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JP2005010579A - ホールド型表示パネルの駆動方法 - Google Patents

ホールド型表示パネルの駆動方法 Download PDF

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JP2005010579A
JP2005010579A JP2003176018A JP2003176018A JP2005010579A JP 2005010579 A JP2005010579 A JP 2005010579A JP 2003176018 A JP2003176018 A JP 2003176018A JP 2003176018 A JP2003176018 A JP 2003176018A JP 2005010579 A JP2005010579 A JP 2005010579A
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JP2003176018A
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Shoji Iwasaki
章二 岩崎
Kenji Mogi
建二 茂木
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Marubun Co Ltd
Marubun Corp
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Marubun Co Ltd
Marubun Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】ホールド特性を有する表示パネルにおいて『動画ぼやけ』を可及的に低減させ得ると共に、画像ホールド期間及び黒ホールド期間を適切に設定することができ、しかも高速クロックに対応できない既存のソースドライバを使用して製作することができるホールド型表示パネルの駆動方法を提供すること。
【解決手段】表示パネルの1画面を垂直方向へと複数の領域にあらかじめ分割しておき、分割により生じた各分割領域のそれぞれを一連の画像フレームのそれぞれに所定の順序で割り当て、個々の画像フレームを表示パネルに書き込むに際しては、その画像フレームに割り当てられた分割領域に含まれるラインにのみ黒データを挿入することにより、画面分割数に対応する一連の複数画像フレームの表示が行われる毎に、表示パネルの1画面全体に対する黒挿入が完結するようにした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等のようなホールド型発光を行う表示パネルに好適なホールド型表示パネルの駆動方法に係り、特に、黒挿入により疑似インパルス化を実現するホールド型表示パネルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、大画面テレビ等として好適な大型液晶表示パネルの分野においては、所謂『動画ぼやけ』の解消を目的として様々な提案がなされている。液晶表示パネルにおける『動画ぼやけ』の原因は、映像中の対象物を追って視点が移動すると、ホールド型発光が人間の目にはフレーム間で輝度積分され、フレーム間の飛び越し移動距離に応じた画像劣化が生ずるためであることが知られている。従って、ホールド型の表示を黒挿入技術を使用して疑似インパルス型の表示に補正することで動画ぼやけを解消できると考えられている。
【0003】
従来の黒挿入技術としては、(1)垂直帰線期間が到来するたびにフレーム単位で黒を挿入するもの(第1従来例)、(2)ゲートドライバ、ソースドライバを通常速度のクロックで駆動しつつ、各水平ラインの画像ホールド期間(1フレーム周期)内の後部に黒挿入期間を設けることで、2フレーム時間毎に1フレーム分の黒を挿入するもの(第2従来例)、(3)ゲートドライバ、ソースドライバを2倍の速度のクロックで駆動しつつ、前半の1/2フレーム時間で1フレームの画像データを表示パネルに書き込み、後半の1/2フレーム時間で1フレームの黒データを表示パネルに書込むもの(第3従来例)、等が存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
電子ジャーナル別冊 2003 FPDテクノロジー大全 第131頁の図4(a),(b)並びにその説明(2003年3月25日、株式会社電子ジャーナル発行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1従来例にあっては、帰線期間に1フレーム分の黒データを表示パネルに一度に書き込まねばならないために、高速なクロックで動作するソースドライバの開発が必要となり、コストアップに繋がると言う問題点がある。
【0006】
第2従来例にあっては、2フレーム時間毎に1フレーム分の黒データを挿入すると言う手法を採用していることから、ソースドライバの駆動は通常速度のクロックで済む反面、2本以上のゲートライン間において、画像書き込みタイミングと黒書き込みタイミングとが競合することがあるため、ゲートライン選択制御が複雑化すると言う問題点がある。
【0007】
第3従来例にあっては、2倍速のソース及びゲートのクロックを使用したことにより、2本以上のゲートライン間において、画像書き込みタイミングと黒書き込みタイミングとが競合することはなくなる反面、表示デバイスの立ち上がり又は立ち下がり特性に合わせて画像ホールド時間と黒ホールド時間との割合を異ならせようとすると、画像書き込み時又は黒書き込み時に2倍速以上のソース及びゲートの高速クロックの使用が必要となり、特に、既存のソースドライバでは対応が困難で、新たに高速ソースクロック対応のソースドライバの開発が必要となる。また1フレーム時間内に画像ホールド時間と黒ホールド時間を均等にしないと、各々の書込み時間差によるグラデュエーション(画面上部から下部に向っての濃さムラ)が発生し表示品位が劣化する。よって、既存のソースドライバの使用、並びに表示品位を犠牲にしないことを前提とすれば、画像書き込み時と黒書き込み時とに同じ速度(2倍速)のゲートクロックを使用せざるを得ず、表示デバイスの応答速度に拘わらず画像ホールド期間と黒ホールド期間との割合が1/2ずつに固定されてしまい、画像ホールド期間と黒ホールド期間の設計自由度に欠けると言う問題点がある。
【0008】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、この種のホールド特性を有する表示パネルにおいて『動画ぼやけ』を可及的に低減させ得ると共に、画像ホールド期間及び黒ホールド期間を適切に設定することができ、しかも高速クロックに対応できない既存のソースドライバを使用して製作することができるホールド型表示パネルの駆動方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のホールド型表示パネルの駆動方法では、表示パネルの1画面を垂直方向へと複数の領域にあらかじめ分割しておき、分割により生じた各分割領域のそれぞれを一連の画像フレームのそれぞれに所定の順序で割り当て、個々の画像フレームを表示パネルに書き込むに際しては、割り当てられた領域に含まれるラインにのみ黒データを挿入することにより、画面分割数に対応する一連の複数画像フレームの表示が行われる毎に、表示パネルの1画面全体に対する黒挿入が完結するようにしている。
【0010】
ここで、『所定の順序』とは、例えば1画面を垂直方向へと4分割し、各分割領域に上から順に第1、第2、第3、第4の番号を付したような場合、第1分割領域を第1画像フレーム、第2分割領域を第2画像フレーム、第3分割領域を第3画像フレーム、第4分割領域を第4画像フレームと言ったように、各分割領域を画像フレーム出現順に割り当てる場合のみならず、第1分割領域を第2画像フレーム、第2分割領域を第4画像フレーム、第3分割領域を第1画像フレーム、第4分割領域を第3画像フレームと言ったように、各分割領域を画像フレーム出現順以外の順に割り当てる場合も含むことを意味している。また、この『所定の順序』をランダムに変更すれば、画面のチラツキを一層軽減させることができる。
【0011】
このような構成によれば、画面分割数に対応する一連の複数画像フレームの表示が行われる毎に、表示パネルの1画面全体に対する黒挿入が完結するようにしたため、人間の目にちらつきが感じられない範囲で、画面分割数を適切に設定しさえすればよい。
【0012】
また、個々の画像フレームを表示パネルに書き込む動作を、画面の先頭ラインから割り当てられた分割領域の先頭ラインの直前に至るまで第1のゲートクロックに同期してラインを歩進させつつ画像データを表示パネルに書き込む工程と、割り当てられた分割領域の先頭ラインから末尾ラインに至るまで第2のゲートクロックに同期してラインを歩進させつつ黒データを表示パネルに書き込んだのち、第2のゲートクロックに同期してラインを逆方向へと歩進させつつ割り当てられた分割領域の先頭ラインへと再び帰る工程と、割り当てられた分割領域の先頭ラインから画面の末尾ラインまで第1のゲートクロックに同期してラインを歩進させつつ画像データを表示パネルに書き込む工程とにより実現すれば、駆動されるゲートラインの連続性が維持されるため、双方向シフト型のシフトレジスタを使用した既存のゲートドライバを使用して、表示パネルの駆動を実現することができる。加えて、第1のクロックと第2のクロックとでクロック速度を異ならせることにより、1フレーム時間で1画面分の画像データと割り当てられた分割領域への黒データの書き込みとを完結することができる。このとき、黒ホールド期間は、割り当てられた分割領域を1画面中の1/Nとすると、1フレーム時間×(1/N)となり、残りの{1−(1/N)}フレーム時間が画像ホールド期間となる。
【0013】
このとき、表示パネルの通常動作時の基本ドットクロック周波数をCP1、画面の分割数をNとした場合、第1のドットクロックの周波数を{N/(N−1)}×CP1とすると共に、第2のドットクロックの周波数を2×CP1(2倍速)とすれば、画像データ書き込み時のソースクロック速度が過度に上昇することを抑制し、既存のソースドライバを使用した表示パネルの駆動をより確実なものとすることができる。
【0014】
好ましい実施の形態においては、画面の分割数Nは3、4、又は5とされる。すなわち、画面の分割数Nが3であれば、第1のドットクロックの周波数は(3/2)×CP1=1.5倍速、Nが5であれば、第1のドットクロックの周波数は(5/4)×CP1=1.25倍速となる。ドットクロックスピードがソースクロックスピードと同じ構成とすると、画像データ書き込み時のソースクロックは精々1.5倍程度にしかならないので、既存のソースドライバをそのまま使用して表示パネルを駆動することが可能となる。
【0015】
一方、黒データ書き込み時、ソースクロック以外のソースドライバ制御信号は2倍速に維持したまま、ソースクロックのみを1倍速で駆動させれば、2倍速の書き込み動作に対応できない既存のソースドライバをそのまま使用することができる。このとき、ゲートドライバには2倍速のゲートクロックを供給する。ゲートドライバの通常クロックスピードは数十KHzであり、2倍速になったとしても支障なく動作する。こうすると、黒データ書込み開始から最低1水平走査時間(2ラインゲート走査時間)でソースドライバを介して表示パネルに黒データが書き込まれる。以降、2ラインゲート走査時間ごとに、黒データがソースドライバを介して表示パネルに書き込み更新される。黒データは連続するラインとして存在するため、ソースドライバに黒データを取り込み損ねることがない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本発明が適用された動画表示システム全体の構成図が図1に示されている。同図に示されるように、この動画表示システムは、動画ソース1と、コントローラ2と、液晶表示パネル3と、ゲートドライバ4と、ソースドライバ5と、ゲート電源6と、階調電源7と、画像データ保持用の画像メモリ8を有している。
【0018】
コンピュータ、DVDプレーヤ、TV等の動画ソース1から送られてくる画像データ(Data)は、コントローラ2にいったん入力されたのち、ソースドライバ5に転送される。
【0019】
コントローラ2は、また、動画ソース1から送られてくる垂直同期信号(Vsyn),水平同期信号(Hsyn),基本ドットクロック(CP1),及びデータイネーブル信号(DENB)を基に、各種の制御信号(DSP,DCK,OP,GSP,GCK)を発生する。ここで、DSPはデータスタートパルス、GSPはゲートスタートパルス、DCKはソースクロック、GCKはゲートクロック、OPはデータ出力ラッチパルスであり、それらの役割は後に必要に応じて説明する。図3に示されるように、信号生成回路27は、それらの信号(CP1,Hsyn,Vsyn,DENB)に基づいて、黒期間指示信号(反転Black)及び黒期間後半指示信号(反転Black後半)を生成する。
【0020】
その他、階調電源7は、デジタルデータを対応する電圧にD/A変換する際の基準電圧(階調電圧:Vn)を発生する。ゲート電源6は、ゲートドライバ4の出力電圧(VGH),(VGL)を発生する。
【0021】
液晶表示パネル3としては、この例では、解像度W−XGA(1280×RGB×768)のものが使用されている。また、この液晶表示パネル3の動作時にフレーム周波数は60Hz(ノンインタレース)、コントローラ2に与えられる基本ドットクロックスピードは42.5MHzとされている。画面の分割数Nは4として説明する。
【0022】
ゲートドライバ4は、この例では図2に示されるように、互いに直列接続された3個のシフトレジスタ41,42,43を含んでいる。それらのシフトレジスタ41,42,43は、それぞれ1ビット構成を有する256段のステージを有する。各ステージに格納される1ビットデータは、左方向(L)及び右方向(R)のいずれにもシフト可能とされている。シフト駆動のためのゲートクロックパルスは端子(CPV)に、シフト方向指定のためのロジック信号は端子(L/R)に、それぞれ供給される。シフト対象となるゲートスタートパルス(GSP)はシフトレジスタ41の端子(STV1)に入力され、出力端子(STV2)は次段のシフトレジスタ42のSTV1にカスケード接続される。同様にシフトレジスタ42のSTV2出力は43のSTV1入力へカスケード接続される。シフトレジスタ41のSTV1端子に接続されている抵抗R1並びにシフトレジスタ43のSTV2端子に接続されている抵抗R2はシフト方向が反転したとき動作不良が起こらないために設けられている。
【0023】
直列接続された3個のシフトレジスタ41,42,43のうちの先頭に位置するシフトレジスタ41の端子(STV1)には、ゲートスタートパルスGSPが供給される。このゲートスタートパルスGSPがシフトレジスタ41に取り込まれることにより、ライン選択信号を構成する1ビットデータがシフトレジスタ41の第1ステージに生成される。この1ビットデータは、以後、端子(CPV)に供給されるゲートシフトクロックに同期して、シフトレジスタ41の第1ステージ〜第256ステージ、シフトレジスタ42の第1ステージ〜第256ステージ、シフトレジスタ43の第1ステージ〜第256ステージへと連続して順次にシフトされる。
【0024】
直列接続された3個のシフトレジスタ41,42,43はそれぞれ256本のゲート出力を有する。当業者にはよく知られているように、これらのゲート出力のそれぞれが表示パネルの水平走査ラインに対応している。また、それら256本のゲート出力は、各シフトレジスタ41,42,43の第1ステージ〜第256ステージに対応している。そのため、各シフトレジスタ41,42,43内を1ビットデータが順次にシフトされると、その1ビットデータの存在するステージに対応するゲート出力のみがアクティブとされて、該当する水平走査ラインが選択される。
【0025】
図2の例で各シフトレジスタ41,42,43の端子(CPV)には、周波数の異なる2系統のゲートクロックのいずれかが時分割的に含まれたゲートクロック(GCK)が供給される。それら2系統のゲートクロックパルスの一方を第1のゲートクロック、他方を第2のゲートクロックと称する。GCPを当該表示パネルの規定フレーム周波数(この例では、60Hz)で作動する際に通常使用するゲートクロック(以下、基本ゲートクロックと称する)とすると、第1のゲートクロック(4/3×GCP)は基本ゲートクロックGCPの(4/3)倍の周波数(4/3倍速)を有するクロックであり、第2のゲートクロック(2×GCP)は基本ゲートクロックGCPの2倍の周波数(2倍速)を有するクロックである。
【0026】
図3を参照して、タイミングコントローラ23に入力されるドットクロック(DCP)は、液晶表示パネルへの黒データ書き込み期間と画像データ書込み期間とでは、クロックスピードが異なる。このドットクロックスピードの切り替えは、セレクタ25により行われる。黒書込み時は2倍速のドットクロックCP3(=2×CP1)となり、画像書込み時は高速ドットクロックCP2(4/3CP1)となる。尚、4/3倍速のドットクロックCP2,2倍速のドットクロックCP3は、基本ドットクロックCP1に基づいて、PLL回路26により生成される。タイミングコントローラ23は、ドットクロック(DCP)のスピードに対応した、ソースドライバ、ゲートドライバへのデータ、制御信号、シフトクロックを送出する。
【0027】
各シフトレジスタ41,42,43のシフト方向は、図中黒期間表示信号(Black)の後半において“L”アクティブなパルス波形として描かれた黒期間後半指示信号(Black後半)によって制御される。各シフトレジスタ41,42,43は、黒期間の後半のみ後進方向(L方向)にシフトされ、それ以外の期間では前進方向(R方向)にシフトされる。また、各シフトレジスタ41,42,43のシフト速度は、黒期間については第2のゲートクロック(2×GCP)に同期して2倍速となる。ゲート信号と同様、タイミングコントローラ23のドットクロック(DCP)に対応して、ソースドライバのデータ、制御信号(DSP、OP)、ソースクロック(DCK)も、黒書込み時は通常スピードの2倍速、画像書込み時は通常スピードの4/3倍速となり、ゲート信号と同期して、黒データ、画像データを液晶表示パネルに書き込む。
【0028】
なお、第1のゲートクロック(4/3×GCP)、第2のゲートクロック(2×GCP)、及び黒期間後半指示信号(Black後半)は、図1に描かれたコントローラ2から供給される。
【0029】
図1に戻って、ソースドライバ5は、階調電源7から与えられる階調電圧(Vn)並びにコントローラ2から与えられる制御信号(DSP,DCK,OP)及びソースデータ(Data)に基づいて、表示パネル3のゲートドライバ4で選択された水平走査ラインに対してソースデータを書き込む制御を実現する。このソースデータ書き込み制御は、コントローラ2から供給される制御信号に含まれるデータスタートパルス(DSP)、ソースクロック(DCK)、並びにデータ出力ラッチパルス(OP)を使用して行われる。
【0030】
ソースドライバ5の内部回路構成は当業者にはよく知られているので図示しないが、一般的には、データスタートパルス(DSP)をソースクロック(DCK)に同期して取り込むと共に、これをソースクロック(DCK)に同期してシフトするシフトレジスタと、このシフトレジスタの並列出力のそれぞれに同期して画像データを順次に取り込む多数のラッチ回路と、それらラッチ回路の各出力データが出力ラッチパルス(OP)に同期して一括して転送される保持メモリと、保持メモリの出力データを該当するアナログ電圧に変換して表示パネルに書き込むデータ出力回路とを含んでいる。
【0031】
理論的には、ソースクロック(DCK)の速度を上昇させれば、データ書き込み速度を任意に上昇させることはできるが、実際には、データセットアップ、ホールドタイムの制約から、ソースクロック(DCK)の速度は製品毎に上限が存在する。
【0032】
標準的な使用においては、データスタートパルス(DSP)の周波数とゲートクロック(GCK)の周波数とは同一とされる。すなわち、1水平走査ライン分のデータをソースドライバ5へ転送する毎に水平走査ラインを切り換えることにより、新しいデータを各水平走査ラインに書き込むのである。もっとも、ソースドライバ5へのデータ転送速度とゲートドライバ4のゲートクロック周波数とは同期関係を保ちながら独立の関係に設定することも可能である。後述するように、この実施形態においては、ゲートドライバ4を2倍速で駆動しつつも、ソースドライバ5へのデータ転送についてはソースクロック(DCK)を1倍速に維持することにより、黒データ書き込み時におけるソースドライバ5の動作速度に余裕を持たせている。この場合、同一の黒データが1水平期間に連続する2本の水平走査ラインに書き込まれるが、ソースドライバに黒データを取り込み損ねることはない。
【0033】
次に、黒挿入画像データを生成するための回路構成を示すブロック図が図3に示されている。この回路構成は、図1に描かれたコントローラ2に含まれている。ただし、図3のデュアルポートメモリ21は記憶容量の関係でコントローラの外部に接続される。図1の画像メモリ8がデュアルポートメモリ21に相当する。
【0034】
同図に示されるように、この回路は、デュアルポートメモリ21と、セレクタ22と、タイミングコントローラ23と、NANDゲート24と、セレクタ25とを主体として構成されている。
【0035】
デュアルポートメモリ21は、少なくとも黒書き込みした後、黒書き込み先頭画素に戻る為に必要な記憶容量を有し、その記憶領域の各アドレスには、画像データが格納されている。また、デュアルポートメモリ21内には、書き込みアドレスポインタP(W)と読み出しアドレスポインタP(R)とが含まれている。書き込みアドレスポインタP(W)は、端子(W)に供給されるクロックに同期して歩進される。読み出しアドレスポインタP(R)は、端子(R)に供給されるクロックに同期して歩進される。画像ソース1からの入力データDin1である48bitのデータは書き込みアドレスポインタP(W)で指定されるアドレスに格納される。読み出しアドレスポインタP(R)にて指定されるアドレスに格納された48bitのデータは、出力データDout1として出力される。
【0036】
図3のデュアルポートメモリ21の端子(W)には基準ドットクロックCP1が供給される。ここで、基準ドットクロックCP1の周波数は42.5(=85/2)MHzとされている。そのため、デュアルポートメモリ21内の書き込みアドレスポインタP(W)は42.5MHzを有する基準ドットクロックCP1に同期して歩進される。したがって、画像ソース1から送られてくる画像データ(Data)を構成する各画素データ(8bit×RGB×2ポート=48bit)である入力データDin1は、42.5MHzの基準ドットクロックCP1に同期して、書き込みアドレスポインタP(W)で指定されるデュアルポートメモリ21内の各アドレスに順次に書き込まれることとなる。
【0037】
デュアルポートメモリ21の端子(R)には高速ドットクロックCP2がNANDゲート24を介して供給される。ここで、NANDゲート24は、図において“L”アクティブなパルス波形として描かれた黒期間指示信号(反転Black)により開閉制御される。また、高速ドットクロックCP2の周波数は56.66(=4/3×CP1)MHzとされている。そのため、デュアルポートメモリ21内の読み出しアドレスポインタP(R)は56.66MHzを有する高速ドットクロックCP2に同期して、黒期間を除く期間にのみ歩進される。したがって、デュアルポートメモリ21からは、黒期間を除く期間についてだけ、読み出しアドレスポインタP(R)で指定されるアドレスに格納された画素データ(8bit×RGB×2ポート=48bit)が出力データDout1として順次に出力される。
【0038】
タイミングコントローラ23のデータ入力端子には、セレクタ22を介して、デュアルポートメモリ21の出力データDout1と別途用意した黒データDbとのいずれかが択一的に供給される。また、タイミングコントローラ23のドットクロック入力端子には、セレクタ25を介して、高速ドットクロックCP2(=4/3×CP1=56.66MHz)と2倍速ドットクロックCP3(=2×CP1=85MHz)とのいずれかが択一的に供給される。ここで、高速ドットクロックCP2と2倍速ドットクロックCP3とが時分割的に含まれたセレクタ25の出力をドットクロックDCPと称する。
【0039】
ここで、セレクタ22並びにセレクタ25の切換は、“L”アクティブな黒期間指示信号(反転Black)により制御される。そのため、後述する画像データ書き込み期間については、タイミングコントローラ23のデータ入力端子には出力データDout1が供給され、またドットクロック入力端子には高速ドットクロックCP2が供給される。これに対して、黒データ書き込み期間については、タイミングコントローラ23のデータ入力端子には黒データDbが供給され、またドットクロック入力端子には2倍速ドットクロックCP3が供給される。そして、タイミングコントローラ23からは、ドットクロックDCPのスピードに対応したソースドライバ5に向けての信号群とゲートドライバ4に向けての信号群とが送出される。
【0040】
ゲートドライバ4に向けての信号群には、ゲートスタートパルス(GSP)、ゲートクロック(GCK)、黒後半指示信号(Black後半)等が含まれている。ゲートドライバ4へと送られるゲートクロック(GCK)の周波数は、後述するように、黒挿入期間と画像データ書き込み期間とでは相違する。具体的には、ゲートドライバ4へと送られるゲートクロック(GCK)の周波数は、黒挿入期間においては2倍速(2×GCP)とされるのに対して、画像書き込み期間においては4/3倍速(4/3×GCP)とされる。GCPは通常動作時、すなわち基本ドットクロックCP1が42.5MHz時のゲートクロックスピードとする。
【0041】
ソースドライバ5に向けての信号群には、画像データ(Data),ソースクロック(DCK)の他に、先に説明したデータスタートパルス(DSP)、出力ラッチパルス(OP)等の制御信号が含まれている。ソースドライバ5へ送られる画像データ,制御信号の伝送速度並びにソースクロック(DCK)の周波数は、後述するように、黒期間と画像データ書き込み期間とでは相違する。
【0042】
各水平走査ラインの1ライン毎に新規なデータを書き込むために使用される通常のソースクロックを基本ソースクロック(DCK1)と定義する。この実施例では基本ソースクロックDCK1は基本ドットクロックCP1と同一周波数の構成とする。すると、タイミングコントローラ23から出力されるソースクロックDCKの周波数は、黒データ書き込み期間においては2倍速(2×DCK1)とされるのに対して、画像データ書き込み期間においては4/3倍速(4/3×DCK1)とされる。勿論、ソースクロック速度に合わせて、ソースデータの伝送速度についても2倍速、4/3倍速とされる。経験的に知見されるところでは、最近の液晶表示パネル製品において、推奨される基本ソースクロック(DCK1)の2倍速程度のソースクロック速度であれば、高速対応のソースドライバを使用すれば、黒データ書き込みに支障を来すことはない。
【0043】
もっとも、液晶表示パネル製品によっては、2倍速による黒データ書き込み駆動にさえ耐え得ないソースドライバも想定される。そのような製品に対しては、タイミングコントローラ23から出力されるソースクロックDCKの周波数を、黒期間においては基本ソースクロック(DCK1)のまま1倍速とし、ゲートドライバは2倍速で駆動する。画像書き込み期間においては4/3倍速(4/3×DCK1)とする。そして、それらのソースクロック速度に合わせて、タイミングコントローラ23からソースドライバ5へ送られるデータの伝送速度についても1倍速、4/3倍速とする。すると、表示パネルにおいては、連続する2本の水平走査ライン毎に1データの書き込みが行われることとなるが、そもそも黒挿入時に書き込まれるデータは連続した黒であるから、ソースドライバに黒データを取り込み損ねることがない。なお、殆どの液晶表示パネルにおいて、ソースクロックDCKの速度が4/3倍速程度に上昇したとしても、ソースドライバへのデータ書き込みに支障を来すことはない。したがって、4/3倍速による画像データの書き込みは問題なく行われる。
【0044】
次に、主として図1〜図5を参照しながら、本発明動画表示システムの動作について詳細に説明する。
【0045】
この例にあっては、図4(e)に示されるように、表示パネルの1画面は垂直方向へと4つの領域にあらかじめ分割される。ここで言う『分割』とは観念的な意味であり、物理的に分割されるている訳ではない。今仮に、各分割領域のそれぞれに上から下へ順に、第1分割領域、第2分割領域、第3分割領域、第4分割領域と銘々する。また、『分割』とは、図4(d)に示されるように、これら4個の分割領域の先頭ラインアドレス(L1,L193,L385,L577)を所定のメモリに記憶させておくことで実現することができる。これら4個の分割領域は、図4(e)に示されるように、相連続して到来する4個の画像フレームに、所定の順序で割り当てられる。この例では、第1分割領域は第1フレームに、第2分割領域は第2フレームに、第3分割領域は第3フレームに、第4分割領域は第4フレームに、と言ったように、各分割領域の配列順と各画像フレームの出現順とが対応するように割り当てられる。
【0046】
なお、図4(e)のグラフは幾分誤解しやすいので注釈を加える。このグラフの横軸は時間軸、縦軸は水平走査ラインの番号である。したがって、グラフ上に描かれた横長長方形図形は、上下方向は画面の長さに対応するが、左右方向は画面の長さに対応するものではない。一見すると、画面の上下方向のみならず、左右方向についても4分割して、それらの上下並びに左右にそれぞれ4分割した領域の1つに黒を書き込むように誤解されがちであるが、実際は、画面上においては、左右方向全幅に亘って上下方向へと4分割されており、黒が書き込まれるのはそのようにして得られた分割領域の1つであることに注意されたい。
[表示動作開始前の状態]
【0047】
画像ソース1から到来する各フレームの画像データ(入力データDin1)は、基準ドットクロック(CP1)に同期して、デュアルポートメモリ21内の一連のアドレスに繰り返し上書きされている。このとき、デュアルポートメモリ21内の読み出しアドレスポインタP(R)の値は画面の先頭ラインの直前に相当する値にホールドされている。
[表示動作開始後の状態]
(1)画像データ書き込み期間の制御動作(前側)
【0048】
液晶表示パネル3に対する表示動作が開始されると、最初の画像フレーム(第1フレーム)において黒を書き込むべき分割領域の先頭ラインアドレスがメモリから読み出されて目標アドレスとしてセットされる。
【0049】
このとき、黒期間指示信号(反転Black)は“H”かつ黒後半指示信号(反転Black後半)も“H”に維持され、NANDゲート24は“開”とされて、デュアルポートメモリ21内の読み出しアドレスポインタP(R)は56.66MHzの周波数を有する高速ドットクロック(CP2=4/3×CP1)に同期して歩進される。同時に、黒書き込み予定領域の先頭ラインに対応するメモリアドレスと読み出しアドレスポインタP(R)の値との照合が開始される。
【0050】
また、セレクタ22は出力データDout1側に、セレクタ25は高速クロック(CP2=4/3×CP1)側に設定される。そのため、この状態においては、デュアルポートメモリ21からは、読み出しアドレスポインタP(R)で順次に特定されるアドレスの記憶内容が出力データDout1としてデュアルポートメモリ21から次々と出力され、セレクタ22及びタイミングコントローラ23を順に経由したのち、データスタートパルス(DSP)やソースクロック(DCK=4/3×DCK1)と共にソースドライバ5へと送られる。
【0051】
このとき、黒期間後半指示信号(反転Black後半)は“H”であるから、図2に示されるように、各シフトレジスタ41,42,43のシフト方向は右方向(R)とされ、シフトレジスタ41に取り込まれたゲートスタートパルス(GSP)は前進方向へとシフトされる。また、タイミングコントローラ23からゲートドライバ4へは、ゲートスタートパルス(GSP)及びゲートクロック(GCK)が送り込まれる。尚、GSP,GCKの周波数は通常動作時の4/3倍となる。
【0052】
これにより、読み出しアドレスポインタP(R)の値が目標とする黒書き込み領域の先頭ラインアドレスの直前に達するまでの間、液晶表示パネル3の各水平走査ラインを(4/3)倍速で次々と切り換えつつ、対応する水平走査ラインに対して画像データを書き込む処理が実行される。
(2)黒データ書き込み期間前半の制御動作
【0053】
読み出しアドレスポインタP(R)の内容が目標とする黒書き込み領域の先頭アドレスの直前アドレスと一致すると、黒期間指示信号(反転Black)の内容は“H”から“L”へと変更される。すると、デュアルポートメモリ21内の読み出しアドレスポインタP(R)の歩進停止、セレクタ22における出力データDout1から黒データDbへの切り換え、セレクタ25における高速ドットクロック(CP2=4/3×CP1)から2倍速ドットクロック(CP3=2×CP1)への切り換えが行われる。このとき、黒期間後半指示信号(反転Black後半)はなおも“H”に維持されているから、各シフトレジスタ41,42,43のシフト方向は右方向(R)乃至前進方向とされる。
【0054】
この状態においては、デュアルポートメモリ21からの出力データDout1の読み出しは停止され、その代わりに、黒データDbがセレクタ22及びタイミングコントローラ23を順に経由したのち、データスタートパルス(DSP)や1倍速のデータクロック(DCK=1×DCK1)と共にソースドライバ5へと送り込まれる。このとき、ソースドライバ5の書き込み速度に余裕があるのであれば、2倍速のデータクロック(DCK=2×DCK1)を使用しても良い。
【0055】
また、コントローラ2からゲートドライバ4へは、ゲートスタートパルス(GSP)、2倍速のゲートクロック(GCK=2×GCP)及びBlack後半信号が送り込まれる。
【0056】
これにより、黒書き込み領域の最終ラインアドレスに達するまでの間、液晶表示パネル3の各水平走査ラインを2倍速で上から下へと順次に切り換えつつ、対応するラインに対して黒データを2ラインに一回(1倍速のソースクロック使用時)又は1ラインに一回(2倍速のソースクロック使用時)書き込む処理が実行される。
(3)黒データ書き込み期間後半の制御動作
【0057】
黒書き込み領域の最終ラインアドレスまで黒データの書き込みが完了すると、黒期間指示信号(反転Black)の内容は“L”に維持されたままで、黒期間後半指示信号(反転Black後半)のみが“H”から“L”へと変更され、これを受けて、各シフトレジスタ41,42,43のシフト方向は右方向(R)乃至前進方向から左方向(L)乃至後進方向へと切り換えられる。
【0058】
この状態においても、デュアルポートメモリ21からの出力データDout1の読み出しは停止状態とされ、その代わりに、黒データDbがセレクタ22及びタイミングコントローラ23を順に経由したのち、1倍速もしくは2倍速のソースクロック(DCK=1×DCK1、又は2×DCK1)と共にソースドライバ5へと送り込まれる。また、タイミングコントローラ23からゲートドライバ4へは、2倍速のゲートクロック(GCK=2×GCP)が送り込まれることとなる。
【0059】
これにより、黒書き込み領域の先頭ラインアドレスに達するまでの間、液晶表示パネル3の各水平走査ラインを2倍速で下から上へと順次に切り換えつつ、対応するラインに対して黒データを2ラインに一回(1倍速のデータクロック使用時)又は1ラインに一回(2倍速のデータクロック使用時)書き込む処理が実行される。
【0060】
なお、このように、最終ラインアドレスから先頭ラインアドレスまで戻る際には、黒データの書き込みは行わず、アドレスの歩進だけを行っても良い。
(4)画像データ書き込み期間の制御動作(後側)
【0061】
黒書き込み領域の先頭ラインアドレスまでラインアドレスが戻されたならば、黒期間指示信号(反転Black)は“L”から“H”に変更され、同時に、黒後半指示信号(反転Black後半)についても“L”から“H”へと変更される。すると、NANDゲート24は“開”とされて、デュアルポートメモリ21内の読み出しアドレスポインタP(R)は56.66MHzの周波数を有する高速ドットクロック(CP2=4/3×CP1)に同期して歩進される。同時に、画面の最終ラインに対応するメモリアドレスと読み出しアドレスポインタP(R)の値との照合が開始される。
【0062】
また、セレクタ22は出力データDout1側に、セレクタ25は高速ドットクロック(CP2=4/3×CP1)側に設定される。そのため、この状態においては、デュアルポートメモリ21からは、読み出しアドレスポインタP(R)で順次に特定されるアドレスの記憶内容が出力データDout1としてデュアルポートメモリ21から次々と出力され、セレクタ22及びタイミングコントローラ23を順に経由したのち、データスタートパルス(DSP)やソースクロック(DCK=4/3×DCK1)と共にソースドライバ5へと送られる。
【0063】
このとき、黒期間後半指示信号(反転Black後半)は“H”であるから、図2に示されるように、各シフトレジスタ41,42,43のシフト方向は右方向(R)とされ、すでにゲートドライバ内を後進シフトしてきたゲートパルス(1ビットデータ)は前進方向へとシフトされる。また、タイミングコントローラ23からゲートドライバ4へは、ゲートクロック(GCK=4/3×GCP)が送り込まれる。
【0064】
これにより、読み出しアドレスポインタP(R)の値が目標とする画面最終ラインアドレスに達するまでの間、液晶表示パネル3の各水平走査ラインを(4/3)倍速で次々と切り換えつつ、対応する水平走査ラインに対して画像データを書き込む処理が、画面の最終ラインに対応するメモリアドレスと読み出しアドレスポインタP(R)の値との一致が確認されるまで継続される。
【0065】
以後、上記(2)〜(4)の制御動作が繰り返される結果、図4及び図5に示されるように、各画像フレーム(1フレーム〜4フレーム)の各々に割り当てられた分割領域に含まれる水平走査ラインにのみ黒を挿入することにより、画面分割数に対応する一連の複数画像フレーム(1フレーム〜4フレーム)の表示が行われる毎に、表示パネルの1画面全体に対する黒挿入が完結することとなる。
【0066】
図4及び図5に示される例にあっては、表示パネルの1画面は垂直方向へと4つの領域にあらかじめ分割され、分割により生じた各領域のそれぞれは一連の画像フレーム(1フレーム〜4フレーム)のそれぞれに所定の順序で割り当てられる。個々の画像フレーム(1フレーム〜4フレーム)を表示パネルの各水平走査ラインに書き込む動作は、第1工程〜第3工程を含んでいる。
【0067】
第1工程では、画面の先頭ライン(L1)の直前(L0)から割り当てられた領域の先頭ライン(L1,L193,L385,L577)の直前に至るまで第1のゲートクロック(4/3×GCP)に同期してラインを歩進させつつ画像データを表示パネルに書き込む処理(図5における0〜P1,P5〜P6,P10〜P11,P15〜P16に相当)が実行される。
【0068】
第2工程では、割り当てられた分割領域の先頭ライン(L1,L193,L385,L577)から末尾ライン(L192,L384,L576,L768)に至るまで第2のゲートクロック(2×GCP)に同期してラインを歩進させつつ表示パネルに黒データを書き込む処理(図5におけるP1〜P2,P6〜P7,P11〜P12,P16〜P17に相当)、及び第2のゲートクロック(2×GCP)に同期してラインを逆方向へと歩進させつつ割り当てられた領域の先頭ライン(L1,L193,L385,L577)へと再び帰る処理(図5におけるP2〜P3,P7〜P8,P12〜P13,P17〜P18に相当)が実行される。
【0069】
第3工程では、割り当てられた分割領域の先頭ライン(L1,L193,L385,L577)から画面の末尾ライン(L768)まで第1のゲートクロック(4/3×GCP)に同期してラインを歩進させつつ表示パネルに画像データを書き込む工程(図5におけるP3〜P4,P8〜P9,P13〜P14,P18〜P19に相当)が実行される。
【0070】
この実施形態によれば、選択されるラインの連続性が維持されるため、双方向シフト型のシフトレジスタを使用した既存のゲートドライバを使用して、表示パネルの駆動を実現することができ、しかも画面分割数により、画像ホールド期間及び黒ホールド期間を適切に設定することができる。
【0071】
このとき、表示パネルの通常動作時の水平走査ライン歩進用のゲートクロック周波数をGCP、画面の分割数をNとした場合、第1のゲートクロックの周波数を{N/(N−1)}×GCPとすると共に、第2のゲートクロックの周波数を2×GCP(2倍速)とすれば、ソースデータ書き込み時のゲート及びソースクロック速度が過度に上昇することを抑制し、特に黒データ書き込み時、1倍速のソースクロック(DCK1)を使用した場合、既存のソースドライバを使用した表示パネルの駆動をより確実なものとすることができる。
【0072】
好ましい実施の形態においては、画面の分割数Nは3、4、又は5とされる。すなわち、画面の分割数Nが3であれば、第1のドットクロックの周波数は(3/2)×CP1=1.5倍速、Nが5であれば、第1のドットクロックの周波数は(5/4)×CP1=1.25倍速となり、画像データ書き込み時のソースクロックは精々1.5倍程度にしかならないので、既存のソースドライバをそのまま使用して表示パネルを駆動することが可能となる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明方法によれば、この種のホールド特性を有する表示パネルにおいて『動画ぼやけ』を可及的に低減させ得ると共に、画像ホールド期間及び黒ホールド期間を適切に設定することができ、しかも高速クロックに対応できない既存のソースドライバを使用して製作するこもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動画表示システム全体の構成図である。
【図2】本発明によるゲートライン選択制御を実現するための回路構成の説明図である。
【図3】黒挿入画像データを生成するための回路構成を示すブロック図である。
【図4】図2の回路における動作説明図である。
【図5】画面の黒挿入とゲートドライバの駆動タイミングとの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 動画ソース
2 コントローラ(ASIC)
3 液晶表示パネル
4 ゲートドライバ
5 ソースドライバ
6 ゲート電源
7 階調電源
8 画像メモリ
21 デュアルポートメモリ
22 セレクタ
23 タイミングコントローラ
24 NANDゲート
25 セレクタ
26 PLL回路
27 信号生成回路
41〜43 シフトレジスタ

Claims (4)

  1. 表示パネルの1画面を垂直方向へと複数の領域にあらかじめ分割しておき、分割により生じた各分割領域のそれぞれを一連の画像フレームのそれぞれに所定の順序で割り当て、個々の画像フレームを表示パネルに書き込むに際しては、その画像フレームに割り当てられた分割領域に含まれるラインにのみ黒データを挿入することにより、画面分割数に対応する一連の複数画像フレームの表示が行われる毎に、表示パネルの1画面全体に対する黒挿入が完結するようにしたことを特徴とするホールド型表示パネルの駆動方法。
  2. 個々の画像フレームを表示パネルに書き込む動作は、
    画面の先頭ラインの直前から割り当てられた分割領域の先頭ラインの直前に至るまで第1のゲートクロックに同期してラインを歩進させつつ画像データを表示パネルに書き込む工程と、
    割り当てられた分割領域の先頭ラインから末尾ラインに至るまで第2のゲートクロックに同期してラインを歩進させつつ黒データを表示パネルに書き込んだのち、第2のゲートクロックに同期してラインを逆方向へと歩進させつつ割り当てられた分割領域の先頭ラインへと再び帰る工程と、
    割り当てられた分割領域の先頭ラインから画面の末尾ラインに至るまで第1のゲートクロックに同期してラインを歩進させつつ画像データを表示パネルに書き込む工程とを含み、かつ
    第1のゲートクロックと第2のゲートクロックとは周波数が異なる、ことを特徴とする請求項1に記載のホールド型表示パネルの駆動方法。
  3. 表示パネルの通常動作時の基本ゲートクロックをGCP、画面の分割数をNとした場合、第1のゲートクロックの周波数は{N/(N−1)}×GCPとされ、第2のゲートクロックの周波数は2×GCPとされる、ことを特徴とする請求項2に記載のホールド型表示パネルの駆動方法。
  4. 画面の分割数Nが3、4、又は5である、ことを特徴とする請求項3に記載のホールド型表示パネルの駆動方法。
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