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JP2005085531A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2005085531A JP2003314274A JP2003314274A JP2005085531A JP 2005085531 A JP2005085531 A JP 2005085531A JP 2003314274 A JP2003314274 A JP 2003314274A JP 2003314274 A JP2003314274 A JP 2003314274A JP 2005085531 A JP2005085531 A JP 2005085531A
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和也 田尻
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Abstract

【課題】スタックの加湿を適切に行える燃料電池システムを提供する。
【解決手段】それぞれ高分子膜を有する複数の単位電池10を積層すると共に、電気的に直列に接続してなるスタック1を備える。スタック1の積層方向両端部に位置する端部単位電池10bに供給するガス流量を、積層方向中央部近傍に位置する中央部単位電池10aに供給するガス流量よりも多くなるようにガス流量を調整する流量調整手段を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高分子膜を電解質として用いた燃料電池セルを積層して構成される、固体高分子電解質形燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。特に、発電特性に寄与する各単位電池への反応ガスの供給を最適化する構成に関する。
燃料電池の一つのタイプとして、固体高分子膜を電解質として用いた固体高分子電解質形燃料電池がある。この固体高分子膜は、その膜中に存在する水分子とイオン導電性とが密接な関係にあり、膜中に十分な水を含んでいないとイオン導電体としての機能を果さない。従って、固体高分子電解質形燃料電池では、供給する反応ガスを予め加湿しておく等の作業が必要となる。このとき、加湿量が過多となると、反応ガス流路やガス拡散層部などに水が蓄積し、反応ガスの拡散を阻害して、電池電圧が大きく低下する恐れがある。特に、低温起動時や暖機運転中などにおいて、エンドプレート等からの放熱や熱容量の影響から、積層方向端部に配置された単位電池の温度は上がりにくい。その結果、凝縮水量が増加して、上述したように電池電圧の低下が生じ易くなる。
そこで、燃料電池スタックの中から出力電圧値Vが正常範囲を脱するような単位電池が最初に見つかったときに、その単位電池が、燃料電池スタックの両端各2セル部分に該当するか否を判別する燃料電池システムが提案されている。出力電圧値Vが正常範囲を脱する単位電池が燃料電池スタックの両端各2セル部分に位置すると判別されたときには、燃料電池スタックは加湿過剰であるとして、燃料ガスおよび酸化ガスの加湿量を低減させている。一方、その単位電池が、燃料電池スタックの両端各2セルを除いた内側部分に位置すると判別されたときには、燃料電池スタックは加湿不足であるとして、燃料ガスおよび酸化ガスの加湿量を増加させている(例えば、特許文献1、参照。)。
特開2002−184438号公報
上述した従来の技術においては、燃料電池スタックの端部で電圧低下を生じた場合には、燃料電池スタックに供給する燃料ガスおよび酸化ガスの加湿量を低減する。このように、燃料電池スタック全体に供給する燃料ガスおよび酸化ガスの湿度を低減することで、燃料電池スタック中央部において電解質膜の乾燥を生じる可能性がある。その結果、燃料電池スタックにおける発電効率が低下する可能性が生じる。
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みて、燃料電池スタックの加湿を適切に行うことができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、高分子膜を有する単位電池を複数積層すると共に、電気的に直列に接続してなる燃料電池スタックを備える。前記燃料電池スタックの積層方向両端部に位置する端部単位電池に供給するガス流量を、積層方向中央部近傍に位置する中央部単位電池に供給するガス流量よりも多くなるように、選択的に調整することができる流量調整手段を有する。
このように、端部単位電池に供給するガス流量を、中央部単位電池に供給するガス流量よりも多くなるように、選択的に調整することで、端部単位電池から排出される水蒸気流量を増大することができる。その結果、端部単位電池におけるフラッディングを抑制することができ、燃料電池スタックの加湿を適切に行うことができる。
第1の実施形態について説明する。ここで用いる燃料電池システムの構成を図1に示す。なお、ここでは車輌の駆動原として用いる燃料電池システムについて説明する。
後述する単位電池10を積層することにより構成した燃料電池スタック(以下、スタック)1を備える。スタック1には、後述するように、酸化剤ガスを単位電池10に分配する供給マニホールド11の流路断面積を変化させるためのステップモータ5を備える。
また、スタック1の図示しない燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置2を備える。例えば、燃料ガス供給装置2において高圧水素ガスを貯蔵した図示しない水素タンクから水素を取り出して圧力を調整し、燃料ガス供給経路7を介してスタック1の燃料極に供給する。燃料極において燃料ガスを用いて発電を行う。このとき消費されなかった燃料ガスは、図示しない循環経路により再びスタック1の燃料極に供給される。
また、スタック1の図示しない酸化剤極に供給する酸化剤ガスを圧送する酸化剤ガス供給ポンプ3を備える。さらに、酸化剤ガス供給ポンプ3により圧送される酸化剤ガスを加湿する加湿装置4を備える。酸化剤ガス供給ポンプ3において流量を調整し、加湿装置4において湿度が調整された酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給経路8を介してスタック1の酸化剤極に供給する。酸化剤極において酸化剤ガスを用いて発電を行い、このとき消費されなかった酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出経路9を介して外部に排出される。酸化剤としては、例えば空気を用いる。
さらに、このような燃料電池システムを制御するためのコントローラ6を備える。コントローラ6では、燃料ガス供給装置2においてスタック1に供給する燃料ガスの流量、および、酸化剤ガス供給ポンプ3によりスタック1に圧送する酸化剤ガスの流量を調整する。また、スタック1に備えたステップモータ5の制御を行うことにより、単位電池10に供給する反応ガス流量を調整する。
次に、スタック1の構成について図2を用いて説明する。
スタック1を、複数の単位電池10を積層することにより構成する。単位電池10を、固体高分子膜からなる電解質膜と、この電解質膜を狭持するように電解質膜の両面に配設される燃料極および酸化剤極と、セル間の隔壁を成すセパレータを積層することにより構成する。電解質膜は、フッ素系樹脂等の固体高分子材料によりプロトン伝導性の膜として形成される。この膜の両側に配設される二つの電極は、白金、または、白金とその他の金属からなる触媒を含有するカーボンクロス、または、カーボンペーパからなり、触媒の存在する面が電解質膜と接触するように形成される。セパレータは、ガス不透過である緻密性カーボン材で構成し、片面または両面に燃料ガスや酸化剤ガス、あるいは冷却媒体の流路を確保するための多数のリブを形成する。
酸化剤ガスを、酸化剤ガス供給経路8を通って、単位電池10に酸化剤ガスを分配する供給マニホールド11に供給する。供給マニホールド11から単位電池10に分配された酸化剤ガスは、酸化剤極において発電反応に用いられる。発電に用いられなかった酸化剤ガスは、単位電池10から排出マニホールド12に回収されて、酸化剤ガス排出経路9を介して外部に排出される。なお、燃料極に関しても、同様に図示しない供給マニホールドおよび排出マニホールドを備え、各単位電池10に燃料ガスを分配・回収するように構成する。
供給マニホールド11内には、可動部13を備える。また、供給マニホールド11内で可動部13の位置を設定するステップモータ5を備える。可動部13を移動させることにより、供給マニホールド11の流路断面を変化させる。ここでは、可動部13を移動させることにより、供給マニホールド11の高さhを変化させる。ここで、供給マニホールド11の高さhは、供給マニホールド11内の空間についての単位電池10からの距離に相当する。このように、供給マニホールド11から単位電池10へ流れ込む酸化剤ガスの流路を維持すると共に、供給マニホールド11の流路断面積が変更可能となるように構成する。
積層した単位電池10の発電状態がほぼ均一の場合には、積層方向中央部に配置された中央部単位電池10aと、積層方向端部に配置された端部単位電池10bと、の電圧がほぼ等しくなる。このような場合には、図2に示すようにスタック1の状態を設定する。これをモードAとする。モードAの場合には、供給マニホールド11の高さhが比較的大きな値となるように可動部13の位置を設定する。これにより、図4に示すように、スタック1を構成する単位電池10に、ほぼ均一な流量の酸化剤ガスを供給することができる。
一方、端部単位電池10bから熱が外気に放出され、中央部単位電池10aよりも温度が低くなる場合がある。この時には、排出ガスがスタック1から外に運び去ることができる水蒸気量が中央部単位電池10aに比べて抑制される。その結果、端部単位電池10bでフラッディングを生じ、電圧の低下を招く可能性がある。このような場合には、図3に示すようにスタック1の状態を設定する。これをモードBとする。モードBの場合は、供給マニホールド11の高さhが比較的小さな値となるように可動部13の位置を設定する。この結果、供給マニホールド11内で、積層方向中央部近傍から端部に向かうガスの流速が大きくなる。つまり、供給マニホールド11内で、積層方向端部の静圧が中央部よりも相対的に上昇することになるので、図4に示すように中央部単位電池10aよりも端部単位電池10bへ多くの酸化剤ガスが供給される。これにより、より多くの排出ガスが端部単位電池10bから排出されるので、水蒸気排出量が増加して端部単位電池10bにおけるフラッディングを抑制・防止することができる。
次に、モードA、Bの切替制御について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローは、スタック1の発電開始を指示する起動スイッチがONとなったら開始する。
ステップS1において、コントローラ6に備えた図示しないタイマーのカウントSを初期値にリセットする(S=0)。ステップS2において、スタック1が発電中であるか否かを判断する。発電中ではないときには、本フローを終了する。一方、ステップS2において発電中であると判断された場合には、ステップS3に進み、1秒間経過したか否かを判断する。つまり、前回、タイマーをカウントしてから1秒経過したと判断されるまでステップS3を繰り返し、1秒経過したと判断されたら、ステップS4に進む。ステップS4において、タイマーをカウントする(S=S+1)。
次に、ステップS5において、カウントSが所定値Soより小さいか否かを判断する。ここで、所定値Soは、スタック1全体が通常の運転温度まで上昇するのに有する時間とする。または、起動運転や暖機運転が終了するまでの時間とする。起動初期には、スタック1の温度が低く、特に端部単位電池10bでは外気の影響を受けて温度が上昇し難い。これにより、端部単位電池10b内にフラッディングが生じやすく、電圧が低下する可能性がある。そこで、スタック1の温度、特に端部単位電池10bの温度が所定の運転温度に達するまでの時間を所定値Soとして予め求めておき、この間は端部単位電池10bのフラッディングを抑える制御を行う。
つまり、カウントSが所定値Soより小さい場合には、特に端部単位電池10bでフラッディングが生じる可能性があるので、ステップS7に進み、モードBを設定する。つまり、中央部単位電池10aに比べて端部単位電池10bに供給される酸化剤ガス流量が大きくなるように、供給マニホールド11の流路断面を設定する。ここでは、ステップモータ5を制御することにより、供給マニホールド11の高さhが比較的小さくなるように設定する。
一方、カウントSが所定値So以上に達した場合には、中央部単位電池10aと端部単位電池10bの発電状態はほぼ同じであると判断して、ステップS6においてモードAを設定する。つまり、中央部単位電池10aと端部単位電池10bに供給する酸化剤ガス流量が同じ程度となるように、供給マニホールド11の流路断面を設定する。ここでは、ステップモータ5を制御することにより、供給マニホールド11の高さhが比較的大きくなるように設定する。
このようにステップS6、S7においてモードを設定したら、ステップS2に戻り、発電を継続している間は、ステップS2〜S7を繰り返す。このように本実施形態では、起動時には特に端部単位電池10bにおいてフラッディングが生じる可能性が高いとして、積層方向端部のフラッディングを抑制するモードBを設定し、所定時間(So)が経過したら通常のモードAを設定する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
高分子膜を有する複数の単位電池10を積層すると共に、電気的に直列に接続してなるスタック1を備える。スタック1の積層方向両端部に位置する端部単位電池10bに供給するガス流量を、積層方向中央部近傍に位置する中央部単位電池10aに供給するガス流量よりも多くなるように選択的に調整することができる流量調整手段を有する。これにより、端部単位電池10bにおいてのみ、排水量を増大することができるので、高分子膜を乾燥することなく、単位電池10全体の発電効率を向上することができる。その結果、スタック1の加湿を適切に行うことができる燃料電池システムを提供することができる。
また、スタック1の積層方向に伸びる、単位電池10にそれぞれにガスを供給する供給マニホールド11を備える。前記流量調整手段は、供給マニホールド11内を積層方向端部に向かって流れるガスの流速を増大するように構成される。これにより、供給マニホールド11内で、積層方向中央近傍に比較して端部近傍の静圧を大きく調整することができるので、端部単位電池10bに供給されるガス流量を増大することができる。
また、スタック1の積層方向中央部近傍に相当する位置から供給マニホールド11にガスを供給するガス導入流路8を備える。前記流量調整手段は、供給マニホールド11の流路断面積を変更してガスの流速を変更するように構成される。このように、供給マニホールド11の軸方向中央部近傍からガスを供給すると共に、供給マニホールド11の流路断面を変更可能とすることで、積層方向端部に向かうガスの流速を調整可能とすることができる。その結果、端部単位電池10bに供給されるガス流量を調整可能とすることができ、端部単位電池10bの水分除去を選択的に増大することができる。
さらに、前記流量調整手段を、供給マニホールド11内部の空間について、単位電池10からの距離を変更する手段とする。ここでは、供給マニホールド11内に有する可動部13と、可動部13の位置を設定するステップモータ5を用いる。これにより、供給マニホールド11から単位電池10へガスが移動する際の流路断面を変化することなく、供給マニホールド11内の流路断面積を低減することができる。その結果、供給マニホールド11から単位電池10へのガスの移動をスムーズに行うことができ、ガスの供給不足を生じるのを避けることができる。
また、端部単位電池10bにフラッディングが生じるか否かを判断する手段を備える。ここでは、ステップS5において、発電開始からの経過時間により判断する。発電開始から所定時間(So)が経過するまでの間は、中央部単位電池10aよりも端部単位電池10bに多量のガスを供給する。ここでは、暖機運転時または起動運転時に、端部単位電池10bに多量のガスを供給する。これにより、特に中央部単位電池10aに比べて端部単位電池10bの温度が低くフラッディングが生じ易い発電初期時に、端部単位電池10bから除去する水蒸気量を増大することができ、フラッディングを抑制することができる。また、所定時間(So)が経過したら、中央部単位電池10aと端部単位電池10bに、概略同量のガスを供給する。これにより、スタック1の温度が上昇したら、積層方向中央部と端部に同量のガスが供給することで、効率のよい発電を行うことができる。
次に、第2の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図6に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
スタック1の温度を検出する電池温度センサ21を備える。ここでは、電池温度センサ21を端部単位電池10bの温度を検出するように配置するがこの限りではない。例えば、小型のスタック1においては、中央部電池10aの温度を検出するように配置してもよい。その他の構成を第1の実施形態と同様とする。
このような燃料電池システムのモードA、Bの切替制御を、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローは、スタック1の発電開始を指示する起動スイッチがONとなったら開始する。
ステップS11において、スタック1において発電中であるか否かを判断する。発電中ではない場合には、本フローを終了する。発電中であると判断された場合には、ステップS12に進む。ステップS12において、電池温度センサ21を用いて電池温度Tcを検出する。ステップS13において、検出した電池温度Tcと所定値Toを比較する。なお、ここで所定値Toは、スタック1の通常の運転温度とする。
電池温度Tcが所定値Toより小さいの場合には、ステップS15に進み、モードBを設定して端部単位電池10bに供給する酸化剤ガス流量を比較的大きくすることにより、フラッディングを抑制・防止する。一方、電池温度Tcが所定値To以上の場合には、ステップS14に進み、モードAを設定してスタック1に略均等に酸化剤ガスを供給する。
このように、ステップS14、S15においてモードを設定したら、ステップS11に戻り、発電が停止されるまで本フローを繰り返す。本実施形態では、スタック1の温度から、端部においてフラッディングが生じやすい状態であるか否かを判断し、モードA、Bを選択する。
なお、電池温度センサ21の替わりにスタック1の冷却水温度を検出する冷却水温度センサを備え、冷却水温度から電池温度Tcを推定することにより本実施形態における制御を実行してもよい。
または、スタック1において生じた熱量と、スタック1から除去された熱量を演算し、これからスタック1の電池温度Tcを算出し、これに応じて本実施形態における制御を実行してもよい。例えば、スタック1の出力電圧と出力電流を検出する手段を備え、発電開始からの電池発熱量を出力電圧および出力電流に基づいて推定し、この電池発電量に応じてスタック1の温度Tcを推定してもよい。このように、ここでは電池温度Tcを電池温度センサ21により直接検出しているが、雰囲気温度などの環境条件やスタック1熱容量、運転条件などの制御情報等から、理論的な熱発生量および伝熱モデルに基づいて演算された推定値を用いても良い。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
また、端部単位電池10bにフラッディングが生じるか否かを判断する手段を備える。ここでは単位電池10の温度を検出または推定する手段を備え、ステップS13において、端部単位電池10bにフラッディングが生じるか否かを、単位電池10の電池温度Tcにより判断する。ここでは、単位電池10の温度を検出する手段として電池温度センサ21を備える。単位電池10の温度が所定温度(To)より低い場合には、中央部単位電池10aよりも端部単位電池10bに多量のガスを供給する。これにより、電池温度Tcが低く、積層方向両端部の単位電池10の性能低下が発生する恐れがある条件においても、スタック1を構成する単位電池10全体を良好な状態で運転することが可能となる。また、単位電池10の温度が所定温度(To)以上となったら、中央部単位電池10aと端部単位電池10bに略同量のガスを供給する。これにより、効率のよい発電を行うことができる。例えば、通常運転時に、外気の影響により端部単位電池10bの温度が低下してフラッディングが生じた場合にも、この端部単位電池10bのフラッディングを低減することができる。
また、単位電池10の温度を、発電開始時の雰囲気温度と発電開始時からの電池発熱量の推定値と電池の熱容量に基づいて推定する。例えば、スタック1の出力電圧と、出力電流の検出手段を備え、発電開始からの電池発熱量を出力電圧、出力電流にもとすいて推定する。または、単位電池10の温度を冷却水の温度から推定する。このように、電池温度センサ21を設置できない場合等にも、単位電池10の温度を推定することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図8に示す。以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
スタック1の電池温度を検出する電池温度センサを備える。ここでは、スタック1の積層方向中央部の温度を検出する中央部温度センサ22と、積層方向両端部それぞれの温度を検出する端部温度センサ23a、23bを備える。中央部温度センサ22で検出した温度を中央部温度Tcc、端部温度センサ23aで検出した温度を端部温度Tca、端部温度センサ23bで検出した温度を端部温度Tcbとする。その他の構成を第1の実施形態と同様とする。
このような燃料電池システムのモードA、Bの切替制御を、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローは、スタック1の発電開始を指示する起動スイッチがONとなったら開始する。
ステップS21において、スタック1が発電中であるか否かを判断する。発電中ではない場合には本フローを終了し、発電中である場合には、ステップS22に進む。ステップS22において、中央部温度センサ22および端部温度センサ23a、23bを用いて電池温度Tcc、Tca、Tcbを検出する。
ステップS23において、積層方向中央部と端部の温度差ΔT(=Tcc−(Tca+Tcb)/2)を求め、これと所定値ΔToを比較する。ここで、所定値ΔToは、温度差ΔTが所定値ΔTo以下の場合には、積層方向端部でフラッディングが生じる可能性が小さいと判断できる値とする。
ステップS23において、温度差ΔTが所定値ΔToより大きい場合には、ステップS25に進み、モードBを設定する。これにより、端部単位電池10bに比較的多くの酸化剤ガスを供給してフラッディングを抑制する。一方、温度差ΔTが所定値ΔTo以下の場合には、ステップS24に進み、モードAを設定して、積層方向中央部と端部に概略同量の酸化剤ガスを供給する。
ステップS24、S25においてモードを設定したら、ステップS21に戻り、発電を停止するまで本フローを繰り返し行う。このように本実施形態では、積層方向中央部と端部の温度差ΔTから、端部においてフラッディングを生じやすい状態であるか否かを判断し、モードA、Bを選択する。
なお、第2の実施形態と同様に、電池温度Tcc、Tca、Tcbを冷却水温度や発熱量から推定してもよい。例えば、端部温度Tca、Tcbまたは中央部温度Tccの少なくとも一方を発電開始時における雰囲気温度と発電開始時からの電池発熱量の推定値と、スタック1の熱容量に基づいて推定する。ただし、ここでは積層方向中央部と端部の温度をそれぞれ検出するので、各部における冷却水温度または発熱量から電池温度を推定する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第2の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
端部単位電池10bにフラッディングが生じるか否かを、スタック1の中央部と端部の温度差ΔTにより判断する。積層方向両端部の端部単位電池10bの温度を検出または推定する手段、ここでは端部温度センサ23a、23bを備える。また、中央部単位電池10aの温度を検出または推定する手段、ここでは、中央部温度センサ22を備える。積層方向中央部と端部の温度差ΔTが、所定値ΔToより大きい場合には、中央部単位電池10aよりも端部単位電池10bに多量のガスを供給する。このように、端部温度Tca、Tcbが中央部温度Tccよりも低く、端部単位電池10bの性能低下が発生する恐れがある条件においても、スタック1を構成する単位電池10全体を良好な状態で運転することが可能である。また、温度差ΔTが所定値To以下の場合には、中央部単位電池10aと端部単位電池10bに略同量のガスを供給する。これにより、効率のよい発電を行うことができる。
次に、第4の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図10に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
スタック1内を流れる冷却水の温度を検出する水温センサ24を備える。ここでは、例えばスタック1から排出される直前の冷却水の温度を検出するように水温センサ24を配置する。その他の構成を第1の実施形態と同様とする。
このような燃料電池システムのモードA、Bの切替制御を、図11のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローは、スタック1の発電開始を指示する起動スイッチがONとなったら開始する。
ステップS31において、水温センサ24により起動時におけるスタック1の冷却水温度Twを検出する。ステップS32において、起動時の冷却水温度Twに対する所定値So(Tw)を設定する。ここで、所定値So(Tw)は、起動時の冷却水温度がTwの場合に、特にスタック1の積層方向端部でフラッディングが生じ易い状態が継続する時間である。つまり、スタック1において端部単位電池10bの温度が十分に上昇するのに必要な時間である。ここでは、Tw−Soの制御データテーブルを予め記憶しておき、これを用いて所定値So(Tw)を設定する。なお、起動時の冷却水温度Twが低いほど端部が暖機するまでに必要な時間である所定値So(Tw)は大きく設定される。
次に、ステップS33において、コントローラ10のタイマーのカウントをリセットする(S=0)。以下、ステップS34〜S39においては、ステップS2〜S7と同様の制御を行う。ステップS38、S39においてモードを設定したら、ステップS34に戻り、発電が停止されるまで本フローを繰り返し行う。
このように、本実施形態では、起動時の冷却水温度Twに応じて端部単位電池10bの温度がフラッディングを抑制できる温度まで上昇するのに必要な時間(所定値So(Tw))を設定し、その時間内の場合にはモードBを、それ以降は通常のモードAを設定する。
なお、ここでは起動時の冷却水温度Twに応じて、所定値So(Tw)を設定しているが、起動時の外気温度またはスタック温度に応じて設定してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第2の実施形態と異なる効果のみを説明する。
所定時間(So(Tw))を、起動時の雰囲気温度または冷却水温度または電池温度に応じて設定する。以下、第1実施形態と同様に、所定時間が経過するまではモードBを継続する。所定時間経過したら、モードAに設定する。これにより、無駄に端部単位電池10bへの供給ガスの流量を増大するのを防ぐことができ、供給ガスを送るための手段、ここでは酸化剤ガス供給ポンプ3の負荷を抑制することができ、効率のよい運転を行うことができる。
次に、第5の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図12に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
スタック1に電圧検出手段を備える。ここでは、中央部単位電池10aの電圧を検出する中央部電圧センサ25と、両端部の端部単位電池10bの電圧を検出する端部電圧センサ26a、26bを備える。なお、中央部電圧センサ25の検出した中央部電圧をVc、端部電圧センサ26aの検出した端部電圧をVa、端部電圧センサ26bの検出した端部電圧をVbとする。その他の構成を第1の実施形態と同様とする。
このような燃料電池システムのモードA、Bの切替制御を、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローは、スタック1の発電開始を指示する起動スイッチがONとなったら開始する。
ステップS41において、スタック1が発電中であるか否かを判断し、発電中でない場合には本フローを終了し、発電中の場合にはステップS42に進む。ステップS42において、中央部電圧センサ25、端部電圧センサ26a、26bにより電池電圧Vc、Va、Vbを検出する。
次に、ステップS43において、中央部単位電池10aと端部単位電池10bの電圧差ΔV(=Vc−(Va+Vb)/2)を算出し、所定値ΔVoと比較する。ここで、所定値ΔVoは、電圧差ΔVが所定値ΔVoより大きい場合には、端部単位電池10bで電圧低下が生じていると判断される値とする。つまり、フラッディングが生じておらず、酸化剤ガスが十分に供給されている場合の中央部単位電池10aと端部単位電池10bの電圧差の最大値を所定値ΔVoとして予め実験等により求めておく。
ステップS43において、電圧差ΔVが所定値ΔVoより大きい場合には、端部単位電池10bの電圧低下が生じていると判断してステップS45に進み、モードBを設定する。一方、ステップS43において、電圧差ΔVが所定値ΔVo以下の場合には、端部単位電池10bで局所的にフラッディングが生じている状態ではないと判断できるので、ステップS44に進み、モードAを設定する。
ステップS43、S44においてモードを設定したら、ステップS41に戻り、発電が停止されるまで本フローを繰り返す。このように本実施形態では、積層方向中央部と端部の電圧差から、フラッディングが生じるか否かの判断を行い、モードを設定する。
次に、本実施形態における効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
端部単位電池10bにフラッディングが生じているか否かを、中央部と端部の電圧差ΔVにより判断する。中央部単位電池10aの電圧を検出する中央部電圧センサ25を備える。また、端部単位電池10bそれぞれの電圧を検出する端部電圧センサ26a、26bを備える。端部電圧Va、Vbが中央部電圧Vcより低く、かつ、この電圧差ΔVが所定値ΔVoより大きい場合には、中央部単位電池10aよりも端部単位電池10bに多量のガスを供給する。これにより、端部単位電池10bの電圧が低下した場合に、フラッディングを解消することができ、スタック1を構成する単位電池10全体を良好な状態とすることができる。また、端部単位電池10bに多量のガスを供給する頻度を端部電圧Va、Vbが低下した場合に限るので、ガス供給手段、ここでは酸化剤ガス供給ポンプ3が消費する電力を低減することができる。例えば、通常運転時に、外気の影響により端部単位電池10bにフラッディングが生じて電圧低下が生じた場合にも、この端部単位電池10bのフラッディングを低減して電圧を回復することができる。
次に、第6の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図14に示す。以下、第5の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
スタック1に中央部電圧センサ25、端部電圧センサ26a、26bに加えて、電池電流Iを検出する電流検出手段、ここでは電流センサ27を備える。なお、電流センサ27は、スタック1から図示しない負荷に電力を供給する電気回路に備えても良い。その他の構成を、第5の実施形態と同様とする。
このような燃料電池システムのモードA、Bの切替制御を、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローは、スタック1の起動開始を指示する起動スイッチがONとなったら開始する。
ステップS51において、スタック1が発電中か否かを判断する。発電中でない場合には本フローを終了し、発電中の場合にはステップS52に進む。ステップS52では、中央部電圧センサ25、端部電圧センサ26a、26bから電池電圧Vc、Va、Vbを、電流センサ27から電池電流Iを読み込む。
ステップS53において、電池電流Iに対して中央部単位電池10aにおける電圧の正常範囲Vco、および、端部単位電池10bにおける電圧の正常範囲Vao、Vboを設定する。次に、ステップS54において、中央部電圧Vcが正常範囲Vco内であるか否かを判断する。中央部電圧Vcが正常ではないと判断されたらステップS55に進む。ステップS55では、異常時処理を行う。なお、この異常時の処理制御は公知の方法に従って行い、ここでは省略する。なお、異常時処理によりスタック1における電池電圧が正常に戻ったら、ステップS51に戻り、本フローを繰り返す。
一方、ステップS54において、中央部端圧Vcが正常範囲Vco内である場合にはステップS56に進む。ステップS56において、検出された端部電圧Va、Vbが正常範囲Vao、Vboにあるか否かを判断する。正常範囲Vao、Vboにある場合には、ステップS57に進む。なお、ここでは、端部電圧Va、Vbの少なくとも一方が正常範囲から逸脱したら、正常ではないと判断する。
端部電圧Va、Vbが正常であると判断された場合、つまり、電池電圧Vc、Va、Vbが全て正常であると判断される場合にはステップS57に進む。ステップS57においては、モードAを設定し、単位電池10に略均一に酸化剤ガスを供給する。
一方、端部電圧Va、Vbが異常であると判断された場合、つまり、中央部電圧Vcは正常で、端部電圧Va、Vbが異常であると判断される場合には、ステップS58に進む。ステップS58では、モードBを設定し、端部単位電池10bに中央部単位電池10aよりも多くの酸化剤ガスを供給することにより、端部単位電池10bにおけるフラッディングを低減・防止する。これにより、端部単位電池10bの電圧低下を回復させる。
ステップS57、S58においてモードを設定したら、ステップS51に戻り、発電が継続している間は本フローを繰り返す。このように、電池電流Iに応じて電池電圧Va、Vb、Vcの正常範囲Vao、Vbo、Vcoを設定し、端部においてのみ電池電圧が異常となる場合に、端部単位電池10bでフラッディングを生じている可能性があるとして、モードBを設定する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第5の実施形態と異なる効果のみを説明する。
端部単位電池10bにフラッディングが生じるか否かを、電池電圧が正常範囲にあるか否かにより判断する。電池電流Iを検出する電流センサ27を備える。電池電流Iに応じた電池電圧Va、Vb、Vcの正常範囲Vao、Vbo、Vcoを設定する。中央部電圧Vcが正常範囲Vcoにあり、端部電圧Va、Vbが正常範囲Vao、Vboにない場合に、中央部単位電池10aよりも端部単位電池10bに多量のガスを供給する。これにより、端部単位電池10bのみにフラッディングが生じて電圧値が異常となった場合に、そのフラッディングを低減することができる。このように、端部単位電池10bに供給するガス流量を不要に増大するのを防ぐことができ、酸化剤ガス供給ポンプ3に消費される電力を低減することができる。
次に、第7の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様に図1に示す。スタック1の構成を図16に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
酸化剤ガスをガス供給経路8から供給マニホールド11に供給する経路を複数備える。ここでは、ガス供給経路8を経路8a、8b、8cの三つに分岐し、それぞれの経路8の端部を供給マニホールド11に接続する。経路8aを供給マニホールド11の軸方向中央近傍に接続する。言い換えれば、経路8aをスタック1の積層方向中央部近傍に相当する位置に接続する。経路8b、8cは、供給マニホールド11の中央部からある程度端部側にずれた部分に接続し、それぞれの経路8b、8cにはガス流量調整バルブ14b、14cを備える。なお、経路8aの流路断面を、経路8b、8cの流路断面より大きく形成する。
このように、本実施形態では、可動部13およびステップモータ5の替わりに、ガス供給経路8を経路8a〜cに分岐し、スタック1の積層方向中央近傍に接続する経路8a以外の少なくとも一つの経路(8b、8c)にガス流量調整バルブ14を備える。これにより、前述したように端部単位電池10bに供給する酸化剤ガス流量の割合を変化させることで、モードA、Bの切替を行う。
端部単位電池10bにおいてフラッディングが生じないと判断される場合には、モードAを設定する。この場合には、ガス流量調整バルブ14b、14cを開とする。このように、積層方向に分散して供給マニホールド11に酸化剤ガスを供給することで、全ての単位電池10に供給される酸化剤ガスの量が均一化される。
一方、端部単位電池10bにおいてフラッディングが生じる可能性があると判断された場合には、モードBを設定する。この場合には、ガス流量調整バルブ14b、14cを閉とする。これにより、供給マニホールド11には、経路8aを介して積層方向中央部近傍から酸化剤ガスが供給される。この場合には、供給マニホールド11内において積層方向端部の静圧が大きくなるので、端部単位電池10bへの酸化剤ガスの供給流量が中央部単位電池10aに比べて大きくなる。その結果、端部単位電池10bにおけるフラッディングを低減・除去することができる。
なお、ここでは、第1の実施形態において説明した燃料電池システムに適用したが、第1〜6の実施形態において説明した燃料電池システムのいずれに適用してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
スタック1の積層方向中央部近傍に相当する位置、および、それより端部側に相当する複数の位置から、供給マニホールド11にガスを供給する複数の経路8a、8b、8cを備える。流量調整手段は、端部側に相当する複数の位置の少なくとも一箇所からのガスの供給を選択的に停止するように構成される。ここでは経路8a、8b、8cとガス流量調整バルブ14b、14cを用いる。これにより、酸化剤ガスの供給マニホールド11への供給経路を変更することができるので、端部単位電池10bにフラッディングが生じ易い場合には、端部単位電池10bに供給される酸化剤ガスを増大することができる。また、全ての単位電池10が略均一な運転条件にある場合には、全単位電池10に略同量の酸化剤ガスを供給することができる。
次に、第8の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様に図1に示す。スタック1の構成を図17に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
ここでは、酸化剤ガスを、ガス供給経路8から供給マニホールド11に供給する経路を複数備える。ここでは、ガス供給経路8を経路8a、8d、8eの三つに分岐し、それぞれの経路8の端部を供給マニホールド11に接続する。経路8aを供給マニホールド11の軸方向中央近傍に接続する。言い換えれば、経路8aをスタック1の積層方向中央部近傍に相当する位置に接続する。経路8d、8eは、供給マニホールド11の端部に接続し、それぞれの経路8d、8eにはガス流量調整バルブ14d、14eを備える。なお、経路8aの流路断面が、経路8d、8eの流路断面より大きくなるように設計する。
このように、本実施形態では、可動部13およびステップモータ5の替わりに、ガス供給経路8を経路8a、8d、8eに分岐し、スタック1の積層方向中央近傍に接続する経路8a以外の少なくとも一つの経路(8d、8e)にガス流量調整バルブ14を備える。これにより、前述したように端部単位電池10bに供給する酸化剤ガス流量の割合を調整して、モードA、Bの切替を行う。
端部単位電池10bにおいてフラッディングが生じないと判断される場合には、モードAを設定する。この場合には、ガス流量調整バルブ14d、14eを開とする。このように、積層方向端部からも酸化剤ガスを供給することで、全ての単位電池10に供給される酸化剤ガスの量を均一化する。
一方、端部単位電池10bにおいて、フラッディングが生じる可能性があると判断された場合にはモードBを設定する。この場合には、ガス流量調整バルブ14d、14eを閉とする。これにより、酸化剤ガスが経路8aから供給マニホールド11の積層方向中央部近傍に酸化剤ガスが供給される。この場合には、供給マニホールド11内において積層方向端部で静圧が大きくなるので、端部単位電池10bへの酸化剤ガス供給量が中央部単位電池10aに比べて大きくなる。これにより、端部単位電池10bにおけるフラッディングを低減・除去することができる。
なお、ここでは、第1の実施形態において説明した燃料電池システムに適用したが、第1〜6の実施形態において説明した燃料電池システムのいずれに適用してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
このように、スタック1の積層方向中央部近傍に相当する位置、および、端部側に相当する複数の位置から、供給マニホールド11にガスを供給する複数の経路8a、8d、8eを備える。流量調整手段を、端部側に相当する複数の位置の少なくとも一箇所からのガスの供給を選択的に停止するように構成する。ここでは、経路8a、8d、8eと、ガス流量調整バルブ14d、14eを用いる。このように端部側に相当する複数の位置から、供給マニホールド11に酸化剤ガスを供給する構成としたことで、モードAにおいて積層方向により均一に酸化剤ガスを供給することができる。
なお、ここでは、端部単位電池10bでフラッディングが生じ易い場合に、酸化剤ガスについてのみ、端部単位電池10bに供給する流量割合を増大したが、この限りではない。燃料極にフラッディングが生じる可能性がある場合には、燃料ガスの流路に関しても同様に構成し、制御することができる。
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
本発明は、固体高分子型燃料電池等の水管理が必要となる燃料電池に適用することができる。また、反応ガスの流量分布の変更が要求される燃料電池に適用することができる。
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第1の実施形態に用いるスタックをモードAに設定した時の状態図である。 第1の実施形態に用いるスタックをモードBに設定した時の状態図である。 第1の実施形態におけるスタックの酸化剤ガス流量を示す図である。 第1の実施形態におけるモードA、Bの切替方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第2の実施形態におけるモードA、Bの切替方法を示すフローチャートである。 第3の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第3の実施形態におけるモードA、Bの切替方法を示すフローチャートである。 第4の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第4の実施形態におけるモードA、Bの切替方法を示すフローチャートである。 第5の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第5の実施形態におけるモードA、Bの切替方法を示すフローチャートである。 第6の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第6の実施形態におけるモードA、Bの切替方法を示すフローチャートである。 第7の実施形態に用いるスタックの概略構成図である。 第8の実施形態に用いるスタックの概略構成図である。
符号の説明
1 スタック(燃料電池スタック)
5 ステップモータ(流量調整手段)
8 ガス供給経路(ガス導入流路)
8a〜e 経路(ガス導入流路)
10 単位電池
10a 中央部単位電池
10b 端部単位電池
11 供給マニホールド
13 可動部(流量調整手段)
14 ガス流量調整バルブ(流量調整手段)
h 高さ(単位電池からの距離)

Claims (5)

  1. 高分子膜を有する単位電池を複数積層すると共に、電気的に直列に接続してなる燃料電池スタックを備え、
    前記燃料電池スタックの積層方向両端部に位置する端部単位電池に供給するガス流量を、積層方向中央部近傍に位置する中央部単位電池に供給するガス流量よりも多くなるように、選択的に調整することができる流量調整手段を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池スタックの積層方向に伸び、前記単位電池にそれぞれにガスを供給する供給マニホールドを備え、
    前記流量調整手段は、前記供給マニホールド内を積層方向端部に向かって流れるガスの流速を増大するように構成される請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池スタックの積層方向中央部近傍に相当する位置から前記供給マニホールドにガスを供給するガス導入流路を備え、
    前記流量調整手段は、前記供給マニホールドの流路断面積を変更してガスの流速を変更するように構成される請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記流量調整手段は、前記供給マニホールド内部の空間について、前記単位電池からの距離を変更して前記マニホールドの流路断面を変更するように構成される請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池スタックの積層方向中央部近傍に相当する位置、および、それより端部側に相当する複数の位置から、前記供給マニホールドにガスを供給する複数のガス導入流路を備え、
    前記流量調整手段は、前記端部側に相当する複数の位置の少なくとも一箇所からのガスの供給を選択的に停止するように構成する請求項1に記載の燃料電池システム。
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