JP2005076673A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両の運転状況、すなわち走行抵抗と勾配抵抗と推定加速抵抗に基づいて、必要エンジン出力を推定し、必要エンジン出力から必要最低エンジン回転数を算出し、
カーブ通過中は必要最低エンジン回転数を保つようアップシフトを禁止するのみならず、ダウンシフトを含めた変速制御を実行する。
【選択図】 図2
Description
この場合、アクセルペダルを戻した時に、自動変速機はエンジン要求負荷の低下に呼応して変速比(入力回転数/出力回転数)を下げる変速(アップシフト)を自動的に行い、アクセルペダルを踏む再加速時に、自動変速機は逆にエンジン要求負荷の増大に呼応して、変速比を上げる操作(ダウンシフト)を自動的に行うため、カーブした湾曲路を通過する度に、変速比が切り換わるいわゆるビジーシフトが発生する。
ビジーシフトは運転者に違和感を与え、運転性能を悪化させる。
つまり、アップシフトを禁止すると判定した場合に、カーブ手前の変速比を維持することができるが、必要とあれば積極的にダウンシフトまでをも行うというものでないため、カーブ通過中に車両の制動操作で車速の低下と共にエンジン回転数が大幅に低下した場合において、アクセル全開により得られる最大発生エンジン出力およびトルクが小さくなり、再加速性が悪くなるという問題がある。
等出力線W1上にある2つのエンジン回転数Ne1およびNe2のうち、低い方のエンジン回転数Ne1の場合にあっては、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度とも言う)が最大(アクセル全開)である時のエンジントルクTefを表したアクセル全開時トルク曲線までの余裕代(距離)が少なく、再加速のためにアクセル開度を全開にした場合に得られる最大エンジン出力は、エンジン回転数Ne1でアクセル全開時トルク曲線Tefと交差する等出力線We1に対応したエンジン出力であるに過ぎない。
このため、カーブ通過中にエンジン回転数Neが低くならず、比較的高く保たれていれば、運転者がアクセルを全開にすることで、十分なエンジン出力が得られ、立ち上がりの良い加速を行うことができる。
しかし、カーブ通過中にエンジン回転数Neが低くなると上記の理由から、運転者がアクセルを全開にしても十分なエンジン出力を得ることができず、エンジン出力不足により車両の再加速が緩慢となるという問題を生ずる。
エンジン側から出力される回転数およびトルクの組み合わせを変換して車輪側へ伝達する自動変速機の変速制御装置に対し、以下の構成を付加する。
つまり、車両の運転状況に基づき必要エンジン出力を推定する必要エンジン出力推定手段と、
該手段で推定した必要エンジン出力に基づき、アクセル全開時のエンジントルクのもとで該必要エンジン出力を発生させるのに必要な必要最低エンジン回転数を算出する必要最低エンジン回転数算出手段とを設け、
実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数以上に保たれるよう自動変速機の変速比を制御する構成としたものである。
単にカーブ通過中にアップシフトを禁止するのみならず、カーブ通過後の再加速時に加速性能が問題となるほど悪化するようなエンジン回転数の低下を上記の変速制御(ダウンシフト)により回避することができる。
従って、カーブ通過後のアクセルペダル踏み込み時における再加速のための余裕出力を大きく確保することができ、登坂路走行中のカーブ通過後に、カーブ出口付近でアクセルペダルを踏み込む場合に、シフトチェンジすることなく速やかに再加速することができる。
図1は、本発明の一実施例になる変速制御装置を具えたVベルト式無段変速機を、その制御系と共に示す変速制御システム図である。
1はエンジン、2はVベルト式無段変速機を示し、これらで車両のパワートレーンを構成する。
モータ4を目標スロットル開度(TVOt)指令に対応した回転位置にすることでスロットルバルブ5を目標スロットル開度TVOtにして、エンジン1の出力をアクセルペダル操作以外の因子によっても制御し得るようなものとする。
そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより図示せざる車輪を回転駆動するものとする。
両可動フランジを、目標変速比(It)指令に応動する油圧アクチュエータ12からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecに応じた位置に変位させることで、無段変速機2を実変速比が目標変速比Itに一致するよう無段変速させ得るものとする。
これがためコントローラ13には、アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセル開度)APOを検出するアクセルペダル操作量センサ14からの信号と、
エンジン回転数Neを検出するクランク角センサ15からの信号と、
スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ16からの信号と、
プライマリプーリ7の回転数である変速機入力回転数Niを検出する変速機入力回転数センサ17からの信号と、
セカンダリプーリ8の回転数である変速機出力回転数Noを検出する変速機出力回転数センサ18からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ19からの信号と、
ナビゲーションシステム20からの路面勾配(θ)情報とをそれぞれ入力する。
この演算に当たっては、図3の走行抵抗演算部31により車両の走行抵抗Frnを演算し、勾配抵抗演算部32により勾配抵抗Fsを求め、推定加速抵抗演算部33により推定加速抵抗Faを演算して推定し、これらから必要エンジン出力Wen推定する。
なお、路面勾配θを図1のナビゲーションシステム20からの情報として取り込まないで、図示せざる路面勾配検出センサで検出する場合は、センサ検出値から外乱の影響を排除するために、所定時間あるいは所定距離における平均勾配を算出するか、フィルタ処理を行うものとする。
具体的には、図3の推定加速抵抗演算部33が以下に説明する演算によって推定加速抵抗Fa(単位[N])を算出する。
まず、車速センサ19からの車速(VSP)信号を1次遅れフィルタで処理し、ノイズ除去と微小加減速の除去を行う。
図5の上段は、フィルタ処理後の車速を示すタイムチャートである。
上記タイムチャートに基づき、フィルタ処理後の車速が減速から加速へ転ずる極小値を求め、これらを図5中「○点」で示す。
また、加速から減速へ転ずる極大値を求め、これらを図5中「□点」で示す。1回の加速は極小値から極大値までの期間であり、図5中ハッチングを施した部分で表した部分が平均加速度である。
この推定加速度に車両重量をかけて、推定加速抵抗Faを算出する。
また、図3中、乗算部35は、車速VSP(単位[km/h])に車輪速演算係数Kを乗じて車速VSPを車輪速(車輪の周速度)Vw(単位[m/s])に変換し、乗算部36では、この車輪速Vwと推定必要車輪駆動力Fwとの乗算により必要エンジン出力推定値Wen(単位[W])を求める。
具体的には、あらかじめ格納された図6(b)に示す、エンジン回転数Neと、エンジントルクTeと、等出力線Wとの関係を示すエンジン特性マップ、および当該マップ上におけるアクセル全開時エンジントルク曲線Tefをマップ検索し、太い実線で例示した必要エンジン出力推定値Wenに対応する等出力線と、同じく太い実線で例示したアクセル全開時エンジントルク曲線Tefとの交差点におけるエンジン回転数を、必要最低エンジン回転数Neminとする。
後で詳述する運転者要求出力Wd<必要エンジン出力Wen×ゲインG1
かつ、
実エンジン回転数Ne<必要最低エンジン回転数Nemin×ゲインG1
の条件を満たせば、本発明による変速制御を開始すべきと判断する。
あるいは、カーナビゲーションシステム20等を用いて、本実施例の条件に登坂路およびカーブ入口を走行中であることを加えても良い。
ステップS3で本発明による変速制御を開始する必要がないと判断した場合、ステップS1へ戻り、上記のフローを繰り返す。
ゲインG1は、車速VSPおよび必要エンジン出力Wenに基づき、あらかじめ格納された図7に示す3次元マップから検索して決定する。あるいは、車速VSPをパラメータとする図示せざるマップから検索して決定してもよい。
いずれにしても、ゲインG1は100%よりも低いほど、本発明による変速制御の開始感度が低くなり、0%で本発明による変速制御が開始されなくなる。
ステップS3で本発明による変速制御を開始すべきと判断した場合、制御を次のステップS4に進め、ここでは、実際のエンジン回転数Neが、ステップS2で算出した必要最低エンジン回転数Neminを下回って、前記再加速性能の低下が発生するのを回避するため、実エンジン回転数Neが必要最低エンジン回転数Nemin以上に保たれるようVベルト式無段変速機2を例えば図8(b)に実線で示すように変速制御する。
Vベルト式無段変速機2においては、あらかじめ記憶された図8(a)に例示する変速比マップを参照して、現在の車速VSPおよびアクセル開度APOから目標エンジン回転数Ne* を検索し、この目標エンジン回転数Ne* を変速機出力回転数Noで除算することにより目標変速比Itを求めて、図1に示すごとく変速用の油圧アクチュエータ12へ出力する。
従って通常の変速制御に当たって、Vベルト式無段変速機2は車速VSPがVSP1である場合について述べると、図8(a)に変速範囲をαで示すように最ロー変速比および最ハイ変速比間の全域に亘って変速を行うことができる。
このため、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしたときVベルト式無段変速機2は、βで示す最ハイ変速比までアップシフトしてしまい、前記したビジーシフトを生じたり、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能の悪化を招く。
このため、図8(a)の場合と同様に車速VSPがVSP1である場合について述べると、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしてもVベルト式無段変速機2は、βで示す最ハイ変速比までアップシフトされることがなく、必要最低エンジン回転数Neminに対応したδまでしかアップシフトされず、変速範囲をγで示すようにロー側に制限してビジーシフトを防止し得ると共に、エンジン回転数が必要最低エンジン回転数Nemin未満になるのを回避することができ、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能が悪化するのを防止することができる。
有段式自動変速機の通常の変速制御に当たっては、運転状態(通常はアクセル開度APOおよび車速VSP)に応じ図9(a)における変速段(第1速〜第5速)のうちの1つが自動選択される。
従って通常の変速制御に当たって有段式自動変速機は、車速VSPがVSP1である場合について述べると、図9(a)に丸印を付して示すように第1速から第5速の1つを選択することができる。
このため、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしたとき自動変速機は、最ハイ変速比である第5速までアップシフトしてしまい、前記したビジーシフトを生じたり、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能の悪化を招く。
このため、図9(a)の場合と同様に車速VSPがVSP1である場合について述べると、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしても自動変速機は、最ハイ変速比である第5速までアップシフトされることがなく、必要最低エンジン回転数Neminに対応した第3速までしかアップシフトされず、変速範囲をロー側に制限してビジーシフトを防止し得ると共に、エンジン回転数が必要最低エンジン回転数Nemin未満になるのを回避することができ、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能が悪化するのを防止することができる。
車両の総減速比は
総減速比=無段変速機の変速比 × 終減速比・・・(1)
で求められ、この総減速比および車速VSPから、エンジン回転数Neは、
Ne [rpm]=60×車速[m/s]/(2π×総減速比×タイヤ有効半径[m])
・・・(2)
により求めることができる。
エンジン発生トルクTeと総減速比が決定すれば、以下の式を用いて目標車輪駆動力Fwoを算出できる。
目標車輪駆動力Fwo[N]=エンジン発生トルクTe[Nm]×総減速比/タイヤ有効半径[m]
・・・(3)
目標車輪駆動力Fwoと車速VSPから、以下の式を用いて目標エンジン出力Weoを算出できる。
目標エンジン出力Weo[W]=目標車輪駆動力Fwo[N] ×車速VSP[m/s] ・・・(4)
目標エンジントルクTeo [Nm]=60×目標エンジン出力Weo[W]/(2π×必要最低エンジン回転数Nemin [rpm]) ・・・(5)
図1のコントローラ13は、図2のステップS5において、上記のように目標エンジントルクTeoを求めると共に、この目標エンジントルクTeoが出力されるようなエンジン1の目標スロットル開度TVOtを決定してモータ4に指令する。
かかるスロットル開度TVOの電子制御によって、本発明による変速制御を行う直前の目標車輪駆動力Fwoを、本発明による変速制御で変速比が変化した後も維持することができ、車輪駆動力の変化による違和感の発生や運転性の悪化を防止することができる。
なお、ここで通常の制御とは、本発明になる変速制御を行わず、図8(a)に例示する通常のシフトパターンに基づいた変速制御およびスロットル開度制御を意味するものとする。
図3と異なる推定加速抵抗漸減部40について説明すると、これは、切換部41と、前回値格納部42と、差引部43と、リミッタ44とで構成する。
この推定抵抗漸減値Fa’をリミッタ44で0未満(負値)にならないよう制限し、これを切換部41を経て合算部34へ出力し、図3につき前記した通り必要エンジン出力Wenの演算に資する。
なお推定抵抗漸減値Fa’は、リミッタ44で0未満(負値)にならないよう制限された後、前回値格納部42にも向かい、ここに格納されて前回格納値と置き換えられ、次の推定抵抗漸減値Fa’の演算に供される。
したがって推定加速抵抗漸減値Fa’は、本発明による変速制御が開始された時の推定加速抵抗Faから、時間の経過とともにΔfaずつ漸減し、最終的には0に収束して、この0に保たれる(リミッタ44の存在でマイナスになることはない)。
運転者要求出力Wd>必要エンジン出力Wen×ゲインG2
または、
実エンジン回転数Ne>必要最低エンジン回転数Nemin×ゲインG2
の条件が整えば、本発明による変速制御を終了すべきと判断する。
なお、これらの条件が整わない場合でも、ステップS3で本発明による変速制御を開始すべきと判断してから所定時間Tsが経過した後は、無条件に本発明による変速制御を終了すべきと判断する。
ステップS8で本発明による変速制御を終了すべきと判断するまでは、ステップS4〜ステップS8のループを繰り返し、ステップS8で本発明による変速制御を終了すべきと判断した後は、制御をステップS9へ進めてVベルト式無段変速機2の変速制御を図8(a)につき前述した通常の変速制御に戻す。
このマップは、ハンチング防止のため、ゲインG1決定用の図7のマップとは異なる。
また所定時間Tsは、走行抵抗Frn、勾配抵抗Fs、推定加速抵抗Fa(Fa’)、あるいは車速VSPのいずれか、もしくは全部に応じて算出する。
このエンジントルク制御は、ステップS5におけると同様のもので、アクセル開度APOおよび車速VSPから、通常の変速制御へ戻す直前の変速比における車輪駆動力を求めてこれを目標車輪駆動力Fwoとし、通常の変速制御への戻しで変速比が変化してもこの目標車輪駆動力Fwoが維持されて車輪駆動力の変化を生じないようにするための目標エンジントルクTeoを求め、コントローラ13が図1に示すごとくこれに対応する目標スロットル開度TVOtをモータ4に出力するようになす。
かかるスロットル開度TVOの電子制御により、本発明による変速制御を終了して通常の変速制御に戻る時も直前の目標車輪駆動力Fwoを維持することができ、車輪駆動力の変化による違和感の発生や運転性の悪化を防止することができる。
|Ne−通常の変速制御でのエンジン回転数|<所定値Δne
か否かを判定する。
乖離度が未だ所定値以上であれば、制御をステップS9へ戻してステップS9およびステップS10の処理を繰り返し、ステップS9による通常の変速制御、およびステップS10による車輪駆動力変化防止用のエンジントルク(スロットル開度TVO)制御を継続し、乖離度が所定値未満になったところで全ての制御を終了する。
この図中、実線は本実施例の動作波形を、また破線は従来例の動作波形をそれぞれ示す。
運転者がアクセル開度APOを全閉にする時刻t1にエンジン回転数Neは従来例でも本発明でもともに減少するが、従来例ではアップシフトを禁止しているのみでダウンシフトを行わせないため、エンジン回転数Neが大きく減少するのに対し、本実施例では積極的に必要に応じてダウンシフトをも行わせことで、必要最低エンジン回転数Neminを下回らないように維持している。
したがって、図11のエンジン出力波形から明らかなようにエンジン出力の上昇が緩慢であり再加速性が悪い。
一方、本実施例では、ローギアの状態でエンジン回転数Neが高いため、エンジン発生出力が大きい。また、既にローギアの状態にあるため、ダウンシフトする必要もなく、すばやい再加速が可能である。
また、この再加速のための変速終了タイミングも上記した理由により、本実施例ではt3で示すように、従来例ではの変速終了タイミングt4よりも早くて、一層すばやい再加速を可能ならしめる。
さらに、アクセル開度を0%近傍にしてカーブ通過する場合には、エンジンブレーキによる減速度の増加を期待することができるため、アクセルペダルの操作のみでカーブを通過することが可能であり、ブレーキペダルに踏み替える必要がなくなってカーブ通過時の操作性が向上する。
そして、上記の所定値を求めるためのゲインG1,G2を、車速VSPおよび必要エンジン出力Wenに基づき決定するあるいは所定時間Tsことで、車両に運転状況に応じた的確な変速制御を実行することができる。
あるいは、ナビゲーションシステムを用いて、上記の開始条件および終了条件に登坂路およびカーブ入口を走行中であることを加えることで、ワインディング路では再加速性能の良いきびきびとした走りを実現することができる。
そして、上記の所定時間Tsを、走行抵抗Frn、勾配抵抗Fsまたは推定加速抵抗Faに基づき決定することで、車両の運転状況に応じた的確な変速制御を実行することができる。
2 無段変速機
3 アクセルペダル
4 モータ
5 スロットルバルブ
6 トルクコンバータ
7 プライマリプーリ
8 セカンダリプーリ
9 Vベルト
10 ドライブギア組
11 ディファレンシャルギヤ装置
12 油圧アクチュエータ
13 コントローラ
14 アクセルペダル操作量センサ
15 クランク角センサ
16 スロットル開度センサ
17 入力回転数センサ
18 出力回転数センサ
19 車速センサ
20 ナビゲーションシステム
31 走行抵抗演算部
32 勾配抵抗演算部
33 推定加速抵抗演算部
34 合算部
35,36 乗算部
40 推定加速抵抗漸減部
41 切換部
42 前回値格納部
43 差引部
44 リミッタ
Claims (7)
- エンジン側から出力される回転数およびトルクの組み合わせを変換して車輪側へ伝達する自動変速機の変速制御装置において、
車両の運転状況に基づき必要エンジン出力を推定する必要エンジン出力推定手段と、
該手段で推定した必要エンジン出力に基づき、アクセル全開時のエンジントルクのもとで該必要エンジン出力を発生させるのに必要な必要最低エンジン回転数を算出する必要最低エンジン回転数算出手段とを具え、
実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数以上に保たれるよう自動変速機の変速比を制御する構成としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記必要エンジン出力推定手段は、車速から走行抵抗を算出し、路面勾配から勾配抵抗を算出し、直近のアクセル操作から推定加速抵抗を推定し、これら走行抵抗、勾配抵抗および推定加速抵抗に基づいて前記必要エンジン出力を推定することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
実エンジン回転数が必要最低エンジン回転数以上に保たれるよう自動変速機の変速比を制御する前記変速制御中、前記必要エンジン出力推定手段は、前記推定加速抵抗を時間経過とともに0に向け漸減させるよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
アクセル開度に基づき求めた運転者要求出力が前記必要エンジン出力にゲインを掛けた値を下回り、且つ、実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数にゲインを掛けた値を下回ったときに前記変速制御を開始するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
アクセル開度に基づき求めた運転者要求出力が前記必要エンジン出力にゲインを掛けた値を上回ったとき、または、実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数にゲインを掛けた値を上回ったときに前記変速制御を終了するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記変速制御の開始から所定時間が経過した後は、前記変速制御を無条件に終了させ、該所定時間を、車速から算出した走行抵抗、路面勾配から算出した勾配抵抗、および、直近のアクセル操作から推定した推定加速抵抗の少なくとも1つに基づいて決定するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
車速およびアクセル開度に基づき前記変速制御前の目標駆動力を算出し、該変速制御によっても該変速制御前の目標駆動力を維持するようエンジントルクを制御するエンジントルク制御手段を付加したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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