JP2005096543A - 電動パーキングブレーキシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている間(ブレーキスイッチがON状態にある間)に操作スイッチが制動解除操作されたときに、パーキングブレーキ機構を制動状態から制動解除状態に切り換える。また、ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている間でなくても、該踏み込み操作が検出されなくなったときから設定時間以内に操作スイッチが制動解除操作されたときには、パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換える。
【選択図】 図10
Description
(マニュアル作動)
通常制御時において運転者がこの操作スイッチ53を1回だけ引いた(運転者がこの操作スイッチ53を作動位置に1回だけ切り換えることで電動パーキングブレーキ制御装置50が作動信号を1回だけ受信した)場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、パーキングブレーキ機構が、最大制動力の70%に相当する制動力(以下、「最大制動力の70%に相当する制動力」を「70%荷重」と言う)を車輪に対して付与するように電動モータ52aを制御する。この70%荷重は、車両1を20%勾配で駐停車させることができる大きさの荷重である。なお、本発明で言うところの「操作スイッチの制動操作」は、操作スイッチ53を1回だけ引く操作に対応し、第1制動力は70%荷重に対応する。
通常制御時であってパーキングブレーキ機構が作動状態にあるときにおいてマニュアル解除条件が成立した場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、パーキングブレーキ機構を作動状態から解除状態に切り換える。ここで、マニュアル解除条件が成立した場合とは、ブレーキスイッチ34によりブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている間(ブレーキスイッチ34がON状態にあってブレーキスイッチ信号を発信している間)に、運転者が操作スイッチ53を押した(換言すれば、運転者が操作スイッチ53を制動解除操作することで電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を受信した)場合と、ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている間でなくても(ブレーキスイッチ34がOFF状態にあってブレーキスイッチ信号を発信していなくても)、ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されなくなったときから(ブレーキスイッチ34がOFF状態になったときから)、予め設定された第1設定時間T1以内に運転者が操作スイッチ53を押した(電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を受信した)場合とである。なお、本発明で言うところの「操作スイッチの制動解除操作」は、操作スイッチ53を押す操作に対応する。
通常制御時であってパーキングブレーキ機構が作動状態であるときにおいて、ブレーキスイッチ34によりブレーキペダルの踏み込み操作が検出されなくなったときから上記第1設定時間T1よりも長い時間が経過した後に、運転者が操作スイッチ53を押したときには、電動パーキングブレーキ制御装置50はオート解除スタンバイ状態になる。そして、オート解除スタンバイ状態である場合であってオート解除条件が成立したときには、電動パーキングブレーキ制御装置50は車輪の制動を解除して、パーキングブレーキ機構を作動状態から解除状態に切り換える。ここで、オート解除条件が成立した場合とは、操作スイッチ53が押し操作されたときから(電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を受信したときから)、予め設定された第2設定時間T2が経過するまでの間に、アクセル開度センサ35からのアクセル開度信号に基づいて運転者のアクセルペダルの踏み込み操作(アクセル操作)を検出した場合である。上記第2設定時間T2は、第1設定時間T1よりも長い時間に設定されている。
(作動)
ダイナミックパーキング制御時において運転者が操作スイッチ53を引いた場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、車速に応じた制動力(この制動力の詳細については後述する)を車輪に対して付与する。そして、この車速に応じた制動力が付与されたことにより車両1が停車した場合には、運転者が操作スイッチ53から指を離すことにより操作スイッチ53が中立位置に戻ったとしても、電動パーキングブレーキ制御装置50は、車輪の制動の解除を禁止して車輪の制動を保持する。
ダイナミックパーキング制御により車輪の制動が保持されてから、予め設定された所定時間(本実施形態では、例えば、5秒)が経過するまでの間に、運転者がこの操作スイッチ53を押した場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、上記保持された制動を解除する。
以下に、電動パーキングブレーキ制御装置50による制動作動の制御手順を、図7〜図9のフローチャートを用いながら説明する。なお、以下に記されたF=0はブレーキ解除(制動解除)を意味し、F=1は通常制御を意味し、F=2はダイナミックパーキング制御を意味する。
図8に示すように、まず、ステップS19で、フラグをF=2にするとともに、インパネ2の表示装置に、ダイナミックパーキング制御中であることを表示する。
まず、図9に示すように、ステップS40において、アイドルアップ信号に基づいてアイドルアップ状態であるか否かを判定する。ステップS40での判定結果がYESである場合にはステップS41に進み、増し引き条件が成立したと判定される。
なお、本実施形態では、操作スイッチ53は作動位置と中立位置と解除位置との3つに切換可能な押し引き操作スイッチ(図3を参照)から成るが、図13に示すように、作動・解除位置と中立位置との2つに切換可能な引き操作スイッチで構成されてもよい。この場合も、運転者が、操作スイッチ53を作動・解除位置に切り換えた後に操作スイッチ53に対して力を加えるのを止めた場合には、自動的に中立位置に戻る。そして、このような引き操作スイッチでは、運転者が操作スイッチ53を引いた時間に応じて、作動と解除との区別を行う。
以下に、本電動パーキングブレーキシステム10の更なる課題とその課題を解決するための手段(構成)について記す。
(全自動)
(1)平坦な道
車両が平坦な道にある場合には、操作スイッチ53の操作回数で制動荷重の設定を行う(例えば、操作回数が1回目の場合には70%荷重、2回目の場合には100%荷重)。また、操作スイッチ53の操作時間で制動荷重の設定を行ってもよい(例えば、操作時間が0.5秒よりも小さい場合には70%荷重、0.5秒以上の場合には100%荷重)。
(i)坂道での適切なブレーキ力
坂道で適切なブレーキ力を付与するために、制動荷重を傾斜角に応じて変更する。ただし、以下のような補正を行う。
車両1が停止している場合であってシフトレバー4がNレンジにあるときには、制動力を傾斜角に応じて設定する基本荷重設定でよいが、車両1が停止している場合であってシフトレバー4が走行レンジにあるときには、エンジン回転数のアップ量に応じて、制動荷重を大きくする。
車両1が下り勾配にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるとき及び車両1が上り勾配にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、荷重を大きくする。一方、車両1が上り勾配にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるとき及び車両1が下り勾配にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、荷重を小さくする。
車両1が上り坂にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるとき及び車両1が下り坂にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、アクセル操作により自動解除(オート解除)を行う。一方、車両1が上り坂にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるとき及び車両1が下り坂にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるときには、ブレーキペダルがOFF状態になることにより自動解除を行う。
(i)飛び出し防止
電動パーキングブレーキシステム10は、アクセル操作だけでは自動解除を行わず、操作スイッチ53の操作、すなわち、運転者の発進意思があったことを前提として、アクセル操作により自動解除を行うものである。具体的には、パーキングブレーキ機構が作動している場合において、不意のアクセル操作により車両1が移動したときには、自動的に増し引きを行う。また、アクセル操作が入力された場合には、自動的に増し引きを行う。また、エンジンがアイドルアップしている場合には、自動的に増し引きを行う。
レーダ・CCDカメラ・超音波センサ等により障害物を検出する。そして、障害物が検出された場合には、自動解除を禁止するとともに警報を発する。
(i)クラッチミートを検出して、解除を行う。具体的には、発進時のアクセル開度(エンジン回転数)によりクラッチミート位置(ストローク)を予め設定して、制動力を解放する。また、発進時のクラッチミートを車両1のピッチ(Gセンサ)から判断して、制動力を解放する。また、クラッチの戻し速度(エンジン回転数の落ち込み)を検出して、制動力の解放を速くする。また、エンジン回転数と車速(T/M)のスリップ率とを検出して、制動力を解放する。
エンストが検出された場合には、自動作動を行う(坂道での逆行防止)。
ドアが開いている場合、トランクが開いている場合、ボンネットが開いている場合、及びシートベルト未装着の場合には、解除を禁止する。
(1)ダイナミックパーキング制御における作動/解除条件
(i)高μ路
走行中にパーキングブレーキ機構を作動させる場合には、車輪をロックしないような制御を基本的に行う。具体的には、操作スイッチ53を一定時間だけ制動操作し続けると、作動する。なお、誤操作防止のため、短時間の制動操作では作動しない。また、操作スイッチ53から手を離すと、すぐに解除する。
ABSユニットからロック信号を受信して、モータによる制御を行う。ABSロック信号を制御ループに入れて、モータのON−OFF制御によりモータによるABS制御を行う。ABSロック信号を入力すると、ロック解除までモータを解除し、その後、そのロック解除制動力を保持する。
(i)作動禁止
操作スイッチ53の制動操作時間が短時間である場合には、作動を開始しない。また、アクセル操作中である場合には作動を禁止する。
コーナーを走行中(舵角)である場合には、パーキングブレーキ機構の増圧を禁止して、それまでの制動力を保持する。また、コーナーを走行中である場合には作動の開始を禁止する。また、車速ロックにより車速が0km/hであると検出されないように、ロジックで対応する。具体的には、車速の急変(1G以上)が検出された場合には、停止ロジックに入らないようにする。
キーを抜いた場合には自動作動を行う。また、操作スイッチ53を解除位置にしてキーを抜いた場合には、自動解除を禁止する。
自動解除スタンバイ時には、インジゲータランプ38,39を点滅させる。なお、点滅時には、アクセルのリリースが可能である。点滅後一定時間が経過した場合には、点滅していたインジゲータランプ38,39を点灯させる。なお、点灯後は、アクセルのリリースはできない。具体的には、操作スイッチ53を1回だけ引いた場合には、緑インジゲータランプ38が点灯する一方、その後自動解除スタンバイ状態になった場合には、緑インジゲータランプ38が点滅する。また、操作スイッチ53を2回だけ引いた場合には、緑及び赤インジゲータランプ38,39が点灯する一方、その後自動解除スタンバイ状態になった場合には、緑及び赤インジゲータランプ38,39が点滅する。
(1)AT車のクリープにより停止不可能な場合には、自動作動を行う。具体的には、車両1が上り坂にある場合であってシフトレバー4が走行レンジにあるとき及び車両1が下り坂にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、自動作動を行う。その自動作動時における制動力は、傾斜角に応じて変更する。また、エンジンアイドルアップ時には荷重の補正を行う。
傾斜角はGセンサにより検出する。しかしながら、Gセンサは車両1のピッチ等により出力変動する(この出力変動は、減速の仕方により変化する)ため、変動が停止するまで傾斜角を判定することができない。そのため、車両1停止後における作動の開始時間が遅れる。その結果、車両1停止後に運転者がブレーキペダルから足を離すと、車両1が逆行するおそれがある。そこで、停止時の傾斜判定は以下のように行う。
電磁ピックアップは3km/h以下を計測することができない。そこで、ブレーキペダルがON状態になることにより減速して車速が3km/hになったときに減速度を検出して、車速が0km/hになる時間を推定する。また、Gセンサの値から停止判定を行う(停止時の車両ピッチから判定する)。
停止後一定時間が経過した後、判定を開始する。その判定開始時間は、減速度に応じて変更する。
停止過程のデータから傾斜角を推定する(傾斜角=Gセンサ値−加速度)。ここまで、電動パーキングブレーキシステム10の更なる課題とその課題を解決するための手段について記した。
10 電動パーキングブレーキシステム
34 ブレーキスイッチ(ブレーキ検出手段)
35 アクセル開度センサ(アクセル検出手段)
50 電動パーキングブレーキ制御装置(制御手段)
52 パーキングブレーキ本体部
53 操作スイッチ
Claims (5)
- アクチュエータの作動によって車輪に対して制動力を付与するパーキングブレーキ機構と、該パーキングブレーキ機構を制動状態と制動解除状態とに切り換えるための操作スイッチと、該操作スイッチの操作に応じて上記アクチュエータによる上記パーキングブレーキ機構の制動作動を制御する制御手段とを備えた電動パーキングブレーキシステムであって、
ブレーキペダルが踏み込み操作されたことを検出するブレーキ検出手段を備え、
上記制御手段は、上記パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときにおいて、上記ブレーキ検出手段によりブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている間に上記操作スイッチが制動解除操作されたときに、該パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。 - 請求項1記載の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動解除状態にあるときにおいて、操作スイッチが制動操作されたときには、最大制動力よりも小さい第1制動力を車輪に対して付与して、上記パーキングブレーキ機構を制動状態に切り換えるとともに、該切り換え後に、車両が所定状態にあるときには、上記第1制動力よりも大きい第2制動力を上記車輪に対して付与するように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。 - 請求項1又は2記載の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
ブレーキ検出手段は、ブレーキペダルの踏み込み量が所定値以上であるときに、ブレーキペダルが踏み込み操作されたことを検出するように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときにおいて、ブレーキ検出手段によりブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている間でなくても、該踏み込み操作が検出されなくなったときから第1設定時間以内に操作スイッチが制動解除操作されたときには、上記パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。 - 請求項4記載の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
アクセル操作を検出するアクセル検出手段を備え、
制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときであってブレーキ検出手段によりブレーキペダルの踏み込み操作が検出されなくなったときから第1設定時間よりも長い時間が経過した後に操作スイッチが制動解除操作されたときにおいて、該制動解除操作されたときから第2設定時間以内に上記アクセル検出手段によりアクセル操作が検出されたときには、パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されており、
上記第2設定時間は、第1設定時間よりも長い時間に設定されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。
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