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JP2005076673A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 登坂路走行中、カーブの入口手前でアクセルペダルを戻し、カーブ出口でアクセルペダルを踏み込む場合の再加速性能を向上する。
【解決手段】 車両の運転状況、すなわち走行抵抗と勾配抵抗と推定加速抵抗に基づいて、必要エンジン出力を推定し、必要エンジン出力から必要最低エンジン回転数を算出し、
カーブ通過中は必要最低エンジン回転数を保つようアップシフトを禁止するのみならず、ダウンシフトを含めた変速制御を実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有段式または無段式の自動変速機の変速制御、特に登坂路走行中に湾曲路を通過する時の変速制御技術に関するものである。
登坂路走行中に湾曲路を通過する時は、運転者がカーブにさしかかる手前でアクセルペダルを戻し、カーブ出口付近にて、運転者がアクセルペダルを踏み込んで再加速することが多い。
この場合、アクセルペダルを戻した時に、自動変速機はエンジン要求負荷の低下に呼応して変速比(入力回転数/出力回転数)を下げる変速(アップシフト)を自動的に行い、アクセルペダルを踏む再加速時に、自動変速機は逆にエンジン要求負荷の増大に呼応して、変速比を上げる操作(ダウンシフト)を自動的に行うため、カーブした湾曲路を通過する度に、変速比が切り換わるいわゆるビジーシフトが発生する。
ビジーシフトは運転者に違和感を与え、運転性能を悪化させる。
ビジーシフトの問題を解消する発明としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
特開平11−166616号公報
特許文献1に記載の自動変速機の変速制御装置は、エンジンのスロットル開度を常時検出し、登坂路を走行中にエンジンのスロットル開度が所定値を超える変化率で閉じ方向に変化することで所定開度未満になった場合に、アップシフトを禁止することでビジーシフトを解消するようにしたものである。
しかし、上記従来のような自動変速機の変速制御装置にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、アップシフトを禁止すると判定した場合に、カーブ手前の変速比を維持することができるが、必要とあれば積極的にダウンシフトまでをも行うというものでないため、カーブ通過中に車両の制動操作で車速の低下と共にエンジン回転数が大幅に低下した場合において、アクセル全開により得られる最大発生エンジン出力およびトルクが小さくなり、再加速性が悪くなるという問題がある。
このようにエンジン回転数の低下時に再加速性が悪くなる理由を、図6(b)に例示するエンジン回転数Neと、エンジントルクTeと、エンジン出力Wとの関係を示すエンジン特性線図を用いて説明する。
等出力線W1上にある2つのエンジン回転数Ne1およびNe2のうち、低い方のエンジン回転数Ne1の場合にあっては、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度とも言う)が最大(アクセル全開)である時のエンジントルクTefを表したアクセル全開時トルク曲線までの余裕代(距離)が少なく、再加速のためにアクセル開度を全開にした場合に得られる最大エンジン出力は、エンジン回転数Ne1でアクセル全開時トルク曲線Tefと交差する等出力線We1に対応したエンジン出力であるに過ぎない。
他方、高い方のエンジン回転数Ne2の場合にあっては、アクセル全開時エンジントルク曲線Tefまでの余裕代が大きく、再加速のためにアクセル開度を全開にした場合に得られる最大エンジン出力は、エンジン回転数Ne2でアクセル全開時トルク曲線Tefと交差する等出力線We2に対応した大きなエンジン出力である。
このため、カーブ通過中にエンジン回転数Neが低くならず、比較的高く保たれていれば、運転者がアクセルを全開にすることで、十分なエンジン出力が得られ、立ち上がりの良い加速を行うことができる。
しかし、カーブ通過中にエンジン回転数Neが低くなると上記の理由から、運転者がアクセルを全開にしても十分なエンジン出力を得ることができず、エンジン出力不足により車両の再加速が緩慢となるという問題を生ずる。
また、上記従来のような自動変速機の変速制御装置をVベルト方式やトロイダル方式といった無段変速機に採用した場合にあっては、カーブ通過中に全くアップシフトを含めた変速を禁止すると無段変速機の優れた動作特性が損なわれることから或る範囲ではカーブ通過中も変速を許容すべきであるが、この際無段変速機の変速をどこまで許容すべきで、どこからアップシフトを禁止すべきかを判断する基準を従来のビジーシフト禁止制御では提供し得ないという問題を生じる。
本発明は上記の問題に鑑みて、単にビジーシフトを解消するにとどまらず、再加速性能の向上をも実現可能な自動変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明による自動変速機の制御装置は、請求項1に記載のごとく、
エンジン側から出力される回転数およびトルクの組み合わせを変換して車輪側へ伝達する自動変速機の変速制御装置に対し、以下の構成を付加する。
つまり、車両の運転状況に基づき必要エンジン出力を推定する必要エンジン出力推定手段と、
該手段で推定した必要エンジン出力に基づき、アクセル全開時のエンジントルクのもとで該必要エンジン出力を発生させるのに必要な必要最低エンジン回転数を算出する必要最低エンジン回転数算出手段とを設け、
実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数以上に保たれるよう自動変速機の変速比を制御する構成としたものである。
かかる本発明の構成によれば、車両運転状況に基づき推定した必要エンジン出力を、アクセル全開時のエンジントルクのもとで発生させるのに必要な必要最低エンジン回転数以上のエンジン回転数に保たれるよう自動変速機の変速比を制御するため、
単にカーブ通過中にアップシフトを禁止するのみならず、カーブ通過後の再加速時に加速性能が問題となるほど悪化するようなエンジン回転数の低下を上記の変速制御(ダウンシフト)により回避することができる。
従って、カーブ通過後のアクセルペダル踏み込み時における再加速のための余裕出力を大きく確保することができ、登坂路走行中のカーブ通過後に、カーブ出口付近でアクセルペダルを踏み込む場合に、シフトチェンジすることなく速やかに再加速することができる。
また、無段変速機にあっては、カーブ通過時に目標となる変速比を具体的に算出することができるため、カーブ通過時も無段変速機の優れた動作特性を最大限有効利用しつつ上記の作用効果を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる変速制御装置を具えたVベルト式無段変速機を、その制御系と共に示す変速制御システム図である。
1はエンジン、2はVベルト式無段変速機を示し、これらで車両のパワートレーンを構成する。
エンジン1はガソリンエンジンとするも、運転者が操作するアクセルペダル3に機械的に連結せず、これから切り離されて、モータ4により開度を電子制御されるようにしたスロットルバルブ5を具え、
モータ4を目標スロットル開度(TVOt)指令に対応した回転位置にすることでスロットルバルブ5を目標スロットル開度TVOtにして、エンジン1の出力をアクセルペダル操作以外の因子によっても制御し得るようなものとする。
無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。
そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより図示せざる車輪を回転駆動するものとする。
無段変速機2の変速のために、プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近してV溝幅を狭めたり、離反してV溝幅を広め得るようにし、
両可動フランジを、目標変速比(It)指令に応動する油圧アクチュエータ12からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecに応じた位置に変位させることで、無段変速機2を実変速比が目標変速比Itに一致するよう無段変速させ得るものとする。
目標スロットル開度TVOtおよび目標変速比Itはそれぞれ、コントローラ13によりこれらを演算により求めることとする。
これがためコントローラ13には、アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセル開度)APOを検出するアクセルペダル操作量センサ14からの信号と、
エンジン回転数Neを検出するクランク角センサ15からの信号と、
スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ16からの信号と、
プライマリプーリ7の回転数である変速機入力回転数Niを検出する変速機入力回転数センサ17からの信号と、
セカンダリプーリ8の回転数である変速機出力回転数Noを検出する変速機出力回転数センサ18からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ19からの信号と、
ナビゲーションシステム20からの路面勾配(θ)情報とをそれぞれ入力する。
コントローラ13はこれら入力情報を基に、図2に示すフローチャートに沿って無段変速機2の変速制御およびエンジン1のスロットル開度(エンジントルク)制御を以下のごとくに行って、本発明が狙いとする無段変速機2の変速制御を実行する。
図2のステップS1では、図3に示すようなブロック線図に基づいて必要エンジン出力Wenを推定する。
この演算に当たっては、図3の走行抵抗演算部31により車両の走行抵抗Frnを演算し、勾配抵抗演算部32により勾配抵抗Fsを求め、推定加速抵抗演算部33により推定加速抵抗Faを演算して推定し、これらから必要エンジン出力Wen推定する。
第1に、走行抵抗Frnは、車両の空気抵抗および駆動系の摩擦抵抗等があるが、一般には車速VSPにほぼ比例して大きくなるため、図3の走行抵抗演算部31は、図4に示す予定の特性図を参照して、車速VSPに基づき走行抵抗Frn(単位[N])を求めする。
第2に、勾配抵抗Fsは、車両重量(乗車人数や、積載重量で決まる)および路面勾配θ(図1のナビゲーションシステム20からの情報)に比例して増大するため、図3の勾配抵抗演算部32は、これら車両重量および路面勾配θから勾配抵抗Fs(単位[N])を算出する。
なお、路面勾配θを図1のナビゲーションシステム20からの情報として取り込まないで、図示せざる路面勾配検出センサで検出する場合は、センサ検出値から外乱の影響を排除するために、所定時間あるいは所定距離における平均勾配を算出するか、フィルタ処理を行うものとする。
第3に、推定加速抵抗Faは、所定時間内あるいは直近数回の加速度の平均を算出し、これをもって次回の加速度と推定し、これに車両重量をかけて推定加速抵抗Faを算出する。
具体的には、図3の推定加速抵抗演算部33が以下に説明する演算によって推定加速抵抗Fa(単位[N])を算出する。
まず、車速センサ19からの車速(VSP)信号を1次遅れフィルタで処理し、ノイズ除去と微小加減速の除去を行う。
図5の上段は、フィルタ処理後の車速を示すタイムチャートである。
次に、直近のフィルタ処理後の車速を時間微分し加速度を求める。図5の下段は、求めた加速度を示すタイムチャートである。
上記タイムチャートに基づき、フィルタ処理後の車速が減速から加速へ転ずる極小値を求め、これらを図5中「○点」で示す。
また、加速から減速へ転ずる極大値を求め、これらを図5中「□点」で示す。1回の加速は極小値から極大値までの期間であり、図5中ハッチングを施した部分で表した部分が平均加速度である。
そして、1回の加速における加速度を平均し、平均加速度を求める。過去所定時間内に検出された数回の平均加速度、または直近所定回数の平均加速度のいずれかのうち、検出回数の少ない方を用いてさらに平均し、所定のゲインをかけて次回の平均加速度を推定する。
この推定加速度に車両重量をかけて、推定加速抵抗Faを算出する。
図3中、合算部34は、上記により算出した走行抵抗Frn、勾配抵抗Fsおよび推定加速抵抗Faを合算し、推定必要車輪駆動力Fw(単位[N])を算出する。
また、図3中、乗算部35は、車速VSP(単位[km/h])に車輪速演算係数Kを乗じて車速VSPを車輪速(車輪の周速度)Vw(単位[m/s])に変換し、乗算部36では、この車輪速Vwと推定必要車輪駆動力Fwとの乗算により必要エンジン出力推定値Wen(単位[W])を求める。
説明を図2に戻す。次のステップS2では、上記のように算出して推定した必要エンジン出力推定値Wenに基づき、アクセル全開時のエンジントルクのもとで該必要エンジン出力Wenを発生させるのに必要な必要最低エンジン回転数Neminを算出する。
具体的には、あらかじめ格納された図6(b)に示す、エンジン回転数Neと、エンジントルクTeと、等出力線Wとの関係を示すエンジン特性マップ、および当該マップ上におけるアクセル全開時エンジントルク曲線Tefをマップ検索し、太い実線で例示した必要エンジン出力推定値Wenに対応する等出力線と、同じく太い実線で例示したアクセル全開時エンジントルク曲線Tefとの交差点におけるエンジン回転数を、必要最低エンジン回転数Neminとする。
次のステップS3では、ステップS2で算出した必要最低エンジン回転数Neminに基づく変速制御を開始すべきか否か判定する。判定手法は、
後で詳述する運転者要求出力Wd<必要エンジン出力Wen×ゲインG1
かつ、
実エンジン回転数Ne<必要最低エンジン回転数Nemin×ゲインG1
の条件を満たせば、本発明による変速制御を開始すべきと判断する。
あるいは、カーナビゲーションシステム20等を用いて、本実施例の条件に登坂路およびカーブ入口を走行中であることを加えても良い。
ステップS3で本発明による変速制御を開始する必要がないと判断した場合、ステップS1へ戻り、上記のフローを繰り返す。
ここで運転者要求出力Wdは、アクセル開度APOおよび車速VSPから算出する。
ゲインG1は、車速VSPおよび必要エンジン出力Wenに基づき、あらかじめ格納された図7に示す3次元マップから検索して決定する。あるいは、車速VSPをパラメータとする図示せざるマップから検索して決定してもよい。
いずれにしても、ゲインG1は100%よりも低いほど、本発明による変速制御の開始感度が低くなり、0%で本発明による変速制御が開始されなくなる。
ステップS3で本発明による変速制御を開始すべきと判断した場合、制御を次のステップS4に進め、ここでは、実際のエンジン回転数Neが、ステップS2で算出した必要最低エンジン回転数Neminを下回って、前記再加速性能の低下が発生するのを回避するため、実エンジン回転数Neが必要最低エンジン回転数Nemin以上に保たれるようVベルト式無段変速機2を例えば図8(b)に実線で示すように変速制御する。
本発明による変速制御を説明する前に、本実施例におけるVベルト式無段変速機2の通常の変速制御を図8(a)により説明する。
Vベルト式無段変速機2においては、あらかじめ記憶された図8(a)に例示する変速比マップを参照して、現在の車速VSPおよびアクセル開度APOから目標エンジン回転数Ne を検索し、この目標エンジン回転数Ne を変速機出力回転数Noで除算することにより目標変速比Itを求めて、図1に示すごとく変速用の油圧アクチュエータ12へ出力する。
従って通常の変速制御に当たって、Vベルト式無段変速機2は車速VSPがVSP1である場合について述べると、図8(a)に変速範囲をαで示すように最ロー変速比および最ハイ変速比間の全域に亘って変速を行うことができる。
このため、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしたときVベルト式無段変速機2は、βで示す最ハイ変速比までアップシフトしてしまい、前記したビジーシフトを生じたり、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能の悪化を招く。
しかし本実施例ではステップS4において、実エンジン回転数Neが必要最低エンジン回転数Neminを下回ることのないよう、つまり必要最低エンジン回転数Nemin以上に保たれるようVベルト式無段変速機2を変速制御するため、Vベルト式無段変速機2の変速制御態様は例えば図8(b)に実線で示すごときものとなる。
このため、図8(a)の場合と同様に車速VSPがVSP1である場合について述べると、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしてもVベルト式無段変速機2は、βで示す最ハイ変速比までアップシフトされることがなく、必要最低エンジン回転数Neminに対応したδまでしかアップシフトされず、変速範囲をγで示すようにロー側に制限してビジーシフトを防止し得ると共に、エンジン回転数が必要最低エンジン回転数Nemin未満になるのを回避することができ、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能が悪化するのを防止することができる。
ちなみに、自動変速機が本実施例におけるような無段変速機2でなくて有段式の自動変速機である場合の変速制御は、変速段(第1速〜第5速)ごとの車速VSPとエンジン回転数Neとの関係を示した図9(a)のごときものである。
有段式自動変速機の通常の変速制御に当たっては、運転状態(通常はアクセル開度APOおよび車速VSP)に応じ図9(a)における変速段(第1速〜第5速)のうちの1つが自動選択される。
従って通常の変速制御に当たって有段式自動変速機は、車速VSPがVSP1である場合について述べると、図9(a)に丸印を付して示すように第1速から第5速の1つを選択することができる。
このため、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしたとき自動変速機は、最ハイ変速比である第5速までアップシフトしてしまい、前記したビジーシフトを生じたり、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能の悪化を招く。
しかし本発明のように、実エンジン回転数Neが必要最低エンジン回転数Neminを下回ることのないよう、つまり必要最低エンジン回転数Nemin以上に保たれるよう自動変速機を変速制御する場合、その変速制御態様が例えば図9(b)に実線で示すごときものとなる。
このため、図9(a)の場合と同様に車速VSPがVSP1である場合について述べると、湾曲路への進入に際しアクセル開度APOを0にしても自動変速機は、最ハイ変速比である第5速までアップシフトされることがなく、必要最低エンジン回転数Neminに対応した第3速までしかアップシフトされず、変速範囲をロー側に制限してビジーシフトを防止し得ると共に、エンジン回転数が必要最低エンジン回転数Nemin未満になるのを回避することができ、エンジン回転数Neの低下で湾曲路を出た時の再加速性能が悪化するのを防止することができる。
ところで前記のように、ステップS4でエンジン回転数Neが最低エンジン回転数Neminを下回らないようVベルト式無段変速機2を変速制御した場合、再加速の性能は上がるが、これによる変速比の変化で車輪駆動力が変化してしまい、運転者に違和感を与えると共に運転性の悪化を招く。
そこでステップS5においては、アクセル開度APOおよび車速VSPから本発明による変速制御を行う直前の変速比における車輪駆動力を求めてこれを目標車輪駆動力Fwoとし、本発明による変速制御で変速比が変化した後であってもこの目標車輪駆動力Fwoが維持されて車輪駆動力の変化を生じないようにするための目標エンジントルクTeoを求め、コントローラ13が図1に示すごとくこれに対応する目標スロットル開度TVOtをモータ4に出力するようになす。
以下に、上記目標エンジントルクTeoの算出プロセスを説明する。
車両の総減速比は
総減速比=無段変速機の変速比 × 終減速比・・・(1)
で求められ、この総減速比および車速VSPから、エンジン回転数Neは、
Ne [rpm]=60×車速[m/s]/(2π×総減速比×タイヤ有効半径[m])
・・・(2)
により求めることができる。
エンジン回転数Neとアクセル開度APOが決定すれば、エンジン発生トルクTeも決定する。
エンジン発生トルクTeと総減速比が決定すれば、以下の式を用いて目標車輪駆動力Fwoを算出できる。
目標車輪駆動力Fwo[N]=エンジン発生トルクTe[Nm]×総減速比/タイヤ有効半径[m]
・・・(3)
目標車輪駆動力Fwoと車速VSPから、以下の式を用いて目標エンジン出力Weoを算出できる。
目標エンジン出力Weo[W]=目標車輪駆動力Fwo[N] ×車速VSP[m/s] ・・・(4)
目標エンジン出力Weoと必要最低エンジン回転数Neminから、以下の式を用いて目標エンジントルクTeoを算出できる。
目標エンジントルクTeo [Nm]=60×目標エンジン出力Weo[W]/(2π×必要最低エンジン回転数Nemin [rpm]) ・・・(5)
図1のコントローラ13は、図2のステップS5において、上記のように目標エンジントルクTeoを求めると共に、この目標エンジントルクTeoが出力されるようなエンジン1の目標スロットル開度TVOtを決定してモータ4に指令する。
かかるスロットル開度TVOの電子制御によって、本発明による変速制御を行う直前の目標車輪駆動力Fwoを、本発明による変速制御で変速比が変化した後も維持することができ、車輪駆動力の変化による違和感の発生や運転性の悪化を防止することができる。
ところで本実施例によれば前記した通り、カーブ手前で運転者がアクセルペダルを戻した時に直前の運転状態から求める必要エンジン出力Wenが大きい場合、すぐにカーブを通過し、再加速が行われるものとして、エンジン回転数Neが必要最低エンジン回転数Neminを下回ることのないよう、Vベルト式無段変速機2を変速制御するが、減速してカーブを通過中に、その先が渋滞でアクセルペダルを踏み込めない等運転者が停止するために減速している場合にもエンジン回転数を必要最低エンジン回転数Neminを下回らないようにする本発明の変速制御を維持することは、運転者に違和感を与えると共に燃料消費率を悪化させる。
そこで、図2のステップS6においては、必要エンジン出力Wenを本発明による変速制御の実行時間の経過につれ、ステップS1で求めた値を初期値として漸減させ、ある程度の時間が経過するとステップS1乃至S2の制御を無効化することにより、上記の違和感を生ずるような時間になる時に通常の制御状態に戻すようになす。
なお、ここで通常の制御とは、本発明になる変速制御を行わず、図8(a)に例示する通常のシフトパターンに基づいた変速制御およびスロットル開度制御を意味するものとする。
上記必要エンジン出力Wenの漸減は、図10にブロック線図で示す構成により推定加速抵抗Faを漸減させて行うものとし、図10は、図3に対し推定加速抵抗漸減部40を付加した構成とする。
図3と異なる推定加速抵抗漸減部40について説明すると、これは、切換部41と、前回値格納部42と、差引部43と、リミッタ44とで構成する。
切換部41は、本発明による変速制御が開始された時に実線位置から破線位置に切り替わり、当該変速制御の終了時に破線位置から実線位置に切り替わるものである。
前回値格納部42は、本発明による変速制御が開始されて切換部41が実線位置から破線位置に切り替わった第1回目は、当該瞬時において推定加速抵抗演算部33が図3につき前述したように算出した推定加速抵抗Faを初期値として格納し、以後は後述するようにして求める推定抵抗漸減値Fa’を更新して逐次格納する。
差引部43は、前回値格納部42に上記のごとく格納された前回値から所定値Δfaを差し引いた値を推定抵抗漸減値Fa’とし、
この推定抵抗漸減値Fa’をリミッタ44で0未満(負値)にならないよう制限し、これを切換部41を経て合算部34へ出力し、図3につき前記した通り必要エンジン出力Wenの演算に資する。
なお推定抵抗漸減値Fa’は、リミッタ44で0未満(負値)にならないよう制限された後、前回値格納部42にも向かい、ここに格納されて前回格納値と置き換えられ、次の推定抵抗漸減値Fa’の演算に供される。
したがって推定加速抵抗漸減値Fa’は、本発明による変速制御が開始された時の推定加速抵抗Faから、時間の経過とともにΔfaずつ漸減し、最終的には0に収束して、この0に保たれる(リミッタ44の存在でマイナスになることはない)。
図2における次のステップS7では、ステップS6で漸減させた新たな必要エンジン出力Wenに基づき、ステップS2におけると同様の処理により、つまり図6(a)のマップ検索を行って必要最低エンジン回転数Neminを算出し、これを前述したと同様な変速制御に用いる。
ステップS8では、ステップS4〜S7の本発明による変速制御を終了すべきか否かを判断する。判断手法は、前述したと同様にアクセル開度APOおよび車速VSPから算出した運転者要求出力Wd、またはエンジン回転数Neを基に、
運転者要求出力Wd>必要エンジン出力Wen×ゲインG2
または、
実エンジン回転数Ne>必要最低エンジン回転数Nemin×ゲインG2
の条件が整えば、本発明による変速制御を終了すべきと判断する。
なお、これらの条件が整わない場合でも、ステップS3で本発明による変速制御を開始すべきと判断してから所定時間Tsが経過した後は、無条件に本発明による変速制御を終了すべきと判断する。
ステップS8で本発明による変速制御を終了すべきと判断するまでは、ステップS4〜ステップS8のループを繰り返し、ステップS8で本発明による変速制御を終了すべきと判断した後は、制御をステップS9へ進めてVベルト式無段変速機2の変速制御を図8(a)につき前述した通常の変速制御に戻す。
ここで上記のゲインG2は、車速VSPおよび必要エンジン出力Wenに基づき、図示せざるマップから検索して決定する。
このマップは、ハンチング防止のため、ゲインG1決定用の図7のマップとは異なる。
また所定時間Tsは、走行抵抗Frn、勾配抵抗Fs、推定加速抵抗Fa(Fa’)、あるいは車速VSPのいずれか、もしくは全部に応じて算出する。
次のステップS10では、通常の変速制御への戻し(ステップS9)による変速比変化に伴って発生する車輪駆動力変化を抑制するためのエンジントルク(スロットル開度TVO)制御を行う。
このエンジントルク制御は、ステップS5におけると同様のもので、アクセル開度APOおよび車速VSPから、通常の変速制御へ戻す直前の変速比における車輪駆動力を求めてこれを目標車輪駆動力Fwoとし、通常の変速制御への戻しで変速比が変化してもこの目標車輪駆動力Fwoが維持されて車輪駆動力の変化を生じないようにするための目標エンジントルクTeoを求め、コントローラ13が図1に示すごとくこれに対応する目標スロットル開度TVOtをモータ4に出力するようになす。
かかるスロットル開度TVOの電子制御により、本発明による変速制御を終了して通常の変速制御に戻る時も直前の目標車輪駆動力Fwoを維持することができ、車輪駆動力の変化による違和感の発生や運転性の悪化を防止することができる。
次のステップS11では、実際のエンジン回転数Neと、通常の変速制御のもとで取るべきエンジン回転数との間における乖離度を算出し、この乖離度が所定値未満であるか否かを、つまり、
|Ne−通常の変速制御でのエンジン回転数|<所定値Δne
か否かを判定する。
乖離度が未だ所定値以上であれば、制御をステップS9へ戻してステップS9およびステップS10の処理を繰り返し、ステップS9による通常の変速制御、およびステップS10による車輪駆動力変化防止用のエンジントルク(スロットル開度TVO)制御を継続し、乖離度が所定値未満になったところで全ての制御を終了する。
図11は、運転者が時刻t1にカーブ入口に差しかかったためアクセル開度APOを全閉にし、時刻t2にカーブ出口に差しかかったためアクセルペダルを再踏み込みしてその開度APOを増大させた場合につき、従来例の動作と本実施例の動作とを比較して示すタイムチャートである。
この図中、実線は本実施例の動作波形を、また破線は従来例の動作波形をそれぞれ示す。
運転者がアクセル開度APOを全閉にする時刻t1にエンジン回転数Neは従来例でも本発明でもともに減少するが、従来例ではアップシフトを禁止しているのみでダウンシフトを行わせないため、エンジン回転数Neが大きく減少するのに対し、本実施例では積極的に必要に応じてダウンシフトをも行わせことで、必要最低エンジン回転数Neminを下回らないように維持している。
このため、例えば走行車両がカーブ出口にさしかかり、運転者が時刻t2でアクセル開度を増大させると、従来例では、スロットル開き始めのエンジン発生出力が、まずハイギアの状態でエンジン回転数の上昇に振り向けられ、次にダウンシフトし、その後にエンジン出力が加速に振り向けられる。
したがって、図11のエンジン出力波形から明らかなようにエンジン出力の上昇が緩慢であり再加速性が悪い。
一方、本実施例では、ローギアの状態でエンジン回転数Neが高いため、エンジン発生出力が大きい。また、既にローギアの状態にあるため、ダウンシフトする必要もなく、すばやい再加速が可能である。
また、この再加速のための変速終了タイミングも上記した理由により、本実施例ではt3で示すように、従来例ではの変速終了タイミングt4よりも早くて、一層すばやい再加速を可能ならしめる。
上記した本実施例の構成によれば、運転者のアクセル操作および運転状況から必要エンジン出力Wenを推定し、必要エンジン出力Wenから必要最低エンジン回転数Neminを算出し、実エンジン回転数Neが必要最低エンジン回転数Nemin以上に保たれるよう無段変速機2の変速比を制御するため、カーブ出口付近でアクセルペダルを踏み込んだとき、ダウンシフトする必要がなく、再加速性能を良くすることができる。そして、カーブ通過中には、アップシフトを禁止するにとどまらず、必要最低エンジン回転数Neminを保つように、目標変速比Itを具体的に算出して積極的にダウンシフト指令することが可能なため、有段変速機の他、無段変速機を用いた変速制御が可能となる。
さらに、アクセル開度を0%近傍にしてカーブ通過する場合には、エンジンブレーキによる減速度の増加を期待することができるため、アクセルペダルの操作のみでカーブを通過することが可能であり、ブレーキペダルに踏み替える必要がなくなってカーブ通過時の操作性が向上する。
また、走行抵抗演算部31が車速から走行抵抗Frnを演算し、勾配抵抗演算部32が路面勾配から勾配抵抗Fsを演算し、推定加速抵抗演算部33が直近のアクセル操作から推定加速抵抗Faを演算し、これらの抵抗から必要エンジン出力Wenを推定するため、速度変化や路面状況や運転者の好みといった車両の運転状況に基づいた的確な再加速が可能となり、運転性能の向上を実現することができる。
また、最初に推定した必要エンジン出力Wenを減衰させながら、変速制御を実行するため、エンジン回転数Neをいつまでも高回転に維持することがなく、運転者が再加速を望まない場合に、運転者が違和感を感じるのを防止することができる。さらに、燃費低減にも寄与する。
また、上述のステップS3で、運転者要求出力Wdおよび実エンジン回転数Neの双方が、所定値を下回ったときに本制御を開始し、上述のステップS8で運転者要求出力Wdまたは実エンジン回転数Neが所定値を上回ったときに本発明になる制御を終了して、通常の変速制御を行うため、本発明になる制御の実行を高負荷かつアクセル開度戻し量が大きい登坂路のカーブに限定することができ、エンジン回転数が常時高回転とはならず、騒音および燃料消費率の悪化を低減することができる。
そして、上記の所定値を求めるためのゲインG1,G2を、車速VSPおよび必要エンジン出力Wenに基づき決定するあるいは所定時間Tsことで、車両に運転状況に応じた的確な変速制御を実行することができる。
あるいは、ナビゲーションシステムを用いて、上記の開始条件および終了条件に登坂路およびカーブ入口を走行中であることを加えることで、ワインディング路では再加速性能の良いきびきびとした走りを実現することができる。
上記のほか、本発明になる制御開始から所定時間Ts経過後に、この変速制御を無条件に終了させることで、前方が渋滞している等の理由により運転者が再加速を望まない場合には、エンジン回転数Neを低くして運転者が違和感を感じることを回避することができる。
そして、上記の所定時間Tsを、走行抵抗Frn、勾配抵抗Fsまたは推定加速抵抗Faに基づき決定することで、車両の運転状況に応じた的確な変速制御を実行することができる。
さらに、本実施例の構成によれば、ステップS5およびステップS10で、車速およびアクセル開度に基づき、本発明の変速制御を開始する直前の目標駆動力を算出し、この変速制御を実行中には、変速変速前の目標駆動力を維持するようモータ4に目標スロットル開度TVOtを指令してエンジントルクを制御するため、本発明の変速制御を実行しながら登坂路のカーブを通過する場合に、通常時よりも駆動力が増大するのを回避して、運転者に暴走感を与えないようにすることができる。
なお、本実施例では、登坂路におけるカーブ走行中の運転性能の向上を想定しているが、登坂路であれば、直線走行中、一時的に減速した後、再加速する場合であっても運転性能が向上すること勿論である。
本発明の一実施例になる変速制御装置を具えたVベルト式無段変速機を、その制御系と共に示す変速制御システム図である。 同変速制御装置が行う制御を示すフローチャートである。 同変速制御装置の必要エンジン出力の推定手順を示すブロック線図である。 車速と走行抵抗の関係を示す特性図である。 フィルタ処理後の車速および車両加速度のタイムチャートである。 エンジン回転数と、エンジントルクと、等出力線との関係を示すエンジン特性マップ、および当該マップ上におけるアクセル全開時エンジントルク曲線を示すエンジン特性線図であり、 (a)はエンジンの一般的な特性を例示し、 (b)は必要最低エンジン回転数を推定するために用いる。 最低エンジン回転数に基づく制御を開始すべきか否かの判断に必要なゲインを検索するための3次元マップである。 図1に示すVベルト式無段変速機の変速制御に用いる変速比マップであり、 (a)は通常の変速比制御を示し、 (b)は最低エンジン回転数以上の回転数を維持する制御を示す。 有段式自動変速機の変速比制御に用いる変速比マップであり、 (a)は通常の変速比制御を示し、 (b)は最低エンジン回転数以上の回転数を維持する制御を示す。 推定加速抵抗を漸減させて行う必要エンジン出力の算出手順を示すブロック線図である。 カーブ入口から出口までの走行につき、パワートレーンの従来例の動作と本実施例の動作とを比較して示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 無段変速機
3 アクセルペダル
4 モータ
5 スロットルバルブ
6 トルクコンバータ
7 プライマリプーリ
8 セカンダリプーリ
9 Vベルト
10 ドライブギア組
11 ディファレンシャルギヤ装置
12 油圧アクチュエータ
13 コントローラ
14 アクセルペダル操作量センサ
15 クランク角センサ
16 スロットル開度センサ
17 入力回転数センサ
18 出力回転数センサ
19 車速センサ
20 ナビゲーションシステム
31 走行抵抗演算部
32 勾配抵抗演算部
33 推定加速抵抗演算部
34 合算部
35,36 乗算部
40 推定加速抵抗漸減部
41 切換部
42 前回値格納部
43 差引部
44 リミッタ

Claims (7)

  1. エンジン側から出力される回転数およびトルクの組み合わせを変換して車輪側へ伝達する自動変速機の変速制御装置において、
    車両の運転状況に基づき必要エンジン出力を推定する必要エンジン出力推定手段と、
    該手段で推定した必要エンジン出力に基づき、アクセル全開時のエンジントルクのもとで該必要エンジン出力を発生させるのに必要な必要最低エンジン回転数を算出する必要最低エンジン回転数算出手段とを具え、
    実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数以上に保たれるよう自動変速機の変速比を制御する構成としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記必要エンジン出力推定手段は、車速から走行抵抗を算出し、路面勾配から勾配抵抗を算出し、直近のアクセル操作から推定加速抵抗を推定し、これら走行抵抗、勾配抵抗および推定加速抵抗に基づいて前記必要エンジン出力を推定することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
    実エンジン回転数が必要最低エンジン回転数以上に保たれるよう自動変速機の変速比を制御する前記変速制御中、前記必要エンジン出力推定手段は、前記推定加速抵抗を時間経過とともに0に向け漸減させるよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    アクセル開度に基づき求めた運転者要求出力が前記必要エンジン出力にゲインを掛けた値を下回り、且つ、実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数にゲインを掛けた値を下回ったときに前記変速制御を開始するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    アクセル開度に基づき求めた運転者要求出力が前記必要エンジン出力にゲインを掛けた値を上回ったとき、または、実エンジン回転数が前記必要最低エンジン回転数にゲインを掛けた値を上回ったときに前記変速制御を終了するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記変速制御の開始から所定時間が経過した後は、前記変速制御を無条件に終了させ、該所定時間を、車速から算出した走行抵抗、路面勾配から算出した勾配抵抗、および、直近のアクセル操作から推定した推定加速抵抗の少なくとも1つに基づいて決定するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    車速およびアクセル開度に基づき前記変速制御前の目標駆動力を算出し、該変速制御によっても該変速制御前の目標駆動力を維持するようエンジントルクを制御するエンジントルク制御手段を付加したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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