JP2005053923A - 安定化されたユビデカレノン組成物およびユビデカレノン組成物の安定化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物からなるユビデカレノン製剤の安定化。
【解決手段】 製剤中にクエン酸を添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】 製剤中にクエン酸を添加する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、安定化されたユビデカレノン組成物およびユビデカレノン組成物の安定化方法に関し、さらに詳細には、ゼラチンと共存する、安定化されたユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物、および同組成物の安定化方法、ならびに、ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物からなる安定化された製剤に関する。
ユビデカレノンはコハク酸脱水素酵素活性に関連する補酵素でユビキノンまたはコエンチームQ10とも呼ばれる物質(分子式 C59H90O4、分子量 863.36)で、1957年 Craneらによりウシ心筋のミトコンドリアから単離され、心筋ミトコンドリアの電子伝達系に位置してエネルギー産生に重要な役割を果たす物質であることが知られている。
これまでに、ユビデカレノンは経口的に投与されて心筋細胞のミトコンドリアに取り込まれることが知られ、軽度および中程度のうっ血性心不全による浮腫、肺うっ血、狭心症状を含む心筋障害の改善、低下した心拍出量の改善のための医薬として用いられている。
一方ビタミンB1誘導体は脚気、神経痛、筋肉痛、中枢神経障害、末梢神経炎、末梢神経麻痺、心筋代謝障害、胃腸運動機能障害などの症状の治療や、激しい肉体疲労の回復に対して有効であることが知られている。
そして、このユビデカレノンとビタミンB1誘導体とを組み合わせて経口投与すると、この二つの薬剤が相乗的に作用して、ミトコンドリア内のチトクロム電子伝達系におけるエネルギー代謝が改善され、酸化的リン酸化を促進し、低酸素条件下でも酸素利用率が改善され、ATP産生率を高める医薬組成物として有用なこと、およびこの組成物が肉体疲労を回復する医薬として有用なことが知られている(例えば、特開平7−330584号公報)。
また上記したユビデカレノンとビタミンB1誘導体との組み合わせに加えて、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビオチン、パントテン酸、ニコチン酸などの水溶性ビタミン類、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの油溶性ビタミン類、カフェインなどのキサンチン誘導体、人参、鹿茸、牛黄、地黄、枸杞子、ロイアルゼリーなどの生薬、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラル、メチオニン、ロイシン、タウリンなどのアミノ酸を配合して疲労回復または疲労改善のための製剤例えばドリンク剤を製造することも知られている(特開平7−330593号公報、特開平10−287560号公報など参照)。
特開平7−330584号公報
特開平7−330593号公報
特開平10−287560号公報
このユビデカレノンと、水溶性ビタミン類、例えばビタミンB1誘導体とを組み合わせ
て製剤化する場合に、製剤中にゼラチンが存在すると、このユビデカレノンが分解することが見いだされた。 すなわち、ユビデカレノンおよび塩酸フルスルチアミンを有効成分とする軟カプセル剤について、加速試験で安定性を確認したところ、軟カプセル剤中のユビデカレノンは極めて不安定であって、分解物としてユビクロメノールを生成していることが分かった。
て製剤化する場合に、製剤中にゼラチンが存在すると、このユビデカレノンが分解することが見いだされた。 すなわち、ユビデカレノンおよび塩酸フルスルチアミンを有効成分とする軟カプセル剤について、加速試験で安定性を確認したところ、軟カプセル剤中のユビデカレノンは極めて不安定であって、分解物としてユビクロメノールを生成していることが分かった。
そして、このユビデカレノンとビタミンB1誘導体とを組み合わせてなる製剤をカプセルに充填する場合のみならず、例えばマイクロカプセル製剤の調製においてゼラチンを共存させる場合や、ゼリー状の製剤の調製などゼラチンを一緒に用いる場合に、ユビデカレノンが分解して、ユビデカレノンの含有量に著しい減少が起こることが見出された。したがって、ゼラチンの共存下に於けるユビデカレノン製剤の安定化の課題の解決とそのための技術的手段の解明が求められるところである。
上記した課題を解決するために本発明者らは鋭意研究した結果、ユビデカレノンと、水溶性ビタミン類とを組み合わせて製剤化する場合に、製剤中にゼラチンが存在することによって起こるユビデカレノンの分解を、有機酸を製剤中に配合することによって阻止しうることを見いだして本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、 ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物からなり、これに有機酸を配合することを特徴とする、安定化されたユビデカレノン製剤に関する。
本発明はより特定的には、ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよびビタミンB1誘導体を含有する組成物に、有機酸を配合することを特徴とする、安定化されたユビデカレノン製剤に関する。
また本発明は、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有するユビデカレノン組成物に有機酸を配合し、これをゼラチンの軟カプセルまたは硬カプセルに封入してなるカプセル剤に関する。
また本発明は、ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物に、有機酸を配合することを特徴とする、ユビデカレノン含有組成物の安定化方法に関する。
また本発明はより特定的には、ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよびビタミンB1誘導体を含有する組成物に、有機酸を配合したことを特徴とするユビデカレノン組成物の安定化方法に関する。
そして本発明の製剤には、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物に有機酸を配合しゼラチンの共存下に製剤化した製剤、例えば液剤、マイクロカプセル製剤、ゼリー状製剤なども含まれる。
本発明の製剤において用いられる水溶性ビタミン類には、殊にビタミンB1誘導体を挙げることができるが、他にビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビオチン、パントテン酸、ニコチン酸などが挙げられ、これらの一種または二種以上をこのビタミンB1誘導体と一緒に用いてもよい。
本発明の製剤において用いられるビタミンB1誘導体には、チアミンまたはその塩、チアミンジスルフィド、フルスルチアミンまたはその塩、ジセチアミン、ビスブチチアミン
、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、チアミンモノフォスフェートジスルフィド、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミンなどのビタミンB1としての生理活性を有する化合物のすべてが含まれ得る。
、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、チアミンモノフォスフェートジスルフィド、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミンなどのビタミンB1としての生理活性を有する化合物のすべてが含まれ得る。
また本発明の製剤には、他の有用成分ならびに製剤化のための添加剤を加えてもよい。他の有用成分としては、カフェインなどのキサンチン誘導体、人参、鹿茸、牛黄、地黄、枸杞子、ロイヤルゼリーなどの生薬、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅などのミネラル、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、リシン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、タウリンなどのアミノ酸類、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの油溶性ビタミン類などが挙げられる。
本発明の製剤において、ゼラチンが共存することになる態様として、製剤組成物をゼラチンの軟カプセルに封入するか、製剤組成物をゼラチンの硬カプセルに封入する場合、製剤組成物をゼラチンの存在下にマイクロカプセル化する場合、製剤組成物を液剤としこれにゼラチンを存在させる場合、製剤組成物をゼラチンでゲル化してゼリー状の製剤にする場合などがある。
本発明の製剤組成物に配合する有機酸としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、アスパラギン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸などを挙げることができる。これらの有機酸中で、殊にクエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、アスパラギン酸およびリンゴ酸が好ましい。
本発明の製剤組成物に配合される有機酸は、用いる有機酸の種類によっても異なるが、通常ユビデカレノンに対して10重量%〜800重量%、好ましくは20重量%〜400重量%の量で、特に好ましくは45重量%〜150重量%の量で用いられる。
本発明のユビデカレノン含有製剤には、製剤化のために種々の添加剤を配合することができるが、かかる添加剤して、油脂例えば大豆油、サフラワー油、オリーブ油、胚芽油、菜種油、ヒマワリ油、落花生油、ココアバター、牛脂、タロー、豚脂、イワシ油、イカ油などの天然動植物油およびこれらの硬化油、炭素数4〜18の脂肪酸のグリセリドすなわち、トリグリセリド、ジグリセリドまたはモノグリセリド、多価アルコール例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなど、界面活性剤例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活性剤、賦形剤としての炭水化物例えば乳糖、デキストリン、澱粉、結晶セルロースなど、および甘味料、着色料、香料などが挙げられる。
本発明の一態様としてカプセル剤であるユビデカレノン含有製剤には、軟カプセル剤と硬カプセル剤の二つがあり、それぞれ、以下の製造方法で製造される。
軟カプセル剤の場合には、その皮膜形成剤としてゼラチンが用いられ、これにソルビトール、グリセリン、酸化チタン、保存剤、色素などの通常軟カプセル剤の皮膜としてのゼラチンに使用される添加剤を添加したものが用いられる。
軟カプセル剤は、カプセルの成型と内容薬剤の充填を同時に行って製造されるが、その製造方法として、浸漬法、打ち抜き法、滴下法などがある。これらのうちで打ち抜き法が一般的で、この方法ではゼラチン溶液を薄く展延したのち冷却、ゲル化してゼラチンシートとし、2枚のゼラチンシートの間に薬剤を入れ、直ちにゼラチンシートを加熱接着させ、打ち抜きその後乾燥させて軟カプセル剤を得ることができる。
硬カプセル剤では、日局カプセルに内容薬剤を充填した後キャップとボディーの隙間を
シールすることにより、硬カプセルを得ることができる。すなわち、硬カプセルは円筒形のボディーとこれよりやや直径の大きいキャップの2個の部分からなり、ユビデカレノンを含有する薬剤の溶液もしくは分散液、または粉末、顆粒、コーティングピルなどの固形薬剤を充填し、キャップとボディーのかん合部を封じ、必要であればかん合部の隙間をシールして硬カプセル剤を得ることができる。
シールすることにより、硬カプセルを得ることができる。すなわち、硬カプセルは円筒形のボディーとこれよりやや直径の大きいキャップの2個の部分からなり、ユビデカレノンを含有する薬剤の溶液もしくは分散液、または粉末、顆粒、コーティングピルなどの固形薬剤を充填し、キャップとボディーのかん合部を封じ、必要であればかん合部の隙間をシールして硬カプセル剤を得ることができる。
このようにして得られたユビデカレノン製剤は、製剤中のゼラチンの存在に拘わらず、共存させた有機酸によって有機酸を存在させない場合に比較してユビデカレノンの安定性がきわめて高められ、長時間にわたって有効なユビデカレノン製剤が得られる。
次に実施例、試験例などによって本発明をさらに詳細に説明する。
次に実施例、試験例などによって本発明をさらに詳細に説明する。
ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物はゼラチンの存在下でユビデカレノンが分解されやすいが、これに有機酸、特にクエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、アスパルギン酸、リンゴ酸を配合することにより、ユビデカレノンの分解を阻止することができる。
基本処方として、ユビデカレノン、塩酸フルスルチアミンおよび脂肪酸モノグリセリドをそれぞれ次の割合で配合した。
基本処方:
ユビデカレノン 6.7 重量%
塩酸フルスルチアミン 5.8 〃
脂肪酸モノグリセリド 87.5 〃
合 計 100.0 〃
基本処方:
ユビデカレノン 6.7 重量%
塩酸フルスルチアミン 5.8 〃
脂肪酸モノグリセリド 87.5 〃
合 計 100.0 〃
基本処方のユビデカレノン組成物の調製方法
脂肪酸モノグリセリドを約50℃に加熱撹拌して均一物とし、室温まで冷却してこれに塩酸フルスルチアミンおよびユビデカレノンを加え、全体が均一となるまで撹拌してユビデカレノン組成物を作った。
このユビデカレノン組成物(基本処方)に対して、(1)添加物を加えないもの(基本処方のみ)、(2)ゼラチンを加えたもの、(3)グリセリンを加えたもの、および(4)Dソルビトールを加えたものを調製した。それぞれの場合のユビデカレノン組成物と添加物の配合比率は重量比で1:1とし、得られた配合物についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、開始時、1週間後、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメノールの生成量を測定した。
脂肪酸モノグリセリドを約50℃に加熱撹拌して均一物とし、室温まで冷却してこれに塩酸フルスルチアミンおよびユビデカレノンを加え、全体が均一となるまで撹拌してユビデカレノン組成物を作った。
このユビデカレノン組成物(基本処方)に対して、(1)添加物を加えないもの(基本処方のみ)、(2)ゼラチンを加えたもの、(3)グリセリンを加えたもの、および(4)Dソルビトールを加えたものを調製した。それぞれの場合のユビデカレノン組成物と添加物の配合比率は重量比で1:1とし、得られた配合物についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、開始時、1週間後、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメノールの生成量を測定した。
分解生成物であるユビクロメノールの評価方法は、液体クロマトグラフィーを用いて以下の条件で行った。
〔HPLC条件〕
カラム:Inertcil ODS-2 5μm(4mm lD×150mm)
移動相:
[1−ヘプタンスルフォン酸Na 1.01g+氷酢酸(1→100)1000ml]・・・1)
[メタノール/アセトニトリル=3:2]・・・・・・・・・・・・・・2)
の混液
流 量:0.65ml/min
温 度:50℃
注入量:10μl
この試験結果は次の表1に示される。
〔HPLC条件〕
カラム:Inertcil ODS-2 5μm(4mm lD×150mm)
移動相:
[1−ヘプタンスルフォン酸Na 1.01g+氷酢酸(1→100)1000ml]・・・1)
[メタノール/アセトニトリル=3:2]・・・・・・・・・・・・・・2)
の混液
流 量:0.65ml/min
温 度:50℃
注入量:10μl
この試験結果は次の表1に示される。
この結果から、ユビクロメノールが基本処方の試料、基本処方とグリセリンの試料および基本処方とソルビトールの試料からは検出されなかったが、基本処方とゼラチンとの試料からは検出され、ゼラチンの存在によってユビデカレノンが経時的に分解を受けることが示された。
実施例 1
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチンを1:1の重量比で混合したもの、または基本処方のユビデカレノン組成物をカプセルに充填したもの、および基本処方のユビデカレノン組成物とゼラチンの混合物にクエン酸をユビデカレノンに対して75重量%加えた試料(次の試料1〜6)を用意し、それぞれの試料についてについてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、開始時、1週間後、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメノールの生成量を測定した。
試料1 基本処方
試料2 基本処方+ゼラチン(酸処理)1:1(重量比)
試料3 基本処方+ゼラチン(こはく化ゼラチン)1:1
試料4 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)1:1
試料5 日局カプセルに基本処方充填
試料6 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸1:1:0.05
結果は次の表2に示される。
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチンを1:1の重量比で混合したもの、または基本処方のユビデカレノン組成物をカプセルに充填したもの、および基本処方のユビデカレノン組成物とゼラチンの混合物にクエン酸をユビデカレノンに対して75重量%加えた試料(次の試料1〜6)を用意し、それぞれの試料についてについてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、開始時、1週間後、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメノールの生成量を測定した。
試料1 基本処方
試料2 基本処方+ゼラチン(酸処理)1:1(重量比)
試料3 基本処方+ゼラチン(こはく化ゼラチン)1:1
試料4 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)1:1
試料5 日局カプセルに基本処方充填
試料6 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸1:1:0.05
結果は次の表2に示される。
この結果からクエン酸の添加によりユビデカレノンの分解が抑制されることが分かる。
実施例 2
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチン(アルカリ処理)を1:1の重量比で混合し、さらにユビデカレノンに対してそれぞれクエン酸または酒石酸を45重量%、75重量%、120重量%および150重量%加えた試料(次の試料7〜14)を用意し、それぞれの試料についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、1週間後、2週間後、4週間、6週間後および9週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメールの生成量を測定した。
試料7 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03(重量比)
試料8 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料9 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
試料10 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸150%
(対ユビデカレノン)1:1:0.10
試料11 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料12 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料13 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
試料14 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸150%
(対ユビデカレノン)1:1:0.10
結果は次の表3に示される。
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチン(アルカリ処理)を1:1の重量比で混合し、さらにユビデカレノンに対してそれぞれクエン酸または酒石酸を45重量%、75重量%、120重量%および150重量%加えた試料(次の試料7〜14)を用意し、それぞれの試料についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、1週間後、2週間後、4週間、6週間後および9週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメールの生成量を測定した。
試料7 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03(重量比)
試料8 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料9 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
試料10 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+クエン酸150%
(対ユビデカレノン)1:1:0.10
試料11 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料12 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料13 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
試料14 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+酒石酸150%
(対ユビデカレノン)1:1:0.10
結果は次の表3に示される。
この結果からクエン酸または酒石酸の添加によりユビデカレノンの分解が9週間にわたり抑制されることが分かる。
実施例 3
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチン(アルカリ処理)を1:1の重量比で混合し、さらにユビデカレノンに対してそれぞれフマル酸またはマレイン酸を45%、75%および120重量%加えた試料(次の試料15〜20)を用意し、それぞれの試料についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、開始時、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメールの生成量を測定した。
試料15 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+フマル酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03(重量比)
試料16 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+フマル酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料17 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+フマル酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
試料18 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+マレイン酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料19 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+マレイン酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料20 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+マレイン酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
結果は次の表4に示される。
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチン(アルカリ処理)を1:1の重量比で混合し、さらにユビデカレノンに対してそれぞれフマル酸またはマレイン酸を45%、75%および120重量%加えた試料(次の試料15〜20)を用意し、それぞれの試料についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、開始時、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメールの生成量を測定した。
試料15 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+フマル酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03(重量比)
試料16 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+フマル酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料17 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+フマル酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
試料18 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+マレイン酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料19 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+マレイン酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料20 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+マレイン酸120%
(対ユビデカレノン)1:1:0.08
結果は次の表4に示される。
この結果からフマル酸およびマレイン酸のユビデカレノン分解阻止能力は明らかである。
実施例 4
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチン(アルカリ処理)を1:1の重量比で混合し、さらにユビデカレノンに対して45重量%または75重量%のリンゴ酸、またはユビデカレノンに対して45重量%または75重量%のアスパラギン酸を加えた試料(次の試料21〜25)を用意し、それぞれの試料についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、1週間後、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメールの生成量を測定した。
試料21 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)1:1(重量比)
試料22 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+リンゴ酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料23 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+アスパラギン酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料24 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+アスパラギン酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料25 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+リンゴ酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
結果は次の表5に示される。
試験例で用いた基本処方のユビデカレノン組成物に、ゼラチン(アルカリ処理)を1:1の重量比で混合し、さらにユビデカレノンに対して45重量%または75重量%のリンゴ酸、またはユビデカレノンに対して45重量%または75重量%のアスパラギン酸を加えた試料(次の試料21〜25)を用意し、それぞれの試料についてガラス瓶中(窒素置換された)で50℃に保存して、1週間後、2週間後および4週間後においてユビデカレノンの分解生成物であるユビクロメールの生成量を測定した。
試料21 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)1:1(重量比)
試料22 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+リンゴ酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料23 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+アスパラギン酸45%
(対ユビデカレノン)1:1:0.03
試料24 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+アスパラギン酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
試料25 基本処方+ゼラチン(アルカリ処理)+リンゴ酸75%
(対ユビデカレノン)1:1:0.05
結果は次の表5に示される。
この結果から、リンゴ酸またはアスパラギン酸の添加によりユビデカレノンの分解が阻止できることが明らかである。
Claims (4)
- ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物からなり、これにクエン酸を配合することを特徴とする、安定化されたユビデカレノン製剤。
- 水溶性ビタミン類がビタミンB1誘導体である、請求項1に記載の安定化されたユビデカレノン製剤。
- ゼラチンのカプセルに封入されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の安定化されたユビデカレノン製剤。
- ゼラチンと共存する、ユビデカレノンおよび水溶性ビタミン類を含有する組成物に、クエン酸を配合することを特徴とする、ユビデカレノン含有組成物の安定化方法。
Priority Applications (1)
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