス:H2、原料ガス:SiH2Cl2又はSiH4、チャンバ圧:10〜760Torr、温度:650〜1000℃。
上記第二の実施形態にあっては、第二の歪み緩和層として、SiGe層6を形成した場合について説明したが、本発明では、特にこれに限定されるものではなく、炭化珪素、窒化珪素のいずれかをエピタキシャル成長させた層であっても良い。前記炭化珪素層、窒化珪素層は、SiGe層6と同様に、10〜1000nm、より好適には100〜500nmの厚さに形成される。
形成される炭化珪素層のC(炭素)原子濃度比は、0.01以上、特に0.01〜0.02であることがその層上に成長させるSi層の適度な歪み形成(最終的にはそこに形成されるデバイスのキャリア移動度等の性能に関係する)の観点から好ましい。
また同様に、窒化珪素層は、N(窒素)原子濃度比は、0.1またはそれ以上、特に0.3〜0.5であることが好ましい。
上記炭化珪素層、窒化珪素層のエピタキシャル成長は、前記第一の実施形態で説明したように、例えば、ランプ加熱によるCVD法、超高真空中でのCVD法(UHV−CVD)等の気相エピタキシャル成長法や分子線エピタキシャル成長法(MBE)等で行うことができる。
「第一の実施形態にかかる実施例、比較例」
シリコン基板として、CZ法−P型(ボロン)のシリコン基板で方位(100)、抵抗率1.0Ωcm、初期酸素濃度10×1017atoms/cm3のものを用いた。
その上に、CVD法で夫々厚さの異なる島状シリコン層を、5nmから1000nm迄の範囲に8点成長させた。
そしてこれらの島状シリコン層を形成した基板の夫々に厚さ100nmのSiGe層をエピタキシャル成長させた。
図2に上記8点の試料のアモルファスSi厚さごとのSiGe層内の貫通転位密度を示す。
図2から、島状シリコン層の厚さが5nm未満では、転位が島状シリコン層/SiGe層界面のみの伝播にならず、貫通転位密度が1.0×105/cm2近い高い値となるが、層厚が増すにしたがい急激に低下することがわかる。
そして、層厚さを100nm以上とすることで充分低い転位密度が得られる。
一方、厚さが300nmを越えると、多結晶SiGeの成長が見られ、転位密度は逆に高くなることもわかる。
比較のために、多孔質Si層を有する基板の該多孔質Si面上に直接CVD法で厚さ3μmのSiGe層をエピタキシャル成長させた。
この層の転位密度は、3×105/cm2であった。
「第二の実施形態にかかる実施例、比較例」
シリコン基板として、CZ法−P型(ボロン)のシリコン基板で方位(100)、抵抗率1〜10Ωcm、初期酸素濃度15×1017atoms/cm3のものを用いた。
その上に、CVD法で夫々厚さの異なる島状シリコン層を、5nmから2000nm迄の範囲に9点成長させた。
そしてこれらの島状シリコン層を形成した基板の夫々に厚さ500nmの組成傾斜SiGe層をエピタキシャル成長させた。尚、このSiGe層のSi:Geの濃度比が0.9:0.1〜0.7:0.3に傾斜するように形成した。
さらに、厚さ100nmのGe濃度が一定のSiGe層をエピタキシャル成長させた。尚、このSiGe層のSi:Geの濃度比を0.7:0.3とした。
図4に上記9点の試料のアモルファスSi厚さごとの、Ge濃度が一定のSiGe層内の貫通転位密度を示す。
図4から、島状シリコン層の厚さが5nm未満では、転位が島状シリコン層/SiGe層界面のみの伝播にならず、貫通転位密度が1×105/cm2 に近い高い値となるが、層厚が増すにしたがい急激に低下することがわかる。更に、1000nmを超えると転位密度が高くなり、明らかに多結晶SiGeが成長していることがわかる。
したがって、層厚さを40nm〜400nm以上とすることで、転位密度が1×103/cm2以下とすることができる。
以上詳述した通り、本発明にかかる方法で作製された歪みシリコン基板ウエハは、歪み緩和層中(第一、第二歪み緩和層中)に貫通転位等の転位密度が極めて低く、充分に歪み緩和されているためその上に形成された歪みシリコン層も良質である。
従って、本発明にかかる方法で作製された歪みシリコン基板ウエハは、極めて高い高速性能が求められる次世代や次次世代のLSIや個別半導体デバイスの形成用基板として充分好適に用いることができる。
本発明によれば、歪みシリコン基板ウエハの製造に好適に用いることができる。
図1は、本発明の第一の実施形態で得られた歪みシリコン基板ウエハの概略断面図である。 図2は、第一の実施形態の実施例・比較例における試料基板(8点)の島状シリコン層の厚さごとのSiGe層貫通転位密度を示す線図である。 図3は、本発明の第二の実施形態で得られた歪みシリコン基板ウエハの概略断面図である。 図4は、第二の実施形態の実施例・比較例における試料基板の島状シリコン層の厚さごとの、Ge濃度が一定のSiGe層貫通転位密度を示す線図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 島状シリコン層
3 SiGe層
4 歪みSi層
5 第一の歪み緩和層(Ge濃度が傾斜したSiGe層)
6 第二の歪み緩和層(Ge濃度が一定のSiGe層)

Claims (6)

  1. 島状シリコン層、歪み緩和層、格子歪みを有するシリコン層が単結晶シリコン基板上にこの順序で形成されている歪みシリコン基板ウエハの製造方法において、
    単結晶シリコン基板上に、厚さ10nm〜400nm、幅10〜1000nm島状シリコン層を形成する工程と、
    前記島状シリコン層上に、厚さ10〜200nmの歪み緩和層をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記歪み緩和層の上に、厚さ10〜50nmの歪みシリコン層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする歪みシリコン基板ウエハの製造方法。
  2. 島状シリコン層、歪み緩和層、格子歪みを有するシリコン層が単結晶シリコン基板上にこの順序で形成されている歪みシリコン基板ウエハの製造方法において、
    単結晶シリコン基板上に、厚さ10nm〜400nm、幅10〜1000nm島状シリコン層を形成する工程と、
    前記島状シリコン層上に、厚さ10〜1000nmの第一の歪み緩和層をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記第一の歪み緩和層上に、厚さ10〜1000nmの第二の歪み緩和層をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記第二の歪み緩和層の上に、厚さ3〜30nmの歪みシリコン層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする歪みシリコン基板ウエハの製造方法。
  3. 前記島状シリコン層が100〜1000nmの間隔をもって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された歪みシリコン基板ウエハの製造方法。
  4. 前記島状シリコン層が、単結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された歪みシリコン基板ウエハの製造方法。
  5. 前記歪み緩和層が、シリコン・ゲルマニウム、炭化珪素、窒化珪素のいずれかをエピタキシャル成長させた層であることを特徴とする請求項1に記載された歪みシリコン基板ウエハの製造方法。
  6. 前記第一の歪み緩和層が、ゲルマニウム濃度が傾斜してエピタキシャル成長させたシリコン・ゲルマニウム層であり、
    第二の歪み緩和層が、ゲルマニウム濃度を一定にしてエピタキシャル成長させたシリコン・ゲルマニウム層、炭素濃度を一定にしてエピタキシャル成長させた炭化珪素層、窒素濃度を一定にしてエピタキシャル成長させた窒化珪素層のいずれかの層であることを特徴とする請求項2に記載された歪みシリコン基板ウエハの製造方法。
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